JP2004016871A - 高速浮上分離方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種原水中の凝集除去対象物質を、極めて高速度で浮上分離できる新原理による革新的技術を提供する。
【解決手段】浮上性固体粒子群が存在する浮上分離部を、上下方向に複数設け、該浮上分離部の各々の上部に除去対象物質を含有する被処理水を供給し、浮上性固体粒子群を撹拌流動させつつ、少なくとも高分子凝集剤を添加して除去対象物質の凝集フロックを形成せしめ、該凝集フロックを高分子凝集剤の接着作用によって浮上性固体粒子表面に付着させつつ浮上分離し、各々処理水を取り出すとともに、各浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出してフロックを剥離させたのち、剥離フロックを系外に排除し、フロックが剥離した浮上性固体粒子を該浮上分離部の各々の浮上性固体粒子が流動している各撹拌流動域に返送することを特徴とする浮上分離方法。
【選択図】 図1
【解決手段】浮上性固体粒子群が存在する浮上分離部を、上下方向に複数設け、該浮上分離部の各々の上部に除去対象物質を含有する被処理水を供給し、浮上性固体粒子群を撹拌流動させつつ、少なくとも高分子凝集剤を添加して除去対象物質の凝集フロックを形成せしめ、該凝集フロックを高分子凝集剤の接着作用によって浮上性固体粒子表面に付着させつつ浮上分離し、各々処理水を取り出すとともに、各浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出してフロックを剥離させたのち、剥離フロックを系外に排除し、フロックが剥離した浮上性固体粒子を該浮上分離部の各々の浮上性固体粒子が流動している各撹拌流動域に返送することを特徴とする浮上分離方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、上水原水、工場排水など懸濁粒子、リン酸イオン、フッ素イオン、金属イオン、色度成分、COD成分など除去対象物質を含有する被処理水(以下「原水」ともいう)の新概念による浮上分離装置に関し、原水中の除去対象物質を、従来の凝集沈殿法又は浮上分離法の100倍以上の超高速度で浮上分離できる革新技術に関する。
本発明の適用分野は、従来の凝集沈殿法が適用される分野にすべて適用できるが、特に、合流式下水道の雨天時越流水(CSOと略称される)、又は下水処理施設に流入する下水、湖沼水の浄化、上水処理の超高速固液分離技術として好適な革新技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近合流式下水道における雨天時越流水(CSO)の公共水域への汚濁負荷が大きな問題になっている。合流式下水道の雨天時越流水(CSO)は、短時間に膨大な水量が発生するため、非常にコンパクトな装置でCSOの汚濁物質を除去できる装置が切望されている。
また下水処理施設に流入する下水は、まず最初沈殿池で沈殿分離されたのち、活性汚泥処理されるが、最初沈殿池のSSの除去率が悪いため、凝集剤を添加して凝集沈殿処理する例が北欧で普及している。しかし凝集沈殿速度が小さく、大きな沈殿池を必要とする欠点がある。そのためCSOおよび下水を超高速度で固液分離できる革新技術が待望されている。上水処理においても、特に大都市において、超高速度で凝集分離可能な装置が待望されてきた。
また、従来より、原水に加圧溶解空気含有水又は微細気泡を吹き込んで、気泡に懸濁粒子を付着させて浮上分離する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の方法では、浮上分離速度がせいぜい100〜200mm/min程度と小さいという原理的な限界があった。
本発明は、このような実情よりなされたものであり、従来の浮上分離技術の問題点を本質的に解決し、河川水、湖沼水などの上水原水、下水、工場排水など各種原水中の凝集除去対象物質を、極めて高速度で浮上分離できる新原理による革新的技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、下記の構成からなるものである。
(1)浮上性固体粒子群が存在する浮上分離部を、上下方向に複数設け、該浮上分離部の各々の上部に除去対象物質を含有する被処理水を供給し、浮上性固体粒子群を撹拌流動させつつ、少なくとも高分子凝集剤を添加して除去対象物質の凝集フロックを形成せしめ、該凝集フロックを高分子凝集剤の接着作用によって浮上性固体粒子表面に付着させつつ浮上分離し、該各浮上分離部の下方から各々処理水を取り出すとともに、各浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出してフロックを剥離させたのち、剥離フロックを系外に排除し、フロックが剥離した浮上性固体粒子を該浮上分離部の各々の浮上性固体粒子が流動している各撹拌流動域に返送することを特徴とする浮上分離方法。
【0005】
(2)除去対象物質を含有する被処理水を供給し、無機凝集剤により除去対象物質を凝集させる凝集槽と、仕切板によって上下に区画された複数段の浮上分離部からなり、各浮上分離部の上部に被処理水流入部が付設され、該流入部の下に攪拌機を有する浮上性固体粒子流動部が設けられ、前記浮上性固体粒子流動部の下方に処理水分離部が設けられ、前記処理水分離部の底部に処理水排出部が配設された流動槽と、該浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出し、該粒子からフロックを剥離するフロック剥離槽と、該フロック剥離槽からのフロックが剥離された浮上性固体粒子を前記凝集槽へ返送する手段を有する剥離フロック排除部とを有することを特徴とする浮上分離装置。
【0006】
本発明の骨子は、原水に有機高分子凝集剤又は無機凝集剤と有機高分子凝集剤を添加して、装置高さ方向などに複数室設置した流動槽の浮上性固体粒子群流動部に供給し、原水中の除去対象物質の凝集フロックを浮上性固体粒子表面に付着・コーティングさせ、その後各流動部の下部から処理水を取り出すことを基本的技術思想とする発明を基礎としてなされた発明である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の超高速浮上分離装置の一実施態様を示す構成図である。この浮上分離装置は、浮上分離部8が上下に2段設けられた構造の流動槽7からなるものである。
原水1に、高分子凝集剤4又は無機凝集剤3と高分子凝集剤4を添加して、凝集処理原水6を流動槽7の上下の浮上分離部8における、液体中での浮上力が極めて大きい微粒子状の浮上性固体粒子5(たとえば発泡スチロール微粒子)群が流動する帯域(流動部)10にそれぞれ供給すると、驚くべきことに、該流動部10を通過する短時間(数10秒)の間に、原水1中の凝集除去対象物質の凝集マイクロフロックが浮上性固体粒子5表面にしっかりと付着コーティングされ、原水1から浮上分離し、清澄な処理水12が浮上性固体粒子流動部10の下方の処理水分離部11の下部から流出する。
浮上性固体粒子が撹拌流動している流動部10、処理水取り出し部などは、装置の高さ方向に浮上分離部8の複数ユニットにそれぞれ設けられている。図1の例は上下方向に2つのユニット(浮上分離部)8、8を設けた場合であるが、3段以上とすることもできる。
【0008】
流動部10の高さは、1.5〜2m程度でよく、流動部10の下部の処理水分離部11の高さは1〜1.5m程度で充分である。
撹拌翼13の周速は50〜80m/min程度が、浮上性固体粒子5を効果的に流動化できる。
【0009】
本発明の「原水1中の除去対象物質が浮上性固体粒子5表面に付着した状態のもの」の浮上分離速度は極めて大きく、驚くべきことに、1ユニットの原水下向流速3〜5m/minに設定しても、処理水12にフロック付着浮上性固体粒子が流出することが無い。この分離速度は従来の加圧溶解空気泡を利用する浮上分離装置の約50倍以上も大きい。
したがって高さ方向にn個のユニット設けると、設置面積あたりの分離速度は1ユニットの分離速度にユニット数を乗じた値にすることが可能であり、例えば2ユニットでは、6〜10m/minという驚異的分離速度が得られる。なお、各浮上分離部8は仕切板9で上下に区画されている。
【0010】
しかして、フロックが付着した浮上性固体粒子(略して「フロック付着粒子」という)15を、各浮上性固体粒子流動部10の下部のボックス14からポンプ16、コンベヤなどの任意の移送手段によって、各流動部10から抜き出し、フロック剥離槽17に移送し撹拌すると、付着フロックが浮上性固体粒子5表面から剥離する。
【0011】
フロック付着粒子15を流動部10から抜き出す手段として好ましい形式は、エアリフトポンプ、混気ジェットポンプ(空気と圧力水を管の下部に送り込み、水の駆動力を与えるもの)、スクリューポンプ、スクリューコンベヤなどが好適である。エアリフトポンプ、混気ジェットポンプは機械的回転機構が不要であり、構造がシンプルであるほか、浮上物移送中の閉塞が起きないと言う重要な利点がある。スクリューポンプは、ポンプ内で浮上性固体粒子5の閉塞が起きないので好適である。なお、フロック移送手段としてポンプ11(軸流ポンプ、遠心ポンプなど)、エアリフトを適用すると、フロック移送経路において、浮上性固体粒子5にせん断力が与えられ、フロックが剥離できるので、別個の剥離部を省くこともできる。
【0012】
付着フロックを浮上性固体粒子5から剥離・分離するために、液体サイクロンを利用することも出来る。すなわち、フロック付着浮上性粒子15をポンプ16で液体サイクロンに送り込むと、ポンプ16を通過する際のせん断力によって、フロックが浮上性固体粒子5から剥離し、浮上性固体粒子5の比重は水より大幅に小さいので、サイクロン内で遠心力によりサイクロンの中心部に集まり、比重が1より大きい剥離フロックはサイクロンの外周部に集まるので、浮上性固体粒子5をサイクロンの中心部から抜き出すことによって、剥離フロックと浮上性固体粒子5を容易に分離できる。
【0013】
発泡スチロールの比重が非常に小さいので、衝突エネルギ(粒子質量に比例する)が非常に小さく、サイクロンや配管、ポンプが磨耗することがない。
これに対し、砂などの比重が大きい粒子をフロックに付着させてフロックの錘にする公知の凝集沈殿方法において、液体サイクロンで砂を回収する例があるが、砂の激しい流動によってサンドプラスターのようになってしまい、サイクロン、配管、ポンプなどが非常に磨耗しやすい欠点がある。
【0014】
次に、フロック剥離槽17からの流出物(剥離フロックと浮上性固体粒子と水)を剥離フロック排除部19に供給する。剥離フロック排除部19の上から洗浄水20(原水の一部を利用できる)を供給し、下から排水22を取り出し、剥離したフロックを排出させる。剥離フロック18は沈降性があり、浮上性固体粒子5は浮上性があるので、簡単に分級できる。
【0015】
洗浄された浮上性固体粒子21を、凝集槽2を経て浮上性固体粒子5群の下向流の流動槽7の各浮上分離部8に返送する。
洗浄された(言え換えると付着フロックが剥離された)浮上性固体粒子21群の浮上分離部8への循環量として好適な範囲は、少なすぎると処理水12にリークする未付着フロック量が増加し、多すぎると浮上性固体粒子5の移送、剥離、洗浄量が増加し不利である。したがって、浮上性固体粒子5の循環量は、原水1処理量あたりの「かさ容積」で5〜100(ml浮上性固体粒子/リットル原水程度)が好適で、さらに好ましくは、10〜40(ml浮上性固体粒子/リットル原水)の範囲である。
フロック剥離槽17からの排水22は水量が少ないので、CSOなどの下水処理の場合は、そのまま下水処理場に流し、それ以外の場合は、通常の沈殿槽に供給し、沈殿汚泥を汚泥処理工程にて処理処分するなどすればよい。
【0016】
本発明に適用するために最適な浮上性固体粒子5を種々検討した結果、浮上性固体粒子5の比重として極力小さいものを使用することが大きな浮上分離速度を得るために重要で、比重が0.2以下のものが好適である。特に発泡スチロールなどの発泡プラスチック微粒子、中でも発泡スチロールは発泡倍率を変えることによって、比重を0.04〜0.15程度と任意に変えることができ、極めて浮上力が大きいこと、低価格で、入手も容易であるので最適である。
【0017】
本発明において、流動部10を形成する浮上性固体粒子5の粒径も重要因子であり、過度に大きいとフロックが浮上性固体粒子5に付着しにくくなる問題があり、一方、過度に小さいと浮力が小さくなり浮上速度(言い換えると原水下向流速)が小さくなる。したがって発泡スチロール粒子の場合は、粒径300〜1500μm、さらに好ましくは500〜800μm程度が好適範囲である。
【0018】
硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、硫酸鉄、ポリ硫酸鉄、鉄シリカ凝集剤などの無機凝集剤2の適正添加率は原水1の水質によって変化するが、下水を本発明によって処理する場合は、PACでは100〜150mg/リットル、塩化第2鉄では50〜100mg/リットル程度である。上水処理の場合はPACでは8〜30mg/リットル、塩化第2鉄では5〜10mg/リットルで充分である。
原水1に無機凝集剤3を添加して撹拌する凝集槽2の滞留時間は、本発明の場合非常に短時間で良く、5〜10秒で充分である。
【0019】
リン酸イオン、フッ素イオンなどをイオンを除去する場合は、無機凝集剤3の添加は不可欠であるが、それ以外の場合は無機凝集剤3の添加は不可欠ではなく、カチオン系ポリマ単独又はカチオンポリマと両性ポリマの併用、カチオンポリマとアニオンポリマの併用、カチオンポリマとノニオンポリマの併用のいずれかで処理可能である。
【0020】
本発明において、高分子凝集剤(ポリマ)4は浮上性固体粒子5へのフロック付着を行うために不可欠であり、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性ポリマのいずれか、またはこれらを併用する。下水中の凝集除去対象物質を除去する場合、その注入率は1〜5mg/リットル程度で十分である。また上水処理の場合は、高分子凝集剤3の添加量は、0.1〜2mg/リットル程度で十分である。
本発明において、最も効果的な凝集方法を検討した結果、原水1に無機凝集剤3又はカチオンポリマ4を添加して撹拌したのち、ノニオンポリマと両性ポリマ4、又はアニオンポリマと両性ポリマ4を添加する方法が、非常に浮上性固体粒子5への付着性が大きいフロックが形成され、極めて効果的に浮上性固体粒子5表面に凝集マイクロフロックを付着・コーティング出来ることを見出した。
【0021】
高分子凝集剤4の添加位置は、浮上性粒子5群の流動部10の上部又は原水流入管に添加するようにすると、浮上性固体粒子5表面にマイクロフロックを非常に効果的に付着できる。したがって、高分子凝集剤3を添加してフロック形成するための撹拌槽を、前もって浮上分離槽と別個に設ける必要はない。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。
【0023】
実施例1、合流式下水道の雨天時越流水(CSO)の処理試験
流量50m3/hのCSO(SS230mg/リットル)に、塩化第2鉄を40mg/リットル添加し、10秒間急速撹拌を行った後、ポリマ(アニオン性ポリマ、分子量1500万、銘柄エバグロースA151)を1.5mg/リットル添加し、平均粒径700μm、比重0.1の球状発泡スチロール粒子群が存在する上下2ユニットの流動部に各々、下降流速4m/minで供給した。
流動部は櫂型インペラを周速60m/minで回転させ旋回流を与え、発泡スチロールを流動させた。この流動部の高さは各々0.85mであり、原水滞留時間は約10秒である。この結果凝集フロックは流動部を通過する間に発泡スチロール粒子表面にしっかりと付着・コーティングされ、流動部下部に清澄な処理水が分離された。
【0024】
各流動部からフロック付着発泡スチロール粒子を、ノンクロッグポンプによって水量2m3/hで、剥離槽に移送し、回転数500rpmのスクリュー羽根撹拌槽で1分間撹拌したところ、浮上性固体粒子同士がもみ洗い状態になり、付着フロックが効果的に剥離した。次に剥離フロックと発泡スチロール粒子を剥離フロック排除部に自然流下で移送した。
【0025】
剥離フロック排除槽の上から、洗浄用水として原水の一部を提供し、剥離フロックを系外に流出させた。洗浄された浮上性固体粒子を凝集槽の水面に落下させて戻した。
このような連続運転を長時間行った結果、処理水SSは安定して8〜12mg/リットルとなり、CSO中のSSが設置面積1m2当たり8m3/minの超高速で高度に除去された。
【0026】
比較例1
従来公知の加圧溶解空気を利用する浮上分離装置で試験した。原水は実施例1と同一である。下水(SS 230mg/リットル)に塩化第2鉄を40mg/リットル添加し、30秒間急速撹拌を行った後、ノニオン性ポリマ、分子量1500万、銘柄エバクロースA151を3mg/リットル添加し、1分急速撹拌したのち、加圧溶解空気を含んだ水を供給し、浮上分離速度0.15m/minの浮上分離速度に設定した浮上分離装置に流入させた。この結果、浮上性固体粒子に付着したフロックは緩慢に浮上した。処理水SSは11mg/リットルとなり、下水中のSSが除去された。
しかし浮上速度0.3m/minに設定して運転したところ、フロックはほとんど浮上せず、下降流の水流に随伴されて処理水に流出し、処理水SSが185mg/リットルと著しく悪化し処理不能であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)上下方向に2以上のユニット設けた本発明では、装置設置面積1m2あたり、8〜10m3/minという驚異的速度の浮上分離速度で原水中の懸濁粒子、リン酸イオン、色度成分、COD成分など凝集除去対象物質を、浮上分離できる。本発明の固液分離速度は、文字通り驚異的であり、従来の浮上分離法の約100倍の浮上分離速度が可能である。
(2)したがって、合流式下水道の雨天時越流水(CSO)のように、短時間に膨大な水量が発生する原水に極めて好適であり、非常にコンパクトな装置でCSOの懸濁粒子を除去できる。本発明では、たとえば僅か直径2mの円筒形装置で、40000m3/日という驚くほど多量の下水からSSなどを除去できる。
(3)浮上分離部を上下に2段以上設けることにより、原水の処理能力がそれに比例して増大するため、高速浮上分離を行うに必要な装置の床面積が小さくてよく、本発明の浮上分離速度が極めて大きいのとあいまって、前記装置の床面積が驚くほど小さくてよい。
(4)フロック付着浮上性固体粒子は容易に回収して再利用出来、使い捨てる必要がない。
(5)砂のような比重の大きな粒子をフロックの錘に使用しないで、ポンプ、サイクロン、配管がサンドプラスト効果によって磨耗することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上分離装置の一実施態様を示す系統図である。
【符号の説明】
1 原水
2 凝集槽
3 無機凝集剤
4 高分子凝集剤
5 浮上性固体粒子
6 凝集処理原水
7 流動槽
8 処理水取出部
9 仕切板
10 流動部
11 処理水分離部
12 処理水
13 撹拌翼
14 ボックス
15 フロック付着粒子
16 ポンプ
17 フロック剥離槽
18 剥離フロック
19 剥離フロック排除部
20 洗浄水
21 洗浄された浮上性固体粒子
22 排水
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、上水原水、工場排水など懸濁粒子、リン酸イオン、フッ素イオン、金属イオン、色度成分、COD成分など除去対象物質を含有する被処理水(以下「原水」ともいう)の新概念による浮上分離装置に関し、原水中の除去対象物質を、従来の凝集沈殿法又は浮上分離法の100倍以上の超高速度で浮上分離できる革新技術に関する。
本発明の適用分野は、従来の凝集沈殿法が適用される分野にすべて適用できるが、特に、合流式下水道の雨天時越流水(CSOと略称される)、又は下水処理施設に流入する下水、湖沼水の浄化、上水処理の超高速固液分離技術として好適な革新技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近合流式下水道における雨天時越流水(CSO)の公共水域への汚濁負荷が大きな問題になっている。合流式下水道の雨天時越流水(CSO)は、短時間に膨大な水量が発生するため、非常にコンパクトな装置でCSOの汚濁物質を除去できる装置が切望されている。
また下水処理施設に流入する下水は、まず最初沈殿池で沈殿分離されたのち、活性汚泥処理されるが、最初沈殿池のSSの除去率が悪いため、凝集剤を添加して凝集沈殿処理する例が北欧で普及している。しかし凝集沈殿速度が小さく、大きな沈殿池を必要とする欠点がある。そのためCSOおよび下水を超高速度で固液分離できる革新技術が待望されている。上水処理においても、特に大都市において、超高速度で凝集分離可能な装置が待望されてきた。
また、従来より、原水に加圧溶解空気含有水又は微細気泡を吹き込んで、気泡に懸濁粒子を付着させて浮上分離する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の方法では、浮上分離速度がせいぜい100〜200mm/min程度と小さいという原理的な限界があった。
本発明は、このような実情よりなされたものであり、従来の浮上分離技術の問題点を本質的に解決し、河川水、湖沼水などの上水原水、下水、工場排水など各種原水中の凝集除去対象物質を、極めて高速度で浮上分離できる新原理による革新的技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、下記の構成からなるものである。
(1)浮上性固体粒子群が存在する浮上分離部を、上下方向に複数設け、該浮上分離部の各々の上部に除去対象物質を含有する被処理水を供給し、浮上性固体粒子群を撹拌流動させつつ、少なくとも高分子凝集剤を添加して除去対象物質の凝集フロックを形成せしめ、該凝集フロックを高分子凝集剤の接着作用によって浮上性固体粒子表面に付着させつつ浮上分離し、該各浮上分離部の下方から各々処理水を取り出すとともに、各浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出してフロックを剥離させたのち、剥離フロックを系外に排除し、フロックが剥離した浮上性固体粒子を該浮上分離部の各々の浮上性固体粒子が流動している各撹拌流動域に返送することを特徴とする浮上分離方法。
【0005】
(2)除去対象物質を含有する被処理水を供給し、無機凝集剤により除去対象物質を凝集させる凝集槽と、仕切板によって上下に区画された複数段の浮上分離部からなり、各浮上分離部の上部に被処理水流入部が付設され、該流入部の下に攪拌機を有する浮上性固体粒子流動部が設けられ、前記浮上性固体粒子流動部の下方に処理水分離部が設けられ、前記処理水分離部の底部に処理水排出部が配設された流動槽と、該浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出し、該粒子からフロックを剥離するフロック剥離槽と、該フロック剥離槽からのフロックが剥離された浮上性固体粒子を前記凝集槽へ返送する手段を有する剥離フロック排除部とを有することを特徴とする浮上分離装置。
【0006】
本発明の骨子は、原水に有機高分子凝集剤又は無機凝集剤と有機高分子凝集剤を添加して、装置高さ方向などに複数室設置した流動槽の浮上性固体粒子群流動部に供給し、原水中の除去対象物質の凝集フロックを浮上性固体粒子表面に付着・コーティングさせ、その後各流動部の下部から処理水を取り出すことを基本的技術思想とする発明を基礎としてなされた発明である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の超高速浮上分離装置の一実施態様を示す構成図である。この浮上分離装置は、浮上分離部8が上下に2段設けられた構造の流動槽7からなるものである。
原水1に、高分子凝集剤4又は無機凝集剤3と高分子凝集剤4を添加して、凝集処理原水6を流動槽7の上下の浮上分離部8における、液体中での浮上力が極めて大きい微粒子状の浮上性固体粒子5(たとえば発泡スチロール微粒子)群が流動する帯域(流動部)10にそれぞれ供給すると、驚くべきことに、該流動部10を通過する短時間(数10秒)の間に、原水1中の凝集除去対象物質の凝集マイクロフロックが浮上性固体粒子5表面にしっかりと付着コーティングされ、原水1から浮上分離し、清澄な処理水12が浮上性固体粒子流動部10の下方の処理水分離部11の下部から流出する。
浮上性固体粒子が撹拌流動している流動部10、処理水取り出し部などは、装置の高さ方向に浮上分離部8の複数ユニットにそれぞれ設けられている。図1の例は上下方向に2つのユニット(浮上分離部)8、8を設けた場合であるが、3段以上とすることもできる。
【0008】
流動部10の高さは、1.5〜2m程度でよく、流動部10の下部の処理水分離部11の高さは1〜1.5m程度で充分である。
撹拌翼13の周速は50〜80m/min程度が、浮上性固体粒子5を効果的に流動化できる。
【0009】
本発明の「原水1中の除去対象物質が浮上性固体粒子5表面に付着した状態のもの」の浮上分離速度は極めて大きく、驚くべきことに、1ユニットの原水下向流速3〜5m/minに設定しても、処理水12にフロック付着浮上性固体粒子が流出することが無い。この分離速度は従来の加圧溶解空気泡を利用する浮上分離装置の約50倍以上も大きい。
したがって高さ方向にn個のユニット設けると、設置面積あたりの分離速度は1ユニットの分離速度にユニット数を乗じた値にすることが可能であり、例えば2ユニットでは、6〜10m/minという驚異的分離速度が得られる。なお、各浮上分離部8は仕切板9で上下に区画されている。
【0010】
しかして、フロックが付着した浮上性固体粒子(略して「フロック付着粒子」という)15を、各浮上性固体粒子流動部10の下部のボックス14からポンプ16、コンベヤなどの任意の移送手段によって、各流動部10から抜き出し、フロック剥離槽17に移送し撹拌すると、付着フロックが浮上性固体粒子5表面から剥離する。
【0011】
フロック付着粒子15を流動部10から抜き出す手段として好ましい形式は、エアリフトポンプ、混気ジェットポンプ(空気と圧力水を管の下部に送り込み、水の駆動力を与えるもの)、スクリューポンプ、スクリューコンベヤなどが好適である。エアリフトポンプ、混気ジェットポンプは機械的回転機構が不要であり、構造がシンプルであるほか、浮上物移送中の閉塞が起きないと言う重要な利点がある。スクリューポンプは、ポンプ内で浮上性固体粒子5の閉塞が起きないので好適である。なお、フロック移送手段としてポンプ11(軸流ポンプ、遠心ポンプなど)、エアリフトを適用すると、フロック移送経路において、浮上性固体粒子5にせん断力が与えられ、フロックが剥離できるので、別個の剥離部を省くこともできる。
【0012】
付着フロックを浮上性固体粒子5から剥離・分離するために、液体サイクロンを利用することも出来る。すなわち、フロック付着浮上性粒子15をポンプ16で液体サイクロンに送り込むと、ポンプ16を通過する際のせん断力によって、フロックが浮上性固体粒子5から剥離し、浮上性固体粒子5の比重は水より大幅に小さいので、サイクロン内で遠心力によりサイクロンの中心部に集まり、比重が1より大きい剥離フロックはサイクロンの外周部に集まるので、浮上性固体粒子5をサイクロンの中心部から抜き出すことによって、剥離フロックと浮上性固体粒子5を容易に分離できる。
【0013】
発泡スチロールの比重が非常に小さいので、衝突エネルギ(粒子質量に比例する)が非常に小さく、サイクロンや配管、ポンプが磨耗することがない。
これに対し、砂などの比重が大きい粒子をフロックに付着させてフロックの錘にする公知の凝集沈殿方法において、液体サイクロンで砂を回収する例があるが、砂の激しい流動によってサンドプラスターのようになってしまい、サイクロン、配管、ポンプなどが非常に磨耗しやすい欠点がある。
【0014】
次に、フロック剥離槽17からの流出物(剥離フロックと浮上性固体粒子と水)を剥離フロック排除部19に供給する。剥離フロック排除部19の上から洗浄水20(原水の一部を利用できる)を供給し、下から排水22を取り出し、剥離したフロックを排出させる。剥離フロック18は沈降性があり、浮上性固体粒子5は浮上性があるので、簡単に分級できる。
【0015】
洗浄された浮上性固体粒子21を、凝集槽2を経て浮上性固体粒子5群の下向流の流動槽7の各浮上分離部8に返送する。
洗浄された(言え換えると付着フロックが剥離された)浮上性固体粒子21群の浮上分離部8への循環量として好適な範囲は、少なすぎると処理水12にリークする未付着フロック量が増加し、多すぎると浮上性固体粒子5の移送、剥離、洗浄量が増加し不利である。したがって、浮上性固体粒子5の循環量は、原水1処理量あたりの「かさ容積」で5〜100(ml浮上性固体粒子/リットル原水程度)が好適で、さらに好ましくは、10〜40(ml浮上性固体粒子/リットル原水)の範囲である。
フロック剥離槽17からの排水22は水量が少ないので、CSOなどの下水処理の場合は、そのまま下水処理場に流し、それ以外の場合は、通常の沈殿槽に供給し、沈殿汚泥を汚泥処理工程にて処理処分するなどすればよい。
【0016】
本発明に適用するために最適な浮上性固体粒子5を種々検討した結果、浮上性固体粒子5の比重として極力小さいものを使用することが大きな浮上分離速度を得るために重要で、比重が0.2以下のものが好適である。特に発泡スチロールなどの発泡プラスチック微粒子、中でも発泡スチロールは発泡倍率を変えることによって、比重を0.04〜0.15程度と任意に変えることができ、極めて浮上力が大きいこと、低価格で、入手も容易であるので最適である。
【0017】
本発明において、流動部10を形成する浮上性固体粒子5の粒径も重要因子であり、過度に大きいとフロックが浮上性固体粒子5に付着しにくくなる問題があり、一方、過度に小さいと浮力が小さくなり浮上速度(言い換えると原水下向流速)が小さくなる。したがって発泡スチロール粒子の場合は、粒径300〜1500μm、さらに好ましくは500〜800μm程度が好適範囲である。
【0018】
硫酸アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、硫酸鉄、ポリ硫酸鉄、鉄シリカ凝集剤などの無機凝集剤2の適正添加率は原水1の水質によって変化するが、下水を本発明によって処理する場合は、PACでは100〜150mg/リットル、塩化第2鉄では50〜100mg/リットル程度である。上水処理の場合はPACでは8〜30mg/リットル、塩化第2鉄では5〜10mg/リットルで充分である。
原水1に無機凝集剤3を添加して撹拌する凝集槽2の滞留時間は、本発明の場合非常に短時間で良く、5〜10秒で充分である。
【0019】
リン酸イオン、フッ素イオンなどをイオンを除去する場合は、無機凝集剤3の添加は不可欠であるが、それ以外の場合は無機凝集剤3の添加は不可欠ではなく、カチオン系ポリマ単独又はカチオンポリマと両性ポリマの併用、カチオンポリマとアニオンポリマの併用、カチオンポリマとノニオンポリマの併用のいずれかで処理可能である。
【0020】
本発明において、高分子凝集剤(ポリマ)4は浮上性固体粒子5へのフロック付着を行うために不可欠であり、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性ポリマのいずれか、またはこれらを併用する。下水中の凝集除去対象物質を除去する場合、その注入率は1〜5mg/リットル程度で十分である。また上水処理の場合は、高分子凝集剤3の添加量は、0.1〜2mg/リットル程度で十分である。
本発明において、最も効果的な凝集方法を検討した結果、原水1に無機凝集剤3又はカチオンポリマ4を添加して撹拌したのち、ノニオンポリマと両性ポリマ4、又はアニオンポリマと両性ポリマ4を添加する方法が、非常に浮上性固体粒子5への付着性が大きいフロックが形成され、極めて効果的に浮上性固体粒子5表面に凝集マイクロフロックを付着・コーティング出来ることを見出した。
【0021】
高分子凝集剤4の添加位置は、浮上性粒子5群の流動部10の上部又は原水流入管に添加するようにすると、浮上性固体粒子5表面にマイクロフロックを非常に効果的に付着できる。したがって、高分子凝集剤3を添加してフロック形成するための撹拌槽を、前もって浮上分離槽と別個に設ける必要はない。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。
【0023】
実施例1、合流式下水道の雨天時越流水(CSO)の処理試験
流量50m3/hのCSO(SS230mg/リットル)に、塩化第2鉄を40mg/リットル添加し、10秒間急速撹拌を行った後、ポリマ(アニオン性ポリマ、分子量1500万、銘柄エバグロースA151)を1.5mg/リットル添加し、平均粒径700μm、比重0.1の球状発泡スチロール粒子群が存在する上下2ユニットの流動部に各々、下降流速4m/minで供給した。
流動部は櫂型インペラを周速60m/minで回転させ旋回流を与え、発泡スチロールを流動させた。この流動部の高さは各々0.85mであり、原水滞留時間は約10秒である。この結果凝集フロックは流動部を通過する間に発泡スチロール粒子表面にしっかりと付着・コーティングされ、流動部下部に清澄な処理水が分離された。
【0024】
各流動部からフロック付着発泡スチロール粒子を、ノンクロッグポンプによって水量2m3/hで、剥離槽に移送し、回転数500rpmのスクリュー羽根撹拌槽で1分間撹拌したところ、浮上性固体粒子同士がもみ洗い状態になり、付着フロックが効果的に剥離した。次に剥離フロックと発泡スチロール粒子を剥離フロック排除部に自然流下で移送した。
【0025】
剥離フロック排除槽の上から、洗浄用水として原水の一部を提供し、剥離フロックを系外に流出させた。洗浄された浮上性固体粒子を凝集槽の水面に落下させて戻した。
このような連続運転を長時間行った結果、処理水SSは安定して8〜12mg/リットルとなり、CSO中のSSが設置面積1m2当たり8m3/minの超高速で高度に除去された。
【0026】
比較例1
従来公知の加圧溶解空気を利用する浮上分離装置で試験した。原水は実施例1と同一である。下水(SS 230mg/リットル)に塩化第2鉄を40mg/リットル添加し、30秒間急速撹拌を行った後、ノニオン性ポリマ、分子量1500万、銘柄エバクロースA151を3mg/リットル添加し、1分急速撹拌したのち、加圧溶解空気を含んだ水を供給し、浮上分離速度0.15m/minの浮上分離速度に設定した浮上分離装置に流入させた。この結果、浮上性固体粒子に付着したフロックは緩慢に浮上した。処理水SSは11mg/リットルとなり、下水中のSSが除去された。
しかし浮上速度0.3m/minに設定して運転したところ、フロックはほとんど浮上せず、下降流の水流に随伴されて処理水に流出し、処理水SSが185mg/リットルと著しく悪化し処理不能であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の優れた効果が得られる。
(1)上下方向に2以上のユニット設けた本発明では、装置設置面積1m2あたり、8〜10m3/minという驚異的速度の浮上分離速度で原水中の懸濁粒子、リン酸イオン、色度成分、COD成分など凝集除去対象物質を、浮上分離できる。本発明の固液分離速度は、文字通り驚異的であり、従来の浮上分離法の約100倍の浮上分離速度が可能である。
(2)したがって、合流式下水道の雨天時越流水(CSO)のように、短時間に膨大な水量が発生する原水に極めて好適であり、非常にコンパクトな装置でCSOの懸濁粒子を除去できる。本発明では、たとえば僅か直径2mの円筒形装置で、40000m3/日という驚くほど多量の下水からSSなどを除去できる。
(3)浮上分離部を上下に2段以上設けることにより、原水の処理能力がそれに比例して増大するため、高速浮上分離を行うに必要な装置の床面積が小さくてよく、本発明の浮上分離速度が極めて大きいのとあいまって、前記装置の床面積が驚くほど小さくてよい。
(4)フロック付着浮上性固体粒子は容易に回収して再利用出来、使い捨てる必要がない。
(5)砂のような比重の大きな粒子をフロックの錘に使用しないで、ポンプ、サイクロン、配管がサンドプラスト効果によって磨耗することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上分離装置の一実施態様を示す系統図である。
【符号の説明】
1 原水
2 凝集槽
3 無機凝集剤
4 高分子凝集剤
5 浮上性固体粒子
6 凝集処理原水
7 流動槽
8 処理水取出部
9 仕切板
10 流動部
11 処理水分離部
12 処理水
13 撹拌翼
14 ボックス
15 フロック付着粒子
16 ポンプ
17 フロック剥離槽
18 剥離フロック
19 剥離フロック排除部
20 洗浄水
21 洗浄された浮上性固体粒子
22 排水
Claims (2)
- 浮上性固体粒子群が存在する浮上分離部を、上下方向に複数設け、該浮上分離部の各々の上部に除去対象物質を含有する被処理水を供給し、浮上性固体粒子群を撹拌流動させつつ、少なくとも高分子凝集剤を添加して除去対象物質の凝集フロックを形成せしめ、該凝集フロックを高分子凝集剤の接着作用によって浮上性固体粒子表面に付着させつつ浮上分離し、該各浮上分離部の下方から各々処理水を取り出すとともに、各浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出してフロックを剥離させたのち、剥離フロックを系外に排除し、フロックが剥離した浮上性固体粒子を該浮上分離部の各々の浮上性固体粒子が流動している各撹拌流動域に返送することを特徴とする浮上分離方法。
- 除去対象物質を含有する被処理水を供給し、無機凝集剤により除去対象物質を凝集させる凝集槽と、仕切板によって上下に区画された複数段の浮上分離部からなり、各浮上分離部の上部に被処理水流入部が付設され、該流入部の下に攪拌機を有する浮上性固体粒子流動部が設けられ、前記浮上性固体粒子流動部の下方に処理水分離部が設けられ、前記処理水分離部の底部に処理水排出部が配設された流動槽と、該浮上分離部からフロック付着浮上性固体粒子を抜き出し、該粒子からフロックを剥離するフロック剥離槽と、該フロック剥離槽からのフロックが剥離された浮上性固体粒子を前記凝集槽へ返送する手段を有する剥離フロック排除部とを有することを特徴とする浮上分離装置。
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JP2002172972A JP2004016871A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 高速浮上分離方法及び装置 |
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ID=31172390
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013188653A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-26 | Toshiba Corp | 凝集物の形成方法 |
CN107867741A (zh) * | 2017-09-15 | 2018-04-03 | 北京航天斯达科技有限公司 | 一种新型高速搅拌分离机构 |
WO2020241494A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | デクセリアルズ株式会社 | 水処理剤及びその製造方法、並びに水処理方法 |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172972A patent/JP2004016871A/ja active Pending
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