JP2004015027A - 面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送受信器、光通信器および光通信システム - Google Patents

面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送受信器、光通信器および光通信システム Download PDF

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岩井 則広
Hitoshi Shimizu
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Abstract

【課題】閾値電流が低く、スロープ効率が大きい面発光レーザ素子を実現する。
【解決手段】n型基板1上に、反射側半導体多層膜反射鏡2、下部クラッド層3、活性層4、上部クラッド層7、出射側半導体多層膜反射鏡8が順次積層され、出射側半導体多層膜反射鏡8内部には、開口部5と、開口部5の周囲に配置された選択酸化層6を有する。下部クラッド層3上部および下部クラッド層3より上の半導体層はメサポスト状に形成され、上面を除くメサポスト状領域全体および下部クラッド層3の上面全体が保護層10に覆われている。メサポスト状領域周縁にポリイミド層11が配置され、中央に開口部を備えたp側電極12が配置されている。また、n型基板1下面には、n側電極13が配置されている。出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率を99.4%〜99.8%とし、反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率を99.9%以上とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に対して垂直方向に発振する面発光レーザの技術に関し、特に、閾値が低く、スロープ効率が大きい面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送受信器、光通信器および光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser。以下、「面発光レーザ素子」と言う。)は、その名の示す通り、光の共振する方向が基板面に対して垂直であり、基板面に対して垂直方向にレーザ光が出射される構造を有する。
【0003】
そのため、面発光レーザ素子は、従来の端面発光型レーザ素子と比較して、素子の2次元配列を容易に形成できる。また、面発光レーザ素子は、端面発光型レーザ素子と異なり、ミラーを設けるために劈開する必要がないことや、活性層の体積が格段に小さいので極低閾値でレーザ発振が可能であり、消費電力が小さいこと等の利点を有する。
【0004】
さらに、面発光レーザ素子では、共振器長が極端に短いことから、発振スペクトルの縦モードはおのずと基本モード発振が得られることを特徴としている。これらの利点を有することから、面発光レーザ素子は、光通信ネットワークや、コンピュータ間を光接続して情報を伝送する光インターコネクションにおける信号光源として、また、その他の様々なアプリケーション用のデバイスとして注目されている。
【0005】
光通信ネットワークにおける信号光源として利用するためには、伝送用光ファイバを伝送する際に損失が低い波長を有し、一定の強度を有するレーザ光を出射する面発光レーザ素子を実現する必要がある。そのため、1.2μm以上の出射波長を有する面発光レーザ素子の開発がおこなわれており、近年の結晶成長技術の進歩に伴い活性層にGaInNAs系の材料を用いてレーザ発振を実現した例が報告されている。
【0006】
例えば、LEOS−2001 Annual MeetingのPost Deadline Paper (PD1.2)において、Agilent Technologies Laboratoriesのグループより、酸化狭窄型の面発光レーザ素子についての報告がなされている。これによると、n型のGaAs基板上に、順次n型の分布帰還型反射鏡(DBR : Distributed Bragg Reflector。以下「DBR反射鏡」という。)を40層積層した下部半導体多層膜反射鏡、GaInNAsによって形成された3重量子井戸層を含む活性層、p型のDBR反射鏡を28層積層した上部半導体多層膜反射鏡を有し、p型の上部半導体多層膜反射鏡DBR反射鏡の一部に電流狭窄層を配置することで11μm径の開口部を備えた面発光レーザ素子が報告されている。このような構造とすることによって、室温での連続発振を実現し、閾値電流が6mA程度、最大光強度が0.7mW程度の面発光レーザ素子を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のAgilent Technologies Laboratoriesのグループが報告した面発光レーザ素子を実際に信号光源として使用した場合、新たな問題が生じる。光通信システムでは信号光を長距離伝送することから、一般的に信号光源から出力されるレーザ光は最低でも1mW程度の光強度を有する必要がある。上記の面発光レーザ素子の最大光強度は0.7mW程度しかなく、現時点で信号光源として使用することは適切ではない。
【0008】
また、2.4GBit/s以上、例えば10GBit/sでレーザ光を直接変調するためには、一般に閾値電流の5倍以上の注入電流によって面発光レーザ素子を駆動する必要がある。上記面発光レーザ素子の場合、閾値電流が6mAであるため、駆動時の注入電流は30mA以上となり、消費電力の面および実際には熱飽和が生じることを考慮すると信号光源として使用するのは現実的ではない。信号光源として使用するためには、閾値電流が1mA程度であって、駆動時の注入電流は5〜6mA程度であることが望ましい。注入電流が5mAの場合に光強度1mWを実現するためには、スロープ効率を0.25mW/mA、6mAの場合には0.2mW/mAとする必要があり、上記面発光レーザ素子は、スロープ効率の観点からも、信号光源として使用することは適切ではない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、閾値電流を1mA程度に抑制し、スロープ効率が0.2mW/mA以上となる面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送受信器、光通信器および光通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる面発光レーザ素子は、半導体基板上に積層された活性層を備え、前記半導体基板に対して垂直方向に1.2μm以上、1.6μm以下のレーザ光を出射する面発光レーザ素子において、前記レーザ光に対して99.9パーセント以上の反射率を有する反射側半導体多層膜反射鏡と、前記レーザ光に対して99.4パーセント以上、99.8パーセント以下の反射率を有する出射側半導体多層膜反射鏡とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば、反射側半導体多層膜反射鏡の反射率を99.9%以上とし、出射側半導体多層膜反射鏡の反射率を99.4%以上、99.8%以下としたため、閾値電流が1mA以下となり、スロープ効率を0.2mW/mA以上とすることができる。
【0012】
また、請求項2にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記反射側半導体多層膜反射鏡は、前記半導体基板と前記活性層との間に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を30層以上有し、前記出射側半導体多層膜反射鏡は、前記活性層上に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を20層以上、23層以下だけ有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記反射側半導体多層膜反射鏡は、前記活性層上に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を34層以上有し、前記出射側半導体多層膜反射鏡は、前記半導体基板と前記活性層との間に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を23層以上、27層以下だけ有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記高屈折率領域は、Alx1Ga1−x1As(0≦x≦0.4)によって形成され、前記低屈折率領域は、Alx2Ga1−x2As(0.6≦x≦0.95)によって形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記活性層は、量子井戸層を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項6にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記量子井戸層は、Gax3In1−x3y3As1−y3(0.3≦x<1、0<y<1)によって形成されることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記量子井戸層は、Gax4In1−x4As1−y4−zy4Sb(0.3≦x<1、0<y<0.03、0.002≦z≦0.06)によって形成されることを特徴とする。
【0018】
また、請求項8にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記量子井戸層は、GaAsy5Sb1−y5(0<y<1)によって形成されることを特徴とする。
【0019】
また、請求項9にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記活性層は、量子ドット層を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項10にかかる面発光レーザ素子は、上記の発明において、前記半導体基板は、GaAsによって形成されることを特徴とする。
【0021】
また、請求項11にかかる光送受信器は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路とを有する光送信部と、外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子を有する光受信部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項12にかかる光通信器は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、複数の電気信号を多重化する信号多重化回路と、該信号多重化回路から出力される電気信号に基づき前記面発光レーザ素子を制御する制御回路と、外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する信号分離回路とを備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項13にかかる光通信システムは、請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、該面発光レーザ素子を制御する制御回路と、前記面発光レーザ素子から出射された光信号を一端から入力し、伝送する伝送用光ファイバと、該伝送用光ファイバの他端から出力された前記光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子とを備えたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかる面発光レーザ素子、面発光レーザ素子を使用した光送受信器、光通信器および光通信システムの好適な実施の形態について説明する。図面の記載において、同一または類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各層の厚みと幅との関係、各層の比率などは、現実のものとは異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0025】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子について説明する。図1は、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子の構造を示す断面鳥瞰図である。実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、反射側半導体多層膜反射鏡および出射側半導体多層膜反射鏡の構造を最適化することによって、閾値電流値の低減およびスロープ効率の改善をおこなっている。以下、図1を参照して具体的な構造を説明する。
【0026】
実施の形態1にかかる面発光レーザ素子は、n型基板1上に、順次反射側半導体多層膜反射鏡2、下部クラッド層3、活性層4、上部クラッド層7、出射側半導体多層膜反射鏡8が積層されている。また、出射側半導体多層膜反射鏡8内部には、開口部5と、開口部5の周囲に配置された選択酸化層6を有する。さらに、下部クラッド層3の上部領域および下部クラッド層3よりも上に積層された半導体層はメサポスト状に形成されており、出射側半導体多層膜反射鏡8上面の一部を除いてメサポスト状領域全体および下部クラッド層3の上面全体が保護層10に覆われている。また、メサポスト状領域周縁にはポリイミド層11が配置されており、中央に開口部を備え、半導体多層膜反射鏡8上面の露出した部分と接した構造を有するp側電極12が配置されている。また、n型基板1下面には、n側電極13が配置されている。なお、n型基板1は、n型の導電型を有するGaAsによって形成されている。
【0027】
下部クラッド層3、上部クラッド層7は、それぞれ活性層4を上下から挟み込むように積層されており、活性層4と共に光共振器を形成する。本実施の形態1においては、光共振器の光学長を出射波長と等しいものとするが、出射波長の2倍の値等、他の光学長を有しても良い。下部クラッド層3はn型のGaAsによって形成され、上部クラッド層7は、p型のGaAsによって形成される。なお、共振器内低在波の腹が活性層4の部分に来るように、下部クラッド層3および上部クラッド層7は互いにほぼ等しい光学長を実現する膜厚を有することが好ましい。
【0028】
活性層4は、多重量子井戸層を備えた構造を有する。具体的には、活性層4は、順次積層された障壁層14a、量子井戸層15a、障壁層14b、量子井戸層15b、障壁層14c、量子井戸層15c、障壁層14dによって形成される。すなわち、活性層4は、3層の量子井戸層を4層の障壁層によって挟み込んだ構造を有する。
【0029】
量子井戸層15a〜15cは、量子閉じ込め効果によってキャリアを効率良く閉じ込める構造を有し、Gax3In1−x3y3As1−y3(0.3≦x<1、0<y<1)によって形成される。また、障壁層14a〜14dは、複数の量子井戸層を空間的に互いに分離するためのもので、GaNAsもしくはGaAsによって形成される。
【0030】
開口部5は、AlAsによって形成される。また、選択酸化層6は、AlAsを選択酸化することによって形成される。選択酸化層6は絶縁性を有し、p側電極12から注入された電流を狭窄して活性層4における電流密度を高める機能を有する。また、選択酸化層6は開口部5と異なる屈折率を有し、発振横モードを制御する機能も有する。
【0031】
p側電極12は、中央に開口部を備えた構造を有する。この開口部は、活性層4で発生した光を外部に出力するための出射窓として機能するためのものである。また、p側電極12は、出射側半導体多層膜反射鏡8上のみならず、ポリイミド層11上にも延伸した構造を有するため、寄生容量を低減する観点からポリイミド層11は低誘電率の物質によって形成されている。
【0032】
反射側半導体多層膜反射鏡2は、n型の導電型を有し、高屈折率領域と低屈折率領域とを対とするn型DBR反射鏡を複数積層した構造を有する。また、出射側半導体多層膜反射鏡8は、p型の導電型を有し、高屈折率領域と低屈折率領域とを対とするp型DBR反射鏡を複数積層した構造を有する。高屈折率領域は、p型もしくはn型のGaAsによって形成され、低屈折率領域は、p型もしくはn型のAl0.9Ga0.1Asによって形成されている。ここで、反射側半導体多層膜反射鏡2を構成するn型DBR反射鏡は30層積層されており、出射側半導体多層膜反射鏡8を構成するp型DBR反射鏡は20〜23層積層されている。なお、各領域の界面には、抵抗低減のために組成傾斜領域を介在させることが好ましい。
【0033】
次に、n型DBR反射鏡およびp型DBR反射鏡を積層する数を上記のように決定した理由について説明する。既に説明したように、面発光レーザ素子を信号光源等として利用するためには、閾値電流が低い値に抑制され、スロープ効率を改善する必要がある。まず、これらの条件を満たすために必要な反射側半導体多層膜反射鏡2および出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率について導出し、導出した反射率を実現するために必要なn型DBR反射鏡およびp型DBR反射鏡を積層する数を決定する。
【0034】
最初に、スロープ効率を改善するために必要な条件について検討する。p側電極12が有する開口部から出力されるレーザ光の効率ηは、外部微分量子効率η、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率R、反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率Rを用いて、
η=η(1+[R/R{1−(R/1−R)}]1/2−1・・(1)
と表現することができる。効率ηが大きいほど出力されるレーザ光の効率は大きな値となる。そして、効率ηとスロープ効率Sの関係は、レーザ光の波長λを用いて、
=1.24η/λ・・・(2)
と表される。そのため、(1)式および(2)式を用いて、スロープ効率Sが0.2mW/mA以上となる条件を探ることができる。ここで、外部微分量子効率η、波長λは既知の値であるため、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率R、反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率Rを最適化することで、所望のスロープ効率を実現することができる。具体的に計算した結果について、図2に示す。図2のグラフは、横軸を出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率とし、縦軸をスロープ効率とする。なお、グラフにおいては、反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率Rの値を99.9%以上として計算している。反射側半導体多層膜反射鏡2側からレーザ光を出射することはないため、反射率Rを高く設定する必要があるためである。図2のグラフに示したように、スロープ効率Sを高めるためには、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率Rを99.8パーセント以下であることが好ましく、この反射率に対応した数のp型DBR層を積層する必要がある。
【0035】
次に、閾値電流を1mA以下とするために必要な条件について検討する。閾値電流密度Jthについては、
th=(Ntr/η)exp{α+(α/GΓ)}・・(3)
と表される。なお、(3)式においてNは量子井戸数、Jtrは透明化電流密度、ηは内部量子効率、αは内部損失、αはミラー損失、Gは利得、Γは活性層4内への光閉じ込め係数である。また、ミラー損失αは、
α=(1/2)L×ln(1/R)・・・(4)
と表される。(4)式を(3)式に代入することで、閾値電流密度Jthは出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率Rの関数となり、反射率Rが大きくなるにつれて閾値電流密度Jthは低下することが分かる。反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率Rを99.9%以上とし、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率R以外の変数について具体的な値を代入して計算したところ、図3に示すようなグラフとなった。図3に示すグラフは、横軸が反射率R、縦軸が閾値電流密度Jthを示す。ここで、活性層4のうち実際に電流が流れ込んで発光に寄与する部分の水平断面積は一般に30μm程度であるため、閾値電流の値を1mA以下とするためには、閾値電流密度Jthは3kA/cm以下としなければならない。この条件と、図3のグラフから、閾値電流を1mA以下とするのに必要な出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率Rは、99.4%以上であることが好ましい。
【0036】
すなわち、スロープ効率を0.2mW/mA以上とするためには出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率は99.8%以下が条件となり、閾値電流を1mA以下とするためには出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率は99.4%以上が条件となる。この結果、双方の条件を満たす出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率は99.4%以上、99.8%以下ということとなる。
【0037】
次に、このような反射率を実現するために必要なp型DBR反射鏡の積層数およびn型DBR反射鏡の積層数について導出する。図4(a)は、n型DBR反射鏡の積層数と最大反射率との関係を示す表であり、図4(b)は、p型DBR反射鏡の積層数と最大反射率との関係を示す表である。なお、図4(a)および図4(b)において、同じ積層数のn型DBR反射鏡とp型DBR反射鏡の反射率が異なるのは、各DBR反射鏡の外側の領域の屈折率が相違するためである。例えば、n型DBR反射鏡の外側(下側)にはn型基板1、すなわちGaAs等の半導体層が存在し、半導体層の屈折率は3.5程度となるのに対し、p型DBR反射鏡の外側(上側)は屈折率が1程度の空気が存在するため、反射率が異なることとなる。本願発明者等は、実際に異なる構造の面発光レーザ素子を実験的に作成した上で反射率について測定し、最大反射率を求めている。
【0038】
図4(a)の表を参照すると、n型基板1側に設けられた反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率が99.9%以上となるのに必要なn型DBR反射鏡の積層数は、30層以上であることが分かる。また、図4(b)の表より、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率が99.4%以上、99.8%以下となるのに必要なp型DBR鏡の積層数は20層以上、23層以下となる。
【0039】
このように反射側半導体多層膜反射鏡2および出射側半導体多層膜反射鏡8を構成することで、反射側半導体多層膜反射鏡2の反射率が99.9%以上となり、出射側半導体多層膜反射鏡8の反射率が99.4%以上、99.8%以下となる。そのため、閾値電流値を1mA以下に抑制することが可能となり、スロープ効率についても0.2mW/mA以上とすることができる。そのため、閾値電流値の5倍以上の注入電流、例えば6mAの電流を注入した場合、実施の形態1にかかる面発光レーザ素子から出射されるレーザ光の強度は1mW以上となり、信号光源などの用途に使用することが可能となる。
【0040】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子について説明する。図5は、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子の構造を示す模式図である。実施の形態2にかかる面発光レーザ素子は、基板下面に配置された電極が開口部を有し、この開口部からレーザ光が出射される構造を有する。以下、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子の構造について具体的に説明する。
【0041】
図5に示すように、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子は、n型基板1上に、順次出射側半導体多層膜反射鏡17、下部クラッド層3、活性層4、上部クラッド層7、反射側半導体多層膜反射鏡18が積層された構造を有する。また、反射側半導体多層膜反射鏡18の一部領域において、開口部5および開口部5の周囲に選択酸化層6が配置されている。下部クラッド層3の上部領域および下部クラッド層3よりも上に積層された半導体層はメサポスト状に形成されており、反射側半導体多層膜反射鏡18上面の一部領域を除いてメサポスト状領域全体および下部クラッド層3の上面全体が保護層10に覆われている。また、メサポスト状領域周縁には保護層10を挟んでポリイミド層11が積層されており、反射側半導体多層膜反射鏡18上面およびポリイミド層11上にはp側電極19が配置されている。p側電極19は、実施の形態1のように開口部を有さず、レーザ光がp側電極19近傍から出射されることはない。そのかわり、n型基板1下面には開口部を備えたn側電極20が配置され、レーザ光はn側電極20に備えられた開口部から出射する構造を有する。また、n側電極20の開口部、すなわちレーザ光出射部には、n型基板1と空気の界面における反射を防ぐために、無反射膜21が形成されている。なお、n側電極20は、図5に示すようにn型基板1下面全体に配置する構造としても良いが、円環形状としても良い。また、実施の形態2において、実施の形態1と同一の符号を付した部分については、特に言及しない限り同等の構造を有し、同等の機能を発揮するものとする。
【0042】
出射側半導体多層膜反射鏡17は、n型の導電型を有し、高屈折率領域と低屈折率領域とを対とするn型DBR反射鏡を複数積層した構造を有する。また、反射側半導体多層膜反射鏡18は、p型の導電型を有し、高屈折率領域と低屈折率領域とを対とするp型DBR反射鏡を複数積層した構造を有する。高屈折率領域はp型若しくはn型のGaAsによって形成され、低屈折率領域はp型若しくはn型のAl0.9Ga0.1Asによって形成されている。
【0043】
本実施の形態2にかかる面発光レーザ素子は、実施の形態1と異なり、n型基板1の下面からレーザ光を出射する構造を有する。本実施の形態2において、n型基板1はGaAsによって形成されており、GaAsの禁制帯幅は室温で1.428eV程度であり、0.8682μm以下の波長の光が入射した場合、n型基板1に吸収され、電子・正孔対を生成する。しかし、本実施の形態2にかかる面発光レーザ素子から出射されるレーザ光は、1.2μm〜1.6μm程度の波長を有するため、レーザ光がn型基板1に吸収されずに外部に出射することが可能である。
【0044】
n型基板1の下面から出射する構造を有することから、出射側半導体多層膜反射鏡17および反射側半導体多層膜反射鏡18は、実施の形態1と反対に位置することとなる。このため、実施の形態2にかかる面発光レーザ素子について閾値電流を抑制しつつスロープ効率を改善するためには、改めて出射側半導体多層膜反射鏡17および反射側半導体多層膜反射鏡18の構造を最適化する必要がある。
【0045】
反射率を最適化するための式(1)〜(4)については、実施の形態2についても実施の形態1と同様に成立する。そのため、図2および図3を参照して、実施の形態2における出射側半導体多層膜反射鏡17の反射率は99.4%以上、99.8%以下となり、反射側半導体多層膜反射鏡18の反射率は99.9%以上となる。
【0046】
次に、出射側半導体多層膜反射鏡17を構成するn型DBR鏡の積層数および反射側半導体多層膜反射鏡18を構成するp型DBR鏡の積層数について検討する。n型DBR鏡の積層数と出射側半導体多層膜反射鏡17の反射率とは図4(a)に示した関係を有するため、出射側半導体多層膜反射鏡17の反射率を99.4%以上、99.8%以下とするためには23層以上、26層以下だけn型DBR鏡を積層すればよい。同様に、p型DBR鏡の積層数と反射側半導体多層膜反射鏡18の反射率とは図4(b)に示した関係を有するため、反射側半導体多層膜反射鏡18の反射率を99.9%以上とするためにはp型DBR鏡を26層以上積層すればよい。このように出射側半導体多層膜反射鏡17および反射側半導体多層膜反射鏡18を構成することで、閾値電流が1mA以下であって、スロープ効率が0.2mW/mAとなる面発光レーザ素子を実現することができる。
【0047】
以上のように、本発明にかかる面発光レーザ素子について実施の形態1および実施の形態2によって説明したが、この開示の一部をなす論述および図面は、この発明を限定するものではない。この開示から当業者は、様々な代替実施の形態、実施例および運用技術を導くことができると思われる。例えば、実施の形態1および2では、n型基板1はGaAsによって形成されるものとしたが、InPによって形成することとしても良い。また、活性層4を形成する量子井戸層についても、Gax3In1−x3y3As1−y3(0.3≦x<1、0<y<1)の他、Gax4In1−x4As1−y4−zy4Sb(0.3≦x<1、0<y<0.03、0.002≦z≦0.06)を用いても良い。Gax4In1−x4As1−y4−zy4Sbを使用した場合、結晶性が向上することが確認されており、より特性に優れた面発光レーザ素子を実現することができる。同様に、GaAsy5Sb1−y5(0<y<1)を用いても良いし、活性層4を量子井戸層ではなく、量子ドット層によって形成する構造としても良い。
【0048】
また、n型DBR鏡およびp型DBR鏡を形成する高屈折率領域についても、GaAsに限定される必要はなく、Alx1Ga1−x1As(0≦x≦0.4)を高屈折率領域として使用することが可能である。同様に、低屈折率領域についても、Al0.9Ga0.1Asに限定される必要はなく、Alx2Ga1−x2As(0.6≦x≦0.95)を低屈折率領域として使用することが可能である。高屈折率領域および低屈折率領域の組成が変化することで積層するn型DBR鏡およびp型DBR鏡の反射率が変化する場合もあるが、その場合でも、図4(a)および図4(b)で示すような表を実験的若しくは理論的に導出することで、適切な反射率を実現する積層数を求めることが可能である。
【0049】
また、開口部5を形成する半導体層すなわち選択酸化層6の酸化前の半導体層について、AlAs以外にも、Alx6Ga1−x6As(0.97≦x<1)を使用しても良い。さらに、面発光レーザ素子を構成する半導体層について、導電型を上記したものと反対としても良い。たとえば、p型基板上に順次半導体層を積層する構造とすることが可能である。
【0050】
さらに、活性層4について、3重の量子井戸層を有する構造としなくても良く、単一量子井戸層若しくは2層〜5層程度の量子井戸層を有する多重量子井戸層を備えた構造としても良い。
【0051】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる光通信器について説明する。図6は、実施の形態3にかかる光通信器の構造を示すブロック図である。本実施の形態3にかかる光通信器は、光信号を送受信するための光送信部34および光受信部35を有する光送受信器31と、電気信号を光送受信器31に入力する信号多重化回路32と、光送受信器31が受信した光信号から得られる電気信号を分離する信号分離回路33とを有する。
【0052】
光送信部34は、信号多重化回路32から入力された電気信号を光信号に変換して送信するためのものである。具体的には、光送信部34は、光信号を出射する面発光レーザ素子36と、入力された電気信号に基づいて面発光レーザ素子36を制御する制御回路37と、面発光レーザ素子36から出射された光信号を外部に出力するための出力光学系38とを有する。
【0053】
光送信部34に含まれる面発光レーザ素子36には、実施の形態1または2にかかる面発光レーザ素子を用いる。したがって、面発光レーザ素子36は、閾値電流値が低く、スロープ効率が改善されており、1mW以上の強度の光信号を出力することが可能である。
【0054】
光受信部35は、外部から受信した光信号を電気信号に変換して信号分離回路33に出力するためのものである。具体的には、光受信部35は、光信号を受信して電気信号に変換するための光電変換素子39と、光信号を光電変換素子39に導くための入力光学系40と、光電変換素子39から出力される電気信号を増幅する増幅回路41とを有する。光電変換素子39は、受信した光信号の強度に基づいて電気信号を出力する。光電変換素子39としては、フォトダイオードの他、光抵抗などを用いることが可能である。
【0055】
信号多重化回路32は、外部から入力される複数の電気信号を多重化して1本の電気信号にするためのものである。多重化されて得られた1本の電気信号は、光送受信器31を構成する光送信部34に出力される。
【0056】
信号分離回路33は、光送受信器31を構成する光受信部35から得られた電気信号について、複数の電気信号に分離するためのものである。光受信部35で受信される光信号は元来複数の信号を含んでいるため、光信号を光電変換して得られる電気信号についても、情報を取り出すためには複数の電気信号に分離する必要があるためである。
【0057】
次に、本実施の形態3にかかる光通信器の動作について説明する。実施の形態3にかかる光通信器は、複数の電気信号について送受信をおこなうためのものである。最初に、送信動作について説明する。
【0058】
まず、外部から入力された複数の電気信号は、信号多重化回路32で単一の電気信号に変換される。そして、この単一の電気信号が信号多重化回路32から制御回路37に入力され、制御回路37は、この電気信号に基づいて面発光レーザ素子36に注入する電流を制御する。具体的には、制御回路37によって、電気信号波形に対応した波形を有する光信号が面発光レーザ素子36から出射される。
【0059】
次に、受信動作について説明する。外部から伝送されてきた光信号は、入力光学系40を介して入射し、光電変換素子39によって受信される。光電変換素子39は受信した光信号の強度変化に対応した波形を有する電気信号を出力する機能を有し、変換された電気信号は増幅回路41に入力される。外部から入力された光信号の強度は、一般に微弱であるため、光電変換素子39から出力される電気信号の強度も微弱となり、増幅回路41によってその強度を増幅される。その後、増幅された電気信号は信号分離回路33に入力され、複数の電気信号に分離される。以上で受信動作が終了する。
【0060】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる光通信システムについて説明する。図7は、実施の形態4にかかる光通信システムの構造を示す模式図である。実施の形態4にかかる光通信システムは、実施の形態1または2にかかる面発光レーザ素子を信号光源に使用している。具体的には、本実施の形態4にかかる光通信システムは、信号多重化回路42と、信号多重化回路42に接続された制御回路43と、制御回路43に接続された面発光レーザ素子44と、伝送用光ファイバ46と、面発光レーザ素子44と伝送用光ファイバ46の一端とを光結合させるための光学系とを有する。また、伝送用光ファイバ46の他端と光学系47を介して光結合した光電変換素子48と、光電変換素子48と接続された増幅回路49と、増幅回路49と接続された信号分離回路50とを有する。
【0061】
信号多重化回路42で得られた単一の電気信号は制御回路43に入力され、この電気信号に基づいて制御回路43は面発光レーザ素子44に注入する電流について制御をおこなう。これにより、面発光レーザ素子44から出力される光信号は、信号多重化回路42で得られた電気信号に対応した波形を有する。面発光レーザ素子44から出力された光信号は光学系45を介して伝送用光ファイバ46の一端に入射し、伝送用光ファイバ46中を伝送する。
【0062】
そして、伝送用光ファイバ46中を伝送した光信号は、伝送用光ファイバ46の他端から出射し、光学系47を介して光電変換素子48に入射する。光電変換素子48は、受信した光信号に基づく電気信号を出力し、増幅回路49で増幅された後に信号分離回路50に入力される。
【0063】
信号分離回路50は、入力された電気信号について、信号多重化回路42で多重化される前の個々の電気信号に分離して、情報を復元する。このようにして本実施の形態4にかかる光通信システムは情報の伝送をおこなう。
【0064】
本実施の形態4にかかる光通信システムでは、送信側の信号光源として、実施の形態1または2にかかる面発光レーザ素子を使用している。そのため、閾値が低く、スロープ効率が改善され、光強度が1mW以上の面発光レーザ素子を使用することが可能である。そのため、光通信システムにおいて伝送用光ファイバ46のファイバ長を長くとることが可能であり、光信号の長距離伝送が可能である。
【0065】
また、実施の形態1または2にかかる面発光レーザ素子は、波長が1.2μm以上のレーザ光を出射するため、伝送用光ファイバ46において低損失となる波長を選択することが可能である。また、これらの波長帯において、既存の光通信システムを利用することができるという利点も有する。たとえば、出射波長を1.550μm程度として、伝送用光ファイバ46の途上にEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)を配置する構造としても良い。この場合、EDFAによって光信号の強度を増幅することができるので、伝送距離をさらに延伸させることができる。同様に、TDFA、ラマン増幅器等を用いても良い。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜10の発明によれば、出射側反射面の反射率を99.4%以上、99.8%以下とし、反射側反射面の反射率を99.9%としたため、閾値電流値を1mA以下に抑制し、スロープ効率を0.2mW/mA以上とすることができるという効果を奏する。そのため、閾値電流値の5倍以上の値、たとえば6mAの電流を注入した場合、出射されるレーザ光の強度は1mW以上となり、信号光源等として使用することが可能となる効果を奏する。
【0067】
また、請求項11〜13の発明によれば、請求項1〜10に記載の面発光レーザ素子を使用することとしたため、低閾値で動作し、高い光出力を有する光源を使用することができ、光信号を長距離伝送することが可能な光送受信器、光通信器および光通信システムを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる面発光レーザ素子の構造を示す断面鳥瞰図である。
【図2】出射側半導体多層膜反射鏡の反射率とスロープ効率との関係を示すグラフである。
【図3】出射側半導体多層膜反射鏡の反射率と閾値電流値との関係を示すグラフである。
【図4】(a)は、n型DBR反射鏡の積層数と反射率との関係を示す図表であり、(b)は、p型DBR反射鏡の積層数と反射率との関係を示す図表である。
【図5】実施の形態2にかかる面発光レーザ素子の構造を示す断面図である。
【図6】実施の形態3にかかる光通信器の構造を示すブロック図である。
【図7】実施の形態4にかかる光通信システムの構造を示すブロック図である。
【符号の説明】
1     n型基板
2、18  反射側半導体多層膜反射鏡
3     下部クラッド層
4     活性層
5     開口部
6     選択酸化層
7     上部クラッド層
8、17  出射側半導体多層膜反射鏡
10   保護層
11   ポリイミド層
12、19  p側電極
13、20  n側電極
14a〜14d  障壁層
15a〜15c  量子井戸層
21  無反射膜
31   光送受信器
32   信号多重化回路
33   信号分離回路
34   光送信部
35   光受信部
36   面発光レーザ素子
37   制御回路
38   出力光学系
39   光電変換素子
40   入力光学系
41   増幅回路
42   信号多重化回路
43   制御回路
44   面発光レーザ素子
45   光学系
46   伝送用光ファイバ
47   光学系
48   光電変換素子
49   増幅回路
50   信号分離回路

Claims (13)

  1. 半導体基板上に積層された活性層を備え、前記半導体基板に対して垂直方向に1.2μm以上、1.6μm以下のレーザ光を出射する面発光レーザ素子において、
    前記レーザ光に対して99.9パーセント以上の反射率を有する反射側半導体多層膜反射鏡と、
    前記レーザ光に対して99.4パーセント以上、99.8パーセント以下の反射率を有する出射側半導体多層膜反射鏡と、
    を備えたことを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記反射側半導体多層膜反射鏡は、前記半導体基板と前記活性層との間に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を30層以上有し、
    前記出射側半導体多層膜反射鏡は、前記活性層上に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を20層以上、23層以下だけ有することを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記反射側半導体多層膜反射鏡は、前記活性層上に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を34層以上有し、
    前記出射側半導体多層膜反射鏡は、前記半導体基板と前記活性層との間に積層され、低屈折率領域と高屈折率領域を備えた分布帰還型反射鏡を23層以上、27層以下だけ有することを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
  4. 前記高屈折率領域は、Alx1Ga1−x1As(0≦x≦0.4)によって形成され、前記低屈折率領域は、Alx2Ga1−x2As(0.6≦x≦0.95)によって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  5. 前記活性層は、量子井戸層を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  6. 前記量子井戸層は、Gax3In1−x3y3As1−y3(0.3≦x<1、0<y<1)によって形成されることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザ素子。
  7. 前記量子井戸層は、Gax4In1−x4As1−y4−zy4Sb(0.3≦x<1、0<y<0.03、0.002≦z≦0.06)によって形成されることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザ素子。
  8. 前記量子井戸層は、GaAsy5Sb1−y5(0<y<1)によって形成されることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザ素子。
  9. 前記活性層は、量子ドット層を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  10. 前記半導体基板は、GaAsによって形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、入力された電気信号に基づいて前記面発光レーザ素子に注入する電流値を制御する制御回路とを有する光送信部と、
    外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子を有する光受信部と、
    を備えたことを特徴とする光送受信器。
  12. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、
    複数の電気信号を多重化する信号多重化回路と、
    該信号多重化回路から出力される電気信号に基づき前記面発光レーザ素子を制御する制御回路と、
    外部から入射する光信号を受信して電気信号に変換する信号分離回路と、
    を備えたことを特徴とする光通信器。
  13. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の面発光レーザ素子と、
    該面発光レーザ素子を制御する制御回路と、
    前記面発光レーザ素子から出射された光信号を一端から入力し、伝送する伝送用光ファイバと、
    該伝送用光ファイバの他端から出力された前記光信号を受信して電気信号に変換する光電変換素子と、
    を備えたことを特徴とする光通信システム。
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