JP2004017260A - エンドエフェクタに分離機能を有する自動組立作業装置 - Google Patents

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加賀谷 博昭
Yasuo Otsuki
大築 康生
Keizo Miyahara
宮原 啓造
Jun Fujimori
藤森 潤
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Abstract

【課題】力制御機能付き組立装置において、電気的あるいは機械的故障が生じた場合や組立作業中に膠着が生じた場合に復旧作業が容易かつ迅速に行えるエンドエフェクタを提供する。
【解決手段】工具交換装置2のマスタプレート21と力制御装置を設けたロボットアーム1と、工具交換装置のツールプレート22と力センサ32とエンドエフェクタ情報記憶装置33を設けてエンドエフェクタごとに力センサの校正を行ってエンドエフェクタ情報記憶装置に記録しておくエンドエフェクタ3を備え、マスタプレート21とツールプレート22を接合してロボットアーム1にエンドエフェクタ3を脱着できるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被嵌合部品に嵌合部品を挿入する力制御機能付き自動組立装置に関し、特にエンドエフェクタの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、精密な嵌合を行う組立ラインに、力制御機能を有する自動組立装置が導入されるようになってきた。一般的に、力制御機能付き自動組立装置は、ロボットなどの力制御装置、ワークを把持して必要な動作をさせるハンド、および把持したワークに作用する力を検出する力センサから構成される。力制御機能を利用すると人が手探りで行ってきた作業を自動的に行うことができ、たとえば、複雑な噛み合いに適合させて部品を嵌入したり、嵌合部分の部品が動いても追跡して嵌め込んだりして省力化することができる。
【0003】
しかし、力制御機能付き自動組立装置のエンドエフェクタ部分には下記のような故障が発生する。
▲1▼多板クラッチや遊星歯車など複雑な部品同士を嵌合させる途中で引っ掛かって動かなくなることがある。このようなときに嵌合部品を位置制御により引き抜くと部品や力センサに損傷が発生する。また、力制御では引き抜きができない。
▲2▼力センサが破損すると力制御が機能しなくなる。
▲3▼エンドエフェクタが故障することがある。
【0004】
これに対して、特開平11−123683には、引き抜き分解機能を有する力制御ロボットが開示されている。開示された技術は、部品同士を嵌合させる途中でつまりを生じたら、一旦嵌合部品を被嵌合部品から引き抜いて分離した上で再度挿入動作を行うようにして、つまりの発生を防止するものである。
しかし、つまり時の摩擦が大きすぎる場合や複雑な構成部品を扱うときには引き抜くことが難しいことがある。またエンドエフェクタに故障が生じることもある。
このような場合は、力制御装置からエンドエフェクタを分離し、障害を取り除いた後に再装着しなければならない。障害を取り除くために時間がかかったり補修ができない場合はエンドエフェクタを新しいものと交換して力制御装置に取り付ける。
組立ラインの効率を低下させないために、自動組立装置は平均故障間隔MTBFをできるだけ大きくし、かつ平均復旧時間MTTRをできるだけ小さくすることが望まれる。
【0005】
力センサは、受感部の弾性変形量を歪みゲージで測定し、その歪み量を力に換算して並進3成分と回転3成分の力およびモーメントを計測する。歪み量と力の換算値は力センサ素子ごとに変化するため、エンドエフェクタとセンサ素子の組合せごとに校正して確定する必要がある。従来装置では、力センサが力制御装置側に設けられていて、エンドエフェクタを再装着するときには装着した状態で力センサのキャリブレーションを行う必要があり、復旧時間が無視できなかった。
また、別の種類のエンドエフェクタと取り替える場合は、ハンド重量の変化に伴う補正値や形状の変化に伴う作用点の座標変換情報を演算装置に改めて教示しなければならない。従来装置では、力センサやエンドエフェクタを交換するたびに演算装置に記録されていたこれら補正値や座標変換情報を新しく書き換える必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、力制御機能付き組立装置において、電気的あるいは機械的故障が生じた場合や組立作業中に膠着が生じた場合に復旧作業が容易かつ迅速に行えるエンドエフェクタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の自動組立作業装置は、工具交換装置のマスタプレートと力制御装置を設けたロボットアームと、工具交換装置のツールプレートと力センサとエンドエフェクタ情報記憶装置を設けてエンドエフェクタごとに力センサの校正を行ってエンドエフェクタ情報記憶装置に記録しておくエンドエフェクタを備え、マスタプレートとツールプレートを接合してロボットアームにエンドエフェクタを脱着できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の自動組立作業装置は、エンドエフェクタをロボットアームから容易に切り離せるので、組立部品を把持して作業をするときに何らかの原因で膠着が起こりエンドエフェクタが動かなくなったときなどに、エンドエフェクタを切り離した上で作業員の手によって組立対象物とエンドエフェクタの膠着を解消することができる。また、エンドエフェクタに故障が生じたときにも簡単にロボットアームから切り離して取り替えることができる。
【0009】
エンドエフェクタは力センサを一緒に所有しているため、新しく取り付けるエンドエフェクタは別途単体でキャリブレーションを行っておくことができるので、ロボットアームに取り付けた状態で改めてセンサのキャリブレーションを行う必要がなく、エンドエフェクタ情報記憶装置に格納されたから校正データを利用して直ちに組立作業を再開することができる。
したがって、本発明の自動組立作業装置を用いることにより、実組立ラインにおけるMTTRを小さくして効率的な作業を行うことができる。
【0010】
なお、エンドエフェクタは識別記号を固有に所有し、識別記号をエンドエフェクタ情報記憶装置に記録しておいてもよい。自動組立作業装置の制御装置に予めエンドエフェクタ個体の形状や重量補正量などのデータを格納しておけば、装着したエンドエフェクタの識別記号を参照することにより、記憶してあるエンドエフェクタのデータを抽出して利用することができる。
さらに、遊星歯車を利用するトランスミッションや多板クラッチなど複雑な部品同士を嵌め合わせて構成する作業では被嵌合部品と嵌合部品の間で膠着が起こり易くまた膠着が起こったときに自動的な処理が難しいので、本願発明の自動組立作業装置をエンドエフェクタで嵌合部品を被嵌合部品に挿入嵌合させる作業に使用すると、人を適度に介在させることにより作業効率が大いに向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の1実施例に係る自動組立作業装置の要部を示す側面図、図2はロボットアームとエンドエフェクタ部の構成を説明する概念図、図3はエンドエフェクタを分離した時の状態図、図4はツールが膠着した時の処理手順を説明する工程図、図5はエンドエフェクタ取り付け時における作業手順を示す流れ図、図6はエンドエフェクタを取り替えて作業する場合の説明図、図7はエンドエフェクタ交換時の作業手順を示す流れ図である。
【0012】
図1,図2に示すように、本実施例の自動組立作業装置は、ロボットアーム1の先端部に工具交換装置2を介してハンド31が取り付けられたものである。工具交換装置2はロボットアームの先端フランジ11に取り付けられるマスタプレート21と、エアチャックによりマスタプレートに対して脱着可能に固定されるツールプレート22からなる。
工具交換装置2は、エア駆動によりマスタプレート21とツールプレート22を固接したり分離することができるようになったもので、マスタプレート21とツールプレート22のそれぞれにエアポートや電気信号コネクタが設けられ、2つのプレートを締結することによりロボットハンドをロボットアームに固定すると共にエアや電気信号を接続する。
なお、電気信号接続具23,24は工具交換装置2のマスタプレート21とツールプレート22にそれぞれ随伴して設けるようにしてもよい。
【0013】
ツールプレート22に固定されるハンド31には、さらに力センサ32と記憶装置33が格納されている。ハンド31には、また、対象物5をハンドリングする工具35や工具を駆動する装置34が設けられている。
ロボットアーム1に脱着可能に取り付けられるツールプレート22以下の部分を本明細書ではエンドエフェクタ3と呼ぶ。
【0014】
力センサ32は、歪みゲージを組み合わせて形成される6軸力センサで、ゲージで検出する歪み量からハンド31にかかる並進方向と回転方向合わせて6成分の力・モーメントを計測する。測定値はアナログ信号あるいはデジタル信号として取得することができる。測定データは、随時、電気信号接続具23,24と電線43を介して自動組立作業制御盤4に送信して格納する。
歪み量と力の関係は力センサごとに異なるため、力センサ32を交換した場合はキャリブレーションを行って校正値を再設定する必要がある。
さらに、ハンド31を修理したり交換したりした場合も歪み量と力の関係が変化するので、エンドエフェクタ3を組み上げた状態でキャリブレーションを行い新しい校正値を算出して再設定する。
【0015】
従来のエンドエフェクタ交換可能なロボット装置では、力センサ本体をロボットアーム側に設け、その先に工具交換装置を介してエンドエフェクタを配置することが多かった。このような方式によるとエンドエフェクタをロボットアームに組み込んでから力センサのキャリブレーションを行わなければならない。
これに対して、本実施例の方式では、ロボットアームから切り離したままキャリブレーションを行うことができるので、校正済みのエンドエフェクタをロボットアームに取り付けて直ちに操業に戻ることができる。したがって、本実施例の自動組立作業装置は作業以外にロボットアームを専有する時間が短くなり、従来方式と比較すると平均復旧時間MTTRが大いに改善される。
【0016】
記憶装置33は、エンドエフェクタ個体に関する設定情報を格納するもので、工具の型式、工具の寸法、重量、ツール座標、あるいは力センサの校正値など自動組立作業装置の制御を行うために必要な係数が記憶されている。
ハンドを交換したときは、ハンド重量補正値やハンド作用点座標などが変化するので、自動組立作業制御盤4におけるこれら情報を再設定しなければ自動組立作業を行うことができない。
しかし、本実施例の装置では、ハンド自体の特性を代表する各係数がそのハンドに常時付属しているため、エンドエフェクタの交換を行っても、直ちにそのハンドに適合する諸元を自動組立作業制御盤4に伝達して組立作業を開始することができる。
【0017】
なお、予め、自動組立作業制御盤4にエンドエフェクタ個体ごとの特性をリストしておいて、エンドエフェクタ3の記憶装置33には識別記号を記憶させておくようにしてもよい。この場合は、ロボットアーム1に組み込まれたエンドエフェクタ3を識別記号によって判定し、ハンドの種類、重量補正値、作用点座標などエンドエフェクタの特性値をリストから抽出して利用し、自動組立作業をさせることができる。
【0018】
駆動用のエアは、外部の空気源から空気配管12を介してマスタプレート21に供給されて、工具交換装置2の着脱に使用される。また、プレート内の配管接合部を通り制御弁34を介してハンド31に供給され工具35を駆動する。
制御弁34の制御信号、力センサ32の電源や測定信号、記憶装置33の電源や入出力信号などは、コネクタ23,24および電線42,43を介して自動組立作業制御盤4と接続されている。
なお、ロボットアーム1の位置姿勢を制御する制御信号は電線41を介して制御盤4からロボットアーム1のロボット制御装置14に供給される。電線類41,42,43はケーブル13に纏められて安全に制御盤4まで導かれている。
【0019】
本実施例の自動組立作業装置では、図3に示すように、空気配管12で導かれる圧空を操作することによりマスタプレート21とツールプレート22を分離させると、工具交換装置2の位置でエンドエフェクタ3をロボットアーム1から切り離すことができる。コネクタ23,24もマスタプレート21とツールプレート22に付帯して一緒に分離する。
【0020】
本実施例の自動組立作業装置は、遊星歯車ユニット5をハウジングに嵌合してトランスミッションを組立てる作業を行うために適合する特殊なハンド31を装着している。このハンド31には、遊星歯車ユニット5の軸部に形成される孔に挿入する円柱状支持棒や縁の部分を押さえる支持棒や先端の縁に突起を引っ掛けて落ちないように支持するフック、また遊星歯車ユニット5の側面を支える支持棒など目的に適合した複数の拘束具35が備えられている。これらの拘束具35は、制御弁34によりエア駆動され、協働して部品5を把持し、ロボットアーム1の動きにより嵌め合い位置を探ってハウジングの嵌合位置に挿入してトランスミッションを組立てる。
【0021】
図4は、本実施例の自動組立作業装置により遊星歯車ユニット5をハウジング6に組み込む際に膠着して動かなくなった場合の処理を説明する工程図である。図4(a)に示すように、エンドエフェクタ3は把持した遊星歯車ユニット5をトランスミッションハウジング6の歯車収納位置62に挿入し、遊星歯車ユニット5の突起51を歯車収納位置62の底の被嵌合部61に咬合するように力制御を使って手探りしながら挿入していく。
両者が旨く咬合したときは無事、組立作業の1段階を終了することができる。
【0022】
しかし、図4(b)に示すように、遊星歯車ユニット5の形状や重量と、ハウジング6の被嵌合部61との嵌合状態などの条件から、ハンド31で把持した遊星歯車ユニット5とハウジング6とが途中で膠着して動かなくなる場合がある。膠着状態は、力制御の閾値を越える力が発生することによって検出することができる。
部品同士が膠着したときにエンドエフェクタ3を力任せに引っ張って遊星歯車ユニット5を引き出せば遊星歯車や被嵌合部を破損するおそれがあり、しかも、歯車収納部62と遊星歯車ユニット5の間に隙間がない場合には、拘束具35を簡単に解除することができないので、エンドエフェクタ3をロボットアーム1に固定したままではうまく処理することができない。
【0023】
そこで、図4(c)に示すように、工具交換装置2でエフェクタ3をロボットアーム1から切り離してロボットアーム1を遠ざけた後で、作業員の手作業で遊星歯車ユニット5ごとエンドエフェクタ3を引き抜いたり、拘束具35を遊星歯車ユニット5から外してエンドエフェクタ3を外しその後遊星歯車ユニット5を抜き出したりして処理する。
このように発生のたびに異なる膠着状態をよく調べて人手で丁寧に対処することにより、部品が破損することを回避することができる。また、ロボットアーム1は別のエンドエフェクタを付け替えれば、別の位置で行われる組立作業を継続して行うことができる。このように、本実施例の自動組立作業装置によれば、組立作業を総体として低コストで行うことができる。
【0024】
こうしてエンドエフェクタ3を切り離して膠着を解消させてみると、エンドエフェクタ3に故障が生じている場合がある。エンドエフェクタ3に故障がある場合には、修理してからロボットアーム1に取り付けて使用しなければならない。もちろん、別に準備した予備のエンドエフェクタを取り付けてもよい。
このように以前と異なる状態のエンドエフェクタを使用する場合は、自動組立作業制御盤4に新しい設定値を知らせる必要がある。
図5は、特に力センサの情報を扱うことに重点を置いて、エンドエフェクタを取り替えるときに実施する手順例を説明する流れ図である。
【0025】
エンドエフェクタをロボットアームに取り付けるときは、工具交換装置2に組み込んだ着脱確認センサによりマスタプレートとツールプレートの締結状態を検知し(S11)、エンドエフェクタが完全に装着されたことを確認して(S12)、エンドエフェクタ情報を格納している記憶装置から力センサの校正値などセンサ情報を読み取る(S13)。
力センサはエンドエフェクタ内に組み込まれており、エンドエフェクタを組み上げたときに、実際に組み込んだハンドと合体した状態でキャリブレーションを行ってその結果として得られた歪み力係数をエンドエフェクタ情報記憶装置に格納してある。したがって、記憶装置から読み出した校正値により自動組立作業制御盤に記憶されていたセンサ情報を更新することにより(S14)、直ちに自動組立処理を再開することができる(S15)。
【0026】
なお、組立作業は1個の被嵌合部品に複数の嵌合部品を組み込むことにより行われる場合が多い。図6は、ロボットアーム1がエンドエフェクタ3を取り替えて複数の嵌合部品を扱うことにより組立作業を行う形態を説明する図面である。ロボットハンド31はハンドリングする対象により最適な形態が変化するため、1連の組立作業中に異なる嵌合部品を扱うときは、嵌合部品が変わるたびに異なるロボットを使用しなければならないことになる。しかし、複数のロボット装置を用いるのではコストが大きくなりすぎて経済上成立しない作業になるので、嵌合部品が変わるたびにハンドを取り替えて対処することが実際的である。
【0027】
すなわち、図6に模式的に示すように1個の被嵌合部品6に2個の嵌合部品5A,5Bを組み込むとすれば、初めに第1の嵌合部品5Aに適合したエンドエフェクタ3Aを使った作業を終えると、次に第2の嵌合部品5Bに適合したエンドエフェクタ3Bに取り替えて組み込み作業を行う。
しかし、エンドエフェクタ3A,3Bは、扱う嵌合部品の形や重量が異なるため、それぞれ把持機構や力センサの計測レンジが異なる。また、把持機構が異なるため作用点座標が異なり、ロボットの操縦方法が変わることになる。これらの自動組立作業制御盤が必要とするエンドエフェクタ固有の情報はエンドエフェクタ内の記憶装置33に格納しておく。
【0028】
図7は、複数のエンドエフェクタを使った作業をする場合に、エンドエフェクタを取り替えるときに実施する手順例を説明する流れ図である。
エンドエフェクタ3をロボットアーム1に取り付けるときは、工具交換装置2の着脱確認センサによりマスタプレートとツールプレートの締結状態を検知し(S21)、エンドエフェクタが完全に装着されたことを確認して(S22)、エンドエフェクタ情報記憶装置から力センサのセンサ情報を読み取る(S23)。センサ情報はエンドエフェクタごとに対応するものが記憶装置に格納してあるので、自動組立作業制御盤のセンサ情報を適正な値に更新することができる(S24)。
さらに、エンドエフェクタの個体ごとに与えられる識別記号を読み取ることにより(S25)、そのエンドエフェクタがハンドリングする嵌合部品に適合する自動組立作業手順を自動組立制御盤4の記憶装置に格納されていた情報ファイルから抽出して(S26)、正しい自動組立処理を行うことができる(S27,S28,S29)。
【0029】
本実施例の組立作業装置を用いることにより、嵌合部品の膠着が起こった場合に、容易かつ速やかにエンドエフェクタを分離して障害を取り除くことができる。また、嵌合部品や被嵌合部品、あるいは力センサやハンドなどを損傷することなく復旧することができる。
さらに、エンドエフェクタをロボットアームから外した状態でキャリブレーションをしておくことができるため、エンドエフェクタ部に故障が発生したときにもエンドエフェクタを取り替えて直ちに作業ができ、実組立ラインのMTTRを小さくすることができる。また、タイプの異なるハンドに取り替えることができるようになると共に、エンドエフェクタ内に力センサが組み込まれているため、交換時にもキャリブレーションを必要とせず直ちに使用することができる。
なお、上記実施例の説明では、力制御型組立作業をロボットアームにより実行させているが、本発明は対象をロボットに限定するものではなく、力制御を用いて組立する力制御装置であればどのようなものにでも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の自動組立作業装置では、エンドエフェクタをロボットアームに脱着可能に取り付けてあり、エンドエフェクタに力センサと記憶装置を組み込んでエンドエフェクタごとに変化する係数値や識別記号を格納しておくため、修理したエンドエフェクタを再度取り付けたり、新しいエンドエフェクタに取り替えたり、あるいは別の種類のハンドを持ったエンドエフェクタに取り替えたりした場合にも、取り付け状態でキャリブレーション等を行うことなく、エンドエフェクタを操作するために必要な情報を記憶装置から取得して直ちに作業にかかることができ、装置の平均復旧時間MTTRを大きく改善して効率のよい組立作業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る動組立作業装置の要部を示す側面図である。
【図2】本実施例におけるロボットアームとエンドエフェクタ部の構成を説明する概念図である。
【図3】本実施例においてエンドエフェクタを分離した時の状態図である。
【図4】本実施例においてツールが膠着した時の処理手順を説明する工程図である。
【図5】本実施例におけるエンドエフェクタ取り付け時の作業手順を示す流れ図である。
【図6】本実施例においてエンドエフェクタを取り替えて作業する場合の説明図である。
【図7】本実施例におけるエンドエフェクタ交換時の作業手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム
11 先端フランジ
12 空気配管
13 ケーブル
14 ロボット制御装置
2 工具交換装置
21 マスタプレート
22 ツールプレート
23,24 電気信号接続具、コネクタ
3,3A,3B エンドエフェクタ
31 ハンド
32 力センサ
33 記憶装置
34 駆動装置
35 ハンドリング工具、拘束具
4 自動組立作業制御盤
41,42,43 電線
5,5A,5B 嵌合部品、遊星歯車ユニット
51 突起
6 トランスミッションハウジング
61 被嵌合部
62 歯車収納位置

Claims (3)

  1. 工具交換装置のマスタプレートと力制御装置を設けたロボットアームと、前記工具交換装置のツールプレートと力センサとエンドエフェクタ情報記憶装置を設けてエンドエフェクタごとに前記力センサの校正を行って前記エンドエフェクタ情報記憶装置に記録しておくエンドエフェクタを備え、前記マスタプレートと前記ツールプレートを接合して前記エンドエフェクタを脱着できるようにしたことを特徴とする自動組立作業装置。
  2. 前記エンドエフェクタは識別記号を固有に所持し、該識別記号を前記エンドエフェクタ情報記憶装置に記録してあることを特徴とする請求項1記載の自動組立作業装置。
  3. 前記エンドエフェクタで嵌合部品を把持し被嵌合部品に該嵌合部品を挿入嵌合させることを特徴とする請求項1または2記載の自動組立作業装置。
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