JP2004020807A - 電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の表示方法 - Google Patents
電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の表示方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報をサーバ2に保存し、このサーバ2と通信手段3を介して接続されサーバ2から送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末4と、サーバ2と通信手段3を介して接続されサーバ2から送信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末5とを備え、電子楽譜情報が変更されたときサーバ2、指揮者用端末4および演奏者用端末5などに保存又は表示されている該当する電子楽譜情報についても自動的に変更されるようにした電子楽譜の配信システム1である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーケストラ、吹奏楽や合唱は、中央に指揮者がおり、この指揮者を囲むように数十人の演奏者が配列して曲を演じている。各演奏者は、前方に各演奏者用の楽譜が載置された楽譜スタンドを置いて、演奏している。この楽譜は、演奏する曲の楽譜が紙に印刷された冊子になっている。指揮者用の楽譜は、全てのパート譜が収集された総譜の冊子であり、指揮者が使用している。各演奏者の楽譜は、楽器の種別や音調の担当によって割り当てられた冊子であり、各演奏者は、用意された対応する楽譜を読みながら演奏している。
【0003】
ところが、演奏しようとする曲によっては、指揮者および演奏者は、一つの楽章が終了するまでの演奏中に楽譜の頁を順次めくる必要が発生する。特に演奏しようとする曲が長い曲であると、演奏者は曲の演奏の妨げにならないように、タイミング良く複数回頁をめくっている。演奏中に、タイミング良く頁をめくる作業は、大変難しく、失敗したときには、演奏を中断もしくは演奏の善し悪しに影響する。
【0004】
現在、オーケストラなどで使用されている楽譜、例えばクラッシック分野の楽譜は、専門の職人のような人により手書きで書かれた印刷物(紙)が用いられている。このような楽譜を用いて練習(リハーサル)中に楽譜の小節に変更(変更、修正)などが発生した場合や、作曲家による曲の見直しで楽譜の小節に変更(変更、修正)などが発生した場合などでは、各パート譜および総譜の楽譜を再作成し、再度、紙に印刷した楽譜がメンバに再配布されている。
【0005】
紙での楽譜の配布は、保管スペースの確保、搬送や印刷費などの費用発生など間接的な労力、コストが発生していた。特に、オーケストラのメンバによる練習中に発生した変更は、都度印刷が終了するまで変更された楽譜が配布されず、待たなければならないため練習時間の長時間化や効率が悪いという課題があった。
【0006】
また、頁数の多い楽譜の場合には、譜面めくり専門の担当者を用意するか、又は一部の演奏者が演奏を中断して頁めくりをする必要があった。演奏者は、指揮者から演奏に関する変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント(注意点)、メモ、追加事項などの変更情報があると、配布された楽譜に手書きで記載し、記載した楽譜は、各演奏者が保持および管理していた。このように紙による楽譜は、紛失や損傷の可能性があり、多数の楽譜が溜まると所望する楽譜を探すのに非常に長時間を要していた。
【0007】
これらの課題を解決する手段としては、パソコンにより電子楽譜情報を作成し、印刷することにより作成された紙の楽譜を指揮者および演奏者に配布する方法が考えられる。パソコンにより作成された電子楽譜情報は、指揮者や演奏者からの変更や指揮者からの指示事項などが発生したとき、変更や指示事項を書き込み、これを紙に印刷して、印刷された楽譜が指揮者や数十人の演奏者に配布される。ところが、印刷物を配布する紙の楽譜は、依然として印刷時間や配布時間を必要とする上、演奏中頁めくりする必要性が解決されていない。
【0008】
これらの課題に対処して、次のような提案が行われている。この提案は、コンピュータのメモリに指揮者用および各演奏者用の電子楽譜情報を記憶し、コンピュータの母線に接続された指揮者用および各演奏者用のLCD表示画面に電子楽譜情報を表示して、このLCD表示画面上で頁めくりボタンに接触するだけで、楽譜の頁めくりする方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、指揮者は、電子楽譜を指揮し演奏すると、変更したい場合が発生する。この変更の希望は、指揮者だけでなく各演奏者からも発生し、変更した電子楽譜は、一刻も早く指揮者や練習中の他の該当する演奏者にも報告されることが理想的であるが、上記提案では、コンピュータのメモリに記憶された電子楽譜を修正しなければならないため、指揮者や演奏者など変更希望者がコンピュータ設置場所に行って操作しなければならないという課題があった。
【0010】
本発明は上記点に対処してなされたもので、サーバに保存された電子楽譜は利用者がどこにいても、いつでも表示装置に表示して見ることができ、電子楽譜に変更があっても常に最新の電子楽譜情報で演奏できる電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の作成方法を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次の構成からなる電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の作成方法を提供するものである。
【0012】
即ち、請求項1の電子楽譜の配信システムは、電子楽譜情報が保存されたサーバと、このサーバから読み出された前記電子楽譜情報を表示し、表示された前記電子楽譜情報を利用者が閲覧する表示装置と、前記サーバと前記表示装置間を接続する通信手段と、を具備してなることを特徴とする。
請求項1によれば、サーバに保存された電子楽譜は利用者がどこにいても、いつでも表示装置に表示して見ることができる。
【0013】
請求項2の電子楽譜の配信システムは、請求項1記載の電子楽譜の配信システムにおいて、前記表示装置には、変更が発生すると前記サーバから他の電子楽譜情報が送信されて表示されることを特徴とする。
請求項2によれば、利用者は常に最新の電子楽譜を閲覧することができる。
【0014】
請求項3の電子楽譜の配信システムは、請求項1又は2記載の電子楽譜の配信システムにおいて、前記サーバに保存された電子楽譜情報は、変更が発生すると変更された電子楽譜情報が保存されることを特徴とする。
請求項3によれば、サーバには、常に最新の電子楽譜情報が保存される。
【0015】
請求項4の電子楽譜の配信システムは、請求項2又は3記載の電子楽譜の配信システムにおいて、前記変更は、電子楽譜情報の変更、指揮者の指示事項、演奏者のメモなどの情報であることを特徴とする。
請求項4によれば、電子楽譜に書き込まれる総ての情報が変更情報として扱われ、利用者は表示装置に表示して閲覧することができる。
【0016】
請求項5の電子楽譜の配信システムは、電子楽譜情報が保存されたサーバから送信要求された電子楽譜情報を、前記サーバと通信手段を介して接続された複数の表示装置に送信する電子楽譜の配信システムにおいて、前記通信手段に接続された少なくとも一つの表示装置に表示される電子楽譜情報が変更されたとき他の表示装置に表示される対応する電子楽譜情報についても変更されて表示されるようにしたことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、電子楽譜の配信システムにおいて、サーバに保存されている電子楽譜情報について変更されたとき送信済みの利用者の表示装置に表示されている電子楽譜情報についても対応して変更されるようにしたので、電子楽譜に変更があっても、誰でも常に最新の電子楽譜で演奏できる。
【0017】
請求項6の電子楽譜の配信システムは、複数の各利用者用の電子楽譜情報が保存され前記利用者から要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、このサーバと通信手段を介して接続されて各利用者側に配置され前記サーバから送信された前記電子楽譜情報が表示される利用者用表示装置と、前記利用者が前記利用者用表示装置に表示された前記電子楽譜情報を変更する変更手段と、この変更手段によって変更された変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力手段と、前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている対応する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換え手段と、前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される利用者用表示装置に送信して前記変更電子楽譜情報を表示する変更電子楽譜情報表示手段とを具備してなることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、サーバが変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている対応する電子楽譜情報を変更電子楽譜情報に書換え、変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される利用者用表示装置に送信して変更電子楽譜情報を表示するので、電子楽譜に編曲など変更があっても、誰でも常に最新の電子楽譜で演奏できる。
【0018】
請求項7の電子楽譜の配信システムは、指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用表示装置と、前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用表示装置と、前記利用者が前記利用者用表示装置に表示された前記電子楽譜情報を変更する変更手段と、この変更手段によって変更された変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力手段と、前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換え手段と、前記変更電子楽譜情報と対応する前記電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用表示装置に送信して前記変更電子楽譜情報を表示する変更電子楽譜情報表示手段とを具備してなることを特徴とする。請求項7の発明によれば、電子楽譜情報が変更されたとき、サーバ、指揮者用表示装置および演奏者用表示装置などに保存又は表示されている該当する電子楽譜情報についても自動的に変更されるので、指揮者や多数の演奏者は、常に最新の電子楽譜情報で演奏することができる。
【0019】
請求項8の電子楽譜の配信システムは、請求項1,2,5〜7のいずれか1項記載の電子楽譜の配信システムにおいて、前記表示装置には、前記電子楽譜情報およびタイミング情報が表示されることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、電子楽譜情報を読みながらメトロノームなどによるタイミング情報を見てリズムや調子を合わせることができる。さらに、クリック情報の表示は、制限されるパート譜の演奏時間を高精度に再現性のよい演奏を可能にする。
【0020】
請求項9の電子楽譜の作成方法は、指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報を当該端末により変更したとき変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力ステップと、前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換えステップと、前記サーバが受信した前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用端末に前記変更電子楽譜情報を送信して表示する変更電子楽譜情報表示ステップとを具備してなることを特徴とする。
請求項9の発明によれば、指揮者や多数の演奏者は、常に最新の電子楽譜情報で演奏することができる。
【0021】
請求項10の電子楽譜の表示方法は、指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報を予め設定された映像を見ながら演奏して変更の必要性が発生したとき当該端末により前記電子楽譜情報を変更して変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力ステップと、前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換えステップと、前記サーバが受信した前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用端末に前記変更電子楽譜情報を送信して表示する変更電子楽譜情報表示ステップとを具備してなることを特徴とする。
請求項10の発明によれば、音楽の情景を表現する映像を見ながら演奏することにより、総てのメンバが何時変更しても最新の電子楽譜情報で演奏することができる。
【0022】
請求項11の電子楽譜の表示方法は、指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報に指揮者からのコメントを当該端末により前記電子楽譜情報に付記してコメント付き電子楽譜情報を前記サーバに出力するコメント付き電子楽譜情報出力ステップと、前記サーバが前記コメント付き電子楽譜情報を受信したとき、保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記コメント付き電子楽譜情報に書換える書換えステップと、前記サーバが受信した前記コメント付き電子楽譜情報と対応する前記指揮者用および各演奏者用端末に前記コメント付き電子楽譜情報を送信して表示するコメント付き電子楽譜情報表示ステップとを具備してなることを特徴とする。
請求項11の発明によれば、指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された各電子楽譜情報における指揮者による指示事項が、指揮者用端末から当該演奏者用端末に送信され電子楽譜情報の該当する音符情報に付記される付記工程とを有するので、関係する演奏者は最新の指示事項で演奏することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の作成方法をオーケストラの演奏用楽譜に適用した実施形態について図1を参照して説明する。先ず、この明細書において使用される用語について次のように定義する。変更電子楽譜は、作曲家、指揮者、演奏者、歌手などの関係者により変更された楽譜が電子化された状態をいう。変更情報には、編曲情報、アレンジ情報、変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項など譜面のページに表記される電子楽譜以外の総ての情報が含まれる。端末は、電子楽譜、編曲情報、アレンジ情報、変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項など総ての情報を表示する機能と、編曲情報、アレンジ情報、変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などを入力できる機能とを有するもので、例えばパソコンである。
【0024】
この実施形態の電子楽譜の配信システム1は、電子楽譜情報を配信するサーバ2と、このサーバ2と通信手段3を介して接続され配信された電子楽譜情報を表示する利用者の端末として例えば指揮者用端末4と、通信手段3に接続される電子楽譜情報を表示する他の利用者の端末として例えば多数の演奏者用端末5とからなる。
【0025】
サーバ2は、指揮者用および各演奏者用など複数種の電子楽譜情報が保存され、指揮者および各演奏者から電子楽譜情報の送信を要求されたとき、該当する電子楽譜情報を配信する。また、サーバ2には、ソロ演奏のような場合、1種類の演奏者用電子楽譜情報も保存される。演奏者は、演奏中に気が付いたメモやコメントなどを変更情報としてサーバ2に保存することができる。
【0026】
さらに、サーバ2は、変更電子楽譜情報が送信されこの変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている前記電子楽譜情報を変更電子楽譜情報に書換える書換え手段を有する。変更電子楽譜情報に書換える書換え手段は、保存されている電子楽譜情報に「上書き保存」してもよいし、保存されている電子楽譜情報を残して、変更電子楽譜情報を別途保存するようにしてもよい。さらにまた、サーバ2は、変更電子楽譜情報を受信すると、利用者例えば該当する指揮者用および演奏者用端末4,5に変更電子楽譜情報を配信する。利用者は、指揮者および演奏者以外の電子楽譜を必要としている例えば学校の先生、音楽を演劇に使用する場合の監督、脚色家などでもよい。
【0027】
指揮者用端末4は、通信手段3を介して接続されたサーバ2に指揮者用の電子楽譜情報(総譜)の送信を要求し、送信された指揮者用の電子楽譜情報(総譜)が表示される表示部32を有する。さらに、指揮者用端末4は、送信された電子楽譜を変更したとき変更電子楽譜情報を、通信手段3を介してサーバ2に送信する。
【0028】
各演奏者用端末5は、通信手段3を介して接続されたサーバ2に各演奏者用の電子楽譜情報(パート譜)の送信要求を行い、サーバ2から送信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される表示部32を有する。さらに、各演奏者用端末5は、送信された電子楽譜を変更したとき変更電子楽譜情報を、通信手段3を介してサーバ2に送信する。
【0029】
サーバ2は、入力部11と、母線12と、制御部13と、制御用記憶部14と、電子楽譜記憶部15と、識別情報記憶部16と、変更電子楽譜記憶部17と、配信部18と、表示部19とから構成されている。入力部11は、通信手段3に接続され、この入力部11には、指揮者用および演奏者用端末4,5からの変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報が通信手段3を介して入力される。
【0030】
制御部13は、サーバ2内での信号処理を自動的に制御する制御装置である。制御用記憶部14には、制御部13の制御プログラムが記憶され、電子楽譜記憶部15には、指揮者用総譜や各演奏者用パート譜が記憶され、識別情報記憶部16には、電子楽譜記憶部15に記憶される電子楽譜情報の識別情報が記憶される。
【0031】
変更電子楽譜記憶部17には、指揮者や演奏者などから変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項、カウントの変更などの変更情報の記入(入力)などがあったとき、変更情報として記憶される。
【0032】
配信部18は、送信要求された指揮者用電子楽譜情報や演奏者用電子楽譜情報そして変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報が発生したとき、その電子情報を各関係する指揮者や演奏者に配信する。
【0033】
電子楽譜の配信により、電子楽譜情報としてネットワーク、LAN無線、メディアなどで利用したい人に利用したい情報(パート譜など)が提供される。配信された楽譜情報の変更、追加などは、音楽業界の使用現場において行うことができる。変更、追加などがなされた楽譜は、配信部18を介して当該楽譜の全使用者に配信される。
【0034】
電子楽譜情報を表示する表示部19は、配信部18から配信される各電子楽譜情報や上記入力部11に入力される情報などを表示する。表示部19は、必要に応じて演奏カウントを画面上に表示することができる。この表示方式は、例えば2桁表示であれば2灯表示(緑色ランプ、赤色ランプ)とする。この2灯表示の一方のランプは、必ず点灯する。表示部19は、表示装置にサウンドトラック音楽入力用サポートとして、映像を表示する機能を有する。この映像表示機能は、演奏カウントと同期できるものとする。
【0035】
通信手段3は、有線又は無線等の伝送媒体を利用した送受信回線で、LAN無線、イントラネット、インターネットなどであって、また電子楽譜情報が記憶された外部記憶媒体を指揮者用および演奏者用端末4,5およびサーバ2間で移動させるようにしてもよい。
【0036】
指揮者用および演奏者用端末4,5は、同様な構成であるので図1には指揮者用端末4のみが具体的に示されている。指揮者用および演奏者用端末4,5には、入力部25と、母線26と、電子楽譜記憶部27と、変更記憶部28と、制御部29と、制御用記憶部30と、出力部31と、表示部32とが設けられている。入力部25は、サーバ2から送信された変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報を受信する。電子楽譜記憶部27には、指揮者用総譜又は演奏者用パート譜が記憶され、変更記憶部28には、変更された電子楽譜情報が記憶される。
【0037】
制御部29は、指揮者用および演奏者用端末4,5内の信号処理を自動的に制御する制御装置である。制御用記憶部30には、制御部29の制御プログラムが記憶される。出力部31は、サーバ2に電子楽譜情報を要求したり、変更、指示事項やコメントなどの電子情報を出力する。表示部32は、入力部25や出力部31に入・出力される情報を表示する。
【0038】
サーバ2の電子楽譜記憶部15には、電子楽譜が電子楽譜ファイルに記憶される。この電子楽譜ファイルには、指揮者用の電子楽譜と演奏家用の電子楽譜がある。指揮者用の電子楽譜である総譜は、総ての演奏家用の電子楽譜ファイルが収集された楽譜(譜表)である。各演奏家用の電子楽譜であるパート譜は、各演奏家専用の楽譜(譜表)である。
【0039】
サーバ2は、指揮者から電子楽譜情報(総譜)の送信を要求されたとき、制御部13が制御用記憶部14に記憶されたプログラムにより電子楽譜記憶部15および識別情報記憶部16から該当する総譜情報を読出し、通信手段3を介して指揮者用端末4に送信する。さらに、各演奏者用端末5から夫々対応する電子楽譜情報(パート譜)を送信要求したとき、サーバ2の制御部13は、制御用記憶部14に記憶されたプログラムにより電子楽譜記憶部15から各演奏家用の対応するパート譜を読出し、このパート譜を通信手段3を介して該当する演奏者用端末5に送信する。総譜情報は、複数のパート譜情報を統合した譜表情報である。パート譜情報は、各演奏家用の譜表情報である。
【0040】
識別情報記憶部16には、電子楽譜情報の識別情報が記憶される。この識別情報は、例えば総譜、バイオリンのパート譜、コントラバスのパート譜、など各楽器のパート譜、変更、指示事項、コメントなどを識別するためのデータである。換言すれば、識別情報は、電子楽譜記憶部15および変更電子楽譜記憶部17に記憶される電子楽譜などを識別するためのデータである。総譜(スコア)は、夫々の楽器などの譜表を列方向に対応させ、並べて記載された楽譜である。即ち、総譜(スコア)は、全てのパート譜が並べて記載された楽譜である。パート譜は、各楽器など各パート毎の譜表であり、例えばバイオリン用パート譜、チェロ用パート譜などとして作成された譜表である。
【0041】
電子楽譜情報に変更が発生すると、サーバ2および他の指揮者用および演奏者用端末4,5に保存又は表示されている該当する他の対応する電子楽譜情報は、次のようにして自動的に変更される。即ち、変更された電子楽譜情報は、変更電子楽譜記憶部17に最新の電子楽譜情報として記憶される。このとき、対応する電子楽譜情報は、電子楽譜記憶部15から読み出されないようにプログラムされている。
【0042】
変更電子楽譜記憶部17に変更された電子楽譜情報が記憶されると、サーバ2は、自動的に関連する指揮者用および演奏者用端末4,5に変更された電子楽譜情報を配信する。配信された変更電子楽譜情報は、変更記憶部28に最新情報として保存される。
【0043】
指揮者および演奏者は、指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に表示された電子楽譜情報により演奏する。この電子楽譜情報の頁めくりは、指揮者用および演奏者用端末4,5の表示画面に頁送り用と頁戻し用のタッチセンサを夫々設け、このセンサに演奏中手を触れるだけで次の頁の画面に送ったり、前の頁に戻したりすることができる。このような頁を送ったり、戻したりする手段は、押しボタンスイッチや、フットスイッチで構成してもよい。演奏中の電子楽譜情報の頁めくりには、フットスイッチを使用して頁送りした方が押しボタンスイッチより操作し易いし、演奏し易い効果がある。
【0044】
また、変更電子楽譜や、変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報は、指揮者用および演奏者用端末4,5から入力することができ、これらの入力されたデータは、サーバ2の変更電子楽譜記憶部17に保存される。
【0045】
指揮者用および演奏者用端末4,5は、当該端末4,5に表示された電子楽譜に変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報などコメント、メトロノーム機能、動画、音声などの電子情報を添付できる機能を有する。サーバ2の電子楽譜記憶部15や変更電子楽譜記憶部17に記憶保存されている過去の総譜やパート譜の送信要求は、指揮者用および演奏者用端末4,5から識別情報を入力して送信要求し、当該電子楽譜情報を読出し、指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に表示することができる。指揮者用および演奏者用端末4,5は、過去の有名な指揮者の基に演奏した楽譜を容易に検索して画面に表示し、閲覧できる機能を有する。
【0046】
指揮者用および演奏者用端末4,5には、指揮者および演奏者が特に見た
い電子楽譜情報の部分があれば、その音符を拡大又は縮小表示する機能がある。特に、指揮者用端末4には、ワンタッチで倍率を変えることができる機能を有することが望ましい。電子情報(総譜、パート譜からなる譜面情報)の印刷機能および電子データのコピー機能は、著作権保護の観点からセキュリティ機能を付加することができる。
【0047】
指揮者用および演奏者用端末4,5は、電子楽譜記憶部15や変更電子楽譜記憶部17に記憶、保存された総譜やパート譜を、外部記憶媒体にダウンロードする機能を有する。電子楽譜がダウンロードされた外部記憶媒体は、ネットワーク環境にない端末により再生して演奏を任意の場所例えば家庭で行うことができる。
【0048】
演奏上必要な指揮者からのコメントは、各演奏者の電子楽譜面上に各演奏者により任意に記録し、表示することができる。
【0049】
次に、このような指揮者用および演奏者用端末4,5のオーケストラ配置について説明する。オーケストラ配置は、図2に示すように各演奏家毎に楽譜スタンドとしての演奏者用端末5が配列される。即ち、演奏者用端末5は、図2に示すように指揮者用端末4を中心に配列される。各演奏者用端末5の表示面には、例えばバイオリン、コントラバス、ビオラ、トランペット、クラリネットなどのパートに対応する各電子楽譜情報がサーバ2から通信手段3を介して送信され、表示される。
【0050】
次に、電子楽譜による演奏までの電子楽譜表示手順を、図3のフローチャートを参照して説明する。図1および図2と同一部分には、同一符号を付与して説明する。
【0051】
サーバ2、指揮者用端末4、演奏者用端末5の電源が入力される。その後、指揮者および演奏者は、指揮者用および演奏者用端末4,5から登録されたIDアドレス、パスワード、演奏パートを入力してサーバ2に送信する。サーバ2では制御部13が予め登録されたIDアドレス、パスワード、演奏パートと照合し、一致したときログインし、ログインユーザーの属性を判断することにより電子楽譜の配信システム1がスタートする(P−1)。即ち、利用者の属性は、サーバ2で登録された属性であることを認めた場合のみ利用可能となっている。登録されたIDアドレス、パスワード、演奏パートによるログインは、未登録者による印刷および電子データのコピーを防止するためのもので、これにより電子楽譜の著作権を保護することができる。
【0052】
電子楽譜の記憶
電子楽譜情報は、制御部13の制御によりサーバ2の識別情報記憶部16および電子楽譜記憶部15に記憶される(P−2)。識別情報記憶部16には、総譜、パート譜、バイオリン用、コントラバス用などの識別情報が記憶される。電子楽譜記憶部15には、対応する電子楽譜情報が記憶される。
【0053】
電子楽譜の入手
指揮者用端末4は、総譜の送信要求情報を、通信手段3を介してサーバ2に送信する。指揮者用端末4からの電子楽譜情報の送信要求により、サーバ2は、制御部13の制御により識別情報記憶部16に記憶されている識別情報と比較照合して識別情報を決定し確認する。その後、制御部13は、確認された識別情報に対応する指揮者用の電子楽譜(総譜)情報を電子楽譜記憶部15から読出し、この総譜情報を通信手段3を介して指揮者用端末4に配信する(P−3)。
【0054】
各演奏者用端末5は、それぞれのパート譜の送信要求情報を、通信手段3を介してサーバ2に送信する。各演奏者からの夫々異なる電子楽譜情報の送信要求により、サーバ2は、制御部13の制御により識別情報記憶部16に記憶されている各識別情報と比較照合して識別情報を決定し、確認する。その後、制御部13は、確認された識別情報に対応する各演奏者用の電子楽譜(パート譜)情報を電子楽譜記憶部15から読出し、パート譜を電子情報として、通信手段3を介して各要求先の演奏者用端末5に配信する(P−4)。ログインユーザーの属性を本システムが判断することにより演奏者用端末5の表示面に表示される表示内容(表示するパート譜)を切り替えることができる。
【0055】
電子楽譜による練習
指揮者および各演奏者は、配信された指揮者の総譜および各演奏者のパート譜をそれぞれの指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に表示すると共に、電子楽譜記憶部27に記憶される(P−5)。指揮者は、当該指揮者用端末4の表示部32に表示された総譜を読んで指揮をする(P−6)。同様に、各演奏者は、当該演奏者用端末5に自動的に配信されて表示部32に表示されたパート譜の電子楽譜情報により演奏をする(P−7)。この演奏において、指揮者および各演奏者など利用者は、表示部32に電子楽譜情報の表示にさらにメトロノーム機能の表示を選択的に行うことができる。メトロノーム機能の表示は、指揮者がいないときにも有効である。このようにして電子楽譜情報による演奏が行われ終了する(P−8)。
【0056】
電子楽譜の変更
次に、電子楽譜変更の手順を図4のフローチャートを参照して説明する。
ある端末から電子楽譜情報の変更の希望があると(P−11)、サーバ2および他の指揮者用および演奏者用端末4,5で保存又は表示されている該当する電子楽譜情報は、次のようにして自動的に変更される。演奏した結果から変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報が発生した場合、発生した指揮者又は演奏者用端末から通信手段3を介して変更情報がサーバ2に送信される。例えば、指揮者により電子楽譜情報が変更されたとき、変更された個所の電子楽譜情報は、指揮者用端末4からサーバ2に通信手段3を介して送信され、サーバ2に保存されている電子楽譜情報が変更され、上書き保存される(P−12)。
【0057】
サーバ2は、制御部13の制御により受信した変更情報の識別情報と該当する電子楽譜情報を、総譜又はパート譜に書換えて識別情報記憶部16および変更電子楽譜記憶部17に夫々記憶する。その後、直ちに、サーバ2の制御部13は、利用者例えば関連する指揮者用および演奏者用端末4,5に変更された変更電子楽譜情報を配信する(P−13)。即ち、サーバ2の制御部13は、変更された電子楽譜情報を配信部18を介して当該指揮者用端末4および演奏者用端末5に送信して変更された電子楽譜情報に自動的に変更する。配信された変更電子楽譜情報は、指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に更新されて表示される(P−14)。
【0058】
即ち、サーバ2は、書換えられた総譜(変更電子楽譜情報)、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報を、通信手段3を介して指揮者用端末4に送信する。指揮者用端末4は、受信した総譜や、指示事項、指導事項など変更情報の電子情報を表示部32に変更して表示すると共に,変更された総譜の電子楽譜情報が変更記憶部28に上書き保存されて記憶される。この結果、指揮者用端末4の電子楽譜記憶部27に記憶されていた電子楽譜情報は、受信した変更された変更電子楽譜情報に強制的に修正されたことになる(書換えられる)。表示されていない電子楽譜記憶部15に記憶(保存)されている電子楽譜情報も同様にして変更があると強制的に書換えられ(上書き保存)、最新情報として演奏に利用される。
【0059】
同様に、サーバ2は、書換えられたパート譜や、変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報を、通信手段3を介して各演奏者用端末5に送信する。各演奏者用端末5は、変更された各変更音符情報、指示事項、指導事項などの変更情報の電子情報を表示部32に表示する。変更された各変更電子楽譜情報は、上書き保存して書換えられ、変更記憶部28に記憶される。この結果、各演奏者用端末5の電子楽譜記憶部27に記憶されていた電子楽譜情報は、受信された電子情報に強制的に書換えられたことになる。この書換えられた変更電子楽譜情報は、最新情報の電子楽譜情報である。
【0060】
また、指揮者は、指揮者用端末4から直接演奏者用端末5に変更音符情報、直接指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報の電子情報について送信して表示してもよい。各演奏者は、書き込み可能ライトペンなどで各演奏者用端末5に書き込んだ情報を上書き保存して書換えてもよい。
【0061】
電子楽譜による演奏
指揮者および演奏者は、関連する割り当てられた最新情報の電子楽譜を指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に表示し、この表示された電子楽譜により演奏する(P−15)。この演奏により再び変更などが発生した場合、上記プロセスを繰返すことにより、変更した内容(楽譜)がリアルタイムで関連する演奏者に通知され当該指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部32に表示される。このようなプロセスを繰返して終了する(P−16)。
【0062】
変更情報などの配信
指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部に表示された指揮者による変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更の電子情報は、直接、指揮者用端末4から当該演奏者用端末5に配信させることができる。この送信されるデータを電子楽譜情報又は変更電子楽譜における該当する音符に付記されて表示されるように構成することにより、会話形式で当該演奏者からの意見を求めることもできる。このように会話形式で決定した変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報は、サーバ2に保存される。この会話形式は、電子メールの機能であり、他の演奏者に迷惑をかけない効果がある。
【0063】
メトロノーム機能の表示
指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部に表示された各電子楽譜情報を読みながら指揮者および各演奏者は演奏するが、演奏の途中に時間指定したい楽譜が発生する。この楽譜の演奏に際し、指揮者用および演奏者用端末4,5の表示部にメトロノーム機能を指揮者が選択して表示することで、時間指定通りの演奏が可能となる。即ち、このような電子楽譜の配信システムは、タイムキープ機能を有する。メトロノーム機能は、例えば光が点滅する映像であり、指揮者が振る指揮棒の映像であり、映像を当該時間のみ表示したり、メトロノームの振り子表示、指揮者用および演奏者用端末4,5画面の背景色の点滅、演奏に従った音譜の色別表示などである。
【0064】
電子楽譜の頁めくり
多数頁の電子楽譜の頁めくりは、指揮者用および演奏者用端末4,5画面上でタッチセンサやフットスイッチにより、ページの更新を行うことができる。電子楽譜は、紙の楽譜と同様に開いた状態で表示される。さらに、ある演奏者例えば第1バイオリンの演奏者が第2バイオリンの楽譜を見たいとき、当該演奏者は、演奏者用端末5の操作によりサーバ2から所望する電子楽譜情報を入手し、自分の演奏者用端末5の表示面で見ることができる。
【0065】
また、特に、拡大して見たい小節などがある場合、指揮者用および演奏者用端末4,5には、拡大縮小機能がある。
【0066】
上記実施形態において、電子楽譜記憶部15や変更電子楽譜記憶部17に記憶される電子楽譜情報は、スタンダードMIDI電子情報にすることにより、データのやり取りが容易にできる。上記MIDIは、Musical Instrument Digital Interfaceの略称である。
【0067】
また、上記指揮者用および演奏者用端末4,5は、ネットワーク環境で本システムを使用しない場合、電子楽譜情報を記録媒体(FD、メモリーカードなど)に記憶し、この記憶媒体を所望する場所例えば自宅にて指揮者や演奏者用表示機器例えば指揮者用および演奏者用端末4,5により表示し、学習することができる機能を有する。
【0068】
上記実施形態によれば、楽譜データ(総譜・パート譜)が収納されているサーバには、常に最新の電子楽譜情報が保存され、この最新の電子楽譜情報は、演奏者全員が同時に取得することができる。従って、電子楽譜情報は、従来の紙の楽譜を配布することによる印刷時間や配布時間などの制約を無くすことができ、最新の楽譜情報の取得時間を、短縮することはできる。電子楽譜は、オーケストラなどが楽譜の内容に基づいて楽曲を演奏するときに、必要な楽譜の内容を選択して表示することができ、楽譜のペーパーレス化を図ることができる。
【0069】
また、電子楽譜は、保管場所の問題についても記録媒体に記録するため省スペース化が可能であり、搬送上の問題も改善される。
【0070】
さらに、電子楽譜は、指揮者も演奏者も専用の指揮者用および演奏者用端末4,5が用意されるので、記録媒体にダウンロードすることができ、楽譜情報を表示できる機器を有すれば、いつでも、どこでも楽譜として使用できる。さらに、楽譜情報をダウンロードすれば、演奏者は個人練習用データとして使用できる。さらに、指揮者からの演奏に関する詳細指示事項、詳細な指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報を電子情報として電子楽譜記憶部15に保存できるため、演奏者は、後日再度電子楽譜情報を読み出せば、詳細指示、詳細な指導事項、注意事項、コメント、メモ、追加事項など変更情報の電子情報を呼び出すことができる。従って、電子楽譜は、紙の楽譜のように各演奏者が楽譜を保持および管理する必要がない。
【0071】
さらにまた、過去入力した電子楽譜情報は、電子楽譜記憶部15、変更電子楽譜記憶部17に記憶保存されているため、指揮者用および演奏者用端末4,5により過去の電子楽譜情報を検索して指揮者用および演奏者用端末4,5に表示することもできる。特に、電子楽譜は、過去有名な指揮者の基に演奏した変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報が入力された電子楽譜情報を検索し演奏するのに便利である。この変更情報入り電子楽譜情報は、後に許可された第三者が入手することもできる。
【0072】
さらにまた、電子楽譜は、紙の譜面と比較して使用上コストを削減することができ、変更などでの関係者への連絡の点で効率化できる。
【0073】
さらにまた、電子楽譜は、メトロノーム機能を指揮者用および演奏者用端末4,5に表示してメトロノームの振り子速度を高精度に制御することにより決められた時間内での演奏やサウンドトラックへの録音を効率的に行うことができる。
【0074】
本システムを利用する管理としては、登録されたIDアドレス、パスワード、演奏パートによる利用可否チェックすることにより、著作権管理することができる。
【0075】
上記実施形態では、オーケストラ、吹奏楽、合唱などの楽譜について説明したが、オーケストラ、吹奏楽、合唱などでの指揮者と演奏者との関係は、音楽教室における先生と生徒の関係に置換することにより、この発明を実施することができる。即ち、先生が教育用電子楽譜に教育のレベルに応じて変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報は、各家庭にいる生徒に対してインターネットを介して連絡することにより、各家庭にいる全生徒に提供することができる。全生徒は、修正された電子楽譜情報により演奏の自習をすることができる。勿論、音楽教室内においても同様に、指導中において先生用の端末から変更音符情報、指示事項、指導事項、コメント、メモ、追加事項などの変更情報が記入された内容は、直ちに生徒の端末に表示される。
【0076】
【発明の効果】
この発明によれば、電子楽譜に変更があっても常に最新の電子楽譜で演奏できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明システムの一実施形態を説明するためのシステム構成図。
【図2】図1の指揮者および演奏者用端末をオーケストラ配置した状態を説明するための図。
【図3】図1の電子楽譜による演奏までの電子楽譜表示手順を説明するためのフローチャート。
【図4】図1の電子楽譜変更の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…電子楽譜の配信システム、2…サーバ、3…通信手段、4…指揮者用端末、5…演奏者用端末、11…入力部、12…母線、13,29…制御部、14,30…制御用記憶部、15,27…電子楽譜記憶部、16…識別情報記憶部、17…変更電子楽譜記憶部、18…配信部、19,32…表示部、22…項目欄、25…入力部、26…母線、27…単位欄、28…変更記憶部、31…出力部
Claims (11)
- 電子楽譜情報が保存されたサーバと、
このサーバから読み出された前記電子楽譜情報を表示し、表示された前記電子楽譜情報を利用者が閲覧する表示装置と、
前記サーバと前記表示装置間を接続する通信手段と、
を具備してなることを特徴とする電子楽譜の配信システム。 - 前記表示装置には、変更が発生すると前記サーバから他の電子楽譜情報が送信されて表示されることを特徴とする請求項1記載の電子楽譜の配信システム。
- 前記サーバに保存された電子楽譜情報は、変更が発生すると変更された電子楽譜情報が格納されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子楽譜の配信システム。
- 前記変更は、電子楽譜情報の変更、指揮者の指示事項、演奏者のメモなどの情報であることを特徴とする請求項2又は3記載の電子楽譜の配信システム。
- 電子楽譜情報が保存されたサーバから送信要求された電子楽譜情報を、前記サーバと通信手段を介して接続された複数の表示装置に送信する電子楽譜の配信システムにおいて、
前記通信手段に接続された少なくとも一つの表示装置に表示される電子楽譜情報が変更されたとき他の表示装置に表示される対応する電子楽譜情報についても変更されて表示されるようにしたことを特徴とする電子楽譜の配信システム。 - 複数の各利用者用の電子楽譜情報が保存され前記利用者から要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、
このサーバと通信手段を介して接続されて各利用者側に配置され前記サーバから送信された前記電子楽譜情報が表示される利用者用表示装置と、
前記利用者が前記利用者用表示装置に表示された前記電子楽譜情報を変更する変更手段と、
この変更手段によって変更された変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力手段と、
前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている対応する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換え手段と、
前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される利用者用表示装置に送信して前記変更電子楽譜情報を表示する変更電子楽譜情報表示手段と
を具備してなることを特徴とする電子楽譜の配信システム。 - 指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、
このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用表示装置と、
前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用表示装置と、
前記利用者が前記利用者用表示装置に表示された前記電子楽譜情報を変更する変更手段と、
この変更手段によって変更された変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力手段と、
前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換え手段と、
前記変更電子楽譜情報と対応する前記電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用表示装置に送信して前記変更電子楽譜情報を表示する変更電子楽譜情報表示手段と
を具備してなることを特徴とする電子楽譜の配信システム。 - 前記表示装置には、前記電子楽譜情報およびタイミング情報が表示されることを特徴とする請求項1,2,5〜7のいずれか1項記載の電子楽譜の配信システム。
- 指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、
このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、
前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、
前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報を当該端末により変更したとき変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力ステップと、
前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換えステップと、
前記サーバが受信した前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用端末に前記変更電子楽譜情報を送信して表示する変更電子楽譜情報表示ステップと
を具備してなることを特徴とする電子楽譜表示装置。 - 指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、
このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、
前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、
前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報を予め設定された映像を見ながら演奏して変更の必要性が発生したとき当該端末により前記電子楽譜情報を変更して変更電子楽譜情報を前記サーバに出力する変更電子楽譜情報出力ステップと、
前記サーバが前記変更電子楽譜情報を受信したとき、保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記変更電子楽譜情報に書換える書換えステップと、
前記サーバが受信した前記変更電子楽譜情報と対応する電子楽譜情報が表示される前記指揮者用および各演奏者用端末に前記変更電子楽譜情報を送信して表示する変更電子楽譜情報表示ステップと
を具備してなることを特徴とする電子楽譜の表示方法。 - 指揮者用および各演奏者用の複数種の電子楽譜情報が保存され要求された前記電子楽譜情報を送信するサーバと、
このサーバと通信手段を介して接続され前記サーバから送信された指揮者用の電子楽譜情報が表示される指揮者用端末と、
前記サーバと通信手段を介して接続され前記サーバから配信された各演奏者用の電子楽譜情報が表示される演奏者用端末とを備え、
前記指揮者および各演奏者用端末の表示部に表示された電子楽譜情報に指揮者からのコメントを当該端末により前記電子楽譜情報に付記してコメント付き電子楽譜情報を前記サーバに出力するコメント付き電子楽譜情報出力ステップと、
前記サーバが前記コメント付き電子楽譜情報を受信したとき、保存されている該当する前記電子楽譜情報を前記コメント付き電子楽譜情報に書換える書換えステップと、
前記サーバが受信した前記コメント付き電子楽譜情報と対応する前記指揮者用および各演奏者用端末に前記コメント付き電子楽譜情報を送信して表示するコメント付き電子楽譜情報表示ステップと
を具備してなることを特徴とする電子楽譜の表示方法。
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JP2002174135A JP2004020807A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 電子楽譜の配信システムおよび電子楽譜の表示方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008100054A2 (en) * | 2007-02-12 | 2008-08-21 | T1 Systems Co. Ltd. | System for providing electronic musical score |
JP2011528127A (ja) * | 2008-07-15 | 2011-11-10 | ロラン・ゲヌー | 指揮者中心の電子楽譜スタンドシステム |
JP2016051150A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-11 | 株式会社ノモス | 演奏支援システム |
JP2022088986A (ja) * | 2020-12-03 | 2022-06-15 | 株式会社ソリトンウェーブ | 複数の楽譜表示装置が連携して動作する楽譜表示システム |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174135A patent/JP2004020807A/ja active Pending
Cited By (5)
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WO2008100054A3 (en) * | 2007-02-12 | 2008-10-09 | T1 Systems Co Ltd | System for providing electronic musical score |
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