JP2004021004A - カラー顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ顕微鏡100は、レーザ光源10を含むレーザ光学系1と、白色光源20を含む白色光光学系2を備えている。レーザ光学系1は、試料からの応答光が共通対物レンズ17を通り、第1結像レンズ16、リレーレンズ15、第2結像レンズ18を通って、ピンホールを備えた光絞り部19aを通過して第1受光素子19bに入光する。各色光光学系2は、試料からの応答光が共通対物レンズ17を通り、第1ハーフミラー22及び第2ハーフミラー23で反射され、第3の結像レンズ24によって第2受光素子25に入光される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー顕微鏡に関する。本発明は、好適にはコンフォーカル走査顕微鏡に適用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、共焦点原理を利用したコンフォーカル顕微鏡が知られている。このコンフォーカル顕微鏡は、対物レンズとピンホールを有し、対物レンズの焦点位置に試料がある場合、該ピンホールを通過したレーザ光(応答光)を第1受光素子で受光するので、観察したい高さの部分についての画像(コンフォーカル(共焦点)画像)だけが、鮮明に映し出される(解像度が高くなる)。かかる共焦点画像は白黒(無彩色)の映像となる。
【0003】
しかし、かかる白黒の映像では情報が少なく、つまり、試料の色彩に関する情報が得られず、傷や付着物の種類の判別など詳細な観察が困難となる場合がある。そのため、特許第3205530号公報や特開平11−14907号公報に見られるようなカラー(有彩色)顕微鏡が開発されており、この種のカラー顕微鏡は、一般的には、可視領域の波長の光源が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、例えば解像度を高めるために、輝度情報を得るための光源(典型的にはレーザ光源)として紫外線領域または可視光線領域中で短波長領域(400〜420nm程度)にある波長の単色光を用いた場合、色情報を得るための光源(典型的には白色光源)の波長とは大きく異なることから、色収差の問題が発生する。
【0005】
この色収差には、横の色収差(倍率色収差)と、縦の色収差(軸上色収差)とが知られているが、異なる光源からの光によって対物レンズに軸上色収差が発生したときには、使用する光源によって焦点距離が大きく異なり、また、例えば短波長の単色光は被写界深度が小さいため、焦点ボケによって十分なる輝度情報又は色情報が得られないという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の光源から放射される光に起因した対物レンズの軸上色収差の影響を低減することのできるカラー顕微鏡を提供することにある。
【0007】
波長が大きく異なる複数の光源を用いて良好な画面又は像を得ることのできるカラー顕微鏡を提供することにある。
【0008】
輝度情報を得るための光の波長と色情報を得るための光の波長とが大きく異なっていたとしても、良好な解像度と良好な色再現性とを両立することのできるコンフォーカルカラー走査顕微鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明の第1の観点によれば、
複数の光源からの光が共通の対物レンズを通って試料に集光され、該試料からの応答光が、前記共通の対物レンズを通って受光手段に入射されることにより得られた情報に基づいてカラー映像用の信号を生成するカラー顕微鏡を前提として、
前記複数の光源からの光が前記対物レンズを通過することにより発生する軸上色収差を吸収するための前記対物レンズと前記試料との間の相対距離を調整するための相対距離調整手段を有することを特徴とするカラー顕微鏡を提供することにより達成される。
【0010】
上述した技術的課題は、本発明の第2の観点によれば、
輝度情報を得るための第1の光源を備えた第1光学系と、色情報を得るための第2の光源を備えた第2光学系とを含み、これら第1、第2の光学系が共通の対物レンズを含み、前記第1光学系により獲得した前記輝度情報と前記第2光学系により獲得した前記色情報とを合成することによりカラー映像用の信号を生成するカラー顕微鏡を前提として、
前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離を測定するための第1焦点距離測定手段と、
前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離を測定するための第2焦点距離測定手段と、
前記第1焦点距離測定手段により得られた前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離と、前記第2焦点距離測定手段により得られた前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離との焦点距離差を記憶するためのメモリと、
前記対物レンズと試料との間の相対距離を調整するための相対距離調整手段とを有することを特徴とするカラー顕微鏡を提供することにより達成される。
【0011】
本発明は、第1光学系と第2光学系とで用いられる共通の対物レンズの色収差補正が十分になされていない波長領域の光を発する光源を使用するときに効果的である。本発明は、最も典型的には、前記第1光学系により前記輝度情報を得る又は前記第2光学系により前記色情報を得るときに、これに先だって、前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離又は前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離となるように前記メモリに記憶した焦点距離差に基づいて前記相対距離調整手段により前記対物レンズと前記試料との間の相対距離が調整される。これによれば、第1又は第2の光学系で輝度情報又は色情報を得るときに、対物レンズの軸上色収差の影響を受けることなく輝度情報又は色情報を獲得することができる。したがって、第1光学系で使用する光源と第2光学系で使用する光源との間で大きく波長の異なっていたとしても良好なカラー画面を得ることができる。
【0012】
また、一般的に、色情報を獲得するのに用いられる第2光学系の光源による被写界深度は、輝度情報を獲得するのに用いられる第1光学系の光源よりも大きいことから、第2光学系で前記色情報を1回獲得した後、この色情報に基づいて、第1光学系により複数回獲得した輝度情報を合成することにより実用上支障のないカラー映像用の信号を生成することができる。これによれば、カラー顕微鏡の動作工程の幾つかを省くことができるため、カラー映像用信号を素早く生成することが可能になる。
【0013】
本発明は、前記第1光学系が単色光の光源を含む共焦点光学系で構成されたコンフォーカルカラー顕微鏡に好適に適用される。このコンフォーカルカラー顕微鏡において、輝度情報を得るための第1光学系の光源として、紫外線領域又は赤外線領域の波長の光源を用いることができ、特に、解像度の高い画像を得るために紫外線領域または可視光線領域中で短波長領域(例えば400〜420nm程度)にある波長の単色光を発する光源を採用しても、軸上色収差を影響を受けることなく良好なカラー画面を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
【0015】
第1の実施形態(図1〜図4)
図1において、コンフォーカル走査顕微鏡(レーザ顕微鏡)100は、レーザ光学系(第1光学系)1と、白色光光学系(第2光学系)2とを備えている。
【0016】
レーザ光学系1
レーザ光学系1は、試料wの深度に関する情報を検出できる共焦点光学系で、可視領域の波長のレーザ光であってもよいが、赤外線領域又は紫外線領域のレーザ光、好ましくは紫外線領域または可視光線領域中で短波長領域(400〜420nm程度)にある波長のレーザ光L1を出射するレーザ光源10を有する。なお、レーザ光源10に代えて、赤外線領域又は紫外線領域の波長の単色光を放射する光源、例えば高輝度ランプであってもよく、また、レーザ光学系1は単一であってもよいが、複数であってもよい。複数のレーザ光学系1を具備している場合、各レーザ光学系1は、異なる波長の単色光源を備えることなる。
【0017】
レーザ光源10の光軸上には、レーザ光源10側から、順に、第1のコリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、二次元走査装置14、リレーレンズ15、第1の結像レンズ16、対物レンズ17が配設されている。
【0018】
対物レンズ17の焦点位置の付近には、試料ステージ30が配設されており、試料ステージ30は、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御され、X、Y方向については手動ハンドルで移動可能となっており、この試料ステージ30の上下方向位置を調整することにより、対物レンズ17はレーザ光L1を試料wの表面に集光させる。前述の二次元走査装置14は、例えば2枚のガルバノミラーから構成され、レーザ光L1を偏向させることで、試料wへの集光位置を試料wの表面に沿って二次元的(X方向及び/又はY方向)に走査させる。
【0019】
上下動可能な試料ステージ30は、対物レンズ17との間の相対距離を調整するものであり、この相対距離を調整するのに、図1などの仮想線で模式的に図示したように、対物レンズ17を上下動させる駆動機構31を設けてもよい。
【0020】
試料wで反射されたレーザ光(応答光)L1は、レーザ入射光と同じ経路をたどって、対物レンズ17、第1の結像レンズ16、リレーレンズ15を通り、再び、二次元走査装置14を介して1/4波長板13および偏光ビームスプリッタ12を透過し、第2の結像レンズ18に向かう。応答光つまり反射光であるレーザ光L1は、第2の結像レンズ18で集光されてピンホールを有する光絞り部19aを通り、光絞り部19aを通過したレーザ光L1は第1受光素子19bに入射する。第1受光素子19bは、たとえばフォトマルチプライヤまたはフォトダイオードなどで構成され、入射したレーザ光L1を光電変換して、アナログ光量信号を、出力アンプおよびゲイン制御回路(図示せず)を介して第1A/Dコンバータ41に出力する。
【0021】
つぎに、レーザ光学系1によって得られる輝度情報について説明する。
【0022】
前述の光絞り部19aは、第2の結像レンズ18の焦点位置に配設されており、一方、光絞り部19aのピンホールは極めて微小であるから、レーザ光L1が試料w上で焦点を結ぶと、その応答光L1が、第2の結像レンズ18によって光絞り部19aのピンホールで結像し、第1受光素子19bに入射する受光光量が著しく大きくなり、逆に、レーザ光L1が試料w上で焦点を結んでいないと、その応答光L1は、光絞り部19aのピンホールを殆ど通過しないので、第1受光素子19bの受光光量が著しく小さくなる。したがって、レーザ光学系1による撮像領域(走査領域)のうち、焦点の合った部分(合焦点の撮像単位)について明るい映像が得られ、一方、それ以外の高さの部分については暗い映像が得られる。なお、レーザ光学系1は、単色光としてレーザ光L1を用いた共焦点光学系であり、特に、短波長である紫外線領域のレーザ光を用いたときには、分解能に優れた輝度情報を得ることができる。
【0023】
白色光光学系2
白色光光学系2は、白色光(色情報用の照明光)L2を出射する白色光源20を光源としている。白色光源20の光軸上には、第2のコリメートレンズ21、第1のハーフミラー22、第2のハーフミラー23および前記対物レンズ17が配設されており、前記第1のハーフミラー22において2つの光学系1、2の光軸が合致するように白色光光学系2が配設されている。したがって、白色光L2は、共通の対物レンズ17を通ってレーザ光L1の走査領域と同一の箇所に集光される。
【0024】
また、試料wで反射された白色光(応答光)L2は、白色入射光と同じ経路をたどって、先ず、共通の対物レンズ17を通り、次いで第1のハーフミラー22で反射され、更に、第2のハーフミラー23で反射され、そして、第3の結像レンズ24を通り、この第3の結像レンズ24によってカラーCCD(第2受光素子)25の表面で結像する。すなわち、カラーCCD25は、光絞り部19aと共役ないし共役に近い位置に配設されている。なお、カラーCCD25で撮像された画像は、アナログのカラー撮像情報として、CCD駆動回路43に読み出されて第2A/Dコンバータ42に出力される。
【0025】
ここに、カラー撮像情報とは、光の三原色(赤、緑、青)についての強度からなる映像情報や、輝度情報および色差情報や、水平同期信号およびカラーバースト信号を含んだ複合カラー映像情報など、そのまま、または、加工した後、カラーの映像を映し出すことのできる情報をいう。
【0026】
つぎに、後述するカラー共焦点画像モードにおいて作動する図2のカラー映像信号作成手段5について説明する。
【0027】
カラー映像信号作成手段5は、第1受光素子19bからの輝度情報と、カラーCCD25からの色情報とを組み合わせて、カラー映像用のデジタル信号ro、go、boを作成するものである。前記カラー映像信号作成手段5は、第1および第2領域回路51、52と、輝度変換回路53などを備えている。ここに、輝度情報とは、色彩を含まない輝度に関する情報をいい、「色情報」とは、たとえば色差信号のように、色の強度のバランスに関する情報をいう。
【0028】
前記第1および第2領域回路51、52は、図3に示すように、それぞれ、レーザ光学系1および白色光光学系2の撮像領域A1、A2の所定の共通部分を映像領域AOとして選択し、選択した部分についてデジタル信号を出力する。すなわち、図2の第1領域回路51は、前記映像領域AOについて、カラーCCD25の各画素に対応した分解能で輝度信号iを輝度用メモリMiに記憶させる。一方、前記第2領域回路52は、前記映像領域AOについて、各画素ごとに赤、緑、青の色強度信号rm、gm、bmを第1色強度メモリMr1、Mg1、Mb1に記憶させる。なお、色強度信号とは、三原色についての輝度(強度)を含む信号をいう。
【0029】
前記輝度変換回路53は、下記の演算式(1)、(2)、(3)にしたがって、各画素についての前記色強度信号rm、gm、bmの輝度情報を、輝度信号iの輝度情報に置換して、変換色強度信号ro、go、boを求め、該信号を第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2に記憶させるものである。
【0030】
Ro=I・Rm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(1)
Go=I・Gm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(2)
Bo=I・Bm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(3)
【0031】
ここに、Iは輝度信号iの輝度であり;
Rm、gm、bmは色強度信号rm、gm、bmの輝度(強度)であり;
Ro、Go、Boは変換色強度信号ro、go、boの輝度(強度)である。
【0032】
なお、第1および第2色強度メモリMr1〜Mb1、Mr2〜Mb2は、カラーCCD25のうち前述の映像領域Aoの部分の画素に対応した記憶部を有している。
【0033】
このようにして得られた変換色強度信号ro、go、boは、カラーCCD25からのカラー撮像情報のうちの輝度情報を、第1受光素子19bからの輝度情報に置換した信号となる。前記変換色強度信号ro、go、boは、前記第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2から読み出されて、D/Aコンバータ60に出力され、更に、加算器61において同期信号aが付加されて、アナログの複合カラー映像信号cとなる。該複合カラー映像信号cはモニタ62に出力されて、試料wの映像が映し出される。
【0034】
走査顕微鏡100の使用方法
走査顕微鏡100は、領域探索モード、白黒(無彩色)共焦点画像モードおよびカラー共焦点画像モード(第1カラースライス画面モード)の3つのモードのうち1つを選択して用いる。これらのモードの設定は、操作部63(図2)を操作して設定する。
【0035】
領域探索モードが選択されると、カラー映像信号作成手段5は図1のレーザ駆動回路44を停止させると共に、CCD駆動回路43を作動させてカラーCCD25により撮像させる。この領域探索モードでは、図2の第2領域回路52から第1色強度メモリMr1、Mg1、Mb1に記憶された色強度信号rm、gm、bmが、そのまま、D/Aコンバータ60に出力されて、被写界深度の深い通常の拡大画像がモニタ62に映し出される。したがって、図1の試料ステージ30をX方向及び/又はY方向に移動させることにより、撮像したい領域を探し出すことができる。
【0036】
白黒共焦点画像モードが選択されると、カラー映像信号作成手段5(図2)は、レーザ光学系1のレーザ駆動回路44および二次元走査装置14などを作動させ、レーザ光学系1により撮像させる。この白黒共焦点画像モードでは、図2の第1領域回路51から輝度用メモリMiに記憶された輝度信号iが、そのまま、D/Aコンバータ60に出力されて、解像度の高い白黒(無彩色)の拡大画像がモニタ62に映し出される。
【0037】
カラー共焦点画像モード(第1スライスモード)が選択されると、以下に説明するように、レーザ駆動回路44とCCD駆動回路43とが交互に駆動される。
【0038】
第1カラースライス画面モード(図4)
すなわち、図4のステップS1で該モードが選択されると、先ず、ステップS2に進み、ステージ制御回路40により試料ステージ30をZ方向(上下方向)に駆動制御しながら白色光学系2により色情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wと間の距離を予め測定し、また、同様に、レーザ光学系1により輝度情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wとの間の距離を予め測定して、この両者の距離の差つまり白色光源20の場合とレーザ光源10の場合との間の焦点距離の差rを予め測定し、これをメモリに記憶させる。この焦点距離の差rは、実質的に、白色光学系2とレーザ光学系1との軸上色収差である。試料ステージ30を駆動する代わりに、駆動手段31により対物レンズ17を上下移動させることにより、試料wとの相対距離を調整するための手段を構成するようにしてもよい。
【0039】
ついで、ステップS3に進み、レーザ光L1による1画面分の走査がなされた後、ステップS4に進む。ステップS4では図1のレーザ駆動回路44が停止し、レーザ10からレーザ光L1が出射されなくなる。
【0040】
次いでステップS5に進み、白色光源20で試料wに照射する。この際に、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御して、対物レンズ17と試料wとの間の距離を調整して、先にステップS2でメモリに記憶してある焦点距離の差rに相当する距離だけ試料ステージ30を上方又は下方に移動させる。これにより、白色光源20による対物レンズ17の焦点距離に試料wを位置させることができ、白色光源20から放射された光は直ちに試料w上に集光される。この試料wで反射した白色光はカラーCCD25に電荷を蓄積する(ステップS6)。
【0041】
このステップS6で得た図2の色強度信号rm、gm、bmは、該信号に含まれている輝度情報が前記ステップS3のレーザ光走査で得た輝度信号iの輝度情報に置換され、変換色強度信号ro、go、boとなる。該変換色強度信号ro、go、boは、それぞれ、第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2に記憶された後、D/Aコンバータ60に出力されてカラーの拡大画像がモニタ62に映し出される(ステップS7)。
【0042】
次いで、ステップS8で、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御して、先にステップS5で試料ステージ30を移動させたのとは逆方向に同じ量だけ試料ステージ30を移動させて、次のレーザ光走査に備える。すなわち、第1カラースライス画像モードがオフされるまで、上記ステップS3〜S8の動作を反復して、前記レーザ光L1の走査と、CCD駆動回路43による電荷の蓄積および読み出しが繰り返され、カラー共焦点画像が得られる。
【0043】
本実施形態の場合、図1のカラーCCD25によって撮像する(カラーCCD25に電荷を蓄積する)際には、レーザ駆動回路44を停止してレーザ光L1がカラーCCD25に入射しないようにしている。したがって、レーザ光L1の色を帯びた映像になることもなく、試料wの実際の色に近い色彩の映像が得られる。
【0044】
なお、レーザ光L1がカラーCCD25に入射しないようにする手段としては、レーザ光L1を遮光するシャッタを用いたり、あるいは、レーザ光L1の走査範囲をカラーCCD25の撮像領域外に設定するなど種々の方法を採用することができる。また、レーザ光L1がカラーCCD25に入射して、レーザ光L1の色を帯びても、カラーの映像が得られるので、本発明の範囲に含まれる。
【0045】
図5以降の図面は、第1実施形態の変形例又は他の実施の形態を示すものであるが、これらにおいて上述した第1の実施の形態に含まれる要素と実質的に同じ要素には同一の参照符号を付すことにより、その説明を省略する。
【0046】
第1実施形態の変形例(図5)
上述した第1の実施形態では、操作部63を操作することにより、領域探索モード、白黒(無彩色)共焦点画像モードおよびカラー共焦点画像モード(第1カラースライス画面モード)の3つのモードのうち1つを選択して用いるようになっていたが、別の付加的な選択肢として又は第1カラースライス画面モード(図4)に代えて次の第2カラースライス画面モード(図5)を用意してもよい。
【0047】
すなわち、図5のステップS101で、この第2カラースライス画面モードが選択されると、先ず、ステップS102に進み、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御しながら白色光学系2により色情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wと間の距離を予め測定し、また、同様に、レーザ光学系1により輝度情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wとの間の距離を予め測定して、この両者の距離の差つまり白色光源20の場合とレーザ光源10の場合との間の焦点距離の差rを予め測定し、これをメモリに記憶させる。
【0048】
ついで、ステップS103に進み、カウント値(i)をゼロにセットした後、ステップS104で、図外の入力手段により、操作者は、1回の色情報の取得に対する輝度情報の取得回数nを入力する。次いで、ステップS105で、レーザ光L1による1画面分の走査がなされた後、ステップS106に進む。ステップS106では図1のレーザ駆動回路44が停止し、レーザ10からレーザ光L1が出射されなくなる。
【0049】
次いでステップS107に進み、白色光源20で試料wに照射する。この際に、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御して、対物レンズ17と試料wとの間の距離を先にステップS102でメモリに記憶してある焦点距離の差rに相当する距離だけ試料ステージ30を上方又は下方に移動させる。これにより、白色光源20から放射された光は直ちに試料w上に集光される。この試料wで反射した白色光はカラーCCD25に電荷を蓄積する(ステップS108)。
【0050】
このステップS108で得た図2の色強度信号rm、gm、bmは、該信号に含まれている輝度情報が前記ステップS105のレーザ光走査で得た輝度信号iの輝度情報に置換され、変換色強度信号ro、go、boとなる。該変換色強度信号ro、go、boは、それぞれ、第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2 に記憶された後、D/Aコンバータ60に出力されてカラーの拡大画像がモニタ62に映し出される(ステップS109)。
【0051】
次いで、ステップS110で、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御して、先にステップS107で試料ステージ30を移動させたのとは逆方向に同じ量だけ試料ステージ30を移動させて、次のレーザ光走査に備える。
【0052】
次のステップS111でカウント値(i:変数)をインクリメントしてカウント値をカウントアップし、次のステップS112でカウント値(i)が「i=n」となったか否かを判定し、カウント値がnよりも小さいときには、ステップS113に進んで、レーザ光L1による1画面分の走査が行われ、この走査の結果は、上記ステップS109と同様の処理がなされモニタ62に表示される(ステップS114)。この操作は、ステップS104で操作者が入力した所定の回数nだけ輝度情報のサンプリングが繰り返して行われ、この所定回数の輝度情報のサンプリングの間は、ステップS108で得た1回の色情報と組み合わせてモニタ表示される。
【0053】
そして、第2カラースライス画像モードがオフされるまで(ステップS115)、上記ステップS105〜114の動作を反復して、前記レーザ光L1の走査と、CCD駆動回路43による電荷の蓄積および読み出しが繰り返される。
【0054】
この図5の変形例によれば、白色光源20によるときの被写界深度がレーザ光源10によるときの被写界深度よりも大きいという特性を利用して、色情報の獲得回数を減じることにより、カラー走査顕微鏡100のカラースライス画像の更新速度を改善することができる。
【0055】
ところで、前述のカラー共焦点画像モードで凹凸のある試料wを観察すると、焦点(高さ)の合っていない部分の映像が暗くなる。そこで、図6、図7に示すように、かかる凹凸のある試料wの観察に適した凹凸用カラー共焦点画像(カラー超深度画面)モードを備えているのがよい。
【0056】
コンフォーカル走査顕微鏡(レーザ顕微鏡)100が凹凸用カラー共焦点画像(カラー超深度画面)モードを具備している場合、図6に示すようなカラー映像信号作成手段5を含むのがよい(カラー映像信号作成手段5以外は図2と同一の構成)。すなわち、カラー映像信号作成手段5は最大輝度記憶部MmaxおよびZ座標記憶部Mzからなるメモリを有するのがよい。最大輝度記憶部Mmaxは、走査領域における各撮像単位(カラーCCD25の各画素に対応する単位)ごとに、第1受光素子19b(図2)が受光した最大輝度Imaxを記憶するものである。前記Z座標記憶部Mzは、輝度Iが最大輝度ImaxとなったときのZ座標(試料ステージ30の高さ)を各撮像単位ごとに記憶するものである。輝度比較手段54は最大輝度記憶部Mmaxに記憶されている最大輝度Imaxと、輝度用メモリMiに新たに記憶された輝度Iとを各撮像単位ごとに比較するものである。この比較の結果、各撮像単位ごとにメモリ輝度用メモリMiに新たに記憶された輝度Iが最大輝度Imaxよりも大きければ、当該輝度Iを最大輝度として最大輝度記憶部Mmaxに記憶させる。Mrii、Mgii、Mbiiは輝度Iが最大輝度Imaxになった時のZ座標位置にγを加えた位置でのrm、gm、bmの値をメモリする。また、輝度変換回路53以下の処理は、先の第1実施例の輝度変換回路32で詳述した変換色強度信号ro、go、bo及びカラー撮像情報のうち輝度情報に関する処理と同様の処理を行う。前記第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2は合成撮像情報記憶部を構成しており、前記Z座標記憶部Mzに記憶された各画素のZ座標+γにおいてカラーCCD25の各画素が受光したカラー撮像情報のうち、輝度情報を最大輝度Imaxで置換した信号を記憶する。第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2は、図1の試料ステージ30の高さが変化して第1光学系1と第2光学系が各々合焦点となったときの輝度情報と色情報を合成した情報を各画素(撮像単位)ごとに記憶する。
【0057】
第1凹凸用カラー共焦点画像(第1カラー超深度画面)モード(図7)
この第1カラー超深度画面モードは、前述した領域探索モード、白黒(無彩色)共焦点画像モード、第1及び/又は第2のカラースライス画面モードなどの動作モードの一つに加えられて、操作者が操作部63を操作することにより、この第1カラー超深度画面モードを動作させることができる(図7のステップS201)。
【0058】
この図7において、ステップS202において、ステージ制御回路40によりZ方向(上下方向)に駆動制御しながら白色光学系2により色情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wと間の距離を予め測定し、また、同様に、レーザ光学系1により輝度情報を得るときの対物レンズ17の焦点距離つまり対物レンズ17と試料wとの間の距離を予め測定して、この両者の距離の差つまり白色光源20の場合とレーザ光源10の場合との間の焦点距離の差rを予め測定し、これをメモリに記憶させる。
【0059】
次いで、ステップS203で試料ステージ30を上昇端まで移動させた後、ステップS204で、第2光学系2(白色光源)によって撮像し、カラーCCD25に電荷を蓄積してカラー撮像情報を得る。
【0060】
つづいて、図7のステップS205に進み、第1光学系1によってレーザ光L1を走査して撮像することで、輝度情報を得る。
【0061】
そして、このステップS205において獲得した輝度情報を図6の最大輝度記憶部Mmaxに、各撮像単位(カラーCCD25の画素に対応する単位)ごとに記憶させ、当該撮像時のZ座標をZ座標記憶部Mzに記憶させる。
【0062】
次にステップS206に進み、試料ステージ30(図1)を1段階下降させた後、図7のステップS207に進む。このステップS207では、再び、第2光学系2によってカラー撮像情報を得て、この内容を図6の第1色強度メモリMr1、Mg1、Mb1に各画素ごとに記憶させ、図7のステップS208に進む。
【0063】
ステップS208では、第1光学系1によってレーザ光L1を走査しながら、以下に説明するように、最大輝度記憶部Mmaxの最大輝度Imaxを更新記憶させると共に、最大輝度Imaxを更新した撮像単位については第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2に記憶させていた変換色強度信号ro、go、boを更新記憶させる。
【0064】
次いで、図7のステップS209に進み、試料ステージ30が下降端+γでなければ、ステップS206に戻り、一方、試料ステージ30が下降端+γであれば、ステップS210に進んで、変換色強度信号ro、go、boがD/Aコンバータ60に出力された後、複合カラー映像信号cが得られる。つまり、図7のステップS206〜ステップS209を繰り返すことで、前記図6の最大輝度記憶部Mmaxの最大輝度Imaxと、変換色強度信号ro、go、boの更新を繰り返す。したがって、ステップS210で出力される変換色強度信号ro、go、boの輝度は、下記の式(21)〜(23)で表される。
【0065】
Ro=Imax・Rm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(21)
Go=Imax・Gm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(22)
Bo=Imax・Bm/(Rm+Gm+Bm) ・・・(23)
【0066】
なお、図7のステップS211でモードOFFであれば、当該モードを終了する。
【0067】
このように、第1カラー超深度画面モード(第1凹凸用カラー共焦点画像モード)では、図1のカラーCCD25の各画素ごとに、第1光学系1と第2光学系2が各々合焦点となった際の輝度情報及び色情報についてのカラー撮像情報を用いるので、凹凸があっても各画素ごとに焦点の合った映像が得られるから、通常のカラーの拡大画像よりもピントの合った映像が得られる。
【0068】
ところで、前述した第1実施例及びその変形例にあっては、輝度変換を行ったが、この輝度変換は必ずしも必要はない。すなわち、前述の図7のステップS205およびステップS208で輝度変換を行わずに、Mrii、Mgii、Mbii(図6)に記憶されているカラー撮像情報を第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2に出力して、つまり、下記の式(31)〜(33)に従って、複合カラー映像信号cを得てもよい。
【0069】
Ro=Rm ・・・(31)
Go=Gm ・・・(32)
Bo=Bm ・・・(33)
【0070】
この場合も、図6、図7に例示の変形例と同様に、図1のカラーCCD25の各画素ごとに合焦点となった際のカラー撮像情報を用いるので、通常のカラー拡大画像と異なり、厳密にピントの合った映像が得られる。
【0071】
第2凹凸用カラー共焦点画像(第2カラー超深度画面)モード(図8)
この第2カラー超深度画面モードは、上述した第1カラー超深度画面モード(図7)の変形例である。したがって、前述した領域探索モード、白黒(無彩色)共焦点画像モード、第1及び/又は第2のカラースライス画面モードなどの動作モードの一つに加えられて、操作者が操作部63(図2)を操作することにより、この第2カラー超深度画面モードを動作させることができる(図8のステップS301)。
【0072】
この図8に示すフローチャートにおいて、先に説明した第1カラー超深度画面モード(図7)と実質的に同じ工程にはステップ番号に括弧書きで図7のステップ番号を付記することにより、適宜、その説明を省略又は援用する。
【0073】
ステップS302でこの第2カラー超深度画面モードに入ると、ステップS302に進む。このステップS302は、第1モードでのステップS202(図7)と同様に、焦点距離差rを予め測定して、これをメモリに記憶させる。次いで、ステップS303に進み、このステップS303で、図外の入力手段により、操作者は、1回の色情報の取得に対する輝度情報の取得回数nを入力する。
【0074】
次いで、ステップS304で、第1モードでのステップS203(図7)と同様に、試料ステージ30を上昇端まで移動させた後、ステップS305で、第1モードでのステップS204と同様に、第2光学系2(白色光源)によって撮像し、カラーCCD25に電荷を蓄積してカラー撮像情報を得る。
【0075】
次いで、ステップS306でカウント値(i)をゼロにセットして、次のステップS307に進み、第1モードでのステップS205(図7)と同様に、第1光学系1によってレーザ光L1を走査して撮像することで、輝度情報を得る。
【0076】
次にステップS308に進み、第1モードでのステップS206(図7)と同様に、試料ステージ30(図1)を1段階下降させた後、ステップS309に進んで、カウント値(i)をカウントアップする。
【0077】
次のステップS310で、第1モードでのステップS208と同様に、第1光学系1によってレーザ光L1を走査しながら、最大輝度記憶部Mmaxの最大輝度Imaxを更新記憶させると共に、最大輝度Imaxを更新した撮像単位については第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2に記憶させていた変換色強度信号ro、go、boを更新記憶させる。すなわち、レーザ光L1を走査して新たに図6の輝度用メモリMiに記憶された輝度Iと、最大輝度記憶部Mmaxに記憶されている最大輝度Imaxとを、各撮像単位ごとに、輝度比較手段54が比較する。該比較の結果、I>Imaxであれば、当該撮像単位については、輝度比較手段54が当該輝度Iを新たな最大輝度Imaxとして最大輝度記憶部Mmaxに記憶させると共に、第1色強度メモリMr1、Mg1、Mb1に記憶されている色強度信号rm、gm、bmから最大輝度位置+γでの色情報つまりカラー撮像情報を輝度変換して、変換色強度信号r0、g0、b0として第2色強度メモリMr2、Mg2、Mb2の当該撮像単位のアドレスに更新記憶させる。一方、前記比較の結果、輝度Iが最大輝度Imax以下であれば、当該撮像単位については、最大輝度Imax及び変換色強度信号r0、g0、b0の更新をしない。なお、n個分の輝度情報に対して1個のカラー撮像情報が対応するため、採用すべきカラー撮像情報は最大輝度+γにもっとも近いZ位置でのカラー撮像情報となる。
【0078】
次のステップS311では、カウント値(i)が「i=n」となったか否かを判定し、カウント値がnよりも小さいときには、ステップS308に進んで、同じ色情報を用いて輝度情報のサンプリングを繰り返す。
【0079】
ステップS311は、カウント値(i)が「i=n」、つまり操作者が入力した所定回数の輝度情報のサンプリングが終了したら、ステップS312に進んで、試料ステージ30が下降端に存在しているか否かを判定し、試料ステージ30が下降端+γでなければ、ステップS305に戻り、一方、試料ステージ30が下降端+γであれば、ステップS313に進んで、第1モードでのステップS210と同様に、変換色強度信号ro、go、boがD/Aコンバータ60に出力された後、複合カラー映像信号cが得られる。
【0080】
第2の実施形態(図9)
前記第1の実施形態では、試料wの表面および第1受光素子19bにおいて点状に集光するレーザ光L1を用いたが、試料wの表面および第1受光素子19bにおいて線状に集光するラインレーザ光L1を用いてもよい。すなわち、図9に示す第2の実施形態のレーザ顕微鏡200のように、レーザ光L1に代えてY方向に長いラインレーザ光L1を用いると共に、点状の第1受光素子19bに代えてY方向に長い一次元CCD19Aを用い、更に、二次元走査装置14に代えて一次元走査装置14Aを用いる。この場合、図9(b)のように、ラインレーザ光L1が試料wの表面で集光した際の長手方向に直交する方向に、ラインレーザ光L1を走査する。なお、光絞り部19aはスリット状(溝状)にする。
【0081】
また、第1の実施形態では、試料wで反射された白色光(応答光)L2が、対物レンズ17と第1の結像レンズ16との間に配置した第1のハーフミラー22で反射されるようになっていたが、この第2の実施形態の顕微鏡200では、図1の第1の結像レンズ16と第3の結像レンズ24を共通化させることで、第2のハーフミラー23が第1結像レンズ1と第1のリレーレンズ15との間に配置される。
【0082】
したがって、試料wで反射された白色光(応答光)L2は、対物レンズ17、第1の結像レンズ16を通り、次いで、第2のハーフミラー22で反射され、カラーCCD(第2受光素子)25の表面で結像するようになっている。
【0083】
前記第2の実施形態では、図9のレーザ光学系1の第1受光素子19Aの前方に光絞り部19aを設けたが、該光絞り部19aは必ずしも設ける必要はない。
【0084】
第3の実施形態(図10)
図10に示す第3の実施形態のレーザ顕微鏡300のように、第2の結像レンズ18の焦点の位置に白黒用の一次元CCD19Aを設け、第1の一次元走査装置14Aを第1のコリメートレンズ11と偏光ビームスプリッタ12の間に設け、第2の一次元走査装置14Bを1/4波長板13と第1リレーレンズ15との間に設けてもよい。
【0085】
この第3の実施形態の顕微鏡300では、第2のハーフミラー23を、図1と同様に、対物レンズ17と第1の結像レンズ16との間に配置してもよく、或いは、図9に図示のように、第1結像レンズ16と第1リレーレンズ15との間に配置してもよい。
【0086】
第4の実施形態(図11)
図11に示す第4の実施の形態のレーザ顕微鏡400は、図1の第1の実施の形態のレーザ顕微鏡100と図9の第3の実施の形態のレーザ顕微鏡300とを組み合わせたものである。すなわち、レーザ光源10から第1のリレーレンズ15までの光路構成と第1リレーレンズ15から第1受光素子19bまでの光路構成は第1実施の形態のレーザ顕微鏡100と同一であり、また、第1リレーレンズ15と対物レンズ17間の光路構成は第3の実施の形態のレーザ顕微鏡300と同一である。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、例えば、図1、図9、図10及び図11の第2光学系2において、第2受光素子として、カラーCCDの他に、前方に回転RGBフィルタを用いた二次白黒面受光素子(例えばCCD)であってもよいし、ダイクロックミラー群と各々がRGBフィルタ用の3つの二次白黒面受光素子であってもよく、また、MOS型などの他の固体撮像素子や複数の撮像管を組み合わせたテレビカメラなどを用いることもできる。
【0088】
なお、レーザ光L1を走査する走査装置を白色応答光に対して兼用する場合は、次のような例が考えられる。図11の場合は、二次元走査装置14がX方向走査部とY方向走査部とより構成(Y方向走査部が第1リレーレンズ15側、言い換えれば、白色応答光を最初にY方向に走査する)されている場合、Y方向走査部とX方向走査部との間に第2のハーフミラー23を配置してもよい。この場合、第2受光素子としては一次元カラー受光素子や、前方に回転RGBフィルタを設けた一次元白黒受光素子や、ダイクロックミラー群と3つの一次元白黒受光素子を用いる。
【0089】
また、図9と図10の場合は、1/4波長板13と一次元走査装置14A(図10においては14B)の間に第2のハーフミラー23を配置してもよい。この場合、第2受光素子としてはダイクロックミラー群と3つの一次元白黒受光素子を用いる。なお、第2受光素子として一次元カラー受光素子や、前方に回転RGBフィルタを設けた一次元白黒受光素子も用いることができるが、この場合は、第2受光素子を第1受光素子として使用できる。但し、回転RGBフィルタは、RGB以外に白色応答光を直接一次元白黒受光素子に導く部分(開口部など)が必要となる。
【0090】
同様に、図11においても、二次元走査装置14と1/4波長板13との間に第2ハーフミラー23を配置してもよい。この場合、第2受光素子としては、前方に回転RGBフィルタを設けた二次元受光素子や、ダイクロックミラー群と3つの二次元受光素子を用いる。
【0091】
なお、前述した各々の第2のハーフミラー23の配置の変形例において、第2のハーフミラー23の配置が変更されたことに伴い、第2受光素子25、CCD駆動回路43及び第2A/D42の配置も変更されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の走査顕微鏡の概略構成図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】撮像領域を示す平面図である。
【図4】第1カラースライス画面モードでの操作手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2カラースライス画面モードでの操作手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1実施形態の他の変形例に関するカラー映像信号作成手段のブロック図である。
【図7】第1カラー超深度画面モードでの操作手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2カラー超深度画面モードでの操作手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2実施形態の走査顕微鏡の概略構成図である。
【図10】第3実施形態の走査顕微鏡の概略構成図である。
【図11】第4実施形態の走査顕微鏡の概略構成図である。
【符号の説明】
1:第1光学系
16:対物レンズに隣接した第1の結像レンズ
17:共通対物レンズ
19b:第1受光素子
2:第2光学系
20:色情報用の照明光(白色光源)
25:第2受光素子
31:対物レンズを上下動させる駆動手段
40:試料ステージ制御回路
L1:レーザ光又は高輝度ランプ
L2:白色光
Claims (8)
- 複数の光源からの光が共通の対物レンズを通って試料に集光され、該試料からの応答光が、前記共通の対物レンズを通って受光手段に入射されることにより得られた情報に基づいてカラー映像用の信号を生成するカラー顕微鏡において、
前記複数の光源からの光が前記対物レンズを通過することにより発生する軸上色収差を吸収するために前記対物レンズと前記試料との間の相対距離を調整するための相対距離調整手段を有することを特徴とするカラー顕微鏡。 - 輝度情報を得るための第1の光源を備えた第1光学系と、色情報を得るための第2の光源を備えた第2光学系とを含み、これら第1、第2の光学系が共通の対物レンズを含み、前記第1光学系により獲得した前記輝度情報と前記第2光学系により獲得した前記色情報とを合成することによりカラー映像用の信号を生成するカラー顕微鏡において、
前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離を測定するための第1焦点距離測定手段と、
前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離を測定するための第2焦点距離測定手段と、
前記第1焦点距離測定手段により得られた前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離と、前記第2焦点距離測定手段により得られた前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離との焦点距離差を記憶するためのメモリと、
前記対物レンズと試料との間の相対距離を調整するための相対距離調整手段とを有することを特徴するカラー顕微鏡。 - 前記第1光学系により前記輝度情報を得る又は前記第2光学系により前記色情報を得るときに、これに先だって、前記第1光学系での前記対物レンズの焦点距離又は前記第2光学系での前記対物レンズの焦点距離となるように前記メモリに記憶した焦点距離差に基づいて前記相対距離調整手段により前記対物レンズと前記試料との間の相対距離を調整することを特徴とする請求項2に記載のカラー顕微鏡。
- 前記第2光学系による前記色情報を1回獲得した後、前記第1光学系により前記輝度情報を複数回獲得する毎に、獲得した輝度情報と前記色情報とを合成することにより前記カラーに基づいてカラー映像用の信号を生成することを特徴とする請求項2又は3に記載のカラー顕微鏡。
- 前記第1光学系が単色光の光源を含む共焦点光学系で構成され、
前記第1光学系の第1の光源が可視光を放射し、前記第2光学系の第2の光源が、前記第1の光源とは異なる波長の光を放射することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のカラー顕微鏡。 - 前記第1光学系の光源の波長が紫外線領域又は赤外線領域の波長であり、前記第2光学系の光源が白色光源からなることを特徴とする請求項5に記載のカラー顕微鏡。
- 前記相対距離調整手段が、前記対物レンズを移動させる手段で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカラー顕微鏡。
- 前記相対距離調整手段が、前記試料を載せる試料ステージを移動させる手段で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカラー顕微鏡。
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