JP2004016396A - 肘掛け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】椅子の側部に設けられる肘掛け部材の取り付け作業を極めて簡単に行うことができる構造を提供すること。
【解決手段】座部16の両側に支持体12,12を介して肘掛け14,14がそれぞれ設けられている。肘掛け14は、支持体12に支持される取付台20と、これに取り付けられる肘掛け部材21とからなる。取付台20の前部26には複数の突部35が一体に設けられており、肘掛け部材21の前面部39には、前記突部35をまとめて受容可能な一つの凹部40が設けられている。肘掛け部材21は、突部35と凹部40との嵌合によって取付台20に取付可能となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】座部16の両側に支持体12,12を介して肘掛け14,14がそれぞれ設けられている。肘掛け14は、支持体12に支持される取付台20と、これに取り付けられる肘掛け部材21とからなる。取付台20の前部26には複数の突部35が一体に設けられており、肘掛け部材21の前面部39には、前記突部35をまとめて受容可能な一つの凹部40が設けられている。肘掛け部材21は、突部35と凹部40との嵌合によって取付台20に取付可能となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は肘掛け構造に係り、特に、椅子の据え付け現場で組み立て作業を簡易に行うことができる肘掛け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、肘掛け機能を備えた椅子は、座部の側方に位置する一対の支持体を介して構成されている。この肘掛けは、一体成形品からなる単一の部材により構成されるタイプが存在するが、高質感を付与するタイプの肘掛けにあっては、支持体の上部に位置して前後方向に向けられた金属若しくは樹脂製の取付台と、この取付台の上部側に位置して当該取付台の上部をカバーする木製の肘掛け部材とにより構成されたものが存在する。このような肘掛け部材を取付台に取り付け若しくは固定するに際しては、従来では、取付台側に鬼目ナットを固定しておき、当該鬼目ナットに肘掛け部材を強制的に嵌め込む、という手法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、取付台に鬼目ナットを取り付ける作業が不可避となることから、組み立て作業がその分増加することとなる。また、肘掛け部材は、その外面への傷つき等を防止するため、最終工程にて完成させることが通常であり、従って、この最終工程をできるだけ簡易且つ迅速に行えるようにする構成が望ましいとされている。特に、移動型観覧席のように、現場施工が通常となる場合には、多量な椅子に対して個々に肘掛け部材を取り付ける作業は、膨大な作業時間を要するものとなる。なお、鬼目ナットを取付台に設けて肘掛け部材を嵌め込む従来構造では、鬼目ナットを複数個設けた時に、個々の鬼目ナットに対応して凹部を肘掛け部材側に設けておくものであり、これに起因して、鬼目ナットの取付位置や凹部の形成位置に寸法上の誤差等があったときに、これらの相互嵌め込みを困難にするという不都合もあった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、肘掛け部材の取り付け作業を極めて簡単に行うことができ、特に、移動観覧席のような現場施工が通常となる場合の作業を効率的に行うことのできる肘掛け構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、椅子の座部側方に位置する支持体に支持された肘掛け構造において、
前記支持体に支持される取付台と、この取付台に取り付けられる肘掛け部材とからなり、前記取付台及び肘掛け部材には、相互に嵌合可能な固定手段が一体に設けられる、という構成を採っている。このような構成とすれば、前記嵌め合わせ方向に沿って肘掛け部材に外力を付与することで当該肘掛け部材を取付台に取り付けできるようになり、従来のように、取付台に鬼目ナット等を事前に固定しなければならない作業を一掃することが可能となる。従って、椅子を完成させる作業の最終工程を、肘掛け部材の取り付け工程とすることで、当該肘掛け部材の傷付きを防止しつつ現場施工の簡略化を達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記固定手段は、前記取付台に一体成形された突部と、前記肘掛け部材に形成されて前記突部と嵌合可能な受容部とにより構成することができる。このような構成により、固定部材に対する肘掛け部材の連結を極めて簡易且つ迅速に行うことができる。
【0007】
また、前記肘掛け部材は、前記取付台の上部をカバーする上面部と、この上面部の前部から下方に向けられて前記取付台の前部をカバーする前面部とを含み、前記固定手段は、前記取付台の前部と前記前面部との間に設けられる、という構成を採ることが好ましい。このような構成では、肘掛け部材が上面部と前面部との屈曲型となるため、取付台の上部及び前部をそれぞれ化粧できるようになり、高質感を向上させることができる他、取付台の上部と肘掛け部材の上面部との連結をしなくても、肘掛け部材の取り付け状態を安定して保つことができる。但し、本発明は、取付台の上部と肘掛け部材の上面部との連結を併せて採用することを妨げない。
【0008】
更に、前記突部は複数個又は複数列設けられる一方、前記受容部は、前記複数個又は複数列の突部を受け入れ可能な一つの凹部により構成することが好ましい。これにより、取付台と肘掛け部材との連結領域を大きく確保でき、連結強度を高めることができる。しかも、個々の突部に対応して受容部が設けられる構成と異なるものであるため、突部と受容部との相対位置に寸法的な誤差が生じていても、その誤差の影響を殆ど受けることなく補正して嵌合させることが可能となる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1には、本発明に係る肘掛け構造が、移動観覧席を構成する椅子に適用された実施例の概略斜視図が示されている。この図において、椅子10は、ボックス型のベース11と、このベース11の側端部に位置して上下方向に延びる角柱状をなす一対の支持体12,12と、これら支持体12,12の上部にそれぞれ設けられた肘掛け14,14と、前記支持体12の後部に位置する背部15と、この背部15の前面側に位置する座部16とを備えて構成されている。ここで、前記ベース11は、図示しない多段型のスライドステージに固定され、当該ベース11に対して前記支持体12が起立位置と前方への倒伏位置との間で回転可能に設けられている。
【0011】
前記座部16は、図1に示される位置を折畳み位置として略水平位置まで回転可能に設けられており、座部16と背部15は、前記支持体12が前方に倒伏したときに、これに追従して図示しないスライドステージ上に倒伏可能に設けられている。なお、これらの機構は、本発明の要旨ではないため、ここでは説明を省略する。
【0012】
前記肘掛け14は、図2ないし図7に示されるように、取付台20と、この取付台20に取り付けられた肘掛け部材21とにより構成されている。取付台20は特に限定されるものではないが、本実施例では、アルミダイキャスト製品により構成されている。この取付台20は、略二分割型となる内側プレート22及び外側プレート23と、これらプレート22,23の上部間を跨ぐように設けられる上板24とにより構成され、組み立てられた状態で下部及び後部が開放するようになっている。内側プレート22は、略垂直面内に位置するとともに前後方向に延びる本体25と、この本体25の前端部に連なるとともに前記外側プレート22側に向けられた前部26と、前記本体25と前部26の上端部に一連に形成された上板受け部27とにより構成されている。本体25において、その前後方向中央部より若干前方位置には、前記支持体12の上部に設けられた連結穴12A内に挿入される支持体受け軸29が形成されているとともに、前部26の直後位置には、外側プレート23との突き合わせ位置を決定する三つの突状部30が、上下方向に沿う三箇所に形成されている。また、本体25の後端側上部には穴32が形成されており、当該穴32を利用して前記背部の15の下方側端部に設けられたブラケット15A(図1参照)の図示しない上端部が連結されるようになっている。更に、前記上板受け部27には、その前後方向三箇所にねじ穴27Aが形成されている。なお、前記外側プレート23は前述した三つの突状部30が形成されていない点を除き、内側プレート22と略同様の構成となっている。従って、外側プレート23の構造部分には、内側プレート22について付した参照符号を示して説明を省略する。
【0013】
前記上板24は、平面視略長方形状をなし、その短寸幅方向両側には、前記上板受け部27に設けられたねじ穴27Aに対応するねじ挿入穴32が合計六箇所に形成されているとともに、後端側中央部には、肘掛け部材21を固定するためのねじ挿入穴33が一個形成されている。上板24は、上板受け部27,27に載せられた状態で、ねじ34により固定され、これにより、内側プレート22と外側プレート23とが一体化されるようになっている。
【0014】
前記内側プレート22及び外側プレート23において、それらの各前部26,26は、下端位置が上端位置より若干後方位置となる傾斜面に形成されているとともに、それらの上下方向に沿って複数、本実施例では6個の突部35が各前部26と一体に形成されている。従って、片側各6個の突部35は複数列、本実施例では二列設けられることとなる。ここで、各突部35は茸状の外観を備えており、それらのくびれ部35A(図6参照)によって、肘掛け部材21に対する嵌合強度が維持されるようになっている。
【0015】
前記肘掛け部材21は、前記取付台20の上部に位置する上面部37と、この上面部37の前部から下方に向けられて前記取付台20の前部26をカバーするように位置する前面部39とにより構成されている。この肘掛け部材21は木材により構成されており、前記上面部37は略平坦な板状に設けられている。この上面部37の下面後端側には、前記上板24の後部中央に設けられたねじ挿入穴33に一致する穴37Aが必要に応じて設けられており、当該穴37Aには、上板24の下方より挿入されるねじ38がねじ込みできるようになっている。また、前面部39は、図2に示されるように、裏面39Aが、取付台20における前部26の傾斜方向に沿う傾斜平面とされる一方、正面39Bが、上下方向略中央部の前後厚みが大きくなる緩やかな湾曲面を呈する外観形状に設けられている。
【0016】
図8及び図9に示されるように、前面部39の裏面39Aには、略方形の受容部をなす一つの凹部40が形成されている。この凹部40は、前述した6個の突部を受容可能な大きさを備えており、その左右幅Wは、左右二列の突部35の外側縁間を結ぶ幅W1よりも僅かに小さく設定されている。従って、突部35は凹部40に対して強制的に嵌め込まれる状態となり、これによって、取付台20と肘掛け部材21との強い連結強度を得ることが可能となる。
【0017】
本実施例において、肘掛けを組み立てる場合には、先ず、支持体12の連結穴12Aに、内側プレート22と外側プレート23の各支持体受け軸29,29をそれぞれ挿入する。そして、各プレート22,23の上板受け部27,27に上板24を載せてねじ34でこれを固定し、これにより、取付台20が完成されることとなる。
【0018】
次いで、取付台20の前部26,26に肘掛け部材21の前面部39を相対させるとともに、当該前面部39に対して外側から押すようにして外力を作用させる。これにより、取付台20の前部26,26に位置する突部35が前面部39の凹部40内に強制的に受容されることとなる。この際、突部35は、凹部40の内周面を若干削り取るようにして入り込むこととなるため、突部35のくびれ部35Aが抜け出る方向への移動を規制するようになる。このようにして肘掛け部材21を取り付けた後に、取付台20の後部より内外のプレート22,23間に手を差し入れてねじ38を上面部37のねじ挿入穴37Aにねじ込めばよく、これにより、肘掛け14の取り付けを完了することができる。
【0019】
従って、このような実施例によれば、単に肘掛け部材21の前面部39を取付台20の前部26側に押し込むだけで足りる作業となるため、従来の肘掛け組み立て作業に比べて極めて短時間にて作業を行える、という効果を得る。
【0020】
なお、前記実施例では、肘掛け部材21の上面部37にねじ38をねじ込むものとしたが、当該ねじ38は省略することでもよい。すなわち、肘掛け部材21は、上面部37と前面部39とが屈曲する相対位置関係にあるため、前面部39の凹部40に突部35を嵌合させるだけでも肘掛け部材21の位置を安定して維持することができるためである。また、肘掛け部材21は、上面部37と前面部39とを接合して一体とする構成の他、単一の木材等を加工して接合面のない一体成形品としたものであってもよい。
【0021】
また、前記実施例では突部35を取付台20に設ける一方、凹部40を肘掛け部材21に設ける構成を示したが、突部35を肘掛け部材21に設け、凹部40を取付台20に設けてもよい。
【0022】
更に、取付台20は金属の他、樹脂成形品を用いてもよく、肘掛け部材21も木製に限定されるものではない。例えば、肘掛け部材21を金属又は樹脂製とし、その表面に木目調のシート等を被覆したもの等も採用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取付台に対して肘掛け部材を嵌め合わせ方向に沿って当該肘掛け部材を取付台に取り付けでき、取付台に鬼目ナット等を事前に固定していた従来の作業を無くすことが可能となる。従って、移動型観覧席のように、現場施工が主となる椅子の肘掛け組み立て作業を簡易且つ迅速に行うことができるとともに、組み立ての熟練度もさほど要求されることもない。
【0024】
また、固定手段が取付台に一体成形された突部と、肘掛け部材に形成された受容部とにより構成されているため、固定部材に対する肘掛け部材の連結を極めて簡易且つ迅速に行うことができる。
【0025】
更に、前記肘掛け部材を上面部と前面部とにより構成した場合には、肘掛け部材が上面部と前面部との屈曲型となり、当該肘掛け部材の固定を確実なものとすることができる。しかも、前面部のみを取付台に固定するだけでも当該取付台に対する肘掛け部材の固定を安定的に保つことができるので、取付作業の省力化も図ることができる。また、取付台の上部及び前部をそれぞれ化粧できることとなり、肘掛けの高質感を向上させることができる。
【0026】
また、突部を複数個又は複数列設ける一方、これらをまとめて受容可能な凹部を設けた構成では、取付台と肘掛け部材との連結領域を大きく確保でき、連結強度を高めることができる。加えて、突部と受容部との相対位置に寸法的な誤差が生じていても、難なく補正して嵌合させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る椅子の概略斜視図。
【図2】肘掛けの拡大斜視図。
【図3】図3の分解斜視図。
【図4】(A)は取付台を構成する内側プレートの平面図、(B)は同外側プレートの平面図。
【図5】前記内側プレートの正面図
【図6】図5のA−A線矢視拡大断面図。
【図7】前記外側プレートの正面図。
【図8】肘掛け部材の断面図。
【図9】肘掛け部材の右側面図。
【符号の説明】
10 椅子
12 支持体
14 肘掛け
16 座部
20 取付台
21 肘掛け部材
35 突部
37 上面部
39 前面部
40 凹部(受容部)
【発明の属する技術分野】
本発明は肘掛け構造に係り、特に、椅子の据え付け現場で組み立て作業を簡易に行うことができる肘掛け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、肘掛け機能を備えた椅子は、座部の側方に位置する一対の支持体を介して構成されている。この肘掛けは、一体成形品からなる単一の部材により構成されるタイプが存在するが、高質感を付与するタイプの肘掛けにあっては、支持体の上部に位置して前後方向に向けられた金属若しくは樹脂製の取付台と、この取付台の上部側に位置して当該取付台の上部をカバーする木製の肘掛け部材とにより構成されたものが存在する。このような肘掛け部材を取付台に取り付け若しくは固定するに際しては、従来では、取付台側に鬼目ナットを固定しておき、当該鬼目ナットに肘掛け部材を強制的に嵌め込む、という手法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、取付台に鬼目ナットを取り付ける作業が不可避となることから、組み立て作業がその分増加することとなる。また、肘掛け部材は、その外面への傷つき等を防止するため、最終工程にて完成させることが通常であり、従って、この最終工程をできるだけ簡易且つ迅速に行えるようにする構成が望ましいとされている。特に、移動型観覧席のように、現場施工が通常となる場合には、多量な椅子に対して個々に肘掛け部材を取り付ける作業は、膨大な作業時間を要するものとなる。なお、鬼目ナットを取付台に設けて肘掛け部材を嵌め込む従来構造では、鬼目ナットを複数個設けた時に、個々の鬼目ナットに対応して凹部を肘掛け部材側に設けておくものであり、これに起因して、鬼目ナットの取付位置や凹部の形成位置に寸法上の誤差等があったときに、これらの相互嵌め込みを困難にするという不都合もあった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、肘掛け部材の取り付け作業を極めて簡単に行うことができ、特に、移動観覧席のような現場施工が通常となる場合の作業を効率的に行うことのできる肘掛け構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、椅子の座部側方に位置する支持体に支持された肘掛け構造において、
前記支持体に支持される取付台と、この取付台に取り付けられる肘掛け部材とからなり、前記取付台及び肘掛け部材には、相互に嵌合可能な固定手段が一体に設けられる、という構成を採っている。このような構成とすれば、前記嵌め合わせ方向に沿って肘掛け部材に外力を付与することで当該肘掛け部材を取付台に取り付けできるようになり、従来のように、取付台に鬼目ナット等を事前に固定しなければならない作業を一掃することが可能となる。従って、椅子を完成させる作業の最終工程を、肘掛け部材の取り付け工程とすることで、当該肘掛け部材の傷付きを防止しつつ現場施工の簡略化を達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記固定手段は、前記取付台に一体成形された突部と、前記肘掛け部材に形成されて前記突部と嵌合可能な受容部とにより構成することができる。このような構成により、固定部材に対する肘掛け部材の連結を極めて簡易且つ迅速に行うことができる。
【0007】
また、前記肘掛け部材は、前記取付台の上部をカバーする上面部と、この上面部の前部から下方に向けられて前記取付台の前部をカバーする前面部とを含み、前記固定手段は、前記取付台の前部と前記前面部との間に設けられる、という構成を採ることが好ましい。このような構成では、肘掛け部材が上面部と前面部との屈曲型となるため、取付台の上部及び前部をそれぞれ化粧できるようになり、高質感を向上させることができる他、取付台の上部と肘掛け部材の上面部との連結をしなくても、肘掛け部材の取り付け状態を安定して保つことができる。但し、本発明は、取付台の上部と肘掛け部材の上面部との連結を併せて採用することを妨げない。
【0008】
更に、前記突部は複数個又は複数列設けられる一方、前記受容部は、前記複数個又は複数列の突部を受け入れ可能な一つの凹部により構成することが好ましい。これにより、取付台と肘掛け部材との連結領域を大きく確保でき、連結強度を高めることができる。しかも、個々の突部に対応して受容部が設けられる構成と異なるものであるため、突部と受容部との相対位置に寸法的な誤差が生じていても、その誤差の影響を殆ど受けることなく補正して嵌合させることが可能となる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1には、本発明に係る肘掛け構造が、移動観覧席を構成する椅子に適用された実施例の概略斜視図が示されている。この図において、椅子10は、ボックス型のベース11と、このベース11の側端部に位置して上下方向に延びる角柱状をなす一対の支持体12,12と、これら支持体12,12の上部にそれぞれ設けられた肘掛け14,14と、前記支持体12の後部に位置する背部15と、この背部15の前面側に位置する座部16とを備えて構成されている。ここで、前記ベース11は、図示しない多段型のスライドステージに固定され、当該ベース11に対して前記支持体12が起立位置と前方への倒伏位置との間で回転可能に設けられている。
【0011】
前記座部16は、図1に示される位置を折畳み位置として略水平位置まで回転可能に設けられており、座部16と背部15は、前記支持体12が前方に倒伏したときに、これに追従して図示しないスライドステージ上に倒伏可能に設けられている。なお、これらの機構は、本発明の要旨ではないため、ここでは説明を省略する。
【0012】
前記肘掛け14は、図2ないし図7に示されるように、取付台20と、この取付台20に取り付けられた肘掛け部材21とにより構成されている。取付台20は特に限定されるものではないが、本実施例では、アルミダイキャスト製品により構成されている。この取付台20は、略二分割型となる内側プレート22及び外側プレート23と、これらプレート22,23の上部間を跨ぐように設けられる上板24とにより構成され、組み立てられた状態で下部及び後部が開放するようになっている。内側プレート22は、略垂直面内に位置するとともに前後方向に延びる本体25と、この本体25の前端部に連なるとともに前記外側プレート22側に向けられた前部26と、前記本体25と前部26の上端部に一連に形成された上板受け部27とにより構成されている。本体25において、その前後方向中央部より若干前方位置には、前記支持体12の上部に設けられた連結穴12A内に挿入される支持体受け軸29が形成されているとともに、前部26の直後位置には、外側プレート23との突き合わせ位置を決定する三つの突状部30が、上下方向に沿う三箇所に形成されている。また、本体25の後端側上部には穴32が形成されており、当該穴32を利用して前記背部の15の下方側端部に設けられたブラケット15A(図1参照)の図示しない上端部が連結されるようになっている。更に、前記上板受け部27には、その前後方向三箇所にねじ穴27Aが形成されている。なお、前記外側プレート23は前述した三つの突状部30が形成されていない点を除き、内側プレート22と略同様の構成となっている。従って、外側プレート23の構造部分には、内側プレート22について付した参照符号を示して説明を省略する。
【0013】
前記上板24は、平面視略長方形状をなし、その短寸幅方向両側には、前記上板受け部27に設けられたねじ穴27Aに対応するねじ挿入穴32が合計六箇所に形成されているとともに、後端側中央部には、肘掛け部材21を固定するためのねじ挿入穴33が一個形成されている。上板24は、上板受け部27,27に載せられた状態で、ねじ34により固定され、これにより、内側プレート22と外側プレート23とが一体化されるようになっている。
【0014】
前記内側プレート22及び外側プレート23において、それらの各前部26,26は、下端位置が上端位置より若干後方位置となる傾斜面に形成されているとともに、それらの上下方向に沿って複数、本実施例では6個の突部35が各前部26と一体に形成されている。従って、片側各6個の突部35は複数列、本実施例では二列設けられることとなる。ここで、各突部35は茸状の外観を備えており、それらのくびれ部35A(図6参照)によって、肘掛け部材21に対する嵌合強度が維持されるようになっている。
【0015】
前記肘掛け部材21は、前記取付台20の上部に位置する上面部37と、この上面部37の前部から下方に向けられて前記取付台20の前部26をカバーするように位置する前面部39とにより構成されている。この肘掛け部材21は木材により構成されており、前記上面部37は略平坦な板状に設けられている。この上面部37の下面後端側には、前記上板24の後部中央に設けられたねじ挿入穴33に一致する穴37Aが必要に応じて設けられており、当該穴37Aには、上板24の下方より挿入されるねじ38がねじ込みできるようになっている。また、前面部39は、図2に示されるように、裏面39Aが、取付台20における前部26の傾斜方向に沿う傾斜平面とされる一方、正面39Bが、上下方向略中央部の前後厚みが大きくなる緩やかな湾曲面を呈する外観形状に設けられている。
【0016】
図8及び図9に示されるように、前面部39の裏面39Aには、略方形の受容部をなす一つの凹部40が形成されている。この凹部40は、前述した6個の突部を受容可能な大きさを備えており、その左右幅Wは、左右二列の突部35の外側縁間を結ぶ幅W1よりも僅かに小さく設定されている。従って、突部35は凹部40に対して強制的に嵌め込まれる状態となり、これによって、取付台20と肘掛け部材21との強い連結強度を得ることが可能となる。
【0017】
本実施例において、肘掛けを組み立てる場合には、先ず、支持体12の連結穴12Aに、内側プレート22と外側プレート23の各支持体受け軸29,29をそれぞれ挿入する。そして、各プレート22,23の上板受け部27,27に上板24を載せてねじ34でこれを固定し、これにより、取付台20が完成されることとなる。
【0018】
次いで、取付台20の前部26,26に肘掛け部材21の前面部39を相対させるとともに、当該前面部39に対して外側から押すようにして外力を作用させる。これにより、取付台20の前部26,26に位置する突部35が前面部39の凹部40内に強制的に受容されることとなる。この際、突部35は、凹部40の内周面を若干削り取るようにして入り込むこととなるため、突部35のくびれ部35Aが抜け出る方向への移動を規制するようになる。このようにして肘掛け部材21を取り付けた後に、取付台20の後部より内外のプレート22,23間に手を差し入れてねじ38を上面部37のねじ挿入穴37Aにねじ込めばよく、これにより、肘掛け14の取り付けを完了することができる。
【0019】
従って、このような実施例によれば、単に肘掛け部材21の前面部39を取付台20の前部26側に押し込むだけで足りる作業となるため、従来の肘掛け組み立て作業に比べて極めて短時間にて作業を行える、という効果を得る。
【0020】
なお、前記実施例では、肘掛け部材21の上面部37にねじ38をねじ込むものとしたが、当該ねじ38は省略することでもよい。すなわち、肘掛け部材21は、上面部37と前面部39とが屈曲する相対位置関係にあるため、前面部39の凹部40に突部35を嵌合させるだけでも肘掛け部材21の位置を安定して維持することができるためである。また、肘掛け部材21は、上面部37と前面部39とを接合して一体とする構成の他、単一の木材等を加工して接合面のない一体成形品としたものであってもよい。
【0021】
また、前記実施例では突部35を取付台20に設ける一方、凹部40を肘掛け部材21に設ける構成を示したが、突部35を肘掛け部材21に設け、凹部40を取付台20に設けてもよい。
【0022】
更に、取付台20は金属の他、樹脂成形品を用いてもよく、肘掛け部材21も木製に限定されるものではない。例えば、肘掛け部材21を金属又は樹脂製とし、その表面に木目調のシート等を被覆したもの等も採用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取付台に対して肘掛け部材を嵌め合わせ方向に沿って当該肘掛け部材を取付台に取り付けでき、取付台に鬼目ナット等を事前に固定していた従来の作業を無くすことが可能となる。従って、移動型観覧席のように、現場施工が主となる椅子の肘掛け組み立て作業を簡易且つ迅速に行うことができるとともに、組み立ての熟練度もさほど要求されることもない。
【0024】
また、固定手段が取付台に一体成形された突部と、肘掛け部材に形成された受容部とにより構成されているため、固定部材に対する肘掛け部材の連結を極めて簡易且つ迅速に行うことができる。
【0025】
更に、前記肘掛け部材を上面部と前面部とにより構成した場合には、肘掛け部材が上面部と前面部との屈曲型となり、当該肘掛け部材の固定を確実なものとすることができる。しかも、前面部のみを取付台に固定するだけでも当該取付台に対する肘掛け部材の固定を安定的に保つことができるので、取付作業の省力化も図ることができる。また、取付台の上部及び前部をそれぞれ化粧できることとなり、肘掛けの高質感を向上させることができる。
【0026】
また、突部を複数個又は複数列設ける一方、これらをまとめて受容可能な凹部を設けた構成では、取付台と肘掛け部材との連結領域を大きく確保でき、連結強度を高めることができる。加えて、突部と受容部との相対位置に寸法的な誤差が生じていても、難なく補正して嵌合させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る椅子の概略斜視図。
【図2】肘掛けの拡大斜視図。
【図3】図3の分解斜視図。
【図4】(A)は取付台を構成する内側プレートの平面図、(B)は同外側プレートの平面図。
【図5】前記内側プレートの正面図
【図6】図5のA−A線矢視拡大断面図。
【図7】前記外側プレートの正面図。
【図8】肘掛け部材の断面図。
【図9】肘掛け部材の右側面図。
【符号の説明】
10 椅子
12 支持体
14 肘掛け
16 座部
20 取付台
21 肘掛け部材
35 突部
37 上面部
39 前面部
40 凹部(受容部)
Claims (4)
- 椅子の座部側方に位置する支持体に支持された肘掛け構造において、
前記支持体に支持される取付台と、この取付台に取り付けられる肘掛け部材とからなり、前記取付台及び肘掛け部材には、相互に嵌合可能な固定手段が一体に設けられていることを特徴とする肘掛け構造。 - 前記固定手段は、前記取付台に一体成形された突部と、前記肘掛け部材に形成されて前記突部と嵌合可能な受容部とにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の肘掛け構造。
- 前記肘掛け部材は、前記取付台の上部をカバーする上面部と、この上面部の前部から下方に向けられて前記取付台の前部をカバーする前面部とを含み、前記固定手段は、前記取付台の前部と前記前面部との間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の肘掛け構造。
- 前記突部は複数個又は複数列設けられる一方、前記受容部は、前記複数個又は複数列の突部を受け入れ可能な一つの凹部により構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の肘掛け構造。
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