JP2004014121A - 燃料電池システム - Google Patents

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Akihiro Asai
浅井 明寛
Toshiya Osawa
大澤 俊哉
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】燃費性能を低下させることなく、簡便なシステム構成により電解質及び燃料極通路から窒素等のパージが行える燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料極25または電解質に窒素が付着して発電性能が低下した場合、低窒素ガス供給手段40から燃料極25を含む水素循環通路39に、空気より窒素含有率が低い低窒素ガスを供給する。低窒素ガス供給手段40は、コンプレッサ3から送られる空気中の窒素を窒素分離装置7で分離除去した酸素を主体とする低窒素ガスを低窒素ガスタンク10に貯蔵する。低窒素ガス供給条件が成立した場合、低窒素ガスタンク10から方向制御弁9,低窒素ガス供給弁11を介して水素循環路39へ低窒素ガスを供給する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に窒素濃度の低いガスを用いてパージすることにより発電効率を回復させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池に酸化剤として空気を供給するシステムにおいて、酸化剤極(空気極)に供給された空気中の窒素が電解質膜を透過して燃料極に至り、燃料極の触媒活性を低下させて発電効率が低下することが知られている。
【0003】
また、燃料の水素ガスは、化学工場から副産物として得られる副生水素を利用することが多い。しかし副生水素ガスの純度は、工場や副生水素が得られる工程によって異なり、水素以外に微量の酸素、一酸化炭素、窒素、塩素、アンモニア等の不純物を含んでいる。このうち酸素は燃料極で水素と反応して水になるので問題はない。
【0004】
水素ガスに含まれる酸素以外の不純物は、燃料極からの排出ガスを再循環させている間に、循環の繰り返しに伴って不純物濃度が上昇し、これが原因で燃料電池の電極触媒活性を低下させたり、腐食を与えたりして電池性能が低下する恐れがある。
【0005】
これを回避するために、燃料ガス供給配管の内部をパージする必要がある。このパージ方法には、燃料ガスをパージガスとして用いる方法や、予めボンベ等に貯蔵した不活性ガスをパージガスとする方法が考えられる。
【0006】
また、空気と可燃性ガス(燃料ガス)を燃焼させて、空気中の酸素を消費させることによって生成される、窒素及び二酸化炭素が主成分となった燃焼ガスでパージする方法(特開2000−277137号公報)も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料ガスでパージする方法では、燃料電池システムの燃費性能を低下させるという問題点があった。
【0008】
また、不活性ガスによってパージを行う方法では、パージ用の不活性ガスタンク等の残量を頻繁に把握したり、残量に応じて不活性ガスタンク等を交換したりする必要があり、システム管理が煩雑になるという問題点があった。
【0009】
さらに、特開2000−277137号公報記載の技術のように、可燃性ガスを燃焼させた燃焼ガスを用いてパージする方法では、パージガス中に多量の窒素を含むこととなり、本来の目的である電解質や燃料極に付着した窒素の除去を達成することはできないという問題点があった。
【0010】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、燃費性能を低下させることなく、簡便なシステム構成により電解質及び燃料極通路から窒素等のパージが行える燃料電池システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とが対設された燃料電池本体と、前記燃料極に供給された水素を循環する水素循環路と、空気に比べて窒素含有量の少ない低窒素ガスを前記水素循環路に供給する低窒素ガス供給手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガス供給手段から低窒素ガスを供給した後の前記水素循環路中の窒素濃度は、低窒素ガスを供給する前の前記水素循環路中の窒素濃度よりも低いことを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガス供給手段は、空気から窒素ガスを分離除去して、酸素を主体とする低窒素ガスを生成することを要旨とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項3記載の燃料電池システムにおいて、前記水素循環路に供給する低窒素ガスは、水素循環路中の一酸化炭素を酸化する量であることを要旨とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電効率が低下した時に前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを要旨とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項5記載の燃料電池システムにおいて、前記低下した発電効率が低い程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを要旨とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池本体に供給した空気量または水素量の積算値、または発電量の積算値が所定値を上回ったら、前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを要旨とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項7記載の燃料電池システムにおいて、前記積算値が大きい程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを要旨とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池の発電電圧が低下したら前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを要旨とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項9記載の燃料電池システムにおいて、前記低下した発電電圧が低い程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを要旨とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給する際、該水素循環路への水素供給量を低下させることを要旨とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガスによるパージが終了後、前記水素循環路へ水素を供給して前記低窒素ガスを排出することを要旨とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガスを排出後、燃料電池本体から電力取出しを行うことを要旨とする。
【0024】
請求項14記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記低窒素ガスの供給量を、あらかじめ定めた一定値とすることを要旨とする。
【0025】
請求項15記載の発明は、上記目的を達成するために、電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とが対設された燃料電池本体と、燃料電池本体を冷却する冷却液の通路である冷却液通路と、燃料電池本体の発電終了後に、前記冷却液通路を窒素ガスで満たす窒素ガス供給手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、燃費性能を低下させることなく、簡便なシステム構成により電解質及び水素循環路から窒素等のパージが行えるという効果がある。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、窒素濃度の低いガスで水素循環路をパージするので、燃料極触媒に付着した窒素を効果的に除去し、発電効率を回復することができるという効果がある。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、空気から窒素ガスを分離除去して低窒素ガスを生成するので、外部から低窒素ガスを補給する必要が無く、システム管理が容易となるという効果がある。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、燃料極触媒に付着した一酸化炭素を酸素で除去することができるという効果がある。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、発電効率を回復することができるという効果がある。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、パージの間隔を間引くことができ、かつ水素循環路内の窒素を確実に除去することができるという効果がある。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、新たに検出手段を追加することなく、簡易な装置構成で窒素パージを行う時期を判定することができるという効果がある。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、パージの間隔を間引くことができ、かつ水素循環路内の窒素を確実に除去することができるという効果がある。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、パージ開始条件として発電電圧を用いるため、システムの運転状態に関わらず、常に一定の条件でパージを開始することができるという効果がある。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、パージの間隔を間引くことができ、かつ水素循環路内の窒素を確実に除去することができるという効果がある。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、短時間に水素循環路内の窒素を含んだ水素を排出することができるという効果がある。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、水素循環路内の低窒素ガスの残留量を最小限に抑制することができるという効果がある。
【0038】
請求項13記載の発明によれば、燃料極での水を生成する反応を最低限に抑制することができるという効果がある。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、低窒素ガスの供給制御を簡単化することができるという効果がある。
【0040】
請求項15記載の発明によれば、燃料電池システムの停止時に冷却液に活性ガスが混入することを防止することができるという効果がある。
【0041】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1の実施形態を示す構成図である。図1において、燃料電池システムは、空気を濾過するエアフィルタ1と、空気流量計2と、濾過された空気を圧縮するコンプレッサ3と、コンプレッサ3を駆動するコンプレッサモータ4と、燃料電池本体である燃料電池スタック5と、空気から窒素ガスと空気より窒素含有率の低い低窒素ガスとを分離する窒素分離装置7と、低窒素ガスタンク10と、低窒素ガス供給弁11と、窒素ガスタンク15と、冷却液としての純水を貯蔵する純水タンク16と、純水ポンプ17と、純水タンクブリーザ20と、燃料電池スタック5を冷却するための冷却液通路である純水系21と、燃料としての水素ガスを貯蔵する水素タンク22と、水素流量制御弁23と、水素流量計24と、燃料極(水素極、アノード)25と、酸化剤極(空気極、カソード)33と、水素通路遮断弁26と、パージ弁27と、パージ通路28と、低窒素ガスタンク内圧計29と、窒素ガスタンク内圧計30と、低窒素ガスタンクリリーフ弁31と、窒素ガスタンクリリーフ弁32と、を備えている。
【0042】
また、低窒素ガス通路の方向制御弁6、8、9と、窒素ガス通路の方向制御弁12〜14と、純水通路の方向制御弁18、19とを備えている。
【0043】
図1において、燃料極25へ水素を導入する水素導入路35と、燃料極25と、燃料極25から水素を導出する水素導出路36と、水素通路遮断弁26と、水素帰還路37とは、水素循環路39を構成している。
【0044】
水素タンク22に貯蔵された高圧水素ガスは、水素流量調整弁23を介して減圧及び流量調整が行われ、流量計24で流量が計測される。流量が計測された水素ガスは、水素導入路35を介して、燃料電池スタック5の燃料極25へ供給される。燃料極25で反応した残りの水素ガスは、燃料極25から排出され、水素導出路36、水素通路遮断弁26,水素帰還路37,水素導入路35を介して再び燃料極へ供給される。このとき、水素帰還路37と水素導入路35との接続点38では、図中右方の水素流量計24を介した新規水素ガスと再循環される水素ガスとが混合される。接続点38には、新規水素ガスと再循環水素ガスとを混合するエゼクタを設置してもよい。
【0045】
さらに、水素導出路36は、パージ弁27を介してパージ通路28に接続され、パージ通路28は、水分離手段34を介してシステム外部の大気と接続されている。
【0046】
また、エアフィルタ1と、空気流量計2と、コンプレッサ3と、コンプレッサモータ4と、とは、燃料電池スタック5の酸化剤極33に酸化剤としての空気を供給するとともに、低窒素ガス供給手段40に原料となる空気を供給する。
【0047】
また、窒素分離装置7と、低窒素ガスタンク10と、低窒素ガスタンク内圧計29と、低窒素ガスタンクリリーフ弁31と、方向制御弁6,8,9と、低窒素ガス供給弁11とは、水素循環路39に低窒素ガスを供給する低窒素ガス供給手段40を構成している。
【0048】
窒素分離装置7としては、分子サイズの差異を利用した分子篩(モレキュラー・シーブス)や、圧力スイング吸着(PSA)法による分離装置が利用できる。
【0049】
低窒素ガス供給手段40は、方向制御弁6を介して窒素分離装置7へ空気を取り込む。窒素分離装置7は、空気から窒素ガスと、空気より窒素含有率が低い低窒素ガスとを分離する。分離された窒素は、方向制御弁12,14を介して窒素タンク15へ貯蔵される。窒素分離装置7で分離された低窒素ガスは、方向制御弁8,9を介して低窒素ガスタンク10へ貯蔵される。
【0050】
この低窒素ガスは、空気中の窒素を分離した残りのガスであり、酸素を主体としたガスであるが、窒素が残留していてもよい。低窒素ガスは、空気より窒素含有率が少なければ、本発明の効果を奏するものである。
【0051】
低窒素ガスタンク10及び窒素ガスタンク15には、それぞれリリーフ弁31及び32が設けられ、これらリリーフ弁31,32は、所定圧力以上で内部のガスを放出し、タンク内を所定圧力以下に保持するようになっている。
【0052】
低窒素ガスタンク10に貯蔵された低窒素ガスは、方向制御弁9,11を介して燃料電池スタック5の水素導入路35へ供給できるようになっている。
【0053】
一方、純水を冷却液として燃料電池スタック5を冷却する冷却システムは、純水タンク16と、純水ポンプ17と、方向制御弁18,19と、燃料電池スタック5の純水系21とで構成されている。通常の運転状態では、方向制御弁18,19が開き、これに連通する方向制御弁12,13,14は閉じている。そして純水タンク16内の純水は、純水ポンプ17,方向制御弁18,19、純水系21、純水タンク16の順路を循環するようになっている。
【0054】
図1の第1実施形態では、水素供給源として水素タンク22に貯蔵した水素を用いる方法を示したが、第2実施形態として、図2のように、炭化水素系燃料タンク128と、燃料流量制御弁129と、炭化水素系燃料を水素リッチな改質ガスへ改質する改質器130と、改質ガス流量計131とを備え、水素供給源として改質ガス供給系を有したシステムも考えられる。
【0055】
従来例では、水素または改質ガスを空気中で燃焼させた燃焼ガスを、燃料極25に水素を供給する水素導入路35に導入することによって、水素通路のパージを行なっていた。しかしながら燃焼ガスでパージを行うと、空気に多量に含まれる窒素ガスを燃料極及び水素通路に導入することとなり、燃料極触媒や電解質膜にさらに窒素が付着し、燃料電池スタック5における発電効率及び発電電圧の低下を招くこととなる。
【0056】
本発明においては、空気から窒素ガスを分離除去して窒素濃度の低い低窒素ガスを生成する窒素分離装置7を有し、この低窒素ガスを水素循環路39に導入するため、窒素ガス濃度の低い低窒素ガスにてパージを行い、燃料極触媒や電解質膜に付着した窒素を除去することができる。また、同様に燃料電池スタック5のの電圧低下の一因となる水素通路内の一酸化炭素の除去を行うこともできる。さらに、窒素分離装置7において分離された窒素を貯蔵しておき、システム停止時に純水通路に貯蔵窒素を導入することによって、純水内への活性ガスの混入を防止することもできる。
【0057】
以下、図1に示した第1の実施形態を主に説明する。図3は、第1実施形態における制御を説明するフローチャートである。まずステップS10で通常運転中における水素、空気の供給制御が行われる。この通常運転中には、低窒素ガス供給手段40の方向制御弁6、8、9は閉、窒素供給系の方向制御弁12〜14は閉であり、窒素分離装置7は運転されず、低窒素ガス及び窒素ガスの生成及び供給は行われない。また、パージ弁27は閉、純水制御系の方向制御弁18及び19は開である。
【0058】
次いでステップS12において、低窒素ガスタンク内圧計29により低窒素ガスタンク10の内圧を検出し、該検出結果が所定値を下回った場合、ステップS14へ移り、所定値以上の場合ステップS20へ移る。ステップS14では、低窒素ガスタンク10及び窒素ガスタンク15に低窒素ガス及び窒素ガスを貯えることを目的として、方向制御弁6、8、9、12、14を開とし、コンプレッサ3から供給される空気を窒素分離装置7に導入する。導入された空気は、窒素分離装置7により低窒素ガスと窒素ガスに分離され、おのおの低窒素ガスタンク10及び、窒素ガスタンク15に貯える。
【0059】
次いでステップS16にて、低窒素ガスタンク内圧計29により低窒素ガスタンク10の内圧が所定の圧力に達したことを検出した場合、ステップS18によって、低窒素ガス供給手段40の方向制御弁6、8、9及び窒素ガス供給手段の方向制御弁12、14を閉とし、通常運転状態に復帰する。この時、低窒素貯蔵タンク10の内圧または窒素貯蔵タンク15の内圧のいずれかが所定値を上回り、他方が所定値を下回っている場合でも、低窒素ガスタンク10,窒素ガスタンク15に設けられたリリーフ弁31、32にてタンク内圧が上昇するのを抑制することもできるため、各タンク内圧を所定値にすることができる。
【0060】
その後、ステップS20においてシステム運転中に、所定の低窒素ガス供給条件がそろった場合、ステップS22以降の制御により低窒素ガス供給手段40から水素循環路39への低窒素ガスの供給(パージ)を開始する。なお、供給動作は燃料電池スタック5に対する要求発電量が小さく必要水素流量が小さい場合に行うものとしても良い。
【0061】
ステップS22にて水素通路遮断弁26を閉、パージ弁27を開とし、ステップS24において、パージ中の水素の消費をさけるため水素流量制御弁23を閉状態を含んだ所定の開度まで絞る。
【0062】
その後、ステップS26にて方向制御弁9及び11を開とし、低窒素ガスタンク10から水素循環路39内に低窒素ガスを導入し、パージ弁27及びパージ通路28から窒素を含んだ水素循環路39内の水素を排出する。
【0063】
低窒素ガスにて水素循環路39をパージする条件としていくつかの条件が考えられる。その第1の条件として、燃料電池スタック5に供給した水素流量に対して発電された発電量を発電効率と考え、図4に模式的に示すような該発電量と水素流量の関係から発電効率を表すようなマップを用意しておき、該発電効率がマップ上の閾値を下回った場合とすることもできる。
【0064】
この場合、図5に模式的に示すように、発電効率の閾値を小さく設定するほど、水素循環路へ供給する低窒素ガス量を多くし、窒素を含んだ水素の排出量を多くすればよい。
【0065】
また第2の条件として、図6に模式的に示すように、燃料電池スタック5に供給された積算空気量、積算水素量の少なくとも一つが予め実験などで定めた閾値を上回った場合とすることもできる。
【0066】
さらに、第3の条件として、図7に模式的に示すように燃料電池スタック5において発電された積算発電量が予め実験などで定めた閾値を上回った場合とすることもできる。
【0067】
第2、第3の条件の場合、図8に模式的に示すように、閾値とする積算空気量及び積算水素量及び積算発電量の値を大きく設定するほど、水素通路へ供給する低窒素ガス量を多くし、窒素を含んだ水素の排出量を多くすればよい。
【0068】
さらに、第4の条件として、図9に模式的に示すように燃料電池スタック5において発電される瞬時電圧が予め定めた閾値を下回った場合、とすることもできる。
【0069】
ステップS28にて、必要な低窒素ガス量を水素通路に供給した後、ステップS30にて低窒素ガス供給手段40の方向制御弁9及び11を閉とする。その後、ステップS32にて水素流量制御弁23を所定の開度に開き、水素循環路39内の低窒素ガスを排出する。このとき、水素流量制御弁23の開度は全開に近いほど短時間で低窒素ガスを排出できることとなる。
【0070】
その後、ステップS34において予め実験で定めた低窒素ガスが排出されるまでの時間経過後、水素通路遮断弁26を開、パージ弁27を閉とする。また、水素循環路39内に水素濃度検出センサを設け、所定の水素濃度を上回った場合、この動作を行うものとしてもよい。ステップS34が完了した後、燃料電池スタック5での電力取出しを再開し、通常運転に復帰する。
【0071】
この時、低窒素ガスタンク10内の圧力が低い場合、再度低窒素ガスタンク10へ低窒素ガスを充填することとなる。
【0072】
また、この時水素循環路39内に少量の低窒素ガスが残留することも考えられるが、水素内に微量含まれる一酸化炭素の酸化に使われることになる。
【0073】
尚、図3のステップS12において、窒素分離装置7の動作させるか否かの判定条件は、低窒素ガスタンク10の内圧が所定値より低下したか否かとしたが、これに代えて、「低窒素ガスタンク10の内圧または窒素ガスタンク15の内圧が所定値より低下したか否か」、と変更することもできる。この場合、ステップS16の判定条件は、「低窒素ガスタンク10の内圧及び窒素ガスタンク15の内圧が所定値以上か否か」となる。
【0074】
また、同様のシステム構成において、図10に水素循環路内の一酸化炭素を除去するフローチャートを示す。本実施形態における低窒素ガスは、空気から分離した酸素を主体とする低窒素ガスであるので、燃料電池運転時の水素循環中に濃縮された一酸化炭素等の不純物が電極触媒を被毒した場合に、一酸化炭素を酸素で酸化させて無害の二酸化炭素として、触媒から除去することができる。
【0075】
図10のステップS10からステップS18までの低窒素ガスを貯蔵するフローについては、図1と同様なので省略する。
【0076】
ステップS20において所定の低窒素ガス供給条件が成立した場合、ステップS42にて方向制御弁9及び低窒素ガス供給弁11を開とし、ステップS44にて所定量(図3のS28に比べて微量)の低窒素ガスを水素循環路39内に供給し一酸化炭素の除去を開始する。
【0077】
供給する低窒素ガス量は、図11に模式的に示すように、燃料電池スタック5に供給された水素量及び空気量及び燃料電池スタック5での発電量の積算量を検出し、該検出量が大きいほど供給する低窒素ガス量を多くする。
【0078】
また、図12に模式的に示すように燃料電池スタック5での発電電圧を検出する手段を有し、該発電電圧が低いほど供給する低窒素ガス量を多くすることも出来る。さらに、予め実験などで必要な低窒素ガス量を求めておき、一定量の低窒素ガスを供給することも考えられる。
【0079】
所定量の低窒素ガスが水素循環路に供給された後、ステップS46にて方向制御弁9及び低窒素ガス供給弁11を閉とする。
【0080】
この時、水素循環路39内に低窒素ガスが残留することとなり水素循環路39中の水素濃度が低下することになるが、パージ(窒素除去)動作時に水素を同時にパージ通路28を通ってシステム外へ排出されることとなる。また、所定の供給回数を予め定めておき、該供給回数となったときにパージ動作させても良いし、水素循環路39に水素濃度検出手段を設けて水素濃度を検出し、該検出結果が所定値を下回った場合にパージ動作させても良い。
【0081】
また、窒素分離装置7によって分離された窒素ガスは、窒素ガスタンク15に貯えられ、発電終了後に実行される図13に示すフローチャートに従って純水通路に供給される。
【0082】
燃料電池スタック5が発電終了し、その後燃料電池スタック温度または純水温度が所定値以下に低下した後に純水ポンプ17を停止させる。その後、ステップS50にて方向制御弁14,19を開とし、方向制御弁12,13,18を閉とする。これによって、純水系21に窒素ガスタンク15から窒素ガスが供給され、純水系21内部の純水は、純水タンク16に排出される。ステップS52にて純水系21に窒素ガスが満たされた後、ステップS54にて、方向制御弁14,18を開、方向制御弁12,13,19を閉とすることによって、ステップS52にて窒素ガスを供給することが出来なかった純水通路の部分に窒素ガスを供給することが可能となる。
【0083】
ステップS56にて窒素ガスで満たされた後、ステップS58にて方向制御弁13,14を開、方向制御弁12,18,19を閉とし、純水タンク16の上部の空間部分にも窒素ガスを供給する。ステップS60にて純水タンクの空間部分が窒素で満たされた後、ステップS62にて方向制御弁12,13,14,18,19を閉としてフローを終了する。
【0084】
純水系21内及び純水タンク16内に窒素ガスを供給する時間は、予め実験などで決めた所定値としても良いし、窒素濃度検出手段を設け、その検出値で判断しても良い。
【0085】
また、この時、不要な空気及び窒素ガスは純水タンクブリーザ20から大気へ放出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態における全体の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態における全体の構成を示す構成図である。
【図3】実施形態における低窒素ガスによるパージ処理内容を説明するフローチャートである。
【図4】水素流量と発電効率の良否が判断される発電量の閾値との関係を示す図である。
【図5】低窒素ガス供給開始を判断する発電効率の閾値と低窒素ガス供給量との関係を示す図である。
【図6】積算水素量及び積算空気量とパージタイミングとの関係を示す図である。
【図7】積算発電量とパージタイミングとの関係を示す図である。
【図8】積算水素量・積算空気量または積算発電量を低窒素ガス供給開始条件とする場合の積算量の閾値と低窒素ガス供給量との関係を示す図である。
【図9】発電電圧とパージタイミングの関係である。
【図10】一酸化炭素除去手段のフローチャートである。
【図11】一酸化炭素除去手段における積算水素量・積算空気量・積算発電量と低窒素ガス供給量の関係である。
【図12】一酸化炭素除去手段における発電電圧と低窒素ガス供給量の関係である。
【図13】純水通路の窒素パージフローチャートである。
【符号の説明】
1 エアフィルタ
2 空気流量計
3 コンプレッサ
4 コンプレッサモータ
5 燃料電池スタック
6,8,9,12,13,14,18,19 方向制御弁
7 窒素分離装置
10 低窒素ガスタンク
11 低窒素ガス供給弁
15 窒素ガスタンク
16 純水タンク
17 純水ポンプ
20 純水タンクブリーザ
21 純水系
22 水素タンク
23 水素流量制御弁
24 水素流量計
25 燃料極
26 水素通路遮断弁
27 パージ弁
28 パージ通路
29 低窒素ガスタンク内圧計
30 窒素ガスタンク内圧計
31,32 リリーフ弁
33 酸化剤極
34 水分離手段
39 水素循環路
40 低窒素ガス供給手段

Claims (15)

  1. 電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とが対設された燃料電池本体と、
    前記燃料極に供給された水素を循環する水素循環路と、
    空気に比べて窒素含有量の少ない低窒素ガスを前記水素循環路に供給する低窒素ガス供給手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記低窒素ガス供給手段から低窒素ガスを供給した後の前記水素循環路中の窒素濃度は、低窒素ガスを供給する前の前記水素循環路中の窒素濃度よりも低いことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記低窒素ガス供給手段は、空気から窒素ガスを分離除去することにより、酸素を主体とする低窒素ガスを生成することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記水素循環路に供給する低窒素ガスは、水素循環路中の一酸化炭素を酸化する量であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 燃料電池の発電効率が低下した時に、前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 前記低下した発電効率が低い程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを特徴とする請求項5記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池本体に供給した空気量または水素量の積算値、または発電量の積算値が所定値を上回った時に、前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 前記積算値が大きい程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
  9. 燃料電池の発電電圧が低下した時に、前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  10. 前記低下した発電電圧が低い程、前記低窒素ガスの供給量を多くすることを特徴とする請求項9記載の燃料電池システム。
  11. 前記低窒素ガスを前記水素循環路に供給する際、該水素循環路への水素供給量を低下させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  12. 前記低窒素ガスによるパージが終了後、前記水素循環路へ水素を供給して前記低窒素ガスを排出することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  13. 前記低窒素ガスを排出後、燃料電池本体から電力取出しを行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  14. 前記低窒素ガスの供給量を、あらかじめ定めた一定値とすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  15. 電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とが対設された燃料電池本体と、
    燃料電池本体を冷却する冷却液の通路である冷却液通路と、
    燃料電池本体の発電終了後に、前記冷却液通路を窒素ガスで満たす窒素ガス供給手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005209547A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池発電装置及び燃料電池発電装置の運転方法
WO2023025001A1 (zh) * 2021-08-25 2023-03-02 中国第一汽车股份有限公司 一种燃料电池的供气系统及供气方法

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