JP2004014454A - 電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波伝送特性の劣化防止を通じて半導体パッケージ等の電気接合物を正確・精密に検査でき、接続不良の発生や導通不良を抑制し、接続間を短くして製品や製造のコストを低減できる電気コネクタを提供する。
【解決手段】回路基板と半導体パッケージの間に介在される保持シート20を備え、保持シート20のXY方向に、複数の導電接続子30を所定のピッチで並設してその上下両端部を保持シート20の表裏両面からそれぞれ突出させる。そして、各導電接続子30を、保持シート20に貫通支持される円柱形の弾性体31と、弾性体31の軸方向に配合される多数の鎖状粉末32とから構成し、各鎖状粉末32を、連なって鎖状をなす10〜200nmの粒状又は板状の磁性金属粉末とする。
【選択図】 図2
【解決手段】回路基板と半導体パッケージの間に介在される保持シート20を備え、保持シート20のXY方向に、複数の導電接続子30を所定のピッチで並設してその上下両端部を保持シート20の表裏両面からそれぞれ突出させる。そして、各導電接続子30を、保持シート20に貫通支持される円柱形の弾性体31と、弾性体31の軸方向に配合される多数の鎖状粉末32とから構成し、各鎖状粉末32を、連なって鎖状をなす10〜200nmの粒状又は板状の磁性金属粉末とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板と半導体パッケージ、回路基板間、回路基板と液晶モジュール等を電気的に接続する電気コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気コネクタは、図示しないが、保持シートに板バネやスプリングプローブ等からなる複数の導電接続子が貫通して並設されるよう構成されている。そして、回路基板と半導体パッケージとの間に介在され、半導体パッケージが回路基板方向に押圧されることにより、これらを電気的に接続する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気コネクタは、以上のように構成され、比較的低荷重により多量の圧縮量で接続することができるものの、インダクタンスが増大し、外部ノイズ等に影響されて高周波伝送特性が劣化するので、半導体パッケージを検査あるいは実装する場合には、正確な検査が困難になったり、長期間の接続に伴い疲労して接続不良が発生したり、振動等で回路基板の電極磨耗による導通不良が発生するおそれが少なくない。さらに、FPC等を用いる接続の場合には、接続回路が長くなり、高周波伝送特性が劣化するおそれがあり、しかも、機械式のコネクタにFPCを挟みこんで接続することから、接続間を短くすることが困難であり、製品や製造のコストが増大するという問題を生じる。
【0004】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、高周波伝送特性の劣化防止を通じて半導体パッケージ等の電気接合物を正確・精密に検査・実装することができ、接続不良の発生や導通不良を抑制し、接続間を短くして製品や製造のコストを低減することのできる電気コネクタを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、保持基材に複数の導電接続子を支持させてその両端部を保持基材からそれぞれ露出させたものであって、
導電接続子を、保持基材に貫通支持される弾性体と、この弾性体の軸方向に配合される鎖状粉末とから構成したことを特徴としている。
なお、鎖状粉末を、連なって略鎖状をなす10〜200nmの粒状又は板状の磁性金属粉末とすることが好ましい。
【0006】
ここで、特許請求の範囲における保持基材は、平面視で長方形、正方形、多角形でも良いし、単層複層いずれでも良い。この保持基材の材質としては、各種のシート、フィルム、絶縁材を有する金属薄板等があげられる。また、複数の導電接続子は、保持基材に規則的に配列されるものでも良いし、不規則に配列されるものでも良い。各導電接続子の形状は、接続される電気接合物の電極や接続時の圧力等に応じて形成されるので、特に限定されるものではないが、一般的には弾性の円柱形、角柱形、多角形の柱形、円錐形、円錐台形、角錐台形、半球形、樽形等とされる。
【0007】
電気コネクタは、各種の複数の電気接合物を電気的に接続するが、具体的には、各種の回路基板(例えば、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、高密度フレキシブルプリント回路基板、検査回路基板等)と表面実装型の半導体パッケージ(例えば、BGAやLGA等)、実装回路基板間、回路基板と液晶モジュール、回路基板と各種の電子部品(例えば、電気音響部品やボタン電池等)、回路基板とワークステーションやサーバ等で使用される電子機器等を電気的に接続する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における電気コネクタは、図1や図2に示すように、電気接合物である下方の回路基板1とBGAからなる上方の半導体パッケージ10との間に介在される保持シート20を備え、この保持シート20に、可撓性・弾性を有する複数の導電接続子30を所定のピッチ(例えば、1.0〜1.27mm)で並設してその両端部を保持シート20から露出させ、各導電接続子30を、弾性を有する弾性体31と、この弾性体31に配合される多数の鎖状粉末32とから構成するようにしている。
【0009】
保持シート20は、絶縁性を有する所定の材料を使用して単層の薄い(例えば、厚さ500μm〜0.5mm)断面略板形に成形され、全体の厚さの10〜50%程度の範囲で形成されており、XY方向に複数の貫通孔(例えば、φ0.5mmの丸孔)21が所定のピッチでマトリックスに穿孔される。この平面略矩形の保持シート20の材料としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)等からなる高耐久性のエンジニアリングプラスチック等があげられる。これらの中でも、成形時の温度変形、加工性、環境特性、耐熱性、電気特性、難燃性等を考慮すると、ポリエーテルイミド(PEI)が材料として最適である。
【0010】
なお、保持シート20の材料としては、エンジニアリングプラスチックに何ら限定されるものではない。例えば、複数の貫通孔21を並べ備えた金属薄板に絶縁性樹脂等をコーティングした保持基材でも良い。この場合、保持シート20からアースをとることができ、外部からのノイズの悪影響を極力抑制することができる。
【0011】
複数の導電接続子30は、保持シート20のXY方向に相互に離隔した状態で貫通支持され、上下両端部が保持シート20の平坦な表裏両面からそれぞれ突出する。この複数の導電接続子30の上下両端部は、導電接続子30の高さの20〜60%程度が保持シート20の両面からそれぞれ突出するが、同一の長さで突出するものでも良いし、異なる長さで突出するものでも良い。
【0012】
各導電接続子30は、保持シート20の貫通孔21に挿入支持される円柱形の弾性体31と、この弾性体31の軸方向(長手方向)に配向される多数の鎖状粉末32とから構成され、各鎖状粉末32が連なって鎖状をなす粒状又は板状の磁性金属粉末からなる。導電接続子30は、貫通孔21と同径か、あるいは僅かに拡径に形成され、圧接して接続する関係上、50°〜80°Hs、好ましくは60°〜80°Hsの硬度に形成される。これは、導電接続子30の硬度を係る範囲とすれば、導通接続の際、圧縮率が2〜10%と極めて小さい値でも均一な導通接続が可能になるからである。
【0013】
弾性体31は、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム類の他、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー等が材料とされるが、高周波特性を考慮すると、誘電率の小さいシリコーンゴムが最適である。各鎖状粉末32は、10〜200nmの粒状又は板状のニッケル粉末等からなる磁性金属が連なって鎖状をなし、導通接続時の抵抗を安定してより低くしたい場合には、金メッキや銀メッキが選択的に施される。
【0014】
各鎖状粉末32は、ニッケル等の磁性金属が極微細粉末、換言すれば、ナノサイズとされることで磁性金属が磁石として機能し、磁界を作用させなくても磁性金属が鎖状に連なる。粒状又は板状の磁性金属の大きさが10〜200nmの範囲であるのは、10nm未満の場合には、成形が困難であり、鎖状に形成するときに塊となりやすく、鎖状になりにくいからである。逆に、200nmを超える場合、磁石としての機能が弱化し、鎖状になりにくいからである。磁性金属は、ある程度微粉末とすることにより磁性を帯びるので、特に材質が限定されるものではないが、加工やコスト等の観点からニッケルが好適である。
【0015】
このような導電接続子30を製造する場合には、例えば鎖状粉末32を含有したシリコーン組成物が材料のときには、シリコーン組成物を導電接続子30の径に押出して鎖状粉末32を押出し方向に配向し、このシリコーン組成物を導電接続子30の高さに切断し、保持シート20の貫通孔21に設置して保持シート20の面と鎖状粉末32の配向方向が垂直となるようセットした後、金型で成形すれば、製造することができる。
【0016】
上記構成において、電気コネクタは、相対向する回路基板1と半導体パッケージ10との間に介在され、回路基板1の電極2と半導体パッケージ10の電極であるハンダボール11に導電接続子30が接触し、その後、半導体パッケージ10が回路基板1方向に押圧圧下される(図1の矢印参照)ことにより、磁性金属粉末を含有する複数の導電接続子30が回路基板1と半導体パッケージ10とを電気的に導通接続する。
この導通接続の際、体積抵抗率が低く、圧縮率に影響されない安定した抵抗値を得ることができる。したがって、導電接続子30間の抵抗値のバラツキを極力小さくすることができ、全導電接続子30間で安定した接続が得られる。また、回路基板1と半導体パッケージ10に与える負荷が少なく、半導体パッケージ10が二次的不具合を起こすこともない。
【0017】
上記構成によれば、弾性体31の軸方向に、鎖状に連なる導電性の鎖状粉末32が配合されるので、各鎖状粉末32が一つの導体のように機能し、少ない含有量で低抵抗を得ることができ、しかも、大きな抵抗の変化もない。また、弾性体31内に鎖状粉末32が固着され、圧縮接続時に鎖状粉末32が分離することなく抵抗値が安定するので、例え複数の導電接続子30で接続するようにしても、各導電接続子30間の抵抗がばらつくことがない。また、粉末のみを充填する場合に比べて含有量が少ないので、製品や製造のコストを低減することができる。また、導電接続子30に単なる粉末ではなく、鎖状粉末32を用いることにより、粉末を用いる場合に比べて1/2〜2/3の含有量とすることができ、しかも、接続抵抗を1/4〜1/6程度と、より低抵抗とすることが可能になる。
【0018】
また、鎖状粉末32に金メッキや銀メッキを施せば、抵抗や接触抵抗を低く抑制することが可能になる。また、含有量を抑えることができるので、導電接続子30の弾性特性を損なうこともない。この点に関し、詳しく説明すると、従来の電気コネクタにおける導電接続子30に含有される金属粒子は約10〜100μmの銀粒子が一般的であり、接続抵抗を100mΩ以下とする場合には、バインダーとして絶縁性シリコーンゴム100質量部に対して500質量部程度と高く充填する必要があった。このため、導電接続子30の弾性特性を確保することができなかった。
【0019】
これに対し、本実施形態の場合には、約250〜300質量部程度の含有量とすれば、接続抵抗を15〜25mΩ以下とすることができ、導電接続子30の弾性特性を損なうことがない。また、低荷重で圧縮することができ、高充填によるシリコーンゴムの圧縮永久歪みの低下を大いに改善することができる。また、確実な導通接続を得ることができ、外部ノイズの影響を受けにくいことから、半導体パッケージ10の正確・精密な検査と高周波対策が大いに期待できる。
【0020】
また、機械式のコネクタではないので、薄型化を通じて接続間を短くすることができ、製品や製造のコスト削減を図ることが可能になる。さらに、板バネやスプリングプローブからなる導電接続子30で接続するものではないから、長期間の接続に伴う疲労による接続不良が発生したり、振動等で回路基板1の電極磨耗による導通不良が発生するおそれがない。さらにまた、保持シート20や導電接続子30の高さを変更すれば、電気コネクタの高さを容易に変更することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高周波伝送特性の劣化防止を通じて検査が必要な電気接合物等を正確・精密に検査することができるという効果がある。また、接続不良の発生や導通不良を抑制し、接続間を短くして製品や製造のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気コネクタの実施形態を示す全体説明図である。
【図2】本発明に係る電気コネクタの実施形態を示す一部断面説明図である。
【符号の説明】
1 回路基板
2 電極
10 半導体パッケージ
11 ハンダボール
20 保持シート(保持基材)
21 貫通孔
30 導電接続子
31 弾性体
32 鎖状粉末
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板と半導体パッケージ、回路基板間、回路基板と液晶モジュール等を電気的に接続する電気コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気コネクタは、図示しないが、保持シートに板バネやスプリングプローブ等からなる複数の導電接続子が貫通して並設されるよう構成されている。そして、回路基板と半導体パッケージとの間に介在され、半導体パッケージが回路基板方向に押圧されることにより、これらを電気的に接続する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気コネクタは、以上のように構成され、比較的低荷重により多量の圧縮量で接続することができるものの、インダクタンスが増大し、外部ノイズ等に影響されて高周波伝送特性が劣化するので、半導体パッケージを検査あるいは実装する場合には、正確な検査が困難になったり、長期間の接続に伴い疲労して接続不良が発生したり、振動等で回路基板の電極磨耗による導通不良が発生するおそれが少なくない。さらに、FPC等を用いる接続の場合には、接続回路が長くなり、高周波伝送特性が劣化するおそれがあり、しかも、機械式のコネクタにFPCを挟みこんで接続することから、接続間を短くすることが困難であり、製品や製造のコストが増大するという問題を生じる。
【0004】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、高周波伝送特性の劣化防止を通じて半導体パッケージ等の電気接合物を正確・精密に検査・実装することができ、接続不良の発生や導通不良を抑制し、接続間を短くして製品や製造のコストを低減することのできる電気コネクタを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、保持基材に複数の導電接続子を支持させてその両端部を保持基材からそれぞれ露出させたものであって、
導電接続子を、保持基材に貫通支持される弾性体と、この弾性体の軸方向に配合される鎖状粉末とから構成したことを特徴としている。
なお、鎖状粉末を、連なって略鎖状をなす10〜200nmの粒状又は板状の磁性金属粉末とすることが好ましい。
【0006】
ここで、特許請求の範囲における保持基材は、平面視で長方形、正方形、多角形でも良いし、単層複層いずれでも良い。この保持基材の材質としては、各種のシート、フィルム、絶縁材を有する金属薄板等があげられる。また、複数の導電接続子は、保持基材に規則的に配列されるものでも良いし、不規則に配列されるものでも良い。各導電接続子の形状は、接続される電気接合物の電極や接続時の圧力等に応じて形成されるので、特に限定されるものではないが、一般的には弾性の円柱形、角柱形、多角形の柱形、円錐形、円錐台形、角錐台形、半球形、樽形等とされる。
【0007】
電気コネクタは、各種の複数の電気接合物を電気的に接続するが、具体的には、各種の回路基板(例えば、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、高密度フレキシブルプリント回路基板、検査回路基板等)と表面実装型の半導体パッケージ(例えば、BGAやLGA等)、実装回路基板間、回路基板と液晶モジュール、回路基板と各種の電子部品(例えば、電気音響部品やボタン電池等)、回路基板とワークステーションやサーバ等で使用される電子機器等を電気的に接続する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における電気コネクタは、図1や図2に示すように、電気接合物である下方の回路基板1とBGAからなる上方の半導体パッケージ10との間に介在される保持シート20を備え、この保持シート20に、可撓性・弾性を有する複数の導電接続子30を所定のピッチ(例えば、1.0〜1.27mm)で並設してその両端部を保持シート20から露出させ、各導電接続子30を、弾性を有する弾性体31と、この弾性体31に配合される多数の鎖状粉末32とから構成するようにしている。
【0009】
保持シート20は、絶縁性を有する所定の材料を使用して単層の薄い(例えば、厚さ500μm〜0.5mm)断面略板形に成形され、全体の厚さの10〜50%程度の範囲で形成されており、XY方向に複数の貫通孔(例えば、φ0.5mmの丸孔)21が所定のピッチでマトリックスに穿孔される。この平面略矩形の保持シート20の材料としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)等からなる高耐久性のエンジニアリングプラスチック等があげられる。これらの中でも、成形時の温度変形、加工性、環境特性、耐熱性、電気特性、難燃性等を考慮すると、ポリエーテルイミド(PEI)が材料として最適である。
【0010】
なお、保持シート20の材料としては、エンジニアリングプラスチックに何ら限定されるものではない。例えば、複数の貫通孔21を並べ備えた金属薄板に絶縁性樹脂等をコーティングした保持基材でも良い。この場合、保持シート20からアースをとることができ、外部からのノイズの悪影響を極力抑制することができる。
【0011】
複数の導電接続子30は、保持シート20のXY方向に相互に離隔した状態で貫通支持され、上下両端部が保持シート20の平坦な表裏両面からそれぞれ突出する。この複数の導電接続子30の上下両端部は、導電接続子30の高さの20〜60%程度が保持シート20の両面からそれぞれ突出するが、同一の長さで突出するものでも良いし、異なる長さで突出するものでも良い。
【0012】
各導電接続子30は、保持シート20の貫通孔21に挿入支持される円柱形の弾性体31と、この弾性体31の軸方向(長手方向)に配向される多数の鎖状粉末32とから構成され、各鎖状粉末32が連なって鎖状をなす粒状又は板状の磁性金属粉末からなる。導電接続子30は、貫通孔21と同径か、あるいは僅かに拡径に形成され、圧接して接続する関係上、50°〜80°Hs、好ましくは60°〜80°Hsの硬度に形成される。これは、導電接続子30の硬度を係る範囲とすれば、導通接続の際、圧縮率が2〜10%と極めて小さい値でも均一な導通接続が可能になるからである。
【0013】
弾性体31は、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム類の他、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー等が材料とされるが、高周波特性を考慮すると、誘電率の小さいシリコーンゴムが最適である。各鎖状粉末32は、10〜200nmの粒状又は板状のニッケル粉末等からなる磁性金属が連なって鎖状をなし、導通接続時の抵抗を安定してより低くしたい場合には、金メッキや銀メッキが選択的に施される。
【0014】
各鎖状粉末32は、ニッケル等の磁性金属が極微細粉末、換言すれば、ナノサイズとされることで磁性金属が磁石として機能し、磁界を作用させなくても磁性金属が鎖状に連なる。粒状又は板状の磁性金属の大きさが10〜200nmの範囲であるのは、10nm未満の場合には、成形が困難であり、鎖状に形成するときに塊となりやすく、鎖状になりにくいからである。逆に、200nmを超える場合、磁石としての機能が弱化し、鎖状になりにくいからである。磁性金属は、ある程度微粉末とすることにより磁性を帯びるので、特に材質が限定されるものではないが、加工やコスト等の観点からニッケルが好適である。
【0015】
このような導電接続子30を製造する場合には、例えば鎖状粉末32を含有したシリコーン組成物が材料のときには、シリコーン組成物を導電接続子30の径に押出して鎖状粉末32を押出し方向に配向し、このシリコーン組成物を導電接続子30の高さに切断し、保持シート20の貫通孔21に設置して保持シート20の面と鎖状粉末32の配向方向が垂直となるようセットした後、金型で成形すれば、製造することができる。
【0016】
上記構成において、電気コネクタは、相対向する回路基板1と半導体パッケージ10との間に介在され、回路基板1の電極2と半導体パッケージ10の電極であるハンダボール11に導電接続子30が接触し、その後、半導体パッケージ10が回路基板1方向に押圧圧下される(図1の矢印参照)ことにより、磁性金属粉末を含有する複数の導電接続子30が回路基板1と半導体パッケージ10とを電気的に導通接続する。
この導通接続の際、体積抵抗率が低く、圧縮率に影響されない安定した抵抗値を得ることができる。したがって、導電接続子30間の抵抗値のバラツキを極力小さくすることができ、全導電接続子30間で安定した接続が得られる。また、回路基板1と半導体パッケージ10に与える負荷が少なく、半導体パッケージ10が二次的不具合を起こすこともない。
【0017】
上記構成によれば、弾性体31の軸方向に、鎖状に連なる導電性の鎖状粉末32が配合されるので、各鎖状粉末32が一つの導体のように機能し、少ない含有量で低抵抗を得ることができ、しかも、大きな抵抗の変化もない。また、弾性体31内に鎖状粉末32が固着され、圧縮接続時に鎖状粉末32が分離することなく抵抗値が安定するので、例え複数の導電接続子30で接続するようにしても、各導電接続子30間の抵抗がばらつくことがない。また、粉末のみを充填する場合に比べて含有量が少ないので、製品や製造のコストを低減することができる。また、導電接続子30に単なる粉末ではなく、鎖状粉末32を用いることにより、粉末を用いる場合に比べて1/2〜2/3の含有量とすることができ、しかも、接続抵抗を1/4〜1/6程度と、より低抵抗とすることが可能になる。
【0018】
また、鎖状粉末32に金メッキや銀メッキを施せば、抵抗や接触抵抗を低く抑制することが可能になる。また、含有量を抑えることができるので、導電接続子30の弾性特性を損なうこともない。この点に関し、詳しく説明すると、従来の電気コネクタにおける導電接続子30に含有される金属粒子は約10〜100μmの銀粒子が一般的であり、接続抵抗を100mΩ以下とする場合には、バインダーとして絶縁性シリコーンゴム100質量部に対して500質量部程度と高く充填する必要があった。このため、導電接続子30の弾性特性を確保することができなかった。
【0019】
これに対し、本実施形態の場合には、約250〜300質量部程度の含有量とすれば、接続抵抗を15〜25mΩ以下とすることができ、導電接続子30の弾性特性を損なうことがない。また、低荷重で圧縮することができ、高充填によるシリコーンゴムの圧縮永久歪みの低下を大いに改善することができる。また、確実な導通接続を得ることができ、外部ノイズの影響を受けにくいことから、半導体パッケージ10の正確・精密な検査と高周波対策が大いに期待できる。
【0020】
また、機械式のコネクタではないので、薄型化を通じて接続間を短くすることができ、製品や製造のコスト削減を図ることが可能になる。さらに、板バネやスプリングプローブからなる導電接続子30で接続するものではないから、長期間の接続に伴う疲労による接続不良が発生したり、振動等で回路基板1の電極磨耗による導通不良が発生するおそれがない。さらにまた、保持シート20や導電接続子30の高さを変更すれば、電気コネクタの高さを容易に変更することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高周波伝送特性の劣化防止を通じて検査が必要な電気接合物等を正確・精密に検査することができるという効果がある。また、接続不良の発生や導通不良を抑制し、接続間を短くして製品や製造のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気コネクタの実施形態を示す全体説明図である。
【図2】本発明に係る電気コネクタの実施形態を示す一部断面説明図である。
【符号の説明】
1 回路基板
2 電極
10 半導体パッケージ
11 ハンダボール
20 保持シート(保持基材)
21 貫通孔
30 導電接続子
31 弾性体
32 鎖状粉末
Claims (2)
- 保持基材に複数の導電接続子を支持させてその両端部を保持基材からそれぞれ露出させた電気コネクタであって、
導電接続子を、保持基材に貫通支持される弾性体と、この弾性体の軸方向に配合される鎖状粉末とから構成したことを特徴とする電気コネクタ。 - 鎖状粉末を、連なって略鎖状をなす10〜200nmの粒状又は板状の磁性金属粉末とした請求項1記載の電気コネクタ。
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JP2002170022A JP2004014454A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 電気コネクタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009048897A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Polymatech Co Ltd | 異方導電性コネクタおよび異方導電性コネクタの接続構造 |
CN103717003A (zh) * | 2012-09-28 | 2014-04-09 | 保力马科技(日本)株式会社 | 导电性橡胶构件包装体及导电性橡胶构件的供给方法 |
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2002
- 2002-06-11 JP JP2002170022A patent/JP2004014454A/ja active Pending
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CN103717003B (zh) * | 2012-09-28 | 2018-06-01 | 积水保力马科技株式会社 | 导电性橡胶构件包装体及导电性橡胶构件的供给方法 |
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