JP3184397U - 梱包用トレイ及びそれを用いた梱包体 - Google Patents
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Abstract
【課題】梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動きを効果的に抑制することのできる梱包用トレイ及びそれを用いた梱包体を提供する。
【解決手段】被梱包物Pの下部を収納する下側トレイ10と、被梱包物Pの上部を収納する上側トレイ20とを備え、上側トレイ20の上方から押さえ部材35で押さえることにより被梱包物Pを下側トレイ10と上側トレイ20とで挟むようにして梱包するようにされたもとで、上側トレイ20に被梱包物Pの上部を収納する下面が開口した上部収納凹部25が設けられるとともに、該上部収納凹部25の外面側に前記押さえ部材35に当接する押さえ用突出部27が上向きに突設されてなる。
【選択図】図4
【解決手段】被梱包物Pの下部を収納する下側トレイ10と、被梱包物Pの上部を収納する上側トレイ20とを備え、上側トレイ20の上方から押さえ部材35で押さえることにより被梱包物Pを下側トレイ10と上側トレイ20とで挟むようにして梱包するようにされたもとで、上側トレイ20に被梱包物Pの上部を収納する下面が開口した上部収納凹部25が設けられるとともに、該上部収納凹部25の外面側に前記押さえ部材35に当接する押さえ用突出部27が上向きに突設されてなる。
【選択図】図4
Description
本考案は、部品等の被梱包物を梱包する際に用いられる梱包用トレイに係り、特に、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を抑制し得るようにされた梱包用トレイ及びそれを用いた梱包体に関する。
従来から、産業機械の部品や車両部品等の被梱包物を保管搬送するにあたっては、梱包用トレイを用いることが一般的である。梱包用トレイには、被梱包物の形状等に対応して被梱包物を収納するための収納凹部が設けられている。被梱包物が部品等の小物である場合は、通常、梱包用トレイに収納凹部が複数個設けられ、各収納凹部にそれぞれ被梱包物が収納され、これが一つの梱包体として搬送される。
このように、梱包用トレイを用いることにより、複数個の被梱包物を同時に搬送することができ、被梱包物を一つずつ梱包して搬送する場合に比べて、物流コストを抑えることができる。
また、梱包用トレイを用いた梱包に関して、例えば特許文献1にも所載のように、梱包体としての収納効率(積載効率)を向上させるべく、梱包用トレイの形状、配置等を工夫すること等は従来より種々提案されている。
しかしながら、従来における梱包用トレイを用いた梱包体においては、次のような解消すべき問題があった。
すなわち、例えば特許文献1の図8に見られるように、ケース(段ボール箱等)に梱包用トレイを入れてその収納凹部に被梱包物を収納し、その上にさらに梱包用トレイを載置し、この上側の梱包用トレイにも被梱包物を収納するようにした場合、被梱包物とケース蓋との間に隙間(空所)が形成される。この場合、被梱包物をケース蓋で押さえて、被梱包物が不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)をしないようにするには、前記隙間を埋める必要がある。
従来においては、前記隙間を埋めるため、該隙間に詰め物(クッション材等)を入れる方策が通常は採られる。しかしながら、この方策では、梱包時には毎回被梱包物とケースの形状に合わせてクッション材等を入れなければならず、梱包作業に手間と時間がかかる。加えて、クッション材等は特定位置に固定されてはいないので、搬送時等に移動してしまうことがあり、被梱包物の不所望な動きを十分には抑制できない。
前記隙間を埋める別の方策として、蓋付きケース(合成樹脂製)の蓋の裏面(下面)側に押さえ用の突出部材(別体の加工品)を貼り付けることが考えられる。しかしながら、この方策では、新たに突出部材を作製してケース蓋に貼り付ける工程が必要となり、梱包コストが高くなってしまうとともに、蓋付きケースが当該被梱包物用にしか使用できなくなってしまう。
本考案は、かかる課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動きを効果的に抑制することのできる梱包用トレイ及びそれを用いた梱包体を提供することにある。
考案者等は鋭意研究熟考を重ねた結果、梱包用トレイにケース蓋等の押さえ部材に当接する突出部を設ければ、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を効果的に抑制できるとの新たな知見を得た。
本考案に係る梱包用トレイは、かかる新たな知見に立脚してなされたもので、基本的には、被梱包物の下部を収納する下側トレイと、前記被梱包物の上部を収納する上側トレイとを備え、前記上側トレイの上方から押さえ部材(例えばケース蓋等)で押さえることにより前記被梱包物を前記上側及び下側のトレイで挟むようにして梱包される。
そして、本考案に係る梱包用トレイの第1態様では、上側トレイに被梱包物の上部を収納する下面が開口した上部収納凹部が設けられるとともに、この上部収納凹部の上面側に前記押さえ部材に当接する押さえ用突出部が上向きに突設される。
このように押さえ部材に当接する押さえ用突出部を設けることにより、押さえ部材の形状如何に拘わらず、押さえ用突出部を介して被梱包物を安定して確実に押さえることができる(詰め物をする必要がない)。また、上部収納凹部に押さえ用突出部を設けることにより、他の部位に設ける場合に比べて、被梱包物に直接的に押圧力を加えることができるので、被梱包物が受ける面圧が高くなるとともに、上側トレイ全体の変形量が小さくなり、そのため、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
より好ましい態様として、前記上部収納凹部が複数個一方向に沿って並設され、該並設された複数個の上部収納凹部のうちの前記一方向に沿った前記上側トレイの両外端近傍の前記押さえ用突出部は、前記上部収納凹部の中央より前記外端寄りに設けられている。
このように両端に位置する上部収納凹部の押さえ用突出部を上部収納凹部における中央より外端寄りに設けることにより、上側トレイにおいて変形しやすい部位とされる両外端付近の変形を抑えることができる。
より好ましい態様として、前記上側トレイの外周端部も前記押さえ部材に当接するようにされる。このように押さえ用突出部に加えて上側トレイの外周端部も押さえ部材で押圧するようにされることにより、上側トレイ全体を介して被梱包物を安定して押さえることができる。このような好ましい態様しては、前記上側トレイの外周端縁部に上向きに枠状側壁部が突設され、該枠状側壁部の上端面が前記押さえ部材に当接するようにされる。枠状側壁部を設けることにより、上側トレイの構造強度(剛性)が高められ、変形(撓みやねじれ等)が生じ難くなり、そのため、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
より好ましい態様として、前記下側トレイに前記上部収納凹部に対応して前記被梱包物の下部を収納する上面が開口した下部収納凹部が設けられるとともに、該下部収納凹部の外面側に前記被梱包物の全荷重を受け止める受け止め部材に当接する支持用突出部が下向きに突設され、前記押さえ用突出部と支持用突出部とは、梱包状態において同一鉛直線上に位置するように設計される。
ここで、通常、下側トレイの外周端縁部には下向きに枠状側壁部(スカート部)が突設されており、該枠状側壁部により全被梱包物が支持されるようになっているが、上記のように下部収納凹部に支持用突出部を設けることにより、被梱包物が枠状側壁部の内周側においても各支持用突出部によって支持されるので、下側トレイの変形(内周側の凹み等)が抑えられ、そのため、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
さらに、押さえ用突出部と支持用突出部とは、梱包状態において同一鉛直線上に位置するように設計されるので、被梱包物は上側の押さえ用突出部と下側の支持用突出部とで重力方向に沿って直接的に挟圧保持されることになり、そのため、被梱包物が受ける面圧が高くなって、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
より好ましい態様として、前記下側トレイを鉛直面内で反転させたものが前記上側トレイとして用いられる。上側トレイと下側トレイを製造するための成形型等が1種類で済み、梱包用トレイの製造コストを低く抑えることができる。
上述したいずれかに記載の梱包用トレイを用いた梱包体として、上述した梱包用トレイと、前記下側トレイ、被梱包物、及び上側トレイが順次入れ置かれる上面が開口した箱形のケース本体と、該ケース本体の上面開口を覆うように上から被せられるケース蓋とを備えた梱包体であり、前記ケース蓋が前記押さえ部材となっている。
本考案によれば、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を効果的に抑制することができる。
以下、本考案の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本考案に係る梱包用トレイの一実施形態の梱包対象とされる被梱包物を示し、(A)は前方斜視図、(B)は後方斜視図である。図示の被梱包物Pは、前側小径部Pa、前側中径部Pb、大径胴部Pc、及び後側中径部Pdからなる段付きリング状(短円筒状)とされる。
図1は、本考案に係る梱包用トレイの一実施形態の梱包対象とされる被梱包物を示し、(A)は前方斜視図、(B)は後方斜視図である。図示の被梱包物Pは、前側小径部Pa、前側中径部Pb、大径胴部Pc、及び後側中径部Pdからなる段付きリング状(短円筒状)とされる。
図2〜図13は、本考案に係る梱包用トレイ及びそれを用いた梱包体の一実施形態(実施例1、実施例2、実施例3等)の説明に供される図であり、各図において、同一構成部分、同一機能部分、あるいは、対応する部分には共通の符号ないし関連した符号(数字に「’」等)が付されている。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、便宜上、図2、図3の方向矢印表示を基準としており、実際に現場で使用される位置、方向を指すとは限らない。
〔実施例1〕
図2は、実施例1の梱包用トレイ及びそれを用いて被梱包物Pを梱包した状態の梱包体(単独)を示す斜視図(内部を見せるためケースの蓋を上方に上げ、部分的に切欠している)、図3は、図2に示される梱包体の分解斜視図(ケース本体と蓋は図外)、図4は、図2に示される梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、図2のA−A矢視線に従う左右方向縦断面図、(B)は、図2のB−B矢視線に従う前後方向断面図であり、いずれも被梱包物Pは非断面である。
図2は、実施例1の梱包用トレイ及びそれを用いて被梱包物Pを梱包した状態の梱包体(単独)を示す斜視図(内部を見せるためケースの蓋を上方に上げ、部分的に切欠している)、図3は、図2に示される梱包体の分解斜視図(ケース本体と蓋は図外)、図4は、図2に示される梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、図2のA−A矢視線に従う左右方向縦断面図、(B)は、図2のB−B矢視線に従う前後方向断面図であり、いずれも被梱包物Pは非断面である。
本実施例1の梱包体1Aは、被梱包物Pの下部を収納する下側トレイ10と被梱包物Pの上部を収納する上側トレイ20とからなる梱包用トレイ5Aと、下側トレイ10、被梱包物P、及び上側トレイ20が順次入れ置かれる上面が開口したケース本体30と、このケース本体30の上面開口を覆うように上から被せられるケース蓋35と、を備え、上側トレイ20の上方から押さえ部材(ここでは、ケース蓋35)で押さえることにより被梱包物Pを下側トレイ10と上側トレイ20で挟むようにして梱包するようになっている。
本実施例で用いられるケース本体30とケース蓋35は合成樹脂製で、ケース本体30は、前後左右の側壁部30aと底壁部30bとからなる単純な角箱形(直方体状)とされ、また、ケース蓋35は、ケース本体30の上面開口を覆う天井壁部35aと側壁部35bとからなる、ケース本体30の上部に上下方向に摺動可能に嵌合する単純な矩形薄箱形とされている。
前記梱包用トレイ5Aを構成する下側トレイ10と上側トレイ20は、シート状の例えば熱可塑性樹脂を素材として、これを真空成形等の熱成形手段により一体成形することにより製造される。素材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン(HiPS)等のポリスチレン(PS)系樹脂、若しくは、ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル系樹脂からなる発泡材、又は非発泡材からなるシート状の樹脂を挙げることができ、熱成形が可能な樹脂であれば、素材は特に限定されない。
次に、下側トレイ10と上側トレイ20の構成を詳細に説明する。
下側トレイ10は、平面視矩形の上面平板部11を有し、この上面平板部11の外周端縁部には、下側トレイ10の構造強度(剛性)を高めるため、下向きに枠状側壁部(スカート部)12が突設され、この枠状側壁部12の前後左右の各側壁部にはそれぞれ適宜に逆半円錐台状の補強リブ19a、19b、19cが形成されている。
下側トレイ10は、平面視矩形の上面平板部11を有し、この上面平板部11の外周端縁部には、下側トレイ10の構造強度(剛性)を高めるため、下向きに枠状側壁部(スカート部)12が突設され、この枠状側壁部12の前後左右の各側壁部にはそれぞれ適宜に逆半円錐台状の補強リブ19a、19b、19cが形成されている。
下側トレイ10の上面平板部11には、被梱包物Pの下部を収納する上面が開口した下部収納凹部15が一方向(左右方向)に沿って4個ずつ、前後方向に沿って2列、所定間隔をあけて並設されている。4個ずつ2列の計8個の各下部収納凹部15は、そこに収納される被梱包物Pの下部がしっかり嵌合してその中心線Oが前後方向に向くようにその寸法形状が設定されている。前記上面平板部11における各下部収納凹部15の前後には、被梱包物Pの取り出し等に供される半円筒状の取り出し用凹部16a、16bが設けられている。
また、上面平板部11における前後方向中央線Cg上には、上面平板部11の前端近くと左右方向中央線Cf近くの2カ所に、それぞれ下側トレイ10及び上側トレイ20の誤配置(梱包ミス)を防ぐための、上向きに突出する角錐台状の誤配置防止用突出部13、13が設けられている。
一方、上側トレイ20は、下側トレイ10の上面平板部11に対応する平面視矩形の下面平板部21を有し、この下面平板部21には、下側トレイ10の下部収納凹部15に対応して、被梱包物Pの上部を収納する下面が開口した上部収納凹部25が左右方向に沿って4個ずつ、前後方向に沿って2列、所定間隔をあけて並設されている。4個ずつ2列の計8個の各上部収納凹部25は、そこに収納される被梱包物Pの下部がしっかり嵌合してその中心線Oが前後方向に向くようにその寸法形状が設定されている。
また、下側トレイ10の誤配置防止用突出部13、13に対応して、下面平板部21における前後方向中央線Cg(下側トレイ10と共通)上には、下面平板部21の前端近くと左右中央線Cf(下側トレイ10と共通)近くの2カ所に、それぞれ下側トレイ10の誤配置防止用突出部13、13が緩く嵌め込まれる、上向きに突出する角錐台状の誤配置防止用突出部23、23が設けられている。
そして、本実施例1の上側トレイ20には、前記並設された計8個の上部収納凹部25の外面側における左右方向で見て中央ないしその近傍に、前記押さえ部材とされるケース蓋35の裏面(下面)に当接する断面台形ないし山形状の押さえ用突出部27が上向きに突設されている。
より詳細には、前記並設された8個の上部収納凹部25のうちの左右方向(長手方向)で見て上側トレイ20の両外端近傍に位置する計4個の上部収納凹部25には、押さえ用突出部27が上部収納凹部25における左右方向で見て(一方向に沿った)中央より前記外端寄りに設けられるとともに、それ以外の4個の上部収納凹部25には、押さえ用突出部27が上部収納凹部25における左右方向で見て中央に設けられている。
このような構成を有する本実施例1の梱包用トレイ5Aを用いた梱包体1Aにおいて被梱包物Pを梱包するにあたっては、ケース本体30内に、下側トレイ10、被梱包物P、及び上側トレイ20を順次入れ置く。この場合、図4を参照すればよくわかるように、下側トレイ10の下部収納凹部15には被梱包物Pの中心線Oより多少下側の部分が収納され、上側トレイ20の上部収納凹部25には、被梱包物Pの中心線Oより多少上側の部分が収納され、下側トレイ10の上面平板部11と上側トレイ20の下面平板部21との間には、ある程度の隙間Sが形成される。この隙間Sの上下方向の幅は、押さえ用突出部27がケース蓋35に押圧されて該押さえ用突出部27を含む上側トレイ20及び下側トレイ10が相当変形したとしても、上面平板部11に下面平板部21は接触しない長さとなるように各部の寸法が設定されている。
ケース本体30内に、下側トレイ10、被梱包物P、及び上側トレイ20を順次入れ置いた後は、ケース蓋35をケース本体30の上面開口を覆うように上から被せる。これにより、梱包体1Aが得られるが、この状態では、押さえ部材とされるケース蓋35の天井壁部35aに押さえ用突出部27の先端が当接するものの、ケース蓋35によって押さえ用突出部27がさほど押圧されていないので、未だ被梱包物Pを完全には梱包した状態とは言えない。
また、この状態においては、ケース蓋35の天井壁部35a(の下面)とケース本体30(の側壁部30aの)上端との間には、隙間(押し下げ代)Hが形成されており、ケース蓋35を上から押さえ付ければ、上側トレイ20と下側トレイ10が圧縮変形してケース蓋35は下方に押し下げられる。
次に、ケース蓋35をケース本体30に被せてその下面を押さえ用突出部27に当接させた状態の梱包体1Aを、図4に示される如くに、上下方向に段積みする。これにより、上側の梱包体1Aの荷重がケース蓋35を介して下側の梱包体1Aの上側トレイ20の押さえ用突出部27にかかり、被梱包物Pが押さえ用突出部27を介してしっかりと押さえられ、被梱包物Pの梱包が完了する。このようして得られたものを、梱包体1Aに対して段積み梱包体1A’と称す。
本実施例1においては、押さえ部材(ケース蓋35)に当接する押さえ用突出部27が設けられていることにより、押さえ部材の形状如何に拘わらず、押さえ用突出部27を介して被梱包物を安定して確実に押さえることができる。また、上部収納凹部25に押さえ用突出部27が設けられていることにより、他の部位に設けた場合に比べて、被梱包物Pに直接的に押圧力を加えることができるので、被梱包物Pが受ける面圧が高くなるとともに、上側トレイ20全体の変形量が小さくなり、そのため、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
その結果、かかる実施例1の梱包用トレイ5Aを用いた梱包体1A、段積み梱包体1A’においても、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を効果的に抑制することができる。
また、並設された複数個の上部収納凹部25における左右方向で見て中央ないしその近傍に押さえ用突出部27が設けられていることにより、各被梱包物Pに満遍なく押圧力が加えられるとともに、被梱包物Pに偏荷重による不所望な傾き等が生じ難くなる。
また、並設された計8個の上部収納凹部25のうちの左右方向で見て(長手方向に沿って)上側トレイ20の両外端近傍に位置する4個の上部収納凹部25には、押さえ用突出部27が上部収納凹部25における左右方向で見て中央より前記外端寄りに設けられるとともに、それ以外の上部収納凹部25には、押さえ用突出部27が上部収納凹部25における左右方向で見て中央に設けられていることにより、上側トレイ20において変形しやすい部位とされる両外端付近の変形を抑えることができる。
次に、前述した下側トレイ10の誤配置防止用突出部13、13と上側トレイ20の誤配置防止用突出部23、23の機能について図5を参照しながら説明する。下側トレイ10及び上側トレイ20の適正配置時には、図5(A)、(B)に示される如くに、下側トレイ10の2個の誤配置防止用突出部13、13と上側トレイ20の2個の誤配置防止用突出部23、23とが緩く嵌合して、上側トレイ20を適正高さ位置まで下げることができる。それに対し、上側トレイ20の誤配置時(前後方向が逆になっているとき)には、図5(C)に示される如くに、上側トレイ20を下げていくと、適正高さ位置より相当高いに位置において上側トレイ20の下面平板部21が下側トレイ10の誤配置防止用突出部13、13に接当するので、ケース本体30の上端位置等と比較すれば、視覚的に誤配置だと気づきやすくなる。これにより、下側トレイ10及び上側トレイ20の誤配置(梱包ミス)が低減される。
なお、実施例1の上側トレイ20に強度、剛性不足が懸念される場合は、例えば図6に補強例1が示される如くに、下面平板部21に補強リブ19fを設けたり、図7に補強例2が示される如くに、下面平板部21の外周端縁部に上向きに枠状側壁部22を突設する等すればよい。
〔実施例2〕
図8は、実施例2の梱包用トレイ及びそれを用いて被梱包物Pを梱包した状態の梱包体を示す斜視図(内部を見せるためケースの蓋を上方に上げ、部分的に切欠している)、図9は、図8に示される梱包体の分解斜視図(ケース本体と蓋は図外)、図10は、図8に示される梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、図8のA−A矢視線に従う左右方向縦断面図(実施例1を示す図4(A)に対応)、(B)は、図8のB−B矢視線に従う前後方向断面図(実施例1を示す図4(B)に対応)であり、いずれも被梱包物Pは非断面である。
図8は、実施例2の梱包用トレイ及びそれを用いて被梱包物Pを梱包した状態の梱包体を示す斜視図(内部を見せるためケースの蓋を上方に上げ、部分的に切欠している)、図9は、図8に示される梱包体の分解斜視図(ケース本体と蓋は図外)、図10は、図8に示される梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、図8のA−A矢視線に従う左右方向縦断面図(実施例1を示す図4(A)に対応)、(B)は、図8のB−B矢視線に従う前後方向断面図(実施例1を示す図4(B)に対応)であり、いずれも被梱包物Pは非断面である。
本実施例2の梱包用トレイ5Bは、実施例1の梱包用トレイ5Aの構成に加えて、上側トレイ20の構造強度(剛性)を高めるため、上側トレイ20の下面平板部21の外周端縁部に上向きに枠状側壁部22が突設され、この枠状側壁部22の前後左右の各側壁部にはそれぞれ適宜に逆半円錐台状の補強リブ29a、29b、29cが形成されている。
また、押さえ用突出部27だけでなく、枠状側壁部22の上端面が押さえ部材とされるケース蓋35に当接するようにされている。
具体的には、本実施例で用いられるケース蓋35は、その天井壁部35aの外周端部が下方に向けて肉厚が増した厚肉部35cとなっていて、この厚肉部35c(の下面)に枠状側壁部22の上端面が当接するようにされている。この場合、ケース蓋35の天井壁部35aが押さえ用突出部27に当接すると同時に厚肉部35c(の下面)に枠状側壁部22の上端面が当接するように各部の寸法形状が設定されている。
このように押さえ用突出部27に加えて枠状側壁部22もケース蓋35で押圧するようにされていることにより、上側トレイ20全体を介して被梱包物Pを安定して押さえることができる。
また、枠状側壁部22が設けられていることにより、上側トレイ20の構造強度(剛性)が高められ、変形(撓みやねじれ等)が生じ難くなり、そのため、被梱包物Pの保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
したがって、かかる実施例2の梱包用トレイ5Bを用いた梱包体1B、段積み梱包体1B’においても、実施例1と同様に、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を効果的に抑制することができる。
〔実施例3〕
図11は、実施例3の梱包用トレイを用いて被梱包物を梱包した状態の梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、左右方向縦断面図(実施例1を示す図4(A)に対応)、(B)は、前後方向断面図(実施例1を示す図4(B)に対応)である。
図11は、実施例3の梱包用トレイを用いて被梱包物を梱包した状態の梱包体を段積みした状態(段積み梱包体)を示し、(A)は、左右方向縦断面図(実施例1を示す図4(A)に対応)、(B)は、前後方向断面図(実施例1を示す図4(B)に対応)である。
本実施例3の梱包用トレイ5Cは、実施例1の構成に加えて、下側トレイ10の下部収納凹部15の外面側に被梱包物Pの全荷重を受け止める受け止め部材(ケース本体30の底壁部30b)に当接する支持用突出部17が下向きに突設されている。加えて、上側トレイ20の押さえ用突出部27と下側トレイ10の支持用突出部17とは、梱包状態において同一鉛直線上に位置するように設計されている。
すなわち、支持用突出部17は、並設された8個の下部収納凹部15のうちの左右方向(長手方向)で見て下側トレイ10の両外端近傍に位置する計4個の下部収納凹部15には、押さえ用突出部27が下部収納凹部15における左右方向で見て中央より前記外端寄りに設けられるとともに、それ以外の4個の下部収納凹部15には、支持用突出部17が下部収納凹部15における左右方向で見て中央に設けられている。
ここで、通常、下側トレイ10の外周端縁部には下向きに枠状側壁部(スカート部)12が突設されており、該枠状側壁部12により全被梱包物Pが支持されるようになっているが、上記のように下部収納凹部15に支持用突出部17が設けられていることにより、被梱包物Pが枠状側壁部12の内周側においても各支持用突出部17によって支持されるので、下側トレイ10の変形(内周側の凹み等)が抑えられ、そのため、被梱包物の保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
また、上側トレイ20の押さえ用突出部27と下側トレイ10の支持用突出部17とは、梱包状態において同一鉛直線上に位置するように設計されていることにより、被梱包物Pは上側の押さえ用突出部27と下側の支持用突出部17とで重力方向に沿って直接的に挟圧保持されることになり、そのため、被梱包物Pが受ける面圧が高くなって、被梱包物Pの保持力、不所望な動きの抑制力が強くなる。
したがって、かかる実施例3の梱包用トレイ5Cを用いた梱包体1C、段積み梱包体1C’においても、実施例1、実施例2と同様に、梱包作業に手間と時間がかからず、かつ、梱包コストを可及的に低く抑えながら、搬送時等における被梱包物の不所望な動き(飛び跳ね、飛び出し、位置ずれ等)を効果的に抑制することができる。
なお、下側トレイ10と上側トレイ20とを、同一寸法形状に作製して、下側トレイ10を鉛直面内で反転させたものを上側トレイ20として用いるようにしてもよい。
このようにされることにより、上側トレイと下側トレイを製造するための成形型等が一種類で済み、梱包用トレイの製造コストを低く抑えることができる。
〔梱包体の他の実施例〕
前記実施例1から3においては、下側トレイ10、被梱包物P、及び上側トレイ20が順次入れ置かれる上面が開口した角箱形のケース本体30と、該ケース本体30の上面開口を覆うように上から被せられるケース蓋35と、を備えた梱包体1A、1B、1Cが上下方向に段積みされて段積み梱包体1A’、1B’、1C’とされ、ケース蓋35が押さえ部材となっているが、段積み梱包体としては、上記実施例以外の、次の構成をとるものでもよい。
前記実施例1から3においては、下側トレイ10、被梱包物P、及び上側トレイ20が順次入れ置かれる上面が開口した角箱形のケース本体30と、該ケース本体30の上面開口を覆うように上から被せられるケース蓋35と、を備えた梱包体1A、1B、1Cが上下方向に段積みされて段積み梱包体1A’、1B’、1C’とされ、ケース蓋35が押さえ部材となっているが、段積み梱包体としては、上記実施例以外の、次の構成をとるものでもよい。
すなわち、段積み梱包体の他の例としては、図12に示される如くに、前記実施例の段積み梱包体1A’、1B’、1C’からケース蓋35を取り去って、ケース本体30の底壁部30bが前記押さえ部材となっている段積み梱包体1D’、あるいは、図13に示される如くに、前記実施例の段積み梱包体1A’、1B’、1C’からケース蓋35及びケース本体30を取り去って、被梱包物Pが下側トレイ10と上側トレイ20とで挟まれた状態の梱包体1Eが上下方向に段積みされるとともに、各梱包体1E間に板状体8が介装されてなり、この板状体8が前記押さえ部材となっている段積み梱包体1E’が代表して挙げられる。
このように、本考案に係る梱包体(梱包体1A、1B、1C、1D、1E並びに段積み梱包体1A’、1B’、1C’、1D’、1E’では、前記した梱包用トレイの改良による作用効果に加えて、押さえ部材として、ケース蓋35、ケース本体30の底壁部30b、梱包体1E間に介装される板状体8、という既存のものや極めて安価なものが用いられるので、梱包コストを低く抑えることができる。
以上、本考案の実施形態について詳述したが、本考案は、前記の実施形態に限定されるものではなく、登録実用新案請求の範囲に記載された本考案の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
たとえば、実施例1では、ケース本体にケース蓋が上下方向に拘束されない状態で、ケース本体の開口を覆っていたが、たとえば、ケース本体にケース蓋を拘束するように、ケース蓋の縁部とケース本体の縁部にロック機構をさらに設けてもよい。
1A、1B、1C、1D、1E:梱包体,1A’、1B’、1C’、1D’、1E’:段積み梱包体,5A、5B、5C:梱包用トレイ,10:下側トレイ,11:上面平板部,12:枠状側壁部,13:誤配置防止用突出部,15:下部収納凹部,17:支持用突出部,20:上側トレイ,21:下面平板部,22:枠状側壁部,23:誤配置防止用突出部,25:上部収納凹部,27:押さえ用突出部,30:ケース本体,35:ケース蓋
Claims (5)
- 被梱包物の下部を収納する下側トレイと、前記被梱包物の上部を収納する上側トレイとを備え、前記上側トレイの上方から押さえ部材で押さえることにより前記被梱包物を前記両トレイで挟むようにして梱包する梱包用トレイであって、
前記上側トレイに前記被梱包物の上部を収納する下面が開口した上部収納凹部が設けられるとともに、該上部収納凹部の上面側に前記押さえ部材に当接する押さえ用突出部が上向きに突設されていることを特徴とする梱包用トレイ。 - 前記上部収納凹部が複数個一方向に沿って並設され、該並設された複数個の上部収納凹部のうちの前記一方向に沿った前記上側トレイの両外端近傍の前記押さえ用突出部は、前記上部収納凹部の中央より前記外端寄りに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の梱包用トレイ。
- 前記上側トレイの外周端部も前記押さえ部材に当接するようにされていることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包用トレイ。
- 前記下側トレイに前記上部収納凹部に対応して前記被梱包物の下部を収納する上面が開口した下部収納凹部が設けられるとともに、該下部収納凹部の外面側に前記被梱包物の全荷重を受け止める受け止め部材に当接する支持用突出部が下向きに突設され、
前記押さえ用突出部と支持用突出部とは、梱包状態において同一鉛直線上に位置するように設計されていることを特徴とする請求項6に記載の梱包用トレイ。 - 請求項1から4のいずれかに記載の梱包用トレイと、前記下側トレイ、被梱包物、及び上側トレイが順次入れ置かれる上面が開口した箱形のケース本体と、該ケース本体の上面開口を覆うように上から被せられるケース蓋とを備えた梱包体であり、前記ケース蓋が前記押さえ部材となっていることを特徴とする梱包体。
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