JP2004015136A - 通信方法及び通信ネットワークシステム及び通信端末装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信端末Aより送信されたデータが受信端末Bで受信されるとともに、補助端末Cにおいても受信される。補助端末Cで受信された送信端末Aからのデータは、受信端末Bに対して送信され、受信端末Bで受信されなかった送信端末Aからのデータを補完するために利用される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の端末が通信回線を介して相互に通信を行う通信ネットワークシステムに関するもので、特に、中継経路として端末を利用して通信を行う通信ネットワークシステム及びこの通信ネットワークシステムにおける通信方法及び通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信技術やインターネットの発展により、企業や家庭内などさまざまな場所でLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークシステムが盛んに利用されている。この通信ネットワークシステムにおいては、送信端末と受信端末の1対1の直接通信では良好な品質の通信が行えない場合、従来から一般的に、中継端末を介して通信を行う中継通信技術がある。
【0003】
この中継端末を利用した中継通信では、良好な通信が行えるような中継経路となる中継端末を選定し、送信端末は、データを中継端末へ誤りなく送信できるように、送信端末と中継端末の1対1の直接通信を行う。その後、中継端末は送信端末からのデータを受信すると、この受信したデータを受信端末へと送信するために、送信端末と直接通信を行った時間又は周波数帯域と別時間又は別帯域で受信端末と直接通信を行う。
【0004】
このような中継端末を利用した通信ネットワークシステムが、特開平8−265321号公報や特開平8−274777号公報で提示されている。特開平8−265321号公報で提示されている無線LANシステムでは、送信端末から、中継端末として依頼を行う信号を中継端末の候補となる端末装置に送信し、この候補となる端末装置の受信状態を確認することによって、中継端末の設定を行う。よって、送信端末は、遮蔽物の有無に係わらず、受信端末に対して常に良質な通信を行うことが可能になる。
【0005】
又、特開平8−274777号公報で提示されている無線LAN通信システムでは、システム内の各端末間における直接的な通信の可否を確認するためのテーブルを生成し、該テーブルに基づいて通信を行う際に使用する中継端末となる端末を設定する。よって、システム内の端末を中継端末として利用することができるので、中継端末となる専用の装置を必要とせずに通信領域を拡大することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−265321号公報における無線LANシステムでは、送信端末との通信状態が良好な端末を中継端末として設定するため、受信端末との通信状態が良好となる端末を、中継端末候補として、送信端末に認識させる必要がある。又、特開平8−274777号公報においては中継端末の設定方法が詳細に述べられているが、送信端末と受信端末との間での通信については、中継端末を利用するものとしか記載されていない。
【0007】
この特開平8−265321号公報及び特開平8−274777号公報を含む中継端末を利用した従来の通信方法では、送信端末から受信端末に対して単一の通信経路を通じて受信端末に信号を送信するものである。以下、具体的な例を挙げてこれら従来の通信方法の動作を示す。送信端末と受信端末との間において、8パケット分の信号が送信されたとき、受信端末において5パケット分の信号を誤って受信するものとする。又、送信端末と中継端末との間においては、8パケット分の信号の内、1パケット分の信号が誤って受信されるものとし、受信端末と中継端末との間においては、8パケット分の信号の内、2パケット分の信号が誤って受信されるものとする。
【0008】
この場合、送信端末Xと受信端末Yとの間では、例えば、図24のような通信が行われる。即ち、まず、パケットP1〜P4が送信端末Xから受信端末Yに送信されると、受信端末Yでは、パケットP2,P4のみを正しく受信し、このことを示すACK(受信完了信号)を送信端末Xに送信する。よって、送信端末Xでは、パケットP1,P3が誤って受信されていることが確認されるため、パケットP1,P3,P5,P6を送信する。
【0009】
このとき、受信端末YでパケットP1のみが正しく受信され、このことを示すACKが送信端末Xに送信される。このように、本来8パケット分の信号が送信される2回の送信動作によってパケットP1〜P6が送信されても、P1,P2,P4の3パケット分しか受信されない。よって、図24のように、通信環境が悪いとき、例えば、図25のように、中継端末Zが利用される。
【0010】
図25では、まず、パケットP1〜P4が送信端末Xから中継端末Zに送信されると、中継端末Zでは、全てを正しく受信し、このことを示すACKを送信端末Xに送信する。そして、中継端末Zで受信したパケットP1〜P4が受信端末Yに送信される。このとき、受信端末Yでは、パケットP1,P3,P4を正しく受信し、このことを示すACKを中継端末Zに送信する。よって、中継端末Zでは、受信端末YでパケットP2が誤って受信されていることを確認する。
【0011】
次に、送信端末Xから、パケットP5〜P8が送信端末Xから中継端末Zに送信される。このとき、中継端末Zでは、パケットP6〜P8を正しく受信し、このことを示すACKを送信端末Xに送信する。そして、中継端末Zにおいて、パケットP2が受信端末Yで正しく受信されていないことが確認されているので、パケットP6〜P8とともにパケットP2が受信端末Yに送信される。このとき、受信端末Yでは、パケットP2,P6,P7を正しく受信し、このことを示すACKを中継端末Zに送信する。
【0012】
よって、中継端末Zが利用されることで、受信端末Yにおいて、P1〜P4,P6,P7の6パケットが正しく受信されることがわかる。即ち、本来8パケット分の信号が送信される2回の送信動作によってパケットP1〜P8が送信されても、P1〜P4,P6,P7の6パケット分しか受信されない。このように、通信エラーの発生率が低い中継端末と送信端末との間の通信路及び中継端末と受信端末との間の通信路を利用して通信を行っても、それぞれの通信路によって発生する通信エラーが影響し、効率的な通信を行うことができない。
【0013】
又、従来の技術として、送信端末と複数の受信端末とによる1対多の通信を行うマルチキャスト通信がある。このマルチキャスト通信を用いれば、各受信端末とそれぞれ複数回通信を行うことなく、同時刻に同データを送信することが可能である。しかしながら、このマルチキャスト通信においては、その特性から再送制御は行われず、品質に対して何の補償もないという課題がある。
【0014】
このような問題を鑑み、本発明は、送信装置からの再送される送信量を減少させるとともに受信端末までの良好な通信路を確保するための通信方法及び通信ネットワークシステム及びこの通信ネットワークシステムにおける通信端末装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の通信方法は、送信端末と複数の受信端末より構成される通信ネットワークシステム内で、前記送信端末から前記受信端末へデータが送信される際の通信方法において、前記複数の受信端末の一つである第1受信端末が前記送信端末からのデータを受信する際、前記第1受信端末以外の受信端末を前記第1受信端末に対する補助端末として設定した後、前記送信端末から送信されるデータが前記第1受信端末及び前記補助端末で受信され、前記補助端末で正しく受信された前記送信端末からのデータが前記第1受信端末に送信されることを特徴とする。
【0016】
このとき、第1受信端末は、送信端末からのデータを直接受信するとともに、補助端末が送信端末から受信した後に送信されるデータを受信する。よって、第1受信端末では、第1受信端末自身が受信不可能であったデータを、補助端末を通じて受信することができる。又、補助端末を通じて受信不可能であったデータを受信する可能性もある。
【0017】
このような通信方法において、前記第1受信端末が受信できなかったデータを前記補助端末装置に通知する通知信号を送信した後、前記補助端末が、受信した前記通知信号に基づいて、前記第1受信端末で受信されなかったデータを認識し、前記第1受信端末で受信されなかったデータのうち前記補助端末で正しく受信されたデータを、前記第1受信端末に送信するようにしても構わない。更に、このとき、前記通知信号を、受信したデータを示すACK信号としてもよい。
【0018】
このように構成することによって、第1受信端末が受信できなかったデータを補助端末が通知信号を受信することによって確認することができる。よって、補助端末は、第1受信端末に対して、受信できなかったデータのみを送信すればよく、その利用帯域を狭めることができる。
【0019】
又、上述の通信方法において、前記第1受信端末において、受信した前記送信端末からのデータと前記補助端末からのデータの集合和をとることで得たデータを、前記送信端末からの受信データとする。
【0020】
又、前記第1受信端末が、前記第1受信端末で集合和をとることで得た受信データに基づいて、前記送信端末に再送要求する最終的に前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第1再送要求信号を生成し、該第1再送要求信号を前記送信端末に送信するようにしても構わない。このとき、この第1再送要求信号が直接送信端末に送信されても構わないし、補助端末を介して送信されても構わない。
【0021】
このようにすることで、送信端末は、第1受信端末で受信されなかったデータを第1再送要求信号によって確認して、この第1受信端末で受信されなかったデータを再送することができる。
【0022】
又、前記第1受信端末が、前記送信端末に再送要求する前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第2再送要求信号を生成して、該第2再送要求信号を前記送信端末に送信するとともに、前記補助端末が、前記送信端末に再送要求する前記補助端末で受信できなかったデータを通知する第3再送要求信号を生成して、該第3再送要求信号を前記送信端末に送信し、前記第2及び第3再送要求信号を受信した前記送信端末が、前記第2及び第3再送要求信号に基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されなかったデータを再送するようにしても構わない。
【0023】
このようにすることで、第2及び第3再送要求信号を第1受信端末及び補助端末それぞれから受信した送信端末は、第2及び第3再送要求信号をACK信号としたとき、その集合和をとることによって、第1受信端末及び補助端末のいずれかで受信されたデータを確認することができる。よって、第1受信端末及び補助端末のいずれの端末においても受信されなかったデータを読み出して、送信することができる。
【0024】
又、前記補助端末が、再送要求する前記補助端末で受信できなかったデータを通知する第3再送要求信号を生成して、該第3再送要求信号を前記第1受信端末に送信し、前記補助端末からの前記第3再送要求信号を受信した前記第1受信端末は、前記第1受信端末で受信したデータと前記補助端末からの前記第3再送要求信号とに基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されず前記送信端末に再送要求するデータを通知する第4再送要求信号を生成し、該第4再送要求信号を前記送信端末に送信するようにしても構わない。
【0025】
このようにすることで、第1受信端末において生成された第4再送要求信号を受信した送信端末は、この第4再送要求信号より、第1受信端末及び補助端末のいずれにおいても受信されず再送要求するデータを確認することができる。尚、第4再送要求信号をACK信号とするとき、第1受信端末は、補助端末からのACK信号を受信し、このACK信号より確認される補助端末が受信したデータと、第1受信端末が受信したデータとの集合和をとり、この集合和に基づく第1受信端末及び補助端末のいずれかで受信されたデータを示すACK信号を第4再送要求信号として送信する。
【0026】
又、前記第1受信端末が、再送要求する前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第2再送要求信号を生成して、該第2再送要求信号を前記補助端末に送信し、前記第1受信端末からの前記第2再送要求信号を受信した前記補助端末は、前記補助端末で受信したデータと前記第1受信端末からの前記第2再送要求信号とに基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されず前記送信端末に再送要求するデータを通知する第5再送要求信号を生成し、該第5再送要求信号を前記送信端末に送信する。
【0027】
このようにすることで、補助端末において生成された第5再送要求信号を受信した送信端末は、この第5再送要求信号より、第1受信端末及び補助端末のいずれにおいても受信されず再送要求するデータを確認することができる。尚、第5再送要求信号をACK信号とするとき、まず、補助端末は、第1受信端末からのACK信号を受信し、このACK信号より確認される第1受信端末が受信したデータと、補助端末が受信したデータとの集合和をとる。そして、この集合和に既に第1受信端末に送信したデータがある場合は、そのデータを除去した集合和を、又、第1受信端末に送信したデータがない場合は、そのデータを、それぞれ、forward ACK信号である第5再送要求信号として送信端末に送信する。
【0028】
本発明の通信方法は、送信端末と複数の受信端末より構成される通信ネットワークシステム内で、前記送信端末から前記受信端末へデータが送信される際の通信方法において、前記複数の受信端末の一つである第1及び第2受信端末が前記送信端末からのデータを受信する際、前記第1受信端末が正しく受信した前記送信端末からのデータを前記第2受信端末に送信し、前記第2受信端末が正しく受信した前記送信端末からのデータを前記第1受信端末に送信することを特徴とする。
【0029】
即ち、送信装置から複数の受信端末に対してマルチキャスト送信が成されるとき、送信装置からのデータを受信した複数の受信端末は、相互にそれぞれの受信端末の補助端末として動作し、相互に受信したデータを送受信することによって、受信できなかったデータの補完を行う。
【0030】
このとき、前記第1受信端末が、前記第2受信端末から送信されたデータを受信したとき、当該第2受信端末から送信されたデータと前記第1受信端末が正しく受信した前記送信端末から送信されたデータとに基づいて、前記送信端末から送信されたデータのうち前記第2受信端末が正しく受信できなかった不足データを認識し、当該不足データを前記第2受信端末に送信する。
【0031】
又、前記第1受信端末が受信できなかったデータを前記第2受信端末装置に通知する第1通知信号を送信した後、前記第2受信端末が、受信した前記第1通知信号に基づいて、前記第1受信端末で受信されなかったデータを認識し、前記第1受信端末で受信されなかったデータのうち前記第2受信端末で正しく受信されたデータと、前記第2受信端末が受信できなかったデータを前記第1受信端末装置に通知する第2通知信号とを、前記第1受信端末に送信し、前記第1受信端末が、受信した前記第2通知信号に基づいて、前記第2受信端末で受信されなかったデータを認識し、前記第2受信端末で受信されなかったデータのうち前記第1受信端末で正しく受信されたデータを、前記第2受信端末に送信するようにしても構わない。更に、前記通知信号を、受信したデータを示すACK信号としても構わない。
【0032】
又、本発明の通信ネットワークシステムは、送信端末と複数の受信端末とによって構成される通信ネットワークシステムにおいて、上述のいずれかに記載の通信方法を利用して、前記送信端末から前記受信端末にデータが送信されることを特徴とする。
【0033】
このような通信ネットワークシステムにおいて、前記通信ネットワークシステム内のいずれかの端末が、前記送信端末と前記受信端末との間の通信路状態を測定し、当該通信路状態が劣化したときに、モード移行用の信号の送受信等によって前記送信端末と前記受信端末との間で通信が行われる通信補助モードに移行する。このとき、各端末間の通信における受信電界強度やデータ誤り率や再送回数などによって、通信路状態が確認される。
【0034】
又、本発明の通信端末装置は、上述の通信ネットワークシステムにおける送信端末又は受信端末としての機能を備えることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
1.補助端末を利用した通信ネットワークシステム
まず、以下の第1〜第7の実施形態で共通とされる通信ネットワークシステムの構成について、図面を参照して説明する。図1は、通信ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。又、図2は、図1の通信ネットワークシステムに利用される端末の内部構成を示すブロック図である。尚、以下では、図1の通信ネットワークシステムのように、映像データが各端末間で通信されるのを例に挙げて説明する。
【0036】
図1の通信ネットワークシステムは、テレビや映画等の映像データを管理するホームサーバPと接続されるとともにホームサーバPから入力されるデータを送信する送信端末Aと、送信端末Aからのデータを受信する受信端末B,Cとで構成される。又、受信端末B,Cで受信されたデータは、ディスプレイQ,Rに出力され、このデータがディスプレイQ,Rで処理されて映像が再生出力される。図1(a)においては、送信端末Aはデータを受信端末Bに送信し、受信端末Bが送信端末Aから送信されたデータを受信する。このとき、受信端末Bは、正しく受信できたデータに対してACK信号を送信端末Aに送信する。
【0037】
そして、送信端末AがこのACKを受信することで、受信端末Bが正しく受信したデータを判断し、受信端末Bで誤って受信されたデータを再送する。又、このように送信端末Aと受信端末Bの1対1の送受信が行われている状態において、受信端末Cが補助端末として、受信端末Cと送信端末A間の通信路状態及び受信端末Cと受信端末B間の通信路状態を確認することもできる。尚、以下において、受信端末Cは、補助端末として動作するため、補助端末Cとする。
【0038】
図1(a)のように通信が行われているときに、図1(b)のように、送信端末Aと受信端末B間の通信路状態が遮蔽物Kなどにより悪化し、送信端末Aと補助端末C間の通信路状態および受信端末Bと補助端末C間の通信路状態は良好であるものとする。以下では、受信端末Bの通信路状態の悪化を例にとって説明するが、通信路状態は時々刻々と変化するものであり、通信路状態の悪化は受信端末Bのみに限るものではない。又、本発明は、通信路状態が悪化しない場合においても適応できる。
【0039】
このような通信ネットワークシステムにおける、送信端末A及び受信端末B及び補助端末Cは、図2のような構成となる。図2の端末は、例えば、ホームサーバPから入力されたデータが入力される送信データ入力部1と、送信データ入力部1に入力されたデータを内部のバッファ3に格納する送信データ処理部2と、送信データ処理部2で符号化されたデータを変調するとともにデータをマルチキャスト送信できる機能を有する送信部4と、送信部4で変調されたデータを送信する送信アンテナ5とを、送信側のブロックとして備える。
【0040】
又、図2の端末は、受信側のブロックとして、データを受信する受信アンテナ14と、受信アンテナ14で受信したデータを復調する受信部13と、受信部13で復調されたデータを復号化して内部のバッファ12に格納する受信データ処理部11と、受信データ処理部11で復号化されたデータをディスプレイQ,Rに出力する受信データ出力部10とを、備える。受信データ処理部11は、必要に応じて新たに獲得した受信データの集合和をとる。
【0041】
又、図2の端末は、IEEE802.11で規定された通信プロトコルに従って通信制御を行う通信制御部6を備え、この通信制御部6内において、全体を制御するCPU7と、通信制御動作を行うためのプログラムを記録した記録媒体8及びメモリ9とを有する。
【0042】
尚、以下の各実施形態において、送信端末Aに備えられたブロックに対する符号については符号にAを、受信端末B,D,Eに備えられたブロックに対する符号については符号にB,D,Eを、補助端末Cに備えられたブロックに対する符号については符号にCを、それぞれ付加して説明する。又、以下において、補助端末を用いた通信状態を通信補助モードと呼ぶこととする。
【0043】
次に、通常の送受信端末間の通信状態から通信補助モードへの変更の際における補助端末の選定方法について、以下に説明する。
【0044】
<補助端末の選定方法の第1例>
以下に、送信端末Aが補助端末Cを選定する方法の一例を、図3を参照して説明する。図3は、通常の送受信端末間の通信状態から通信補助モードへの変更の際の動作を示すフローチャートである。
【0045】
送信端末Aと受信端末B間で通常の直接通信を行っているとき(S101)、ある一定の周期で例えば誤り率や再送回数、受信電界強度等の受信端末Bとの通信路状態をCPU7Aにより確認する(S102)。このとき、確認された受信端末Bとの通信路状態をメモリ9Aに記録するとともに、このメモリ9Aに記録された通信路状態である通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数以上となったか否かが確認される(S103)。
【0046】
尚、この通信品質が所定の閾値を越えたか否かは、誤り率が所定値以上となったか、又は、再送回数が所定回数となったか、又は、受信電界強度が所定値以下となったかで判断される。そして、通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数を満たなかった場合は(No)、再度、S102で受信端末Bとの通信品質がCPU7Aで確認される。
【0047】
又、S103において、受信端末Bとの通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数以上となる場合(Yes)、送信端末Aは補助端末Cを検索するために通信補助依頼信号を送信データ処理部2Aで生成した後に送信部4Aから送信する(S104)。ここで、通信補助依頼信号には送信端末A及び受信端末Bそれぞれの個々の情報となるアドレス等の端末情報及び送信端末Aと受信端末B間の通信路状態が含まれる。
【0048】
又、送信端末A及び受信端末BがS101のように通常の送受信を行っている間、端末Cでは、送信端末Aと自端末間の通信路状態及び受信端末Bと自端末間の通信路状態のそれぞれを確認し、メモリ9Cに格納する(S105)。このとき、端末Cは各端末との通信路状態を確認するための信号を送信し、各端末から応答信号を受信することによって送信端末A及び受信端末Bそれぞれとの通信路状態を確認する。
【0049】
そして、S104で送信端末Aより送信された通信補助依頼信号を端末Cが受信すると、端末Cが通信補助依頼信号を受信するまでの送信端末A及び受信端末Bそれぞれとの通信品質をメモリ9Cより読み出す(S106)。その後、CPU7Cにおいて、この読み出した通信品質と通信補助依頼信号の受信電界強度及び送信端末Aと受信端末Bとの通信品質等とから、通信補助が可能であるか否かを判断する(S107)。
【0050】
このとき、通信補助が可能であると判断すると(Yes)、通信可能であることを示す通信補助可能信号を送信データ処理部2Cで生成した後、送信部4Cから送信する(S110)。又、通信補助が不可能であると判断すると(No)、通信補助不可信号を送信部4Cから送信する(S108)。尚、通信補助が不可能であると判断するとき、何も送信しなくてもよい。又、通信補助可能信号には、送信端末A及び受信端末Bとの通信に対する受信電界強度やデータ誤り率等の補助候補端末での受信情報が含まれる。
【0051】
又、送信端末Aにおいて、送信端末A又は受信端末B以外の端末からの補助候補となる通信補助可能信号或いは通信補助不可信号を受信部13Aにより受信する(S109,S112)。このとき、端末Cを含む複数の端末からの通信補助可能信号が送信されると(S110,S111)、送信端末Aが受信部13Aで受信した通信補助可能信号を送信した端末をCPU7Aで確認して、すべてメモリ9Aに格納する(S112)。
【0052】
そして、CPU7Aにおいて、メモリ9Aに格納した端末の通信補助可能信号に含まれる受信情報より、最良と判断した端末を補助端末として選定する(S113)。このとき、通信補助可能信号により送信端末Aと受信端末Bそれぞれとの通信品質が最良のものであると判断された端末を、補助端末として選定する。その後、通信補助モードへ移行し、補助端末Cを用いた送受信を開始する(S114)。
【0053】
尚、端末Cは通信補助依頼信号を受信してから、その後、各端末との通信路状態を確認するための信号を送信し、通信端末A及び受信端末Bそれぞれとの通信路状態を確認し、通信補助が可能であるか否かを判断しても構わない。
【0054】
<補助端末の選定方法の第2例>
以下に、送信端末Aが補助端末Cを選定する方法の別の例を、図4を参照して説明する。図4は、通常の送受信端末間の通信状態から通信補助モードへの変更の際の動作を示すフローチャートである。
【0055】
本例において、図4のように、送信端末Aと受信端末B間で通常の直接通信が行われているとき(S201)、端末Cにおいて、送信端末Aから受信端末Bへのデータの再送回数等といった送信端末Aと受信端末B間の通信路状態と送信端末A及び受信端末Bそれぞれに対する通信路状態とがCPU7Cで確認される(S202)。このとき、確認された送信端末Aと受信端末B間の通信路状態及び送信端末A及び受信端末Bそれぞれに対する通信路状態は、メモリ9Cに格納される。
【0056】
そして、メモリ9Cに格納された送信端末Aと受信端末B間の通信路状態である通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数以上となったか否かがCPU7Cによって確認される(S203)。このとき、送信端末Aと受信端末B間の通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数に満たなかった場合(No)、S202に移行して、送信端末Aと受信端末B間の通信路状態が確認される。又、送信端末Aと受信端末B間の通信品質が所定の閾値を越えた回数が所定回数以上となった場合(Yes)、端末C自体が通信補助可能か否かCPU7Cで判断する(S204)。
【0057】
S204において、送信端末A及び受信端末Bそれぞれとの通信品質を確認したとき、通信補助が可能であると判断したとき(Yes)、通信補助可能信号を送信端末Aに送信する(S205)。又、通信補助が不可能であると判断したときは(No)、S202に移行して、送信端末Aと受信端末B間の通信路状態が確認される。S205で端末Cより送信端末Aに通信補助可能信号が送信されると、この通信補助可能信号を送信端末Aはそれを受信する(S206)。
【0058】
このように、送信端末Aが受信端末Bと直接通信を行っているときに、S206で初めて通信補助可能信号を受信すると、所定時間、他の端末からの通信補助可能信号の送信を確認する(S208)。このとき、S205及びS207で端末C及び他の端末から通信補助可能信号が送信されると、S206及びS208において、初めて通信補助可能信号を受信してから所定時間経過するまでに受信した通信補助可能信号に含まれる補助候補端末の受信情報が、CPU7Aで確認されてメモリ9Aに格納される。
【0059】
そして、CPU7Aにおいて、メモリ9Aに格納した端末の通信補助可能信号に含まれる受信情報より、最良と判断した端末を補助端末として選定する(S209)。このとき、通信補助可能信号により送信端末Aと受信端末Bそれぞれとの通信品質が最良のものであると判断された端末を、補助端末として選定する。その後、通信補助モードへ移行し、補助端末Cを用いた送受信を開始する(S210)。
【0060】
上述のようにして、補助通信モードへ移行した送信端末Aは、データを受信端末Bだけでなく補助端末Cに対しても送信するように、送信部4Aによりマルチキャスト送信が行われる。このときマルチキャスト通信が行われるため、受信端末Bのみにデータを送信する時と帯域の使用状態は変わらない。
【0061】
尚、上述の第1例及び第2例では、送信端末Aが補助端末Cを検索し、補助通信モードへ移行するものとしたが、送信端末Aの代わりに受信端末Bが上記の手順と同様の動作を行うことにより補助端末Cを検索し、補助通信モードへ移行するようにしてもよい。又、第1例において、通信補助依頼信号を送信する端末について、予めユーザレベル等で定めておくようにしてもよい。
【0062】
以下、上述のような構成の通信ネットワークシステムの各実施形態について説明する。
【0063】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図5は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。
【0064】
本実施形態では、図5に示すように、送信端末Aは、受信端末Bと補助端末Cとに対して、送信部4Aからデータのマルチキャスト送信を行う(S301)。受信端末B及び補助端末Cはそれぞれ、送信端末Aから送信されるデータを、受信部13B,13Cによって受信して復調すると、受信データ処理部11B,11Cで復号化した後にバッファ12B,12Cに格納する(S302、S303)。
【0065】
その後、補助端末Cは受信した後にバッファ12Cに格納したデータを全て読み出して、送信データ処理部2Cで符号化した後、送信部4Cで変調して受信端末Bに送信する(S304)。受信端末Bは、補助端末Cより送信されたデータを受信部13Bで受信して受信データ処理部11Bで復号化する(S305)。そして、この受信したデータとS302で送信端末Aから受信しバッファ12Bに格納しておいたデータとの集合和をとり、受信データ出力部10BよりディスプレイQに出力する(S306)。
【0066】
このように動作することによって、例えば、図6のように、送信端末AからパケットPa〜Pdの4パケットのデータがマルチキャスト送信されたとき、受信端末BにおいてパケットPb,Pdが正しく受信され、補助端末Cにおいて全てのパケットが正しく受信されたものとする。このとき、受信端末Bのバッファ12BにパケットPb,Pdが、補助端末Cのバッファ12CにパケットPa〜Pdが、それぞれ格納される。
【0067】
そして、補助端末Cのバッファ12Cに格納されたパケットPa〜Pdが読み出されると、送信データ処理部2Cに与えられた後に送信部4Cより受信端末Bへ送信される。この補助端末Cから送信されたデータのうちパケットPa,Pc,Pdが、受信端末Bにおいて受信部13Bで正しく受信されると、受信データ処理部11Bにおいて、この受信されたデータを復号化して得られたパケットPa,Pc,Pdとバッファ12Bに格納されたパケットPb,Pdとの集合和をとる。
【0068】
このように、受信端末Bの受信データ処理部11Bにおいて集合和をとることで、パケットPa〜Pdのデータが得られる。この受信データ処理部11Bにおいて得られたパケットPa〜Pdは、受信データ出力部10BよりディスプレイQに対して出力され、このパケットPa〜Pdによる映像が再生出力される。
【0069】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図7は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図7のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0070】
本実施形態では、図7に示すように、第1の実施形態と同様、送信端末Aは受信端末Bと補助端末Cにデータをマルチキャスト送信し、このデータが受信端末B及び補助端末Cによって受信されると、正しく受信されたデータがバッファ12B,12Cに格納される(S301〜S303)。そして、受信端末Bにおいて、受信したデータ全てが正しく受信されたか否かがCPU7Bにおいて確認される(S401)。
【0071】
このとき、データ全てが正しく受信されなかったことがCPU7Bにより判断されると(No)、送信データ処理部2Bにおいて再送要求信号が生成されて送信部4Bより補助端末Cに送信される(S402)。又、全てのデータが正しく受信されたときは(Yes)、受信端末Bは、次のデータを受信するために待機し、所定時間経過後、送信端末A及び受信端末B及び補助端末Cの間でS301〜S303の動作が行われる。
【0072】
又、補助端末Cは、受信端末BがS402で送信した再送要求信号を受信すると(S403)、この受信した再送要求信号をCPU7Cで確認し、バッファ12Cに格納したデータを受信端末Bに送信する(S304)。又、データの受信後所定時間経過するまでに、受信端末Bからの再送要求信号を受信しなかった場合は、補助端末Cにおいて、現在受信してバッファ12Cに格納したデータに対する再送要求がなかったものと判断して、バッファ12Cから削除する。
【0073】
補助端末CからS304のようにデータが受信端末Bに対して送信されると、第1の実施形態と同様、受信端末Bにおいて、補助端末Cからのデータが受信されて(S305)、この受信したデータとS302でバッファ12Bに格納したデータとの集合和がとられて、ディスプレイQに出力される(S306)。
【0074】
よって、図6のような場合、受信端末Bでは、送信端末Aより送信されたパケットPa〜PdのうちパケットPb,Pdのみが正しく受信されるので、補助端末Cに対して、再送要求信号を送信する。そして、再送要求信号を受信した補助端末Cは、第1の実施形態と同様、正しく受信してバッファ12Cに格納したパケットPa〜Pdを受信端末Bに送信する。よって、受信端末Bで、パケットPa,Pc,Pdを正しく受信することができるので、受信データ処理部11Bで集合和をとることで、パケットPa〜Pd全てのデータが得られる。
【0075】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図8は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図8のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0076】
本実施形態では、図8に示すように、送信端末Aからマルチキャスト送信されたデータが、受信端末B及び補助端末Cで受信される(S301〜S303)。そして、受信端末Bでは、CPU7Bにおいて、正しく受信したデータが確認され、正しく受信したデータを示すACK信号を生成して、送信部4Bより補助端末Cに送信する(S501)。補助端末Cは、受信部13Cで受信端末BからのACK信号を受信すると(S502)、このACK信号によって受信端末Bで正しく受信されたデータをCPU7Cで確認する(S503)。
【0077】
補助端末CはS303で受信しバッファ12Cに格納したデータの内、受信端末BからACK信号により確認される誤って受信されたデータのみを読み出して、送信部4Cから受信端末Bに送信する(S504)。受信端末Bは、補助端末Cからのデータを受信し(S305)、この受信したデータとS302でバッファ12Bに格納したデータとの集合和をとって、ディスプレイQに出力する(S306)。
【0078】
このように動作することによって、図9のように、送信端末AからパケットPa〜Pdが送信されるとき、受信端末BでパケットPb,Pdが、補助端末CでパケットPa〜Pdが、それぞれ受信されると、送信端末AよりパケットPb,Pdを正しく受信したことを示すACK信号を補助端末Cに送信する。補助端末Cでは、受信部13Cで受信したACK信号より、受信端末BにおいてパケットPa,Pcが誤って受信されたことがCPU7Cで確認される。
【0079】
よって、補助端末Cのバッファ12Cに格納されたパケットPa〜PdのうちパケットPa,Pcが送CPU7Cによって読み出されて、送信部4Cより受信端末Bに送信される。このとき、図9のように、受信端末Bで、パケットPa,Pcを正しく受信することができると、受信データ処理部11Bで集合和をとることで、パケットPa〜Pd全てのデータが得られる。
【0080】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図10のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0081】
本実施形態では、図10に示すように、第1の実施形態と同様、送信端末Aよりマルチキャスト送信されたデータを受信端末Bと補助端末Cが受信する(S301〜S303)。そして、受信端末Bにおいて正しく受信したデータを示すACK信号をCPU7Bで生成した後に、送信部4Bより送信端末Aに送信する(S601)。又、補助端末Cにおいて正しく受信したデータを示すACK信号をCPU7Cで生成した後に、送信部4Cより送信端末Aに送信する(S603)。
【0082】
送信端末Aでは、受信部13Aにおいて、受信端末BからのACK信号を受信した後(S602)、補助端末CからのACK信号を受信する(S604)。そして、受信データ処理部11Aによって、受信端末B及び補助端末CそれぞれからのACK信号の集合和をとることで、受信端末B及び補助端末Cの少なくともいずれか正しく受信されたか否かをCPU7Aにより判断する(S605)。
【0083】
このように、送信端末AにおいてACK信号が受信されて、受信端末B及び補助端末Cそれぞれでの受信状況が確認されている間、補助端末Cによって、バッファ12Cに格納した正しく受信されたデータが読み出されて、受信部13Cより送信される(S304)。受信端末Bは、補助端末Cからのデータを受信し(S305)、この受信したデータとS302でバッファ12Bに格納したデータとの集合和をとって、ディスプレイQに出力する(S306)。
【0084】
又、送信端末Aにおいて、S605で受信端末B及び補助端末CそれぞれからのACK信号の集合和をとることで、送信端末B及び補助端末Cいずれにおいても正しく受信できていないデータを確認する。そして、この正しく受信されていないデータが次に送信するデータとともにバッファ3Aより読み出され、送信部4Aより受信端末B及び補助端末Cそれぞれへマルチキャスト送信される(S606)。
【0085】
このように動作することによって、例えば、図11のように、送信端末AからパケットPa〜Pdが送信されるとき、受信端末BでパケットPb,Pdが、補助端末CでパケットPa,Pb,Pdが、それぞれ正しく受信されたとする。このとき、受信端末BからパケットPb,Pdを正しく受信したこと示すACK信号が、補助端末CからパケットPa,Pb,Pdを正しく受信したこと示すACK信号が、それぞれ送信端末Aに送信される。そして、パケットPa,Pb,Pdが、補助端末Cから受信端末Bに送信され、受信端末Bで全て受信されたとする。
【0086】
又、送信端末Aにおいて、受信端末B及び補助端末CそれぞれからのACK信号を受信すると、このACK信号の集合和を受信データ処理部11Aで求めることによって、CPU7Aにおいて、パケットPa,Pb,Pdが受信端末B及び補助端末Cのいずれかで正しく受信されたことが確認される。よって、送信端末Aにおいて、バッファ3Aより次に送信するパケットPe〜PgとともにパケットPcが読み出されて、送信部4Aから受信端末B及び補助端末Cそれぞれへマルチキャスト送信される。
【0087】
そして、受信端末BがパケットPeを、補助端末CがパケットPc,Pf,Pgを、それぞれ受信したとする。このとき、受信端末BからパケットPeを正しく受信したこと示すACK信号が、補助端末CからパケットPc,Pf,Pgを正しく受信したこと示すACK信号が、それぞれ送信端末Aに送信される。よって、送信端末Aにおいて、受信端末B及び補助端末CそれぞれからのACK信号の集合和を求めることによって、パケットPc,Pe〜Pgの全てが受信端末B及び補助端末Cのいずれかで受信されたことが確認される。
【0088】
その後、補助端末CからパケットPc,Pf,Pgが送信されて、受信端末Bにおいて補助端末CからのパケットPc,Pf,Pgが正しく受信されたとすると、CPU7Bで集合和をとることによって、パケットPc,Pe〜Pgが正しく受信されたこととなる。
【0089】
本実施形態では、第1の実施形態のように動作して、補助端末Cで受信されたデータが受信端末Bに送信されるものとしているが、第2又は第3の実施形態のように動作して、補助端末Cで受信されたデータが受信端末Bに送信されるものとしても構わない。このとき、例えば、第3の実施形態のように動作する場合、図10のS604において、受信端末BからのACK信号が、送信端末Aだけでなく補助端末Cにも送信されるようにすることで、補助端末Cから受信端末Bで正しく受信されなかったデータを送信することができる。
【0090】
又、補助端末Cから受信端末Bに送信されるデータが、送信端末AにACK信号が送信された後に送信されるものとしたが、補助端末Cからデータが受信端末Bに送信され、受信端末Bで集合和がとられた後に、受信端末B及び補助端末CそれぞれがACK信号を送信するようにしても構わない。このとき、受信端末Bからは、受信端末Bで取った集合和に基づくACK信号が送信される。
【0091】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図12のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0092】
本実施形態では、図12に示すように、まず、送信端末Aよりマルチキャスト送信されたデータを受信端末B及び補助端末Cが受信した後、補助端末Cで受信されたデータが受信端末Bに送信され、受信端末Bにおいて送信端末Aからのデータと補助端末Cからのデータとの集合和がとられる(S301〜S306)。その後、補助端末Cは正しく受信したデータに対するACK信号をCPU7Cにより生成して、送信部4Cから受信端末Bに送信する(S701)。受信端末Bは、このACK信号を受信部13Bで受信すると(S702)、このACK信号により補助端末Cが正しく受信したデータを、受信データ処理部11Bで確認する。
【0093】
そして、このACK信号より確認される補助端末Cが正しく受信したデータとS306で集合和をとることによって送信端末Bが正しく受信したデータとの集合和より、送信端末B及び補助端末Cのいずれかで正しく受信されたデータに対するACK信号をCPU7Bで生成する(S703)。このようにして生成したACK信号を、送信部4Bより送信端末Aに送信する(S704)。
【0094】
送信端末Aは、この受信端末BからのACK信号を受信部13Aで受信すると(S705)、CPU7Aにおいて、このACK信号により受信端末B及び補助端末Cの両端末で正しく受信できていないデータをバッファ3Aより読み出して、次に送信するデータとともに、送信部4Aより受信端末B及び補助端末Cに対してマルチキャスト送信する(S706)。
【0095】
このように動作することによって、例えば、図13のように、送信端末AからパケットPa〜Pdが送信されて、受信端末BでパケットPb,Pdが、補助端末CでパケットPa〜Pdが、それぞれ正しく受信されたとすると、補助端末CからパケットPa〜Pdが受信端末Bに送信される。このとき、受信端末Bにおいて、パケットPa,Pb,Pdが正しく受信されたとする。その後、補助端末Cより、パケットPa〜Pd全てを正しく受信したことを示すACK信号が受信端末Bに送信される。
【0096】
そして、受信端末Bで補助端末CからのACK信号が受信されると、送信端末Aから受信したパケットPb,Pdと補助端末Cから受信したパケットPa,Pb,Pdとの集合和より、パケットPa,Pb,Pdを正しく受信したことが確認される。よって、受信端末Bは、この確認した情報と補助端末CからのACK信号の情報との集合和より、パケットPa〜Pdを受信端末B又は補助端末Cのいずれかで正しく受信したことを示すACK信号を生成して、送信端末Aに送信する。
【0097】
送信端末Aが受信端末BからのACK信号を受信すると、このACK信号より、受信端末B又は補助端末CのいずれかでパケットPa〜Pdが正しく受信されたことが確認される。よって、パケットPa〜Pdの次に送信されるパケットPe〜Phが、送信端末Aから受信端末B及び補助端末Cそれぞれへマルチキャスト送信される。
【0098】
そして、受信端末BがパケットPeを、補助端末CがパケットPf〜Phを、それぞれ正しく受信したとすると、補助端末Cから、受信したパケットPf〜Phが、補助端末Cから受信端末Bに送信される。このとき、受信端末BでパケットPf〜Phが受信されたとする。その後、補助端末Cより、パケットPf〜Phを正しく受信したことを示すACK信号が受信端末Bに送信される。
【0099】
そして、受信端末Bで補助端末CからのACK信号が受信されると、受信端末Bでは送信端末Aから受信したパケットPeと補助端末Cから受信したパケットPf〜Phとの集合和より、パケットPe〜Ph全てを正しく受信したことが確認される。受信端末Bは、この確認した情報と補助端末CからのACK信号の情報との集合和より、パケットPe〜Phを受信端末B又は補助端末Cのいずれかで正しく受信したことを示すACK信号を生成して、送信端末Aに送信する。
【0100】
よって、この受信端末Bから送信されたACK信号を受信すると、このACK信号を解析することにより、パケットPe〜Phが受信端末B又は補助端末Cのいずれかで正しく受信されたことを確認する。
【0101】
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図14は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図14のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0102】
本実施形態では、図14に示すように、第1の実施形態と同様、送信端末Aよりマルチキャスト送信されたデータを受信端末B及び補助端末Cが受信した後、補助端末Cで受信されたデータが受信端末Bに送信され、受信端末Bにおいて送信端末Aからのデータと補助端末Cからのデータとの集合和がとられる(S301〜S306)。このようにして受信端末Bで最終的に得られたデータのうち正しく受信したデータを示すACK信号を、CPU7Bにおいて生成する(S801)。
【0103】
そして、受信端末Bでは、このCPU7Bで生成されたACK信号を、送信部4Bから送信端末Aに送信する(S802)。送信端末Aは、この受信端末Bから送信されたACK信号を受信部13Aで受信して、ACK信号によって受信端末Bで正しく受信されたデータをCPU7Aで確認する(S803)。その後、ACK信号によって確認された受信端末Bで誤って受信されたデータを、次に送信するデータとともにバッファ3Aから読み出して、送信部4より受信端末B及び補助端末Cにマルチキャスト送信する(S804)。
【0104】
このように動作することによって、例えば、図15のように、送信端末AからパケットPa〜Pdが送信されるとき、受信端末BでパケットPb,Pdが、補助端末CでパケットPa〜Pdが、それぞれ受信されたとする。その後、補助端末CからパケットPa〜Pdが受信端末Bに送信される。このとき、受信端末Bでは、補助端末Cから送信されたパケットのうちパケットPa,Pb,Pdを正しく受信したとすると、受信端末Bで集合和をとることで、パケットPa,Pb,Pdを正しく受信したことが確認される。
【0105】
そして、パケットPa,Pb,Pdを正しく受信したこと示すACK信号をCPU7Bで生成して送信端末Aに送信すると、送信端末Aは、受信したACK信号より受信端末BがパケットPcを誤って受信していることをCPU7Aで判断する。よって、このパケットPcと次に送信するパケットPe〜Pgとをバッファ3Aより読み出すと、送信部4Aより受信端末B及び補助端末Cに対して、マルチキャスト送信する。
【0106】
そして、受信端末BがパケットPeを、補助端末CがパケットPc,Pf,Pgを、それぞれ正しく受信したとすると、補助端末CよりパケットPc,Pf,Pgが受信端末Bに送信される。このとき、受信端末BにおいてパケットPc,Pf,Pgが正しく受信されたとすると、CPU7Bで集合和をとることによって、パケットPc,Pe〜Pgが正しく受信されたこととなる。よって、受信端末Bは、パケットPc,Pe〜Pgを正しく受信したことを示すACK信号を生成して、送信端末Aに送信する。
【0107】
尚、本実施形態において、受信端末BからのACK信号が直接、送信端末Aに送信されるものとしているが、補助端末Cを介して送信端末Aに送信されるようにしても構わない。
【0108】
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。図16は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図16のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0109】
本実施形態では、図16に示すように、まず、送信端末Aからのデータを受信端末B及び補助端末Cが受信すると、受信端末Bが受信端末B及び補助端末Cで正しく受信したデータの集合和をとる(S301〜S306)。そして、受信端末Bは得られた集合和より正しく受信したデータを示すACK信号をCPU7Bで生成し、送信部4Bから補助端末Cに送信する(S901)。
【0110】
補助端末Cは、受信端末BからのACK信号を受信部13Cで受信する(S902)。そして、受信データ処理部11Cにおいて、受信したACK信号より確認される受信端末Bが正しく受信したデータとS303で正しく受信してバッファ12Cに格納した送信端末Aからのデータとより、新たなACK信号(forward ACK信号)を生成する(S903)。
【0111】
このようにして生成したforward ACK信号を、補助端末Cは、送信部4Cより送信端末Aに対して送信する(S904)。送信端末Aが、このforward ACK信号を受信部13Aで受信し、CPU7Aにより受信端末B及び補助端末Cのいずれかで正しく受信されたデータが確認される(S905)。そして、受信端末B及び補助端末Cのいずれにおいても正しく受信できていないデータが、次に送信されるデータとともに、バッファ3Bより読み出されて送信部4Bより受信端末B及び補助端末Cそれぞれにマルチキャスト送信される(S906)。
【0112】
ここで、上記forward ACK信号の生成方法について図17のフローチャートを参照して説明する。受信端末BがACK信号を補助端末Cに送信して(S901)、補助端末CがこのACK信号を受信すると(S902)、補助端末Cは、受信データ処理部11Cにおいて、送信端末Aから送信されたデータを正しく受信してバッファ12Cに格納しておいた受信データに対するACK信号との集合和をとる(S1001)。
【0113】
このようにして得られたACK信号の集合和において、受信端末Bに送信済みで送信データ処理部2C内のバッファ3Cに格納されているデータに対する情報が含まれているか否かが、送信端末Aに既に送信したメモリ9C内に格納されたACK信号をCPU7Cで確認することで判別される(S1002)。そして、受信端末Bに送信済みのデータに対する情報が含まれる場合(Yes)、受信端末Bに送信済みのデータに対する情報を除いたACK信号の集合和を、forward ACK信号として生成する(S1003)。又、受信端末Bに送信済みのデータに対する情報が含まれない場合(No)、ACK信号の集合和をforward ACK信号として生成する(S1004)。
【0114】
このように動作することによって、例えば、図18のように、送信端末AからパケットPa〜Pdが送信されるとき、受信端末BでパケットPb,Pdが、補助端末CでパケットPa〜Pdが、それぞれ受信されたとする。その後、補助端末CからパケットPa〜Pdが受信端末Bに送信される。このとき、受信端末Bでは、データPcを正しく受信できなかったとする。受信端末Bは、送信端末Aから正しく受信したパケットPb,Pdと補助端末Cから正しく受信したパケットPa,Pb,Pdとの集合和をとり、パケットPa,Pb,Pdを正しく受信したことを示すACK信号を補助端末Cに送信する。
【0115】
補助端末Cは、受信端末BからのACK信号を受信すると、このACK信号によって確認される受信端末BでパケットPa,Pb,Pdを正しく受信したことを示す情報と自端末でPa〜Pdを正しく受信したことを示す情報との集合和をとる。この集合和より、受信端末B及び補助端末Cいずれか一方で受信されたデータがパケットPa〜Pdであることが確認され、このことを示すforward ACK信号を生成し、送信端末Aに送信する。又、このとき、受信端末BへのパケットPcの送信が失敗したと判断し、このパケットPcをバッファ3C内に格納しておく。
【0116】
補助端末Cからのforward ACK信号を受信した送信端末Aは、パケットPa〜Pdのデータが受信端末B及び補助端末Cのいずれかで正しく受信されたことを確認し、次のデータとなるパケットPe〜Phを、受信端末Bと補助端末Cにマルチキャスト送信する。このとき、受信端末BではパケットPeのみが正しく受信され、又、補助端末CではパケットPf〜Phが正しく受信されるものとする。
【0117】
そして、補助端末Cでは、送信データ処理部2Cにおいてバッファ3C内に格納したパケットPcを読み出して、受信したパケットPf〜Phとともに、受信端末Bへ送信する。このとき、受信端末Bが、補助端末Cから送信されるパケットPc,Pf〜Ph全てを正しく受信したとすると、既に送信端末Aより正しく受信したパケットPeを確認して、パケットPc,Pe〜Phを正しく受信したことを示すACK信号を生成して、補助端末Cに送信する。
【0118】
補助端末Cは、受信端末BからのACK信号を受信すると、このACK信号によって確認される受信端末BでパケットPc,Pe〜Phを正しく受信したことを示す情報と自端末でPf〜Ph正しく受信したことを示す情報との集合和をとる。このとき、既に一度パケットPcが補助端末Cから送信されてバッファ3Cに格納されていることをメモリ9Cに格納された前回に送信端末Aに送信したACK信号より確認する。
【0119】
よって、上述の集合和からパケットPcを正しく受信したことを示すデータを除去して、パケットPe〜Phを正しく受信したことを示すforward ACK信号を生成して送信端末Aに送信する。このforward ACK信号を受信した送信端末Aは、送信したパケットPe〜Phが正しく受信されたものと判断する。
【0120】
尚、第5〜第7の実施形態では、第1の実施形態のように動作して得られた受信端末Bにおけるデータに対してACK信号を生成しているが、第2又は第3の実施形態のように動作して得られた受信端末Bにおけるデータに対しても同様にACK信号を生成することもできる。
【0121】
即ち、第2の実施形態のように動作する場合は、図12、図14、図16において、図7におけるS401〜S403における再送要求信号の送受信動作が付加されたフローチャートとなる。よって、例えば、図15において、パケットPb,Pd又はパケットPeが受信端末Bで受信されたとき、受信後に再送要求信号が補助端末Cに送信され、この再送要求信号を確認した補助端末Cによって、パケットPa〜Pd又はパケットPc,Pf,Pgが送信される。
【0122】
又、第3の実施形態のように動作する場合は、図12、図14、図16において、図8におけるS501〜S503におけるACK信号の送受信動作が付加されるとともに、S304の補助端末Cの送信動作がS504の送信動作に変更されたフローチャートとなる。よって、例えば、図15において、パケットPb,Pd又はパケットPeが受信端末Bで受信されたとき、パケットPb,Pd又はパケットPeを正しく受信したことを示すACK信号が補助端末Cに送信される。そして、このACK信号を確認した補助端末Cによって、受信端末Bで誤って受信されたパケットPa,Pc又はパケットPc,Pf,Pgが送信される。
【0123】
以上の第1〜第7の実施形態のように構成することで、受信端末Bは送信端末A及び補助端末Cそれぞれからデータを受信することができ、空間ダイバーシティのような効果が得られる。よって、その受信品質は、送信端末Aからの直接通信路又は補助端末Cを介する通信路それぞれ一つの通信路のみを利用した場合に比べて、格段に向上する。又、補助端末Cを介してデータを転送する場合に比べ、送信端末Aからもデータを受信しているため、データの伝送速度が向上し、使用帯域を低減させることが可能になる。
【0124】
2.マルチキャスト通信を利用した通信ネットワークシステム
次に、以下の第8及び第9の実施形態で共通とされる通信ネットワークシステムの構成について、図面を参照して説明する。図19は、通信ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。尚、図19の通信ネットワークシステムに利用される端末の内部構成は、図1の通信ネットワークシステムと同様、図2のような構成となる。
【0125】
図19(a)において、送信端末Aは、ディスプレイS,Tにデータを出力する受信端末D,Eに対して、データをマルチキャスト送信するものとする。このように1つの送信端末と複数の受信端末とによるマルチキャスト通信を前提としているため、複数の受信端末から送信端末AへACK信号が送信されない。そのため、受信端末D,Eでは、誤って受信されたデータに対する再送制御は行われず、その通信品質は補償されないので、送信端末Aから送信される全てのデータに対して正確な受信及び蓄積等することができるとは限らない。
【0126】
このため、マルチキャスト通信はテレビ映像等のストリーム放送には向いているが、データ等の正確さが要求される条件下では向いていない。しかし、受信端末は複数存在しているとき、それぞれの受信端末への通信路状態が異なるので、正しく受信できたデータも各受信端末により異なる。このとき、複数の受信端末間で受信したデータを交換すれば、受信したデータの補完が可能となり、通信品質を高めることができる。
【0127】
即ち、図19(b)のように、受信端末Eが受信端末Dにとっての補助端末となるとともに、受信端末Dが受信端末Eにとっての補助端末となる通信補助モードへ移行し、受信端末D,Eの両端末間で受信データを交換することで、通信端末D,Eそれぞれの通信品質を高めることができる。このとき、受信端末Dでは、受信端末Eでのみ正しく受信されたデータを受信することで、正しく受信されなかったデータの補完を行い、又、受信端末Eでは、受信端末Dでのみ正しく受信されたデータを受信することで、正しく受信されなかったデータの補完を行う。
【0128】
この通信補助モードへの変更の際における補助端末の選定は、例えば、以下の各種方法を利用することで行われる。
【0129】
送信端末における制御部6内のメモリ9に、全マルチキャストの送信先となる複数の受信端末の位置関係などの受信端末情報を記録し、この受信端末情報に基づいて、各受信端末に対して補助端末として最適な受信端末をCPU7Aで選定し、各受信端末に通知するようにすることで、補助端末を選定しても構わない。又、受信端末情報を各受信端末に送信し、各受信端末において、送信端末より与えられた受信端末情報に基づいて、それぞれの補助端末として最適な受信端末を選定するようにしても構わない。
【0130】
又、送信端末が、各受信端末との通信路状態を確認するための通信品質確認信号を各受信端末に送信し、この通信品質確認信号に対する各受信端末の応答信号を確認することで、各受信端末の通信路状態を確認する。そして、その通信路状態が良好な受信端末を補助端末として選定し、各受信端末に通知するようにしても構わない。
【0131】
受信端末が、受信データの誤り率や受信電界強度等の送信端末との通信路状態をそれぞれCPU7で確認し、この確認した通信路状態をメモリ9に記録しておき、通信品質が設定した所定の閾値を1回あるいは複数回越えた場合等に、受信端末内で補助端末を選定するようにしても構わない。このとき、予め、受信端末同士で通信を行い、その通信路状態が良好な端末を補助端末候補として、メモリ9に記録し、補助端末を選定するような通信路状態となったとき、メモリ9に記録した補助端末候補となる受信端末から補助端末を選定するようにしても構わない。
【0132】
又は、上記図1の通信ネットワークシステムと同様に、送信端末と補助端末となる受信端末との間で、通信補助依頼信号及び通信補助可能信号を送受信することにより補助端末の選定をしても構わない。更に、予めユーザレベル等で補助端末を定めておいても構わない。
【0133】
以下、上述のような構成の通信ネットワークシステムの各実施形態について説明する。
【0134】
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態について、図面を参照して説明する。図20は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。
【0135】
本実施形態では、図20のように、送信端末Aは、受信端末D,Eを含む複数の受信端末に対して、データを送信部4Aからマルチキャスト送信する(S1101)。そして、受信端末Dは、送信端末Aからのデータを受信部13Dで受信し(S1102)、受信端末Eは、送信端末Aからのデータを受信部13Eで受信する(S1103)。その後、まず、このように受信端末Eが正しく受信した全データを、受信端末Dに送信部4Eより送信する(S1104)。
【0136】
受信端末Dが、受信部13Dにおいて、受信端末Eからのデータを受信する(S1105)。その後、受信データ処理部11Dにより、正しく受信してバッファ12Dに格納した送信端末Aからのデータと受信部13Dで正しく受信した受信端末Eからのデータとの集合和をとり、これを受信データとして、受信データ出力部10DよりディスプレイSに出力する(S1106)。このとき、S1105において、受信端末Eから送信されたデータを受信データ処理部11Dで確認する。
【0137】
そして、CPU7Dにおいて、S1105で確認された受信端末Eからのデータとバッファ12Dに格納された送信端末Aからのデータとを比較することで、受信端末Eが再送要求しているデータを正しく受信してバッファ12Dに格納されているか確認する(S1107)。そして、送信部4Dより受信端末Eに対して、確認されたデータを再送する(S1108)。このとき、再送要求するデータがないとき、又は、再送要求するデータがバッファ12D内に確認されなかったとき、ヌルパケットを送信する。
【0138】
受信端末Eは、受信部13Eにおいて、受信端末Dから再送されたデータを受信する(S1109)。そして、受信データ処理部11Eにおいて、受信部13Eで正しく受信した受信端末Dからの再送データとS1103で正しく受信してバッファ12Eに格納した送信端末Aからのデータとの集合和をとり、これを受信データとして、受信データ出力部10EからディスプレイTに出力する(S1110)。
【0139】
このように動作することによって、例えば、図21のように、送信端末AからパケットPa〜Pdの4パケットのデータがマルチキャスト送信されたとき、受信端末DにおいてパケットPa,Pc,Pdが正しく受信され、受信端末EにおいてパケットPa,Pb,Pdが正しく受信されたものとする。このとき、受信端末Dのバッファ12DにパケットPa,Pc,Pdが、受信端末Eのバッファ12EにパケットPa,Pb,Pdが格納される。
【0140】
そして、受信端末Eにおいて正しく受信したパケットPa,Pb,Pdが、受信端末Eから受信端末Dに送信される。受信端末Dにおいて、受信端末Eから送信されたパケットPa,Pb,Pdを正しく受信したとすると、既に正しく受信してバッファ12Dに格納した送信端末AからのパケットPa,Pc,Pdと集合和をとる。このようにして、受信端末Dにおいて、パケットPa〜Pdが全て正しく受信される。
【0141】
又、受信端末Dでは、受信端末Eから送信されたパケットPa,Pb,Pdを確認して、バッファ12Dに格納したパケットPa,Pc,Pdと比較することで、受信端末EでパケットPcが受信されていないことを認識する。そして、受信端末Dは、この受信端末Eで受信されていないパケットPcを受信端末Eに送信する。受信端末Eで、受信端末Dから送信されるパケットPcが正しく受信されたとすると、既に正しく受信してバッファ12Eに格納した送信端末AからのパケットPa,Pb,Pdと集合和をとることによって、受信端末Eにおいて、パケットPa〜Pdが全て正しく受信される。
【0142】
その後、送信端末AからパケットPe〜Phの4パケットのデータがマルチキャスト送信されたとき、受信端末DにおいてパケットPe,Pf,Phが正しく受信され、受信端末EにおいてパケットPe〜Ph全てが正しく受信されたものとする。このとき、受信端末Dのバッファ12DにパケットPe,Pf,Phが、受信端末Eのバッファ12EにパケットPe〜Phが格納される。
【0143】
そして、受信端末Eにおいて正しく受信したパケットPe〜Phが、受信端末Eから受信端末Dに送信される。受信端末Dにおいて、受信端末Eから送信されたパケットPe〜Phを正しく受信したとすると、既に正しく受信してバッファ12Dに格納した送信端末AからのパケットPe,Pf,Phと集合和をとる。よって、受信端末Dにおいて、パケットPe〜Phが全て正しく受信される。
【0144】
又、受信端末Dでは、受信端末EからパケットPe〜Phが送信されたことを確認するため、受信端末Eで送信端末Aから送信されたパケットが全て受信されたことを認識する。よって、受信端末Dは、ヌルパケットnullを受信端末Eに送信する。
【0145】
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態について、図面を参照して説明する。図22は、本実施形態の通信ネットワークシステムにおいて、補助通信モード移行後の各端末の動作を示すフローチャートである。尚、図22のフローチャートにおいて、図20のフローチャートと同一の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0146】
本実施形態では、図22に示すように、まず、送信端末Aからデータがマルチキャスト送信されると、受信端末D,Eで送信端末Aからのデータが受信される(S1101〜S1103)。そして、受信端末Dで正しく受信されてバッファ12Dに格納されたデータが確認されると、正しく受信したデータを示すACK信号をCPU7Dで生成して送信部13Dより受信端末Eに送信する(S1201)。受信端末Eにおいて、このACK信号を受信部4Eにおいて受信すると、受信データ処理部12Eにおいて、受信端末Dが正しく受信できなかったデータを確認する(S1202)。
【0147】
そして、S1103において正しく受信してバッファ12Eに格納したデータより、正しく受信した送信端末Aからのデータに対するACK信号をCPU7Eで生成する(S1203)。そして、受信端末DからのACK信号より確認された受信端末Dで正しく受信されなかったデータをバッファ12Eより読み出した後、この読み出したデータを、送信データ処理部2EにおいてS1203で生成したACK信号と合成し、送信部4Eより受信端末Dに送信する(S1204)。
【0148】
受信端末Dは、この受信端末EからのデータとACK信号を受信部13Dで受信すると(S1205)、まず、受信データ処理部11Dにおいて、正しく受信したデータとS1102において正しく受信してバッファ12Dに格納した送信端末Aからのデータとの集合和をとる(S1206)。このとき、この集合和をとることで得た受信データを、受信データ出力部10DからディスプレイSに出力する。
【0149】
又、受信端末Dにおいて、CPU7Dで受信端末EからのACK信号より受信端末Eが正しく受信しなかったデータを確認する(S1207)。そして、受信端末Eへの再送データを判断し、バッファ12Dより読み出して、この再送データを送信部4Dより受信端末Eへ送信する(S1208)。そして、受信端末Eは、受信部13Eにおいてこの再送データを受信し(S1209)、S1103において正しく受信しバッファ12Eに格納していた送信端末Aからのデータとの集合和をとる(S1210)。この集合和をとることで得た受信データを、受信データ出力部10EよりディスプレイTに出力する。
【0150】
このように動作することによって、例えば、図23のように、送信端末AからパケットPa〜Pdの4パケットのデータがマルチキャスト送信されたとき、受信端末DにおいてパケットPa,Pc,Pdが正しく受信されてバッファ12Dに格納され、受信端末EにおいてパケットPa,Pb,Pdが正しく受信されてバッファ12Eに格納されるとする。そして、パケットPa,Pc,Pdを正しく受信したことを示すACK信号が、受信端末Dから受信端末Eに送信される。
【0151】
そして、受信端末Eにおいて受信端末DからのACK信号を受信すると、受信端末DがパケットPbを正しく受信していないことを認識する。そして、パケットPa,Pb,Pdを正しく受信したことを示すACK信号とともに、パケットPbが受信端末Eから受信端末Dに送信される。受信端末DでパケットPbが正しく受信されたとすると、パケットPa,Pc,Pdと集合和をとることで、受信端末Dにおいて、パケットPa〜Pdが全て正しく受信される。
【0152】
又、このとき、受信端末Dは、受信端末EからのACK信号を受信するので、受信端末EがパケットPcを正しく受信していないことを認識する。そして、受信端末Dは、パケットPcを受信端末Eに送信する。受信端末Eで、受信端末Dから送信されるパケットPcが正しく受信されたとすると、パケットPa,Pb,Pdと集合和をとることによって、受信端末Eにおいて、パケットPa〜Pdが全て正しく受信される。
【0153】
その後、送信端末AからパケットPe〜Phの4パケットのデータがマルチキャスト送信されたとき、受信端末DにおいてパケットPe,Pf,Phが正しく受信されたとすると、バッファ12Dに格納される。受信端末EにおいてパケットPe〜Ph全てが正しく受信されたとすると、バッファ12Eに格納される。このとき、受信端末Dより、パケットPe,Pf,Phを正しく受信したことを示すACK信号が、受信端末Eに送信される。
【0154】
そして、受信端末EにおいてACK信号が受信されると、受信端末DがパケットPgを正しく受信していないことを認識し、受信端末EがパケットPe〜Phを受信したことを示すACK信号とともに、パケットPgが受信端末Eから受信端末Dに送信される。受信端末Dにおいて、このパケットPgが正しく受信されたとすると、パケットPe,Pf,Phと集合和をとることによって、受信端末Dにおいて、パケットPe〜Phが全て正しく受信される。又、受信端末Dでは、受信端末EからのACK信号より、受信端末Eで送信端末Aから送信されたパケットが全て受信されたことを認識する。よって、受信端末Dは、ヌルパケットnullを受信端末Eに送信する。
【0155】
第8及び第9の実施形態のように動作することで、受信端末Dは送信端末A及び受信端末Eからデータを受信することができ、空間ダイバーシティと同様の効果が得られるため、その受信品質を向上させることができる。
【0156】
尚、上述の各実施形態において、受信端末と補助端末間の通信、又は、受信端末間の通信それぞれにおいて利用される帯域が、送信端末が利用する通信帯域と異なる帯域を用いるものとしても構わない。又、無線通信による動作に基づいて説明したが、有線通信を組み合わせた通信ネットワークシステムにおいても利用可能である。
【0157】
【発明の効果】
本発明によると、受信端末は、補助端末を完全な中継端末とするのではなく、送信端末から受信できなかったデータを補完するための中継端末としている。このような方法を用いることにより、全データを中継する場合と比較して、送信端末からの直接通信経路と補助端末を介した通信経路の2つの通信経路を利用してで受信しているため、空間ダイバーシティのような効果が得られる。
【0158】
よって、受信端末において獲得されるデータ量が増加させることができるとともに、送信端末に対して再送を求めるデータ量を減少させることができる。このことにより、送信端末から再送されるデータ量が減少して、この再送にかかる時間あるいは帯域も少なくすることができるため、通信品質の向上および帯域の有効利用が可能となる。又、再送制御を用いることができないマルチキャスト通信においても補助端末間でデータを交換して相互にデータを補完することで、通信品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信ネットワークシステムの構成の一例を示す図。
【図2】本発明の通信ネットワークシステムにおける端末の内部構成を示すブロック図。
【図3】補助端末を選定する際の動作の一例を示すフローチャート。
【図4】補助端末を選定する際の動作の別例を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図7】第2の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図9】第3の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図10】第4の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図11】第4の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図12】第5の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図13】第5の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図14】第6の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図15】第6の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図16】第7の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図17】forward ACK信号生成時の動作を示すフローチャート。
【図18】第7の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図19】本発明の通信ネットワークシステムの構成の別例を示す図。
【図20】第8の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図21】第8の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図22】第9の実施形態における補助通信モード以降後の動作を示すフローチャート。
【図23】第9の実施形態における補助通信モード以降後のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図24】直接通信時のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【図25】従来の補助通信時のデータ通信動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 送信データ入力部
2 送信データ処理部
3 バッファ
4 送信部
5 アンテナ
6 制御部
7 CPU
8 記録媒体
9 メモリ
10 受信データ出力部
11 受信データ処理部
12 バッファ
13 受信部
14 アンテナ
Claims (17)
- 送信端末と複数の受信端末より構成される通信ネットワークシステム内で、前記送信端末から前記受信端末へデータが送信される際の通信方法において、
前記複数の受信端末の一つである第1受信端末が前記送信端末からのデータを受信する際、
前記第1受信端末以外の受信端末を前記第1受信端末に対する補助端末として設定した後、
前記送信端末から送信されるデータが前記第1受信端末及び前記補助端末で受信され、
前記補助端末で正しく受信された前記送信端末からのデータが前記第1受信端末に送信されることを特徴とする通信方法。 - 前記第1受信端末が受信できなかったデータを前記補助端末装置に通知する通知信号を送信した後、
前記補助端末が、受信した前記通知信号に基づいて、前記第1受信端末で受信されなかったデータを認識し、前記第1受信端末で受信されなかったデータのうち前記補助端末で正しく受信されたデータを、前記第1受信端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。 - 前記通知信号が、受信したデータを示すACK信号であることを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
- 前記第1受信端末において、受信した前記送信端末からのデータと前記補助端末からのデータの集合和をとることで得たデータを、前記送信端末からの受信データとすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の通信方法。
- 前記第1受信端末が、前記第1受信端末で集合和をとることで得た受信データに基づいて、前記送信端末に再送要求する最終的に前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第1再送要求信号を生成し、該第1再送要求信号を前記送信端末に送信することを特徴とする請求項4に記載の通信方法。
- 前記第1受信端末が、前記送信端末に再送要求する前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第2再送要求信号を生成して、該第2再送要求信号を前記送信端末に送信するとともに、
前記補助端末が、前記送信端末に再送要求する前記補助端末で受信できなかったデータを通知する第3再送要求信号を生成して、該第3再送要求信号を前記送信端末に送信し、
前記第2及び第3再送要求信号を受信した前記送信端末が、前記第2及び第3再送要求信号に基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されなかったデータを再送することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の通信方法。 - 前記補助端末が、再送要求する前記補助端末で受信できなかったデータを通知する第3再送要求信号を生成して、該第3再送要求信号を前記第1受信端末に送信し、
前記補助端末からの前記第3再送要求信号を受信した前記第1受信端末は、前記第1受信端末で受信したデータと前記補助端末からの前記第3再送要求信号とに基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されず前記送信端末に再送要求するデータを通知する第4再送要求信号を生成し、該第4再送要求信号を前記送信端末に送信することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の通信方法。 - 前記第1受信端末が、再送要求する前記第1受信端末で受信できなかったデータを通知する第2再送要求信号を生成して、該第2再送要求信号を前記補助端末に送信し、
前記第1受信端末からの前記第2再送要求信号を受信した前記補助端末は、前記補助端末で受信したデータと前記第1受信端末からの前記第2再送要求信号とに基づいて、前記第1受信端末及び前記補助端末のいずれの端末においても受信されず前記送信端末に再送要求するデータを通知する第5再送要求信号を生成し、該第5再送要求信号を前記送信端末に送信することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の通信方法。 - 前記再送要求信号が、受信したデータを示すACK信号であることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の通信方法。
- 送信端末と複数の受信端末より構成される通信ネットワークシステム内で、前記送信端末から前記受信端末へデータが送信される際の通信方法において、
前記複数の受信端末の一つである第1及び第2受信端末が前記送信端末からのデータを受信する際、
前記第1受信端末が正しく受信した前記送信端末からのデータを前記第2受信端末に送信し、
前記第2受信端末が正しく受信した前記送信端末からのデータを前記第1受信端末に送信することを特徴とする通信方法。 - 前記第1受信端末が、前記第2受信端末から送信されたデータを受信したとき、当該第2受信端末から送信されたデータと前記第1受信端末が正しく受信した前記送信端末から送信されたデータとに基づいて、前記送信端末から送信されたデータのうち前記第2受信端末が正しく受信できなかった不足データを認識し、当該不足データを前記第2受信端末に送信することを特徴とする請求項10に記載の通信方法。
- 前記第1受信端末が受信できなかったデータを前記第2受信端末装置に通知する第1通知信号を送信した後、
前記第2受信端末が、
受信した前記第1通知信号に基づいて、前記第1受信端末で受信されなかったデータを認識し、
前記第1受信端末で受信されなかったデータのうち前記第2受信端末で正しく受信されたデータと、前記第2受信端末が受信できなかったデータを前記第1受信端末装置に通知する第2通知信号とを、前記第1受信端末に送信し、
前記第1受信端末が、
受信した前記第2通知信号に基づいて、前記第2受信端末で受信されなかったデータを認識し、
前記第2受信端末で受信されなかったデータのうち前記第1受信端末で正しく受信されたデータを、前記第2受信端末に送信することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の通信方法。 - 前記通知信号が、受信したデータを示すACK信号であることを特徴とする請求項12に記載の通信方法。
- 送信端末と複数の受信端末とによって構成される通信ネットワークシステムにおいて、
請求項1〜請求項13のいずれかに記載の通信方法を利用して、前記送信端末から前記受信端末にデータが送信されることを特徴とする通信ネットワークシステム。 - 前記通信ネットワークシステム内のいずれかの端末が、前記送信端末と前記受信端末との間の通信路状態を測定し、
当該通信路状態が劣化したときに、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の通信方法を利用して前記送信端末と前記受信端末との間で通信が行われる通信補助モードに移行することを特徴とする請求項14に記載の通信方法及び通信端末装置及び通信ネットワークシステム。 - 請求項14又は請求項15に記載の通信ネットワークシステムにおける送信端末としての機能を備えることを特徴とする通信端末装置。
- 請求項14又は請求項15に記載の通信ネットワークシステムにおける受信端末としての機能を備えることを特徴とする通信端末装置。
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