JP2004017074A - リンク式ダミーバー及びダミーバーヘッドの切り離し方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業において、吊り荷に接触する必要がなく且つ1人の操作員でも切り離しや設置することが可能であるダミーバーヘッドを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するリンク式ダミーバー1は、共用体3と、その断面が長円形状の連結ピン4を介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッド2と、から構成されるリンク式ダミーバー1であって、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンが固定して設置され、前記共用体には、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔5、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、鉛直方向上方に開口する切欠溝5aが設置されており、ダミーバーヘッド2を鉛直に立てた状態において連結ピン4の切欠溝通過方向が前記切欠溝5aの開口方向と一致するように、前記連結ピンがダミーバーヘッドに設置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】上記課題を解決するリンク式ダミーバー1は、共用体3と、その断面が長円形状の連結ピン4を介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッド2と、から構成されるリンク式ダミーバー1であって、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンが固定して設置され、前記共用体には、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔5、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、鉛直方向上方に開口する切欠溝5aが設置されており、ダミーバーヘッド2を鉛直に立てた状態において連結ピン4の切欠溝通過方向が前記切欠溝5aの開口方向と一致するように、前記連結ピンがダミーバーヘッドに設置されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造設備におけるリンク式ダミーバー及びこのリンク式ダミーバーのダミーバーヘッド切り離し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円弧型の鋳片案内部を有する連続鋳造設備におけるダミーバーは、折り曲がり自在の多数のリンクを連結した所謂リンク式ダミーバーであり、図4に示すように、その上方側先端にはダミーバーヘッド2が取り付けられている。鋳造開始時、ダミーバーヘッド2を連続鋳造設備の鋳型内に挿入し、鋳型内で形成される鋳片をダミーバーヘッド2により鋳型下方に連続的に引き抜き、帯状の鋳片を鋳造している。鋳片の幅又は厚みを変更する場合には、鋳型サイズのみならずダミーバーヘッド2も所定のサイズのものに交換する必要がある。尚、鋳片のサイズに拘わらずに常に使用する部位を共用体3と称しており、ダミーバーヘッド2と共用体3とは連結ピン15により折り曲がり自在に連結されている。
【0003】
ダミーバーヘッドの交換の一例として、例えば実開昭55−154663号公報に開示されるように、ダミーバーヘッドを90度引き起こし、ダミーバーヘッドと共用体との連結ピンによる連結を解除し、ダミーバーヘッドのみを吊り上げて切り離す方法がある。即ち、図5に示すように、ダミーバーヘッド2の両側面にボルト17を介してブロック16を取り付け、このブロック16にピン13を介して連結金具12を取り付け、連結金具12の上方に位置するフック10に連結金具12に係留されたワイヤーロープ9の他端を引っ掛け、フック10を上昇させてダミーバーヘッド2を引き起こし、その状態でダミーバーヘッド2と共用体3とを連結する連結ピン15を解除する方法である。図中、11は、ワイヤーロープ9に取り付けられたリンク、14は、他端が埋込みボルトとなった、ピン13を通す孔を有するブラケットである。
【0004】
又、ダミーバーヘッド2の広幅面に連結金具12を取り付けることもでき、この場合には、ダミーバーヘッド2の重心位置の関係からダミーバーヘッド2を90度まで引き起こすことはできず、図6に示すように、ダミーバーヘッド2を斜め吊りにした状態で連結ピン15を解除する。
【0005】
これらの場合における、ダミーバーヘッド2と共用体3とを連結する連結ピン15の取り付け構造を図7に示す。連結ピン15は、ダミーバーヘッド2に対して回転自在にダミーバーヘッド2に取り付けられ、一方、共用体3には、連結ピン15と嵌合するための嵌合孔5及び連結ピン15の通路となる切欠溝5aが設置されており、連結ピン15は切欠溝5aを通って嵌合孔5内に挿入される。尚、連結ピン15の共用体3と噛み合う部位の断面形状は、図7に示すように、両側が面取りされた長円形状をしている。
【0006】
ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す際には、ダミーバーヘッド2を90度引き起こすか若しくは斜め吊りとし、その状態で連結ピン15を人手により回転させて、共用体3の切欠溝5aから取り出し可能となる角度に連結ピン15の角度を合致させておき、フック10を上昇させ、連結ピン15を切欠溝5aを通過させてダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す。又、ダミーバーヘッド2を共用体3に設置する場合には、フック10で所定の角度にダミーバーヘッド2を吊り上げておき、この状態でダミーバーヘッド2の連結ピン15を切欠溝5aに挿入可能な角度に人手により合致させ、フック10を下降して連結ピン15を共用体3の嵌合孔5内に挿入し、次いで、連結ピン15が切欠溝5aから出ないようにするために連結ピン15を人手により回転させ、ダミーバーヘッド2と共用体3とを接続している。
【0007】
従って、ダミーバーヘッドの交換にはフックの昇降を操作する者と連結ピンを回転させる者の少なくとも2人の操作員が必要であり、作業負荷が大きい作業であると共に、連結ピンを回転させる必要があり、吊り荷への接触作業が発生するために危険でもあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業において、吊り荷に接触する必要がなく且つ1人の操作員でも切り離しや設置することが可能であるダミーバーヘッドを提供すること、並びに、ダミーバーヘッドの切り離し方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るリンク式ダミーバーは、共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンが固定して設置され、前記共用体には、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、鉛直方向上方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンがダミーバーヘッドに設置されていることを特徴とするものである。
【0010】
第2の発明に係るリンク式ダミーバーは、共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記共用体には、前記連結ピンが固定して設置され、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において鉛直方向下方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンが共用体に設置されていることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明に係るダミーバーヘッドの切り離し方法は、第1又は第2の発明のリンク式ダミーバーを用い、ダミーバーヘッドのみを吊り上げてダミーバーヘッドを鉛直状態にし、その状態のままでダミーバーヘッドを更に吊り上げることによって共用体からダミーバーヘッドを切り離すことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、図1は、本発明に係るリンク式ダミーバーの概略図で、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図、図2は、本発明に係るリンク式ダミーバーにおけるダミーバーヘッドの切り離し方法を示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、ダミーバーヘッド2には、その断面が長円形状の連結ピン4が固定して設置され、一方、共用体3には、連結ピン4と嵌合する嵌合孔5、並びに、嵌合孔5への連結ピン4の通路となる切欠溝5aが設置されている。この切欠溝5aは、共用体3を連続鋳造設備のダミーバー格納場所(図示せず)即ちダミーバーヘッド交換場所に収容した状態(通常はほぼ水平状態)において鉛直方向上方に開口するように設置されている。この場合、ダミーバーヘッド2及び共用体3の平面形状は、前述した図4に示すそれらと同一形状である。
【0014】
連結ピン4は、連結ピン4の面取りされた両側の面4a,4aが切欠溝5aの面と実質的に平行になる角度においてのみ切欠溝5aを通過し、嵌合孔5への挿入若しくは嵌合孔5からの抜き出しが可能となり、これ以外の角度の場合には、切欠溝5aを通過できないようになっている。即ち、連結ピン4の面取りされた両側の面4aに平行な方向が、連結ピン4の切欠溝5aにおける通過方向(「切欠溝通過方向」と呼ぶ)になっている。
【0015】
連結ピン4は、面取りされた両側の面4aがダミーバーヘッド2を鉛直状態に吊った状態において鉛直方向を向くように、ダミーバーヘッド2に設置されている。即ち、連結ピン4の両側の面4aに平行な方向が切欠溝通過方向であるので、連結ピン4は、ダミーバーヘッド2を鉛直に立てた状態においてのみ切欠溝5aから切り離されるように、ダミーバーヘッド2に設置されている。
【0016】
尚、連結ピン4をダミーバーヘッド2に回転可能に取り付けておき、切欠溝5aの方向に一致する角度でロック機構により連結ピン4を固定するようにしてもよい。本発明においては、この場合も、連結ピン4はダミーバーヘッド2に固定して設置されているものと解する。要は、連結ピン4が自在に回転しないようにダミーバーヘッド2に設置されていればよい。
【0017】
このように構成されるリンク式ダミーバー1において、ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す場合には、先ず、ダミーバーヘッド2の両側面に埋め込めネジ式のトラニオン7を取り付け、次いで、図2に示すように、ワイヤーロープ9で吊った専用吊具8をトラニオン7に掛け、ホイスト等の昇降機(図示せず)に取り付けられ、ワイヤーロープ9の他端を掛けたフック10を上昇し、ダミーバーヘッド2を鉛直状態まで引き起こす。この場合、共用体3は引き起こさないように注意する。図2中で、11は、ワイヤーロープ9に取り付けられたリンク、12は、ワイヤーロープ9を係留するための連結金具、13は、連結金具12を取り付けるためのピン、14は、他端が埋込みボルトとなった、ピン13を通す孔を有するブラケットである。
【0018】
共用体3が水平状態で且つダミーバーヘッド2が鉛直状態になると、ダミーバーヘッド2に設置した連結ピン4の切欠溝通過方向と、共用体3に設置された、鉛直方向上方に開口する切欠溝5aの開口方向とが一致し、その状態でフック10を鉛直方向に上昇させることによって、嵌合孔5内の連結ピン4を切欠溝5aを通過させて嵌合孔5から抜き出すことができる。即ち、人手による連結ピン4の角度調整をすることなく、ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離すことができる。
【0019】
そして、切り離したダミーバーヘッド2を置き場に降ろした後に、所望の別のダミーバーヘッドを吊り上げ、このダミーバーヘッドを共用体3の直上で吊り上げたまま静止させる。静止させたダミーバーヘッドの連結ピン4の位置を共用体3に設置された切欠溝5aの鉛直方向位置に合わせることで、上記と同様に、連結ピン4の切欠溝通過方向と切欠溝5aの開口方向とが一致し、その状態でフック10を下降させることによって、連結ピン4を嵌合孔5に挿入することができる。連結ピン4が嵌合孔5に挿入したことを確認したならば、更にフック10を下降させてダミーバーヘッドを水平状態にすることにより、所望の別のダミーバーヘッドを共用体3に取り付けることができる。
【0020】
図3は、本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、本発明に係るリンク式ダミーバーの概略図で、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。この場合には、連結ピン4が共用体3に固定して設置され、連結ピン4と嵌合する嵌合孔6、並びに、嵌合孔6への連結ピン4の通路となる切欠溝6aがダミーバーヘッド2に設置されている。
【0021】
共用体3に設置された連結ピン4の切欠溝通過方向は鉛直方向であり、ダミーバーヘッド2に設置された切欠溝6aは、ダミーバーヘッド2を吊り上げて鉛直に立てた状態としたときに、鉛直方向下方に開口するように設置されている。
【0022】
従って、ダミーバーヘッド2を鉛直状態にすると、前述した第1の実施の形態例と同様に、連結ピン4の切欠溝通過方向と切欠溝6aの開口方向とが一致し、人手による連結ピン4の角度調整をすることなく、連結ピン4の嵌合孔6からの切り離し及び嵌合孔6への挿入を行うことができる。又、第1の実施の形態例で説明した方法と同一方法によって、ダミーバーヘッド2の切り離しや設置を行うことができる。
【0023】
このように、本発明に係るリンク式ダミーバーを用いることにより、吊り荷であるダミーバーヘッドに接触する必要がなく、且つ、1人の操作員であっても連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業を行うことができ、ダミーバーヘッド交換作業による作業負荷が軽減されると共に、吊り荷への接触作業が回避されることによって操作員の安全性が確保される。
【0024】
尚、本発明は上記説明に限るものではなく、例えば、ダミーバーヘッドを吊り上げる方法を図5に示す方法で行ってもよいように、種々変更することができる。要は、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態にすることが可能であれば、どのような吊り上げ手段を採用してもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るリンク式ダミーバーによれば、連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業において、吊り荷であるダミーバーヘッドに接触する必要がなく、且つ、1人の操作員でもダミーバーヘッドの交換作業を行うことができる。その結果、ダミーバーヘッド交換作業による作業負荷が軽減されると共に、吊り荷への接触作業が回避されることにより操作員の安全性が確保され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、ダミーバーヘッドの切り離し方法を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。
【図4】従来のリンク式ダミーバーの概略図である。
【図5】従来のダミーバーヘッド交換方法の1例を示す概略図である。
【図6】従来のダミーバーヘッド交換方法の他の例を示す概略図である。
【図7】従来の連結ピンの取り付け構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 リンク式ダミーバー
2 ダミーバーヘッド
3 共用体
4 連結ピン
5 嵌合孔
5a 切欠溝
6 嵌合孔
6a 切欠溝
7 トラニオン
8 専用吊具
9 ワイヤーロープ
10 フック
11 リンク
12 連結金具
13 ピン
14 ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造設備におけるリンク式ダミーバー及びこのリンク式ダミーバーのダミーバーヘッド切り離し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円弧型の鋳片案内部を有する連続鋳造設備におけるダミーバーは、折り曲がり自在の多数のリンクを連結した所謂リンク式ダミーバーであり、図4に示すように、その上方側先端にはダミーバーヘッド2が取り付けられている。鋳造開始時、ダミーバーヘッド2を連続鋳造設備の鋳型内に挿入し、鋳型内で形成される鋳片をダミーバーヘッド2により鋳型下方に連続的に引き抜き、帯状の鋳片を鋳造している。鋳片の幅又は厚みを変更する場合には、鋳型サイズのみならずダミーバーヘッド2も所定のサイズのものに交換する必要がある。尚、鋳片のサイズに拘わらずに常に使用する部位を共用体3と称しており、ダミーバーヘッド2と共用体3とは連結ピン15により折り曲がり自在に連結されている。
【0003】
ダミーバーヘッドの交換の一例として、例えば実開昭55−154663号公報に開示されるように、ダミーバーヘッドを90度引き起こし、ダミーバーヘッドと共用体との連結ピンによる連結を解除し、ダミーバーヘッドのみを吊り上げて切り離す方法がある。即ち、図5に示すように、ダミーバーヘッド2の両側面にボルト17を介してブロック16を取り付け、このブロック16にピン13を介して連結金具12を取り付け、連結金具12の上方に位置するフック10に連結金具12に係留されたワイヤーロープ9の他端を引っ掛け、フック10を上昇させてダミーバーヘッド2を引き起こし、その状態でダミーバーヘッド2と共用体3とを連結する連結ピン15を解除する方法である。図中、11は、ワイヤーロープ9に取り付けられたリンク、14は、他端が埋込みボルトとなった、ピン13を通す孔を有するブラケットである。
【0004】
又、ダミーバーヘッド2の広幅面に連結金具12を取り付けることもでき、この場合には、ダミーバーヘッド2の重心位置の関係からダミーバーヘッド2を90度まで引き起こすことはできず、図6に示すように、ダミーバーヘッド2を斜め吊りにした状態で連結ピン15を解除する。
【0005】
これらの場合における、ダミーバーヘッド2と共用体3とを連結する連結ピン15の取り付け構造を図7に示す。連結ピン15は、ダミーバーヘッド2に対して回転自在にダミーバーヘッド2に取り付けられ、一方、共用体3には、連結ピン15と嵌合するための嵌合孔5及び連結ピン15の通路となる切欠溝5aが設置されており、連結ピン15は切欠溝5aを通って嵌合孔5内に挿入される。尚、連結ピン15の共用体3と噛み合う部位の断面形状は、図7に示すように、両側が面取りされた長円形状をしている。
【0006】
ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す際には、ダミーバーヘッド2を90度引き起こすか若しくは斜め吊りとし、その状態で連結ピン15を人手により回転させて、共用体3の切欠溝5aから取り出し可能となる角度に連結ピン15の角度を合致させておき、フック10を上昇させ、連結ピン15を切欠溝5aを通過させてダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す。又、ダミーバーヘッド2を共用体3に設置する場合には、フック10で所定の角度にダミーバーヘッド2を吊り上げておき、この状態でダミーバーヘッド2の連結ピン15を切欠溝5aに挿入可能な角度に人手により合致させ、フック10を下降して連結ピン15を共用体3の嵌合孔5内に挿入し、次いで、連結ピン15が切欠溝5aから出ないようにするために連結ピン15を人手により回転させ、ダミーバーヘッド2と共用体3とを接続している。
【0007】
従って、ダミーバーヘッドの交換にはフックの昇降を操作する者と連結ピンを回転させる者の少なくとも2人の操作員が必要であり、作業負荷が大きい作業であると共に、連結ピンを回転させる必要があり、吊り荷への接触作業が発生するために危険でもあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業において、吊り荷に接触する必要がなく且つ1人の操作員でも切り離しや設置することが可能であるダミーバーヘッドを提供すること、並びに、ダミーバーヘッドの切り離し方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るリンク式ダミーバーは、共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンが固定して設置され、前記共用体には、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、鉛直方向上方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンがダミーバーヘッドに設置されていることを特徴とするものである。
【0010】
第2の発明に係るリンク式ダミーバーは、共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記共用体には、前記連結ピンが固定して設置され、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において鉛直方向下方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンが共用体に設置されていることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明に係るダミーバーヘッドの切り離し方法は、第1又は第2の発明のリンク式ダミーバーを用い、ダミーバーヘッドのみを吊り上げてダミーバーヘッドを鉛直状態にし、その状態のままでダミーバーヘッドを更に吊り上げることによって共用体からダミーバーヘッドを切り離すことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、図1は、本発明に係るリンク式ダミーバーの概略図で、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図、図2は、本発明に係るリンク式ダミーバーにおけるダミーバーヘッドの切り離し方法を示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、ダミーバーヘッド2には、その断面が長円形状の連結ピン4が固定して設置され、一方、共用体3には、連結ピン4と嵌合する嵌合孔5、並びに、嵌合孔5への連結ピン4の通路となる切欠溝5aが設置されている。この切欠溝5aは、共用体3を連続鋳造設備のダミーバー格納場所(図示せず)即ちダミーバーヘッド交換場所に収容した状態(通常はほぼ水平状態)において鉛直方向上方に開口するように設置されている。この場合、ダミーバーヘッド2及び共用体3の平面形状は、前述した図4に示すそれらと同一形状である。
【0014】
連結ピン4は、連結ピン4の面取りされた両側の面4a,4aが切欠溝5aの面と実質的に平行になる角度においてのみ切欠溝5aを通過し、嵌合孔5への挿入若しくは嵌合孔5からの抜き出しが可能となり、これ以外の角度の場合には、切欠溝5aを通過できないようになっている。即ち、連結ピン4の面取りされた両側の面4aに平行な方向が、連結ピン4の切欠溝5aにおける通過方向(「切欠溝通過方向」と呼ぶ)になっている。
【0015】
連結ピン4は、面取りされた両側の面4aがダミーバーヘッド2を鉛直状態に吊った状態において鉛直方向を向くように、ダミーバーヘッド2に設置されている。即ち、連結ピン4の両側の面4aに平行な方向が切欠溝通過方向であるので、連結ピン4は、ダミーバーヘッド2を鉛直に立てた状態においてのみ切欠溝5aから切り離されるように、ダミーバーヘッド2に設置されている。
【0016】
尚、連結ピン4をダミーバーヘッド2に回転可能に取り付けておき、切欠溝5aの方向に一致する角度でロック機構により連結ピン4を固定するようにしてもよい。本発明においては、この場合も、連結ピン4はダミーバーヘッド2に固定して設置されているものと解する。要は、連結ピン4が自在に回転しないようにダミーバーヘッド2に設置されていればよい。
【0017】
このように構成されるリンク式ダミーバー1において、ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離す場合には、先ず、ダミーバーヘッド2の両側面に埋め込めネジ式のトラニオン7を取り付け、次いで、図2に示すように、ワイヤーロープ9で吊った専用吊具8をトラニオン7に掛け、ホイスト等の昇降機(図示せず)に取り付けられ、ワイヤーロープ9の他端を掛けたフック10を上昇し、ダミーバーヘッド2を鉛直状態まで引き起こす。この場合、共用体3は引き起こさないように注意する。図2中で、11は、ワイヤーロープ9に取り付けられたリンク、12は、ワイヤーロープ9を係留するための連結金具、13は、連結金具12を取り付けるためのピン、14は、他端が埋込みボルトとなった、ピン13を通す孔を有するブラケットである。
【0018】
共用体3が水平状態で且つダミーバーヘッド2が鉛直状態になると、ダミーバーヘッド2に設置した連結ピン4の切欠溝通過方向と、共用体3に設置された、鉛直方向上方に開口する切欠溝5aの開口方向とが一致し、その状態でフック10を鉛直方向に上昇させることによって、嵌合孔5内の連結ピン4を切欠溝5aを通過させて嵌合孔5から抜き出すことができる。即ち、人手による連結ピン4の角度調整をすることなく、ダミーバーヘッド2を共用体3から切り離すことができる。
【0019】
そして、切り離したダミーバーヘッド2を置き場に降ろした後に、所望の別のダミーバーヘッドを吊り上げ、このダミーバーヘッドを共用体3の直上で吊り上げたまま静止させる。静止させたダミーバーヘッドの連結ピン4の位置を共用体3に設置された切欠溝5aの鉛直方向位置に合わせることで、上記と同様に、連結ピン4の切欠溝通過方向と切欠溝5aの開口方向とが一致し、その状態でフック10を下降させることによって、連結ピン4を嵌合孔5に挿入することができる。連結ピン4が嵌合孔5に挿入したことを確認したならば、更にフック10を下降させてダミーバーヘッドを水平状態にすることにより、所望の別のダミーバーヘッドを共用体3に取り付けることができる。
【0020】
図3は、本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、本発明に係るリンク式ダミーバーの概略図で、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。この場合には、連結ピン4が共用体3に固定して設置され、連結ピン4と嵌合する嵌合孔6、並びに、嵌合孔6への連結ピン4の通路となる切欠溝6aがダミーバーヘッド2に設置されている。
【0021】
共用体3に設置された連結ピン4の切欠溝通過方向は鉛直方向であり、ダミーバーヘッド2に設置された切欠溝6aは、ダミーバーヘッド2を吊り上げて鉛直に立てた状態としたときに、鉛直方向下方に開口するように設置されている。
【0022】
従って、ダミーバーヘッド2を鉛直状態にすると、前述した第1の実施の形態例と同様に、連結ピン4の切欠溝通過方向と切欠溝6aの開口方向とが一致し、人手による連結ピン4の角度調整をすることなく、連結ピン4の嵌合孔6からの切り離し及び嵌合孔6への挿入を行うことができる。又、第1の実施の形態例で説明した方法と同一方法によって、ダミーバーヘッド2の切り離しや設置を行うことができる。
【0023】
このように、本発明に係るリンク式ダミーバーを用いることにより、吊り荷であるダミーバーヘッドに接触する必要がなく、且つ、1人の操作員であっても連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業を行うことができ、ダミーバーヘッド交換作業による作業負荷が軽減されると共に、吊り荷への接触作業が回避されることによって操作員の安全性が確保される。
【0024】
尚、本発明は上記説明に限るものではなく、例えば、ダミーバーヘッドを吊り上げる方法を図5に示す方法で行ってもよいように、種々変更することができる。要は、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態にすることが可能であれば、どのような吊り上げ手段を採用してもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るリンク式ダミーバーによれば、連続鋳造設備におけるダミーバーヘッドの交換作業において、吊り荷であるダミーバーヘッドに接触する必要がなく、且つ、1人の操作員でもダミーバーヘッドの交換作業を行うことができる。その結果、ダミーバーヘッド交換作業による作業負荷が軽減されると共に、吊り荷への接触作業が回避されることにより操作員の安全性が確保され、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、ダミーバーヘッドの切り離し方法を示す概略図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、(a)はダミーバーヘッドの概略側面図、(b)は共用体先端部の概略側面図である。
【図4】従来のリンク式ダミーバーの概略図である。
【図5】従来のダミーバーヘッド交換方法の1例を示す概略図である。
【図6】従来のダミーバーヘッド交換方法の他の例を示す概略図である。
【図7】従来の連結ピンの取り付け構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 リンク式ダミーバー
2 ダミーバーヘッド
3 共用体
4 連結ピン
5 嵌合孔
5a 切欠溝
6 嵌合孔
6a 切欠溝
7 トラニオン
8 専用吊具
9 ワイヤーロープ
10 フック
11 リンク
12 連結金具
13 ピン
14 ブラケット
Claims (3)
- 共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンが固定して設置され、前記共用体には、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、鉛直方向上方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンがダミーバーヘッドに設置されていることを特徴とするリンク式ダミーバー。
- 共用体と、その断面が長円形状の連結ピンを介して前記共用体に連結されるダミーバーヘッドと、から構成されるリンク式ダミーバーであって、前記共用体には、前記連結ピンが固定して設置され、前記ダミーバーヘッドには、前記連結ピンと嵌合する嵌合孔、並びに、当該嵌合孔への前記連結ピンの通路となる、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において鉛直方向下方に開口する切欠溝が設置されており、ダミーバーヘッドを鉛直に立てた状態において連結ピンの切欠溝通過方向が前記切欠溝の開口方向と一致するように、前記連結ピンが共用体に設置されていることを特徴とするリンク式ダミーバー。
- 請求項1又は請求項2に記載のリンク式ダミーバーを用い、ダミーバーヘッドのみを吊り上げてダミーバーヘッドを鉛直状態にし、その状態のままでダミーバーヘッドを更に吊り上げることによって共用体からダミーバーヘッドを切り離すことを特徴とする、ダミーバーヘッドの切り離し方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173670A JP2004017074A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | リンク式ダミーバー及びダミーバーヘッドの切り離し方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173670A JP2004017074A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | リンク式ダミーバー及びダミーバーヘッドの切り離し方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004017074A true JP2004017074A (ja) | 2004-01-22 |
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ID=31172834
Family Applications (1)
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JP2002173670A Pending JP2004017074A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | リンク式ダミーバー及びダミーバーヘッドの切り離し方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004017074A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017084880A1 (de) * | 2015-11-18 | 2017-05-26 | Primetals Technologies Austria GmbH | Angiessvorrichtung einer stranggiessanlage und deren betrieb |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002173670A patent/JP2004017074A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017084880A1 (de) * | 2015-11-18 | 2017-05-26 | Primetals Technologies Austria GmbH | Angiessvorrichtung einer stranggiessanlage und deren betrieb |
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