JP2004018453A - アルキニルプリン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬の製造において重要な中間体であるアルキニルプリン化合物(詳細には、プリン核の2位、6位または8位にアルキニル部分を有するアルキニルプリン化合物)およびその塩ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキニルプリン化合物は、例えば、虚血・再灌流障害抑制剤(特開2001−64183号公報)、糖尿病治療薬(WO99/35147号公報)および結核治療薬(A. K. Bakkestuenらによる文献、Bioorg. Med. Chem. Lett., 10 (2000), 1207−1210.)などの医薬の製造における重要中間体である。
【0003】
アルキニルプリン化合物の製造法としては、例えば、以下の文献(1)〜(3)に記載の方法が挙げられる。
(1)Nolsφe et al.,“Regiochemistry in the Pd−Mediated Coupling between 6,8−Dihalopurines and Organometallic Reagents”, Acta Chemica Scandinavica 53 (1999), 366−372. に記載の方法によれば、アルキニルプリン化合物は、(Ph3P)2PdCl2または[(2−フリル)3P]4Pdの存在下、6,8−ジハロゲノプリン化合物1a〜1eと、Ph−C≡C−SnBu3とを反応させることによって得られる。
【0004】
【化23】
【0005】
[式中、THPはテトラヒドロピラニルを示し、Bnはベンジルを示す]
【0006】
(2)A. K. Bakkestuen et al.,“9−Benzylpurines with Inhibitory ActivityAgainst Mycobacterium tuberculosis”, Bioorg. Med. Chem. Lett., 10 (2000) 1207−1210. に記載の方法によれば、医薬の中間体として有用なアルキニルプリン化合物は、(Ph3P)2PdCl2の存在下、ハロゲノプリン化合物1a〜1fと、Ph−C≡C−SnBu3とを反応させることによって得られる。
【0007】
【化24】
【0008】
(3)EP0488336A1公報に記載の方法によれば、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド等)および銅化合物(例えば、ヨウ化第一銅等)の存在下、ハロゲノプリン化合物とアルキン化合物とを以下の反応式に従って反応させることによって、医薬として有用なアルキニルプリン化合物を得ている。
【0009】
【化25】
【0010】
[式中、R1、R2およびR3は、同一または異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、水酸基の保護基またはリン酸残基を示し、Xは臭素またはヨウ素を示し、mは2〜7の整数であり、nは0または1〜3の整数である]
【0011】
文献(1)および(2)に記載の方法は、ともに、パラジウム触媒を用いた、金属アセチリドのなかでも安定なPh−C≡C−SnBu3(アルキニル化剤)とハロゲノプリンとのカップリング反応(Stille反応)を利用したものである。しかし、該アルキニル化剤は、有機スズ試薬であるために非常に毒性が高く、該アルキニル化剤の医薬製造における使用は好ましいとは言えない。また、(1)および(2)に記載の方法は、該アルキニル化剤の合成が非常に困難であるため、アルキニルプリン化合物の製造コストが高くなるという問題も有する。
さらに、上記方法において、Ph−C≡C−SnBu3は、基質であるハロゲノプリン化合物に対して少なくとも1当量、通常、1当量以上必要であり、しかも反応後に廃棄物となる有機スズ化合物が1当量以上生成するため、上記方法は環境的にも経済的にも優れた方法であるとは言えない。
【0012】
また、文献(1)、(2)および(3)に記載の方法は、目的生成物ごとにハロゲノプリン化合物と、アルキニル化剤またはアルキニル化合物とをカップリングさせるという概念に基づく方法であるため、文献(1)、(2)および(3)に記載の方法によって得られるアルキニルプリン化合物のアルキニル部分をさらに修飾することは想定されていない。従って、文献(1)、(2)および(3)に記載の方法は、アルキニルプリン化合物から、さらに、医薬として有用な多数のアルキニルプリン誘導体を簡便に合成することができない等の問題を有する。
【0013】
従って、医薬製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物(すなわち、アルキニルプリン化合物のアルキニル部分を容易に修飾することができ、その結果、多数のアルキニルプリン誘導体を誘導することができる化合物)を対応するプリン化合物から安全かつ簡便に、しかも経済的に製造する方法の開発、ならびに医薬製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物の開発が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、医薬の製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物およびその塩を対応するプリン化合物およびその塩から安全かつ簡便に、しかも経済的に製造する方法を提供すること、ならびに医薬の製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物およびその塩を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を鑑み、鋭意研究の結果、アルキニル部分としてエチニル基を有するエチニルプリン化合物が様々なアルキニルプリン化合物に変換され得るということを見出し、その結果、医薬の重要中間体である2位、6位または8位にアルキニル部分を有するプリン化合物(すなわち、アルキニル部分を容易に修飾することができ、多数のアルキニルプリン誘導体を誘導することができるアルキニルプリン化合物)を安全かつ簡便に、しかも経済的に製造する方法を見出し、発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の〔1〕〜〔23〕に関する。
【0016】
〔1〕 式(I−1):
【0017】
【化26】
【0018】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1の一方は式:R−C≡C−(式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基を示し、他方は水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩。
〔2〕 X1がハロゲン原子であり、Rが水素原子またはMe2(OH)C−であり、Z1がアミノ保護基または水素原子である上記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕 X1が塩素原子である上記〔1〕または〔2〕に記載の化合物。
〔4〕 Z1がテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジルまたは水素原子である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物。
【0019】
〔5〕 式(I−2):
【0020】
【化27】
【0021】
[式中、
Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩。
〔6〕 Rが水素原子またはMe2(OH)C−であり、X2が保護されていてもよいアミノ基であり、Z2がアミノ保護基または水素原子である上記〔5〕に記載の化合物。
〔7〕 Z2がテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジルまたは水素原子である上記〔5〕または〔6〕に記載の化合物。
【0022】
〔8〕 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−1):
【0023】
【化28】
【0024】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L1の一方はハロゲン原子を示し、他方は水素原子を示す(ただし、X1がハロゲン原子を示す場合、L1はX1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−1’):
【0025】
【化29】
【0026】
[式中、
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0027】
〔9〕 式(I−1’):
【0028】
【化30】
【0029】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1’の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]で表される化合物またはその塩を塩基(2)で処理することを特徴とする、式(I−1’’):
【0030】
【化31】
【0031】
[式中、
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’’の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0032】
〔10〕 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(I−1’’):
【0033】
【化32】
【0034】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1’’の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示し、Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−1’’’):
【0035】
【化33】
【0036】
[式中、
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’’’の一方は式:A−C≡C−(式中、Aは上記と同意義である)で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0037】
〔11〕 以下の工程(a)〜(c)を包含する、式(I−1’’’):
【0038】
【化34】
【0039】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1’’’の一方は式:A−C≡C−(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基を示し、他方は水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法:
(a) 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−1):
【0040】
【化35】
【0041】
[式中、
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L1の一方はハロゲン原子を示し、他方は水素原子を示す(ただし、X1がハロゲン原子を示す場合、L1はX1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させて、式(I−1’):
【0042】
【化36】
【0043】
[式中、
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩を得る工程、
(b) 工程(a)で得られる式(I−1’)の化合物またはその塩を塩基(2)で処理し、式(I−1’’):
【0044】
【化37】
【0045】
[式中、
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’’の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]で表される化合物またはその塩を得る工程、および
(c) 金属触媒および塩基(1)の存在下、工程(b)で得られる式(I−1’’)の化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させる工程。
【0046】
〔12〕 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−2):
【0047】
【化38】
【0048】
[式中、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L2はハロゲン原子を示す(ただし、X2がハロゲン原子を示す場合、L2はX2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子、またはX2と同一のハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−2’):
【0049】
【化39】
【0050】
[式中、X2およびZ2は上記と同意義である]
で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0051】
〔13〕 式(I−2’):
【0052】
【化40】
【0053】
[式中、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩を塩基(2)で処理することを特徴とする、式(I−2’’):
【0054】
【化41】
【0055】
[式中、X2およびZ2は上記と同意義である]
で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0056】
〔14〕 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(I−2’’):
【0057】
【化42】
【0058】
[式中、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−2’’’):
【0059】
【化43】
【0060】
[式中、A、X2およびZ2は上記と同意義である]
で表される化合物またはその塩の製造方法。
【0061】
〔15〕 以下の工程(a)〜(c)を包含する、式(I−2’’’):
【0062】
【化44】
【0063】
[式中、
Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法:
(a) 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−2):
【0064】
【化45】
【0065】
[式中、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L2はハロゲン原子を示す(ただし、X2がハロゲン原子を表す場合、L2はX2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子、またはX2と同一のハロゲン原子を示す)]で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させて、式(I−2’):
【0066】
【化46】
【0067】
[式中、X2およびZ2は上記と同意義である]
で表される化合物またはその塩を得る工程、
(b) 工程(a)で得られる式(I−2’)の化合物またはその塩を塩基(2)で処理し、式(I−2’’):
【0068】
【化47】
【0069】
[式中、X2およびZ2は上記と同意義である]
で表される化合物またはその塩を得る工程、および
(c) 金属触媒および塩基(1)の存在下、工程(b)で得られる式(I−2’’)の化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させる工程。
【0070】
〔16〕 金属触媒がパラジウム化合物である上記〔8〕、〔10〕、〔11〕、〔12〕、〔14〕および〔15〕のいずれかに記載の製造方法。
〔17〕 金属触媒がパラジウム化合物と銅化合物の組み合わせである上記〔8〕、〔10〕、〔11〕、〔12〕、〔14〕および〔15〕のいずれかに記載の製造方法。
〔18〕 パラジウム化合物がビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドまたはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである上記〔16〕または〔17〕に記載の製造方法。
〔19〕 銅化合物がヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅から選ばれる少なくとも1つである上記〔17〕に記載の製造方法。
〔20〕 塩基(1)がアミン化合物である上記〔8〕、〔10〕、〔11〕、〔12〕、〔14〕および〔15〕〜〔19〕のいずれかに記載の製造方法。〔21〕 アミン化合物がトリアルキルアミンである上記〔20〕に記載の製造方法。
〔22〕 トリアルキルアミンがトリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンである上記〔21〕記載の製造方法。
〔23〕 塩基(2)がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩である上記〔9〕、〔11〕、〔13〕および〔15〕〜〔22〕のいずれかに記載の製造方法。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明について以下に詳細に説明する。
本発明は、医薬製造の中間体として有用な以下の式(I)で表される、矢印(→)で示したプリン核の2位、6位または8位のいずれかにアルキニル部分が結合したアルキニルプリン化合物(当該化合物は、互変異性体を包含し、また、以下に詳説する置換基を有していてもよい)およびその塩ならびにそれらの製造方法に関する。
【0072】
【化48】
【0073】
より具体的には、式(I−1)および式(I−2)で表されるアルキニルプリン化合物(以下、化合物(I−1)、化合物(I−2)と呼ぶ場合もある)およびその塩の製造方法に関する。
【0074】
【化49】
【0075】
上記化合物(I−1)において、X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、Y1の一方は、アルキニル部分として、式:R−C≡C−(式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基を示し、他方は水素原子を示し、Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す。上記化合物(I−2)において、アルキニル部分として、式:R−C≡C−〔Rは上記と同意義である〕で表される基がプリン核の6位に結合しており、X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す。
【0076】
(定義)
本発明において「R」は、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。
【0077】
Rで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、C1−10アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル等)等が挙げられる。なかでもC1−6アルキルが好ましい。
上記「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」としては、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等)、ヒドロキシ等が挙げられる。置換基の種類、位置、個数は特に限定されない。
上記「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、置換基を有していてもよいC1−6アルキルが好ましい。そのなかでも、置換基としてヒドロキシを1位に有するC1−6アルキルが好ましい。例えば、1−メチル−1−ヒドロキシエチル(すなわち、Me2(OH)C−)等が挙げられる。
【0078】
Rで示される「置換基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」としては、例えば、C6−12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル等)等が挙げられ、なかでもフェニルが好ましい。
上記「置換基を有していてもよいアリール基」における「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ等)、ニトロ等が挙げられる。置換基の種類、位置、個数は特に限定されない。
上記「置換基を有していてもよいアリール基」としては、例えば、フェニル;クロロフェニル(例えば、2−、4−クロロフェニル等)、フルオロフェニル(例えば、2−、4−フルオロフェニル等)、ブロモフェニル(例えば、2−、4−ブロモフェニル等)等のハロフェニル;C1−6アルキルフェニル(例えば、3−、4−メチルフェニル等);C1−6アルコキシフェニル(例えば、4−メトキシフェニル等);ニトロフェニル(例えば、4−ニトロフェニル等)等が好ましい。
【0079】
Rで示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、炭素原子以外に、窒素、酸素、硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子を1個〜3個含有する5〜8員の複素環基が挙げられ、なかでも、Rとしては、ピリジル(例えば、ピリジン−3−イル等)、ピリミジル(例えば、ピリミジン−3−イル、ピリミジン−5−イル等)等の含窒素複素環基が好ましい。
上記「置換基を有していてもよい複素環基」における「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、オキソ等が挙げられる。置換基の種類、位置、個数は特に限定されない。
上記「置換基を有していてもよい複素環基」としては、例えば、ピリジン−3−イル、2,4−ジオキソピリミジン−5−イル等が好ましい。
【0080】
Rとしては、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1−6アルキル、置換基を有していてもよいC6−12アリールであり、さらにより好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1− 6アルキルである。
【0081】
さらに具体的には、Rとして、水素原子、ならびに置換基としてヒドロキシを1位に有するC1−6アルキル(例えば、1−メチル−1−ヒドロキシエチル)がとりわけ好ましい。
Rとして水素原子がとりわけ好ましい理由は、Rが水素原子である場合、R−C≡C−で表されるアルキニル部分(すなわち、エチニル基)がその高い反応性のために更なる修飾を容易に受けるからである〔以下に詳説する工程Cを参照のこと〕。
また、Rとして「ヒドロキシを1位に有するC1−6アルキル」がとりわけ好ましい理由は、Rが「ヒドロキシを1位に有するC1−6アルキル」である場合、R−C≡C−で表されるアルキニル部分が、塩基での処理によってβ脱離を経由し、容易にエチニル基に変換され得るからである〔以下に説明する工程Bにおける塩基(2)での処理を参照のこと〕。
【0082】
本発明において、「X1」および「X2」は、それぞれ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示す。
「X1」および「X2」で示される「アルキル基」としては、それぞれ、例えば、C1−10アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル等)等が挙げられる。
「X1」および「X2」で示される「アルコキシ基」としては、それぞれ、例えば、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ等)等が挙げられる。
「X1」および「X2」で示される「アリール基」としては、それぞれ、例えば、C6−12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル等)等が挙げられる。
「X1」および「X2」で示される「保護されていてもよいアミノ基」の保護基としては、有機化学の当業者に公知であるアミノ保護基であれば特に限定はなく、例えば、ヘテロ環基(例えば、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロピラン−2−イル等)等)、C7−15アラルキル(例えば、ベンジル等)、C1−5アシル(例えば、アセチル等)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル等)、カルバメート(例えば、tert−ブチルカルバメート)等が挙げられる。また、「X1」および「X2」で示される「保護されていてもよいアミノ基」の「アミノ基」は、それぞれ、1個または2個の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、例えば、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、C6−12アリール(例えば、フェニル、ナフチル等)等が挙げられる。アミノ基が置換基を2個有する場合、その置換基は同一であっても異なっていてもよい。
「X1」および「X2」で示される「ハロゲン原子」としては、それぞれ、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特に塩素原子が好ましい。
【0083】
本願明細書中、式(I−1)で表される化合物において、「Y1」の一方は式:R−C≡C−(式中、Rは上記と同意義である)で表される基を示し、他方は水素原子を示す。
本願明細書中、式(I−1’)で表される化合物において、「Y1’」の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す。本願明細書中、式(I−1’’)で表される化合物において、「Y1’’」の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す。
本願明細書中、式(I−1’’’)で表される化合物において、「Y1’’’」の一方は式:A−C≡C−(式中、Aは以下「A−X」で定義されるものである)で表される基を示し、他方は水素原子を示す。
【0084】
「Z1」および「Z2」は、それぞれ、プリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す。
「Z1」および「Z2」で示される「アルキル基」としては、それぞれ、例えば、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等)等が挙げられる。
「Z1」および「Z2」で示される「糖基」としては、それぞれ、例えば、ペントース類(これらはフラノース、ピラノースおよびその全ての異性体を含み、また、糖の水酸基が、それぞれ独立して、有機合成の当業者に周知の水酸基の保護基で保護されていてもよく、糖の1位の炭素原子がプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに直接結合する)が挙げられ、なかでも、
【0085】
【化50】
【0086】
[式中、PG1、PG2、PG3は、同一または異なっていてもよく、それぞれ独立して、水酸基の保護基、または水素原子を示す]が好ましい。
水酸基の保護基としては、有機合成の当業者に周知の水酸基の保護基であれば特に限定はなく、例えば、C1−5アシル(例えば、アセチル等)、C7−15アラルキル(例えば、ベンジル基等)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル等)等が挙げられる。
「Z1」および「Z2」で示される「アミノ保護基」としては、それぞれ、有機合成の当業者に周知のアミノ保護基を用いることができる。アミノ保護基として、例えば、ヘテロ環基(例えば、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロピラン−2−イル等)等)、C7−15アラルキル(例えば、ベンジル等)、C1−5アシル(例えば、アセチル等)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリル等)、カルバメート(例えば、tert−ブチルカルバメート)等が挙げられる。
「Z1」および「Z2」として、それぞれ、好ましくは、水素原子およびアミノ保護基であり、該アミノ保護基としては、ヘテロ環基が好ましく、特にテトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロピラン−2−イル等)が好ましい。また、該アミノ保護基として、C7−15アラルキルもまた好ましく、特にベンジルが好ましい。
【0087】
本願明細書中、式(II−1)で表される化合物において、「L1」の一方は、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を示し、他方は水素原子を示す。ただし、X1がハロゲン原子を示す場合、L1は「X1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子」である。
本願明細書中、式(II−2)で表される化合物において、「L2」はハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を示す。ただし、X2がハロゲン原子を示す場合、L2は「X2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子」、または「X2と同一のハロゲン原子」を示す。X2がハロゲン原子を示す場合、L2が「X2と同一のハロゲン原子」であってもよいのは、概して、プリン核の2位および6位に同一のハロゲン原子を有する場合、6位のハロゲン原子は2位のハロゲン原子よりも脱離能が高くなるためである。
上記「X1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子」および「X2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子」とは、ハロゲン原子の脱離能:F<Cl<Br<Iに従い、それぞれX1、X2で示されるハロゲン原子よりも脱離能が高いハロゲン原子を意味する。例えば、X1、X2がフッ素原子である場合、L1、L2は、それぞれ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子からなる群から選択され、X1、X2が塩素原子である場合、L1、L2は、それぞれ、臭素原子またはヨウ素原子であり、X1、X2が臭素原子である場合、L1、L2はヨウ素原子である。
X1、X2がそれぞれハロゲン原子である場合、脱離能の差、およびその後の修飾の容易性から、X1、X2がそれぞれ塩素原子であり、L1、L2がそれぞれヨウ素原子である場合が特に好ましい。
X1およびX2がハロゲン原子以外の場合、L1およびL2は特に限定されず、概して脱離能の高いハロゲン原子、特に、ヨウ素原子が好ましい。
【0088】
本発明の「A−X」で表される化合物において、「A」は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、「X」はハロゲン原子を示す。
「A」で示される「置換基を有していてもよいアリール基」および「置換基を有していてもよい複素環基」は、上記「R」の「置換基を有していてもよいアリール基」および「置換基を有していてもよい複素環基」と同意義である。
「X」で示される「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、反応性の観点から、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
式(IV):A−Xで表される化合物として、特に好ましくは、ジハロベンゼン(例えば、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、2−クロロ−4−ヨードベンゼン、1−クロロ−2−ヨードベンゼン、1−フルオロ−2−ヨードベンゼン等)、C1−6アルキルハロベンゼン(例えば、4−ブロモトルエン、4−ヨードトルエン、3−ブロモトルエン、3−ヨードトルエン等)、C1−6アルコキシハロベンゼン(例えば、4−ブロモアニソール、4−ヨードアニソール等)、ニトロハロベンゼン(例えば、1−ブロモ−4−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン等)、ハロピリジン(例えば、3−ブロモピリジン、3−ヨードピリジン等)、ジオキソハロピリミジン(例えば、2,4−ジオキソ−5−ヨードピリミジン等)である。
【0089】
本発明で使用する「金属触媒」としては、パラジウム化合物、あるいはパラジウム化合物と銅化合物とを組み合わせたものが挙げられる。
【0090】
本発明で使用する「パラジウム化合物」としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド 〔(Ph3P)2PdCl2〕、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 〔(Ph3P)4Pd〕、酢酸パラジウム 〔Pd(OAc)2〕、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム 〔Pd(acac)2〕、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド 〔PdCl2(dppf)2〕等が挙げられ、そのなかでも溶媒に対する溶解度の観点から、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好ましい。
【0091】
金属触媒として、パラジウム化合物と銅化合物を組み合わせて使用する場合、パラジウム化合物としては、上述のパラジウム触媒が挙げられ、溶媒に対する溶解度の観点からビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、「銅化合物」としては、例えば、ヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅等のハロゲン化第一銅およびシアン化第一銅が挙げられ、なかでも、ハロゲン化第一銅が好ましく、そのなかでも触媒能の観点から、ヨウ化第一銅が好ましい。本発明において銅化合物を二種以上用いてもよい。
金属触媒として、パラジウム化合物と銅化合物とを組み合わせて使用する場合、使用するパラジウム化合物と銅化合物の種類には特に限定はなく、上記の観点から、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドとヨウ化第一銅の組み合わせが特に好ましい。
【0092】
本発明で使用する「塩基(1)」としては、例えば、アミン化合物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、塩基性複素環化合物等が挙げられる。
該「アミン化合物」としては、例えば、トリアルキルアミン等が挙げられ、該トリアルキルアミンのアルキル部分は、例えば、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等)であり、該アルキル基は、同一であっても、異なっていてもよい。トリアルキルアミンとして、例えば、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
該「アルカリ金属水酸化物」としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
該「アルカリ金属炭酸塩」としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
該「塩基性複素環化合物」としては、例えばピリジン等が挙げられる。
本発明で使用する「塩基(1)」としては、アミン化合物が好ましい。アミン化合物としては、トリアルキルアミンが好ましく、そのなかでも特にトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが好ましい。
【0093】
本発明で使用する「塩基(2)」としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アミン等が挙げられる。
該「アルカリ金属水酸化物」としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
該「アルカリ金属炭酸塩」としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
該「アミン」としては、例えばトリエチルアミン等が挙げられる。
本発明で使用する「塩基(2)」としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、なかでもアルカリ金属水酸化物が好ましく、そのなかでも水に対する溶解性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0094】
本発明化合物の塩としては、特に限定はなく、例えば、本発明化合物と有機酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との塩、本発明化合物と無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)との塩、および本発明化合物のアンモニウム塩(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩等)等が挙げられる。
【0095】
(アルキニルプリン化合物の製造方法)
以下、本発明のアルキニルプリン化合物の製造方法について説明する。
第一に、上記式(I−1)で表されるアルキニルプリン化合物の製造方法を以下のスキーム1を参照しながら説明する。
【0096】
【化51】
【0097】
(スキーム中の各記号は、上記で定義した通りである)
【0098】
(工程A1)
【0099】
【化52】
【0100】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程A1は、金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−1)で表される化合物(L1の一方はハロゲン原子を示し、他方は水素原子を示す)(以下、化合物(II−1)と呼ぶ場合もある)またはその塩と、式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)と呼ぶ場合もある)とを反応させることによって、式(I−1’)で表される化合物(式中、Y1’の一方はMe2(OH)C−C≡C−を示し、他方は水素原子を示す)(以下、化合物(I−1’)と呼ぶ場合もある)またはその塩を得る工程である。
工程A1において、金属触媒としては、上記で定義したように、パラジウム化合物を単独で用いてもよい。パラジウム化合物を単独で使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(II−1)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、化合物(II−1)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは、0.05〜0.2ミリモルである。さらに、金属触媒として、触媒能の観点からパラジウム化合物と銅化合物との組み合わせが好ましい。パラジウム化合物と銅化合物を組み合わせて使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、銅化合物としてはヨウ化第一銅が特に好ましい。パラジウム化合物の使用量および銅化合物の使用量は、化合物(II−1)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(II−1)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルであり、銅化合物の使用量は、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルである。
工程A1において、塩基(1)としては、上記で定義したように、アミン化合物を用いることが好ましい。また、アミン化合物としてトリアルキルアミンを用いることが好ましい。トリアルキルアミンとしては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが好ましい。塩基(1)の使用量は、化合物(II−1)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.5ミリモルである。
工程A1において用いられる化合物(II−1)またはその塩は、例えば、Cookら、US4,719,295に記載の方法およびそれに準じた方法に従って合成することができる。
工程A1において用いられる化合物(III)は市販品を使用することができる。
工程A1において用いられる化合物(II−1)の塩としては、特に限定はなく、例えば、化合物(II−1)と有機酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との塩、化合物(II−1)と無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)との塩、およびアンモニウム塩(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩等)等が挙げられる。
工程A1において、化合物(III)の使用量は、化合物(II−1)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.5ミリモルである。
工程A1において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、N,N−ジメチルアセトアミド、THF(テトラヒドロフラン)等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもDMFが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(II−1)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.5〜100mL、好ましくは1.5〜50mLである。
工程A1において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、1〜5時間である。
工程A1において、反応温度は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、40℃〜150℃、好ましくは80℃〜100℃である。
化合物(I−1’)の塩としては、上記で列挙した塩と同様のものが挙げられる。
【0101】
(工程B1)
【0102】
【化53】
【0103】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程B1は、上記工程A1で得られる化合物(I−1’)(式中、Y1’の一方はMe2(OH)C−C≡C−を示し、他方は水素原子を示す)またはその塩を塩基(2)で処理することによって、式(I−1’’)で表される化合物(式中、Y1’’の一方はHC≡C−を示し、他方は水素原子を示す)(以下、化合物(I−1’’)と呼ぶ場合もある)またはその塩を得る工程である。
工程B1において、塩基(2)としては、上記で定義したように、アルカリ金属水酸化物を用いることが特に好ましく、そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
工程B1において、塩基(2)の使用量は、化合物(I−1’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1〜20ミリモル、好ましくは3〜10ミリモルである。
工程B1において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、トルエン、キシレン、THF、MTBE(tert−ブチルメチルエーテル)等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもトルエンが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(I−1’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、10〜500mL、好ましくは50〜200mLである。
工程B1において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、1〜5時間である。
工程B1において、反応温度は、基質、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、30℃〜150℃であり、好ましくは60℃〜110℃であり、特に、化合物(I−1’)が8位にMe2(OH)C−C≡C−を有する場合、反応速度が高くなるため、反応温度は60℃〜80℃が好ましい。
化合物(I−1’’)の塩としては、上記で列挙した塩と同様のものが挙げられる。
【0104】
(工程C1)
【0105】
【化54】
【0106】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程C1は、金属触媒および塩基(1)の存在下、工程B1で得られる化合物(I−1’’)(式中、Y1’’の一方はHC≡C−を示し、他方は水素原子を示す)またはその塩と、式(IV)で表されるハライド化合物(以下、化合物(IV)と呼ぶ場合もある)とを反応させることによって、式(I−1’’’)で表される化合物(式中、Y1’’’の一方はA−C≡C−を示し、他方は水素原子を示す)(以下、化合物(I−1’’’)と呼ぶ場合もある)またはその塩を得る工程である。
工程C1において、金属触媒としては、上記で定義したように、パラジウム化合物を単独で用いてもよい。パラジウム化合物を単独で使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは、0.05〜0.2ミリモルである。金属触媒として、パラジウム化合物と銅化合物との組み合わせが好ましい。パラジウム化合物と銅化合物を組み合わせて使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、銅化合物としてはヨウ化第一銅が特に好ましい。パラジウム化合物の使用量および銅化合物の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルであり、銅化合物の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルである。
工程C1において、塩基(1)としては、上記で定義したように、アミン化合物を用いることが好ましい。アミン化合物としてトリアルキルアミンが好ましい。トリアルキルアミンとしては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが好ましい。塩基(1)の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜3.0ミリモルである。
工程C1において、化合物(IV)の使用量は、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜2.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.3ミリモルである。
工程C1において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、DMSO、THF等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもDMFが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(I−1’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1〜200mL、好ましくは5〜20mLである。
工程C1において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、2〜8時間である。
工程C1において、反応温度は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、50℃〜150℃であり、好ましくは80℃〜100℃である。
化合物(I−1’’’)の塩としては、上記で列挙した塩と同様のものが挙げられる。
【0107】
従って、式(I−1)で表されるアルキニルプリン化合物は、スキーム1に記載の反応によって得られる化合物(I−1’)、(I−1’’)、(I−1’’’)(各工程で生じ得る互変異性体を包含する)およびその塩、ならびにスキーム1に準じた方法によって得られる化合物およびその塩を包含するものとして理解することができる。
【0108】
次いで、式(I−1)で表されるアルキニルプリン化合物の製造方法と同様に、上記式(I−2)で表されるアルキニルプリン化合物の製造方法を以下のスキーム2を参照しながら説明する。
【0109】
【化55】
【0110】
(スキーム中、各記号は、上記で定義した通りである)
【0111】
(工程A2)
【0112】
【化56】
【0113】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程A2は、金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−2)で表される化合物(式中、L2はハロゲン原子を示す)(以下、化合物(II−2)と呼ぶ場合もある)またはその塩と、化合物(III)とを反応させることによって、式(I−2’)で表される化合物(以下、化合物(I−2’)と呼ぶ場合もある)またはその塩を得る工程である。
工程A2において、金属触媒としては、上記で定義したように、パラジウム化合物を単独で用いてもよい。パラジウム化合物を単独で使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(II−2)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、化合物(II−2)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは、0.05〜0.2ミリモルである。金属触媒として、パラジウム化合物と銅化合物との組み合わせが好ましい。パラジウム化合物と銅化合物を組み合わせて使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、銅化合物としてはヨウ化第一銅が特に好ましい。パラジウム化合物の使用量および銅化合物の使用量は、化合物(II−2)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(II−2)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルであり、銅化合物の使用量は、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルである。
工程A2において、塩基(1)としては、上記で定義したように、アミン化合物を用いることが好ましく、アミン化合物としてトリアルキルアミンが好ましい。トリアルキルアミンとしては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが好ましい。塩基(1)の使用量は、化合物(II−2)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.5ミリモルである。
工程A2において用いられる化合物(II−2)の塩としては、特に限定はなく、例えば、化合物(II−2)と有機酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との塩、化合物(II−2)と無機酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)との塩、およびアンモニウム塩(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩等)等が挙げられる。
工程A2において、化合物(III)の使用量は、化合物(II−2)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.5ミリモルである。
工程A2において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、DMF、DMSO、N,N−ジメチルアセトアミド、THF等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもDMFが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(II−2)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.5〜10mL、好ましくは1〜5mLである。
工程A2において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、1〜5時間である。
工程A2において、反応温度は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、40℃〜150℃、好ましくは80℃〜100℃である。
化合物(I−2’)の塩としては、上記で列挙した塩が挙げられる。
【0114】
(工程B2)
【0115】
【化57】
【0116】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程B2は、上記工程A2で得られる化合物(I−2’)またはその塩を塩基(2)で処理することによって、式(I−2’’)で表される化合物(以下、化合物(I−2’’)と呼ぶ場合もある)またはその塩を得る工程である。
工程B2において、塩基(2)としては、上記で定義したように、アルカリ金属水酸化物を用いることが特に好ましく、そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
工程B2において、塩基(2)の使用量は、化合物(I−2’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1〜20ミリモル、好ましくは3〜10ミリモルである。
工程B2において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えばトルエン、キシレン、THF、MTBE等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもトルエンが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(I−2’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、10〜500mL、好ましくは50〜200mLである。
工程B2において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、1〜5時間である。
工程B2において、反応温度は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、60℃〜150℃であり、好ましくは90℃〜110℃である。
化合物(I−2’’)の塩としては、上記で列挙した塩と同様のものが挙げられる。
【0117】
(工程C2)
【0118】
【化58】
【0119】
(式中、各記号は上記で定義した通りである)
工程C2は、金属触媒および塩基(1)の存在下、上記工程B2で得られる化合物(I−2’’)またはその塩と、化合物(IV)とを反応させることによって、式(I−2’’’)で表される化合物(以下、化合物(I−2’’’)と呼ぶ場合がる)またはその塩を得る工程である。
工程C2において、金属触媒としては、上記で定義したように、パラジウム化合物を単独で用いてもよい。パラジウム化合物を単独で使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(I−2’’)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、化合物(I−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは、0.05〜0.2ミリモルである。金属触媒として、パラジウム化合物と銅化合物との組み合わせが好ましい。パラジウム化合物と銅化合物を組み合わせて使用する場合、パラジウム化合物としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが特に好ましく、銅化合物としてはヨウ化第一銅が特に好ましい。パラジウム化合物の使用量および銅化合物の使用量は、化合物(II−2’’)またはその塩に対して触媒量であれば特に限定はなく、パラジウム化合物の使用量は、化合物(II−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルであり、銅化合物の使用量は、化合物(II−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、0.01〜1.0ミリモル、好ましくは0.05〜0.2ミリモルである。
工程C2おいて、塩基(1)としては、上記で定義したように、アミン化合物を用いることが好ましく、アミン化合物としてトリアルキルアミンが好ましい。トリアルキルアミンとしては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが好ましい。塩基(1)の使用量は、化合物(I−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜5.0ミリモル、好ましくは1.0〜3.0ミリモルである。
工程C2において、化合物(IV)の使用量は、化合物(I−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1.0〜2.0ミリモル、好ましくは1.0〜1.3ミリモルである。
工程C2において、溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定はなく、例えば、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、DMSO、THF等の非プロトン性溶媒等が挙げられ、なかでもDMFが好ましい。溶媒の使用量は、特に限定はなく、化合物(I−2’’)またはその塩1ミリモルに対して、通常、1〜200mL、好ましくは5〜20mLである。
工程C2において、反応時間は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、2〜8時間である。
工程C2において、反応温度は、用いる試薬、溶媒によって異なり、通常、50℃〜150℃であり、好ましくは80℃〜100℃である。
化合物(I−2’’’)の塩としては、上記で列挙した塩と同様のものが挙げられる。
【0120】
従って、式(I−2)で表されるアルキニルプリン化合物は、スキーム2に記載の反応によって得られる化合物(I−2’)、(I−2’’)、(I−2’’’)(各工程で生じ得る互変異性体を包含する)およびその塩、ならびにスキーム2に準じた方法によって得られる化合物およびその塩を包含するものとして理解することができる。
【0121】
上記の工程A1〜C1およびA2〜C2は、必要に応じて、有機合成の当業者に公知の手段によって、水酸基およびアミノ基を適切な保護基で保護する工程およびその保護基を脱保護する工程をさらに包含していてもよい。
【0122】
上記の工程A1〜C1およびA2〜C2において、各生成物を有機合成の当業者に公知の単離・精製手段(例えば、結晶化、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)によって、単離および/または精製してもよい。
【0123】
以上のように、本発明によれば、式(I)で表されるアルキニルプリン化合物(具体的には、式(I−1)および式(I−2)の化合物)またはその塩を製造することができる。
【0124】
式(I)で表されるアルキニルプリン化合物のうち、医薬製造の中間体として、アルキニル部分がMe2(OH)C−C≡C−である化合物が好ましい。その理由は、アルキニル部分〔Me2(OH)C−C≡C−〕が、上記工程B1およびB2の塩基(2)による処理(すなわち、β脱離によるアセトンの脱離)によって、容易にエチニル〔HC≡C−〕に変換され得るからである。アルキニル部分がMe2(OH)C−C≡C−であるアルキニルプリン化合物のなかでも、特に、以下の3つの化合物(必要に応じて、例えばテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジル等のアミノ保護基を有する)が好ましい。
【0125】
【化59】
【0126】
また、アルキニル部分がエチニル〔HC≡C−〕である本願記載の化合物は、エチニルをさらに修飾することによって、アルキニル部分がA−C≡C−(Aは上記で定義する通り)であるアルキニルプリン化合物を多数誘導することができる(上記工程Cを参照のこと)。また、化合物(I−1’’’)または化合物(I−2’’’)において、A、X1またはX2、Z1またはZ2がさらに修飾を受けることによって、さらに多くのアルキニルプリン誘導体を提供することもできる。
従って、本発明は、エチニルプリン化合物(すなわち、化合物(I−1)および(I−2)のアルキニル部分(R−C≡C−)においてRが水素原子である化合物)を重要中間体として、様々なアルキニルプリン化合物が誘導され得ることを特徴とする。エチニルプリン化合物として、特に以下の3つの化合物(必要に応じてテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジル等のアミノ保護基を有する)が好ましい。
【0127】
【化60】
【0128】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0129】
【実施例】
実施例1
4−(6−クロロプリン−2−イル)−2−メチルブタン−3−イン−2−オールの合成
【0130】
【化61】
【0131】
(1) 9−アセチル−2−アミノ−6−クロロ−9H−プリン(10.0g,0.047モル)、ヨウ素(9.0g,0.036モル)および亜硝酸イソアミル(20.0g,0.171モル)をTHF(100mL)中で混合した後、50〜60℃にて加熱し、反応させた。室温まで冷却した後、得られた反応混合物に15%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)を加え、メチルイソブチルケトン(50mL)で3回抽出した。得られた有機層を合わせ、5%水酸化ナリウム水溶液(100mL)で3回抽出した。このアルカリ水溶液をpH4〜5にすることにより、黄色の結晶を得た。この結晶を濾過後、減圧下で乾燥し、6−クロロ−2−ヨード−9H−プリン(10.0g,0.036モル,収率76%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):8.57(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):116.6,129.5,146.3,147.8,156.6.
MS(EI)m/z:282(M+,32),280(M+,100),155(32),153(94).
【0132】
(2) 6−クロロ−2−ヨード−9H−プリン(2.80g,10ミリモル)、トリエチルアミン(1.21g,12ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.30g,0.5ミリモル)、2−メチルブタン−3−イン−2−オール(1.01g,12ミリモル)およびヨウ化第一銅(0.10g,0.5ミリモル)をDMF(20mL)中に混合し、窒素雰囲気下、90℃で5時間加熱した。DMFを減圧下で留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的とする4−(6−クロロ−9H−プリン−2−イル)−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(1.36g,5.74ミリモル,収率57%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.48(s,6H),5.68(br,1H),8.70(s,1H),13.93(br,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):30.9,63.4,79.5,92.8,129.5,144.0,146.6,148.1,153.1.
MS(EI)m/z:238(M+,6.5),236(M+,17),223(28),221(100),195(20),193(61),181(12),179(34),143(27).
【0133】
実施例2
4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オールの合成
【0134】
【化62】
【0135】
6−クロロ−2−ヨード−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン(2.80g,7.8ミリモル)、トリエチルアミン(0.96g,9.5ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.28g,0.40ミリモル)、2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.83g,9.9ミリモル)およびヨウ化第一銅(0.10g,0.53ミリモル)をDMF(15mL)中に混合し、窒素雰囲気下、90℃で5時間加熱した。DMFを減圧下で留去した後、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、目的とする4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(1.50g,4.7ミリモル,収率60%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.53−1.70(m,8H),1.75−1.85(m,1H),1.97−2.11(m,2H),2.25−2.29(m,1H),3.73−3.81(m,1H),4.02−4.07(m,1H),5.72−5.83(m,2H),8.96(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):22.0,24.4,29.8,31.0,63.4,67.7,79.3,81.4,93.7,130.0,144.2,146.0,148.8,151.1.
MS(EI)m/z:322(M+,1.2),320(M+,4.0),239(2.0),237(11.9),85(100).
【0136】
実施例3
6−クロロ−2−エチニル−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリンの合成
【0137】
【化63】
【0138】
4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.15g,0.47ミリモル)、水酸化カリウム(0.15g,2.6ミリモル)をトルエン(30mL)に加えた後、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(30mL×2)で洗浄し、トルエンを減圧下で留去した。これにより、目的である6−クロロ−2−エチニル−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン(0.10g,0.38ミリモル,収率81%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.60−1.80(m,3H),1.90−2.02(m,2H),2.24−2.29(m,1H),3.72−3.78(m,1H),4.02−4.04(m,1H),4.51(s,1H),5.75−5.79(m,1H),8.86(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):22.1,24.4,29.8,67.7,78.9,81.5,90.1,130.7,143.4,146.5,148.9,151.1.
MS(EI)m/z:264(M+,2.8),262(M+,8.7),234(3.7),181(4.1),179(19),85(100).
【0139】
実施例4
4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−8−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オールの合成
【0140】
【化64】
【0141】
Synth. Commun., 1998, 28 (23), 4303−4315に記載の方法に従って合成した6−クロロ−8−ヨード−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン(0.8g,2.2ミリモル)、2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.28g,3.3ミリモル)、トリエチルアミン(0.30g,3.0ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.14g,0.20ミリモル)およびヨウ化第一銅(0.06g,0.32ミリモル)をDMF(100mL)中に混合し、窒素雰囲気下、80℃で3時間加熱した。DMFを減圧下で留去した後、得られた反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に加え、メチルイソブチルケトンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製した。これにより、目的とする4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−8−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.30g,0.94ミリモル,収率43%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.60(s,6H),1.60−1.80(m,3H),1.90−2.10(m,2H),2.85−2.95(m,1H),3.70−3.76(m,1H),4.10−4.15(m,1H),5.80−5.85(m,1H),5.99(br,1H),8.84(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):22.6,24.4,28.4,30.6,63.8,68.2,70.2,83.4,104.3,130.3,138.4,149.0,150.9,152.2.
MS(EI)m/z:322(M+,1.6),320(M+,5.2),239(5.7),237(37),85(100).
【0142】
実施例5
6−クロロ−8−エチニル−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリンの合成
【0143】
【化65】
【0144】
4−[6−クロロ−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン−8−イル]−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.10g,0.31ミリモル)および水酸カリウム(0.10g,1.78ミリモル)をトルエン(20mL)に加えた後、3時間80℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(20mL×2)で洗浄し、トルエンを減圧下で留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより目的である6−クロロ−8−エチニル−9−(テトラヒドロピラン−2−イル)−9H−プリン(0.06g,0.27ミリモル,収率74%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.60−1.80(m,3H),1.90−2.10(m,2H),2.85−2.90(m,1H),3.67−3.75(m,1H),4.02−4.10(m,1H),5.28(s,1H),5.80−5.85(m,1H),8.86(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):22.4,24.4,28.4,68.2,72.4,83.6,90.1,130.3,137.7,149.5,150.9,152.6.
MS(EI)m/z:264(M+,2.3),262(M+,5.4),181(6.8),179(19),85(100).
【0145】
実施例6
4−(2−アミノ−9−ベンジル−9H−プリン−6−イル)−2−メチルブタン−3−イン−2−オールの合成
【0146】
【化66】
【0147】
2−アミノ−9−ベンジル−6−ヨード−9H−プリン(1.8g,5.1ミリモル)、2−メチルブタン−3−イン−2−オール(0.50g,5.9ミリモル)、エチルジイソプロピルアミン(0.78g,6.0ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(0.18g,0.26ミリモル)およびヨウ化第一銅(0.048g,0.25ミリモル)をDMF(20mL)中に混合し、窒素雰囲気下、80℃で3時間加熱した。室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加えた後、メチルイソブチルケトン(50mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製した。これにより目的とする4−(2−アミノ−9−ベンジル−9H−プリン−6−イル)−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(1.0g,3.3ミリモル,収率66%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):1.48(s,6H),5.28(s,2H),5.68(s,1H),6.60(br s,2H),7.22−7.34(m,5H),8.19(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):31.18,45.67,63.63,76.52,101.40,126.95,127.52,128.54,136.68,140.97,142.97,153.42,160.23.
MS(EI)m/z:307(M+).
【0148】
実施例7
2−アミノ−9−ベンジル−6−エチニル−9H−プリンの合成
【0149】
【化67】
【0150】
4−(2−アミノ−9−ベンジル−9H−プリン−6−イル)−2−メチルブタン−3−イン−2−オール(50.0mg,0.148ミリモル)および水酸化カリウム(50mg,0.89ミリモル)をトルエン(10mL)に加えた後、5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(10mL×2)で洗浄し、トルエンを減圧下で留去した。これにより、目的物である2−アミノ−9−ベンジル−6−エチニル−9H−プリン(34.0mg,0.136ミリモル,収率92%)を得た。
物性値
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):4.22(s,1H),5.30(s,2H),6.33(br,2H),7.24−7.34(m,5H),7.37(dd,1H),8.05(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6)δ(ppm):45.7,78.4,84.9,126.8,127.3,127.8,128.2,135.9,140.1,142.6,153.3,159.9.
MS(EI,70eV)m/z:249(M+,24),91(100).
【0151】
実施例8
【0152】
【化68】
【0153】
ハライド:A−X(0.39ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(13mg,0.018ミリモル)、エチルジイソプロピルアミン(0.19g,1.08ミリモル)およびヨウ化第一銅(3.4mg,0.018ミリモル)をDMF(3mL)中に加えた。これに窒素雰囲気下、2−アミノ−9−ベンジル−6−エチニル−9H−プリン(100mg,0.36ミリモル)のDMF溶液(2mL)を加えた。得られた反応混合物を80℃で加熱した(反応時間(Time(h))については以下の表1を参照のこと)。有機溶媒を減圧下で留去した後、残渣をTHF(5mL)に溶かし、アンモニア水で洗浄した。THFを減圧下で留去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、対応する2−アミノ−9−ベンジル−6−(置換エチニル)−9H−プリンを得た(収率(Yield (%))については以下の表1を参照のこと)。
【0154】
【表1】
【0155】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(2−クロロフェニルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):5.21(s,2H),5.29(br,2H),7.17−7.32(m,7H),7.37(dd,1H),7.65(dd,1H),7.76(s,1H).
13C−NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):45.8,87.2,92.8,120.6,125.5,126.7,127.5,127.9,128.1,128.4,129.7,133.3,134.2,135.8,140.3,142.2,153.0,158.6.
MS(EI,70eV)m/z:361(M+,2),359(M+,7),277(81),183(45),91(100).
【0156】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(2−フルオロフェニルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ(ppm):5.25(s,2H),6.67(br,2H),7.16−7.35(m,7H),7.50(dd,1H),7.64(s,1H),8.28(s,1H).
13C−NMR(125MHz,DMSO−d6)δ(ppm):45.3,86.8,89.2,108.8,108.9,115.4,115.5,124.5,126.6,127.2,128.2,132.0,133.4,136.2,139.7,160.0,160.7,162.7.
MS(EI,70eV)m/z:343(M+,23),91(100),57(36).
【0157】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(ピリジン−3−イルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):5.23(s,2H),5.41(br,2H),7.19−7.23(m,2H),7.28−7.35(m,4H),7.78(s,1H),7.97(d,1H),8.58(d,1H),8.88(s,1H).
13C−NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):46.0,84.2,85.0,122.1,126.7,127.7,128.2,128.4,138.7,142.8,149.0,152.0,157.9.
【0158】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(4−ニトロフェニルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δ(ppm):5.32(s,2H),7.22−7.32(m,5H),7.85(s,1H),8.09(d,2H),8.28(s,2H),8.77(s,1H).
13C−NMR(125MHz,DMSO−d6)δ(ppm):47.4,121.6,123.6,124.9,128.4,128.9,129.3,129.7,136.6,138.8,143.1,149.2,158.7.
MS(EI,70eV)m/z:339(7),277(14),149(100),57(48).
【0159】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(3−メチルフェニルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(250MHz,CDCl3)δ(ppm):2.35(s,3H),5.24(s,2H),5.98(br,2H),7.24−7.35(m,7H),7.53(d,1H),7.58(s,1H),7.86(s,1H).
13C−NMR(62.5MHz,CDCl3)δ(ppm):21.0,46.9,83.3,99.5,121.0,127.7,128.3,128.5,129.1,129.9,130.9,133.3,134.9,138.1,140.8,143.1,145.5,154.1,159.8.
MS(EI,70eV)m/z:339(M+,14),277(24),149(100),91(49),57(48).
【0160】
2−アミノ−9−ベンジル−6−(4−メトキシフェニルエチニル)−9H−プリン
物性値
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):3.75(s,3H),5.18(s,2H),5.41(br,2H),6.81(d,2H),7.15−7.29(m,5H),7.59(d,2H),7.72(s,1H).
13C−NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):45.8,54.3,82.1,97.4,113.1,126.6,127.4,128.1,131.0,133.5,134.3,141.3,141.6,152.6,158.8,159.9.
MS(EI,70eV)m/z:355(M+,10),281(34),277(19),147(43),57(100).
【0161】
5−[(2−アミノ−9−ベンジル−9H−プリン−6−イル)エチニル]−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
物性値
1H−NMR(250MHz,DMSO−d6)δ(ppm):5.29(s,2H),6.72(br,2H),7.25−7.31(m,5H),8.03(s,1H),8.21(s,1H),11.74(br,2H).
13C−NMR(62.5MHz,DMSO−d6)δ(ppm):47.4,85.4,100.4,113.4,117.8,119.0,127.1,128.7,134.7,137.2,147.0,155.6,159.1,163.9,172.5,174.0.
【0162】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物およびその塩を対応するプリン化合物およびその塩から安全かつ簡便に、しかも経済的に製造する方法を提供すること、ならびに医薬製造における中間体として有用なアルキニルプリン化合物およびその塩を提供することができる。
Claims (23)
- X1がハロゲン原子であり、Rが水素原子またはMe2(OH)C−であり、Z1がアミノ保護基または水素原子である請求項1に記載の化合物。
- X1が塩素原子である請求項1または2に記載の化合物。
- Z1がテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジルまたは水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
- Rが水素原子またはMe2(OH)C−であり、X2が保護されていてもよいアミノ基であり、Z2がアミノ保護基または水素原子である請求項5に記載の化合物。
- Z2がテトラヒドロピラン−2−イル、ベンジルまたは水素原子である請求項5または6に記載の化合物。
- 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−1):
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L1の一方はハロゲン原子を示し、他方は水素原子を示す(ただし、X1がハロゲン原子を示す場合、L1はX1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−1’):
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(I−1’’):
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1’’の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示し、Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−1’’’):
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’’’の一方は式:A−C≡C−(式中、Aは上記と同意義である)で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 以下の工程(a)〜(c)を包含する、式(I−1’’’):
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Y1’’’の一方は式:A−C≡C−(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示す)で表される基を示し、他方は水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法:
(a) 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−1):
X1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z1はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L1の一方はハロゲン原子を示し、他方は水素原子を示す(ただし、X1がハロゲン原子を示す場合、L1はX1で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させて、式(I−1’):
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’の一方は式:Me2(OH)C−C≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩を得る工程、
(b) 工程(a)で得られる式(I−1’)の化合物またはその塩を塩基(2)で処理し、式(I−1’’):
X1およびZ1は上記と同意義であり、
Y1’’の一方は式:HC≡C−で表される基を示し、他方は水素原子を示す]で表される化合物またはその塩を得る工程、および
(c) 金属触媒および塩基(1)の存在下、工程(b)で得られる式(I−1’’)の化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させる工程。 - 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−2):
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L2はハロゲン原子を示す(ただし、X2がハロゲン原子を示す場合、L2はX2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子、またはX2と同一のハロゲン原子を示す)]
で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−2’):
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(I−2’’):
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(I−2’’’):
で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 以下の工程(a)〜(c)を包含する、式(I−2’’’):
Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示す]
で表される化合物またはその塩の製造方法:
(a) 金属触媒および塩基(1)の存在下、式(II−2):
X2はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子または水素原子を示し、
Z2はプリン核の7位または9位の窒素原子のいずれかに結合したアルキル基、糖基、アミノ保護基または水素原子を示し、
L2はハロゲン原子を示す(ただし、X2がハロゲン原子を表す場合、L2はX2で示されるハロゲン原子よりも脱離能の高いハロゲン原子、またはX2と同一のハロゲン原子を示す)]で表される化合物またはその塩と、式(III):Me2(OH)C−C≡CHで表される化合物とを反応させて、式(I−2’):
で表される化合物またはその塩を得る工程、
(b) 工程(a)で得られる式(I−2’)の化合物またはその塩を塩基(2)で処理し、式(I−2’’):
で表される化合物またはその塩を得る工程、および
(c) 金属触媒および塩基(1)の存在下、工程(b)で得られる式(I−2’’)の化合物またはその塩と、式(IV):A−X(式中、Aは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させる工程。 - 金属触媒がパラジウム化合物である請求項8、10、11、12、14および15のいずれかに記載の製造方法。
- 金属触媒がパラジウム化合物と銅化合物の組み合わせである請求項8、10、11、12、14および15のいずれかに記載の製造方法。
- パラジウム化合物がビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドまたはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである請求項16または17に記載の製造方法。
- 銅化合物がヨウ化第一銅、臭化第一銅、塩化第一銅から選ばれる少なくとも1つである請求項17に記載の製造方法。
- 塩基(1)がアミン化合物である請求項8、10、11、12、14および15〜19のいずれかに記載の製造方法。
- アミン化合物がトリアルキルアミンである請求項20に記載の製造方法。
- トリアルキルアミンがトリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンである請求項21記載の製造方法。
- 塩基(2)がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩である請求項9、11、13および15〜22のいずれかに記載の製造方法。
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