JP2004014731A - 電子デバイス収容装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子デバイスを収容部に適切に収容できるようにする。
【解決手段】収容部22が複数形成された非磁性体からなるテープ20を前記長手方向に送るテープ送り機構と、2つの磁極42A,42Bがともにテープ20の裏面と対向する電磁石40と、この電磁石40の2つの磁極42A,42Bに対応するテープ20上に、磁性体部材14A,14Bを有する電子デバイス10を1個ずつ搬送するデバイス搬送機構32と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構32の動作と電磁石40への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構32から収容部22に電子デバイス10を供給する際に、電磁石40への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石40への通電を停止することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】収容部22が複数形成された非磁性体からなるテープ20を前記長手方向に送るテープ送り機構と、2つの磁極42A,42Bがともにテープ20の裏面と対向する電磁石40と、この電磁石40の2つの磁極42A,42Bに対応するテープ20上に、磁性体部材14A,14Bを有する電子デバイス10を1個ずつ搬送するデバイス搬送機構32と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構32の動作と電磁石40への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構32から収容部22に電子デバイス10を供給する際に、電磁石40への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石40への通電を停止することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非磁性体シートに形成された収容部に電子デバイスを収容する電子デバイス収容装置に関し、特に、磁性体部材を有する電子デバイスを収容部に収容する電子デバイス収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モバイルコンピュータや携帯電話など、より一層の小型化を指向している製品には、省スペース化および高集積化を図るため、サイズが極めて小さい電子デバイス、所謂極小デバイスが用いられる。図17は、極小デバイスの一構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図である。この図に示す極小デバイス10は、チップを樹脂で直方体状に封止して形成された樹脂封止体12と、チップの電極を樹脂封止体12の対向する2側面に引き出す第1および第2のリード14A,14Bとを有している。各部の寸法の一例を挙げると、樹脂封止体12の高さHは0.5mm、幅Wは1.2mm、奥行きDは0.6mmであり、リード14A,14Bの先端から樹脂封止体12の側面までの距離Lは0.3mmである。極小デバイス10のリード14A,14Bは、極小デバイス10の消費電力が小さいことから、放熱性のよい銅よりはむしろ、熱膨張係数が小さく、しかも加工性に優れ、強度が高い鉄系の金属で形成される。
【0003】
極小デバイス10の保管方法には、キャリアテープに複数形成されたエンボスまたは粘着テープからなる収容部に極小デバイス10を1個ずつ収容し、その後に収容部をシーリングする方法などがある。以下では、例として、極小デバイス10をエンボス内に収容する場合について説明する。
【0004】
図18は、キャリアテープの一構成例を示す斜視図である。キャリアテープ20は、樹脂またはパルプなどからなる非磁性体シートをテープ状に形成したものであり、その長手方向にエンボス22が等間隔に複数設けられている。個々のエンボス22は、平面視略矩形をした収容部を構成する。エンボス22の大きさは極小デバイス10の大きさに対応させた上、できるだけ小さくし、エンボス22内で極小デバイス10が動ける自由度を小さくすることが望ましい。これによりエンボス22内で極小デバイス10が転動することまたは裏返しになることなく、所定の正しい収容姿勢を保つことができ、また転動などにより極小デバイス10が損傷または故障してしまうことを防ぐことができる。また、キャリアテープ20の側部には、テープ送りの際にスプロケットの歯を掛けるための孔24が等間隔に複数形成されている。
【0005】
図19は、極小デバイス10をキャリアテープ20のエンボス22内に収容する従来の手順を示す説明図である。極小デバイスの特性を測定し、正常に動作する極小デバイス10をピックアップ位置に配置する。このピックアップ位置の上方に配置されたコレット30を▲1▼方向に下降させ、その先端を極小デバイス10の樹脂封止体12の上面中央に接触させ、コレット30により極小デバイス10を吸引保持する。この状態でコレット30を▲2▼方向に上昇させ、続いて▲3▼方向に移動させ、極小デバイス10をリリース位置の上方に搬送する。リリース位置にはキャリアテープ20の空のエンボス22が配置されているので、コレット30を▲4▼方向にリリース位置まで下降させ、コレット30による吸引を停止し、極小デバイス10をエンボス22内に収容する。その後、コレット30をピックアップ位置の上方に戻すとともに、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、次のエンボスをリリース位置に配置する。以後、上述した動作を繰り返し行ない、キャリアテープ20のエンボス22内に極小デバイス10を1個ずつ収容する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、極小デバイス10をコレット30で吸引保持する際に生ずる位置ずれや、コレット30の移動量の誤差などにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差が生じる。エンボス22は極小デバイス10の大きさに対してできるだけ小さく形成されるので、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差により、極小デバイス10をエンボス22に収容する際にエンボス開口部に極小デバイス10が接触し、エンボス22から飛び出したり、転動したり、あるいは裏返しに収容されてしまうなどの収容ミスが起こることがあった。極小デバイス10のサイズは通常の電子デバイスと比較して極めて小さいため、位置決め誤差の及ぼす影響が顕著に表れ、収容ミスが特に起こりやすいという問題があった。
【0007】
収容ミスにより、エンボス22内で転動した極小デバイス10があった場合には、極小デバイス10をオペレータがエンボス22内に入れ直さなければならず、また、極小デバイス10が1個も収容されていないエンボス22があった場合には、収容すべき極小デバイス10に相当するものをオペレータがエンボス22内に収容しなければならないので、オペレータが終始監視する必要があった。また、人為的に極小デバイス10をエンボス22内に収容するため、作業効率が低下するのみならず、極小デバイス10の樹脂封止体12に汚れや傷を付けてしまうことがあった。
【0008】
この問題は、極小デバイス10をエンボス22内に収容する場合だけでなく、エンボス22とは異なる他の形態の収容部に極小デバイス10を収容する場合にも同様に発生する問題である。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、極小デバイスなどの電子デバイスを収容部に適切に収容できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の電子デバイス収容装置は、電子デバイスのリードが鉄などの磁性体からなることに着目し、かかるリードなどの磁性体部材を収容部の所定位置に向けて磁気力で吸引することにより、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差を補正することを特徴とする。
【0011】
より具体的には、本発明の電子デバイス収容装置は、長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、2つの磁極がともにテープの裏面と対向する電磁石と、この電磁石の2つの磁極に対応するテープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石への通電を停止することを特徴とする。
デバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行なうと、電磁石の一方の磁極から出る磁束が、収容部が配置された空隙を経て、電子デバイスの磁性体部材を通り、再び収容部が配置された空隙を経て、電磁石の他方の磁極に戻る閉磁路を形成し、磁性体部材を電磁石の2つの磁極に向かって吸引することができる。よって、電磁石の2つの磁極を、磁性体部材が収容部で配置されるべき位置の近傍に配置することにより、電子デバイスを収容部に収容する際に、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差を補正することができる。
また、テープ送り機構を動作させテープ送りする間、電磁石への通電を停止することにより、電子デバイスは収容部に収容された直後、電磁石から離れていく間に、電磁石の磁極の方向の力を受けない。
【0012】
また、電磁石が、磁性体からなる心材と、この心材に巻かれたコイルとを有し、このコイルを含む共振回路を更に備えた構成としてもよい。この共振回路を用いて時間とともに減衰する振動電流を電磁石に与えることにより、電磁石からは時間とともに減衰する交番磁界が発生する。これにより、磁界による磁性体部材の磁化を磁界発生停止後に消失させることができる。
【0013】
また、電磁石が、磁性体からなる心材と、この心材に巻かれたコイルと、心材の両端にそれぞれ接触するとともに、それぞれの先端がテープの裏面と対向する磁性体からなる2つの磁極部材とを有する構成としてもよい。2つの磁極部材を所望の形状に形成することにより、電磁石の2つの磁極を、電子デバイスの磁性体部材に対応した適切な位置に配置することができる。
【0014】
また、本発明の電子デバイス収容装置は、長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、磁極がテープの裏面と対向する電磁石と、この電磁石の磁極に対応するテープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石への通電を停止することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。図2は、この電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。図3は、この電子デバイス収容装置が有するスプロケットの構造を示す側面図である。図4は、この電子デバイス収容装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。これらの図では、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図17〜図19と同一符号で示している。
【0017】
この電子デバイス収容装置は、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送るテープ送り機構と、2つの磁極がともにキャリアテープ20の裏面と対向する電磁石40と、この電磁石40の2つの磁極に対応するキャリアテープ20上に極小デバイス10を1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40への通電とを同期させる制御部70とを備える。ここに、テープ送り機構は、図4に示すスプロケット60とその駆動部64とから構成され、デバイス搬送機構は、図4に示すコレット32とその駆動部34とから構成される。
【0018】
コレット32は、制御部70がコレット駆動部34を制御することにより、図19におけるコレット30とほぼ同様に動作する。すなわち、ピックアップ位置で極小デバイス10を吸引保持し、その状態で極小デバイス10をキャリアテープ20に形成されたエンボス22上方のリリース位置まで搬送し、そこで吸引を停止し極小デバイス10を落下させる。
ただし、図1および図2に示すように、コレット32は、リード14A,14Bの先端が下側を向く状態で、極小デバイス10を保持する。また、リリース位置でリード14A,14Bがキャリアテープ20の両サイドを向くように、極小デバイス10を搬送する。このリリース位置は、エンボス22の開口部より高い位置に設定される。エンボス22の開口部からリリース位置までの高さh1は、極小デバイス10の大きさおよび重さ、電磁石40の磁極の磁気量(磁束密度)などにより決められる。
【0019】
図3に示すように、スプロケット60には、キャリアテープ20の側部に形成された孔24に掛ける歯62が付いている。スプロケット60は、スプロケット駆動部64に対する制御部70の制御により、キャリアテープ20の孔24に歯62を掛けながら所定角度回転する。これにより、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、リリース位置の下方(すなわち、電磁石40上)に空のエンボス22を順次配置することができる。
【0020】
図1に示すように、電磁石40は、正面視U字形に形成された軟鉄などの磁性体からなる鉄心42と、この鉄心42の周りに密に巻かれた絶縁導体からなるコイル44とから構成される。コイル44の両端間には、直流電源52およびスイッチ54が直列に接続されている。スイッチ54の開閉は制御部70により制御される。
スイッチ54を閉じてコイル44に通電すると、磁界が発生し、磁路の一部を形成する鉄心42が磁化され、鉄心42の両端42A,42Bが磁極となる1個の磁石として作用する。
磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bのそれぞれは、リリース位置から落下してくる極小デバイス10のリード14A,14Bが、エンボス22の中で配置されるべき位置の直下にある。鉄心42の両端42A,42Bからエンボス22の裏面までの高さh2は、電磁石40の磁極の磁気量(磁束密度)により決められるが、例えば1mm程度とすることができる。
【0021】
次に、図5および図6を参照し、電子デバイス収容装置の動作について説明する。図5は、制御部70による制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図6は、スイッチ54を閉じてコイル44に通電したときの状態を概念的に示す図である。
コレット32により極小デバイス10をエンボス22の上方のリリース位置に搬送し、図5(b)に示すように時刻t1においてスイッチ54を閉じ、コイル44への通電を開始すると、図6に示すように、電磁石40のN極として作用する鉄心42の一端42Aから出る磁束が、第1の磁極部材44Aを通り、エンボス22が配置された空隙を経て、極小デバイス10の第1のリード14Aおよび第2のリード14Bを通り、再びエンボス22が配置された空隙を経て、電磁石40のS極として作用する鉄心42の他端42Bに戻る閉磁路75ができる。
【0022】
この閉磁路75を通る磁束により極小デバイス10の第1および第2のリード14A,14Bが磁化され、鉄心42の一端42A(N極)に近接する第1のリード14Aの先端がS極となり、鉄心42の他端42B(S極)と近接する第2のリード14Bの先端がN極となる。その結果、鉄心42の一端42A(N極)と第1のリード14Aの先端(S極)との間、および鉄心42の他端42B(S極)と第2のリード14Bの先端(N極)との間に働くクーロン力により、第1および第2のリード14A,14Bが鉄心42の両端42A,42Bに向かって引き付けられる。
【0023】
鉄心42の両端42A,42Bは、それぞれ第1および第2のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下にあるので、例えば図6に示すように、コレット32により極小デバイス10が左側にずれた位置で吸引保持されていたとしても、図5(a)に示すように時刻t1においてコレット32による吸引を停止すると、極小デバイス10はリリース位置から右下に向かう▲6▼方向に落下し、エンボス22内の適切な位置に収容される。このように、リリース位置においてエンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差が発生したとしても、この誤差を極小デバイス10がリリース位置から落下している間に補正し、極小デバイス10をエンボス22内の適切な位置に収容することができる。
【0024】
極小デバイス10をコレット32で吸引保持する際に生ずる位置ずれや、コレット30の移動量の誤差などに基づく位置決め誤差の発生自体を低減することは困難であるが、この電子デバイス収容装置を用いることにより、上述した位置決め誤差の発生自体の低減を図らなくても、極小デバイス10の収容ミスを低減することが可能となる。
また、極小デバイス10のリード14A,14Bの先端が、鉄心42の両端42A,42Bに向かって引き付けられるので、リード14A,14Bの先端が下側を向く状態で、極小デバイス10をエンボス22内に確実に収容することができる。
【0025】
本実施の形態においては、少なくともコレット32による吸引が停止された瞬間に、コイル44への通電が行われればよいので、図5に示すように吸引停止と同時にスイッチ54を閉じるようにしてもよいし、吸引停止より前にスイッチ54を閉じるようにしてもよい。なお、極小デバイス10がリリース位置からエンボス22内に落下するまでに要する時間が経過してからスイッチ54を開くようにしてもよいが、コレット32による吸引が停止された直後にスイッチ54を開くようにしてもよい。
【0026】
続いて、図5(b)に示すように、時刻t1から所定時間経過した時刻t2にスイッチ54を開き、コイル44への通電を停止する。その後、図5(c)に示すように、時刻t3から時刻t4までスプロケット駆動部64を動作させて、スプロケット60を所定角度回転させ、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、リリース位置の下方に次のエンボス22を配置する。
このようにテープ送りする間、コイル44への通電を停止することにより、極小デバイス10がエンボス22内に収容された直後、電磁石40から離れていく間に、電磁石40の磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bに向かう斜め下方向の力をリード14A,14Bが受けないようにすることができる。これにより、極小デバイス10がエンボス22の中で転動することを抑制し、極小デバイス10A,10Bの正しい姿勢を保つことができる。
【0027】
以後、時刻t5においてコレット32による吸引を停止するとともに、時刻t5から時刻t6まで電磁石40のコイル44への通電を行い、時刻t7から時刻t8までテープ送りを行なう。このような動作を繰り返すことにより、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に複数形成されたエンボス22に極小デバイス10を1個ずつ収容することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。この電子デバイス収容装置では、電磁石40Bのコイル44の両端間に、交流電源56およびダイオード58が直列に接続されている。これにより、コイル44の両端間に、図8に示すような半波整流された交流電圧が印加される。
第1の実施の形態と同様に、図示しない制御部によりテープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40Bへの通電との同期をとる。例えば半波整流された交流電圧のピーク時t11に、コレット32による極小デバイス10の吸引を停止し、半波整流された交流電圧の値が0となる時刻t12〜t13の間に、テープ送りを行なう。このような制御を行なうことにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を極小デバイス10が落下している間に補正することができ、また極小デバイス10がエンボス22内に収容された後に転動することを抑制できる。
【0029】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。この電子デバイス収容装置は、電磁石40Cのコイル44と並列にコンデンサ82を接続し、コイル44とコンデンサ82とからなる共振回路80を備えたものである。
スイッチ54を開閉し、コイル44の両端間にパルス電圧を印加すると、共振回路80が共振し振動電流が流れる。共振回路80は抵抗成分を有するため、共振回路80に流れる振動電流は、図10に示すように時間とともに減衰してゆく。したがって、電磁石40Cからは時間とともに減衰する交番磁界が発生するので、極小デバイス10のリード14A,14Bの磁界による磁化を、磁界発生停止後に消失させることができる。
【0030】
この形態でも第1の実施の形態と同様に、図示しない制御部によりテープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40Cへの通電との同期をとる。例えばスイッチ54を閉じてコイル44の両端間にパルス電圧を印加する時刻t21に、コレット32による極小デバイス10の吸引を停止し、振動電流の値がほぼ0となる時刻t22〜t23の間に、テープ送りを行なう。このような制御を行なうことにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を極小デバイス10が落下している間に補正することができ、また極小デバイス10がエンボス22内に収容された後に転動することを抑制できる。
【0031】
(第4の実施の形態)
上述した第1〜第3の実施の形態では、電磁石40のコイル44に通電している間、既にエンボス22内に収容された極小デバイス10のリード14A,14Bは、電磁石40の磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bに向かう斜め下方向の力を受けることになる。この力は電磁石40の鉄心42の両端42A,42Bから極小デバイス10が離れるにしたがって小さくなるので、この力により極小デバイス10がエンボス22内で転動する可能性は小さい。以下では、その可能性を更に低減できる構成例を、本発明の第4の実施の形態として説明する。
【0032】
図11は、本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。図12は、この電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。図13は、この電子デバイス収容装置を上面からみたときの構造を示す図である。これらの図では、図1、図2、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図1、図2、図17〜図19と同一符号で示している。
この電子デバイス収容装置が有する電磁石140は、磁路の一部を形成する鉄心142と、この鉄心142の周りに密に巻かれたコイル144と、2つの磁極部材145A,145Bとから構成される。
【0033】
図13に示すように、鉄心142の中心線X−X′は、極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置と対向する位置を通っている。
2つの磁極部材145A,145Bは、鉄などの磁性体を板状に形成したものであり、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に沿って互いに平行に、かつ、鉄心142の両端にそれぞれ接触するように配置される。
【0034】
図11および図12に示すように、磁極部材145A,145Bの上部は、キャリアテープ20の裏面に向かって突出している。キャリアテープ20の裏面に対向する磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bは、それぞれ極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下を通っている。
磁極部材145A,145Bは、それぞれ鉄心142の両端と接触することにより磁化され、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bが磁石140の2つの磁極として作用する。
【0035】
電磁石140では鉄心142の中心線X−X′上で磁束密度が最も高くなるので、X−X′上にあるエンボス22内の位置、すなわち極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22内で配置されるべき位置に向かって、リード14A,14Bを吸引することができる。したがって、第1〜第3の実施の形態と同様に、極小デバイス10をエンボス22内の適切な位置に収容することができる。
【0036】
また、電磁石140の2つの磁極として作用する磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bが、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に延在するので、電磁石140のコイル142に通電している間、既にエンボス22内に収容された極小デバイス10A,10Bのリード14A,14Bは、図12に示すように磁極部材145A,145Bがある下方向の力を受ける。よって、電磁石140から受ける力により、極小デバイス10A,10Bがエンボス22の中で転動することを抑制し、極小デバイス10A,10Bの正しい姿勢を保つことができる。
【0037】
なお、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の端部147A,147Bよりも先の位置に送られたキャリアテープ20上の極小デバイス10Cは、磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bから斜め下方向の力を受ける。しかし、鉄心142から離れた位置にある磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bでは、漏洩磁束のため鉄心142付近と比べて磁束密度が低いので、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の長さを適切な値に設定することにより、磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bから受ける斜め下方向の力を十分小さくし、この力により極小デバイス10Cがエンボス22の中で転動してしまうことを防止できる。
【0038】
しかし、装置の構造上、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の長さに制限がある場合には、図14に示す磁石240のように、鉄心142が配置される位置から▲5▼方向に離れるにしたがって、磁極部材245Aの高さを徐々に低くし、磁極部材245Aとキャリアテープ20の裏面との間隔が徐々に広がるようにすればよい。このようにして磁極部材245Aの▲5▼方向の端部247Aとキャリアテープ20との間の空隙を広くすることにより、磁極部材245Aの端部247Aよりも先の位置に送られたキャリアテープ20上の極小デバイス10Cが磁極部材245Aの端部247Aから受ける斜め下方向の力を弱めることができる。したがって、磁極部材245Aの▲5▼方向の長さを短くしても、極小デバイス10Cがエンボス22の中で転動してしまうことを防止できる。なお、図示しない磁極部材245Bの高さについても、磁極部材245Aと同様にすることは言うまでもない。
【0039】
磁極部材の高さの変化は、図14に示す磁石240の磁極部材245Aのように、直線的であってもよいし、図15に示す磁石340の磁極部材345Aのように、曲線的であってもよい。なお、図15において、347Aは磁極部材345Aの▲5▼方向の端部である。
【0040】
(第5の実施の形態)
図16は、本発明の第5の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。これらの図では、図1、図2、図11〜図13、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図1、図2、図11〜図13、図17〜図19と同一符号で示している。
この電子デバイス収容装置では、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bに、それぞれ突起部448A,448Bが形成されている(突起部448は図示せず)。突起部448A,448Bは、周囲が切り欠かれて尖っており、それぞれの先端は、極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下にある。突起部448A,448Bの先端からエンボス22の底面までの高さh2は、例えば1mm程度とすることができる。
【0041】
リリース位置に搬送された極小デバイス10のリード14A,14Bと、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bとの距離は、突起部448A,448Bにおいて最小となるので、リード14A,14Bはそれぞれ突起部448A,448Bに向かって吸引される。よって、突起部448A,448Bを設けない場合よりも精度よく、エンボス22内の適切な位置に極小デバイス10を収容することができる。
なお、突起部448A,448Bの周囲を切り欠いて尖らせることにより、サイズが極めて小さい極小デバイス10に対しても、リード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下に向かって吸引し、極小デバイス10の収容ミスを低減することができるという効果が得られる。
【0042】
なお、上述した第1〜第5の実施の形態において、電磁石40,140,240,340,440の磁極は、エンボス22の中でリード14A,14Bが配置されるべき位置の近傍にそれぞれ配置されればよく、例えばエンボス22の中でのリード14A,14Bを挟む位置に配置されてもよい。
また、電磁石の一方の磁極のみを、エンボス22の裏面に対向させても、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を補正する作用が得られる。
【0043】
また、収容対象となる極小デバイス10のリード14A,14Bは、磁気力により吸引される性質があればよいので、鉄系に限らず、ニッケル系などの磁性体からなる磁性体部材であってもよい。
また、コレット32によりエンボス22の上方から極小デバイス10を落下させる場合を例に説明したが、エンボス22に向かうガイドを用いて極小デバイス10をエンボス22に供給するようにしてもよい。なお、落下によらずに極小デバイス10をエンボス22に供給する場合にも、上述した電子デバイス収容装置を利用できる。
【0044】
また、エンボス22がキャリアテープ20の長手方向▲5▼に一列に整列配置されている場合を示したが、エンボス22がキャリアテープ20の長手方向▲5▼に二列以上設けられていてもよい。この場合、コレット32と電磁石40との対を、エンボス22の列数に対応させて複数設けることにより、複数の電子デバイスを複数のエンボスに同時に収容でき、電子デバイスの収容に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の電子デバイス収容装置は、エンボス22とは異なる他の形態の収容部、例えばキャリアテープに複数設けられた接着テープからなる収容部に、極小デバイス10を1個ずつ収容する場合にも利用できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子デバイス収容装置によれば、電子デバイスの磁性体部材を収容部の所定位置に向けて磁気力で吸引することにより、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差があったとしても、これを補正し、収容部の適切な位置に電子デバイスを容易に収容することができる。
また、収容部が形成されたテープの送りと電磁石への通電との同期をとり、収容部に収容された直後の電子デバイスが電磁石から離れていく間に、電磁石の磁極の方向の力を受けないようにすることにより、収容部の中で電子デバイスが転動することを抑制し、電子デバイスの収容姿勢を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置が有するスプロケットの構造を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。
【図5】制御部による制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コイルに通電したときの状態を概念的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図8】コイルの両端間に印加される電圧の一例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図10】共振回路に流れる振動電流の一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を上面からみたときの構造を示す図である。
【図14】磁極部材の変形例を側面からみたときの構造を示す図である。
【図15】磁極部材の変形例を側面からみたときの構造を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図17】極小デバイスの一構成例を示す図である。
【図18】キャリアテープの一構成例を示す斜視図である。
【図19】極小デバイスをキャリアテープのエンボス内に収容する従来の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10A〜10C…極小デバイス、12…樹脂封止体、14A,14B…リード、20…キャリアテープ、22…エンボス、24…孔、32…コレット、34…コレット駆動部、40,40B,40C,140,240,340,440…電磁石、42,142…鉄心、42A,42B…鉄心の両端、44,144…コイル、52…直流電源、54…スイッチ、56…交流電源、58…ダイオード、60…スプロケット、62…歯、64…スプロケット駆動部、70…制御部、75…閉磁路、80…共振回路、82…コンデンサ、145A,145B,245A,345A…磁極部材、146A,146B…磁極部材の上面、147A,147B,247A,347A…磁極部材の端部、448A…突起部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、非磁性体シートに形成された収容部に電子デバイスを収容する電子デバイス収容装置に関し、特に、磁性体部材を有する電子デバイスを収容部に収容する電子デバイス収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モバイルコンピュータや携帯電話など、より一層の小型化を指向している製品には、省スペース化および高集積化を図るため、サイズが極めて小さい電子デバイス、所謂極小デバイスが用いられる。図17は、極小デバイスの一構成例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図である。この図に示す極小デバイス10は、チップを樹脂で直方体状に封止して形成された樹脂封止体12と、チップの電極を樹脂封止体12の対向する2側面に引き出す第1および第2のリード14A,14Bとを有している。各部の寸法の一例を挙げると、樹脂封止体12の高さHは0.5mm、幅Wは1.2mm、奥行きDは0.6mmであり、リード14A,14Bの先端から樹脂封止体12の側面までの距離Lは0.3mmである。極小デバイス10のリード14A,14Bは、極小デバイス10の消費電力が小さいことから、放熱性のよい銅よりはむしろ、熱膨張係数が小さく、しかも加工性に優れ、強度が高い鉄系の金属で形成される。
【0003】
極小デバイス10の保管方法には、キャリアテープに複数形成されたエンボスまたは粘着テープからなる収容部に極小デバイス10を1個ずつ収容し、その後に収容部をシーリングする方法などがある。以下では、例として、極小デバイス10をエンボス内に収容する場合について説明する。
【0004】
図18は、キャリアテープの一構成例を示す斜視図である。キャリアテープ20は、樹脂またはパルプなどからなる非磁性体シートをテープ状に形成したものであり、その長手方向にエンボス22が等間隔に複数設けられている。個々のエンボス22は、平面視略矩形をした収容部を構成する。エンボス22の大きさは極小デバイス10の大きさに対応させた上、できるだけ小さくし、エンボス22内で極小デバイス10が動ける自由度を小さくすることが望ましい。これによりエンボス22内で極小デバイス10が転動することまたは裏返しになることなく、所定の正しい収容姿勢を保つことができ、また転動などにより極小デバイス10が損傷または故障してしまうことを防ぐことができる。また、キャリアテープ20の側部には、テープ送りの際にスプロケットの歯を掛けるための孔24が等間隔に複数形成されている。
【0005】
図19は、極小デバイス10をキャリアテープ20のエンボス22内に収容する従来の手順を示す説明図である。極小デバイスの特性を測定し、正常に動作する極小デバイス10をピックアップ位置に配置する。このピックアップ位置の上方に配置されたコレット30を▲1▼方向に下降させ、その先端を極小デバイス10の樹脂封止体12の上面中央に接触させ、コレット30により極小デバイス10を吸引保持する。この状態でコレット30を▲2▼方向に上昇させ、続いて▲3▼方向に移動させ、極小デバイス10をリリース位置の上方に搬送する。リリース位置にはキャリアテープ20の空のエンボス22が配置されているので、コレット30を▲4▼方向にリリース位置まで下降させ、コレット30による吸引を停止し、極小デバイス10をエンボス22内に収容する。その後、コレット30をピックアップ位置の上方に戻すとともに、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、次のエンボスをリリース位置に配置する。以後、上述した動作を繰り返し行ない、キャリアテープ20のエンボス22内に極小デバイス10を1個ずつ収容する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、極小デバイス10をコレット30で吸引保持する際に生ずる位置ずれや、コレット30の移動量の誤差などにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差が生じる。エンボス22は極小デバイス10の大きさに対してできるだけ小さく形成されるので、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差により、極小デバイス10をエンボス22に収容する際にエンボス開口部に極小デバイス10が接触し、エンボス22から飛び出したり、転動したり、あるいは裏返しに収容されてしまうなどの収容ミスが起こることがあった。極小デバイス10のサイズは通常の電子デバイスと比較して極めて小さいため、位置決め誤差の及ぼす影響が顕著に表れ、収容ミスが特に起こりやすいという問題があった。
【0007】
収容ミスにより、エンボス22内で転動した極小デバイス10があった場合には、極小デバイス10をオペレータがエンボス22内に入れ直さなければならず、また、極小デバイス10が1個も収容されていないエンボス22があった場合には、収容すべき極小デバイス10に相当するものをオペレータがエンボス22内に収容しなければならないので、オペレータが終始監視する必要があった。また、人為的に極小デバイス10をエンボス22内に収容するため、作業効率が低下するのみならず、極小デバイス10の樹脂封止体12に汚れや傷を付けてしまうことがあった。
【0008】
この問題は、極小デバイス10をエンボス22内に収容する場合だけでなく、エンボス22とは異なる他の形態の収容部に極小デバイス10を収容する場合にも同様に発生する問題である。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、極小デバイスなどの電子デバイスを収容部に適切に収容できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の電子デバイス収容装置は、電子デバイスのリードが鉄などの磁性体からなることに着目し、かかるリードなどの磁性体部材を収容部の所定位置に向けて磁気力で吸引することにより、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差を補正することを特徴とする。
【0011】
より具体的には、本発明の電子デバイス収容装置は、長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、2つの磁極がともにテープの裏面と対向する電磁石と、この電磁石の2つの磁極に対応するテープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石への通電を停止することを特徴とする。
デバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行なうと、電磁石の一方の磁極から出る磁束が、収容部が配置された空隙を経て、電子デバイスの磁性体部材を通り、再び収容部が配置された空隙を経て、電磁石の他方の磁極に戻る閉磁路を形成し、磁性体部材を電磁石の2つの磁極に向かって吸引することができる。よって、電磁石の2つの磁極を、磁性体部材が収容部で配置されるべき位置の近傍に配置することにより、電子デバイスを収容部に収容する際に、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差を補正することができる。
また、テープ送り機構を動作させテープ送りする間、電磁石への通電を停止することにより、電子デバイスは収容部に収容された直後、電磁石から離れていく間に、電磁石の磁極の方向の力を受けない。
【0012】
また、電磁石が、磁性体からなる心材と、この心材に巻かれたコイルとを有し、このコイルを含む共振回路を更に備えた構成としてもよい。この共振回路を用いて時間とともに減衰する振動電流を電磁石に与えることにより、電磁石からは時間とともに減衰する交番磁界が発生する。これにより、磁界による磁性体部材の磁化を磁界発生停止後に消失させることができる。
【0013】
また、電磁石が、磁性体からなる心材と、この心材に巻かれたコイルと、心材の両端にそれぞれ接触するとともに、それぞれの先端がテープの裏面と対向する磁性体からなる2つの磁極部材とを有する構成としてもよい。2つの磁極部材を所望の形状に形成することにより、電磁石の2つの磁極を、電子デバイスの磁性体部材に対応した適切な位置に配置することができる。
【0014】
また、本発明の電子デバイス収容装置は、長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、磁極がテープの裏面と対向する電磁石と、この電磁石の磁極に対応するテープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、この制御部が、少なくともデバイス搬送機構から収容部に電子デバイスを供給する際に、電磁石への通電を行い、テープ送り機構を動作させる間、電磁石への通電を停止することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。図2は、この電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。図3は、この電子デバイス収容装置が有するスプロケットの構造を示す側面図である。図4は、この電子デバイス収容装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。これらの図では、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図17〜図19と同一符号で示している。
【0017】
この電子デバイス収容装置は、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送るテープ送り機構と、2つの磁極がともにキャリアテープ20の裏面と対向する電磁石40と、この電磁石40の2つの磁極に対応するキャリアテープ20上に極小デバイス10を1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、テープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40への通電とを同期させる制御部70とを備える。ここに、テープ送り機構は、図4に示すスプロケット60とその駆動部64とから構成され、デバイス搬送機構は、図4に示すコレット32とその駆動部34とから構成される。
【0018】
コレット32は、制御部70がコレット駆動部34を制御することにより、図19におけるコレット30とほぼ同様に動作する。すなわち、ピックアップ位置で極小デバイス10を吸引保持し、その状態で極小デバイス10をキャリアテープ20に形成されたエンボス22上方のリリース位置まで搬送し、そこで吸引を停止し極小デバイス10を落下させる。
ただし、図1および図2に示すように、コレット32は、リード14A,14Bの先端が下側を向く状態で、極小デバイス10を保持する。また、リリース位置でリード14A,14Bがキャリアテープ20の両サイドを向くように、極小デバイス10を搬送する。このリリース位置は、エンボス22の開口部より高い位置に設定される。エンボス22の開口部からリリース位置までの高さh1は、極小デバイス10の大きさおよび重さ、電磁石40の磁極の磁気量(磁束密度)などにより決められる。
【0019】
図3に示すように、スプロケット60には、キャリアテープ20の側部に形成された孔24に掛ける歯62が付いている。スプロケット60は、スプロケット駆動部64に対する制御部70の制御により、キャリアテープ20の孔24に歯62を掛けながら所定角度回転する。これにより、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、リリース位置の下方(すなわち、電磁石40上)に空のエンボス22を順次配置することができる。
【0020】
図1に示すように、電磁石40は、正面視U字形に形成された軟鉄などの磁性体からなる鉄心42と、この鉄心42の周りに密に巻かれた絶縁導体からなるコイル44とから構成される。コイル44の両端間には、直流電源52およびスイッチ54が直列に接続されている。スイッチ54の開閉は制御部70により制御される。
スイッチ54を閉じてコイル44に通電すると、磁界が発生し、磁路の一部を形成する鉄心42が磁化され、鉄心42の両端42A,42Bが磁極となる1個の磁石として作用する。
磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bのそれぞれは、リリース位置から落下してくる極小デバイス10のリード14A,14Bが、エンボス22の中で配置されるべき位置の直下にある。鉄心42の両端42A,42Bからエンボス22の裏面までの高さh2は、電磁石40の磁極の磁気量(磁束密度)により決められるが、例えば1mm程度とすることができる。
【0021】
次に、図5および図6を参照し、電子デバイス収容装置の動作について説明する。図5は、制御部70による制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図6は、スイッチ54を閉じてコイル44に通電したときの状態を概念的に示す図である。
コレット32により極小デバイス10をエンボス22の上方のリリース位置に搬送し、図5(b)に示すように時刻t1においてスイッチ54を閉じ、コイル44への通電を開始すると、図6に示すように、電磁石40のN極として作用する鉄心42の一端42Aから出る磁束が、第1の磁極部材44Aを通り、エンボス22が配置された空隙を経て、極小デバイス10の第1のリード14Aおよび第2のリード14Bを通り、再びエンボス22が配置された空隙を経て、電磁石40のS極として作用する鉄心42の他端42Bに戻る閉磁路75ができる。
【0022】
この閉磁路75を通る磁束により極小デバイス10の第1および第2のリード14A,14Bが磁化され、鉄心42の一端42A(N極)に近接する第1のリード14Aの先端がS極となり、鉄心42の他端42B(S極)と近接する第2のリード14Bの先端がN極となる。その結果、鉄心42の一端42A(N極)と第1のリード14Aの先端(S極)との間、および鉄心42の他端42B(S極)と第2のリード14Bの先端(N極)との間に働くクーロン力により、第1および第2のリード14A,14Bが鉄心42の両端42A,42Bに向かって引き付けられる。
【0023】
鉄心42の両端42A,42Bは、それぞれ第1および第2のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下にあるので、例えば図6に示すように、コレット32により極小デバイス10が左側にずれた位置で吸引保持されていたとしても、図5(a)に示すように時刻t1においてコレット32による吸引を停止すると、極小デバイス10はリリース位置から右下に向かう▲6▼方向に落下し、エンボス22内の適切な位置に収容される。このように、リリース位置においてエンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差が発生したとしても、この誤差を極小デバイス10がリリース位置から落下している間に補正し、極小デバイス10をエンボス22内の適切な位置に収容することができる。
【0024】
極小デバイス10をコレット32で吸引保持する際に生ずる位置ずれや、コレット30の移動量の誤差などに基づく位置決め誤差の発生自体を低減することは困難であるが、この電子デバイス収容装置を用いることにより、上述した位置決め誤差の発生自体の低減を図らなくても、極小デバイス10の収容ミスを低減することが可能となる。
また、極小デバイス10のリード14A,14Bの先端が、鉄心42の両端42A,42Bに向かって引き付けられるので、リード14A,14Bの先端が下側を向く状態で、極小デバイス10をエンボス22内に確実に収容することができる。
【0025】
本実施の形態においては、少なくともコレット32による吸引が停止された瞬間に、コイル44への通電が行われればよいので、図5に示すように吸引停止と同時にスイッチ54を閉じるようにしてもよいし、吸引停止より前にスイッチ54を閉じるようにしてもよい。なお、極小デバイス10がリリース位置からエンボス22内に落下するまでに要する時間が経過してからスイッチ54を開くようにしてもよいが、コレット32による吸引が停止された直後にスイッチ54を開くようにしてもよい。
【0026】
続いて、図5(b)に示すように、時刻t1から所定時間経過した時刻t2にスイッチ54を開き、コイル44への通電を停止する。その後、図5(c)に示すように、時刻t3から時刻t4までスプロケット駆動部64を動作させて、スプロケット60を所定角度回転させ、キャリアテープ20をその長手方向▲5▼に送り、リリース位置の下方に次のエンボス22を配置する。
このようにテープ送りする間、コイル44への通電を停止することにより、極小デバイス10がエンボス22内に収容された直後、電磁石40から離れていく間に、電磁石40の磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bに向かう斜め下方向の力をリード14A,14Bが受けないようにすることができる。これにより、極小デバイス10がエンボス22の中で転動することを抑制し、極小デバイス10A,10Bの正しい姿勢を保つことができる。
【0027】
以後、時刻t5においてコレット32による吸引を停止するとともに、時刻t5から時刻t6まで電磁石40のコイル44への通電を行い、時刻t7から時刻t8までテープ送りを行なう。このような動作を繰り返すことにより、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に複数形成されたエンボス22に極小デバイス10を1個ずつ収容することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。この電子デバイス収容装置では、電磁石40Bのコイル44の両端間に、交流電源56およびダイオード58が直列に接続されている。これにより、コイル44の両端間に、図8に示すような半波整流された交流電圧が印加される。
第1の実施の形態と同様に、図示しない制御部によりテープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40Bへの通電との同期をとる。例えば半波整流された交流電圧のピーク時t11に、コレット32による極小デバイス10の吸引を停止し、半波整流された交流電圧の値が0となる時刻t12〜t13の間に、テープ送りを行なう。このような制御を行なうことにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を極小デバイス10が落下している間に補正することができ、また極小デバイス10がエンボス22内に収容された後に転動することを抑制できる。
【0029】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。この電子デバイス収容装置は、電磁石40Cのコイル44と並列にコンデンサ82を接続し、コイル44とコンデンサ82とからなる共振回路80を備えたものである。
スイッチ54を開閉し、コイル44の両端間にパルス電圧を印加すると、共振回路80が共振し振動電流が流れる。共振回路80は抵抗成分を有するため、共振回路80に流れる振動電流は、図10に示すように時間とともに減衰してゆく。したがって、電磁石40Cからは時間とともに減衰する交番磁界が発生するので、極小デバイス10のリード14A,14Bの磁界による磁化を、磁界発生停止後に消失させることができる。
【0030】
この形態でも第1の実施の形態と同様に、図示しない制御部によりテープ送り機構およびデバイス搬送機構の動作と電磁石40Cへの通電との同期をとる。例えばスイッチ54を閉じてコイル44の両端間にパルス電圧を印加する時刻t21に、コレット32による極小デバイス10の吸引を停止し、振動電流の値がほぼ0となる時刻t22〜t23の間に、テープ送りを行なう。このような制御を行なうことにより、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を極小デバイス10が落下している間に補正することができ、また極小デバイス10がエンボス22内に収容された後に転動することを抑制できる。
【0031】
(第4の実施の形態)
上述した第1〜第3の実施の形態では、電磁石40のコイル44に通電している間、既にエンボス22内に収容された極小デバイス10のリード14A,14Bは、電磁石40の磁極として作用する鉄心42の両端42A,42Bに向かう斜め下方向の力を受けることになる。この力は電磁石40の鉄心42の両端42A,42Bから極小デバイス10が離れるにしたがって小さくなるので、この力により極小デバイス10がエンボス22内で転動する可能性は小さい。以下では、その可能性を更に低減できる構成例を、本発明の第4の実施の形態として説明する。
【0032】
図11は、本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面(テープ送り方向)からみたときの構造および回路構成を示す図である。図12は、この電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。図13は、この電子デバイス収容装置を上面からみたときの構造を示す図である。これらの図では、図1、図2、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図1、図2、図17〜図19と同一符号で示している。
この電子デバイス収容装置が有する電磁石140は、磁路の一部を形成する鉄心142と、この鉄心142の周りに密に巻かれたコイル144と、2つの磁極部材145A,145Bとから構成される。
【0033】
図13に示すように、鉄心142の中心線X−X′は、極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置と対向する位置を通っている。
2つの磁極部材145A,145Bは、鉄などの磁性体を板状に形成したものであり、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に沿って互いに平行に、かつ、鉄心142の両端にそれぞれ接触するように配置される。
【0034】
図11および図12に示すように、磁極部材145A,145Bの上部は、キャリアテープ20の裏面に向かって突出している。キャリアテープ20の裏面に対向する磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bは、それぞれ極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下を通っている。
磁極部材145A,145Bは、それぞれ鉄心142の両端と接触することにより磁化され、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bが磁石140の2つの磁極として作用する。
【0035】
電磁石140では鉄心142の中心線X−X′上で磁束密度が最も高くなるので、X−X′上にあるエンボス22内の位置、すなわち極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22内で配置されるべき位置に向かって、リード14A,14Bを吸引することができる。したがって、第1〜第3の実施の形態と同様に、極小デバイス10をエンボス22内の適切な位置に収容することができる。
【0036】
また、電磁石140の2つの磁極として作用する磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bが、キャリアテープ20の長手方向▲5▼に延在するので、電磁石140のコイル142に通電している間、既にエンボス22内に収容された極小デバイス10A,10Bのリード14A,14Bは、図12に示すように磁極部材145A,145Bがある下方向の力を受ける。よって、電磁石140から受ける力により、極小デバイス10A,10Bがエンボス22の中で転動することを抑制し、極小デバイス10A,10Bの正しい姿勢を保つことができる。
【0037】
なお、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の端部147A,147Bよりも先の位置に送られたキャリアテープ20上の極小デバイス10Cは、磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bから斜め下方向の力を受ける。しかし、鉄心142から離れた位置にある磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bでは、漏洩磁束のため鉄心142付近と比べて磁束密度が低いので、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の長さを適切な値に設定することにより、磁極部材145A,145Bの端部147A,147Bから受ける斜め下方向の力を十分小さくし、この力により極小デバイス10Cがエンボス22の中で転動してしまうことを防止できる。
【0038】
しかし、装置の構造上、磁極部材145A,145Bの▲5▼方向の長さに制限がある場合には、図14に示す磁石240のように、鉄心142が配置される位置から▲5▼方向に離れるにしたがって、磁極部材245Aの高さを徐々に低くし、磁極部材245Aとキャリアテープ20の裏面との間隔が徐々に広がるようにすればよい。このようにして磁極部材245Aの▲5▼方向の端部247Aとキャリアテープ20との間の空隙を広くすることにより、磁極部材245Aの端部247Aよりも先の位置に送られたキャリアテープ20上の極小デバイス10Cが磁極部材245Aの端部247Aから受ける斜め下方向の力を弱めることができる。したがって、磁極部材245Aの▲5▼方向の長さを短くしても、極小デバイス10Cがエンボス22の中で転動してしまうことを防止できる。なお、図示しない磁極部材245Bの高さについても、磁極部材245Aと同様にすることは言うまでもない。
【0039】
磁極部材の高さの変化は、図14に示す磁石240の磁極部材245Aのように、直線的であってもよいし、図15に示す磁石340の磁極部材345Aのように、曲線的であってもよい。なお、図15において、347Aは磁極部材345Aの▲5▼方向の端部である。
【0040】
(第5の実施の形態)
図16は、本発明の第5の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。これらの図では、図1、図2、図11〜図13、図17〜図19に示した部材と同一部材に対しては、図1、図2、図11〜図13、図17〜図19と同一符号で示している。
この電子デバイス収容装置では、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bに、それぞれ突起部448A,448Bが形成されている(突起部448は図示せず)。突起部448A,448Bは、周囲が切り欠かれて尖っており、それぞれの先端は、極小デバイス10のリード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下にある。突起部448A,448Bの先端からエンボス22の底面までの高さh2は、例えば1mm程度とすることができる。
【0041】
リリース位置に搬送された極小デバイス10のリード14A,14Bと、磁極部材145A,145Bの上面146A,146Bとの距離は、突起部448A,448Bにおいて最小となるので、リード14A,14Bはそれぞれ突起部448A,448Bに向かって吸引される。よって、突起部448A,448Bを設けない場合よりも精度よく、エンボス22内の適切な位置に極小デバイス10を収容することができる。
なお、突起部448A,448Bの周囲を切り欠いて尖らせることにより、サイズが極めて小さい極小デバイス10に対しても、リード14A,14Bがエンボス22の中で配置されるべき位置の直下に向かって吸引し、極小デバイス10の収容ミスを低減することができるという効果が得られる。
【0042】
なお、上述した第1〜第5の実施の形態において、電磁石40,140,240,340,440の磁極は、エンボス22の中でリード14A,14Bが配置されるべき位置の近傍にそれぞれ配置されればよく、例えばエンボス22の中でのリード14A,14Bを挟む位置に配置されてもよい。
また、電磁石の一方の磁極のみを、エンボス22の裏面に対向させても、エンボス22に対する極小デバイス10の位置決め誤差を補正する作用が得られる。
【0043】
また、収容対象となる極小デバイス10のリード14A,14Bは、磁気力により吸引される性質があればよいので、鉄系に限らず、ニッケル系などの磁性体からなる磁性体部材であってもよい。
また、コレット32によりエンボス22の上方から極小デバイス10を落下させる場合を例に説明したが、エンボス22に向かうガイドを用いて極小デバイス10をエンボス22に供給するようにしてもよい。なお、落下によらずに極小デバイス10をエンボス22に供給する場合にも、上述した電子デバイス収容装置を利用できる。
【0044】
また、エンボス22がキャリアテープ20の長手方向▲5▼に一列に整列配置されている場合を示したが、エンボス22がキャリアテープ20の長手方向▲5▼に二列以上設けられていてもよい。この場合、コレット32と電磁石40との対を、エンボス22の列数に対応させて複数設けることにより、複数の電子デバイスを複数のエンボスに同時に収容でき、電子デバイスの収容に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の電子デバイス収容装置は、エンボス22とは異なる他の形態の収容部、例えばキャリアテープに複数設けられた接着テープからなる収容部に、極小デバイス10を1個ずつ収容する場合にも利用できる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子デバイス収容装置によれば、電子デバイスの磁性体部材を収容部の所定位置に向けて磁気力で吸引することにより、収容部に対する電子デバイスの位置決め誤差があったとしても、これを補正し、収容部の適切な位置に電子デバイスを容易に収容することができる。
また、収容部が形成されたテープの送りと電磁石への通電との同期をとり、収容部に収容された直後の電子デバイスが電磁石から離れていく間に、電磁石の磁極の方向の力を受けないようにすることにより、収容部の中で電子デバイスが転動することを抑制し、電子デバイスの収容姿勢を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置が有するスプロケットの構造を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態である電子デバイス収容装置の電気的な接続関係を示すブロック図である。
【図5】制御部による制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コイルに通電したときの状態を概念的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図8】コイルの両端間に印加される電圧の一例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図10】共振回路に流れる振動電流の一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を正面からみたときの構造および回路構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態である電子デバイス収容装置を上面からみたときの構造を示す図である。
【図14】磁極部材の変形例を側面からみたときの構造を示す図である。
【図15】磁極部材の変形例を側面からみたときの構造を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態である電子デバイス収容装置を側面からみたときの構造を示す図である。
【図17】極小デバイスの一構成例を示す図である。
【図18】キャリアテープの一構成例を示す斜視図である。
【図19】極小デバイスをキャリアテープのエンボス内に収容する従来の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10A〜10C…極小デバイス、12…樹脂封止体、14A,14B…リード、20…キャリアテープ、22…エンボス、24…孔、32…コレット、34…コレット駆動部、40,40B,40C,140,240,340,440…電磁石、42,142…鉄心、42A,42B…鉄心の両端、44,144…コイル、52…直流電源、54…スイッチ、56…交流電源、58…ダイオード、60…スプロケット、62…歯、64…スプロケット駆動部、70…制御部、75…閉磁路、80…共振回路、82…コンデンサ、145A,145B,245A,345A…磁極部材、146A,146B…磁極部材の上面、147A,147B,247A,347A…磁極部材の端部、448A…突起部。
Claims (4)
- 長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、
2つの磁極がともに前記テープの裏面と対向する電磁石と、
この電磁石の前記2つの磁極に対応する前記テープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、
前記テープ送り機構および前記デバイス搬送機構の動作と、前記電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、
この制御部は、少なくとも前記デバイス搬送機構から前記収容部に前記電子デバイスを供給する際に、前記電磁石への通電を行い、前記テープ送り機構を動作させる間、前記電磁石への通電を停止することを特徴とする電子デバイス収容装置。 - 請求項1記載の電子デバイス収容装置において、
前記電磁石は、磁性体からなる心材と、この心材に巻かれたコイルとを有し、
このコイルを含む共振回路を更に備えたことを特徴とする電子デバイス収容装置。 - 請求項1に記載された電子デバイス収容装置において、
前記電磁石は、
磁性体からなる心材と、
この心材に巻かれたコイルと、
前記心材の両端にそれぞれ接触するとともに、それぞれの先端が前記テープの裏面と対向する磁性体からなる2つの磁極部材と
を有することを特徴とする電子デバイス収容装置。 - 長手方向に収容部が複数形成された非磁性体からなるテープを前記長手方向に送るテープ送り機構と、
磁極が前記テープの裏面と対向する電磁石と、
この電磁石の前記磁極に対応する前記テープ上に、磁性体部材を有する電子デバイスを1個ずつ搬送するデバイス搬送機構と、
前記テープ送り機構および前記デバイス搬送機構の動作と、前記電磁石への通電とを同期させる制御部とを備え、
この制御部は、少なくとも前記デバイス搬送機構から前記収容部に前記電子デバイスを供給する際に、前記電磁石への通電を行い、前記テープ送り機構を動作させる間、前記電磁石への通電を停止することを特徴とする電子デバイス収容装置。
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2002
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