JP2004013665A - 稼動データ蓄積・送信装置及び稼動管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】稼動管理システム1は、NC装置16に一対一で接続した稼動データ蓄積・送信装置11と、稼動管理装置とを、ネットワーク20を介し接続して構築される。稼動データ収集・送信装置11は、工作機械15の稼動状況に関するデータを収集して稼動データ記憶手段12に格納し、蓄積された稼動状況データを稼動管理装置に送信する。稼動管理装置は受信した稼動状況データを対応する工作機械毎に蓄積する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御部を備えた工作機械の前記数値制御部に一対一で接続して、当該工作機械の稼動状況に関するデータを収集,蓄積し、蓄積したデータを、電気通信回線を介して稼動管理装置に送信する稼動データ蓄積・送信装置、及び稼動管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、数値制御部を備えた複数台のNC工作機械の前記各数値制御部と稼動管理装置とを、電気通信回線(LANやインターネットなどを含む)を介して接続した稼動管理システムが知られている。この稼動管理システムでは、前記稼動管理装置によって前記各数値制御部から工作機械の稼働状況に関するデータが収集,蓄積され、蓄積されたデータに基づいて各NC工作機械の稼働状況が集中管理される。
【0003】
具体的には、例えば、同一敷地内に配設された工作機械の数値制御部と稼動管理装置とをLANを介して接続した稼動管理システムでは、稼動管理装置が随時各数値制御部に接続して、各数値制御部から稼動状況に係るデータをサンプリングし、サンプリングした稼動状況データを工作機械ごとに蓄積するように構成されており、蓄積された稼動状況データを基に各工作機械の稼動管理が行われるようになっている。
【0004】
また、遠隔地に配設された工作機械の数値制御部と稼動管理装置とをインターネットを介して接続した稼動管理システムでは、各数値制御部と稼動管理装置とがインターネットを介して常時接続され、各数値制御部からこれに対応した工作機械の稼動状況データが随時稼動管理装置に送信されて、当該稼動管理装置に工作機械ごとの稼動状況データが蓄積するように構成されており、蓄積された稼動状況データに基づいて各工作機械の稼動管理が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記LANを介した稼動管理システムでは、管理対象の工作機械が多数に上ると、その数に応じて前記稼動状況データをサンプリングする間隔が長くなるため、工作機械の稼動状況を正確に把握することができないという問題が存在する。言い換えれば、工作機械の稼動状況を正確に把握するには、管理対象の工作機械台数が自ずと制限され、このために広範囲な管理を行うことができないのである。また、遠隔地に配設された工作機械を管理することができないという問題もある。
【0006】
また、LANは、加工プログラムの転送などにも使用されることが多く、その通信負荷が重くなりがちな環境にある。このため、このような状態となった場合には、稼動状況データの取り込みに漏れを生じ、上記稼動状況を正確に把握することができない。
【0007】
また、上記インターネットを介した稼動管理システムも同様に、管理対象の工作機械が多数に上ると、稼動管理装置の負荷が極めて重くなるため、管理対象の工作機械台数が制限され、広範囲な管理を行うことができないという問題がある。そして、仮に処理能力を超えた負荷が掛かると、稼動状況データの取り込みに漏れが生じ、上記と同様に、稼動状況を正確に把握することができない。
【0008】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、工作機械の稼動状況を正確に把握することができる稼動管理システム等の提供を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記課題を解決するための本発明は、稼動データ蓄積・送信装置と稼動管理装置とを電気通信回線を介し接続して構築される稼動管理システムの、前記稼動データ蓄積・送信装置及び当該稼動管理システムに係る。
【0010】
前記稼動データ蓄積・送信装置は、数値制御部を備えた工作機械の前記数値制御部に一対一で接続して、前記工作機械の稼動状況に関するデータを収集,蓄積し、蓄積したデータを、電気通信回線を介して稼動管理装置に送信する装置であって、
前記工作機械の稼動状況に関するデータ(稼動状況データ)を蓄積する稼動データ記憶手段と、
前記数値制御部に接続して、前記工作機械の稼動状況データを収集し、収集した稼動状況データを前記稼動データ記憶手段に格納する処理、並びに前記稼動データ記憶手段に格納された稼動状況データを、前記電気通信回線を介して前記稼動管理装置に送信する処理を行うデータ収集・送信手段とから構成される。
【0011】
一方、前記稼動管理装置は、前記各稼動データ蓄積・送信装置から送信された稼動状況データを受信して、対応する工作機械毎に、該工作機械の稼動状況データを蓄積するように構成される。
【0012】
この稼動管理システムによれば、まず、稼動データ蓄積・送信装置のデータ収集・送信手段によって、数値制御部からこれに対応した工作機械の稼動状況データが収集され、収集された稼動状況データが稼動データ記憶手段に格納される。尚、前記稼動状況は、例えば、積算通電時間,積算稼働時間,積算アラーム発生時間といった積算時間に係る項目や、運転中,休止中,アラーム中といった工作機械の状態に係る項目として把握される。また、稼動状況データは、当該項目に相当する時間データや状態データ(例えば、0,1)からなり、対応する項目とデータとが相互に関連付けられて前記稼動データ記憶手段に格納される。
【0013】
そして、このようにして稼動データ記憶手段に蓄積された稼動状況データが、電気通信回線を介して前記稼動管理装置に送信され、対応する工作機械毎に、その稼動状況データが蓄積される。
【0014】
斯くして、この稼動管理システムによれば、稼動データ蓄積・送信装置が数値制御部に対して一対一に設けられているので、当該工作機械の稼動状況を把握する際のデータサンプリング間隔を相応に細かくすることができ、これにより当該稼動状況を正確に把握することが可能となる。また、データの取り込みに漏れが生じることもない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。図1は本実施形態に係る稼動データ蓄積・送信装置の概略構成を示したブロック図であり、図2は、本実施形態に係る稼動管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本例の稼動管理システム1は、複数の稼動データ蓄積・送信装置10と稼動管理装置30とをインターネット20を介し接続して構築される。以下、各部の詳細について説明する。
【0017】
A.稼動データ蓄積・送信装置
図1に示すように、本例の前記稼動データ蓄積・送信装置10は、データ収集・送信処理部11と、稼動データ記憶部12とから構成され、数値制御部16aを有するNC装置16及び前記数値制御部16aによって制御される機構部17からなる工作機械15の前記NC装置16に対し一対一で接続している。
【0018】
前記稼動データ記憶部12は、前記データ収集・送信処理部11によって収集された工作機械15の稼動状況データを記憶する機能部であり、具体的には、図3に示した稼動状態A,稼動状態B,稼動状態C,加工実績,アラーム履歴などのデータテーブルを備え、その各項目に対応した稼動状況データを記憶する。尚、図3中の「機械状態」は、機構部17が駆動されている状態の「運転中」、機構部17が駆動されていない状態の「休止中」、アラーム状態となっている「アラーム中」の3つの状態で表され、「積算稼働時間」は、前記「運転中」の積算時間である。
【0019】
前記データ収集・送信処理部11は、前記NC装置16の数値制御部16aから当該工作機械15の稼動状況データを収集して、前記稼動データ記憶部12に格納する処理、稼動データ記憶部12に格納された稼動状況データを基に、稼動状況に係る項目を定義するデータ要素識別子(タグ)と、該項目に対応した稼動状況データとを関連付けた構成の送信データを生成する処理、並びに、生成した送信データを、前記インターネット20を介して前記稼動管理装置30に送信する処理を行うように構成され、具体的には、図4乃至図10に示した処理を実行するように構成される。
【0020】
以下、このデータ収集・送信処理部11における処理を、図4乃至図10に基づいて順次説明する。
【0021】
図4に示すように、前記データ収集・送信処理部11は、工作機械15のメイン電源がONとなった後、当該工作機械15に係る稼動状況データの取り込み処理を開始して(ステップS1)、まず、前記稼動データ記憶部12を初期化すると共に、メール送信フラグとメール送信失敗フラグとをOFFにする(ステップS2)。
【0022】
ついで、電源投入後初めてのデータ取り込みかどうかを確認した後(ステップS3)、初めてのデータ取り込みである場合には、後述のステップS7に進み、2回目以降のデータ取り込みである場合には、図3に示した、稼動状態Aの各積算時間を算出して、前記稼動データ記憶部12に格納する処理を行う(ステップS4)。
【0023】
この稼動状態Aの各積算時間算出,格納処理は、図7及び図8に示すように、稼動データ記憶部12に格納された積算通電時間に、サンプリング間隔時間(今回サンプリングを実行した時刻から前回サンプリングした時刻を引いた時間)を加算した後(ステップS31)、工作機械15の各状態を確認し、該当する状態にある場合には、稼動データ記憶部12に格納されたそれぞれの積算時間に、前記サンプリング間隔時間を加算する処理を行う。
【0024】
具体的には、工作機械15が運転中であるか否かの確認を行い(ステップS32)、運転中である場合には、前記サンプリング間隔時間を積算稼働時間に加算し(ステップS33)、ついで、アラームが発生中であるか否かの確認を行い(ステップS34)、アラームが発生している場合には、前記サンプリング間隔時間を積算アラーム発生時間に加算し(ステップS35)、次に、工作機械15が切削中であるか否かの確認を行って(ステップS36)、切削中である場合には、前記サンプリング間隔時間を積算切削時間に加算する(ステップS37)。
【0025】
また、工作機械15の主軸が回転中であるか否かの確認を行い(ステップS38)、回転中である場合には、前記サンプリング間隔時間を積算主軸回転時間に加算し(ステップS39)、次いで、工作機械15が手動モードであるか否かの確認を行い(ステップS40)、手動モードである場合には、前記サンプリング間隔時間を積算手動モード時間に加算し(ステップS41)、次に、工作機械15がクーラントを排出しているか否かの確認を行って(ステップS42)、クーラントを排出している場合には、前記サンプリング間隔時間を積算クーラント排出時間に加算する(ステップS43)。
【0026】
そして、上記積算時間算出,格納処理を終えた後、図4に示したメイン処理に戻って、ステップS5に進む。
【0027】
ステップS5では、稼動データ記憶部12に格納された積算通電時間が、予め設定されたメール送信間隔を超えたか否かが判断される。このメール送信間隔は、前回メール送信をしてから次にメール送信をすべき時間までの間隔であり、予め任意に設定される。そして、メール送信間隔を超えている場合には、メール送信フラグをONにする一方(ステップS6)、メール送信間隔を超えていない場合には、ステップS7に進む。後述するデータ量の他に、メール送信間隔を基準にメール送信するか否かを判断しているのは、加工内容によっては1回のデータ取り込み量が小さい場合があり、この場合には、稼動データ記憶部12に蓄積されるデータ量が送信基準として設定された容量に達するまでに長時間を要することとなり、稼動管理装置側でのデータの更新が長時間にわたって行われなくなるからである。
【0028】
次に、ステップS7では、図3に示した稼動状態Cに係るデータを数値制御部16aから取り込んで、稼動データ記憶部12に格納する処理を行う。稼動状態Cは、上述したように、「運転中」,「休止中」,「アラーム中」の3つの状態で表され、以前の機械状態から変化があったとき、その機械状態、当該機械状態となった日時(当該状態開始日時)、即ち、当該取り込み時の日時、そのプログラム番号(O番号)を相互に関連付けて稼動データ記憶部12に格納する。尚、機械状態に変化がない場合には、当該格納処理は行わない。また、前記当該状態開始日時は、以前の機械状態の終了日時でもある。
【0029】
次に、このようにして稼動データ記憶部12に格納された稼動状態Cに係るデータが60組に達したかどうかが確認され(ステップS8)、60組に達した場合には、メール送信フラグをONにする一方(ステップS9)、60組に達していない場合には、ステップS10に進む。ステップS8はメールを送信するか否かの判断を行う処理であり、データが60組を超えると、稼動状態Cについて稼動データ記憶部12に設定された記憶容量を超えるため、当該60組を基準としてメール送信を行うか否かを判断している。
【0030】
ステップS10では、図9に示した、加工実績データの取込,格納処理が行われる。即ち、工作機械15が新規な加工を開始したかどうかを確認し(ステップS51)、新規な加工でない場合には、ステップS54に進む一方、新規な加工である場合には、現時刻を加工開始日時として稼動データ記憶部12に格納するとともに(ステップS52)、現在加工実行中のNCプログラム番号であるO番号を稼動データ記憶部12に格納する(ステップS53)。尚、これらO番号及び加工開始日時は相互に関連付けられて稼動データ記憶部12に格納される。
【0031】
前記ステップS53の処理を終了すると、次に、ステップS54に進み、加工終了(サイクルエンド)を定義するM信号がOFFからONに変化したかどうかが確認される。そして、ONに変化したことが確認された場合には、現時刻を加工終了日時として稼動データ記憶部12に格納する(ステップS55)。
【0032】
そして、上記ステップS55の処理を終えた後、又は前記ステップS54においてM信号がOFFからONに変化していないと判断された場合には、当該処理を終了して、図5に示したメイン処理に戻り、ステップS11に進む。
【0033】
ステップS11では、上記のようにして稼動データ記憶部12に格納された加工実績データが30組に達したかどうかが確認され、30組に達した場合には、メール送信フラグをONにする一方(ステップS12)、30組に達していない場合には、ステップS13に進む。ステップS11はメールを送信するか否かの判断を行う処理であり、データが30組を超えると、加工実績について稼動データ記憶部12に設定された記憶容量を超えるため、当該30組を基準としてメール送信を行うか否かを判断している。
【0034】
次に、ステップS13では、数値制御部16aからアラーム情報が取り込まれ、取り込まれたアラームが初めてのアラームか否か、即ち継続しているアラームか否かが確認され(ステップS14)、初めてのアラームである場合には、取り込んだアラーム情報(アラーム発生日時(データ取込時の日時),アラーム番号,アラームメッセージ,アラーム発生時のO番号)を稼動データ記憶部12に格納した後(ステップS15)、メール送信フラグをONにする(ステップS16)。そして、ステップS16の処理を終了した後、又は、ステップS14において、継続したアラームであると判断された場合には、次ステップS17に進む。
【0035】
次に、ステップS17では、メール送信フラグがONとなっているか否か、又は手動メール送信信号がONとなっているか否かが確認され、メール送信フラグ及び手動メール送信信号の双方がOFFとなっている場合には、上記ステップS4に進み、これ以降の処理が実行される。一方、メール送信フラグ又は手動メール送信信号がONとなっている場合には、次に、稼動状態Bに係るデータ(図3参照)を数値制御部16aから取り込んで稼動データ記憶部12に格納した後(ステップS18)、図10に示したメール送信処理を行う(ステップS19)。尚、ここで、手動メール送信信号とは、オペレータが希望するときに、稼動状況データを稼動管理装置30に送れるように画面に設けられた送信スイッチを、オペレータが押したときにONとなる信号のことである。稼動データ記憶部12に格納されたデータは工作機械15の電源が切られると消えてしまうので、工作機械15の電源を切る際に、上記送信スイッチを押すことにより、前回送信した以降のデータを送信するのに利用できる。そうすることによって、より正確に稼動状況管理が可能となる。
【0036】
メール送信処理は、ステップS20以降の処理と並行して実行され、図10に示すように、まず、ステップ61において、稼動データ記憶部12に格納した各データを基に、図12に示すような、稼動状況データを含む電子メールデータ形式の送信データを自動生成する処理を行う。この電子メールは、送信先のメールアドレスなどからなるヘッダ部分と、メール本文部分とから構成される。尚、特に図示しなかったが、前記稼動データ記憶部12とは別のデータ記憶部が更に設けられており、上記電子メールの自動生成の際に、稼動データ記憶部12に格納されたデータが、前記別のデータ記憶部にコピーされ、コピーされたデータから上記電子メールが自動生成される。
【0037】
メール本文は、稼動状況に係る項目を定義するタグ(データ要素識別子)(図11参照)と、当該項目に対応した稼動状況データとから構成され、稼動状況データを対応するタグで挟んで記述した形態となっている。
【0038】
図12を基に、一例を説明すると、タグである<MMCNDTL>は、稼動状態A及びBに係るデータが以降に存在することを意味する。そして、続く、アルファベットのデータは、順次、積算通電時間,積算稼働時間,積算アラーム発生時間,積算切削時間,積算主軸回転時間,積算手動モード時間,積算クーラント排出時間,機械状態,加工中O番号,シーケンス番号,操作モード,シングルブロックフラグ,オプショナルストップフラグ,ブロックデリートフラグ,ドライランフラグ,クーラントONフラグ,早送りオーバライドの各値である。そして、更にこれに続くタグの</MMCNDTL>は、稼動状態A及びBに係るデータがこれ以前に存在することを意味する。
【0039】
尚、図11に示したタグの定義は一例に過ぎないであり、これを、更に、細かく区分けして定義しても一向に差し支えない。
【0040】
上記のようにして、電子メールを自動生成すると、次に、インターネット20に接続して、生成した電子メールを予め指定されたメールサーバへ、即ち、稼動管理装置30に向けて送信する処理を行う(ステップS62)。尚、本例では、上記電子メールはルータ18を介してメールサーバ13に送信され、このメールサーバ13から、指定されたメールアドレスに対応するメールサーバ、本例ではメールサーバ35に転送される。
【0041】
次に、メールの送信が成功したかどうかを確認し、成功していれば処理を終了し(ステップS63)、送信に失敗した場合には、3回まで送信を繰り返し(ステップS64)、3回送信しても駄目な場合はメール送信失敗フラグをONにして、インターネット20への接続を断ち、処理を終了する(ステップS65)。
【0042】
一方、前記ステップS20では、稼動データ記憶部12を初期化し、メール送信フラグと手動メール送信信号をOFFにした後、次ステップでメール送信失敗フラグを確認して上記メール送信処理が成功したかどうかを確認し(ステップS21)、失敗している場合には、通信上の何らかのトラブルが発生していると判断し、その旨の警告メッセージを表示して稼動状況データ取込処理自体を終了する。そうでない場合には、図4に示したステップS4に戻り、これ以降の処理を繰り返す。
【0043】
B.稼動管理装置
一方、前記稼動管理装置30は、LAN36を介して相互に接続されたメール受信・データ更新処理部31と、前記各工作機械15ごとに設定されたデータベース32から構成される。
【0044】
データベース32は、前記稼動データ蓄積・送信装置10から送信された稼動状況データを各工作機械15ごとに蓄積する機能部であり、図3に示した稼動状態A,稼動状態B,稼動状態C,加工実績,アラーム履歴などのデータテーブルを各工作機械15ごとに備え、その各項目に対応した稼動状況データを記憶する。
【0045】
また、前記メール受信・データ更新処理部31は、図13に示した処理を順次実行して、前記各稼動データ蓄積・送信装置10からメールサーバ35に送信された電子メールを受信し、受信した電子メールを解析して、当該電子メールに含まれる稼動状況データでもって、該当する工作機械15のデータベースを更新する処理を行う。
【0046】
具体的には、図13に示すように、まず、メールサーバ35に接続し(ステップS71)、接続に成功した場合には、メールサーバ35からメールを取り込んだ後、メールサーバ35内のメールを削除する処理を行い(ステップS73)、この後、受信したメールを解析して、当該電子メールに含まれる稼動状況データでもって、該当する工作機械15のデータベースを更新する(ステップS74)。
【0047】
上述したように、電子メールの本文は、稼動状況に係る項目を定義するタグと、当該項目に対応した稼動状況データとから構成され、稼動状況データを対応するタグで挟んで記述した形態となっている。したがって、タグを認識することで、稼動状況に係る項目とこれに対応した稼動状況データを識別することができる。メール受信・データ更新処理部31は、かかるタグを解析して、これに対応した機番、即ち工作機械15、稼動状況項目及び稼動状況データなどを認識し、認識した工作機械15のデータベース32内に格納されたデータを、加算,追加,上書き処理することによって更新する。
【0048】
そして、上記のようにしてデータの更新処理を行った後、予め設定された所定時間が経過するまで待ち(ステップS75)、その後、ステップS71に戻って処理を繰り返す。尚、ステップS72において、メールサーバ35への接続に失敗した場合にも、同様にステップS75で所定時間の経過を待って、ステップS71の処理を繰り返す。
【0049】
以上の構成を備えた本例の稼動管理システム1によれば、各稼動データ蓄積・送信装置10のデータ収集・送信処理部11によって、所定のサンプリング間隔ごとに、NC装置16の数値制御部16aからこれに対応した工作機械15の稼動状況データが収集され、収集された稼動状況データが稼動データ記憶部12に格納される。
【0050】
そして、上記のようにして、稼動データ記憶部12に蓄積された稼動状況データが、所定の時間経過後、或いは、蓄積されたデータ量が所定量に達したとき、或いは、手動モードの下で、稼動状況に係る項目を定義するタグと、該項目に対応した稼動状況データとを関連付けた構成の電子メールに自動編成され、編成された電子メールがメールサーバ13及びメールサーバ35を介して、稼動管理装置30に送信される。
【0051】
一方、稼動管理装置30では、メールサーバ35から受信した電子メールのタグが解析されて、これに対応した工作機械15、稼動状況項目及び稼動状況データなどが認識され、認識された工作機械15のデータベース32内に格納されたデータが、加算,追加,上書き処理することによって更新される。そして、このようにして、各データベース32に蓄積された稼動状況データを基に、例えば、機械の状態を一目で監視可能としたり(図14)、稼動状態の時間的変化を比較表示したり(図15)、アラーム履歴を一元管理したり(図16)、パレート図を用いてアラーム対策を行う(図17)などして各工作機械15の稼動管理が行われる。
【0052】
斯くして、本例の稼動管理システム1によれば、稼動データ蓄積・送信装置10がNC装置16に対して一対一に設けられているので、当該工作機械15の稼動状況を把握する際のデータサンプリング間隔を相応に細かくすることができ、これにより当該工作機械15の稼動状況を正確に把握することが可能となる。また、データの取り込みの際に漏れが生じることもない。
【0053】
また、稼動データ蓄積・送信装置10が電子メールの送信時のみインターネット20に接続して、当該電子メールを送信するようにしているので、不正アクセス,ウィルス汚染といった危険な状態を殆ど回避することができ、また、遠隔地の工作機械15をも管理対象に含めることができる。また、稼動データ蓄積・送信装置10と稼動管理装置30がどこに在っても送信先のアドレスを指定するだけで良いというフレキシブル性がある。
【0054】
また、稼動データ記憶部12に蓄積された稼動状況データが、所定の時間経過後、或いは、蓄積されたデータ量が所定量を超えたときに自動送信されるようになっているので、稼動データ記憶部12に蓄積されるべきデータが、その容量を超えることによって破棄されるのを防止することができ、当該稼動状況データをより正確なものとすることができる。
【0055】
また、稼動データ蓄積・送信装置10から稼動管理装置30に送信される電子メールは、稼動状況に係る項目と稼動状況データとが相互に関連付けられた構造となっているので、稼動状況の項目と稼動状況データとの対応関係を容易に判別することができ、これにより、上記メール受信・データ更新処理部31におけるデータ更新をより正確に行うことが可能となっている。また、データ蓄積する項目の追加や変更を容易に行うことができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0057】
例えば、上例では、メールサーバを介して電子メールで稼動状況データの送信を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、FTP(File Transfer Protocol)、TFTP(Trivial FTP)やHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのファイル転送手段を用いるようにしても良い。
【0058】
また、上例では、稼動データ蓄積・送信装置10を、NC装置16とは別に設けたが、これに限らず、稼動データ蓄積・送信装置10と同様の機能をNC装置16内に一体的に設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る稼動データ蓄積・送信装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態に係る稼動管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【図3】本実施形態に係る稼動データ記憶部に格納されるデータの構造を説明するための説明図である。
【図4】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図5】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図6】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図7】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図10】本実施形態のデータ収集・送信処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図11】本実施形態における電子メール自動生成について説明するための説明図である。
【図12】本実施形態における電子メールの一例を示した説明図である。
【図13】本実施形態のメール受信・データ更新処理部における処理手順を示したフローチャートである。
【図14】本実施形態の稼動管理装置における管理の一例を説明するための説明図である。
【図15】本実施形態の稼動管理装置における管理の一例を説明するための説明図である。
【図16】本実施形態の稼動管理装置における管理の一例を説明するための説明図である。
【図17】本実施形態の稼動管理装置における管理の一例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 稼動管理システム
10 稼動データ蓄積・送信装置
11 データ収集・送信処理部
12 稼動データ記憶部
15 工作機械
16 NC装置
16a 数値制御部
17 機構部
20 インターネット
30 稼動管理装置
31 メール受信・データ更新処理部
32 データベース
Claims (2)
- 数値制御部を備えた工作機械の前記数値制御部に一対一で接続して、前記工作機械の稼動状況に関するデータを収集,蓄積し、蓄積したデータを、電気通信回線を介して稼動管理装置に送信する装置であって、
前記工作機械の稼動状況に関するデータを蓄積する稼動データ記憶手段と、
前記数値制御部に接続して、前記工作機械の稼動状況に関するデータを収集し、収集した稼動状況データを前記稼動データ記憶手段に格納する処理、並びに前記稼動データ記憶手段に格納された稼動状況データを、前記電気通信回線を介して前記稼動管理装置に送信する処理を行うデータ収集・送信手段とを設けて構成したことを特徴とする稼動データ蓄積・送信装置。 - 前記請求項1記載の稼動データ蓄積・送信装置の一台以上と、稼動管理装置とを、電気通信回線を介し接続してなる稼動管理システムであって、
前記稼動管理装置は、前記各稼動データ蓄積・送信装置から送信された稼動状況データを受信して、対応する工作機械毎に、該工作機械の稼動状況データを蓄積するように構成されてなる稼動管理システム。
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