JP2004016135A - プローブ溶解用液体組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チオール基を有するプローブ溶解用の液体組成物にチオール基の保護剤を含有させる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固相表面にプローブをスポッティングするためのプローブ溶液の調製に用いられるプローブ溶解用液体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バイオテクノロジーの発展に伴い、生体試料の測定、検出に関するニーズが高まっている。一般的に、生体試料は合成化学的な手法によって得られる化学物質とは異なり
1)極めて多様性に富んでいること、
2)使用可能な検体の絶対量が少ないこと、
3)物理的な性質が類似したものを識別する必要性があること、
などから、その厳密な測定は困難であることが多い。
【0003】
それらの試料の測定方法としてこれまで様々な方法が考案されてきているが、中でも注目されている測定技術として固相基板を用いた測定がある。固相基板を用いた測定技術とは、ガラス基板などの固体表面上に、検出対象となる検体に特異的に結合するプローブをあらかじめ固定化した基板等を用意し、蛍光ラベルなどにより標識した検体を基板に作用させ、プローブに結合した検体の有無等により、検体の成分を調べる技術である。
【0004】
この測定技術が注目される主な理由(長所)としては、
1)基板上に固定する検出用プローブの量(面積)を少なくすることで極めて微少量の検体の測定が可能であり、検体の絶対量も少なくて済むこと、
2)基板上の検出物質を多種並べることにより同時多項目の測定が可能であること、
3)液相ではなく固相であるため、取り扱いが容易であること
などが挙げられる。
【0005】
固相基板を用いた試料の測定は、例えば核酸の塩基配列の検出に応用されている。様々な塩基配列の一本鎖DNA(DNAプローブ)を基板上にアレイ状に多種固定しておき、それに対し蛍光色素などで標識したDNAを検体として作用させる。検体中に基板上のDNAプローブと相補的な配列が存在すれば、基板上に蛍光物質が吸着(ハイブリダイゼーション)した状態となり、基板上のDNAプローブの塩基配列と対応させることで、検体中に含まれる塩基配列を調べることが出来るというものである。例えば、Takara社においては、数百種類のプローブDNAをスライドガラス上に結合させたDNAマイクロアレイを発売しており、様々な遺伝子の解析に応用されている。
【0006】
このDNAマイクロアレイの製造方法は、Takara社の方式以外にも様々な方法が考案されている。例えば、米国特許第5601980公報においては、マイクロピペッティングを用いてcDNAをアレイ状に並べる方法が開示されている。また、近年特に注目されている技術として、固相基板に対しインクジェット技術を利用してプローブ溶液をスポッティングする技術がある。この技術を利用した先行例として特開平2001−66305号公報による技術があり、インクジェット技術を利用して、微小なプローブを多種、高密度にガラス基板上にスポッティングする技術を開示している。そしてこの先行例においては、プローブとガラス基板とを化学的な共有結合により強固に結合している。これらの結合の形態としては、固相であるガラス基板に表面処理を施してマレイミド基を結合しておき、チオール基で修飾したプローブDNAをガラス基板にスポッティングすることによりガラス基板にプローブを固定化する形態が採られており、これにより安定性の高いDNAプローブアレイを実現している。
【0007】
インクジェット技術を利用したスポッティングにおいて用いられるプローブ溶液としては、安定した吐出、溶解しているプローブへの熱などによるダメージの回避、などが溶液の特性として求められる。一般的には、プローブ溶液調製用の溶媒としては、プローブとなる物質が可溶な水系の溶媒が多く用いられるが、スポッティングされる液滴が極めて微量であることや、吐出ノズルの目詰まりを防止する必要があるために、多くの場合、保湿剤、アルコール類、界面活性剤等が複数混ぜ合わされた組成物により構成されている。上記先行例においても、尿素、グリセリン、チオジグリコール、アセチレンアルコールなどが所定の割合で含まれた水溶液が、吐出とプローブの固定反応の観点で最適と開示されており、この液組成により安定してスポッティングがなされ、さらにプローブ側のチオール基と固相上に結合したマレイミド基の反応が高い収率で行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
チオール基とマレイミド基の反応は極めて反応性が高く、プローブの固相への固定化などの固液界面での比較的反応収率の低い反応系においても高い反応収率が期待できる。チオール基を利用してプローブと基板を結合する場合には、例えば上記先行例に開示されているように、末端をチオール化したプローブを準備し、プローブをインクジェット用の溶媒に溶解し、スポッティング装置にプローブ溶液を供給した後、基板に対しスポッティングを行う。この際、懸念されることとして、チオール基の2量化反応がある。チオール基は水溶液中で容易に2量化し、特に中性溶液や弱アルカリ溶液中ではその2量化は顕著である。この2量化によりジスルフィド結合が形成されると、プローブを基板表面に結合させる際に結合反応の効率を低下させることになる。上記先行例においてはチオジグリコールが結合反応の効率低下の防止に有効であることが開示されているが、プローブを長時間溶液状態で放置しておく場合などは、その効果は限定的である。
【0009】
プローブアレイを用いた検出の最大のメリットは、同時多項目の検出が可能であることであるが、今後その要求はさらに強くなり、より多種類のプローブの搭載が求められるようになる。そうなると、多種類のプローブを溶解してから吐出装置に注入するので、実際のスポッティングを行うまでの時間が必然的に長くなり、その場合、上記の2量化が生じるとプローブの結合効率の低下を招く原因となる。また、全プローブを溶解するまでの時間が長くなると、溶解時間の差によるプローブ間誤差を生じる原因となる。
【0010】
また、多種類のプローブを吐出装置に充填してプローブアレイを作製する場合、プローブ溶液は繰り返し利用出来ることが好ましく、長期間の溶解時間に耐えうる液組成が望まれていた。
【0011】
本発明の目的は、チオール基を有するプローブを長時間にわたり溶液状態で保存できるインクジェット用の液組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる液体組成物は、標的物質に対して特異的に結合可能であり、かつチオール基を有するプローブのインクジェット法による固相表面への供給のために用いられる該プローブを含有する溶液の調製用である液体組成物であって、前記チオール基の保護剤を含むことを特徴とするものである。
【0013】
上記の保護剤としては、チオール基の酸化を防止するチオール基酸化防止剤が好適であり、好ましい酸化防止剤としては、ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール及び2−メルカプトエタノールを挙げることができる。また、チオジグリコール、尿素、グリセリン及びアセチレンアルコールの少なくとも1種を更に含有させることもできる。
【0014】
上記の構成の液体組成物は、プローブを固相表面にインクジェット法により適用する際にインクジェット装置から固相へ供給されるプローブ溶液の調製に利用されるものであり、DNAやPNAを主体として構成され、かつチオール基を有するプローブに対して好適に用いられるものである。
【0015】
チオール基保護剤をプローブ溶解用液体組成物の構成要素の一つとして含有させることにより、プローブ中のチオール基は長時間溶解状態にあっても活性を低下させることなく、マレイミド基などとの結合力を維持することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる液体組成物に溶解させるプローブは、検出対象等としての標的物質に対して特異的に結合し得る構造を有し、かつ固相表面への結合に利用されるチオール基を有するプローブであり、DNAあるいはPNAからなる、あるいはこれらからなる部分を主体として構成されているものが好ましい。このチオール基は、固相側に導入されたマレイミド基などの結合相手となる基との結合により、プローブの固相表面への結合を可能とするためのものである。
【0017】
本発明の特徴となるプローブ溶解用液体組成物の成分の一つであるチオール基保護剤としては、プローブとしての機能を損なわない範囲内で、チオール基の固相表面との結合活性に影響のある反応が生じることを抑制したり、反応自体を防止できる効果を有するものが利用できる。そのようなチオール基保護剤としては、チオール基の酸化防止に効果のあるチオール基酸化防止剤が好適である。好ましい具体例としては、一般的にチオール基酸化防止剤として知られている、式(1)で表されるジチオトレイトール、ジチオエリトリトール及び式(2)で表される2−メルカプトエタノールなどを挙げることができ、いずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
本発明にかかるプローブ溶解用液体組成物は、プローブを溶解させる溶媒として作用する液媒体と、チオール基保護剤と、を少なくとも用いて調製することができる。
【0021】
液媒体としては、水などの水性液媒体を挙げることができる。
【0022】
また、チオール基保護剤の濃度は、プローブを溶解して得られる溶液がインクジェット法により吐出されることから、得られる溶液がインクジェット法により吐出可能な液体特性の範囲内であればよい。例えば、プローブ溶液をバブルジェットヘッドから吐出する場合には、液体の特性としては、例えばその粘度が1〜15cps、表面張力が30dyn/cm以上となるような範囲内において、チオール基保護剤を加えることが望ましい。また、粘度を1〜5cps、表面張力を30〜50dyn/cmとした場合、固相上での着弾位置が適正なものとなり、特に好適に用いることが出来る。
【0023】
チオール基保護剤以外の成分は、特に限定されるものではないが、バブルジェット用吐出溶液としての特性を満たす液体組成の例として、グリセリン、尿素、チオジグリコール、エチレングリコール及び下記化学式(3)で表されるアセチレンアルコールの少なくとも1種を添加剤として含む液体は本発明によるチオール基保護剤が効果的に機能する好適な液組成物である。
【0024】
【化6】
【0025】
(上記式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立してアルキル基を表し、m及びnはぞれぞれ整数を表し、m=0かつn=0であるか、1≦m+n≦30であるか、あるいは、m+n=1場合はmまたはnは0である。)
これらの添加剤の濃度は、例えば0.01wt%〜40wt%の範囲とすることが好ましい。
【0026】
更には、尿素を5〜10重量(wt)%、グリセリンを5〜10(wt)%、チオジグリコールを5〜10(wt)%、上記式アセチレンアルコールを0.2wt%〜5wt%、より好ましくは0.5wt%〜1.0wt%含む液体は更に好適な液組成物である。また、溶液中に含まれるプローブ濃度の観点では、チオール基保護剤の濃度は、プローブ濃度が100マイクロmol/L以下のプローブ溶液の場合、チオール基保護剤としてジチオトレイトールを用いるときは保護剤の濃度は0.1mmol/Lから10mmol/Lの範囲であることが望ましく、更には0.1mmol/Lから2mmol/Lの範囲であることが望ましい。また、同じプローブ濃度において保護剤として2−メルカプトエタノールを用いる場合には、チオール基保護剤の濃度は1mmol/Lから50mmol/Lの範囲であることが望ましく、更には1mmol/Lから20mmol/Lの範囲であることが望ましい。プローブの種類はチオール基を有しているものであれば特に限定されないが、DNA、ペプチド、PNAなどをプローブとして用いる場合、本発明によるチオール基保護剤を添加した液組成物は特に効果的に機能する。特に、DNAやPNAからなる、あるいはこれらからなる部分を主体とするプローブに対して本発明にかかる液体組成物が特に好適である。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明の最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明は、これら実施例により限定を受けるものではない。
【0028】
(実施例1)
DNAプローブアレイの作製
[1]ガラス基板の洗浄
合成石英のガラス基板(サイズ:1インチ×1インチ×0.5mm)を耐熱、耐アルカリのラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し、軽く純水ですすいだ後、超純水中で20分超音波洗浄をおこなった。次に、80℃に加熱した1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の石英ガラス基板を用意した。
【0029】
[2]表面処理
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークしシランカップリング剤処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いで同仁化学研究所社製のN−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimido)(以下EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1(容量比)混合溶媒中に最終濃度が0.3 mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。ベークの終了したガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この処理により、シランカップリング剤によって表面に導入されたアミノ基とEMCSのスクシイミド基が反応し、ガラス基板表面にマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述の混合溶媒を用いて洗浄し、さらにエタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
【0030】
[3]プローブDNAの合成
定法に従って、5’末端をチオール化した下記配列を有する18merのプローブDNAを合成した。
配列番号1:
5’ HS−(CH2)6−O−PO2−O−ACTGGCCGTCGTTTTACA 3’
合成したDNAは高速液体クロマトグラフィーにより精製した後、脱塩し乾燥させ、以下の実験に用いた。
【0031】
[4]BJプリンターによるDNA吐出、および基板への結合
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%、ジチオトレイトールが最終濃度で1mmol/lとなる水溶液を用意した。続いて、先に合成した配列番号1の一本鎖DNAを最終濃度が50マイクログラム/mlとなるよう上記の混合溶媒に溶解した。
【0032】
得られたDNA溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJF850 キヤノン株式会社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
【0033】
なお、ここで用いたバブルジェットプリンターは平板への印刷が可能なように改造を施したものである。また、このバブルジェットプリンターは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5ピコリットルのDNA溶液を約120マイクロメートルピッチでスポッティングすることが可能となっている。
【0034】
続いて、この改造バブルジェットプリンターを用いて、1枚のガラス基板に対して、縦横12個ずつ計144個のスポットをスポッティングした。スポティングが確実に行われていることを確認した後、30分間加湿チャンバー内に静置し、ガラス基板表面のマレイミド基と核酸プローブ末端のチオール基とを反応させた。
【0035】
[5]洗浄
30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)(以下緩衝液▲1▼とする)により表面に残ったDNA溶液を洗い流し、ガラス基板表面にDNAが固定したDNAプローブアレイを得た。
【0036】
[6]ブロッキング
シグマ社製のウシ血清アルブミン(BSA)を2%の濃度となるように、緩衝液▲1▼に溶解させた。完全に溶解したことを確認した後、4℃の緩衝液中に保管しておいたDNAプローブアレイを、BSA溶液中に室温で2時間浸し、BSAによるブロッキング反応を行った。
【0037】
[7]ハイブリダイゼーション
5’末端にローダミン標識をした下記配列番号2の配列を有する一本鎖DNAを合成した。プローブDNAと同様に高速液体クロマトグラフィーにより精製を行い、標識化一本鎖DNAを得た。この標識化DNAを最終濃度が5 nmol/lとなるよう緩衝液▲1▼に溶解し、ハイブリダイゼーション用の溶液25mlを得た。
配列番号2:
5’ Rho− TGTAAAACGACGGCCAGT 3’
続いてブロッキングしたDNAプローブアレイ1枚をあらかじめ45℃に加熱しておいたハイブリダイゼーション用の溶液25mlに浸し、ハイブリダイゼーション反応を2時間行った。その後、基板を取り出し、緩衝液▲1▼にてDNAプローブアレイを適当に洗浄した後、マイクロアレイ専用のスキャナー GenePix(AXON社製)4000Bにより観察した。GenePixによる測定は、フォトマル感度400V、レーザー出力100%に設定して行った。
【0038】
[8]結果
DNAプローブアレイ上の144点のスポット全ての蛍光強度を所定の方法により測定した。144点の蛍光量を平均した結果、4100の蛍光量が得られた。
【0039】
(実施例2)
[1]プローブ溶液の調製
実施例1と同じ液組成(グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%、ジチオトレイトールが最終濃度で1mmol/l)で溶液を調整し、実施例1で合成した配列番号1の一本鎖DNAを最終濃度が50マイクログラム/mlとなるよう溶解した。その後、得られたプローブ溶液を室温で24時間放置した。
【0040】
[2]プローブアレイの作製
1×1インチのガラス基板に対し実施例1と同様に処理を行い、マレイミド基が表面に導入されたプローブアレイ用のガラス基板を作製した。続いて、24時間前に溶解しておいたプローブ溶液を実施例1で用いたバブルジェットプリンター改造機に充填し、同様に144のスポットからなるプローブアレイを作製した。得られた基板を30分間加湿チャンバー内で静置した後、緩衝液▲1▼にて表面を洗浄し、ガラス基板表面にDNAが固定したDNAプローブアレイを得た。
【0041】
[3]ハイブリダイゼーション
実施例1と同様に、BSAによるブロッキングを行った後、実施例1の(7)と同様の操作により、配列番号2の配列を有するローダミン標識DNAとハイブリダイゼーションを行った。2時間のハイブリダイゼーション反応後、実施例1と同じ条件に設定したGenePixによりプローブアレイを測定し、144点のスポットの蛍光量を平均した結果、4010の蛍光量が得られた。
【0042】
この結果は実施例1の結果と比較して平均蛍光量に大きな差はなく、実施例2において行った溶液状態でのプローブの保管を行ってもチオール基が大きなダメージを受けていないことを示している。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、チオール基を有するプローブを長時間にわたり溶液状態で保存できる、インクジェット用の液組成物を提供することが出来た。
【0044】
【配列表】
Claims (15)
- 標的物質に対して特異的に結合可能であり、かつチオール基を有するプローブのインクジェット法による固相表面への供給のために用いられる該プローブを含有する溶液の調製用である液体組成物であって、前記チオール基の保護剤を含むことを特徴とする液体組成物。
- 前記保護剤が、チオール基の酸化を防止するチオール基酸化防止剤である請求項1に記載の液体組成物。
- ジチオトレイイトールの含有濃度が0.1mmol/Lから10mmol/Lである請求項3に記載の液体組成物。
- ジチオトレイイトールの含有濃度が0.1mmol/Lから2mmol/Lである請求項4に記載の液体組成物。
- チオール基酸化防止剤がジチオエリトリトールである請求項2に記載の液体組成物
- 2−メルカプトエタノールの含有濃度が1mmol/Lから50mmol/Lである請求項7に記載の液体組成物。
- 2−メルカプトエタノールの含有濃度が1mmol/Lから20mmol/Lである請求項8に記載の液体組成物。
- プローブがDNAである請求項1に記載の液体組成物。
- プローブがペプチドである請求項1に記載の液体組成物。
- プローブがPNAである請求項1に記載の液体組成物。
- チオジグリコール、尿素及びグリセリンから選択された少なくとも1種を更に含有する請求項1〜12のいずれかに記載の液体組成物。
- 液媒体中に、下記組成:
尿素:5〜10wt%、
グリセリン:5〜10wt%、
チオジグリコール:5〜10wt%、及び
上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコール:0.02〜5wt%
を含む請求項1に記載の液体組成物。
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CN106399492A (zh) * | 2016-09-05 | 2017-02-15 | 清华大学 | 一种用bsa等电点封闭液构建可再生dna杂交界面的方法 |
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2002
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Cited By (2)
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CN106399492B (zh) * | 2016-09-05 | 2019-07-12 | 清华大学 | 一种用bsa等电点封闭液构建可再生dna杂交界面的方法 |
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