JP2004013816A - 環境負荷評価方法および環境負荷評価装置および環境負荷評価プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するための環境負荷評価方法、装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】記憶手段に記憶された、輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶手段を用いて、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する。
【選択図】 図1
【解決手段】記憶手段に記憶された、輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶手段を用いて、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題への社会的な高まりにより、工場における生産活動の及ぼす環境への配慮だけでなく、製品についても環境への負荷低減が求められており、ライフサイクルアセスメント(LCA; Life Cycle Assessment)が注目されている。LCAとは、製品が一生を通じて環境に与える負荷を分析・評価する手法である。つまり、LCAは、製品のライフサイクル(原料採取 → 製造 → 流通 → 使用 → 廃棄/リサイクル)を通じて環境負荷を把握し、環境負荷の低減に向けて改善するために利用される。LCAは製品生涯での総合的評価であること、そして、大気汚染や資源効率、廃棄物量などの負荷を定量的に把握して、科学的あるいは合理的に改善する手立てに利用できることに特徴がある。
【0003】
これに加え、製品のみならず、情報・サービス分野についてもライフサイクルにわたる環境負荷評価の必要性が高まっている。しかし、このような環境負荷表手法はいまだ確立されていない。情報技術の進展につれて、例えば、インターネットを利用した電子商取引が普及するなど、ビジネスモデルが大きく変化することになる。これに伴って、エネルギー消費や資源消費が増加するか/減少するかという問題は、地球環境問題と密接に関連して重要な課題である。エネルギー消費量の増加に伴って、二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)、および微粒子(SPM)が大気中に排出され、地球温暖化や酸性雨の原因となる。健康障害をもたらすことも懸念されている。また、エネルギーや化石燃料の大量消費は資源枯渇につながることが指摘されており、埋蔵量を生産量で除した耐用年数で見ると、石油は45年、石炭は148年、天然ガスは53年となっており、資源は有限で近い将来に枯渇することは明らかである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
LCAは製品の環境影響評価手法として適用され、進展してきたが、LCAは物量で表せる対象のみしか評価することができなかった。特に、昨今の急速なインターネットを用いた電子商取引のように、システムやソフト・サービス産業の評価には無力である。インターネットを用いた電子商取引の普及はエネルギーや資源消費を低減させるのか否かを明確に把握し、エネルギー削減に向けて効率の良い方策を構築する必要がある。そのためには、電子商取引での環境負荷を簡単に評価する手法およびその評価装置が望まれている。
【0005】
インターネットを用いた電子商取引によって脱物質化が進み、物品製造のためのエネルギー消費量が削減される。しかし、物品の個別配送が増えるなど、物の移動が増加することによってエネルギー消費量の増加につながる。また、情報伝送量が増えることによる環境負荷も増加することになる。一方で、インターネットによる電子商取引を利用することにより、購入者が購入に要する時間の節約や交通量の減少が期待できる。このように電子商取引には環境負荷のトレードオフが存在するためにインターネットによる電子商取引の環境負荷を評価するには環境負荷の増加分および削減分を客観的な評価方法により簡単に算出できる評価装置が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、インターネット等を用いた電子商取引経路についての環境負荷を推定することができ、従来からある取引経路や電子商取引経路など、異なる複数の取引経路のそれぞれについて異なる環境負荷を推定して、取引経路の違いによる環境負荷の違いを比較することができ、特に、取引経路の違いによる環境負荷の違いを比較することにより、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる環境負荷評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するものであって、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷原単位を前記記憶手段から読み出して、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価することにより、経路(特に取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0009】
また、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、前記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0010】
本発明は、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するものであって、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、前記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するとともに、通信を利用した経路の場合には、通信を用いることにより節約される時間や物品、交通量などの資源による環境負荷低減効果を加味して環境負荷を評価することにより、経路(特に、取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0012】
また、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、前記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0013】
前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間および物品のうちのいずれか一方であることを特徴とする請求項2または4記載の環境負荷評価方法。
【0014】
なお、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間であり、前記第4の環境負荷原単位は、人の単位時間当たりのエネルギー消費量であってもよい。
【0015】
また、前記第1の環境負荷は、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位と当該輸送手段の利用量としての輸送距離とから算出し、前記第2の環境負荷は、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位と当該移動手段の利用量としての移動距離とから算出し、前記第3の環境負荷は、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位と、当該通信手段の利用量としての少なくとも当該通信手段により伝送される情報量とから算出するようにしてもよい。
【0016】
また、好ましくは、前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果を、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する。
【0017】
また、好ましくは、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を利用する場合のコストを算出し、前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果と算出された前記コストとを、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態は、取引対象物としての物品およびその梱包に使用される段ボールや説明書、パンフレットなどの当該取引対象物の負荷物の製造過程、梱包された物品が物流センターまで輸送され、さらに販売店まで輸送される過程、購入者が交通機関を使って販売店で購入する過程、販売店の物流部門が購入物品を購入者宅まで運搬する過程、購入者が自家用車で販売店に行き直接購入物品を運搬する過程、インターネットの電子商取引による取次店としてコンビニエンスストアまでの引取り過程、物流センターから宅配便業者によって購入者の自宅まで配達する過程、インターネットを利用して直接ダウンロードする過程、インターネット等のネットワークを用いて通信を行う過程、販売店あるいは購入者が処分する段ボールや紙の廃棄・リサイクル過程などのうち、取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの所望の経路(ルート)を構成する各過程毎の環境負荷を当該経路に沿って算出するとともに、インターネットなどのネットワークを介した通信を利用する効果として、例えば購入に要する時間の節約分や削減される物品の製造、削減される交通量などに対応する環境負荷の削減分を算出し、各過程において算出された環境負荷の総和から、環境負荷の削減分を差し引いて、所望の経路(ルート)における環境負荷の総量を算出するものである。
【0020】
上記各過程における環境負荷を算出するために、ここでは、異なる複数の環境負荷の発生源のそれぞれに対応した環境負荷排出原単位(以下、簡単に環境負荷原単位、あるいは原単位と呼ぶ)が予め算出されており、それを用いて、各過程における環境負荷を算出するようになっている。
【0021】
まず、図1〜図3を参照して、取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルートと呼ぶこともある)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明する。
【0022】
図1は、企業対個人のモデルルートを示している。取引方法(取引経路)の違いにより、以下に示すように、ルート1〜ルート5に分類している。
【0023】
ルート1、ルート2は、購入者(消費者)11が移動手段として徒歩、自転車、二輪車、バス、電車あるいは自家用自動車を利用して販売店15まで移動し製品を購入する場合である。
【0024】
取引対象物には、製品やサービスなどがある。
【0025】
製品とは、部品などを含むとともに、物品のように具体的な形状を有するものや、パソコン用のプログラムや音楽、映画、ゲームのようなコンテンツ情報などを含む。
【0026】
持ち運びが可能な製品については購入者11自らが所望の移動手段を用いて持ち帰る(ルート1の場合)が、持ち帰りが困難な製品については販売店15から配送される。これをルート2とする。購入者11はルート1あるいはルート2で購入した製品の梱包材などの製品の付加物を処分する。
【0027】
このようなルートを設定した場合に発生する環境負荷について考察する。
【0028】
環境負荷には、図1に示したように、ここではルートを構成する各過程に応じて大きく3つに分けて、例えば、製品や梱包材などの製品の付加物の製造に関わる環境負荷(第1の環境負荷)、取引経路上の環境負荷であって、消費者が注文・請求に用いた通信に関わる環境負荷や、輸送に関わる環境負荷、消費者の移動に関わる環境負荷など(第2の環境負荷)、梱包材などの廃棄・リサイクルに関わる環境負荷(第3の環境負荷)などとしている。基本的には、ルート毎に、上記第1〜第3の環境負荷のそれぞれを求めて、それらを合計した値が、当該ルートから発生する環境負荷の総量となる。
【0029】
製造及び梱包材などの当該製品の付加物の製造に関わる環境負荷、すなわち、第1の環境負荷は、取引対象物である例えば製品毎、梱包材などの種類毎に予め算出された環境負荷原単位に、当該取引対象物や梱包材などの数量あるいは重量を掛け合わせて算出する。
【0030】
第2の環境負荷のうち、取引経路を構成している輸送および移動に関わる環境負荷は、輸送手段、移動手段の種類に応じて予め算出された環境負荷原単位に、輸送距離よび移動距離を掛け合わせて算出する。例えば、購入者11、12の移動手段の種類としては、徒歩、自転車、二輪車、バス、電車、自家用自動車などがあり、ここでは、そのそれぞれに環境負荷原単位が予め算出されている。また、輸送手段の種類としては、例えばトラックの車種などがあり、ここでは、トラックの車種別に環境負荷原単位が予め算出されている。
【0031】
第3の環境負荷のうち、梱包材などの処分に関わる環境負荷は、その材料などの種類に応じて予め算出された環境負荷原単位に梱包材などの重量を掛け合わせて算出する。例えば、段ボールの環境負荷原単位は、例えば、所定量の段ボールの再生処理の際に発生する環境負荷と焼却の際に発生する環境負荷と埋め立ての際に発生する環境負荷とを、家庭ごみとして排出された段ボールの再生率と焼却率、埋め立て率のそれぞれの比率で按分して算出したものである。
【0032】
ルート3、ルート4として示した取引ルートは、購入者12、13がインターネットなどの通信18を利用して電子商取引業者19のオークションサイトやショッピングモールを閲覧して物品を注文した場合で、電子商取引業者19から物流センター16へ配送が指示される。物流センター16からは、取次店としての例えばコンビ二エンスストア17へ配送し、購入者12がコンビ二エンスストア17まで徒歩、自転車、二輪車、自家用自動車などの移動手段で引取りに行く場合がルート3であり、物流センター16から直接購入者13まで配送する場合がルート4である。
【0033】
これらルート3、4における第2の環境負荷のうちの人の移動にかかる環境負荷、輸送にかかる環境負荷のそれぞれは、前述同様、移動手段または配送のための輸送手段に対応する環境負荷原単位のそれぞれに移動距離あるいは輸送距離を掛けることで算出することができる。
【0034】
ルート3,4の第2の環境負荷では、インターネットなどの通信利用にかかる環境負荷を求める必要がある。例えばインターネット利用に対応する環境負荷原単位は、例えば、郵政省報告書「環境負荷低減型情報通信システムの普及に関する調査研究報告書」(平成8年4月)の算出方法を利用することができる。この算出方法は、インフラ整備に要したエネルギーおよび運用に要したエネルギーにインターネット利用者数と情報伝送量(伝送する情報の量)に伝送距離を掛け合わせ、県内、県外の伝送量に距離を掛けた値を除して1人1回当りの負荷を求めるものである。
【0035】
例えば、1人1回の情報伝送量(例えば、1件のメールに対応する情報伝送量、1つの音楽コンテンツに対応する情報伝送量など)別に、インターネット利用の環境負荷原単位を予め算出しておき、1回の情報伝送量がどれかに応じて、インターネット利用の環境負荷を求めるようにしてもよい。
【0036】
通信手段としては、インターネットの他に、電話やFAXなどもある。これら電話やFAXの利用にかかる環境負荷も、上記インターネットの場合と同様に、これら通信手段の種類(インターネット、電話、FAXなど)に対応する環境負荷原単位(例えば、1人1時間当たりの環境負荷、1人1単位の情報伝送量毎の環境負荷)を予め算出して、それらと各通信手段の利用量(通信時間あるいは情報伝送量など)とを乗じることで算出することができる。なお、以下の説明では、通信手段の一例としてインターネットの場合を例にとり説明する。
【0037】
なお、通信利用にかかる環境負荷は、インターネットや電話(FAX)網の利用にかかる環境負荷と、さらに、これらネットワークにアクセスするための端末、例えば、パソコン、電話機、ファクシミリ装置などの利用にかかる環境負荷も含まれる。これら端末の利用にかかる環境負荷も、端末の種類(パソコン、電話機、ファクシミリ装置)に対応する環境負荷原単位(例えば、1人1時間当たりの環境負荷、1人1Kwh当たりの環境負荷など)を予め算出して、それらと各端末の利用量(通信時間あるいは電力など)とを乗じることで算出することができる。
【0038】
ルート3およびルート4の場合には、インターネットを利用することにより、購入者12、13は、物品(製品)購入に要する移動時間などを節約することができる。この節約された時間を他の作業に向けることが出来るという利点があるほか、人の移動が減り交通量や、物品の消費が削減されるという環境負荷低減効果がある。
【0039】
インターネットなどの通信を用いることにより、時間や交通量、物品などの資源が節約され得る。
【0040】
インターネット以外にも、電話やFAXなどの通信手段を用いる場合にも、やはり、上記の様な資源が節約される場合もある。
【0041】
時間や交通量、物品などの資源は、通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源である。
【0042】
節約・短縮された時間についての環境負荷原単位は、例えば、一人・1時間当りのエネルギー消費量(使用量)を用いることができる。また、交通量削減、物品削減量などのそれぞれに対応する環境負荷原単位も、例えば、1人1回、1人1個の購入当たりのエネルギー消費量として算出することができる。
【0043】
節約・短縮された時間分、節約された交通量や物品量分に対応する環境負荷削減分は、それぞれの環境負荷原単位に、節約された時間、購入回数、数量をそれぞれを乗じることで算出することができる。
【0044】
一人・1時間当りのエネルギー消費量は、例えば、日本全体の最終エネルギー消費量を全人口・年間総時間で除した値、日本全体の最終エネルギー消費量を全労働人口・年間総時間で除した値、製造業におけるエネルギー消費量を労働人口・年間総時間で除した値、民生部門におけるエネルギー消費量を全人口・年間総時間で除した値、など幾つかの算出式が考えられる。
【0045】
ルート3では、例えば、購入者12の情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷を求めるとともに、コンビ二エンスストア17までの購入者12の移動手段の環境負荷原単位に移動距離を掛けることで移動での環境負荷を算出して、それらを足し合わせて、さらに、節約された時間分の上記環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を求めることができる。
【0046】
購入された製品を直接購入者13まで配送するルート4では、例えば、購入者13の情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷を求めるとともに、配送に用いるトラックの種類別の環境負荷原単位に輸送距離を掛けて配送(輸送)にかかる環境負荷を算出して、それらを足し合わせて、さらに、節約された時間分の上記環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を求めることができる。
【0047】
第1および第3の環境負荷は上記ルート1、ルート2の場合と同様であり、ルート3、ルート4夫々においても、第1〜第3の環境負荷を合算することにより環境負荷の総量を求める。
【0048】
インターネットを利用したコンテンツ提供業者20から、所望のコンテンツを直接ダウンロードするルート5では、第1および第3の環境負荷は省略でき、上記ルート3、ルート4と同様に、購入者14よびコンテンツ提供業者20のそれぞれによる情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷と、インターネットを利用することで節約・短縮された時間、交通量、物品量のそれぞれに対応する環境負荷削減分(マイナス値)を算出し、これらの合計値を求めることで、第2の環境負荷(この場合は、この第2の環境負荷がそのままルート5についての環境負荷の総量)を求めることができる。
【0049】
図2は、企業対企業のモデルルートを示している。一方の企業31から他方の企業32へとインターネットなどの通信33を介して所望の製品などの物品を注文する。ルート6では、注文した物品を、トラックなどの所定の輸送手段を用いて他方の企業32から搬出して、物流センター34を経由して一方の企業31へと輸送する。ルート7では、インターネットなどの通信33を利用して一方の企業31から注文を受けたソフトウエアや各種情報などを他方の企業32から配信する場合である。
【0050】
ルート6の場合、インターネット利用の環境負荷、注文を受けた他方の企業32での物品製造にかかる環境負荷、梱包材などの製造にかかる環境負荷、輸送にかかる環境負荷、注文した一方の企業31での梱包材などの処分にかかる環境負荷、節約された時間や節約された物品量にかかる環境負荷削減分を、上記同様にして算出することにより、第1〜第3の環境負荷およびルート6についての環境負荷の総量を求めることができる。
【0051】
ルート7の場合も上記ルート5と同様にして、第2の環境負荷、すなわち、ルート7についての環境負荷の総量を求めることができる。
【0052】
図3は、個人対個人および個人対行政機関のモデルルートを示している。例えば、ルート8では、個人41がインターネット等の通信44を利用して、物品の配送や手続きなどのサービスを依頼すると、依頼先の個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41へ物品や書類などが宅配あるいは郵便小包で配送される。また、ルート9は、依頼した手続きに関する書類などがインターネット等の通信44を利用して、個人42あるいは行政機関43から配信される場合である。
【0053】
ルート8の場合、第1の環境負荷は省略できる。従って、ルート8全体から発生する環境負荷の総量としては、例えば、第2および第3の環境負荷を考慮すればよいことになる。また、ルート9の場合、第1および第3の環境負荷は省略できる。従って、ルート9全体から発生する環境負荷としては、例えば、第2の環境負荷のみを考慮すればよいことになる。
【0054】
ルート8の場合、個人41から個人42あるいは行政機関43への例えば物品の配送や手続きの依頼などの際に用いた、例えばインターネット利用の環境負荷をそのときの情報伝送量に応じて算出するとともに、依頼を受けた個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41への書類などの物品を宅配あるいは郵便小包で配送する際の輸送にかかる環境負荷を前述同様にして算出して、それらを足し合わせて、さらに、インターネットを利用することにより生じた環境負荷削減分を差し引くことにより、第2の環境負荷を算出することができる。なお、第3の環境負荷は、前述同様である。
【0055】
ルート9の場合には、第2の環境負荷として、個人41から個人42あるいは行政機関43へ何らかを依頼する際に用いた、例えばインターネット利用の環境負荷をそのときの情報伝送量に応じて算出するとともに、依頼を受けた個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41への書類などのデータをインターネットなどの通信を利用して配信する際の、例えばインターネット利用の環境負荷を、そのときの情報伝送量に応じて算出して、それらを足し合わせて、さらに、インターネットを利用することにより生じた環境負荷削減分を差し引くことにより、第2の環境負荷を算出することができる。
【0056】
次に、図1〜図3に示したような取引経路の違いに応じて環境負荷を算出する環境負荷評価装置について説明する。
【0057】
図4は、環境負荷評価装置の構成例を示したもので、制御部101、ルート選択部102、製品・サービス選択部103、ルート構成要素入力部104、環境負荷算出部105、表示データ生成部106,出力部107、交通経路取得部109、記憶部110から構成されている。
【0058】
記憶部110には、図1〜図3に示したような異なる複数のモデルルートを記憶したモデルルート記憶部111と、予め産業連関分析法や積み上げ法などにより算出された、環境負荷の発生源の種類別の複数の環境負荷原単位を記憶した環境負荷原単位記憶部112を有している。
【0059】
交通経路取得部109は、例えば、地図ソフト(電子地図)を記憶して、この電子地図を用いて、例えば、ユーザが販売店などへ行くまでの電車やバスなどの交通機関を用いた場合の経路や、乗車料金などを検索したり、移動距離、輸送距離などの交通経路情報を求めるようになっている。
【0060】
ルート選択部102は、モデルルート記憶部111に記憶されている、異なる複数のモデルルートの中からユーザが所望のルートを選択するためのものである。
【0061】
製品・サービス選択部103は、ルート選択部102で選択されたルートを利用してユーザが購入しようとしている製品やサービス(例えば、行政機関などに対する手続きなど)などの取引対象物に関する情報を入力するためのものである。取対象物に関する情報とは、例えば、製品名や、その重量、梱包材の重量や製品の消費電力、製品寿命などの製品・サービスに関する情報である。例えば、各製品毎に、当該製品についての重量、梱包材の重量や製品の消費電力、製品寿命などが予め登録されていて、製品名をユーザが選択すれば、その選択された製品に関する情報が自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0062】
ルート構成要素入力部104は、ルート選択部102で選択されたルートの各構成要素についてデータ入力を行うためのものである。ルート構成要素とは、例えば、自家用車、電車、バス、二輪車、徒歩などの人の移動手段や移動距離、製品を輸送するためのトラックの車種などの輸送手段と輸送距離、インターネットを用いたメールの送受信、FAX、電話などの通信手段と情報伝送量や通信時間、節約・短縮された時間、節約された物品などであって、取引経路上の環境負荷(第2の環境負荷)を算出するために必要な条件であるともいえる。移動距離、輸送距離などは、交通経路記憶部113に記憶されている情報を基に、出発地点と目的地点をユーザが指定するだけで自動的に検索されて、入力するようになっていてもよい。
【0063】
環境負荷算出部105は、ルート選択部102で選択されたルート毎に、製品・サービス選択部103で入力された製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)、ルート構成要素入力部104で入力されたルート構成要素のデータ、さらに、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている環境負荷原単位とを基に、例えば、製品・梱包材製造の環境負荷(第1の環境負荷)、取引経路上の環境負荷(第2の環境負荷)、廃棄・リサイクル時の環境負荷(第3の環境負荷)を算出する。そして、上記第1〜第3の環境負荷を合算して、取引対象物のライフサイクル全体についての環境負荷を算出する。
【0064】
環境負荷算出部105は、選択された複数のルートのそれぞれについて、そのルートで利用されている輸送手段、移動手段、通信手段と、その種類とに対応する環境負荷原単位を環境負荷原単位記憶部112から読み出して、当該複数の経路(ルート)のうち、通信手段を利用しない経路については、その経路の構成要素としての輸送手段の種類とその利用量(例えば、ここでは、輸送手段)に対応する輸送にかかる環境負荷と、当該経路の構成要素としての移動手段の種類とその利用量(例えば、ここでは移動距離)に対応する移動にかかる環境負荷と、当該経路の構成要素としての通信手段の種類とその利用量(例えば、ここでは情報伝送量)に対応する通信にかかる環境負荷を算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価する。また、上記複数の経路のうち、通信手段を利用する経路については、上記のように、当該経路の構成要素である輸送手段、移動手段、通信手段と、それらの種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を用いることにより節約される資源の種類(例えば、時間)に対応する環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価する。
【0065】
コスト算出部108は、交通経路取得部109で取得した交通経路情報と、ルート構成要素入力部104で入力された人の移動手段や移動距離や、出発地点から目的地点、製品を輸送するためのトラックの車種などの輸送手段と輸送距離などから、例えば、ユーザが支払うべき費用(コスト)を算出する。
【0066】
表示データ生成部106は、環境負荷算出部105で算出された、1つまたは、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷の算出結果、コストを表示するための表示データを生成する。ここでは、環境負荷算出部105やコスト算出部108で算出された、例えば、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷やコストは、例えば、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えばグラフ形式などの表示形態で表示可能なように、表示データを生成する。
【0067】
出力部107は、表示データ生成部106で生成された表示データを、例えば、CRTあるいはTFTのようなディスプレイにより表示したり、インクジェット、レーザなどを用いて印字して出力する。あるいは、記録媒体や他の装置などに出力するようにしてもよい。
【0068】
図5は、環境負荷評価装置の他の構成例を示したもので、インターネットなどのネットワーク上で、他のコンピュータに対して、前述したような、ルートの違いに応じて環境負荷を算出するサービスを提供するサーバ装置200として構成されたものである。
【0069】
図5のサーバ装置200において、図4と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。すなわち、サーバ装置200には、図4の出力部107が通信部119に置き換えられている。
【0070】
通信部119は、例えば、ネットワークを介してサーバ装置100にアクセスして、サーバ装置100が提供する当該サービスを利用する側のクライアント端末120からの要求を受け付けて、当該クライアント端末120に、例えば、ルート選択部102で用いるモデルルートの選択画面や、製品・サービス選択部103やルート構成要素入力部104で用いる、製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)や、ルート構成要素のデータなどの入力画面を提供し、これら画面上にユーザにより選択あるいは入力された、モデルルート、製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)、ルート構成要素のデータなどを上記所定のネットワークを介して受信する。また、受信したデータを基に環境負荷算出部105やコスト算出部108で算出された、例えば、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷やコストは、例えば、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えばグラフ形式などの表示形態でクライアント端末120で表示可能なように、表示データ生成部106で表示データを生成し、当該生成された表示データを当該クライアント端末120へ送信する。
【0071】
なお、図4に示したいわゆるスタンドアロン型の環境負荷評価装置と、図5に示したサーバ装置の処理動作は、基本的には同様であるので、以下、図4に示した環境負荷評価装置を例にとり、構成およびその処理動作について説明する。
【0072】
図6は、環境負荷原単位記憶部112における環境負荷原単位の記憶例を示したもので、環境負荷の発生源の種類別(原単位項目別)に、予め算出された所定の1単位(unit)当たりの環境負荷原単位を記憶するようになっている。
【0073】
環境負荷原単位は、輸送手段であれば、例えば、トラック車種別に、1t・1km当りのCO2排出量(gまたはkg)、あるいは、1t・1km当りのエネルギー消費量(J(ジュール)あるいはMJ(メガジュール))となっている。環境負荷原単位には、CO2、エネルギーの他に、SOx、NOxなどの大気汚染物質やBOD、CODなどの水質汚染物質などがある。ここでは、一例として、CO2排出量とエネルギー消費量を例にとり示している。
【0074】
移動手段である自家用自動車、自動二輪車、バス、電車の場合には、1人・1km当りのCO2排出量とエネルギー消費量を環境負荷原単位として示している。
【0075】
通信手段の1つであるインターネット利用の環境負荷原単位は、例えば、郵政省報告書「環境負荷低減型情報通信システムの普及に関する調査研究報告書」(平成8年4月)の算出方法を利用して、インターネットのインフラと運用負荷および情報伝送量から算出された、1人1回利用当りのCO2排出量とエネルギー消費量として示している。ここでは、「メール1」は1回のメール送信に対応し、「メール2」は1回のメール送受信に対応する。また、音楽、ソフトウエア・ゲーム、映画などのコンテンツの違いに応じた(情報伝送量も異なるので)CO2排出量とエネルギー消費量を示している。
【0076】
なお、通信を利用する際には、ネットワークだけでなく、端末としてのパソコンや電話機、FAX送受信機なども利用する。そのため、通信利用にかかる環境負荷を算出するために、ネットワークの利用にかかる環境負荷のほか、端末の利用にかかる環境負荷を算出する。ここでは、パソコン利用の環境負荷原単位として、1kWh当りのCO2排出量とエネルギー消費量を示している。
【0077】
節約・短縮される時間の環境負荷原単位として、1人・1時間当りのCO2排出量とエネルギー消費量を示している。この場合の環境負荷原単位は、マイナス値であり、図6に示したように、符号「−」がつく。
【0078】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、図4の環境負荷評価装置の処理動作について説明する。
【0079】
例えば、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている図1〜図3に示したような異なる複数のモデルルートの中から、ユーザに、所望のルートを選択させるための選択画面が、ルート選択部102を通じて、出力部107のディスプレイに表示される。この選択画面を通じて、ユーザは、所望のルートを選択する(ステップS1)。前述したように、環境負荷原単位記憶部112には、いくつかのモデルルートの雛型が格納されている。個人対企業、企業対企業、個人対個人、個人対行政などのカテゴリ別に、それぞれにいくつかのモデルルートが予め格納されている。ユーザは、例えば、所望のカテゴリを選択した後、当該カテゴリに属する複数のモデルルートの中から所望のモデルルートを選択する。
【0080】
なお、ルートは、上記のように、予め与えられた複数のモデルルートの中から選択するだけでなく、所望のルートをユーザが作成するようにしてもよい。
【0081】
選択したモデルルートによって、入力すべき項目が特定される。例えば、図1のルート1、ルート2に対応するルートであって、製品を家電量販店に購入する場合のモデルルートをユーザが選択すると、例えば、図9に示すような、選択されたモデルルートを模式的に表するとともに、ルートに沿って、製品・サービスに関する情報や、ルート構成要素についてデータ入力が可能な画面が表示される。
【0082】
例えば、図9に示した入力画面を通じて、ユーザは、購入しようとしている製品に関する情報を入力(あるいは選択)する(ステップS2)。
【0083】
図9の入力画面には、「製品・サービスの選択」という項目の表示された領域R1に、上記製品・サービスに関する情報として、購入しようとしている製品名や、その台数、梱包材の重量などを入力するようになっている。例えば、領域R1において、製品名「ノートパソコン」をプルダウンメニューの中から選択するとともに、購入する台数を入力する。例えば、製品・サービス選択部103には、複数の異なる製品名と、そのそれぞれに対応する製品の重量や梱包材の種類や重量、当該製品の消費電力や製品寿命などの情報(属性情報)が登録されていて、ユーザは、例えば、図9に示した入力画面で表示される上記プルダウンメニューの中から上記登録されている複数の製品名の中から所望の製品名を選択することにより、当該選択した製品の属性情報として登録されている、当該製品の重量や梱包材の重量などが自動的に入力するようになっていてもよい。
【0084】
次に、ユーザにより選択されたモデルルートを構成するルート構成要素についてデータ入力を行い、ルートの構築を行う(ステップS3)。
【0085】
例えば、図9に示した入力画面では、製造元から製品を物流センタまで輸送する手段と輸送距離、消費者が家電量販店へ移動するための移動手段と移動距離を領域R2、R3のそれぞれに入力するようになっている。なお、領域R2に入力する内容は、消費者側であるユーザが容易に知り得る内容ではない場合もあるので、例えば、ユーザが製品名を選択した時点で、当該製品の属性情報として予め登録されているデータが自動的に入力されて、図9に示したように表示されていてもよい。
【0086】
ユーザは、少なくとも、自宅から家電量販店への移動経路と、移動距離を入力する。例えば、図9の入力画面の領域R3において、移動手段として「徒歩」と「電車」を用いて、徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmと入力する。また、図9の入力画面では、例えば2種類の移動経路が入力可能なようになっていて、他の移動経路として、別の移動手段、すなわち、自家用車を用いた場合と、そのときの移動距離として21.7kmが入力されている。
【0087】
なお、輸送距離、移動距離は、ユーザが入力してもよいが、交通経路取得部109の機能を用いて、例えば、出発地点から目的地点などの地図情報から自動的に輸送距離、移動距離を、例えば図9に示したような入力画面上に入力することも可能である。
【0088】
また、輸送手段の種類や移動手段の種類は、輸送距離、移動距離に応じて予め定められていてもよい。例えば交通経路取得部109には、異なる複数の輸送手段の種類と輸送距離との対応関係と、異なる複数の移動手段の種類と移動距離との対応関係が予め記憶されていて、輸送距離、移動距離が上記のようにして求まれば、それに対応する輸送手段の種類や移動手段の種類が自動的に、例えば図9に示したような入力画面上に入力するようになっていてもよい。例えば、移動距離が1.5Km以下の場合には徒歩、2.5Km以下の場合には自転車、4Km以下の場合には二輪車、15Km以下の場合には自動車、10Km以下の場合にはバス、15Km以上の場合には電車、などのように、移動距離に応じた移動手段の種類の入力が可能である。
【0089】
図9に示した入力画面では、ルート構成要素として、さらに、消費者側において処分される梱包材についても領域R4に入力するようになっている。この場合は、例えば、製品購入時の梱包材とその重量がそのまま入力されていればよい。
【0090】
さて、以上のようにして、選択されたモデルルートを構成するルート構成要素についてのデータ入力が終了すると、次に、例えば、図9に示したような入力画面上の入力データを基に、環境負荷算出部105において、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている各種環境負荷原単位を読み出して、例えば、第1〜第3の環境負荷を算出する(ステップS4〜ステップS6)。
【0091】
第1の環境負荷は、予め算出されている製品・梱包材やサービス毎に予め算出された製造かかる環境負荷原単位に、ステップS2で選択あるいは入力された製品や梱包材の重量などを乗じることで算出する(ステップS4)。
【0092】
第3の環境負荷は、予め算出されている製品・梱包材などの処分にかかる環境負荷原単位に、ステップS2で選択あるいは入力された製品や梱包材の重量などを乗じることで算出している(ステップS6)。
【0093】
第2の環境負荷は、製品の輸送に用いる輸送手段の種類別の環境負荷原単位に輸送距離を乗じることで算出された当該輸送にかかる環境負荷と、消費者の移動に用いた移動手段の種類別の環境負荷原単位と移動距離とから算出された当該移動にかかる環境負荷と、通信手段の種類別の環境負荷原単位と伝送した情報量とから算出された当該通信にかかる環境負荷との合計値として算出している。さらに、取引迷路上で通信を用いる場合には、当該通信を用いることにより削減される環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を算出する。
【0094】
環境負荷算出部105では、さらに、ステップS4〜ステップS6で求められた第1〜第3の環境負荷の合計値を求める。すなわち、選択された取引対象物が製造されて消費者に至るまでに発生する環境負荷の総量を算出する(ステップS7)。
【0095】
一方、コスト算出部108は、交通経路取得部109の機能を用いて、例えば、図9の入力画面上に入力された、製品の移動手段の種類や移動距離、消費者としてのユーザの用いる移動手段の種類と移動距離などから、例えば、ユーザが販売店などへ行くまでの電車やバスなどの交通機関を用いた場合の経路に対応した交通費、ユーザが支払うべき製品の配送料金などの合計値である、ユーザが支払うべき費用(コスト)を算出する(ステップS8)。
【0096】
ユーザにより異なる複数の(モデル)ルートが選択されている場合には、各ルートに対応した環境負荷の総量とコストを上記同様にして算出する。
【0097】
異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量のうち、同じ値をもつ、同じ種類の(同じ発生源の)環境負荷の算出は省略して、これを除いて環境負荷の総量を求めてもよい。例えば、第1および第3の環境負荷が同じ(同じ値で、同じ種類(項目)の環境負荷)であれば、これらの算出を省略して、第2の環境負荷を環境負荷の総量として求めてもよいし、第1の環境負荷と第3の環境負荷のいずれか一方のみが同じ(同じ値で、同じ種類(項目)の環境負荷)であれば、当該一方の算出を省略して、他方と第2の環境負荷とから環境負荷の総量を算出してもよい。
【0098】
表示データ生成部106は、図7のステップS7で算出された、異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量と、図7のステップS8で算出された、異なる複数のルートのそれぞれに対応するコストとを、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えば、グラフ形式の表示形態で表示するための表示データを生成する。この生成された表示データは、出力部107から例えばディスプレイに表示される。
【0099】
次に、図8に示すフローチャートに従って、図7のステップS4と、ステップS5のルート構成要素の入力と、第2の環境負荷の算出処理動作について具体的に説明する。その際、図12〜図15に示した環境負荷の算出過程を適宜参照する。
【0100】
ここでは、(1)ユーザが製品「ノートパソコン」を家電量販店に出向いて購入して持ち帰るルート(図1のルート1)、(2)ユーザが製品「ノートパソコン」を家電量販店に出向いて購入し、家電量販店からは当該製品を自宅まで配送してもらうルート(図1のルート2)、(3)ユーザが例えばインターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入し、当該製品を最寄りのコンビニエンスストアで受け取るルート(図1のルート3)、(4)ユーザが例えばインターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入し、当該製品を自宅まで配送してもらうルート(図1のルート4)、といった4つのルートについて環境負荷の総量を算出する場合について説明する。
【0101】
また、ここでは、環境負荷原単位は、1単位(unit)当たりのCO2排出量であるとする。
【0102】
ルート1、ルート2に対応する、製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の一例を図9に示し、同様に、ルート3、ルート4に対応する上記入力画面の一例をそれぞれ図10、図11に示す。
【0103】
なお、図9〜図11に示した入力画面上で、入力される製品・サービスに関する情報はルート1〜ルート4において全て同様(すなわち、ここでは、ノートパソコンを1台購入し、そのときの梱包材は段ボール0.5Kg)であるので説明は省略する。
【0104】
まず、ルート1についての取引経路上環境負荷(第2の環境負荷)の算出手順について、図9に示した入力画面を参照して説明する。
【0105】
図9に示したように、「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから家電量販店までは、輸送手段として「営業用小型トラック」を用いて輸送される(ステップS24)、その際、営業用小型トラックによる輸送距離が10Kmである(ステップS25)。この場合、図12の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離10Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0106】
また、消費者の自宅から家電量販店への移動手段として「徒歩」と「電車」を用いている(ステップS21)。徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmである(ステップS22)。この場合、図12の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「電車」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.018Kg/人・Km」であるので、これにユーザ1人での移動距離20Kmを乗じて、当該ユーザの移動にかかる環境負荷を算出する(ステップS23)。なお、徒歩にかかる環境負荷は「0」であるので、これは省略している。
【0107】
ここでは、ルート1については、上記ステップS23、ステップS26で算出された移動および輸送にかかる環境負荷のみであるので、これらの合計値を求めて、それをルート1の取引経路上の環境負荷とする(ステップS32)。
【0108】
次に、ルート2についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図9に示した入力画面を参照して説明する。
【0109】
図9に示したように、「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから家電量販店までは、輸送手段として「営業用小型トラック」を用いて輸送される(ステップS24)。営業用小型トラックによる輸送距離が10Kmである(ステップS25)。
【0110】
また、消費者の自宅から家電量販店への移動手段として「徒歩」と「電車」を用い(ステップS21)、徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmである(ステップS22)。購入した「ノートパソコン」は、家電量販店から配送してもらうので、その際に用いる輸送手段として「営業用小型トラック」を用い(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が20Kmである(ステップS25)。
【0111】
この場合、図13の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「電車」の場合の環境負荷原単位は、「0.018Kg/人・Km」であるので、これに移動距離20Kmを乗じて、移動にかかる環境負荷を算出する(ステップS23)。なお、徒歩にかかる環境負荷は「0」であるので、これは省略している。また、図13の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離10Kmと20Kmをそれぞれ乗じて、物流センタから家電量販店までの輸送にかかる環境負荷と、家電量販店から消費者の自宅までに輸送にかかる環境負荷とをそれぞれ算出する(ステップS26)。
【0112】
ここでは、ルート2については、上記ステップS23、ステップS26で算出された移動および輸送にかかる環境負荷のみであるので、これらの合計値を求めて、それをルート2の取引経路上の環境負荷とする(ステップS32)。
【0113】
次に、ルート3についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図10に示した入力画面を参照して説明する。
【0114】
図10に示したように、消費者としてのユーザは、インターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入する(ステップS27)。その際、インターネットを利用して、メールを1回送信した(ステップS28)。さらに、インターネット利用にかかる環境負荷ととともに、インターネットを利用するためのパソコン等の端末の利用にかかる環境負荷を算出する必要がある。図10に示した入力画面では、パソコンを事業用電力を用い(ステップS27)、1時間稼働させて電力を「0.24kWh」使用するようになっている(ステップS28)。この場合、図14の項目「e」に示すように、インターネットを利用してメール送信する場合の環境負荷原単位は、「0.0005Kg/回」であるので、これにメールの送信回数「1」を乗じて、インターネット利用負荷を算出するとともに、図14の項目「f」に示すように、パソコンを使用する場合の環境負荷原単位は、「0.453Kg/KWh」であるので、これに使用電力「0.24kWh」を乗じて、パソコン利用負荷を算出する(ステップS29)。
【0115】
インターネットを通じて購入契約された「ノートパソコン」は、例えば、物流センタからコンビニエンスストア店まで輸送されるが、図10に示した入力画面では、その輸送手段として「営業用小型トラック」を用いている(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が33Kmである(ステップS25)。
【0116】
この場合、図14の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離33Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0117】
また、消費者の自宅からコンビニエンスストアへの移動手段として「徒歩」を用いている(ステップS21)。徒歩による移動距離が0.5kmである(ステップS22)。この場合、図14の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「徒歩」の場合の環境負荷原単位は、「0」であるので、当該ユーザの移動にかかる環境負荷は「0」となる(ステップS23)。
【0118】
さらに、「ノートパソコン」はインターネットを利用して購入されたため、ユーザが販売店との間を往復するためにかかる時間が節約されたことになる。この節約された時間は、図10に示すように、「3.5時間」である(ステップS30)。この場合、図14の項目「g」に示すように、1人1時間当たりのエネルギー消費量である、節約時間(短縮時間)についての環境負荷原単位は、例えば「−0.95Kg/人・時間」であるので、これに、節約時間3.5時間を乗じて、節約時間分の環境負荷(負荷削減分)を算出する(ステップS31)。
【0119】
ステップS32において、上記ステップS23、ステップS26、ステップS29のそれぞれ算出された、移動および輸送にかかる環境負荷、パソコン・インターネットの利用にかかる環境負荷の合計値を求めるとともに、そこから、ステップS31で算出された負荷削減分を差し引いて、その結果をルート3の取引経路上の環境負荷とする。
【0120】
最後に、ルート4についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図11に示した入力画面を参照して説明する。
【0121】
図11に示したように、消費者としてのユーザは、インターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入する(ステップS27)。その際、インターネットを利用して、メールを1件送信する(ステップS28)。さらに、インターネット利用にかかる環境負荷ととともに、インターネットを利用するためのパソコン等の端末の利用にかかる環境負荷を算出する必要がある。そこで、図11に示した入力画面では、パソコンを事業用電力を用い(ステップS27)、1時間稼働させて電力を「0.24kWh」使用するようになっている(ステップS28)。この場合、図15の項目「e」に示すように、インターネットを利用してメール送信する場合の環境負荷原単位は、「0.0005Kg/回」であるので、これにメールの送信回数「1」を乗じて、インターネット利用負荷を算出するとともに、図15の項目「f」に示すように、パソコンを使用する場合の環境負荷原単位は、「0.453Kg/KWh」であるので、これに使用電力「0.24kWh」を乗じて、パソコン利用負荷を算出する(ステップS29)。
【0122】
インターネットを通じて購入契約された「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから諸費者まで配送されるが、図11に示した入力画面では、その輸送手段として「営業用小型トラック」を用いている(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が33Kmである(ステップS25)。この場合、図15の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離33Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0123】
さらに、「ノートパソコン」はインターネットを利用して購入されたため、ユーザが販売店との間を往復するためにかかる時間が節約されたことになる。また、購入した「ノートパソコン」は消費者まで配送されるので、ユーザが製品を受け取るためにかかる移動時間も節約されたことになる。この節約された時間は、図11に示すように、「4時間」である(ステップS30)。この場合、図15の項目「g」に示すように、1人1時間当たりのエネルギー消費量である、節約時間(短縮時間)についての環境負荷原単位は、例えば「−0.95Kg/人・時間」であるので、これに、節約時間4時間を乗じて、節約時間分の環境負荷(負荷削減分)を算出する(ステップS31)。
【0124】
ステップS32において、上記ステップS23、ステップS26、ステップS29のそれぞれ算出された、輸送にかかる環境負荷、パソコン・インターネットの利用にかかる環境負荷の合計値を求めるとともに、そこから、ステップS31で算出された負荷削減分を差し引いて、その結果をルート4の取引経路上の環境負荷とする。
【0125】
ところで、上記(1)〜(4)に示した取引ルートの場合、図7のステップS4、ステップS6で算出される第1および第3の環境負荷は同じである。次に、図12〜図15を参照して、第1の環境負荷と第3の環境負荷の算出手順について説明する。
【0126】
なお、図12〜図15において、それぞれの項目(a)と(b)の欄が第1の環境負荷の算出過程に対応し、項目(c)〜(g)の欄が第2の環境負荷の算出過程に対応し、項目(h)の欄が第3の環境負荷の算出過程に対応する。
【0127】
第1の環境負荷は、次のようにして算出することができる。すなわち、図12〜図15の項目(a)の欄に示すように、ユーザにより入力された取引対象物であるノートパソコンの製造にかかる環境負荷原単位は、例えば「320Kg/台」であるので、これに購入する台数、すなわち、例えば「1」を乗じて、ノートパソコン1台の製造にかかる環境負荷を算出する。また、ノートパソコンの梱包材の種類は段ボールであり、その重量が「0.5Kg」である。図12〜図15の項目(b)の欄に示すように、段ボールの製造にかかる環境負荷原単位は、例えば「3.3Kg/Kg」であるので、これに梱包材の重量を乗じて、ノートパソコン1台分の梱包材の製造にかかる環境負荷を算出する。ノートパソコンとその梱包材のそれぞれの製造にかかる環境負荷の合計値を算出して、それを第1の環境負荷とする。
【0128】
同様に、第3の環境負荷は、次のようにして算出することができる。すなわち、図12〜図15の項目(h)の欄に示すように、ユーザにより入力された取引対象物であるノートパソコンの梱包材である段ボールの処分(回収・焼却・埋立など)にかかる環境負荷原単位は、例えば「0.0254Kg/Kg」であるので、これに梱包材の重量を乗じて、ノートパソコン1台分の梱包材の処分にかかる環境負荷を算出する。これを、ここでは、第3の環境負荷とする。
【0129】
図7のステップS7では、図12〜図15のそれぞれに示したように、図7のステップS1で選択された各ルート(上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4)毎に算出された第1〜第3の環境負荷の合計値を算出することにより各ルート毎に、ノートパソコンの製造から消費者に至るまでに発生する環境負荷の総量を求める(図12〜図15の項目(i)の欄参照)。
【0130】
また、図7のステップS8では、図7のステップS1で選択された各ルート(上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4)毎にコストを算出する。
【0131】
上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4のそれぞれについて図7のステップS7とステップS8での算出結果(すなわち、ルート毎の環境負荷の総量(図12〜図15の項目(i)の欄参照)とコスト)の一具体例を図16に示す。なお、図16のルート毎の環境負荷(ここでは、例えば、CO2排出量)の総量の算出値の右横の括弧内に示したように、各ルート毎の環境負荷(ここでは、例えば、CO2排出量)の算出値のそれぞれについて、ルート1の環境負荷の総量を「100」としたときの比率を算出してもよい。同様に、図16の各ルート毎のコストの算出値の右横の括弧内に示したように、各ルート毎のコストの算出値のそれぞれについて、ルート1のコストを「100」としたときの比率を算出してもよい。
【0132】
表示データ生成部106は、例えば、図16に示した、異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量とコストとを、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えば、図17に示したような、グラフ形式の表示形態で表示するための表示データを生成する。この生成された表示データは、出力部107から例えばディスプレイに表示される。
【0133】
図17に示したように、異なる複数のルートのそれぞれに対応して算出された環境負荷の総量とコストとが、例えばグラフ形式で表示されることにより、ルートの違いで、それらが容易に比較可能となる。
【0134】
ユーザは、この表示内容から、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷の大きさとコストの高さを視覚的、直感的に把握することができる。従って、ユーザは、これら複数のルートの中から、コストのみならず、環境への影響を考慮しながら、最適なルートを選択することができる。
【0135】
以上説明したように、上記実施形態によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、輸送手段の種類に対応する第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、移動手段の種類に対応する第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、通信手段の種類に対応する第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を利用する経路については、上記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を用いることにより節約される資源(例えば、時間、物品、交通量など)の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価することにより、経路(特に取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0136】
また、複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、当該付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、上記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0137】
このように、物品の製造、物流、移動、パソコン使用量、梱包材処分、インターネット利用、時間節約効果を勘案することにより電子商取引の総合的な環境負荷を評価することが出来、環境負荷を低減させた効率の良い電子商取引を実現することができる。
【0138】
本発明の上記実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0139】
例えば、コンピュータの所定の記憶手段に、モデルルート記憶部111や環境負荷原単位記憶部112に記憶されているようなデータを格納するともに、図7に示したような処理動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納して、当該コンピュータのプロセッサが当該プログラムを実行することにより、図7に示したような処理動作を実現することができる。
【0140】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価することにより、経路の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、企業対個人のモデルルートを示した図。
【図2】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、企業対企業のモデルルートを示した図。
【図3】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、個人対個人および個人対行政機関のモデルルートを示した図。
【図4】環境負荷評価装置の構成例を示した図。
【図5】環境負荷評価装置の他の構成例を示したもので、インターネットなどのネットワーク上で、ルートの違いに応じて環境負荷を算出するサービスを提供するサーバ装置として構成された場合を示した図。
【図6】負荷原単位記憶部における環境負荷原単位の記憶例を示した図。
【図7】図4の環境負荷評価装置の処理動作について説明するためのフローチャート。
【図8】図7のステップS4と、ステップS5のルート構成要素の入力と、第2の環境負荷の算出処理動作について説明するためのフローチャート。
【図9】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の一例を示した図。
【図10】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の他の例を示した図。
【図11】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面のさらに他の例を示した図。
【図12】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図13】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図14】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図15】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図16】ルート毎に算出された環境負荷の総量とコストの算出結果の一具体例を示した図。
【図17】異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量とコストとの表示例を示した図。
【符号の説明】
11〜14…購入者
15…販売店
16、34…物流センタ
17…コンビニエンスストア
18、33、44…インターネット等の情報通信
19…電子商取引業者
20…コンテンツ業者
31、32…企業
41、43…行政機関
42…個人
45…配送センタ
101…制御部
102…ルート選択部
103…製品・サービス選択部
104…ルート構成要素入力部
105…環境負荷算出部
106…表示データ生成部
107…出力部
108…コスト算出部
109…交通経路取得部
110…記憶部
111…モデルルート記憶部
112…環境負荷原単位記憶部
119…通信部
120…クライアント端末
200…サーバ装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題への社会的な高まりにより、工場における生産活動の及ぼす環境への配慮だけでなく、製品についても環境への負荷低減が求められており、ライフサイクルアセスメント(LCA; Life Cycle Assessment)が注目されている。LCAとは、製品が一生を通じて環境に与える負荷を分析・評価する手法である。つまり、LCAは、製品のライフサイクル(原料採取 → 製造 → 流通 → 使用 → 廃棄/リサイクル)を通じて環境負荷を把握し、環境負荷の低減に向けて改善するために利用される。LCAは製品生涯での総合的評価であること、そして、大気汚染や資源効率、廃棄物量などの負荷を定量的に把握して、科学的あるいは合理的に改善する手立てに利用できることに特徴がある。
【0003】
これに加え、製品のみならず、情報・サービス分野についてもライフサイクルにわたる環境負荷評価の必要性が高まっている。しかし、このような環境負荷表手法はいまだ確立されていない。情報技術の進展につれて、例えば、インターネットを利用した電子商取引が普及するなど、ビジネスモデルが大きく変化することになる。これに伴って、エネルギー消費や資源消費が増加するか/減少するかという問題は、地球環境問題と密接に関連して重要な課題である。エネルギー消費量の増加に伴って、二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)、および微粒子(SPM)が大気中に排出され、地球温暖化や酸性雨の原因となる。健康障害をもたらすことも懸念されている。また、エネルギーや化石燃料の大量消費は資源枯渇につながることが指摘されており、埋蔵量を生産量で除した耐用年数で見ると、石油は45年、石炭は148年、天然ガスは53年となっており、資源は有限で近い将来に枯渇することは明らかである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
LCAは製品の環境影響評価手法として適用され、進展してきたが、LCAは物量で表せる対象のみしか評価することができなかった。特に、昨今の急速なインターネットを用いた電子商取引のように、システムやソフト・サービス産業の評価には無力である。インターネットを用いた電子商取引の普及はエネルギーや資源消費を低減させるのか否かを明確に把握し、エネルギー削減に向けて効率の良い方策を構築する必要がある。そのためには、電子商取引での環境負荷を簡単に評価する手法およびその評価装置が望まれている。
【0005】
インターネットを用いた電子商取引によって脱物質化が進み、物品製造のためのエネルギー消費量が削減される。しかし、物品の個別配送が増えるなど、物の移動が増加することによってエネルギー消費量の増加につながる。また、情報伝送量が増えることによる環境負荷も増加することになる。一方で、インターネットによる電子商取引を利用することにより、購入者が購入に要する時間の節約や交通量の減少が期待できる。このように電子商取引には環境負荷のトレードオフが存在するためにインターネットによる電子商取引の環境負荷を評価するには環境負荷の増加分および削減分を客観的な評価方法により簡単に算出できる評価装置が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、インターネット等を用いた電子商取引経路についての環境負荷を推定することができ、従来からある取引経路や電子商取引経路など、異なる複数の取引経路のそれぞれについて異なる環境負荷を推定して、取引経路の違いによる環境負荷の違いを比較することができ、特に、取引経路の違いによる環境負荷の違いを比較することにより、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる環境負荷評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するものであって、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷原単位を前記記憶手段から読み出して、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価することにより、経路(特に取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0009】
また、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、前記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0010】
本発明は、輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するものであって、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、前記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するとともに、通信を利用した経路の場合には、通信を用いることにより節約される時間や物品、交通量などの資源による環境負荷低減効果を加味して環境負荷を評価することにより、経路(特に、取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0012】
また、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、前記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0013】
前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間および物品のうちのいずれか一方であることを特徴とする請求項2または4記載の環境負荷評価方法。
【0014】
なお、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間であり、前記第4の環境負荷原単位は、人の単位時間当たりのエネルギー消費量であってもよい。
【0015】
また、前記第1の環境負荷は、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位と当該輸送手段の利用量としての輸送距離とから算出し、前記第2の環境負荷は、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位と当該移動手段の利用量としての移動距離とから算出し、前記第3の環境負荷は、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位と、当該通信手段の利用量としての少なくとも当該通信手段により伝送される情報量とから算出するようにしてもよい。
【0016】
また、好ましくは、前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果を、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する。
【0017】
また、好ましくは、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を利用する場合のコストを算出し、前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果と算出された前記コストとを、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態は、取引対象物としての物品およびその梱包に使用される段ボールや説明書、パンフレットなどの当該取引対象物の負荷物の製造過程、梱包された物品が物流センターまで輸送され、さらに販売店まで輸送される過程、購入者が交通機関を使って販売店で購入する過程、販売店の物流部門が購入物品を購入者宅まで運搬する過程、購入者が自家用車で販売店に行き直接購入物品を運搬する過程、インターネットの電子商取引による取次店としてコンビニエンスストアまでの引取り過程、物流センターから宅配便業者によって購入者の自宅まで配達する過程、インターネットを利用して直接ダウンロードする過程、インターネット等のネットワークを用いて通信を行う過程、販売店あるいは購入者が処分する段ボールや紙の廃棄・リサイクル過程などのうち、取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの所望の経路(ルート)を構成する各過程毎の環境負荷を当該経路に沿って算出するとともに、インターネットなどのネットワークを介した通信を利用する効果として、例えば購入に要する時間の節約分や削減される物品の製造、削減される交通量などに対応する環境負荷の削減分を算出し、各過程において算出された環境負荷の総和から、環境負荷の削減分を差し引いて、所望の経路(ルート)における環境負荷の総量を算出するものである。
【0020】
上記各過程における環境負荷を算出するために、ここでは、異なる複数の環境負荷の発生源のそれぞれに対応した環境負荷排出原単位(以下、簡単に環境負荷原単位、あるいは原単位と呼ぶ)が予め算出されており、それを用いて、各過程における環境負荷を算出するようになっている。
【0021】
まず、図1〜図3を参照して、取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルートと呼ぶこともある)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明する。
【0022】
図1は、企業対個人のモデルルートを示している。取引方法(取引経路)の違いにより、以下に示すように、ルート1〜ルート5に分類している。
【0023】
ルート1、ルート2は、購入者(消費者)11が移動手段として徒歩、自転車、二輪車、バス、電車あるいは自家用自動車を利用して販売店15まで移動し製品を購入する場合である。
【0024】
取引対象物には、製品やサービスなどがある。
【0025】
製品とは、部品などを含むとともに、物品のように具体的な形状を有するものや、パソコン用のプログラムや音楽、映画、ゲームのようなコンテンツ情報などを含む。
【0026】
持ち運びが可能な製品については購入者11自らが所望の移動手段を用いて持ち帰る(ルート1の場合)が、持ち帰りが困難な製品については販売店15から配送される。これをルート2とする。購入者11はルート1あるいはルート2で購入した製品の梱包材などの製品の付加物を処分する。
【0027】
このようなルートを設定した場合に発生する環境負荷について考察する。
【0028】
環境負荷には、図1に示したように、ここではルートを構成する各過程に応じて大きく3つに分けて、例えば、製品や梱包材などの製品の付加物の製造に関わる環境負荷(第1の環境負荷)、取引経路上の環境負荷であって、消費者が注文・請求に用いた通信に関わる環境負荷や、輸送に関わる環境負荷、消費者の移動に関わる環境負荷など(第2の環境負荷)、梱包材などの廃棄・リサイクルに関わる環境負荷(第3の環境負荷)などとしている。基本的には、ルート毎に、上記第1〜第3の環境負荷のそれぞれを求めて、それらを合計した値が、当該ルートから発生する環境負荷の総量となる。
【0029】
製造及び梱包材などの当該製品の付加物の製造に関わる環境負荷、すなわち、第1の環境負荷は、取引対象物である例えば製品毎、梱包材などの種類毎に予め算出された環境負荷原単位に、当該取引対象物や梱包材などの数量あるいは重量を掛け合わせて算出する。
【0030】
第2の環境負荷のうち、取引経路を構成している輸送および移動に関わる環境負荷は、輸送手段、移動手段の種類に応じて予め算出された環境負荷原単位に、輸送距離よび移動距離を掛け合わせて算出する。例えば、購入者11、12の移動手段の種類としては、徒歩、自転車、二輪車、バス、電車、自家用自動車などがあり、ここでは、そのそれぞれに環境負荷原単位が予め算出されている。また、輸送手段の種類としては、例えばトラックの車種などがあり、ここでは、トラックの車種別に環境負荷原単位が予め算出されている。
【0031】
第3の環境負荷のうち、梱包材などの処分に関わる環境負荷は、その材料などの種類に応じて予め算出された環境負荷原単位に梱包材などの重量を掛け合わせて算出する。例えば、段ボールの環境負荷原単位は、例えば、所定量の段ボールの再生処理の際に発生する環境負荷と焼却の際に発生する環境負荷と埋め立ての際に発生する環境負荷とを、家庭ごみとして排出された段ボールの再生率と焼却率、埋め立て率のそれぞれの比率で按分して算出したものである。
【0032】
ルート3、ルート4として示した取引ルートは、購入者12、13がインターネットなどの通信18を利用して電子商取引業者19のオークションサイトやショッピングモールを閲覧して物品を注文した場合で、電子商取引業者19から物流センター16へ配送が指示される。物流センター16からは、取次店としての例えばコンビ二エンスストア17へ配送し、購入者12がコンビ二エンスストア17まで徒歩、自転車、二輪車、自家用自動車などの移動手段で引取りに行く場合がルート3であり、物流センター16から直接購入者13まで配送する場合がルート4である。
【0033】
これらルート3、4における第2の環境負荷のうちの人の移動にかかる環境負荷、輸送にかかる環境負荷のそれぞれは、前述同様、移動手段または配送のための輸送手段に対応する環境負荷原単位のそれぞれに移動距離あるいは輸送距離を掛けることで算出することができる。
【0034】
ルート3,4の第2の環境負荷では、インターネットなどの通信利用にかかる環境負荷を求める必要がある。例えばインターネット利用に対応する環境負荷原単位は、例えば、郵政省報告書「環境負荷低減型情報通信システムの普及に関する調査研究報告書」(平成8年4月)の算出方法を利用することができる。この算出方法は、インフラ整備に要したエネルギーおよび運用に要したエネルギーにインターネット利用者数と情報伝送量(伝送する情報の量)に伝送距離を掛け合わせ、県内、県外の伝送量に距離を掛けた値を除して1人1回当りの負荷を求めるものである。
【0035】
例えば、1人1回の情報伝送量(例えば、1件のメールに対応する情報伝送量、1つの音楽コンテンツに対応する情報伝送量など)別に、インターネット利用の環境負荷原単位を予め算出しておき、1回の情報伝送量がどれかに応じて、インターネット利用の環境負荷を求めるようにしてもよい。
【0036】
通信手段としては、インターネットの他に、電話やFAXなどもある。これら電話やFAXの利用にかかる環境負荷も、上記インターネットの場合と同様に、これら通信手段の種類(インターネット、電話、FAXなど)に対応する環境負荷原単位(例えば、1人1時間当たりの環境負荷、1人1単位の情報伝送量毎の環境負荷)を予め算出して、それらと各通信手段の利用量(通信時間あるいは情報伝送量など)とを乗じることで算出することができる。なお、以下の説明では、通信手段の一例としてインターネットの場合を例にとり説明する。
【0037】
なお、通信利用にかかる環境負荷は、インターネットや電話(FAX)網の利用にかかる環境負荷と、さらに、これらネットワークにアクセスするための端末、例えば、パソコン、電話機、ファクシミリ装置などの利用にかかる環境負荷も含まれる。これら端末の利用にかかる環境負荷も、端末の種類(パソコン、電話機、ファクシミリ装置)に対応する環境負荷原単位(例えば、1人1時間当たりの環境負荷、1人1Kwh当たりの環境負荷など)を予め算出して、それらと各端末の利用量(通信時間あるいは電力など)とを乗じることで算出することができる。
【0038】
ルート3およびルート4の場合には、インターネットを利用することにより、購入者12、13は、物品(製品)購入に要する移動時間などを節約することができる。この節約された時間を他の作業に向けることが出来るという利点があるほか、人の移動が減り交通量や、物品の消費が削減されるという環境負荷低減効果がある。
【0039】
インターネットなどの通信を用いることにより、時間や交通量、物品などの資源が節約され得る。
【0040】
インターネット以外にも、電話やFAXなどの通信手段を用いる場合にも、やはり、上記の様な資源が節約される場合もある。
【0041】
時間や交通量、物品などの資源は、通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源である。
【0042】
節約・短縮された時間についての環境負荷原単位は、例えば、一人・1時間当りのエネルギー消費量(使用量)を用いることができる。また、交通量削減、物品削減量などのそれぞれに対応する環境負荷原単位も、例えば、1人1回、1人1個の購入当たりのエネルギー消費量として算出することができる。
【0043】
節約・短縮された時間分、節約された交通量や物品量分に対応する環境負荷削減分は、それぞれの環境負荷原単位に、節約された時間、購入回数、数量をそれぞれを乗じることで算出することができる。
【0044】
一人・1時間当りのエネルギー消費量は、例えば、日本全体の最終エネルギー消費量を全人口・年間総時間で除した値、日本全体の最終エネルギー消費量を全労働人口・年間総時間で除した値、製造業におけるエネルギー消費量を労働人口・年間総時間で除した値、民生部門におけるエネルギー消費量を全人口・年間総時間で除した値、など幾つかの算出式が考えられる。
【0045】
ルート3では、例えば、購入者12の情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷を求めるとともに、コンビ二エンスストア17までの購入者12の移動手段の環境負荷原単位に移動距離を掛けることで移動での環境負荷を算出して、それらを足し合わせて、さらに、節約された時間分の上記環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を求めることができる。
【0046】
購入された製品を直接購入者13まで配送するルート4では、例えば、購入者13の情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷を求めるとともに、配送に用いるトラックの種類別の環境負荷原単位に輸送距離を掛けて配送(輸送)にかかる環境負荷を算出して、それらを足し合わせて、さらに、節約された時間分の上記環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を求めることができる。
【0047】
第1および第3の環境負荷は上記ルート1、ルート2の場合と同様であり、ルート3、ルート4夫々においても、第1〜第3の環境負荷を合算することにより環境負荷の総量を求める。
【0048】
インターネットを利用したコンテンツ提供業者20から、所望のコンテンツを直接ダウンロードするルート5では、第1および第3の環境負荷は省略でき、上記ルート3、ルート4と同様に、購入者14よびコンテンツ提供業者20のそれぞれによる情報伝送量に応じたインターネット利用の環境負荷と、インターネットを利用することで節約・短縮された時間、交通量、物品量のそれぞれに対応する環境負荷削減分(マイナス値)を算出し、これらの合計値を求めることで、第2の環境負荷(この場合は、この第2の環境負荷がそのままルート5についての環境負荷の総量)を求めることができる。
【0049】
図2は、企業対企業のモデルルートを示している。一方の企業31から他方の企業32へとインターネットなどの通信33を介して所望の製品などの物品を注文する。ルート6では、注文した物品を、トラックなどの所定の輸送手段を用いて他方の企業32から搬出して、物流センター34を経由して一方の企業31へと輸送する。ルート7では、インターネットなどの通信33を利用して一方の企業31から注文を受けたソフトウエアや各種情報などを他方の企業32から配信する場合である。
【0050】
ルート6の場合、インターネット利用の環境負荷、注文を受けた他方の企業32での物品製造にかかる環境負荷、梱包材などの製造にかかる環境負荷、輸送にかかる環境負荷、注文した一方の企業31での梱包材などの処分にかかる環境負荷、節約された時間や節約された物品量にかかる環境負荷削減分を、上記同様にして算出することにより、第1〜第3の環境負荷およびルート6についての環境負荷の総量を求めることができる。
【0051】
ルート7の場合も上記ルート5と同様にして、第2の環境負荷、すなわち、ルート7についての環境負荷の総量を求めることができる。
【0052】
図3は、個人対個人および個人対行政機関のモデルルートを示している。例えば、ルート8では、個人41がインターネット等の通信44を利用して、物品の配送や手続きなどのサービスを依頼すると、依頼先の個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41へ物品や書類などが宅配あるいは郵便小包で配送される。また、ルート9は、依頼した手続きに関する書類などがインターネット等の通信44を利用して、個人42あるいは行政機関43から配信される場合である。
【0053】
ルート8の場合、第1の環境負荷は省略できる。従って、ルート8全体から発生する環境負荷の総量としては、例えば、第2および第3の環境負荷を考慮すればよいことになる。また、ルート9の場合、第1および第3の環境負荷は省略できる。従って、ルート9全体から発生する環境負荷としては、例えば、第2の環境負荷のみを考慮すればよいことになる。
【0054】
ルート8の場合、個人41から個人42あるいは行政機関43への例えば物品の配送や手続きの依頼などの際に用いた、例えばインターネット利用の環境負荷をそのときの情報伝送量に応じて算出するとともに、依頼を受けた個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41への書類などの物品を宅配あるいは郵便小包で配送する際の輸送にかかる環境負荷を前述同様にして算出して、それらを足し合わせて、さらに、インターネットを利用することにより生じた環境負荷削減分を差し引くことにより、第2の環境負荷を算出することができる。なお、第3の環境負荷は、前述同様である。
【0055】
ルート9の場合には、第2の環境負荷として、個人41から個人42あるいは行政機関43へ何らかを依頼する際に用いた、例えばインターネット利用の環境負荷をそのときの情報伝送量に応じて算出するとともに、依頼を受けた個人42あるいは行政機関43から依頼元の個人41への書類などのデータをインターネットなどの通信を利用して配信する際の、例えばインターネット利用の環境負荷を、そのときの情報伝送量に応じて算出して、それらを足し合わせて、さらに、インターネットを利用することにより生じた環境負荷削減分を差し引くことにより、第2の環境負荷を算出することができる。
【0056】
次に、図1〜図3に示したような取引経路の違いに応じて環境負荷を算出する環境負荷評価装置について説明する。
【0057】
図4は、環境負荷評価装置の構成例を示したもので、制御部101、ルート選択部102、製品・サービス選択部103、ルート構成要素入力部104、環境負荷算出部105、表示データ生成部106,出力部107、交通経路取得部109、記憶部110から構成されている。
【0058】
記憶部110には、図1〜図3に示したような異なる複数のモデルルートを記憶したモデルルート記憶部111と、予め産業連関分析法や積み上げ法などにより算出された、環境負荷の発生源の種類別の複数の環境負荷原単位を記憶した環境負荷原単位記憶部112を有している。
【0059】
交通経路取得部109は、例えば、地図ソフト(電子地図)を記憶して、この電子地図を用いて、例えば、ユーザが販売店などへ行くまでの電車やバスなどの交通機関を用いた場合の経路や、乗車料金などを検索したり、移動距離、輸送距離などの交通経路情報を求めるようになっている。
【0060】
ルート選択部102は、モデルルート記憶部111に記憶されている、異なる複数のモデルルートの中からユーザが所望のルートを選択するためのものである。
【0061】
製品・サービス選択部103は、ルート選択部102で選択されたルートを利用してユーザが購入しようとしている製品やサービス(例えば、行政機関などに対する手続きなど)などの取引対象物に関する情報を入力するためのものである。取対象物に関する情報とは、例えば、製品名や、その重量、梱包材の重量や製品の消費電力、製品寿命などの製品・サービスに関する情報である。例えば、各製品毎に、当該製品についての重量、梱包材の重量や製品の消費電力、製品寿命などが予め登録されていて、製品名をユーザが選択すれば、その選択された製品に関する情報が自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0062】
ルート構成要素入力部104は、ルート選択部102で選択されたルートの各構成要素についてデータ入力を行うためのものである。ルート構成要素とは、例えば、自家用車、電車、バス、二輪車、徒歩などの人の移動手段や移動距離、製品を輸送するためのトラックの車種などの輸送手段と輸送距離、インターネットを用いたメールの送受信、FAX、電話などの通信手段と情報伝送量や通信時間、節約・短縮された時間、節約された物品などであって、取引経路上の環境負荷(第2の環境負荷)を算出するために必要な条件であるともいえる。移動距離、輸送距離などは、交通経路記憶部113に記憶されている情報を基に、出発地点と目的地点をユーザが指定するだけで自動的に検索されて、入力するようになっていてもよい。
【0063】
環境負荷算出部105は、ルート選択部102で選択されたルート毎に、製品・サービス選択部103で入力された製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)、ルート構成要素入力部104で入力されたルート構成要素のデータ、さらに、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている環境負荷原単位とを基に、例えば、製品・梱包材製造の環境負荷(第1の環境負荷)、取引経路上の環境負荷(第2の環境負荷)、廃棄・リサイクル時の環境負荷(第3の環境負荷)を算出する。そして、上記第1〜第3の環境負荷を合算して、取引対象物のライフサイクル全体についての環境負荷を算出する。
【0064】
環境負荷算出部105は、選択された複数のルートのそれぞれについて、そのルートで利用されている輸送手段、移動手段、通信手段と、その種類とに対応する環境負荷原単位を環境負荷原単位記憶部112から読み出して、当該複数の経路(ルート)のうち、通信手段を利用しない経路については、その経路の構成要素としての輸送手段の種類とその利用量(例えば、ここでは、輸送手段)に対応する輸送にかかる環境負荷と、当該経路の構成要素としての移動手段の種類とその利用量(例えば、ここでは移動距離)に対応する移動にかかる環境負荷と、当該経路の構成要素としての通信手段の種類とその利用量(例えば、ここでは情報伝送量)に対応する通信にかかる環境負荷を算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価する。また、上記複数の経路のうち、通信手段を利用する経路については、上記のように、当該経路の構成要素である輸送手段、移動手段、通信手段と、それらの種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を用いることにより節約される資源の種類(例えば、時間)に対応する環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価する。
【0065】
コスト算出部108は、交通経路取得部109で取得した交通経路情報と、ルート構成要素入力部104で入力された人の移動手段や移動距離や、出発地点から目的地点、製品を輸送するためのトラックの車種などの輸送手段と輸送距離などから、例えば、ユーザが支払うべき費用(コスト)を算出する。
【0066】
表示データ生成部106は、環境負荷算出部105で算出された、1つまたは、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷の算出結果、コストを表示するための表示データを生成する。ここでは、環境負荷算出部105やコスト算出部108で算出された、例えば、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷やコストは、例えば、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えばグラフ形式などの表示形態で表示可能なように、表示データを生成する。
【0067】
出力部107は、表示データ生成部106で生成された表示データを、例えば、CRTあるいはTFTのようなディスプレイにより表示したり、インクジェット、レーザなどを用いて印字して出力する。あるいは、記録媒体や他の装置などに出力するようにしてもよい。
【0068】
図5は、環境負荷評価装置の他の構成例を示したもので、インターネットなどのネットワーク上で、他のコンピュータに対して、前述したような、ルートの違いに応じて環境負荷を算出するサービスを提供するサーバ装置200として構成されたものである。
【0069】
図5のサーバ装置200において、図4と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。すなわち、サーバ装置200には、図4の出力部107が通信部119に置き換えられている。
【0070】
通信部119は、例えば、ネットワークを介してサーバ装置100にアクセスして、サーバ装置100が提供する当該サービスを利用する側のクライアント端末120からの要求を受け付けて、当該クライアント端末120に、例えば、ルート選択部102で用いるモデルルートの選択画面や、製品・サービス選択部103やルート構成要素入力部104で用いる、製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)や、ルート構成要素のデータなどの入力画面を提供し、これら画面上にユーザにより選択あるいは入力された、モデルルート、製品・サービスに関する情報(取引対象物に関する情報)、ルート構成要素のデータなどを上記所定のネットワークを介して受信する。また、受信したデータを基に環境負荷算出部105やコスト算出部108で算出された、例えば、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷やコストは、例えば、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えばグラフ形式などの表示形態でクライアント端末120で表示可能なように、表示データ生成部106で表示データを生成し、当該生成された表示データを当該クライアント端末120へ送信する。
【0071】
なお、図4に示したいわゆるスタンドアロン型の環境負荷評価装置と、図5に示したサーバ装置の処理動作は、基本的には同様であるので、以下、図4に示した環境負荷評価装置を例にとり、構成およびその処理動作について説明する。
【0072】
図6は、環境負荷原単位記憶部112における環境負荷原単位の記憶例を示したもので、環境負荷の発生源の種類別(原単位項目別)に、予め算出された所定の1単位(unit)当たりの環境負荷原単位を記憶するようになっている。
【0073】
環境負荷原単位は、輸送手段であれば、例えば、トラック車種別に、1t・1km当りのCO2排出量(gまたはkg)、あるいは、1t・1km当りのエネルギー消費量(J(ジュール)あるいはMJ(メガジュール))となっている。環境負荷原単位には、CO2、エネルギーの他に、SOx、NOxなどの大気汚染物質やBOD、CODなどの水質汚染物質などがある。ここでは、一例として、CO2排出量とエネルギー消費量を例にとり示している。
【0074】
移動手段である自家用自動車、自動二輪車、バス、電車の場合には、1人・1km当りのCO2排出量とエネルギー消費量を環境負荷原単位として示している。
【0075】
通信手段の1つであるインターネット利用の環境負荷原単位は、例えば、郵政省報告書「環境負荷低減型情報通信システムの普及に関する調査研究報告書」(平成8年4月)の算出方法を利用して、インターネットのインフラと運用負荷および情報伝送量から算出された、1人1回利用当りのCO2排出量とエネルギー消費量として示している。ここでは、「メール1」は1回のメール送信に対応し、「メール2」は1回のメール送受信に対応する。また、音楽、ソフトウエア・ゲーム、映画などのコンテンツの違いに応じた(情報伝送量も異なるので)CO2排出量とエネルギー消費量を示している。
【0076】
なお、通信を利用する際には、ネットワークだけでなく、端末としてのパソコンや電話機、FAX送受信機なども利用する。そのため、通信利用にかかる環境負荷を算出するために、ネットワークの利用にかかる環境負荷のほか、端末の利用にかかる環境負荷を算出する。ここでは、パソコン利用の環境負荷原単位として、1kWh当りのCO2排出量とエネルギー消費量を示している。
【0077】
節約・短縮される時間の環境負荷原単位として、1人・1時間当りのCO2排出量とエネルギー消費量を示している。この場合の環境負荷原単位は、マイナス値であり、図6に示したように、符号「−」がつく。
【0078】
次に、図7に示すフローチャートを参照して、図4の環境負荷評価装置の処理動作について説明する。
【0079】
例えば、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている図1〜図3に示したような異なる複数のモデルルートの中から、ユーザに、所望のルートを選択させるための選択画面が、ルート選択部102を通じて、出力部107のディスプレイに表示される。この選択画面を通じて、ユーザは、所望のルートを選択する(ステップS1)。前述したように、環境負荷原単位記憶部112には、いくつかのモデルルートの雛型が格納されている。個人対企業、企業対企業、個人対個人、個人対行政などのカテゴリ別に、それぞれにいくつかのモデルルートが予め格納されている。ユーザは、例えば、所望のカテゴリを選択した後、当該カテゴリに属する複数のモデルルートの中から所望のモデルルートを選択する。
【0080】
なお、ルートは、上記のように、予め与えられた複数のモデルルートの中から選択するだけでなく、所望のルートをユーザが作成するようにしてもよい。
【0081】
選択したモデルルートによって、入力すべき項目が特定される。例えば、図1のルート1、ルート2に対応するルートであって、製品を家電量販店に購入する場合のモデルルートをユーザが選択すると、例えば、図9に示すような、選択されたモデルルートを模式的に表するとともに、ルートに沿って、製品・サービスに関する情報や、ルート構成要素についてデータ入力が可能な画面が表示される。
【0082】
例えば、図9に示した入力画面を通じて、ユーザは、購入しようとしている製品に関する情報を入力(あるいは選択)する(ステップS2)。
【0083】
図9の入力画面には、「製品・サービスの選択」という項目の表示された領域R1に、上記製品・サービスに関する情報として、購入しようとしている製品名や、その台数、梱包材の重量などを入力するようになっている。例えば、領域R1において、製品名「ノートパソコン」をプルダウンメニューの中から選択するとともに、購入する台数を入力する。例えば、製品・サービス選択部103には、複数の異なる製品名と、そのそれぞれに対応する製品の重量や梱包材の種類や重量、当該製品の消費電力や製品寿命などの情報(属性情報)が登録されていて、ユーザは、例えば、図9に示した入力画面で表示される上記プルダウンメニューの中から上記登録されている複数の製品名の中から所望の製品名を選択することにより、当該選択した製品の属性情報として登録されている、当該製品の重量や梱包材の重量などが自動的に入力するようになっていてもよい。
【0084】
次に、ユーザにより選択されたモデルルートを構成するルート構成要素についてデータ入力を行い、ルートの構築を行う(ステップS3)。
【0085】
例えば、図9に示した入力画面では、製造元から製品を物流センタまで輸送する手段と輸送距離、消費者が家電量販店へ移動するための移動手段と移動距離を領域R2、R3のそれぞれに入力するようになっている。なお、領域R2に入力する内容は、消費者側であるユーザが容易に知り得る内容ではない場合もあるので、例えば、ユーザが製品名を選択した時点で、当該製品の属性情報として予め登録されているデータが自動的に入力されて、図9に示したように表示されていてもよい。
【0086】
ユーザは、少なくとも、自宅から家電量販店への移動経路と、移動距離を入力する。例えば、図9の入力画面の領域R3において、移動手段として「徒歩」と「電車」を用いて、徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmと入力する。また、図9の入力画面では、例えば2種類の移動経路が入力可能なようになっていて、他の移動経路として、別の移動手段、すなわち、自家用車を用いた場合と、そのときの移動距離として21.7kmが入力されている。
【0087】
なお、輸送距離、移動距離は、ユーザが入力してもよいが、交通経路取得部109の機能を用いて、例えば、出発地点から目的地点などの地図情報から自動的に輸送距離、移動距離を、例えば図9に示したような入力画面上に入力することも可能である。
【0088】
また、輸送手段の種類や移動手段の種類は、輸送距離、移動距離に応じて予め定められていてもよい。例えば交通経路取得部109には、異なる複数の輸送手段の種類と輸送距離との対応関係と、異なる複数の移動手段の種類と移動距離との対応関係が予め記憶されていて、輸送距離、移動距離が上記のようにして求まれば、それに対応する輸送手段の種類や移動手段の種類が自動的に、例えば図9に示したような入力画面上に入力するようになっていてもよい。例えば、移動距離が1.5Km以下の場合には徒歩、2.5Km以下の場合には自転車、4Km以下の場合には二輪車、15Km以下の場合には自動車、10Km以下の場合にはバス、15Km以上の場合には電車、などのように、移動距離に応じた移動手段の種類の入力が可能である。
【0089】
図9に示した入力画面では、ルート構成要素として、さらに、消費者側において処分される梱包材についても領域R4に入力するようになっている。この場合は、例えば、製品購入時の梱包材とその重量がそのまま入力されていればよい。
【0090】
さて、以上のようにして、選択されたモデルルートを構成するルート構成要素についてのデータ入力が終了すると、次に、例えば、図9に示したような入力画面上の入力データを基に、環境負荷算出部105において、環境負荷原単位記憶部112に記憶されている各種環境負荷原単位を読み出して、例えば、第1〜第3の環境負荷を算出する(ステップS4〜ステップS6)。
【0091】
第1の環境負荷は、予め算出されている製品・梱包材やサービス毎に予め算出された製造かかる環境負荷原単位に、ステップS2で選択あるいは入力された製品や梱包材の重量などを乗じることで算出する(ステップS4)。
【0092】
第3の環境負荷は、予め算出されている製品・梱包材などの処分にかかる環境負荷原単位に、ステップS2で選択あるいは入力された製品や梱包材の重量などを乗じることで算出している(ステップS6)。
【0093】
第2の環境負荷は、製品の輸送に用いる輸送手段の種類別の環境負荷原単位に輸送距離を乗じることで算出された当該輸送にかかる環境負荷と、消費者の移動に用いた移動手段の種類別の環境負荷原単位と移動距離とから算出された当該移動にかかる環境負荷と、通信手段の種類別の環境負荷原単位と伝送した情報量とから算出された当該通信にかかる環境負荷との合計値として算出している。さらに、取引迷路上で通信を用いる場合には、当該通信を用いることにより削減される環境負荷削減分を差し引くことで、第2の環境負荷を算出する。
【0094】
環境負荷算出部105では、さらに、ステップS4〜ステップS6で求められた第1〜第3の環境負荷の合計値を求める。すなわち、選択された取引対象物が製造されて消費者に至るまでに発生する環境負荷の総量を算出する(ステップS7)。
【0095】
一方、コスト算出部108は、交通経路取得部109の機能を用いて、例えば、図9の入力画面上に入力された、製品の移動手段の種類や移動距離、消費者としてのユーザの用いる移動手段の種類と移動距離などから、例えば、ユーザが販売店などへ行くまでの電車やバスなどの交通機関を用いた場合の経路に対応した交通費、ユーザが支払うべき製品の配送料金などの合計値である、ユーザが支払うべき費用(コスト)を算出する(ステップS8)。
【0096】
ユーザにより異なる複数の(モデル)ルートが選択されている場合には、各ルートに対応した環境負荷の総量とコストを上記同様にして算出する。
【0097】
異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量のうち、同じ値をもつ、同じ種類の(同じ発生源の)環境負荷の算出は省略して、これを除いて環境負荷の総量を求めてもよい。例えば、第1および第3の環境負荷が同じ(同じ値で、同じ種類(項目)の環境負荷)であれば、これらの算出を省略して、第2の環境負荷を環境負荷の総量として求めてもよいし、第1の環境負荷と第3の環境負荷のいずれか一方のみが同じ(同じ値で、同じ種類(項目)の環境負荷)であれば、当該一方の算出を省略して、他方と第2の環境負荷とから環境負荷の総量を算出してもよい。
【0098】
表示データ生成部106は、図7のステップS7で算出された、異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量と、図7のステップS8で算出された、異なる複数のルートのそれぞれに対応するコストとを、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えば、グラフ形式の表示形態で表示するための表示データを生成する。この生成された表示データは、出力部107から例えばディスプレイに表示される。
【0099】
次に、図8に示すフローチャートに従って、図7のステップS4と、ステップS5のルート構成要素の入力と、第2の環境負荷の算出処理動作について具体的に説明する。その際、図12〜図15に示した環境負荷の算出過程を適宜参照する。
【0100】
ここでは、(1)ユーザが製品「ノートパソコン」を家電量販店に出向いて購入して持ち帰るルート(図1のルート1)、(2)ユーザが製品「ノートパソコン」を家電量販店に出向いて購入し、家電量販店からは当該製品を自宅まで配送してもらうルート(図1のルート2)、(3)ユーザが例えばインターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入し、当該製品を最寄りのコンビニエンスストアで受け取るルート(図1のルート3)、(4)ユーザが例えばインターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入し、当該製品を自宅まで配送してもらうルート(図1のルート4)、といった4つのルートについて環境負荷の総量を算出する場合について説明する。
【0101】
また、ここでは、環境負荷原単位は、1単位(unit)当たりのCO2排出量であるとする。
【0102】
ルート1、ルート2に対応する、製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の一例を図9に示し、同様に、ルート3、ルート4に対応する上記入力画面の一例をそれぞれ図10、図11に示す。
【0103】
なお、図9〜図11に示した入力画面上で、入力される製品・サービスに関する情報はルート1〜ルート4において全て同様(すなわち、ここでは、ノートパソコンを1台購入し、そのときの梱包材は段ボール0.5Kg)であるので説明は省略する。
【0104】
まず、ルート1についての取引経路上環境負荷(第2の環境負荷)の算出手順について、図9に示した入力画面を参照して説明する。
【0105】
図9に示したように、「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから家電量販店までは、輸送手段として「営業用小型トラック」を用いて輸送される(ステップS24)、その際、営業用小型トラックによる輸送距離が10Kmである(ステップS25)。この場合、図12の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離10Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0106】
また、消費者の自宅から家電量販店への移動手段として「徒歩」と「電車」を用いている(ステップS21)。徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmである(ステップS22)。この場合、図12の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「電車」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.018Kg/人・Km」であるので、これにユーザ1人での移動距離20Kmを乗じて、当該ユーザの移動にかかる環境負荷を算出する(ステップS23)。なお、徒歩にかかる環境負荷は「0」であるので、これは省略している。
【0107】
ここでは、ルート1については、上記ステップS23、ステップS26で算出された移動および輸送にかかる環境負荷のみであるので、これらの合計値を求めて、それをルート1の取引経路上の環境負荷とする(ステップS32)。
【0108】
次に、ルート2についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図9に示した入力画面を参照して説明する。
【0109】
図9に示したように、「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから家電量販店までは、輸送手段として「営業用小型トラック」を用いて輸送される(ステップS24)。営業用小型トラックによる輸送距離が10Kmである(ステップS25)。
【0110】
また、消費者の自宅から家電量販店への移動手段として「徒歩」と「電車」を用い(ステップS21)、徒歩による移動距離が0.5km、電車による移動距離が20kmである(ステップS22)。購入した「ノートパソコン」は、家電量販店から配送してもらうので、その際に用いる輸送手段として「営業用小型トラック」を用い(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が20Kmである(ステップS25)。
【0111】
この場合、図13の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「電車」の場合の環境負荷原単位は、「0.018Kg/人・Km」であるので、これに移動距離20Kmを乗じて、移動にかかる環境負荷を算出する(ステップS23)。なお、徒歩にかかる環境負荷は「0」であるので、これは省略している。また、図13の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離10Kmと20Kmをそれぞれ乗じて、物流センタから家電量販店までの輸送にかかる環境負荷と、家電量販店から消費者の自宅までに輸送にかかる環境負荷とをそれぞれ算出する(ステップS26)。
【0112】
ここでは、ルート2については、上記ステップS23、ステップS26で算出された移動および輸送にかかる環境負荷のみであるので、これらの合計値を求めて、それをルート2の取引経路上の環境負荷とする(ステップS32)。
【0113】
次に、ルート3についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図10に示した入力画面を参照して説明する。
【0114】
図10に示したように、消費者としてのユーザは、インターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入する(ステップS27)。その際、インターネットを利用して、メールを1回送信した(ステップS28)。さらに、インターネット利用にかかる環境負荷ととともに、インターネットを利用するためのパソコン等の端末の利用にかかる環境負荷を算出する必要がある。図10に示した入力画面では、パソコンを事業用電力を用い(ステップS27)、1時間稼働させて電力を「0.24kWh」使用するようになっている(ステップS28)。この場合、図14の項目「e」に示すように、インターネットを利用してメール送信する場合の環境負荷原単位は、「0.0005Kg/回」であるので、これにメールの送信回数「1」を乗じて、インターネット利用負荷を算出するとともに、図14の項目「f」に示すように、パソコンを使用する場合の環境負荷原単位は、「0.453Kg/KWh」であるので、これに使用電力「0.24kWh」を乗じて、パソコン利用負荷を算出する(ステップS29)。
【0115】
インターネットを通じて購入契約された「ノートパソコン」は、例えば、物流センタからコンビニエンスストア店まで輸送されるが、図10に示した入力画面では、その輸送手段として「営業用小型トラック」を用いている(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が33Kmである(ステップS25)。
【0116】
この場合、図14の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離33Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0117】
また、消費者の自宅からコンビニエンスストアへの移動手段として「徒歩」を用いている(ステップS21)。徒歩による移動距離が0.5kmである(ステップS22)。この場合、図14の項目「c」の欄に示すように、移動手段が「徒歩」の場合の環境負荷原単位は、「0」であるので、当該ユーザの移動にかかる環境負荷は「0」となる(ステップS23)。
【0118】
さらに、「ノートパソコン」はインターネットを利用して購入されたため、ユーザが販売店との間を往復するためにかかる時間が節約されたことになる。この節約された時間は、図10に示すように、「3.5時間」である(ステップS30)。この場合、図14の項目「g」に示すように、1人1時間当たりのエネルギー消費量である、節約時間(短縮時間)についての環境負荷原単位は、例えば「−0.95Kg/人・時間」であるので、これに、節約時間3.5時間を乗じて、節約時間分の環境負荷(負荷削減分)を算出する(ステップS31)。
【0119】
ステップS32において、上記ステップS23、ステップS26、ステップS29のそれぞれ算出された、移動および輸送にかかる環境負荷、パソコン・インターネットの利用にかかる環境負荷の合計値を求めるとともに、そこから、ステップS31で算出された負荷削減分を差し引いて、その結果をルート3の取引経路上の環境負荷とする。
【0120】
最後に、ルート4についての取引経路上の環境負荷の算出手順について、図11に示した入力画面を参照して説明する。
【0121】
図11に示したように、消費者としてのユーザは、インターネットを用いて電子取引業者を通じて当該製品を購入する(ステップS27)。その際、インターネットを利用して、メールを1件送信する(ステップS28)。さらに、インターネット利用にかかる環境負荷ととともに、インターネットを利用するためのパソコン等の端末の利用にかかる環境負荷を算出する必要がある。そこで、図11に示した入力画面では、パソコンを事業用電力を用い(ステップS27)、1時間稼働させて電力を「0.24kWh」使用するようになっている(ステップS28)。この場合、図15の項目「e」に示すように、インターネットを利用してメール送信する場合の環境負荷原単位は、「0.0005Kg/回」であるので、これにメールの送信回数「1」を乗じて、インターネット利用負荷を算出するとともに、図15の項目「f」に示すように、パソコンを使用する場合の環境負荷原単位は、「0.453Kg/KWh」であるので、これに使用電力「0.24kWh」を乗じて、パソコン利用負荷を算出する(ステップS29)。
【0122】
インターネットを通じて購入契約された「ノートパソコン」は、例えば、物流センタから諸費者まで配送されるが、図11に示した入力画面では、その輸送手段として「営業用小型トラック」を用いている(ステップS24)、営業用小型トラックによる輸送距離が33Kmである(ステップS25)。この場合、図15の項目「d」に示すように、輸送手段が「営業用小型トラック」の場合の環境負荷原単位は、例えば「0.00066Kg/Kg・Km」であるので、これに輸送距離33Kmを乗じて、輸送にかかる環境負荷を算出する(ステップS26)。
【0123】
さらに、「ノートパソコン」はインターネットを利用して購入されたため、ユーザが販売店との間を往復するためにかかる時間が節約されたことになる。また、購入した「ノートパソコン」は消費者まで配送されるので、ユーザが製品を受け取るためにかかる移動時間も節約されたことになる。この節約された時間は、図11に示すように、「4時間」である(ステップS30)。この場合、図15の項目「g」に示すように、1人1時間当たりのエネルギー消費量である、節約時間(短縮時間)についての環境負荷原単位は、例えば「−0.95Kg/人・時間」であるので、これに、節約時間4時間を乗じて、節約時間分の環境負荷(負荷削減分)を算出する(ステップS31)。
【0124】
ステップS32において、上記ステップS23、ステップS26、ステップS29のそれぞれ算出された、輸送にかかる環境負荷、パソコン・インターネットの利用にかかる環境負荷の合計値を求めるとともに、そこから、ステップS31で算出された負荷削減分を差し引いて、その結果をルート4の取引経路上の環境負荷とする。
【0125】
ところで、上記(1)〜(4)に示した取引ルートの場合、図7のステップS4、ステップS6で算出される第1および第3の環境負荷は同じである。次に、図12〜図15を参照して、第1の環境負荷と第3の環境負荷の算出手順について説明する。
【0126】
なお、図12〜図15において、それぞれの項目(a)と(b)の欄が第1の環境負荷の算出過程に対応し、項目(c)〜(g)の欄が第2の環境負荷の算出過程に対応し、項目(h)の欄が第3の環境負荷の算出過程に対応する。
【0127】
第1の環境負荷は、次のようにして算出することができる。すなわち、図12〜図15の項目(a)の欄に示すように、ユーザにより入力された取引対象物であるノートパソコンの製造にかかる環境負荷原単位は、例えば「320Kg/台」であるので、これに購入する台数、すなわち、例えば「1」を乗じて、ノートパソコン1台の製造にかかる環境負荷を算出する。また、ノートパソコンの梱包材の種類は段ボールであり、その重量が「0.5Kg」である。図12〜図15の項目(b)の欄に示すように、段ボールの製造にかかる環境負荷原単位は、例えば「3.3Kg/Kg」であるので、これに梱包材の重量を乗じて、ノートパソコン1台分の梱包材の製造にかかる環境負荷を算出する。ノートパソコンとその梱包材のそれぞれの製造にかかる環境負荷の合計値を算出して、それを第1の環境負荷とする。
【0128】
同様に、第3の環境負荷は、次のようにして算出することができる。すなわち、図12〜図15の項目(h)の欄に示すように、ユーザにより入力された取引対象物であるノートパソコンの梱包材である段ボールの処分(回収・焼却・埋立など)にかかる環境負荷原単位は、例えば「0.0254Kg/Kg」であるので、これに梱包材の重量を乗じて、ノートパソコン1台分の梱包材の処分にかかる環境負荷を算出する。これを、ここでは、第3の環境負荷とする。
【0129】
図7のステップS7では、図12〜図15のそれぞれに示したように、図7のステップS1で選択された各ルート(上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4)毎に算出された第1〜第3の環境負荷の合計値を算出することにより各ルート毎に、ノートパソコンの製造から消費者に至るまでに発生する環境負荷の総量を求める(図12〜図15の項目(i)の欄参照)。
【0130】
また、図7のステップS8では、図7のステップS1で選択された各ルート(上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4)毎にコストを算出する。
【0131】
上記(1)〜(4)に示したルート1からルート4のそれぞれについて図7のステップS7とステップS8での算出結果(すなわち、ルート毎の環境負荷の総量(図12〜図15の項目(i)の欄参照)とコスト)の一具体例を図16に示す。なお、図16のルート毎の環境負荷(ここでは、例えば、CO2排出量)の総量の算出値の右横の括弧内に示したように、各ルート毎の環境負荷(ここでは、例えば、CO2排出量)の算出値のそれぞれについて、ルート1の環境負荷の総量を「100」としたときの比率を算出してもよい。同様に、図16の各ルート毎のコストの算出値の右横の括弧内に示したように、各ルート毎のコストの算出値のそれぞれについて、ルート1のコストを「100」としたときの比率を算出してもよい。
【0132】
表示データ生成部106は、例えば、図16に示した、異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量とコストとを、ルートの違いで、それらが容易に比較可能なように、例えば、図17に示したような、グラフ形式の表示形態で表示するための表示データを生成する。この生成された表示データは、出力部107から例えばディスプレイに表示される。
【0133】
図17に示したように、異なる複数のルートのそれぞれに対応して算出された環境負荷の総量とコストとが、例えばグラフ形式で表示されることにより、ルートの違いで、それらが容易に比較可能となる。
【0134】
ユーザは、この表示内容から、異なる複数のルートのそれぞれについての環境負荷の大きさとコストの高さを視覚的、直感的に把握することができる。従って、ユーザは、これら複数のルートの中から、コストのみならず、環境への影響を考慮しながら、最適なルートを選択することができる。
【0135】
以上説明したように、上記実施形態によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、輸送手段の種類に対応する第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、移動手段の種類に対応する第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、通信手段の種類に対応する第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を利用する経路については、上記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、通信手段を用いることにより節約される資源(例えば、時間、物品、交通量など)の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価することにより、経路(特に取引経路)の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【0136】
また、複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価する際に、さらに、取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、当該付加物の処分にかかる環境負荷とを算出し、これらと、上記第1〜第3の環境負荷のうち各経路で利用されている手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷とを算出することにより、複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価するようにしてもよい。この場合、取引対象物や、その梱包材や取扱説明書などの当該取引対象物の付加物の製造から、当該取引対象物がユーザに届いて当該付加物が処分されるまでの、取引経路とそれ以外の製造や処分の過程を含む経路全体から発生する環境負荷の総量に基づき、当該複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することがでできる。
【0137】
このように、物品の製造、物流、移動、パソコン使用量、梱包材処分、インターネット利用、時間節約効果を勘案することにより電子商取引の総合的な環境負荷を評価することが出来、環境負荷を低減させた効率の良い電子商取引を実現することができる。
【0138】
本発明の上記実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0139】
例えば、コンピュータの所定の記憶手段に、モデルルート記憶部111や環境負荷原単位記憶部112に記憶されているようなデータを格納するともに、図7に示したような処理動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納して、当該コンピュータのプロセッサが当該プログラムを実行することにより、図7に示したような処理動作を実現することができる。
【0140】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成用件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて環境負荷を評価することにより、経路の違いによる環境負荷の違いから、ユーザに環境負荷の最も少ない経路が選択させることができ、これにより、環境負荷削減への貢献が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、企業対個人のモデルルートを示した図。
【図2】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、企業対企業のモデルルートを示した図。
【図3】取引対象物が消費者(ユーザ)に届くまでの異なる複数の経路(ルート)と、ルートの違いによる環境負荷の違いとについて説明するためのもので、個人対個人および個人対行政機関のモデルルートを示した図。
【図4】環境負荷評価装置の構成例を示した図。
【図5】環境負荷評価装置の他の構成例を示したもので、インターネットなどのネットワーク上で、ルートの違いに応じて環境負荷を算出するサービスを提供するサーバ装置として構成された場合を示した図。
【図6】負荷原単位記憶部における環境負荷原単位の記憶例を示した図。
【図7】図4の環境負荷評価装置の処理動作について説明するためのフローチャート。
【図8】図7のステップS4と、ステップS5のルート構成要素の入力と、第2の環境負荷の算出処理動作について説明するためのフローチャート。
【図9】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の一例を示した図。
【図10】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面の他の例を示した図。
【図11】製品・サービスに関する情報やルート構成要素の入力画面のさらに他の例を示した図。
【図12】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図13】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図14】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図15】ルート毎の環境負荷の算出過程を説明するための図。
【図16】ルート毎に算出された環境負荷の総量とコストの算出結果の一具体例を示した図。
【図17】異なる複数のルートのそれぞれに対応する環境負荷の総量とコストとの表示例を示した図。
【符号の説明】
11〜14…購入者
15…販売店
16、34…物流センタ
17…コンビニエンスストア
18、33、44…インターネット等の情報通信
19…電子商取引業者
20…コンテンツ業者
31、32…企業
41、43…行政機関
42…個人
45…配送センタ
101…制御部
102…ルート選択部
103…製品・サービス選択部
104…ルート構成要素入力部
105…環境負荷算出部
106…表示データ生成部
107…出力部
108…コスト算出部
109…交通経路取得部
110…記憶部
111…モデルルート記憶部
112…環境負荷原単位記憶部
119…通信部
120…クライアント端末
200…サーバ装置
Claims (23)
- 輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するための環境負荷評価方法であって、
前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、
前記複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷原単位を前記記憶手段から読み出して、
前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することを特徴とする環境負荷評価方法。 - 輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するための環境負荷評価方法であって、
前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、
(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価し、
(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、前記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価することを特徴とする環境負荷評価方法。 - 輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するための環境負荷評価方法であって、
少なくとも、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位とを記憶手段に記憶し、
前記複数の経路のそれぞれについて、その経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷原単位を前記記憶手段から読み出して、
前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価することを特徴とする環境負荷評価方法。 - 輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価するための環境負荷評価方法であって、
少なくとも、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶手段に記憶し、
(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位に基づく当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷と、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位に基づく当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷と、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位に基づく当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷とのうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出することにより、当該経路についての環境負荷を評価し、
(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、前記第1〜第3の環境負荷のうち、当該経路で利用されている前記手段とその種類とに対応する環境負荷を算出するとともに、前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した第4の環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出し、さらに、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを算出することにより、当該経路についの環境負荷を評価することを特徴とする環境負荷評価方法。 - 前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間および物品のうちのいずれか一方であることを特徴とする請求項2または4記載の環境負荷評価方法。
- 前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間であり、前記第4の環境負荷原単位は、人の単位時間当たりのエネルギー消費量であることを特徴とする請求項2または4記載の環境負荷評価方法。
- 前記第1の環境負荷は、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位と当該輸送手段の利用量としての輸送距離とから算出し、
前記第2の環境負荷は、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位と当該移動手段の利用量としての移動距離とから算出し、
前記第3の環境負荷は、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位と、当該通信手段の利用量としての少なくとも当該通信手段により伝送される情報量とから算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の環境負荷評価方法。 - 前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果を、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の環境負荷評価方法。
- 前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を利用する場合のコストを算出し、
前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果と算出された前記コストとを、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の環境負荷評価方法。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価装置であって、
前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を記憶した記憶手段と、
前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する評価手段と、
を具備し、
前記評価手段は、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3の算出手段と、
を具備したことを特徴とする環境負荷評価装置。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価装置であって、
前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶する記憶手段と、
(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を基に、当該経路についての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、当該通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類とその量とに対応した、当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分とを基に、当該経路についの環境負荷を評価する評価手段と、
を具備し、
前記評価手段は、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3の算出手段と、
前記経路の構成要素として前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出する第4の算出手段と、
を具備したことを特徴とする環境負荷評価装置。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価装置であって、
少なくとも、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位とを記憶した記憶手段と、
前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する評価手段と、
を具備し、
前記評価手段は、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3の算出手段と、
前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷を算出する第4の算出手段と、
前記取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷を算出する第5の算出手段と、
を具備したことを特徴とする環境負荷評価装置。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価装置であって、
少なくとも、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を記憶する記憶手段と、
(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、当該通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類とその量とに対応した、当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、当該経路についの環境負荷を評価する評価手段と、
を具備し、
前記評価手段は、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2の算出手段と、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3の算出手段と、
前記経路の構成要素として前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出する第4の算出手段と、
前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷を算出する第5の算出手段と、
前記取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷を算出する第6の算出手段と、
を具備したことを特徴とする環境負荷評価装置。 - 前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間および物品のうちのいずれか一方であることを特徴とする請求項11または13記載の環境負荷評価装置。
- 前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類は時間であり、前記第4の環境負荷原単位は、人の単位時間当たりのエネルギー消費量であることを特徴とする請求項11または13記載の環境負荷評価方法。
- 前記第1の環境負荷は、前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位と当該輸送手段の利用量としての輸送距離とから算出し、
前記第2の環境負荷は、前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位と当該移動手段の利用量としての移動距離とから算出し、
前記第3の環境負荷は、前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位と、当該通信手段の利用量としての少なくとも当該通信手段により伝送される情報量とから算出することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の環境負荷評価装置。 - 前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果を、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の環境負荷評価装置。
- 前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を利用する場合のコストを算出するコスト算出手段と、
前記複数の経路のそれぞれについての前記環境負荷の評価結果と算出された前記コストとを、それらが前記経路の違いで比較可能なように表示する表示手段をさらに具備したことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の環境負荷評価装置。 - ネットワークを介してアクセス可能に構成されたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載の環境負荷評価装置。
- 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価プログラムであって、
コンピュータの記憶手段に記憶された、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を用いて、当該コンピュータに、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を算出することにより、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する評価ステップを実行させ、
前記評価ステップでは、当該コンピュータに、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1のステップと、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2のステップと、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3のステップと、
を実行させることを特徴とする環境負荷評価プログラム。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価プログラムであって、
コンピュータの記憶手段に記憶された、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、
前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を用いて、当該コンピュータに、(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷を基に、当該経路についての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、当該通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類とその量とに対応した、当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分とを基に、当該経路についの環境負荷を評価する評価ステップを実行させ、
前記評価ステップでは、当該コンピュータに、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1のステップと、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2のステップと、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3のステップと、
前記経路の構成要素として前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出する第4のステップと、
を実行させることを特徴とする環境負荷評価プログラム。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価プログラムであって、
コンピュータの記憶手段に記憶された、少なくとも前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位を用いて、当該コンピュータに、前記複数の経路のそれぞれについて、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価する評価ステップを実行させ、
前記評価ステップでは、当該コンピュータに、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1のステップと、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2のステップと、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3のステップと、
前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷を算出する第4のステップと、
前記取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷を算出する第5のステップと、
を実行させることを特徴とする環境負荷評価プログラム。 - 取引対象物がユーザに届くまでの経路の構成要素をなす手段としての輸送手段と人の移動手段と通信手段とのうちの少なくとも1つを利用した、取引対象物がユーザに届くまでの異なる複数の経路のそれぞれについて、環境負荷を評価する環境負荷評価プログラムであって、
コンピュータの記憶手段に記憶された、少なくとも、前記輸送手段の種類別に予め算出された第1の環境負荷原単位と、前記移動手段の種類別に予め算出された第2の環境負荷原単位と、前記通信手段の種類別に予め算出された第3の環境負荷原単位と、前記通信手段を用いることにより節約されて、その結果環境負荷低減効果を呈する資源の種類別に予め算出された第4の環境負荷原単位を用いて、当該コンピュータに、(1)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用しない経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、前記複数の経路のそれぞれについての環境負荷を評価し、(2)前記複数の経路のうち、前記通信手段を利用する経路については、その経路を構成する前記構成要素としての前記手段とその種類と利用量とに対応する環境負荷と、当該通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類とその量とに対応した、当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分と、前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷と、当該取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷とを基に、当該経路についの環境負荷を評価する評価ステップを実行させ、
前記評価ステップでは、当該コンピュータに、
前記経路の構成要素としての前記輸送手段の種類に対応する前記第1の環境負荷原単位を基に、当該輸送手段の利用量に対応する第1の環境負荷を算出する第1のステップと、
前記経路の構成要素としての前記移動手段の種類に対応する前記第2の環境負荷原単位を基に、当該移動手段の利用量に対応する第2の環境負荷を算出する第2のステップと、
前記経路の構成要素としての前記通信手段の種類に対応する前記第3の環境負荷原単位を基に、当該通信手段の利用量に対応する第3の環境負荷を算出する第3のステップと、
前記経路の構成要素として前記通信手段を用いることにより節約される前記資源の種類に対応する第4の環境負荷原単位を用いて、当該資源の量に対応した環境負荷を当該経路を利用する場合の環境負荷の削減分として算出する第4のステップと、
前記取引対象物やその付加物の製造にかかる環境負荷を算出する第5のステップと、
前記取引対象物がユーザに届いた際に、前記付加物の処分にかかる環境負荷を算出する第6のステップと、
を実行させることを特徴とする環境負荷評価プログラム。
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JP2002170238A JP2004013816A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 環境負荷評価方法および環境負荷評価装置および環境負荷評価プログラム |
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---|---|---|---|---|
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- 2002-06-11 JP JP2002170238A patent/JP2004013816A/ja active Pending
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