JP2004015636A - サンプリングクロック発生装置及びサンプリングクロック発生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の走査を行わせる手段の動作に忠実にサンプリング可能なサンプリングクロックを発生させる。
【解決手段】レーザ光源36によって共振スキャナ21のミラーに照射されたレーザ光の該ミラーからの反射光が照射している位置を位置検出素子37が検出する。位置検出素子37から出力されるこの位置を示す位置信号は、走査型共焦点レーザ顕微鏡において走査が行われているときにおける試料へのレーザ光の照射位置を示す信号として利用できる。位置比較器25は、この位置信号と、VCO29から出力されるクロックの数を計数するカウンタ30の計数結果に基づいて生成される追従位置信号との偏差に対応する偏差信号を生成する。VCO29はこの偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料に光を走査してその試料の情報を取得する光走査型サンプリングシステムにおけるサンプリングクロック発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試料に光を走査させると共にその走査に同期したサンプリングクロックを発生させ、光検出器によって検出される前記試料の反射光、蛍光、若しくは透過光をサンプリングすることでその試料の情報を取得する光走査型サンプリングシステムとして、例えば走査型共焦点レーザ顕微鏡がある。
【0003】
走査型共焦点レーザ顕微鏡には、光走査を行わせるために、主にガルバノスキャナや共振スキャナが用いられている。共振スキャナはその動作原理から正弦波状に鏡を振動させる。一方のガルバノスキャナも、画面の更新速度を上げるために正弦波状に鏡を振動させることがある。これらの振動によって鏡の角度が正弦波状に変化する。
【0004】
試料へ照射する光を反射させる鏡の角度が正弦波状に変化すると、光走査による試料への光照射位置が時間に応じて正弦波状に変化することになる。例えば、試料の反射光、蛍光、若しくは透過光を検出した光検出器から出力される検出信号を、システムのタイミングを管理する水晶発振器等の発振器から得られる発振信号を用いて等時間間隔でのサンプリングを行うと、図9(a)に示すように、試料上でのサンプリング位置が等間隔とならないため、画面の両端と中央との間で著しく歪んだ画像が取得されることになってしまう。
【0005】
このような等時間間隔におけるサンプリング位置が不等間隔になってしまう走査に対しては、図9(b)に示すように、サンプリングの時間間隔をこの走査に対応させて予め不等間隔にし、最終的に得られる画像における試料上の位置関係(画素の位置関係)が等間隔になるようにする必要がある。
【0006】
正弦波状の走査に対応させるように不等間隔であるサンプリングクロックを発生させる技術は、例えば、特開平5−136948号公報、特開平7−154544号公報、特開2001−21829号公報などに開示されている。
特開平5−136948号公報に開示されている技術では、正弦波状の速度信号パターンをROM(Read Only Memory)に記憶させておき、スキャナの1周期に同期させてROMからその速度信号パターンを出力し、それを乗算型D/A(Digital to Analogue)コンバータで制御信号に変換して電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:以下、「VCO」という)に与え、このVCOの出力をサンプリングクロックとして得ている。つまり、このROMに格納されている速度信号パターンをサンプリングクロックにより順次アドレスして読み出し、PLL(Phase Locked Loop)を用いてそのROMに格納されている速度信号パターンの1周期をスキャナの周期に合致させるように乗算型D/Aコンバータによって、その速度信号パターンのゲインが調整されながら、VCOが駆動される。VCOは自身の生成するサンプリングクロックをF−V(Frequency to Voltage)コンバータヘ通し、ROMパターンからの偏差をフィードバックしている。
【0007】
特開平7−154544号公報に開示されている技術では、スキャナの1周期に同期した逓倍クロックをPLLにより発生させ、上述した技術と同様に、この逓倍クロックにより速度パターンの記憶されたROMをアドレスする。このときROMから読み出された速度パターンが乗算器とD/Aコンバータとにより制御信号に変換され、V−F(Voltage to Frequency)コンバータによりこの信号からサンプリングクロックを得る。ROMから読み出された速度パターンに対して乗算器によって行われるゲインの調整は、ROMパターン(速度信号)を積分することで得られる位置情報を画像有効範囲長に合致させるように行われる。
【0008】
特開2001−21829号公報に開示されている技術では、同様にスキャナの1周期に同期した逓倍クロックをPLLにより発生させ、これにより速度パターンの記憶されたROMをアドレスする。ROMから読み出された速度パターンの1周期をスキャナ周期に合致させるように乗算型D/Aコンバータでゲイン調整を行い、この乗算型D/Aコンバータからの出力を制御信号としてVCOに与えることでサンプリングクロックを得ている。
【0009】
一方で、ガルバノスキャナは位置の制御が可能であるので、これを正弦波で駆動する場合においては駆動信号源側にその目標位置を連ねた駆動波形として正弦波形をRAM(Random Access Memory)に記憶させておく。更に、この駆動波形と共に、サンプリング位置が時間軸上で等間隔になるようなサンプリングクロックのパターンも記憶させておく。これをサンプリングクロックの数倍から十倍以上の周波数を持つ、水晶発振器などにより得られるシステム全体のタイミングを管理するクロックで順次アドレスし、駆動波形データをデジタル−アナログ変換して駆動回路に供給し、このとき同時に出力されるサンプリングクロックでサンプリングを行うようにすることで、図9(b)のように試料上でのサンプリング位置が等間隔になるようにする方式が一般的である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
共振スキャナの場合、前述した技術ではいずれもROMに速度パターンをあらかじめ記憶させておき、スキャナの1周期に同期させたこの速度パターンで電圧制御発振手段を制御することによって不等時間間隔のサンプリングクロックを得ている。
【0011】
ところで、これらの方法はスキャナの実際の動作が理想的に正弦波状の動作をしていることを前提とし、数学的な考察からパターンデータを生成している。このようにして生成したパターンデータを実際に装置で使用すると、様々な誤差要因が重畳するため、最終的に得られる画像の線形性は必ずしも最良の状態になるとは限らない。このようにして生じた誤差をデータの補正で相殺することも可能ではあるが、この手法では数千点にも及ぶパターンデータの一部を修正することになり、更には長時間に渡る試行錯誤をも必要となる。また、この作業をプログラムによってデータ生成を行うようにしたとしても、そのようなデータ生成を行うための治具の開発には多大な苦労を強いられることとなる。
【0012】
また、光学的なズームをかける目的でスキャナ振幅を変化させる場合があるが、このような変化をさせた場合には、走査の基本波から生成されている同期信号のスキャナに対する位相がずれてしまうことがあるため、回路全体の動作点がずれる可能性がある。これは、コンパレータを用いて正弦波速度信号のゼロクロスの検出が行われているため、ズームによってスキャナ振り角を小さくすると速度信号振幅も小さくなり、ゼロクロス点付近での正弦波速度信号の傾斜が緩くなってしまうためにその検出位置がずれてくることに起因している。即ち、ズームを行うと視野が例えば右(画像が左)に移動する現象が発生すると考えられる。ROMに記憶されている速度パターンはスキャナ動作と位相遅れなく完全に合致していることを前提として生成されているので、ズームによって位相ずれが生じると画像の歪み具合に変化が生じてしまうことになる。これにオフセットを与えて補正することは可能ではあるが、ズーム全範囲にわたって各点で個別調整をする必要が生じることとなる。
【0013】
また、走査における画像化の効率を上げるために往復サンプリングを行う場合には、共振スキャナの走査速度のみに着目して速度パターンが生成されるため、現実には往復で画素ずれを起こさないようにすることは至難の業であると考えられる。仮に速度パターンを調整することによって往復での微妙な速度変化に合わせることができたとしても、周期管理だけを行っている関係上、クロック発生数と周波数変化の度合いとのつじつまは合わせ得るが、各サンプリングクロック発生のタイミングが位置として往復で合致している保証は無い。
【0014】
更に、VCOを制御する制御信号に何らかのノイズが混入した場合にはノイズの混入時点でのVCO出力周波数の変化が起こるが、この場合にはその瞬間の画素(画像位置)から後のサンプリングクロック発生タイミングがずれることになる。走査が1周期終わってみると、途中で本来の周波数変化と異なる周波数の変化が起こったことでパターン1周期(全アドレスカウント時間)に変化が起こり、共振スキャナの周期(同期信号)に対して位相誤差が生じてしまう。PLLが働いているため、このノイズ混入の影響はPLLの応答時間に渡って発生し、その結果、複数回の走査に渡って同期がずれてしまい著しい画像劣化を引き起こすこととなる。
【0015】
一方、前述のようなガルバノスキャナの正弦波駆動においては、走査周期とサンプリング点数の組み合わせによってデータ量やクロック周波数が著しく変化する。また、サンプリングクロックパターンの周波数変化は量子化されており、不等時間サンプリングの精度を向上させようとするほどデータ量を増やし、より高周波のクロックでRAMアドレスを進めていかなくてはならず、サンプリングクロック発生のために必要以上に高速な回路を形成する必要がある。
【0016】
これらの問題を鑑み、光走査型サンプリングシステムにおいて画像劣化の無いサンプリングを行うため、光の走査を行わせる手段の動作に忠実にサンプリング可能なサンプリングクロックを発生させることが本発明が解決しようとする課題である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料に対して光を走査して得られる反射光、蛍光、若しくは透過光のサンプリングを行うためのクロックを発生させる装置または方法を前提とする。
【0018】
そして、本発明の態様のひとつであるサンプリングクロック発生装置では、前記光の走査において該光が照射している位置を示す信号である位置信号を取得する位置信号取得手段と、前記位置信号に追従させる信号であって位置を示すものである追従位置信号を生成する追従位置信号生成手段と、前記位置信号と前記追従位置信号との偏差に対応する信号である偏差信号を生成する偏差信号生成手段と、前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力する周波数可変発振手段と、を有し、前記追従位置信号生成手段は、前記周波数可変発振手段により出力されたサンプリングクロックに基づいて前記追従位置信号を生成するように構成することによって前述した課題を解決する。
【0019】
上記の構成によれば、サンプリングクロックとして用いるために発振させる信号の周波数を、位置信号取得手段によって取得される位置信号と、サンプリングクロックに基づいて生成される追従位置信号との偏差に基づいて変化させるので、位置信号が示している光の走査において該光が照射している位置と、追従位置信号が示している位置とのずれが小さくなるようなサンプリングクロックを発生させることができ、光の走査を行わせる手段の動作に忠実なサンプリングを可能とする。
【0020】
なお、上述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記位置信号生成手段は、前記光を反射若しくは屈折させる光学素子であって前記試料に対して該光の走査を行なわせるために振動させる該光学素子の状態を示す情報より前記位置信号を生成するように構成することができる。
【0021】
更に、この場合において、前記位置信号生成手段は、前記光学素子に入射させた光が該光学素子で反射して照射された位置を示す情報より前記位置信号を生成することを特徴とする
この構成によれば、光の走査において該光が照射している位置を示す位置信号を取得する位置信号生成手段を構成することができる。
【0022】
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記周波数可変発振手段は、前記偏差信号の位相を所定のものへと変化させる第一の移相手段と、前記第一の移相手段によって位相が変化した偏差信号についての絶対値を示す信号を生成して出力する絶対値信号生成手段と、前記絶対値信号生成手段から出力された信号の電圧値に基づいた周波数の信号を発振させる電圧制御発振手段と、を有するように構成することができる。
【0023】
この構成によれば、偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力する周波数可変発振手段を構成することができる。
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記追従位置信号生成手段は、前記サンプリングクロックのクロックの数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数されたクロックの数に対応した信号を前記追従位置信号として生成する信号生成手段と、を有するように構成することができる。
【0024】
更に、この場合において、前記試料に対する光の走査では往復の走査が行われ、前記計数手段は、前記往復の走査における一方の方向の走査において昇順の計数が行われ、該往復の走査における他方の方向の走査において降順の計数が行われるように構成することができる。
【0025】
この構成によれば、位置信号取得手段によって取得された位置信号に追従させる追従位置信号を、周波数可変発振手段により出力されたサンプリングクロックに基づいて生成することができる。
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記サンプリングクロックに同期している同期信号であって、該サンプリングクロックに従って行われた前記サンプリングのうちから前記試料における所定の範囲への前記光の照射に基づいて得られたものを識別する該同期信号を生成する同期信号生成手段を更に有するように構成することができる。
【0026】
この構成によれば、サンプリングされたもののうち、試料における所定の範囲に属するもの、例えば試料の画像データとして有効に利用し得る範囲に属するものの抽出を容易に行うことができる。
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記位置信号の位相を調整して、前記走査における前記試料への前記光の照射から前記サンプリングクロックの発生までの間の時間遅延を吸収する第二の移相手段を更に有するように構成することができる。
【0027】
この構成によれば、位置信号が示している光の走査において該光が照射している位置と、追従位置信号が示している位置とのずれを更に小さくしたサンプリングクロックを発生させることができる。
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記位置信号取得手段によって取得された位置信号の振幅を所定の大きさに調整する振幅調整手段を更に有するように構成することができる。
【0028】
この構成によれば、位置信号の振幅が所定の大きさとなるように調整されるため、例えばズーム観察のための走査範囲の変更によって生じる元の位置信号の振幅の変化が当該サンプリングに及ぼす影響を低減することができる。
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置において、前記偏差信号と前記追従位置信号との位相を比較する位相比較手段を更に有し、前記周波数可変発振手段は、前記偏差信号と該周波数可変発振手段によって発振させる信号の周波数との対応関係を、前記位相比較手段による比較結果に基づいて変化させるように構成することができる。
【0029】
この構成によれば、偏差信号と発振させる信号の周波数との対応付けが位相比較手段による比較結果に基づいて行われるので、周波数可変発振手段において偏差信号によって要求されている周波数の発振がその偏差信号では困難であるような場合にも、より安定で且つ確実にサンプリングクロックを発生させることができる。
【0030】
また、本発明の別の態様のひとつであるサンプリングクロック発生方法では、前記光の走査において該光が照射している位置を示す信号である位置信号を取得し、前記位置信号に追従させる信号であって位置を示すものである追従位置信号を生成し、前記位置信号と前記追従位置信号との偏差に対応する信号である偏差信号を生成し、前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力し、前記追従位置信号は、前記サンプリングクロックに基づいて生成されるようにすることによって前述した課題を解決する。
【0031】
なお、この本発明に係るサンプリングクロック発生方法において、前記位置信号は、前記光を反射若しくは屈折させる光学素子であって前記試料に対して該光の走査を行なわせるために振動させる該光学素子の状態を示す情報より生成されるようにすることができる。
【0032】
また、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生方法において、前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させるために、前記偏差信号の位相を所定のものへと変化させ、位相を変化させた前記偏差信号についての絶対値を示す信号を生成し、生成された前記絶対値を示す信号の電圧値に基づいた周波数の信号を発振させるようにすることができる。
【0033】
これらの方法によれば、前述した本発明に係るサンプリングクロック発生装置と同様の作用・効果が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明を実施する走査型共焦点レーザ顕微鏡の構成を示している。
図1において、顕微鏡本体1は以下のように構成されている。
【0035】
レーザ光源6は試料11の表面を走査するスポット光としてのレーザ光を発生させるためのレーザ光源であり、ミラー7は、このレーザ光源6からのレーザ光を2次元走査機構5に導くための反射鏡である。
2次元走査機構5はミラー7を介して得たレーザ光源6からのレーザ光を2次元走査するための機構である。これは2次元走査駆動制御回路4の制御のもとにスポット光を水平面上でXY走査するものであるが、例えば、X軸方向走査用の共振スキャナとY軸方向走査用のガルバノスキャナとを設け、これらのスキャナを各々X軸方向及びY軸方向に振動させることによって対物レンズ10に対するスポット光の光路をXY方向に振らせることができる。
【0036】
レボルバ9は倍率の異なる複数の対物レンズ10を保持するものである。レボルバ9はZ軸駆動制御回路16による制御によって光軸方向(上下方向)に移動させることが可能であり、また、複数の対物レンズ10のうちから所望の倍率であるものをレボルバ9の切り替えにより顕微鏡の観察光路中に位置するように設定することができる。この位置設定された対物レンズ10を介して2次元走査機構5からのスポット光がステージ12上の試料11に2次元走査しながら照射される。なお、ステージ12は試料11を保持するものである。
【0037】
一方、照射されたスポット光についての試料11からの反射光は対物レンズ10を通って2次元走査機構5に戻り、2次元走査機構5からハーフミラー8へと戻される。
ハーフミラー8は、2次元走査機構5に対するレーザ光源6の出射光路上に設けられ、2次元走査機構5を介して得られる試料11からの反射光を検出系である光検出器15へ導くための半透明鏡である。
【0038】
レンズ13はハーフミラー8を介して得た2次元走査機構5からの反射光を集光するレンズである。
ピンホール板14は所要の径のピンホールが開けられている板であり、光検出器15の受光面の前面におけるレンズ13の焦点位置にそのピンホールが配置される。
【0039】
光検出器15はピンホール板14に開けられているピンホールを介して得られる光をその光量対応の電気信号に変換する光検出素子である。
光検出器15、2次元走査駆動制御回路4、及びZ軸移動制御回路16はそれぞれ顕微鏡入出力回路17に接続されている。
【0040】
顕微鏡入出力回路17は走査型共焦点レーザ顕微鏡本体の信号入出力窓口にあたるものである。顕微鏡入出力回路17は、光検出器15で光電変換された信号を2次元走査駆動制御回路4からのタイミング信号と共にコンピュータ2へ送り、また、コンピュータ2から送られてくる各種の制御信号を2次元走査駆動制御回路4やZ軸移動制御回路16、その他図示しない顕微鏡内部の制御回路へ転送する中継を行っている。
【0041】
コンピュータ2の内部には制御回路18と画像入力回路19とが備えられている。
制御回路18はコンピュータ2に対し図示しない入力手段を機能させてオペレータが命令した処理を適切に実行するようにコンピュータ2の全体を制御するものである。
【0042】
画像入力回路19は光検出器15で光電変換された信号と2次元走査駆動制御回路4からのタイミング信号を受け取る。コンピュータ2は画像入力回路19で受け取ったこれらの信号に基づいた画像化の処理を行い、生成された画像をモニタ3に表示させる。こうすることで試料11の表面情報が得られる。
【0043】
本発明は、図1に示した走査型共焦点レーザ顕微鏡の2次元走査機構5と2次元走査駆動制御回路4の一部(X軸方向走査用の共振スキャナ及びタイミング信号の生成部)とによって構成されるサンプリングクロック発生装置によって実施される。以下、この実施の形態を実施例毎に説明する。
<実施例1>
図2は本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第一の例の構成を示している。以下、同図について説明する。
【0044】
共振スキャナ21は駆動回路22により正弦波状にミラーを振動させるものである。
駆動回路22は共振スキャナ21に内蔵されている速度ピックアップコイルによるミラーの速度信号に基づいて自励発振を行い、フィードバック制御でその駆動振幅の制御を行うものである。
【0045】
レーザ光源36は共振スキャナ21のミラーにレーザ光を照射するものであり、その反射光は位置検出素子37(以下PSD)で検出される。PSD37は共振スキャナ21のミラーの位置(状態)の検出を行うものであり、共振スキャナ21のミラーの位置に応じて反射の方向が変化する反射光によって照射されているPSD37上の位置に応じた信号が出力されるというものである。この信号は、図1においてレーザ光源6から照射されたレーザ光が共振スキャナ21のミラーによって反射した後に照射している試料11の位置を示している信号として利用することができる。なお、レーザ光源36は、図1のレーザ光源6と同じ物で走査型共焦点レーザ顕微鏡内のレーザ光を光学的に分岐したものを用いるようにしてもよいし、半導体レーザ等を別途設けるようにしてもよい。
【0046】
PSD37からの出力はアンプ38で増幅され、アンプ38からは共振スキャナ21のミラーの位置に対応した正弦波状の信号(この信号を「ミラー位置信号」と称することとする)が出力される。
ミラー位置信号はまず移相回路23に入力される。移相回路23では共振スキャナ21の真のミラー位置とその位置に対応するサンプリングクロックの発生との間の遅延時間差の補正が行われる。
【0047】
位相調整されたミラー位置信号(Position)は、AGC(Automatic Gain Control)回路24へ入力され、所定の振幅に調節される。
位置比較器25は、一方の入力端子に入力されるAGC回路24で振幅制御されたPosition信号と、もう一方の入力端子に入力される再生位置信号(F.B.Position)との差分を出力するものである。
【0048】
移相回路26は位置比較器25から出力される位置の差分信号を微分した信号を得るためにその差分信号の位相を変化させ、共振スキャナ21の速度等価の信号へと置き換えるものである。
比較器27は、移相回路26から出力される差分信号のゼロクロス位置においてHレベルとLレベルとが交互に切り替わるCYCLE信号を生成する。
【0049】
絶対値回路28は、移相回路26から出力される差分信号の絶対値を示す信号を生成する。生成された差分信号はControl信号としてVCO29に与えられる。このVCO29によって発振させた信号がサンプリングクロック(SCLK)となる。
【0050】
カウンタ30はSCLKをカウントする、例えば12bitのアップダウンカウンタであり、画像の有効部分の画素数(有効画素数)と該画像における無効期間に相当する画素数とに基づいて予め与えられる走査半周期分のサンプリングクロック数をカウントする毎にアップカウントとダウンカウントとを交互に繰り返すものである。
【0051】
同期回路31はカウンタ30のカウント値を受け取り、図示しない入力部より予め与えられている走査半周期分のサンプリングクロック数に基づいてカウンタ30へのアップカウント・ダウンカウントの切り換え信号(U/D)や画像有効期間信号(DE)を生成する。
【0052】
位相比較器32は、比較器27から出力されるCYCLE信号と同期回路31から出力されるU/D信号との位相を比較し、その位相差に応じた出力信号を出力する。この出力信号はローパスフィルタ33(以下、「LPF」という)を通過させ、VCO29の発振周波数レンジの制御信号(FRC)としてVCO29に入力される。
【0053】
D/Aコンバータ34は例えば12bitのD/Aコンバータであり、カウンタ30でのカウント値を対応するアナログ電圧信号に変換する。
レベルシフト回路35は、D/Aコンバータ34から出力された単一極性であるアナログ電圧信号のレベルシフトを行って正負両極性の信号へと変換するものである。このレベルシフト回路35から出力される信号はF.B.Position信号となり、Position信号との差分を得る位置比較器25ヘ戻され、その一方の入力に入力される。
【0054】
次に、上述した図2に示すサンプリングクロック発生装置の動作について、図3を適宜参照しながら説明する。
光源36からのレーザ光についての共振スキャナ21のミラーによる反射光はPSD37に照射される。駆動回路22に電力が印加されて共振スキャナ21が動作を開始するとこの反射光のPSD37での軌跡は正弦波状の振動軌跡となり、正弦波状のミラー位置信号が得られる。ミラー位置信号は移相回路23に入力され、Position信号(図3(a))が得られる。
【0055】
移相回路23の移相量は、最終的には走査の光学的中心が得られる画像の中心となるように決定されるが、試料11の表面上のある点にレーザ光が照射されたときの光検出器15の検出信号が適切にサンプリングされ、走査範囲に対する試料11の表面情報が有効画面内位置に適切に再配置されるように設定される。
【0056】
Position信号はAGC回路24に入力されて共振スキャナ21の光学ズームに伴うミラー位置信号の振幅変化を相殺して常に一定の振幅の信号となるように調整され、その後位置比較器25に入力される。
位置比較器25では、Position信号と後述する仕組みで発生させられる内部の再生位置信号(F.B.Position)とを減算することでその差分を取る。つまり、共振スキャナ21のミラー位置と画像の画素位置とが一致するところでサンプリングクロックが生成されるように常に位置フィードバックをかけているのである。なお、位置の比較において2つの位置信号間に遅延があると歪みが生じるため、F.B.Position信号とPosition信号とを同相にする必要があるが、位置比較器25によって差分を取る信号の振幅が同一であると出力信号がなくなってしまうので、ここでは帰還されてくるF.B.Position信号の振幅の方が小さくなるようにしている(図3(b)及び(c))。
【0057】
sin(ωt)−k×sin(ωt)=(1−k)×sin(ωt)………(1) k:振幅比(0<k<1)
次に、VCO29へのControl信号としては、共振スキャナ21の位置変化に対応する信号ではなく、共振スキャナ21の速度変化に対応した信号を与えなくてはならないので、位置比較器25の出力信号(1)の位相状態をPosition信号の微分となる余弦波、つまり90°の位相関係になるようにする必要がある。この調整が移相回路26によって行われる(図3(d))。
【0058】
移相回路26によって位相調整された後の差分信号は、絶対値回路28を通って全波整流された後、Control信号としてVCO29へ供給される(図3(e))。
以上のようにして、VCO29からは共振スキャナ21の速度変化に対応したSCLKが出力される(図3(g))。
【0059】
なお、比較器27では移相回路26から出力された差分信号のゼロクロス点を検出することでCYCLE信号を生成している(図3(f))が、Position信号の振幅がAGC回路24によって常に所定の大きさとなるように制御されているため差分信号の振幅も一定振幅となるので、この差分信号がゼロクロス点を横切るときの傾きがズームによって変化することはなく、従ってCYCLE信号に位相ずれは生じない。
【0060】
次に、F.B.Position信号の生成過程を説明する。
前述したように、カウンタ30は与えられた走査半周期分のクロック数カウント毎にそのアップダウンが入れ替わっている。仮にVCO29へ入力されるControl信号がレベル変化のない直流であったとすると、VCO29はある一定周波数のクロックを出力する。このとき、カウンタ30のカウント値の進み方は時間的に一定であり、所定数のカウントの度にアップダウンが入れ替わるので、D/Aコンバータ34の出力波形は三角波となる(図4(a))。つまり、VCO29とカウンタ30の組み合わせによってVCO29へのControl信号を積分する効果を持っている。
【0061】
従って、図2に示した場合のように、Control信号として余弦波状の信号が入力されるとVCO29の出力のSCLKは粗密波となり、カウンタ30のカウント値の進み方、即ちD/Aコンバータ34の出力波形は時間的に正弦波状に変動するものとなる(図4(b))。
【0062】
ここで、一例として、図5に示すように画像の有効期間NENを1024画素とし、走査に対する画像化効率を88%とすると、共振スキャナ21の半周期に対する全クロック数は1164、前側無効期間NL は70画索、後側無効期間NT (=NL )は70画素となる。これらの値を図示していない入力部により同期回路31へ設定したときには、同期回路31はVCO29によって得られたSCLKを上記の所定数だけ計数し、「0」と「1164」でU/D信号を切り換え、「70」から「1093」の期間にDE信号を出力するように構成する。
【0063】
つまり、このカウンタ30のカウント値は走査範囲及び画面内の画素位置にそのまま対応しているので、F.B.Position信号の電圧値は共振スキャナ21のPosition信号と同じく画面内の位置を表しており、VCO29がそれまで出力してきたSCLKの周波数変化によって描かれている。
【0064】
この信号が位置比較器25の入力に帰還されているので、共振スキャナ21のミラー位置変化に常に追従するようにVCO29へのControl信号が与えられていることになり、その結果VCO29は各画素位置間でのSCLKの周波数変化度を逐次補正しながら動作していることとなるので、画像歪みのないサンプリングクロックが生成されるのである。
【0065】
なお、前述した往復サンプリングを行う場合であっても、同じカウント値を通過するときは走査に対して同じ位置を示していることとなるから、アップカウント時とダウンカウント時とにおいて同一の画素位置でDE信号を生成すればよく、サンプリング位置のずれが生じることはない。
【0066】
但し、このままでは、Position信号への追従性は保証されるものの、VCO29へのControl信号の電圧値と出力されるSCLKの実際の周波数との対応が決まらない。つまり、共振スキャナ21の走査の各半周期内にちょうど上述の「1164」の全クロック数が出力されることを保証する必要がある。また、カウント値「0」及び「1164」の点では速度が0でなくてはならないので、Control信号のゼロ点、つまり前述したCYCLE信号とU/D信号との変化点が合致していなくてはならない。そのためには、Control信号に対するVCO29の感度を調節して、CYCLE信号とU/D信号の位相を合わせてやればよい。この様子について図6を用いて説明する。
【0067】
位相比較器32はCYCLE信号(図6(b))とU/D信号(図6(c))とを位相比較し、その差に応じた誤差信号を出力する(図6(d))。出力された誤差信号をLPF33に通して平滑化することでFRC信号(図6(e))が得られ、このFRC信号でVCO29の感度の調節を行う。
【0068】
VCO29の感度が変わるということは、同じControl信号電圧範囲に対する出力周波数範囲が変化するということになる。VCO29ではControl信号の形状に応じてSCLKの周波数が上昇及び下降する。VCO29の感度が高めであって且つControl信号の電圧差に対する周波数変化範囲が大きく与えられているときにはSCLKの周波数は高めとなり、共振スキャナ21の走査半周期に対し前述の1164個のSCLK計数時間、つまりU/D信号の位相を速くさせるように制御がされる。逆に、VCO29の感度が低めであって且つControl信号の電圧差に対する周波数変化範囲が小さく与えられているときにはSCLKの周波数が低めとなり、前述の1164個のSCLK計数時間、つまりU/D信号の位相を遅くさせるように制御がされる。位相比較器32は、このControl信号(CYCLE信号)とU/D信号とのずれがなくなるようにFRC信号を常に制御する。
【0069】
こうすることにより、共振スキャナ21の各半周期に対しControl信号の形状に応じて加減速する1164個のSCLKが出る時間が一致するように、VCO29へ与えられるFRC信号のレベルが調整されることになる。最終的にはVCO29の出力であるSCLKは共振スキャナ21の速度変化を反映した周波数変化を伴うクロックとなり、ミラー位置の変化量が等間隔となる位置及び時間でサンプリングクロックが発生することになる。
【0070】
なお、VCO29へのControl信号にノイズが混入した場合、それはSCLKの発生タイミングが変化することを意味するのでF.B.Position信号の波形に変化が現れる。この変化が現れると位置比較器25の働きによって位置の差分信号が直ちに変化し、後に続くSCLKのタイミングを微調整する帰還動作がかかる。これは共振スキャナ21の走査の半周期よりもずっと短い時間内で起こるので、ノイズの混入した画素付近が影響されるだけで済む。つまり、周期管理しか行われないときのようなエラーが継続的に保持されることによる半周期毎のU/D信号切り換えタイミングずれは起き難くなり、位相比較器32による複数走査周期にまたがる補正動作を誘発する可能性も低減する。
【0071】
このように、速度ループと位置ループを併せ持つことでより安定で確実なサンプリングクロックを発生させることができる。
以上に説明したように、VCO29で生成されるSCLKの周波数変化を、共振スキャナ21の位置信号とSCLKを使って内部で再生した位置信号との偏差を基準にして生じさせるようにしたので、各画素間での走査速度の変化が直接反映されるようになり、サンプリング位置ずれが起きなくなる。
【0072】
また、位相比較の基準になるCYCLE信号を、ズームを行っても共振スキャナ21の動作との位相ずれが生じないようにしたので、ズームに関わらず常に安定したサンプリングクロックが得られる。さらに、VCO29へのControl信号にノイズが混入しても再生位置信号に変化が現れるので直ちに帰還がかかり、耐性が向上する。
【0073】
なお、ここでは往復サンプリングの例で説明したが、同期回路31における有効画素期間信号の半周期側をマスクする、あるいは絶対値回路28において半波整流を行うと共にカウンタ30の動作を変更する等によって片側サンプリングを行うようにすることももちろん可能であり、さらに画像期間、有効画素数も変更可能である。
【0074】
また、図2に示すサンプリングクロック発生装置において、移相回路26を位置比較器25の出力に挿入する代わりに、位置比較器25のF.B.Position信号の入力側に挿入するようにしてもこの装置に所望の動作を行わせることは可能であり、更には、移相回路26を削除すると共に移相回路26に本来行わせるべき位相の調整を移相回路23に行わせるようにしてもこの装置に所望の動作を行わせることは可能である。なお、このような回路の変形は、後述する実施例2及び実施例3においても適用可能である。
【0075】
また、VCO29へのControl信号の電圧値と出力されるSCLKの実際の周波数との対応が予め保証されているのであれば、図2においてFRC信号を生成するための回路である、比較器27、位相比較器32及びLPF33を削除しても所望のクロックを得ることができる。
<実施例2>
図7は本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第二の例の構成を示している。図7において、図2に示した第一の例と同様の機能を有している構成要素には同一の符号を付している。
【0076】
以下、図7のうち、図2に示した構成と異なっている部分について説明する。
図7において、駆動回路22は、図2におけるものと同様に、共振スキャナ21に内蔵されている速度ピックアップコイルによるミラーの速度信号に基づいて自励発振を行い、フィードバック制御でその駆動振幅の制御を行うものであるが、更に共振スキャナ21の振動の速度を示している速度信号を出力する機能を有している。
【0077】
積分器40は共振スキャナ21のミラーの位置(状態)の検出を行うものであり、駆動回路22から出力される共振スキャナ21の速度信号を積分することによってそのミラーの位置を示す信号を生成して出力する。この信号は共振スキャナ21のミラー位置に対応した正弦波状の信号(ミラー位置信号)であり、移相回路23に入力される。
【0078】
また、絶対値回路28とVCO29の間には可変ゲイン回路41が挿入されており、LPF33の出力がゲイン制御信号(gain)として与えられている。
以上のような図7の構成においては、共振スキャナ21と駆動回路22との自励発振によって正弦波状の速度信号が駆動回路22から出力されると、積分器40がこれを積分することによって共振スキャナ21のミラー位置信号を生成する。こうして得られたミラー位置信号が移相回路23に入力されると、前述した実施例1と同様の動作が図7に示す残りの構成要素において行われ、その結果、SCLKがVCO29から出力される。
【0079】
なお、図7に示す構成では、VCO29へ印加されるControl信号の電圧値とその電圧値に応じて生成されるSCLKの実際の周波数との対応を次のようにして取っている。すなわち、比較器27からのCYCLE信号と同期回路31からのU/D信号との位相差を位相比較器32が検出するとその検出結果を示す信号が出力される。この信号はLPF33を通過させることによってgain信号となる。可変ゲイン回路41がこのgain信号を受け取ると、VCO29に与えられるControl信号の振幅を調整する。これによってVCO29から出力されるSCLKの周波数範囲が変更され、結果としてCYCLE信号とU/D信号の位相が合致した状態で安定するように動作する。
<実施例3>
図8は本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第三の例の構成を示している。図8において、図2に示した第一の例と同様の機能を有している構成要素には同一の符号を付している。なお、図8においては、ミラー位置信号(Position)を生成するための構成を示していないが、この構成は図2に示した第一の例におけるものでも図7に示した第二の例におけるものでもどちらでもよい。
【0080】
以下、図8のうち、図2に示した構成と異なっている部分について説明すると、図8においては、LPF33の出力がD/Aコンバータ34のリファレンス端子へと導かれている部分が異なっている。
図8に示す構成においては、VCO29へ印加されるControl信号の電圧値とその電圧値に応じて出力されるSCLKの実際の周波数との対応を次のようにして取っている。すなわち、比較器27から出力されるCYCLE信号と同期回路31から出力されるU/D信号との位相差を位相比較器32が検出するとその検出結果を示す信号が出力される。この信号はLPF33を通過させることによってVREF信号となる。D/Aコンバータ34はこのVREF信号を受け取るとその出力振幅を変更してF.B.Position信号の振幅の大きさを変化させる。その結果、位置比較器25での出力である差分信号の振幅が変化する。これはControl信号の振幅が変化していることなので、前述した実施例2と同様に、VCO29から出力されるSCLKの周波数範囲が変更され、結果としてCYCLE信号とU/D信号の位相が合致した状態で安定するように動作する。
【0081】
但し、位置比較器25の出力で振幅が変化するとCYCLE信号の位相ずれに影響するが、ここでの補正量は走査半周期でのクロック数の補正レベルであるので、ずれが生じるようなことにはならない。
その他、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の改良・変更が可能である。例えば、以上までに説明したもの以外にも、共振スキャナ21の位置信号が得られるような手段を講じ、その結果として得られた位置信号を移相回路23に入力すれば所望の動作が得られるので、位置信号の生成は別の方法で代替してもよい。また、それら複数の手段を選択できるような回路を設けてもよい。さらに、速度ループの調整方法についてもVCO29の出力周波数範囲が変化し、同期回路31でのU/D信号がCYCLE信号に合致するような制御であれば、他の方法でも構わない。
【0082】
また、本発明のサンプリングクロック発生装置内のVCO制御信号(Control)は、試料からの反射光・蛍光・透過光の光量測定を実施する場合にも有用である。試料上のレーザ光の移動は正弦波的な動きをしており、単位時間当たりの移動量が場所によって異なっている。すなわち、走査範囲内でピクセル毎のレーザ照射エネルギーが異なってしまうので、光量測定における条件が位置により変わってしまう。この問題は、サンプリングパルスを生成するVCO制御信号でレーザ照射パワーに変調をかけることで解決できる。つまり、速度の遅い走査両端ではパワーを弱くし、速度の速い走査中央ではパワーを強くすることでピクセル毎のレーザ照射エネルギーが等しくなるので、試料からの反射光・蛍光・透過光の正確な光量測定が実現できる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、試料に対して光を走査して得られる反射光、蛍光、若しくは透過光のサンプリングを行うためのクロックを本発明に係る装置若しくは方法により得るようにすることにより、走査を行う手段の動作パターンに常に追従しサンプリング位置のずれが生じなくなり、ノイズに対する耐性が向上し、走査を行う手段における光学ズーム等に起因する位相ずれが起きなくなる等の効果が得られる。
【0084】
また、本発明によれば、当該サンプリングクロックの発生のために必要以上の高速回路は不要となり、スキャナの走査範囲に対して任意の有効画素数を効率的に画像期間に割り当てることができ、サンプリングクロック発生回路に与える位置情報に精度とコストとを考慮した適当な組み合わせが選択できる等の効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する走査型レーザ顕微鏡の構成を示す図である。
【図2】本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第一の例の構成を示す図である。
【図3】図2に示すサンプリングクロック発生装置の各部の信号波形を示す図である。
【図4】F.B.Position信号の生成過程を説明する図である。
【図5】走査と画像化期間との対応関係の一例を示す図である。
【図6】VCOの感度調整を説明する図である。
【図7】本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第二の例の構成を示す図である。
【図8】本発明を実施するサンプリングクロック発生装置の第三の例の構成を示す図である。
【図9】サンプリングクロックのタイミングと走査位置との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 顕微鏡本体
2 コンピュータ
3 モニタ
4 2次元走査駆動制御回路
5 2次元走査機構
6 レーザ光源
7 ミラー
8 ハーフミラー
9 レボルバ
10 対物レンズ
11 試料
12 ステージ
13 レンズ
14 ピンホール板
15 光検出器
16 Z軸移動制御回路
17 顕微鏡入出力回路
18 制御回路
19 画像入力回路
21 共振スキャナ
22 駆動回路
23 移相回路
24 AGC回路
25 位置比較器
26 移相回路
27 比較器
28 絶対値回路
29 VCO
30 カウンタ
31 同期回路
32 位相比較器
33 LPF
34 D/A
35 レベルシフト回路
36 光源
37 位置検出素子
38 アンプ
40 積分器
41 可変ゲイン回路

Claims (13)

  1. 試料に対して光を走査して得られる反射光、蛍光、若しくは透過光のサンプリングを行うためのクロックを発生させる装置であって、
    前記光の走査において該光が照射している位置を示す信号である位置信号を取得する位置信号取得手段と、
    前記位置信号に追従させる信号であって位置を示すものである追従位置信号を生成する追従位置信号生成手段と、
    前記位置信号と前記追従位置信号との偏差に対応する信号である偏差信号を生成する偏差信号生成手段と、
    前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力する周波数可変発振手段と、
    を有し、
    前記追従位置信号生成手段は、前記周波数可変発振手段により出力されたサンプリングクロックに基づいて前記追従位置信号を生成する、
    ことを特徴とするサンプリングクロック発生装置。
  2. 前記位置信号生成手段は、前記光を反射若しくは屈折させる光学素子であって前記試料に対して該光の走査を行わせるために振動させる該光学素子の状態を示す情報より前記位置信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  3. 前記位置信号生成手段は、前記光学素子に入射させた光が該光学素子で反射して照射された位置を示す情報より前記位置信号を生成することを特徴とする請求項2に記載のサンプリングクロック発生装置。
  4. 前記周波数可変発振手段は、
    前記偏差信号の位相を所定のものへと変化させる第一の移相手段と、
    前記第一の移相手段によって位相が変化した偏差信号についての絶対値を示す信号を生成して出力する絶対値信号生成手段と、
    前記絶対値信号生成手段から出力された信号の電圧値に基づいた周波数の信号を発振させる電圧制御発振手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  5. 前記追従位置信号生成手段は、
    前記サンプリングクロックのクロックの数を計数する計数手段と、
    前記計数手段によって計数されたクロックの数に対応した信号を前記追従位置信号として生成する信号生成手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  6. 前記試料に対する光の走査では往復の走査が行われ、
    前記計数手段は、前記往復の走査における一方の方向の走査において昇順の計数が行われ、該往復の走査における他方の方向の走査において降順の計数が行われる、
    ことを特徴とする請求項5に記載のサンプリングクロック発生装置。
  7. 前記サンプリングクロックに同期している同期信号であって、該サンプリングクロックに従って行われた前記サンプリングのうちから前記試料における所定の範囲への前記光の照射に基づいて得られたものを識別する該同期信号を生成する同期信号生成手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  8. 前記位置信号の位相を調整して、前記走査における前記試料への前記光の照射から前記サンプリングクロックの発生までの間の時間遅延を吸収する第二の移相手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  9. 前記位置信号取得手段によって取得された位置信号の振幅を所定の大きさに調整する振幅調整手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  10. 前記偏差信号と前記追従位置信号との位相を比較する位相比較手段を更に有し、
    前記周波数可変発振手段は、前記偏差信号と該周波数可変発振手段によって発振させる信号の周波数との対応関係を、前記位相比較手段による比較結果に基づいて変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のサンプリングクロック発生装置。
  11. 試料に対して光を走査して得られる反射光、蛍光、若しくは透過光のサンプリングを行うためのクロックを発生させる方法であって、
    前記光の走査において該光が照射している位置を示す信号である位置信号を取得し、
    前記位置信号に追従させる信号であって位置を示すものである追従位置信号を生成し、
    前記位置信号と前記追従位置信号との偏差に対応する信号である偏差信号を生成し、
    前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させ、該信号をサンプリングクロックとして出力し、
    前記追従位置信号は、前記サンプリングクロックに基づいて生成される、
    ことを特徴とするサンプリングクロック発生方法。
  12. 前記位置信号は、前記光を反射若しくは屈折させる光学素子であって前記試料に対して該光の走査を行わせるために振動させる該光学素子の状態を示す情報より生成されることを特徴とする請求項11に記載のサンプリングクロック発生方法。
  13. 前記偏差信号に基づいた周波数の信号を発振させるために、
    前記偏差信号の位相を所定のものへと変化させ、
    位相を変化させた前記偏差信号についての絶対値を示す信号を生成し、
    生成された前記絶対値を示す信号の電圧値に基づいた周波数の信号を発振させる、
    ことを特徴とする請求項11に記載のサンプリングクロック発生方法。
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