JP2004015086A - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤差拡散処理で2以上の色成分を有する多値カラー画像を、それより少ない階調数にルックアップテーブルを用いて量子化することを、少ないメモリ容量のルックアップテーブルで実現する画像処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】入力した画素を構成する色成分0、1があった場合、それぞれの位置に量子化処理で発生した誤差を加算させその結果を入力する。1次元LUTはデータをアドレスとして入力し、それらデータのレンジよりも狭いレンジのデータに量子化しその結果をg0,g1として出力する。N次元LUTは入力した2つの色成分のデータの相関関係を有するものとして最終的な量子化結果を出力する。N次元LUTのメモリ空間の大きさは、g0、g1に支配されるので、g0、g1の取り得るレンジが狭い方が良い。一方、g0、g1のレンジは広い方が、量子化結果は高い品位の画像を形成に適したものである。そこで、この画質が許容範囲で最小となるg0、g1を決定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、特に、インクジェット記録装置等における、疑似階調処理を行う画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より多値データを2値で表現する疑似中間調処理として誤差拡散法が知られている(”An Adaptive Algorithm for Spatial Gray Scale” in society for Information Display1975 Symposium Digest of Technical Papers,1975,36)。この誤差拡散法を簡単に説明する次の通りである。
【0003】
今、着目画素をP、その濃度をVとする。また、着目P点の周辺の未2値化画素をP0、P1、P2、P3とし、着目画素Pを2値化した際にそれぞれの未2値化周辺画素に振り分ける濃度(誤差)をそれぞれv0、v1、v2、v3とする。更に、2値化のための閾値をTとする。
【0004】
誤差拡散法では、着目画素Pにおける2値化した際の誤差Eを周辺の未2値化画素P0、P1、P2、P3の位置に上記V0、V1、V2、V3を振り分ける(拡散する)わけであるが、このV0〜V3は、経験的に求めた重み係数W0、W1、W2、W3(ただし、W0+W1+W2+W3=1)を用いて算出する。この結果、マクロ的には、入力多値画像の全体の濃度(或いは平均濃度と言ってもいい)と、2値化結果である出力画像の全体の濃度(同)と実質的に等しく、換言すれば、濃度を保存することができるようになる。
【0005】
上記の如く、着目画素Pを2値化する際に発生した誤差はその周辺の未2値化画素位置に上記重み係数で振り分ける。これを言い換えると、着目画素Pの位置には、既に2値化済みの4画素それぞれの2値化した際の誤差が上記の重みづけ係数で累積加算されている、と言うこともできる。
【0006】
そこで、注目画素Pの位置に、その周辺の4つの「既」2値化画素位置で発生し累積された誤差の累積加算値をEacmとすると、注目画素Pの濃度は、自身の濃度VにEacmを加算して補正される。ここで、V’=V+Eacmと置き換えると、誤差拡散法では、
V’>T の場合、 O=1、 誤差E=V−Vmax   …(1)
V’≦T の場合、 O=0、 誤差E=V−Vmin
(ただし、Vmaxは最大濃度、Vminは最小濃度である)
そして、未2値化画素位置P0、P1、P2、P3それぞれに振り分ける誤差(濃度)V0〜V3は次のようにして算出される。
【0007】
V0=E×W0
V1=E×W1
V2=E×W2
V3=E×W3
ここで、重み係数の例としては、例えば、W0 =7/16、W1 =1/16、W2 =5/16、W3 =3/16である。
【0008】
従って、着目画素Pの未二値化画素位置P0〜P3の位置に累積加算される誤差E0〜E3は、
E0←E0+V0                …(2)
E1←E1+V1                …(3)
E2←E2+V2                …(4)
E3←E3+V3                …(5)
として表現できる。
【0009】
ここで、未2値化画素位置P0〜P3は、着目画素Pの相対的な位置である。従って、上記の未2値化画素P0は、別な画素を2値化する際のP1に対応する場合もあるし、P2やP3に相当する場合もある。従って、或る画素位置に累積される誤差は4つの既2値化画素位置で発生した誤差にW0〜W3で重みづけした結果の総和(上記のEacmに対応する)ということになるのが理解できよう。
【0010】
以上が誤差拡散法の原理であるが、カラー画像をドットをインク液を吐出する/しない、の2値で表現するプリンタに適用する場合、各色成分(減法混色なので一般に、シアン、マゼンタ、イエローの3色成分、或いは、これにブラックを加えた4色成分)につき上記の2値化処理を行えばよいことになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カラー画像は、各色成分のインクの合成によって形成されることに注意しなければならない。それ故、1つ1つの色成分に着目した場合、それぞれの成分での階調表現は意図した通りの視覚特性の階調再現を得ることができるものの、2色以上色のインクが重なると必ずしも良好な視覚特性が得られない、という問題が発生する。
【0012】
この課題を解決する方法として、本願出願人は特願2001−308834として既に提案している。この提案は、入力した複数色(例えば2つの色)の相関関係を加味した量子化処理を、ルックアップテーブルを利用して実現するものである。また、このルックアップテーブルのメモリ容量を削減するため、入力されたそれぞれの画素データに対して、第1段階で1次元変換を施して階調数を減らし、その後で、相関関係の量子化結果を格納している第2段階のN次元ルックアップテーブルにアドレスとして供給することで、全体としてのメモリ容量の削減にも成功している。
【0013】
しかしながら、最初の段階における階調数を減らす1次元ルックアップテーブルを利用した場合、その階調数を減らしすぎると、第2段階のルックアップテーブルに対するアドレスの粗さに起因し、量子化結果の異なる境界付近で不安定な再現が行われることがわかった。
【0014】
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、2段階のルックアップテーブルでもって2色以上の多値画像データを、それより少ない階調数に下げる場合に、最初の段階に位置するルックアップテーブルでの出力データとなる階調数の下限を決め(従って、2番目のルックアップテーブルのメモリ空間の大きさもそれに応じて決まる)、高画質を維持しつつ、全体としてのルックアップテーブルの容量増大を抑制することに成功する画像処理装置及び方法を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
少なくとも多値の2色成分を有するカラー画像を、誤差拡散法を利用して、前記多値で表現される階調数よりも少ない階調数に量子化させる画像処理装置であって、
入力した画素の第1、第2の色成分の多値データに、従前の量子化処理で発生したそれぞれの色成分の誤差を加算する加算手段と、
該加算手段による前記第1、第2の色成分それぞれの加算結果をアドレスとして入力し、それぞれの加算結果の取り得るレンジよりも少ないレンジであって、それぞれの加算結果に対応するデータを出力する1次元ルックアップテーブルと、
該第1のルックアップテーブルにより得られた、前記第1、第2の色成分に対応する2つのデータを、多次元のアドレスとして入力し、それぞれの色成分に相関関係を有する量子化結果を出力する多次元ルックアップテーブルとを備え、
前記1次元ルックアップテーブルは、アドレスとして入力される前記加算結果のとり得るレンジに対して、実質的に1/9のレンジのデータを出力することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を説明するが、先ず、基本部分について説明する。
【0017】
図11は、実施形態におけるインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示す斜視図である。同図において、記録手段としてのヘッドカートリッジ1はキャリッジ2上に交換可能に搭載されており、このヘッドカートリッジ1はそれぞれが異なる種類(色等)のインクで記録する4個のヘッドカートリッジ1A,1B,1C,1Dで構成されている。各カートリッジ1A〜1Dのそれぞれには、記録ヘッド部を駆動する信号を受けるためのコネクターが設けられている。なお以下の説明では前記記録手段1A〜1Dの全体または任意の1つを指す場合、単に記録手段(記録ヘッドまたはヘッドカートリッジ)1で示すことにする。
【0018】
前記複数のカートリッジ1は、それぞれ異なる色のインクで記録するものであり、それらのインクタンク部には例えばシアン、マゼンタ、イエロー、黒(ブラック)などの異なるインクが収納されている。各記録手段1はキャリッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、そのキャリッジ2には、前記コネクターを介して各記録手段1に駆動信号等を伝達するためのコネクターホルダー(電気接続部)が設けられている。
【0019】
キャリッジ2は、主走査方向(図示の矢印Eに沿った方向)で装置本体に設置されたガイドシャフト3に沿って移動方向に案内支持される。そしてキャリッジ2は、主走査モーター4により、モータプーリー5、従動プーリー6、及びタイミングベルト7を介して駆動され、その位置及び移動を制御される。用紙やプラスチック薄板等の被記録媒体8は、2組の搬送ローラーの回転により第1の記録ヘッドH1の吐出口面と対向する位置(記録部)を通して搬送(紙送り)される。なお被記録媒体8は、記録部において平坦な記録面を形成できるように、その裏面をプラテン(不図示)により指示されている。この場合、キャリッジ2に搭載された各カートリッジ1は、それらの吐出口面がキャリッジ2から下方へ突出して前記2組の搬送ローラー対の間で被記録媒体8と平坦になるように保持されている。
【0020】
前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また前記記録ヘッド1は前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
【0021】
図12は、前記記録ヘッド1のインク吐出部13の主要部構造を部分的に示す模式的透視斜視図である。図12において被記録媒体8と所定の隙間(約0.5〜2[mm]程度)をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチで複数の吐出口22が形成され、共通液室23を各吐出口22とを連通する各流路24の壁面に沿ってインク吐出量のエネルギーを発生するために電気熱変換体(発熱抵抗体など)25が配設されている。本例においては、記録ヘッド1は吐出口22がキャリッジ2の走査方向と交差する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ2に搭載されている。こうして画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体25を駆動(通電)して、流路24内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口22からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0022】
図13は本発明を適用したインクジェット記録装置の実施形態における制御システムの構成を例示するブロック図である。同図において、41は記録信号を入力するインターフェイスであり、42はマイクロプロセッサユニット(MPU)であり、43はこのMPU42が実行する制御プログラムを格納するプログラムROMであり、44は前記記録信号や記録ヘッド1に供給される記録データ等の各種データを保存しておくDRAMである。このDRAM44では、記録ドット数や記録時間なども記憶(カウント)出来るようになっている。45は記録ヘッド1に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース41とMPU42とDRAM44との間のデータの転送制御も行うように構成されている。
【0023】
図11において、4は記録ヘッド1を搭載したキャリッジ2を搬送する為のキャリアモータ(主走査)であり、20は記録用紙等の被記録材8を搬送する為の搬送モータである。46は記録ヘッド1を駆動する為のヘッドドライバであり、47は搬送モータ20を駆動する為のモータドライバであり、48はキャリアモータ(主走査モータ)4を駆動する為のモータドライバであり49は各種の検出を行うためのセンサ群である。このセンサ49は例えば、被記録材(用紙等)8の有無を検知するセンサ、キャリッジ2がホームポジションにあることを検知するセンサ、記録ヘッド1の温度を検知するセンサなどであり、これらにより、被記録材8の有無やキャリッジ2の位置や環境温度などを認識することが出来る。
【0024】
図11及び図13において、ホスト(例えばパーソナルコンピュータ等)からの記録データがインターフェース41を介して送られてくると、ゲートアレイ45を通してDRAM44に記録データが一時的に蓄えられる。その後DRAM44のデータをゲートアレイ45によってラスターデータから記録ヘッド1で記録するための画像イメージに変換(2値化等の量子化処理)し、再度DRAM44に記憶する。そのデータを、再度ゲートアレイ45によってヘッドドライバ46を介して記録ヘッド1に送り、対応する位置の吐出口からインクを吐出させて記録を行う。その際、ゲートアレイ45に記録させるドットのカウンターを構成しておき、記録させるドットを高速でカウントできる構成としておく。
【0025】
前記モータドライバ48を介してキャリアモータ(主走査モータ)4を作動させ、記録ヘッド1の記録速度に合わせて該記録ヘッドを主走査方向へ動かし、その主走査における記録は行われる。当該主走査の記録が完了すると、搬送モータ用のモータドライバ47を介して搬送モータ20を作動させ、被記録材8主走査方向と交叉する搬送方向(副走査方向)へ、キャリッジ2の1走査運動で記録されるバンド幅だけ搬送(紙送り)する。そして、次のラインの記録を行うべく、前記モータドライバ48を介して再びキャリアモータ(主走査モータ)4を作動させ、記録ヘッド1の記録速度に合わせて該記録ヘッドを主走査方向へ動かし、その主走査(次のラインの主走査)における記録が行われる。以下、これらを繰り返すことにより、被記録材8の全体における記録が行われる。
【0026】
図1は本発明に係わる画像処理装置の構成を説明するブロック図であり、図2は図1における出力決定部2のブロック構成図である。
【0027】
本実施形態では、8ビットの多値画像データを入力し画像処理により2値データを出力する装置である。また、印刷対象となるカラー画像は、一般に、シアン、マゼンタ、イエローの3色成分で表現される。このうち、イエローは人間の視覚感度がさほど高くはないという理由、及び、説明を簡単なものとするため、実施形態ではシアンとマゼンタについての相関関係を有する誤差拡散処理を行う場合について説明する。すなわち、イエロー成分については、独立した誤差拡散処理を施すこととし、その説明は省略する。
【0028】
さて、図1において、I0、I1はそれぞれ色0(例えばシアン)、および色1(例えばマゼンタ)の入力画像ピクセルデータを表しており、それぞれ8ビットの多値画像データであり、これらのピクセルデータは加算器1−0、1−1で示される加算器に入力される。
【0029】
加算器1−0、1−1においては、入力した画素の色成分データI0,I1の位置に、既に擬似階調処理(2値化)が済んだ画素からの誤差データE0、E1をそれぞれ入力として加算して出力する。加算器1−0、1−1の出力I’0、I’1は出力決定部2に入力される。なお、2値化する際の最小誤差は−128、最大誤差は+128となる。入力されるデータは8ビットの0〜255であるので、加算器1−0、1−1の出力値は−128〜+383の範囲を取り得ることになる。MSBを符号ビットとすると、加算器1−0、1−1の出力データは10ビット(符号ビット込み)あれば十分となる。
【0030】
出力決定部2は図2に示すようにLUTなどによって構成され、以下のような処理が実行される。
【0031】
まず加算器1−0および1−1の出力データI’0、I’1は、出力決定部2内の1次元LUT7−0、7−1にアドレスとして供給され、g0とg1の2つの信号を得る。ここで、この出力g0,g1をグリッドと呼ぶことにする。
【0032】
図8は1次元LUT7−0、7−1における入力されるアドレスと出力データ(グリッドg0、g1)の関係を示している。ここでは、入力I’0、I’1の値に応じて出力されるグリッドg0、g1の値が図示されている。このグリッドg0、g1は図8に示すように0〜8の9通りであるので4ビット必要になる。
【0033】
g0、g1の値は入力値I’0、I’1が図2におけるN次元LUT4(ここでは2入力2出力であるので2次元LUTとなる)において、各軸方向の最も近い格子点を表すデータを生成する。
【0034】
従って、g0およびg1が出力されれば、N次元LUT4上の格子点1点が決定され、その格子点上にある出力値が出力決定部2の出力O0、O1、すなわち、2値化結果を得ることができる。
【0035】
上記の如く、2色成分に対して2つの量子化結果を得る場合、出力決定部2を2色成分各々に設けられた1次元LUT、共通のN次元LUT(2次元LUT)で構成することのメリットは、N次元LUTのデータ量を小さくできる点である。例えば、1次元LUTがない場合、加算器1−0、1−1からのデータがそれぞれ10ビットであるとすると、合計20ビットのアドレスが供給されることになる。これに対し、上記の場合、各1次元LUT7−0、7−1の出力は各4ビットであるので、合計8ビットということになる。
【0036】
周知の如く、ルックアップテーブル(LUT)において、アドレスのビット数が1つ増えると、LUTの容量は2倍になる。従って、アドレスが8ビットと20ビットとを比較すると、その差は12ビット存在することになり、実に212≒4000、すなわち、約4000分の1の容量で済むことになる。
【0037】
図3はN次元LUT4の構成を示しており、横軸は1次元LUT7−0からの出力g0を、縦軸は1次元LUT7−1の出力g1を表している。
【0038】
また、図中、4種類の記号で示される各格子位置のマークは、LUTの格子点上にある出力の値を示している。すなわち、色0の出力値(2値データ)をO0、色1の出力値をO1(2値データ)とすれば、各格子点上での出力(O0、O1)はそれぞれ(0,0),(1,0),(0,1),(1,1)であることを示している。
【0039】
さらに出力決定部2の出力O0、O1はそれぞれ誤差計算部3−0、3−1に入力される。
【0040】
誤差計算部3−0、3−1はそれぞれ図4のような構成になっており、出力決定部2の出力O0あるいはO1と加算器1−0、1−1の出力I’0、I’1を入力とし、誤差E0、E1を出力する。
【0041】
図中、5は1次元のLUTであり、出力決定部2の出力O0あるいはO1が入力されると、LUT5が参照されO’0あるいはO’1が出力される。
【0042】
ここで図5から解るようにO’0あるいはO’1は、出力決定部2の出力O0あるいはO1(本実施形態の場合は0または1の値)を入力信号レベル(0〜255)に換算した値である。
【0043】
出力O’0あるいはO’1は、減算器6により加算器1−0、1−1からの出力I’0、I’1から減算されて誤差出力E0、E1を得る。すなわち、
E0=I’0−O’0
E1=I’1−O’1
である。
【0044】
誤差計算部3−0、3−1の出力E0、E1は、予め設定された重みづけ係数を乗算することで、未2値化の画素における累積誤差値を保存する誤差メモリ6−0、6−1に格納される。この結果、次のタイミングで入力する画素データに対し、その画素位置に累積された誤差値E0,E1が加算器1−0、1−1で足し込まれることになる。
【0045】
以上の構成により1入力データに対する処理が行われるので、以上の処理を処理方向に1ピクセルづつずらして繰り返すことにより1ラインの処理を行い、さらに1ラスタづつずらして同様の処理を繰り返すことにより画像全体に対する疑似階調処理(2値化)が可能となる。後は、このデータに従って、記録ヘッドを駆動することになる。
【0046】
以上が、本実施形態における前提部分の説明であるが、以下、本発明を適用した具体例を説明する。
【0047】
<第1の実施形態>
上記の例において、1次元ルックアップテーブル7−0、7−1、N次元ルックアップテーブル4の合計メモリ容量に対して支配的なものは、N次元ルックアップテーブル4である(2次元であるため、アドレスビットの2乗に比例する容量が必要になる)。このN次元ルックアップテーブルの容量を減らすためには、そのN次元ルックアップテーブル4へのアドレスである、1次元ルックアップテーブル7−0、7−1で得られた値(グリッド値g0、g1)の取り得るレンジを小さくすることである。
【0048】
先に説明した例では、グリッド値g0、g1はそれぞれ0乃至8の値を取り得るので、グリッド数は9(4ビットで表現できる)となる。
【0049】
図14(a)は、この状態におけるLUT4のメモリ空間の内容を2次元空間の格子点で示している。
【0050】
図示において、横軸が色0(実施形態ではシアン)のグリッド値、縦軸が色1(実施形態ではマゼンタ)のグリッド値を示している。
【0051】
図示において、線分14−1は出力値(O0,O1)について(0、0)の領域と他の領域との境界を示している。ここで、境界線14−1を含む図示の3×3の領域14−2を拡大して示したのが同図(b)である。
【0052】
図14(b)において、例えば領域14aは、本来であれば、(0、0)の領域にあることが望まれるが、グリッド値は整数でしか存在しえないので、この領域14aは(0,1)の領域に存在するものとして決定される。
【0053】
このように、本来は領域(0,0)であるべきはずが、(0、1)の領域に含まれることになった領域14a(或いはその逆の領域である14b等)の面積はできるだけ小さいことが望ましい。もし、この領域の面積が大きい場合、入力した2入力画素のデータがこの境界近傍にあった場合、不自然な変換が行われるからである。
【0054】
領域14a、14b等の面積を小さくするには、グリッド数を増やせばよい。同図(c)は2倍にした場合を示しており、基本となる1つひとつの矩形サイズが小さくなるので、結果的に境界線14−1で分断される上記領域の面積は小さくできる。例えば、図14(b)における領域14aは、同図(c)に示す如く、その大部分が(0,0)と決定できる。究極的には、1次元LUT7−0、7−1を不要にし、加算器1−0、1−1による加算結果であるI’0、I’1をダイレクトにN次元LUT5のアドレスとして供給することであるが、これではLUT5が大きな容量を必要とする。
【0055】
図14(a)における隣接する格子点間の距離は、加算器1−0(或いは1−1)の取り得る範囲(先の説明によれば、−128〜+383でそのレンジ幅は「512」となる)を8分割(グリッド数は水平、垂直とも9)した値であるから、512/8=64となる。一方、同図(c)では隣接する格子点間の距離は、その半分の32となり、グリッド数は18×18となる。
【0056】
つまり、十分な品位の画質を形成する最低グリッド数を見つければ良いことになる。
【0057】
本発明者らは、この下限となるグリッド数を見つけ出すため、幾つかのサンプル画像を実際に記録し、それを目視でランク付けしていった。動作環境としては、記録ヘッドの解像度が1200dpiで行った。サンプル画像は通常の自然画(デジタルカメラで撮像した画像等)でも良いが、問題にしているのは図14(b)のような、境界線で分断される領域14aや14bの影響がどの程度、現れるかであるので、現れるとしたら予めその位置が分かっていることが望ましい。そこで、n×mの画素ブロックを単位とし、各ブロックにつき、2つの色成分の入力値(C1、C2)としたとき、
(0、0)、 (0、1)、 …、(0、255)、
(1、0)、 (1、1)、 …、(1、255)、
(2、0)、        …、(2、255)、

(255、0)、…、    …、(255、255)
という2次元的に広がる256×256の連続したブロックで構成されるパッチをプリントすることを、グリッド数を変更しながら行い、それぞれについて、記録された各ブロックの境界において不自然な画素が模様等が現れるかどうか、全体として濃度が滑らかに変化しているかどうかを目視で判断するようにした。なお、このサンプル画像の記録サイズはある程度の大きさが望ましい。例えば、200mm×200mm程度にする場合、上記n,mは200/256×1200/25.4≒37となる。
【0058】
上記グリッド数を変更して記録される画像の記録品質検査は、プリンタにとっては過酷なものである。自然画では、上記の状況は先ずあり得ないのがその理由でもあるが、この品質検査でもって十分な品質であると判断された場合には、通常のプリントでも先ず問題は発生することはないので、判断の基準とした。実施形態では、このランク付けを4段階で、複数人数で行ない、その平均値をそのグリッド数に対する評価とした。
【0059】
図15はこの検査による評価結果を示している。図示から、十分な記録品位を確保するには、グリッド数が57×57であることがわかった。なお、中央の「グリッド数に対する擬似階調数の比」であるが、加算器1−0、1−1での加算結果は、上記実施形態によれば、−128〜+383の512のレンジを持っており、これを例えば57×57のグリッドに丸めるわけであるから、512/57≒9となり、1:9の関係にあることを示している。
【0060】
上記の如く、グリッド数が57×57以上、換言すれば、上記比が1/9以上であれば十分な品位が確保できることになるので、このグリッド数(或いはこの比)を下限として決定した。
【0061】
なお、グリッド数が57×57というのは、ソフトウェアでもって誤差拡散処理を行う場合に特に適したものである。なぜなら、ソフトウェアでもって実現する場合には、LUT5を57×57の2次元の配列変数に格納して実現することになり、必要以上にメモリを消費しないからである。なお、ソフトウェアでもって実現する場合、図1及び図2における加算器1−0、1−1、減算器等はCPUの演算命令で実現し、LUT4、5、7−0、7−1、誤差メモリ6−0、6−1等は配列変数を利用することになる。
【0062】
一方、図2に示す構成と等価の構成をハードウェアでもって実現する場合、「57」という数値を表現するには、6ビット必要になる。その一方で6ビットは0乃至63が表現できる。上記の説明から明らかなように、グリッド数は多い方が記録品位が高いわけであり、LUTに供給するアドレスが1色成分につき6ビット(2成分であるのでその2倍の12ビット)となるわけであるから、これを最大限活用することが望ましい。すなわち、ハードウェアで実現する場合には、57×57のグリッドではなく、むしろ64×64のグリッド数にした方がメモリの使用効率が高く有利である。
【0063】
要するに、ハードウェアでもって実現する場合、記録品位が十分であると判断できたグリッド数を表現するのに必要なビット数が与えられたとき、そのビット数で表わすことが可能な最大数をグリッド数として決定することが望ましい。
【0064】
以上の結果をまとめると、本第1の実施形態によれば、図2における1次元LUT7−0,7−1は、0〜56のグリッド値を出力し、LUTはこの57×57のグリッドによる2値化結果を記憶する(グリッド数に対する擬似階調数の比が1/9)、ということで十分な記録品位が確保でき、しかも、全体のメモリ容量を最低限できるものとして決定した。
【0065】
ただし、ハードウェアでもって実現する場合について言及するのであれば、メモリ効率の観点から、図2における1次元LUT7−0,7−1は、それぞれ6ビットのアドレス(合計12ビット)LUTに出力し、LUTは64×64(水平、垂直とも0〜63)のグリッド数の各格子点位置について、2つの色成分の2値化結果を記憶する、ということになる。
【0066】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態は、出力O0、O1の階調数が同じ2値の場合であったが、本第2の実施形態では、色0(シアン)を3階調(3値)、色1(マゼンタ)を2階調(2値)とする場合について説明する。なお、シアンの階調数がマゼンタよりも多いのは、人間の視覚感度はシアンの方がマゼンタより高いためである。換言すれば、量子化後のデータを記憶するLUT4が、1組の入力データに対して、3ビット確保できるとした場合、一方が2ビット、他方が1ビットとせざるをえない。かかる状況にあるときには、人間の視覚感度の高い成分に多くのビットを割り当てた方が都合が良い、というのが理由でもある。
【0067】
処理装置の構成事体は図1に示されるものと変わらないが、出力決定部2および誤差計算部3−0、3−1におけるLUT7−0、7−1、LUT4およびLUT5の内容が異なることになる。
【0068】
図6、図7、図8、図9に従って本発明の第2の実施形態を説明する。
【0069】
図6は第2の実施形態における出力決定部2内のN次元LUT4のデータ内容を2次元的に示している。なお、図示では、グリッドg0の範囲が0乃至6(グリッド数が7)、縦のグリッドg1の範囲が0乃至8(グリッド数が9)の例である。
【0070】
2値化の場合には、入力される画素値に足し込まれる誤差の値は−128〜+128の範囲を取り得る。従って、入力された画素値に誤差を加算した後の値は−128〜+383の範囲(レンジは512)となる。従って、誤差加算後のデータI’1に対し、グリッド数を9にするのであれば、1次元LUT7−1は、第1の実施形態と同様、図8のLUTのようになる。
【0071】
一方、3値化の場合、3値化する際に発生する誤差は、−64〜+64となるので、入力される画素の色成分のデータは、−64〜319の範囲(レンジ幅は383)となる。従って、この範囲を7グリッドで表現する場合、図9に示すようになる。すなわち、1次元LUT7−0は、図9の内容にする。
【0072】
上記の例では、色0につき3値化、色1に対して2値化する例を示し、図6ではグリッド数を7×9の例を示している。
【0073】
実際には、このグリッド数を変更しながら、第1の実施形態と同様のサンプル画像のプリント処理を行ない、十分な品位のプリントを行える中で最も小さいグリッド数を決めれば良い。
【0074】
その結果、やはり、グリッド数に対する擬似階調数の比が1/9以上の場合に、十分な品位を確保することができることが分かった。
【0075】
従って、色成分のグリッド数は、
383×(1/9)≒43
512×(1/9)≒57
として得られる。要するに、色0のグリッド数は43(従って格子位置は0〜42)、色1のグリッド数は57(従って格子位置は0〜56)で良いことになる(ただし、それぞれ異なるグリッド数にするのではなく、大きい方に合わせるようにしても良い)。
【0076】
なお、色0に対する誤差計算部3−0内のLUT5の内容は、3値化に対応させるため、図7(a)に示す内容となる。一方、色1に対するLUT5は2値化用のデータである同図(b)の内容(図5と同じ)となる。
【0077】
このように、出力階調数に応じて入力擬似階調数が異なってくるので、グリッド数を全色一律に大きいものにあわせるのではなく各色毎に入力擬似階調数に応じて可変とすることで、色毎の出力階調数に応じてグリッド数を決定でき、必要最小限の格子点数で十分な出力画像を得ることが出来る。
【0078】
なお、本第2の実施形態においては出力階調数として、O0が3階調(3値化)、O1が2階調(2値化)である場合を示したが、この組み合わせによらず出力階調に応じて、LUT4およびLUT5を用意することにより容易に他の出力階調数の組み合わせに対応することが可能である。
【0079】
また、以上実施の形態においては2色の組み合わせの例で示したが、3色以上の組み合わせについても、LUT4をN次元(Nは色数)とし、加算器および誤差計算手段をそれぞれN個用意すれば同様な構成をとることにより可能である。
【0080】
色の組み合わせのみではなく、同色でドットサイズの異なる組み合わせに対して、同様な構成を取ることも可能である。
【0081】
さらには、ドットサイズと色数の複数組み合わせについても、LUT4をM次元(Mは色数とドットサイズ数の合計)とし、加算器および誤差計算手段をそれぞれM個用意すれば同様な構成をとることにより可能である。
【0082】
<第3の実施形態>
本第3の実施形態においては、量子化数とグリッド数の関係について説明する。
【0083】
上記第1、第2の実施形態では、2つの色(シアン、マゼンタ)について、入力される階調数をより少ない階調数に量子化する例を説明した。そして、第1の実施形態では、2つの色成分の出力は共に2階調(2値化)の例であり、第2の実施形態では一方が3階調(3値化)、もう一方が2階調(2値化)の場合であった。
【0084】
いずれ実施形態でも、出力決定部2内の1次元LUT7−0、7−1では、入力するレンジ幅に対して1/9の比率のグリッド数にし、N次元LUT4のメモリ容量の増大を抑えつつも、高い品位を実現できるものであった。
【0085】
ところで、2色成分の出力O0、O1が共に2階調(2値化)である場合、LUT4に記憶されるデータ分布は図3のようになる。ただし、図示ではグリッド数が9×9であるものの、先に説明したように第1の実施形態によれば、グリッド数は57×57以上が望ましい。つまり、LUT4は57×57=3249組のデータを記憶することになる。
【0086】
一方で、図2で示される出力値(0,0)、(1,0)、(0,1)、及び(1、1、)の各々の領域に含まれるグリッド数(格子数)は、互いに等しいことが望ましい。なぜなら、図14の場合、グリッド数は9×9であるので、例えば出力値(1,0)と(0、1)の境界線は、グリッドの真ん中を通過することになるので、この線上のグリッドはいずれか一方に含めるようにしなければならない。この結果、出力値(1,0)と(0、1)に含まれるグリッド数に偏りが生じてしまうからである。全体のグリッド数が多いと、この偏りの占める割合は小さくなっていくが、それでもそれぞれの領域の面積は互いに等しい方が望ましい。
【0087】
従って、実際には、グリッド数を決定する際には、入力されるデータレンジに対するグリッド数の比が1/9以上であり、それぞれの色の出力階調数の倍数となり、尚且つ、その条件を満たすものの中で最も数が少ないグリッド数N×Mを探し出せば良いことになる。
【0088】
第1の実施形態の場合、決定したグリッド数は57×57であったわけであるから、これに適用するのであれば、これを58×58にすれば良いであろう。すなわち、図2における1次元LUT7−0、701は、グリッド値g0、g1として0〜57のいずれかを出力するようにすればよい。この場合、LUT7−0、7−1は、図10に示すデータ内容になっていれば良いであろう。
【0089】
一方、ハードウェアで実現する場合には、比率1/9を満たすグリッド数がN0×M0(上記の例ではN0=M0=57)が見つけられた場合、N0(或いはM0)以上となる、2のべき数のうち、最小となる指数Pを求める。そして、2を越えないようにするという条件を追加すれば良いであろう。
【0090】
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるのが1つの要因でもある。
【0091】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
【0092】
この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて、書く沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印可することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが出来る。
【0093】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に記載されているような吐出口、液路電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59―123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59―138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことが出来るようになるからである。
【0094】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応して長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0095】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0096】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定出来るので、好ましいものである。これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段をあげることができる。
【0097】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられるものであっても良い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては記録ヘッドを一体的に構成するか複数個によるかのいずれでも良いが、異なる色の複数カラー、または、混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明はきわめて有効である。
【0098】
さらに加えて、以上説明した本発明の実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以上で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によってはじめて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54―56847号公報あるいは特開昭60―71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対してもっとも有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0099】
さらに加えて、本発明インクジェット方式の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0100】
以上説明したように本実施形態によれば、2色以上を組み合わせて誤差拡散法を用いる際に、2色以上の入力色を持つ場合に持つ場合において、格子点ひとつあたりに対する入力階調数をより望ましいものにすることができ、良好な出力結果を提供するインクジェット記録装置を得ることが可能となる。
【0101】
なお、実施形態におけるインクジェットプリンタでの出力対象の記録媒体としては、通常の記録紙に限るものではなく、布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属等の記録媒体を用いる機器すべてに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、誤差拡散処理でもって、2以上の色成分を有する多値カラー画像を、それより少ない階調数にルックアップテーブルを用いて量子化することを、高い品質を確保しながらも、その最低限の容量のルックアップテーブルでもって実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における出力決定部の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の出力決定手段におけるLUT4の内容を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態における誤差計算部の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態の誤差計算部におけるLUT5の内容を示す模式図である。
【図6】第2の実施形態の出力決定部におけるLUT4の内容を示す模式図である。
【図7】第2の実施形態の誤差計算部におけるLUT5の内容を示す模式図である。
【図8】第1および第2の実施形態の出力決定部におけるLUT7−0、7−1の内容を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態の出力決定部におけるLUT7−0の内容を示す模式図である。
【図10】第3の実施形態の出力決定部におけるLUT7−0、7−1の内容を示す模式図である。
【図11】実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を一部破断して示す斜視図である。
【図12】図13中の記録手段におけるインク吐出部構造を模式的に示す部分斜視図である。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置における実施形態の制御システム構成を例示するブロック図である。
【図14】格子点について説明する模式図である。
【図15】第1の実施形態におけるサンプル画像の記録における評価試験の結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも多値の2色成分を有するカラー画像を、誤差拡散法を利用して、前記多値で表現される階調数よりも少ない階調数に量子化させる画像処理装置であって、
    入力した画素の第1、第2の色成分の多値データに、従前の量子化処理で発生したそれぞれの色成分の誤差を加算する加算手段と、
    該加算手段による前記第1、第2の色成分それぞれの加算結果をアドレスとして入力し、それぞれの加算結果の取り得るレンジよりも少ないレンジであって、それぞれの加算結果に対応するデータを出力する1次元ルックアップテーブルと、
    該第1のルックアップテーブルにより得られた、前記第1、第2の色成分に対応する2つのデータを、多次元のアドレスとして入力し、それぞれの色成分に相関関係を有する量子化結果を出力する多次元ルックアップテーブルとを備え、
    前記1次元ルックアップテーブルは、アドレスとして入力される前記加算結果のとり得るレンジに対して、実質的に1/9のレンジのデータを出力する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記多次元ルックアップテーブルは、所定の印刷手段のドット形成用としてデータとして出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記印刷手段は、インク液を熱エネルギーにより吐出することで可視画像を形成する手段であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記2色成分は、シアン、マゼンタであることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記多次元ルックアップテーブルから出力される各色成分の量子化結果のビット数は、シアン≧マゼンタとすることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記1次元ルックアップテーブルで出力される各々の色成分のデータで表現されるアドレス空間は、前記多次元ルックアップテーブルで出力される各色成分の量子化する階調数の倍数であることを特徴とする請求項第1項乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 少なくとも多値の2色成分を有するカラー画像を、誤差拡散法を利用して、前記多値で表現される階調数よりも少ない階調数に量子化させる画像処理装置の制御方法であって、
    入力した画素の第1、第2の色成分の多値データに、従前の量子化処理で発生したそれぞれの色成分の誤差を加算する加算工程と、
    該加算工程による前記第1、第2の色成分それぞれの加算結果をアドレスとして入力し、それぞれの加算結果に対応するデータを出力するための1次元ルックアップテーブルを用いて、それぞれの加算結果の取り得るレンジよりも少ないレンジのデータを出力する第1の出力工程と、
    該第1の出力工程で得られた各色成分毎のデータを多次元のアドレスとして入力し、それぞれの色成分に相関関係を有する量子化結果を出力するための多次元ルックアップテーブルを用いて、それぞれの色成分の量子化結果を出力する第2の出力工程とを備え、
    前記1次元ルックアップテーブルは、アドレスとして入力される前記加算結果のとり得るレンジに対して、実質的に1/9のレンジのデータを出力する
    ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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