JP2004014245A - 有機膜形成装置および有機膜形成方法 - Google Patents

有機膜形成装置および有機膜形成方法 Download PDF

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目々澤 聡彦
Hironobu Narui
成井 啓修
Katsunori Yanashima
簗嶋 克典
Koji Sasaki
佐々木 浩司
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Abstract

【課題】気相の状態にした有機原料の輸送を安定して行えるようにする。
【解決手段】有機原料9を気化昇華室4で気化または昇華して原料ガスが生成される。この原料ガスは原料ガス室5でキャリアガスが混合され、原料ガス輸送管6で膜形成チャンバー7に輸送される。この原料ガス輸送管6にはファン2が設けられる。このファン2は、原料ガス室5から膜形成チャンバー7に向かう原料ガスの流れを作りだし、原料ガスの輸送を促進する。そして、膜形成チャンバー7に輸送された原料ガスは基板3に吸着し、有機膜を形成する。この有機膜の形成時に、原料ガスが安定して供給されるので、成膜速度が安定する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機原料を気相に変化させた原料ガスを、キャリアガスで基板上に輸送して薄膜を形成する有機膜形成装置および有機膜形成方法に関する。詳しくは、輸送する原料ガスに流れをつくり、流量を制御することで成膜速度を安定させ、良好な有機膜を形成できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
有機EL(エレクトロルミネンス)素子は発光層に有機物を利用した発光材料である。この有機EL素子は、コンピュータやテレビジョン受信機に使用されるフラットパネルディスプレイや、携帯電話のディスプレイや、PDA(PersonalDigital Assistants)と呼ばれる携帯端末のディスプレイ等の各種表示装置を構成する発光材料として、また、発光ダイオード等の発光素子として用いられる。
【0003】
図5は有機EL素子の構造の一例を示す説明図である。有機EL素子101は、ガラス等の透明基板102の上に陽極であるITO(Indium−Tin Oxide)透明電極103、有機膜104、陰極である背面電極105を順に積層したものである。有機膜104は、ITO透明電極103側から、正孔注入層104a、正孔輸送層104b、発光層104c、電子輸送層104d、そして電子注入層104eを順に積層したものである。
【0004】
ITO透明電極103−背面電極105間に電圧が印加されると、ITO透明電極103からプラス電荷(正孔)が注入され、背面電極105からマイナス電荷(電子)が注入され、それぞれ有機膜104を移動する。そして、発光層104c内で電子−正孔がある確率で再結合し、この再結合の際に所定の波長を持った光が発生するものである。
【0005】
なお、有機膜104の構成としては、正孔注入層104aと正孔輸送層104bを1層で構成したもの、電子輸送層104dと電子注入層104eを1層で構成したもの、発光層104cと電子輸送層104dと電子注入層104eを1層で構成したもの等がある。
【0006】
図6はこのような有機EL素子を用いて構成した有機ELカラーディスプレイの概要を示す平面図、図7は有機ELカラーディスプレイの要部斜視図である。有機カラーディスプレイ106は、透明基板102の上にITO透明電極103がストライプ状に形成される。また、有機膜104がITO透明電極103と直交するようにストライプ状に形成され、有機膜104上に背面電極105が形成されて、ITO透明電極103と有機膜104および背面電極105をマトリクス状に配置する。これにより、電圧が印加されたITO透明電極103と背面電極105の交点の有機膜104が発光する。
【0007】
そして、有機膜104として、赤(R)に発光する有機膜104Rと緑(G)に発光する有機膜104Gと青(B)に発光する有機膜104Bを順に並べることで、RGBによる画素が形成され、カラーの表示が可能となる。
【0008】
さて、低分子の有機物を用いた有機膜の形成は、従来は真空蒸着法を用いていた。真空蒸着法とは、原材料を高真空中で加熱蒸発させ、蒸発源と対向する基板上に原材料を吸着させることで薄膜を形成する方法である。
【0009】
図8はこのような真空蒸着法を行う真空蒸着装置の基本構成を示す説明図である。チャンバー107は図示しない排気ポンプと接続され、排気を行うことで内部を高真空とできる。ここで、真空蒸着法におけるチャンバー107内の真空度は10−3〜10−4Pa(パスカル)程度である。
【0010】
蒸発源108は原材料、ここでは有機原料を蒸発させるための加熱源で、抵抗加熱、電子ビーム加熱、赤外線加熱、高周波誘導加熱等があるが、有機膜では抵抗加熱が一般に用いられている。抵抗加熱としては、ボートと呼ばれる開口容器109に粉末状の有機原料110を入れ、開口容器109に通電することによる該開口容器109の抵抗発熱により、有機原料110を間接加熱して有機原料110を気化または昇華させるものである。
【0011】
有機膜を形成する基板111(図5等に示すITO透明電極103が形成された透明基板102に相当)は、基板ホルダ112に取り付けられ、蒸発源108と対向配置される。基板ホルダ112は、ドーム形状の治具の内側に複数の基板111を保持する。そして、基板ホルダ112の中心軸上に蒸発源108が配置され、図示しない駆動機構により公転する。
【0012】
さて、チャンバー107内を高真空として蒸発源108で有機材料110を気化または昇華させると、有機原料はビーム状に基板111に到達する。このとき、基板ホルダ112を公転させることで、膜厚分布と温度分布が均一となるようにしている。
【0013】
なお、図6等に示すカラーディスプレイを作成する場合は、マスクを用いて有機膜の形成を行う。図9はマスクを使用した膜堆積工程の一例を示す断面図である。マスク114は、ストライプ状のパターン115を有する。このマスク114を基板111に密着させるため磁石を用いる。すなわち、マスク114を磁性体で構成し、基板111を保持する図示しない機構に永久磁石や電磁石から構成される磁化部材116を設ける。そして、基板111をこの磁化部材116に載せ、この基板111にマスク114を載せることで、マスク114は磁化部材116の磁力で基板111に密着する。
【0014】
そして、R,G,Bの有機膜を形成するため、まず、マスク114を所定の位置に取り付けて図7に示す有機膜104Rを形成し、次にマスク114の取り付け位置を1/3ピッチずらして有機膜104Gを形成し、次にマスク114の取り付け位置を1/3ピッチずらして有機膜104Bを形成する。図8に示す真空蒸着装置では、マスク114が下向きに取り付けられることになる。
【0015】
以上説明した真空蒸着装置による有機膜の形成方法では、以下のような問題があった。すなわち、有機原料110は高温で分解しやすいという性質を持つが、蒸発源108での有機原料110の加熱時の熱輻射の影響で基板111の温度が上昇し、有機膜の性能を劣化させるという問題があった。
【0016】
また、有機原料110の加熱温度の直接計測と制御が難しいため、成膜速度が不安定で形成される膜質の再現性が悪いという問題があった。このように、有機原料110の加熱温度の計測と制御が難しいので、有機原料が過剰に加熱されることがあり、分子構造の破壊等の原料変質が生じるという問題があった。
【0017】
さらに、真空蒸着装置では、成膜速度は原材料、ここでは有機原料110の加熱温度で決定され、加熱温度を高くすることにより成膜温度が高まるが、有機原料110は高温で分解しやすいため、加熱温度の上限が300℃程度と低く、成膜速度が低いという問題があった。
【0018】
また、ドーピングは、ホスト用原料とゲスト用原料をそれぞれ独立に加熱制御するいわゆる共蒸着法で行われるが、共蒸着法ではドーピング濃度や均質分散の制御性が悪く、濃度消光等の問題があった。
【0019】
一方、真空蒸着法とは異なる新しい有機膜形成法として、有機気相蒸着法(organic vapor phase deposition)と呼ばれる方法が、特表2001−523768に開示されている。
【0020】
図10は有機気相蒸着法を用いた従来の有機膜形成装置の説明図で、以下に特表2001−523768に開示されている装置の概要を説明する。チャンバー120は内部を外気と遮断する例えば略筒状の容器であり、内部に基板111を保持する基板ホルダ121が設けられる。
【0021】
チャンバー120には2本の配管122が設けられる。それぞれの配管122の一方の端部は開口しており、この開口部の近傍に原料容器123が設けられる。原料容器123は図示しない通電機構を備え、原料容器123に有機原料を入れて通電すると、原料容器123が抵抗発熱することにより有機原料が間接的に加熱され、気化または昇華して原料ガスが発生する。
【0022】
配管122の他方の端部はタンク124と接続される。また、配管122の途中には、調整バルブ125と、圧力調整器126aと、流量計126bと、切替バルブ126cとを備える。タンク124には各種有機原料に対して不活性なN(窒素)等のガスが入れられ、圧力および流量が制御された不活性ガスが配管122に供給される。
【0023】
これにより、配管122内で有機原料を気化あるいは昇華させて生成した原料ガスは、不活性ガスをキャリアガスとしてチャンバー120内に送られ、基板111に吸着して有機膜を形成する。
【0024】
原料容器123には固相の有機原料が入れられるのに対して、原料槽127には液相の有機原料128が入れられる。この原料槽127にはタンク124とつながる配管122と、チャンバー120とつながる配管129が接続される。この配管122には、圧力調整器126aと、流量計126bと、切替バルブ126cとを備える。
【0025】
これにより、配管122から供給される不活性ガスは気泡として有機原料128内を通り、蒸気となった有機原料を配管129でチャンバー120内へと送る。また、原料槽127の少なくとも有機原料128が入れられる高さまでを液体130に浸す温度制御槽131を設け、図示しないヒータで液体130の温度を制御することで、原料槽127内の有機原料128の温度を制御する。また、チャンバー120の周囲には加熱冷却器132が設けられる。この加熱冷却器132はチャンバー120内の温度制御を行う。
【0026】
チャンバー120には排気管133が設けられ、この排気管133にトラップタンク134、スロットバルブ135および真空ポンプ136が取り付けられる。真空ポンプ136はチャンバー120内を排気して、該チャンバー120内を真空にする。スロットバルブ135はチャンバー120内の圧力を調整するもので、チャンバー120に取り付けた図示しない圧力計の出力がスロットバルブ135へ電気的にフィードバックされ、チャンバー120内が所望の真空度を維持するように制御される。また、基板111上に吸着しなかった有機原料等はトラップタンク134で凝縮させ、スロットバルブ135や真空ポンプ136に到達しないようにしてある。
【0027】
このような装置を用いる有機気相蒸着法は、減圧下で原料ガスをキャリアガスを用いて基板へと運び、基板上でガスが凝縮して膜形成が行われる有機膜形成方法である。これにより、従来の真空蒸着法ではできなかった、原料を気化または昇華させるための温度制御と、原料を基板へ送るキャリアガスの流量制御等を独立して行えるので、著しく異なる蒸気圧をもつ有機原料を同時蒸着して多成分の薄膜を形成する際に、各成分量を正確に制御することができる。また、減圧下で膜形成を行うため、表面が滑らかな有機膜を形成することができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機気相蒸着法では、原料ガスの輸送がキャリアガスを用いて行われるので、基板までの原料ガスの輸送時間が長くかかる。これは、成膜速度を制御する時定数が真空蒸着法に比較して大きいことを意味する。その結果、成膜速度の制御性が大変悪いという問題がある。
【0029】
このように、成膜速度が不安定であると、有機膜の緻密さが不均質になり、例えば、電流注入型の有機発光材料においては、局所的な電流集中による発光寿命の低下や、有機膜の電気抵抗の増加による消費電力の増加等の問題を生じる。
【0030】
また、成膜速度が不安定であると、基板へ輸送されるドーピングガスの量が成膜速度により変動することになるため、有機膜中のドーピング濃度が不均質になるという問題を生じる。
【0031】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、有機膜の成膜速度を安定させることができる有機膜形成装置および有機膜形成方法を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る有機膜形成装置は、基板上に有機物の薄膜を形成する有機膜形成装置において、基板が収納される膜形成チャンバーと、有機原料を気相に変化させて原料ガスを生成する気化昇華手段と、原料ガスとキャリアガスを混合するキャリアガス導入手段と、原料ガスをキャリアガスを用いて膜形成チャンバーに送る原料ガス輸送手段と、原料ガスの流れを作り流量を制御する流量制御手段と、膜形成チャンバーの排気を行う排気手段とを備えたものである。
【0033】
本発明に係る有機膜形成装置では、気化昇華手段で有機原料を気相に変化させて原料ガスを生成する。この原料ガスにキャリアガス導入手段でキャリアガスを混合し、キャリアガスを用いて、原料ガス輸送手段で原料ガスを膜形成チャンバーに輸送する。
【0034】
このとき、流量制御手段で例えば原料ガスが膜形成チャンバーに流れ込む方向の流れを作り、流量を制御しながら、原料ガスを膜形成チャンバーに輸送する。これにより、膜形成チャンバーに安定して原料ガスが供給されるので、成膜速度が安定する。
【0035】
本発明に係る有機膜形成方法は、基板上に有機物の薄膜を形成する有機膜形成方法において、有機原料を気相の原料ガスへと変化させる気化昇華工程と、原料ガスを保持する原料ガス保持工程と、保持された原料ガスとキャリアガスを混合するキャリアガス導入工程と、キャリアガスと混合して輸送される原料ガスの流れをつくり、基板上へ供給する原料ガス輸送工程と、原料ガスの流れを制御し得る減圧下の膜形成チャンバー内で基板上に有機膜を形成する有機膜堆積工程と、膜形成チャンバーの排気工程とを少なくとも有するものである。
【0036】
本発明に係る有機膜形成方法では、有機原料を気相の原料ガスに変化させて保持しておき、この原料ガスにキャリアガスを混合して、基板上へ輸送する。この原料ガスの輸送の際に、原料ガスの流れをつくることで、原料ガスの流量を制御でき、基板への原料ガスの供給が安定して、これにより、成膜速度を安定させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の有機膜形成装置の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態の有機膜形成装置の全体構成図である。第1の実施の形態の有機膜形成装置1は、気相の有機原料をキャリアガスを用いて輸送する際に、流量制御手段を構成するファン2を用いて強制的に輸送することで、有機原料を安定して基板3に供給して、成膜速度を向上させるものである。ここで、基板3とは、図5等で説明した透明ガラス基板102にITO透明電極を形成したもの、あるいは図示しないTFT(Thin Film Transistor)基板等である。
【0038】
有機膜形成装置1は、気化昇華室4、原料ガス室5、ファン2が設けられる原料ガス輸送管6、基板3が収納される膜形成チャンバー7を備える。気化昇華室4は、気化昇華手段を構成し、例えば抵抗加熱法により有機原料を気化または昇華させるもので、チャンバー等の外気と隔離できる容器内にボート形状の原料容器8を備えたものである。また、この原料容器8に通電する図示しない通電機構を備える。
【0039】
原料容器8は、高融点でかつ有機原料と反応しない例えばTa(タンタル)等の材質で作られる。この原料容器8に通電すると、該原料容器8が抵抗となって発熱する。これにより原料容器8に固相(粉末状)の有機原料9を入れて通電すると、原料容器8が発熱することにより有機原料9が間接的に加熱され、気化または昇華する。これにより、HOやO等の有機原料を変質させる物質から一切隔離された気化昇華室4内は有機原料のガスで満たされる。
【0040】
この気化昇華室4には、有機原料9の加熱温度を制御するために、原料容器8の温度を測定する図示しない熱電対が設けられる。また、原料容器8へ通電する際の電流値を計測する図示しない電流計が設けられる。これにより、原料容器8の温度や原料容器8への通電電流値が監視され、有機原料9が気化または昇華する温度が保たれるように制御される。
【0041】
気化昇華室4は配管10で原料ガス室5と接続される。配管10にはバルブ11が設けられ、気化昇華室4から原料ガス室5への原料ガスの供給の有無の切り替えおよび供給量の調整が行われる。
【0042】
原料ガス室5は、キャリアガス導入手段を構成し、チャンバー等の外気と隔離できる容器であり、温度圧力制御手段を構成する排気管12と供給管13が接続される。排気管12にはバルブ14が設けられ、原料ガス室5内からの原料ガス等の放出の有無の切り替えが行われる。また、供給管13にはバルブ15が設けられるとともに、キャリアガスとして用いられるガスが入れられたタンク16が接続され、タンク16からのキャリアガスの供給の有無の切り替えおよび供給量の調整が行われる。タンク16には、各種有機原料に対して不活性なN等のガスが入れられる。
【0043】
そして、原料ガス室5への原料ガスの供給と原料ガス室5からの原料ガス等の排出により、原料ガス室5内の圧力が調整される。なお、原料ガス室5の圧力を測定するため圧力計17が設けられる。
【0044】
原料ガス室5には温度圧力制御手段を構成するヒータ18が設けられ、原料ガス室5内の温度が制御される。また、原料ガス室5には熱電対を利用した温度計19が設けられる。これにより、気化昇華室4から供給された原料ガスの加熱温度を監視し、例えばPID温度制御等によるヒータ18の制御により厳密に原料ガス温度が定温制御される。ここで、ヒータ18は温度制御性を高めるため、多段であることが望ましい。なお、原料ガス室5の内部には、所定の熱対流を起こすためフィン等を設けたり、原料ガスの攪拌を行う羽根車(プロペラ)を設けることとしてもよい。
【0045】
原料ガス室5には原料ガス輸送手段を構成する原料ガス輸送管6が接続される。この原料ガス輸送管6にはプロペラを備えたファン2が設けられる。図2はファン2の一例を示す原料ガス輸送管6の一部破断斜視図である。ファン2は、プロペラ20と、プロペラ20を回転させるモータ21と、モータ21を原料ガス輸送管6内に固定する支持部材22等で構成される。なお、図2におけるプロペラ20の形状は一例であり、羽根の枚数は4枚に限るものではない。
【0046】
原料ガス輸送管6がパイプ形状である場合、複数のプロペラ20が同軸上に並ぶように、ファン2が原料ガスの流れる方向に沿って直列に並べて設けられる。そして、各ファン2が独立して駆動源を持つので、各プロペラ20は独立して回転制御される。なお、ファン2の原料ガスに晒される部分は、有機原料に対して不活性な材質で製作される。
【0047】
図1に戻り、原料ガス輸送管6には加熱手段を構成するヒータ23が設けられ、原料ガス輸送管6内のファン2および輸送される原料ガスが加熱される。また、原料ガス輸送管6には圧力計24と温度管理手段を構成する温度計25が設けられる。ここで、図示しないが圧力計24による検出位置を各ファン2の間に設け、ファン2間で原料ガスの滞留が起こらないように各プロペラ20の回転が制御される。また、温度計25の出力をフィードバックして、ファン2を含めた原料ガス輸送管6内の温度が有機原料が固化しない温度を保つようにヒータ23が制御される。
【0048】
原料ガス輸送管6には膜形成チャンバー7が接続される。ここで、図1の例では、同一構造の原料ガス輸送管6を並列に2本設けて原料ガス室5と膜形成チャンバー7を接続する。これにより、ファン2を設けたことと合わせて、原料ガスの輸送が促進される。
【0049】
膜形成チャンバー7には基板3を保持する基板ホルダ26が設けられる。この基板ホルダ26は、冷却手段として、例えば配管27から供給される冷却水を循環させる機構を有し、保持している基板3を裏面側から冷却する。ここで、膜形成チャンバー7内で基板3は垂直に保持される。なお、カラーディスプレイに用いる発光材料を製作する場合、図9に示すマスク114が基板3の有機膜形成面に取り付けられる。このため、基板ホルダ26にマスク114を保持する手段、例えば磁化部材を備える。
【0050】
膜形成チャンバー7にはヒータ28と温度計29が設けられる。この温度計29の出力をフィードバックして、膜形成チャンバー7内の温度が、基板3に吸着する前の有機原料が固化しないような温度を保つようにヒータ28が制御される。
【0051】
さらに、膜形成チャンバー7には圧力計30と排気管31が設けられ、この排気管31に排気手段を構成する図示しない真空ポンプが接続される。また、この排気管31には図示しないがコンダクタンスバルブ等を設け、排気速度を一定に制御できる機構を供える。そして、圧力計30の出力をフィードバックして、膜形成チャンバー7内の圧力が所定の低真空を保つように制御される。
【0052】
なお、膜形成チャンバー7に対して基板3を出し入れ自在とするため、例えば膜形成チャンバー7を開閉構造をもつ分割構造とし、閉じたときは機密性が保たれる構成とする。
【0053】
次に、本発明の有機膜形成方法の実施の形態を、上述した有機膜形成装置1の動作として説明する。本実施の形態の有機膜形成方法は、有機原料を気化または昇華させる気化昇華工程、原料ガスを定温定圧で保持する原料ガス保持工程、キャリアガスの導入および原料ガスとの混合を行うキャリアガス導入工程、原料ガスを基板3上に輸送する原料ガス輸送工程、基板3上への有機膜堆積工程および排気工程で構成される。
【0054】
気化昇華工程は気化昇華室4で行われる。この気化昇華工程では、有機原料9が入れられた原料容器8に通電し、原料容器8の抵抗発熱で有機原料9を間接的に加熱して気化または昇華させて、原料ガスを生成する。
【0055】
これにより、HOやO等の有機原料を変質させる物質から一切隔離された気化昇華室4内は原料ガスで満たされる。そして、気化昇華工程では、原料容器8の温度や原料容器8への通電電流値が監視され、有機原料9が気化または昇華する温度が保たれるように通電値等が制御される。
【0056】
原料ガス保持工程は原料ガス室5で行われる。原料ガス保持工程では、原料ガス室5がヒータ18で加熱され、気相となった有機原料が固化せず、かつ分解しないように恒温化されている。また、図示しないプロペラ等を用いて原料ガスを攪拌し、原料ガス室5内を均温化するとよい。
【0057】
そして、気化昇華室4から原料ガス室5へと供給された原料ガスの加熱温度を温度計19により監視し、PID温度制御によるヒータ18の制御により厳密に原料ガス温度が定温制御される。
【0058】
さらに、原料ガス室5内の原料ガスの圧力が圧力計17で監視される。この原料ガス室5内の圧力監視がその機能を発揮するのは、原料ガス室5から原料ガスが原料ガス輸送管6へと供給された場合である。すなわち、原料ガスの原料ガス輸送管6への供給に伴い、原料ガス室5内の原料ガス量が減少するが、原料ガス室5内は定温制御されているので、原料ガスの減少は原料ガス室5内の圧力低下としてモニタされる。
【0059】
有機原料の多くは、気化または昇華温度に圧力依存性を持っているため、原料ガスの変質を避けるためには温度と圧力をともに制御することが望ましく、原料ガスを変質することなくガス状で保持するためには、最適圧力と最適温度が存在する。
【0060】
したがって、原料ガス室5内の原料ガスの分子破壊等の変質を発生させないためには、原料ガス室5内の圧力低下を避ける必要があり、原料ガス室5から原料ガス輸送管6への原料ガスの供給が行われた場合でも、原料ガス室5内を最適圧力に維持するために、原料ガス室5への原料ガスの補充が行われる。
【0061】
この原料ガス室5への原料ガスの補充は、圧力計17の出力から原料ガス室5の圧力低下を検知すると、気化昇華室4と原料ガス室5を接続する配管10に設けられるバルブ11を開くことで行われる。そして、原料ガス室5内から気化昇華室4への原料ガスの逆流を防ぐためには、例えば、気化昇華室4内の圧力>原料ガス室5内の圧力、との関係が常時保たれるように制御しておく。または、原料ガス補充時のバルブ11を開く直前に、気化昇華室4内の圧力>原料ガス室5内の圧力、との関係となるように制御する。この場合、原料ガス室5内の温度を若干下げる制御を行うことで、原料ガスの圧力による分子破壊を回避することが望ましい。
【0062】
そして、原料ガス室5内への原料ガスの補充が完了したことは、圧力計17の出力から検知でき、気化昇華室4から原料ガス室5への原料ガスの補充が完了すると、バルブ11が閉じられて、気化昇華室4からの原料ガスの供給が停止される。
【0063】
一方、原料ガス室5内の圧力が最適圧力より高くなった場合、例えば過補充等の場合は、バルブ14を開いて原料ガス室5内の原料ガスの一部を直ちに排気して、原料ガス室5内を最適圧に保つ。
【0064】
以上のように、原料ガス室5内の定温定圧制御を行うことで、原料ガス室5内に存在する原料ガスの高温による分解、低温による固化、高圧による分子構造の破壊、低圧による原料ガス不足等、原料ガスの変質が生じず、良質な原料ガスを生成維持することができる。
【0065】
キャリアガス導入工程も原料ガス室5で行われる。このキャリアガス導入工程は、ドーピング制御性を高めるための原料ガスの希釈およびキャリアガスの導入が行われる。
【0066】
原料ガス室5にはタンク16が接続され、バルブ15の開閉制御により、原料ガス室5にキャリアガスが供給される。キャリアガスとしては、各種有機原料に対して不活性なNやAr(アルゴン)が使用される。そして、原料ガスとキャリアガスの混合の割合は、バルブ15の開閉でキャリアガスの流量を制御することで行われ、このキャリアガスを用いて原料ガスが輸送される。このキャリアガス導入工程でも、ヒータ18およびバルブ14,15等を制御して、原料ガス室5の圧力および温度が制御される。なお、供給管13にヒータを設けて、原料ガスが固化しない温度に制御されたキャリアガスを供給できるようにしてもよい。
【0067】
また、有機膜を形成する際のドーピングに関しては、例えばAlq(8−キノリノールアルミニウム錯体)をホスト材とし、ゲスト材としてクマリンをドーピングする。この場合、クマリンガスと、このクマリンガスに対して不活性で、かつ重さが同程度で均一混合するアルゴンガスとを、クマリンガス:アルゴンガス=1:100程度の割合で混合すれば、濃度制御に優れたドーピング用希釈ガスが生成される。
【0068】
このように、キャリアガス導入工程では、ドーピング用希釈ガスの生成が可能であり、濃度制御に優れたドーピング用希釈ガスを生成できるということは、色純度が良い原色フルカラーディスプレイを作成するためには重要である。
【0069】
原料ガス輸送工程は、原料ガス輸送管6で行われる。原料ガス輸送工程では、キャリアガス導入工程でキャリアガスが導入された原料ガスが原料ガス輸送管6を輸送される。
【0070】
この原料ガス輸送工程では、ファン2の図2に示すプロペラ20を回転させることで、原料ガス室5から膜形成チャンバー7へ向けての気流が原料ガス輸送管6内に作られる。これにより、原料ガス供給管6内で乱流を生じることなく安定的に、かつ大量に原料ガスを輸送できる。
【0071】
ここで、上述したように圧力計17で各ファン2間の圧力を測定できるようにしておくことで、圧力計17の出力から各ファン2間の圧力値が一定となるように各プロペラ20の回転数が制御され、原料ガス輸送管6内を単位時間に流れる原料ガス量が制御される。
【0072】
また、温度計25の出力に応じて、ファン2を含めた原料ガス輸送管6内の温度が有機原料が固化しないように、気化または昇華温度以上でかつ分解温度以下となるようにヒータ23によって原料ガス輸送管6が温度制御される。
【0073】
有機膜堆積工程は、膜形成チャンバー7で行われる。有機膜堆積工程では、原料ガス輸送工程でファン2により輸送された原料ガスが基板3に吸着して有機膜を形成する。さて、原料ガスをファン2を使用して輸送することで、大量の原料ガスが基板3へと輸送される。そこで、基板ホルダ26に水冷によって基板3を冷却する機構を設けて、基板3を室温に保つようにする。これにより、基板3に吸着した有機原料は、高温のガスの状態から急速冷却されることで、非晶質または微結晶な良質な有機膜が形成される。
【0074】
排気工程は、膜形成チャンバー7で行われる。排気工程では、上述した各工程に先立ち、基板3が収納された膜形成チャンバー7を10Pa程度の低真空に保つ。また、有機膜堆積工程で発生した残留ガスを排気する。この排気工程では、排気速度が一定となるように制御して、膜形成チャンバー7内の圧力が急激に変化することを防ぐ。
【0075】
以上説明したように、第1の実施の形態の有機膜形成装置では、原料ガス輸送管6内にファン2を設けて原料ガスの流れを作り、原料ガスの流速を制御できるようにしたので、基板3へ原料ガスを安定して供給でき、成膜速度が安定する。なお、ファン2を設ける位置は、図1の例に限るものではない。例えば、原料ガス輸送管6の吸入口と排出口のどちらか一方、あるいは両方に設けることとしてもよい。
【0076】
さらに排気管31にもファン2を設け、膜形成チャンバー7内に流れを作ることとしてもよい。さて、気流をつくるファンをさらに基板3の直前に配置することで、基板3の表面での膜厚分布を向上させることができる。以下に、その構成例を有機膜形成装置の第2の実施の形態として説明する。すなわち、図3は第2の実施の形態の有機膜形成装置の要部構成図である。
【0077】
第2の実施の形態の有機膜形成装置では、図1に示す原料ガス輸送管6の終端にファン32を設ける。このファン32は、原料ガスの流れに対して直交する回転軸33を有するプロペラ34を備える。そしてプロペラ34の周囲にカバー35が設けられ、このカバー35の一部が開口して放出口36が設けられる。そして、この放出口36が基板3に対向して設けられる。また、図示しないが、ファン32にはプロペラ34を回転させるモータ等の駆動源が設けられる。
【0078】
なお、ファン32以外の構成は、図1に示す第1の実施の形態の有機膜形成装置1と同じとする。そして、以上の構成において、気化昇華工程、原料ガス保持工程、キャリアガス導入工程、原料ガス輸送工程および排気工程は、第1の実施の形態の有機膜形成装置1と同様に行われるものとする。
【0079】
有機膜堆積工程では、ファン32のプロペラ34が矢印a方向に回転する。これにより、原料ガス輸送管6を輸送されてきた原料ガスは、プロペラ34の回転によりカバー35内を輸送され、放出口36から基板3の面に沿って広がるように放出される。これにより、基板3の全面にわたって均一に原料ガスを輸送できるので、基板3内での膜厚分布を向上させることができる。
【0080】
次に、第2の実施の形態の有機膜形成装置の変形例を説明する。図4は第2の実施の形態の有機膜形成装置の変形例を示す要部構成図で、図4(a)は側断面図、図4(b)はファンを底面側から見た平面図である。
【0081】
ファン37は、図1に示す原料ガス輸送管6の終端に設けられる。このファン37は、原料ガスの流れに沿った回転軸38を有するプロペラ39を備える。そしてプロペラ39の周囲にカバー40が設けられ、このカバー35の底面が開口して放出口41が設けられる。そして、この放出口41が基板3に対向して設けられる。また、図示しないが、ファン37にはプロペラ39を回転させるモータ等の駆動源が設けられる。
【0082】
なお、ファン37以外の構成は、図1に示す第1の実施の形態の有機膜形成装置1と同じとする。そして、以上の構成において、気化昇華工程、原料ガス保持工程、キャリアガス導入工程、原料ガス輸送工程および排気工程は、第1の実施の形態の有機膜形成装置1と同様に行われるものとする。
【0083】
有機膜堆積工程では、ファン37のプロペラ39が矢印b方向に回転する。これにより、原料ガス輸送管6を輸送されてきた原料ガスは、プロペラ39の回転により渦を描いて放出口41から基板3の面に沿って広がるように放出される。これにより、基板3の全面にわたって均一に原料ガスを輸送できるので、基板3内での膜厚分布を向上させることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、有機原料を気相の原料ガスに変化させて基板上へ輸送する際に、原料ガスの流れを作って流量を制御するようにしたので、基板への原料ガスの供給が安定し、成膜速度が安定する。
【0085】
したがって、有機膜の均質性やドーピング原料の均質分散性が向上し、発光寿命が長い発光素子を製作できる。また、ドーパント型材料の発光波長の精度が向上した色純度の良い有機膜を形成できる。さらに、有機膜の欠陥が少ないので、低抵抗で消費電力の少ない発光素子を製作できる。また、原料ガスの圧力を高めることなく大量の原料ガスを基板上へ輸送できるので、分子構造を破壊することなく成膜速度を向上させることができる。
【0086】
そして、以上のことから、本発明では、色純度に優れた有機ELディスプレイや有機発光ダイオード等の有機発光素子を製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の有機膜形成装置の全体構成図である。
【図2】ファンの一例を示す原料ガス輸送管の一部破断斜視図である。
【図3】第2の実施の形態の有機膜形成装置の要部構成図である。
【図4】第2の実施の形態の有機膜形成装置の変形例を示す要部構成図である。
【図5】有機EL素子の構造の一例を示す説明図である。
【図6】有機ELカラーディスプレイの概要を示す平面図である。
【図7】有機ELカラーディスプレイの要部斜視図である。
【図8】真空蒸着装置の基本構成を示す説明図である。
【図9】マスクを使用した膜堆積工程の一例を示す断面図である。
【図10】従来の有機膜形成装置の説明図である。
【符号の説明】
1・・・有機膜形成装置、2・・・ファン、3・・・基板、4・・・気化昇華室、5・・・原料ガス室、6・・・原料ガス輸送管、7・・・膜形成チャンバー、8・・・原料容器、9・・・有機原料、10・・・配管、11・・・バルブ、12・・・排気管、13・・・供給管、14・・・バルブ、15・・・バルブ、16・・・タンク、17・・・圧力計、18・・・ヒータ、19・・・温度計、20・・・プロペラ、21・・・モータ、22・・・支持部材、23・・・ヒータ、24・・・圧力計、25・・・温度計、26・・・基板ホルダ、27・・・配管、28・・・ヒータ、29・・・温度計、30・・・圧力計、31・・・排気管、32・・・ファン、33・・・回転軸、34・・・プロペラ、35・・・カバー、36・・・放出口、37・・・ファン、38・・・回転軸、39・・・プロペラ、40・・・カバー、41・・・放出口

Claims (13)

  1. 基板上に有機物の薄膜を形成する有機膜形成装置において、
    前記基板が収納される膜形成チャンバーと、
    有機原料を気相に変化させて原料ガスを生成する気化昇華手段と、
    前記原料ガスとキャリアガスを混合するキャリアガス導入手段と、
    前記原料ガスを前記キャリアガスを用いて前記膜形成チャンバーに送る原料ガス輸送手段と、
    前記原料ガスの流れを作り流量を制御する流量制御手段と、
    前記膜形成チャンバーの排気を行う排気手段と
    を備えたことを特徴とする有機膜形成装置。
  2. 前記原料ガス輸送手段は、前記膜形成チャンバーと接続された原料ガス輸送管を備え、
    前記流量制御手段として、駆動力を受けて回転するファンを前記原料ガス輸送管内に備えて、前記膜形成チャンバーへ向けての原料ガスの流れをつくる
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  3. 前記ファンを、原料ガスの流れに沿って複数設けた
    ことを特徴とする請求項2記載の有機膜形成装置。
  4. 前記原料ガス輸送手段は、前記膜形成チャンバーと接続された原料ガス輸送管を備え、
    前記流量制御手段は、前記原料ガス輸送管に設けた羽根車と、前記羽根車の周囲を覆うカバーと、前記カバーの一部を開口した放出口とを備え、
    前記放出口を前記基板と対向させ、前記原料ガスが前記基板の面に沿って広がる方向の流れをつくる
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  5. 前記流速制御手段の温度を管理する温度管理手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  6. 前記原料ガス輸送手段の温度を制御する加熱手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  7. 前記キャリアガス導入手段は、前記原料ガスと前記キャリアガスを混合する原料ガス室を有し、前記原料ガス室の温度と圧力を制御する温度圧力制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  8. 前記基板ホルダに、前記基板を冷却する冷却手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の有機膜形成装置。
  9. 基板上に有機物の薄膜を形成する有機膜形成方法において、
    有機原料を気相の原料ガスへと変化させる気化昇華工程と、
    前記原料ガスを保持する原料ガス保持工程と、
    前記保持された原料ガスとキャリアガスを混合するキャリアガス導入工程と、前記キャリアガスと混合して輸送される前記原料ガスの流れをつくり、前記基板上へ供給する原料ガス輸送工程と、
    前記原料ガスの流れを制御し得る減圧下の膜形成チャンバー内で前記基板上に有機膜を形成する有機膜堆積工程と、
    前記膜形成チャンバーの排気工程と
    を少なくとも有することを特徴とする有機膜形成方法。
  10. 前記気化昇華工程、前記原料ガス保持工程、前記キャリアガス導入工程、前記原料ガス輸送工程および前記有機膜堆積工程は、それぞれ独立して原料ガスの温度制御を行う
    ことを特徴とする請求項9記載の有機膜形成方法。
  11. 前記原料ガス保持工程、前記キャリアガス導入工程、前記原料ガス輸送工程および前記有機膜堆積工程は、それぞれ独立して圧力制御を行う
    ことを特徴とする請求項9記載の有機膜形成方法。
  12. 前記気化昇華工程から前記原料ガス保持工程への原料ガスの供給、前記キャリアガス導入工程でのキャリアガスの導入および前記原料ガス輸送工程での原料ガスの輸送時に、それぞれ独立して流量制御を行う
    ことを特徴とする請求項9記載の有機膜形成方法。
  13. 前記原料ガス保持工程は、前記原料ガスを定温定圧に保つ制御を行う
    ことを特徴とする請求項9記載の有機膜形成方法。
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