JP2004018009A - マグネットローラー輸送容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し使用できる回数を増やすことで、輸送容器にかかる費用を抑制でき、しかもマグネットローラーの出し入れが容易で、輸送時の振動でマグネットローラーが保持溝から飛び出して相互に密着することを効果的に防止可能なマグネットローラー輸送容器を提供する。
【解決手段】柔軟性を有する合成樹脂材料を用いてビーズ法型内発泡成形により製作され、複数のマグネットローラー1を相互に間隔をあけて並列状に収容可能なマグネットローラー輸送容器10であって、マグネットローラー1の支軸部4を保持する、上端を開放した上下方向に細長い保持溝20を設け、保持溝20の途中部にマグネットローラー1の支軸部4の直径よりも通路幅を狭くして、素材の弾性変形を利用して支軸部4の通過を許容する狭隘部を一体的に形成し、保持溝20の奧部に支軸部4が嵌合可能な嵌合受け部を一体的に形成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ、レーザープリンタ等に組み込まれるマグネットローラーの輸送容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネットローラーなどの長尺で比較的重量物である製品の輸送方法として、紙やフィルム、緩衝シートなどで製品を個別に包装し、段ボール箱などの容器に箱詰めして、輸送することが一般的に行われているが、これらの輸送方法は、大量の輸送に適さないし、包装資材がゴミになるという問題もある。
【0003】
そこで、マグネットローラー等の製品を無梱包で箱詰め可能となした輸送容器が種々提案されている。この種の輸送容器としては、紙器、真空成形品、プラスチック射出成形品、ビーズ法発泡ポリスチレンの成形品、押出法発泡ポリオレフィンの加工品などが実用化されている。また、通い箱などの輸送容器として、ビーズ法発泡ポリオレフィン製の輸送容器が、耐久性があり、金型が比較的安価で量産が可能であることから広く採用されているが、使い捨てされているマグネットローラーの輸送容器への適用は現在のところ実施されていない。
【0004】
輸送容器の具体的な構成としては、有底な浅底状の容器の一方の対向壁に上端を開口させた上下方向に細長い保持溝を一定間隔おきに対面状に形成し、マグネットローラーのシャフトの両端部を対面する1対の保持溝にそれぞれ上方より装着して、一定の間隔をあけて複数のマグネットローラーを並列状に装填可能となしたものが広く採用されている。この種の輸送容器に対するマグネットローラーの装填方法は、人手又は機械で落とし込んだり嵌め込むという方法が実施されている。また、輸送に際しては、輸送容器を複数個段積みしたり、適当な個数段積みしたものをスタック性のあるプラスチック製のコンテナなどに収納し、これらを多段に積む方法などが実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
マグネットローラーは、複写機やプリンターの部品であり、マグネットローラーの製造メーカーと複写機やプリンターなどの製造メーカーとが異なることから、箱詰めしてメーカー間を輸送する必要があり、使い捨てタイプのものが広く採用されているが、資源の有効活用の観点からマグネットローラーの輸送容器に関してもリターナブル性が求められつつある。ところが、紙器や真空成形品、ビーズ法発泡ポリスチレンは耐久性が乏しく、プラスチック射出成形品は射出金型が高価であることと緩衝性能に乏しく、押出法発泡ポリオレフィン加工品は、打ち抜きや接着などの手化工が必要となるため高価なものになるなどの欠点があった。
【0006】
また、前記輸送容器においては、保持溝を深く設定しないと、長尺物でしかも重たい製品が輸送中に保持溝から飛び出してバラバラになることが多々あった。特に、マグネットローラーでは、マグネット部分が磁力により相互に密着してしまい、引き離す作業が必要になったり、密着時の衝撃でマグネットが破損するという問題があった。
【0007】
このようなトラブルの対策として、輸送容器同士を多段に積む際、上に積む容器の底部形状が下の容器中に収納されたマグネットローラーを押さえるように構成したものもあるが、まだ十分に解決できていないのが実状である。また、輸送容器からマグネットローラーを取り出す際においても、隣接するマグネットローラーを押さえておかないと、隣接するマグネットローラーが磁力で飛び出して、マグネットローラー同士が密着してしまい、引き離す作業が必要になったり、密着時の衝撃でマグネットが破損するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、繰り返し使用できる回数を増やすことで、輸送容器にかかる費用を抑制でき、しかもマグネットローラーの出し入れが容易で、輸送時の振動でマグネットローラーが保持溝から飛び出して相互に密着することを効果的に防止可能なマグネットローラー輸送容器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマグネットローラー輸送容器は、柔軟性を有する合成樹脂材料を用いてビーズ法型内発泡成形により製作され、複数のマグネットローラーを相互に間隔をあけて並列状に収容可能なマグネットローラー輸送容器であって、前記マグネットローラーの被保持部を保持する、上端を開放した上下方向に細長い保持溝を設け、前記保持溝の途中部にマグネットローラーの被保持部の直径よりも通路幅を狭くして、素材の弾性変形を利用して被保持部の通過を許容する狭隘部を一体的に形成し、前記保持溝の奧部に被保持部が嵌合可能な嵌合受け部を一体的に形成したものである。
【0010】
この輸送容器では、マグネットローラーの被保持部を保持溝に挿入し、狭隘部においては素材の弾性変形を利用して被保持部を通過させ、被保持部を嵌合受け部に嵌合させてマグネットローラーを輸送容器に収容保持させることになる。例えば、マグネットローラー両端部に突出形成したシャフトを保持溝に保持させたり、マグネットローラーの途中部を保持溝で保持することになる。そして、このようにマグネットローラーの被保持部を保持溝に保持させると、マグネットローラーの支軸部が嵌合受け部から抜け落ちることが狭隘部により規制され、隣接するマグネットローラーを被保持部に保持させるときに、当該マグネットローラーの磁力により、先に装填したマグネットローラーが保持溝から飛び出して、当該マグネットローラーに引っ付いた、輸送途中における振動等で、保持溝に装填したマグネットローラーが脱落して他のマグネットローラーに引っ付くという不具合の発生を防止できる。
【0011】
ここで、収容される各マグネットローラーのシャフトの両端部に対応する位置に前記保持溝をそれぞれ形成し、保持溝に対して被保持部としてのマグネットローラーのシャフトを着脱自在に保持させて、マグネットローラーを両端支持してもよい。マグネットローラーのマグネット部分を保持溝に保持させて、マグネットローラーを輸送容器に収容することも可能であるが、保持溝の幅を広く設定する必要があり、その分輸送容器が大型になるので、シャフト部分を保持溝に保持させるように構成することが好ましい。
【0012】
前記狭隘部における通路幅をマグネットローラーの被保持部の直径の80〜90%に設定したり、前記狭隘部に対する被保持部の通過距離をマグネットローラーの被保持部の直径の3倍以下に設定してもよい。このように設定することで、隣接するマグネットローラーの装填時や、輸送時等における振動で、保持溝からマグネットローラーが脱落するという不具合を効果的に防止しつつ、保持溝に対するマグネットローラーの装填作業及び取出作業を無理なく行うことが可能となる。
【0013】
前記合成樹脂材料がポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂と比較して、素材自体が軟質で柔軟性に富むことから、輸送容器の成形に際して、保持溝の長さ方向を型開閉方向に設定するとともに、狭隘部の通路幅を十分に狭く設定しても、狭隘部の破損を防止しつつ輸送容器を離型することが可能となる。特に、前記合成樹脂材料としてエチレンを共重合したポリプロピレンを用い、ビーズ法型内発泡成形後の密度が45g/L以上(発泡倍率20倍以下)になるように設定したものは、十分な剛性が得られるので、輸送容器の繰り返し使用回数を十分に確保できるので、輸送容器にかかる費用を実質的に低減できるとともに、持ち運ぶ時における輸送容器の撓みを少なくして、マグネットローラーのマグネットが輸送容器の底面に接触することによる、マグネット表面の傷等の発生を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、輸送容器10は、前壁部11及び後壁部12と左右の側壁部13、14と底壁部15とを有し、上面を開放した浅底なトレー状に形成され、複数本のマグネットローラー1をその軸心を前後に向けて相互に間隔をあけて並列状に収容可能となしたもので、柔軟性を有する合成樹脂材料を用いてビーズ法型内発泡成形により製作したものである。
【0015】
マグネットローラー1は、図6に示すように、鉄やアルミニウム合金やステンレスなどからなるシャフト2と、それに外装したマグネット3を備え、シャフト2の両端部にマグネット3の両側へ突出する支軸部4を形成し、シャフト2の端部に回転力を伝達するためのDカット部5を形成した周知の構成のものである。シャフト2の直径や長さは任意に設定可能である。また、支軸部4の長さもは任意に設定可能であるし、図6(a)に示すように、一方の支軸部4にのみDカット部5を形成してもよいし、図6(b)に示すように、両支軸部4にDカット部5を形成したものを採用してもよい。インサート成形などにより、図6に示すように、マグネット3をシャフト2の外周部にロール状に一体形成してもよいし、シャープな磁束密度パターンが得られるようにシャフト2の外側に棒状のマグネットピースを複数本張り合わせてもよく、任意の構成のものを採用することが可能である。
【0016】
輸送容器10を構成する合成樹脂材料としては、柔軟性を有する合成樹脂材料であれば、任意の素材からなる合成樹脂材料を採用することが可能で、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系合成樹脂材料や、これらの合成樹脂材料の共重合体、ポリスチレンとポリエチレンの複合樹脂材料などを採用できる。具体的には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを好適に利用できる。
【0017】
このようなポリオレフィン系樹脂の予備発泡ビーズは、素材自体が軟らかく、同一発泡倍率のポリスチレン系樹脂からなる予備発泡ビーズよりも格段に粒子形状が変形しやすいので、後述のように保持溝20の途中部に狭隘部22を形成した輸送容器10を成形する場合において、保持溝20の奥行き方向を成形型の型開閉方向に設定しても、狭隘部22の破損を防止しつつ輸送容器10を成形型から離型できるので好ましい。特に、エチレンを共重合したポリプロピレンからなる予備発泡ビーズを用い、ビーズ法型内発泡成形後の密度を45g/L以上に設定すると、輸送容器としての十分な強度が得られ、マグネットローラーの着脱が容易で、しかも50回前後の繰り返し利用が可能で経済的な輸送容器を実現できる。但し、ここで言うポリプロピレンとは、成形性改善のため少量(1〜5%)のエチレンやブテンなどを共重合させているものも含まれる。
【0018】
ここで、使用する合成樹脂材料を決定するために、各種合成樹脂材料を用いて発泡倍率10倍の輸送容器を製作し、その特性の評価試験を行った。表1は、各種合成樹脂材料からなる輸送容器の評価をまとめたものである。尚、表1中の◎○△×は、特性の評価を示すもので、◎は大変良い、○は良い、△は普通、×は悪いを意味する。
【0019】
【表1】
Figure 2004018009
【0020】
表1から、狭隘部22の成形性に関しては、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、特にポリプロピレンは耐久性及び経済性に優れるので好ましいことが判る。
【0021】
輸送容器10の上面の外周部には一段低く設定した嵌合溝部16が形成され、輸送容器10の底面の外周部には一段高く設定した嵌合突部17が形成され、輸送容器10は嵌合突部17を嵌合溝部16に凹凸嵌合させて、横移動しないように段積み可能に構成されている。図2、図3は、輸送容器10を3段積みにした場合を例示したが、3段以外の段数に積み重ねることも勿論可能である。
【0022】
輸送容器10の左右の側壁部13、14の前後方向の途中部には手指を挿入するための切欠部18が形成され、輸送容器10を左右に隙間無く隣接配置したときにおいても、切欠部18から手指を挿入して輸送容器10を容易に取り出すことができるように構成されている。
【0023】
輸送容器10の前後両壁部11、12の間隔はマグネット3の長さよりもやや大きく設定され、前後両壁部11、12の幅は対応する支軸部4の長さよりも大きく設定され、前壁部11と後壁部12には上端を開放した上下方向に細長い保持溝20が左右方向に一定間隔おきに対面状に形成され、隣接する保持溝20の中心間距離はマグネット3の直径よりも大きく設定され、マグネットローラー1は両端の支軸部4を対面する保持溝20にそれぞれ嵌合させて、輸送容器10内に軸心を前後えに向けて、左右に間隔をあけて並列状に収容される。
【0024】
図4、図5に示すように、保持溝20の上部には上方へ行くにしたがって通路幅を広く設定した案内部21が形成され、マグネットローラー1の被保持部としての支軸部4を保持溝20の奧部側へ容易に案内できるように構成されている。保持溝20の上下方向の途中部には徐々に保持溝20の内側へ膨出し、マグネットローラー1の被保持部としての支軸部4の直径よりも通路幅が狭くなった狭隘部22が形成され、保持溝20の下端部には支軸部4が嵌合可能な嵌合受け部23が形成され、案内部21を介して保持溝20内に導入されたマグネットローラー1の支軸部4は、狭隘部22における素材の弾性変形を利用して案内部21から嵌合受け部23内へ装填可能に構成され、また嵌合受け部23内に装填した支軸部4は、狭隘部22における素材の弾性変形を利用して嵌合受け部23から案内部21側へ取出可能に構成されている。嵌合受け部23の中心から底壁部15までの距離はマグネット3の半径よりも多少大きく設定され、嵌合受け部23内に支軸部4を装填した状態で、マグネット3と底壁部15とに一定の隙間が形成されるように構成されている。尚、嵌合受け部23の直径は支軸部4の直径と同径に構成してもよいが、支軸部4よりもやや大きな径に構成することで、成形誤差等により支軸部4が嵌合受け部23に対して無嵌め状に嵌合することを防止して、支軸部4が嵌合受け部23から抜け難くなるという不具合を防止できるように構成されている。
【0025】
狭隘部22における保持溝20の通路幅Wは、マグネットローラー1の支軸部4の直径の80%未満の場合には、保持溝20に対する支軸部4の出し入れに大きな力を要し、作業者に大きな負担になり、90%を越える場合には、支軸部4が嵌合受け部23から比較的容易に飛び出して、隣接するマグネットローラー1に引っ付いたときに、これを引き離すための作業が必要になり、マグネット3が破損することがあるので、80〜90%に設定することが好ましい。
【0026】
狭隘部22に対する支軸部4の通過距離、即ち狭隘部22の通路長さLは、マグネットローラー1の支軸部4の直径の3倍を越える場合には、保持溝20に対する支軸部4の出し入れが煩雑になり、作業者に大きな負担になるので、3倍以下に設定することが好ましい。また、狭隘部22は保持溝20の前後方向の全長に設けてもよいが、狭隘部22における支軸部4の通過抵抗が適正になるように部分的に設けてもよい。
【0027】
このように狭隘部22における通路幅Wや狭隘部22の長さLを設定することで、輸送容器10に対するマグネットローラー1の出し入れを比較的容易に行えるように構成しつつ、マグネットローラー1を出し入れするときに、磁力の吸引力で隣接するマグネットローラー1の支軸部4が保持溝20から飛び出して、マグネットローラー1同士が引っ付いてしまったり、輸送時の振動でマグネットローラー1の支軸部4が保持溝20から飛び出して、マグネットローラー1同士が引っ付くという不具合を効果的に防止できる。
【0028】
狭隘部22としては、図5に示すように途中部が山形になるような形状に構成してもよいが、図7に示す保持溝20Aの狭隘部22Aのように、途中部が平坦になるように構成してもよい。また、狭隘部22を1つの頂部を有する山形に形成したが、2つ或いはそれ以上の個数の頂部を有する山形に形成してもよい。更に、保持溝20の左右の溝内面をそれぞれ内側へ膨らませて狭隘部22を形成したが、一方の溝内面のみを内側へ膨らませて狭隘部を形成してもよい。
【0029】
本実施例では保持溝20を上下方向に細長いストレート状に形成したが、上下方向に対して多少斜めに延びる細長いストレート状に形成してもよいし、下端部を側方へ折曲させることにより略L字状に形成し、奧端部の折曲部に支軸部4を保持させることで、マグネットローラー1の飛び出しをより一層効果的に防止できるように構成してもよい。
【0030】
本実施例では前壁部11及び後壁部12に形成した保持溝20にそれぞれ狭隘部22を形成したが、一方の保持溝20にのみ狭隘部22を形成してもよい。また、一方の保持溝20に代えてそれを形成した前壁部11又は後壁部12に、輸送容器10の内側へ向けて開口する前後方向に細長い丸孔状の保持孔を壁部の高さ方向の途中部に形成し、この保持孔に一方の支軸部4を装着した後、他方の支軸部4を保持溝20に装着して、マグネットローラー1を輸送容器10に収容保持してもよい。この場合には、マグネットローラー1の飛び出しや抜けをより一層効果的に防止することが可能となる。
【0031】
本実施例では、1対の保持溝20でマグネットローラー1の両端部の支軸部4を保持するように構成したが、マグネット3の両端部を保持したり、マグネット3の途中部を2点或いは1点で保持するように構成してもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係るマグネットローラー輸送容器では、保持溝に保持させたマグネットローラーの被保持部が狭隘部により抜け止めされるので、マグネットローラーを輸送容器に装填したり、輸送容器から取り出すときに、磁力により引き寄せられて、先に装填したマグネットローラーが保持溝から抜け出し、装填しようとしているマグネットローラーと引っ付いてしまったり、輸送途中における振動等で、保持溝に装填したマグネットローラーが脱落して、他のマグネットローラーと引っ付くという不具合を効果的に防止できる。
【0033】
ここで、収容される各マグネットローラーのシャフトの両端部に対応する位置に前記保持溝をそれぞれ形成し、保持溝に対して被保持部としてのシャフトを着脱自在に装着して、マグネットローラーを両端支持すると、輸送容器を小型に構成することが可能となる。
【0034】
狭隘部における通路幅をマグネットローラーの被保持部の直径の80〜90%に設定したり、狭隘部に対する被保持部の通過距離をマグネットローラーの被保持部の直径の3倍以下に設定すると、隣接するマグネットローラーの装填時や、輸送時等における振動で、保持溝からマグネットローラーが脱落するという不具合を効果的に防止しつつ、保持溝に対するマグネットローラーの装填作業及び取出作業を無理なく行うことが可能となる。
【0035】
合成樹脂材料としてポリオレフィン系樹脂を用いると、保持溝の長さ方向を型開閉方向として成形した場合において、狭隘部の通路幅を十分に狭くしても、その破損を防止できるので好ましい。特に、前記合成樹脂材料としてエチレンを共重合したポリプロピレンを用い、ビーズ法型内発泡成形後の密度が45g/L以上(発泡倍率20倍以下)になるように設定したものは、十分な剛性が得られるので、輸送容器の繰り返し使用回数を十分に確保できるので、輸送容器にかかる費用を実質的に低減できるとともに、持ち運ぶ時における輸送容器の撓みを少なくして、マグネットローラーのマグネットが輸送容器の底面に接触することによる、マグネット表面の傷等の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】輸送容器の平面図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図1のIII−III線断面図
【図4】シャフト付近におけるマグネットローラー及び輸送容器の縦断面図
【図5】図4のV−V線断面図
【図6】(a)(b)は2種類のマグネットローラーの要部正面図
【図7】他の実施例に係る図5相当図
【符号の説明】
1   マグネットローラー 2   シャフト
3   マグネット     4   支軸部
5   カット部
10  輸送容器      11  前壁部
12  後壁部       13  側壁部
14  側壁部       15  底壁部
16  嵌合溝部      17  嵌合突部
18  切欠部
20  保持溝       21  案内部
22  狭隘部       23  嵌合受け部
20A 保持溝       22A 狭隘部

Claims (6)

  1. 柔軟性を有する合成樹脂材料を用いてビーズ法型内発泡成形により製作され、複数のマグネットローラーを相互に間隔をあけて並列状に収容可能なマグネットローラー輸送容器であって、
    前記マグネットローラーの被保持部を保持する、上端を開放した上下方向に細長い保持溝を設け、
    前記保持溝の途中部にマグネットローラーの被保持部の直径よりも通路幅を狭くして、素材の弾性変形を利用して被保持部の通過を許容する狭隘部を一体的に形成し、
    前記保持溝の奧部に被保持部が嵌合可能な嵌合受け部を一体的に形成した、
    ことを特徴とするマグネットローラー輸送容器。
  2. 収容される各マグネットローラーのシャフトの両端部に対応する位置に前記保持溝をそれぞれ形成し、保持溝に対して被保持部としてのマグネットローラーのシャフトを着脱自在に保持させて、マグネットローラーを両端支持する請求項1記載のマグネットローラー輸送容器。
  3. 前記狭隘部における通路幅をマグネットローラーの被保持部の直径の80〜90%に設定した請求項1又は2記載のマグネットローラー輸送容器。
  4. 前記狭隘部に対する被保持部の通過距離をマグネットローラーの被保持部の直径の3倍以下に設定した請求項1〜3のいずれか1項記載のマグネットローラー輸送容器。
  5. 前記合成樹脂材料がポリオレフィン系樹脂である請求項1〜4のいずれか1項記載のマグネットローラー輸送容器。
  6. 前記合成樹脂材料としてエチレンを共重合したポリプロピレンを用い、ビーズ法型内発泡成形後の密度が45g/L以上になるように設定した請求項1〜5のいずれか1項記載のマグネットローラー輸送容器。
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