JP2004013286A - 印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システム - Google Patents
印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷に要する時間の長時間化を防止することができる印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータ1は、プリンタ2に接続されており、入力された画像データを複数のバンドからなるビットマップデータに変換し、ビットマップデータをバンドごとに順次プリンタ2に転送する。ホストコンピュータ1は、ある1つのバンドのビットマップデータに基づく画像形成時間と、その次に転送されるバンドのビットマップデータの転送時間とを計算する計算部17と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみプリンタ2に対してステータス要求を行う通信制御部18とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ホストコンピュータ1は、プリンタ2に接続されており、入力された画像データを複数のバンドからなるビットマップデータに変換し、ビットマップデータをバンドごとに順次プリンタ2に転送する。ホストコンピュータ1は、ある1つのバンドのビットマップデータに基づく画像形成時間と、その次に転送されるバンドのビットマップデータの転送時間とを計算する計算部17と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみプリンタ2に対してステータス要求を行う通信制御部18とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に対して印刷データを転送するとともにステータス要求を行う印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタやスキャナがホストコンピュータにネットワーク接続あるいはローカル接続された印刷システムでは、プリンタは、ホストコンピュータから印刷データを受信し、この印刷データに基づいてプリンタエンジンを駆動することにより、記録媒体上に所定の印刷を行う。
【0003】
ここで、ホストコンピュータから送信される印刷データは、ホストコンピュータ上でアプリケーションなどを用いて作成したものであっても、スキャナにより読み取った画像データをホストコンピュータ上で編集などを行ったものであってもかまわない。
【0004】
ところで、プリンタは、上述したようにホストコンピュータからの印刷データに基づいて記録媒体への印刷を行うとともに、プリンタのステータス(状態)情報をホストコンピュータに送信している。ここで、プリンタのステータス情報とは、例えば、プリンタの動作状況や印刷用紙(記録媒体)詰まり、あるいはインク・トナー切れなどのエラー情報が含まれる。
【0005】
即ち、ホストコンピュータは、プリンタのステータス情報を取得するために、プリンタに対してステータス情報を生成するように設定するコマンドを送信する。そしてさらに、プリンタに対してステータス情報を送信するように要求する。
【0006】
このプリンタから送信されたステータス情報は、ホストコンピュータにおいて文字や図形などの表示可能な形に変換され、ホストコンピュータのディスプレイなどに表示される。
【0007】
また、このようなホストコンピュータからプリンタに対するステータス情報送信の指示(ステータス要求)は、通常、予め設定した一定時間間隔毎に、即ち一定のタイミングで行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホストコンピュータからプリンタに対するステータス情報送信の指示を予め設定された一定のタイミングで行うとすると、プリンタがホストコンピュータから印刷データの受信中であるか否かにかかわらず、一定時間が経過するたびにステータス情報を作成し、ホストコンピュータに送信しなければならない。
【0009】
即ち、ホストコンピュータがプリンタに対して、印刷データ送信中であっても上述したように一定のタイミングでプリンタのステータス情報を要求すると、プリンタは印刷データを受信し、それを解析して印刷するとともに、ステータス情報を作成してホストコンピュータに送信しなければならない。
【0010】
従って、ステータス情報の作成・送信の分、負荷がかかることとなり、プリンタのパフォーマンスが低下する。これにより、印刷データの印刷時間(印刷終了までの時間)が長くなる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷に要する時間の長時間化を防止することができる印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷制御方法は、上記の課題を解決するために、入力された画像データをビットマップ化することにより複数の矩形領域からなる印刷データに変換し、該印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送して、上記印刷装置に、記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成させる印刷制御方法において、第1矩形領域の第1印刷データに基づいた上記印刷装置における画像形成時間が、上記第1印刷データの次に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間より長いときのみ、上記印刷装置に対してステータス要求を行うことを特徴としている。
【0013】
ここで、例えば、第1印刷データの画像形成時間および第2印刷データの転送時間にかかわらず、予め設定された一定の時間間隔でステータス要求を行うとする。
【0014】
このとき、例えば、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とが等しいとすると、ステータス要求を行わないときは、第1印刷データの画像形成後、すみやかに第2印刷データの画像形成を開始することができる。一方、ステータス要求を行う、即ち、第2印刷データの転送中に、ステータス要求の処理が割り込むと、ステータス情報の生成・送信(ステータス処理)の分、印刷装置に負荷がかかることとなる。
【0015】
即ち、ステータス処理のためのみの時間が必要となり、この分の時間が画像形成時間(印刷時間)として加算されることとなる。従って、印刷データの画像形成時間(全印刷データの画像形成(印刷)が終了までの時間)が長くなり、印刷装置のパフォーマンスが低下することとなる。
【0016】
しかしながら、上記の構成によれば、印刷装置の負荷を小さくすることができる。即ち、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0017】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0018】
本発明の印刷制御装置は、上記の課題を解決するために、上記記載の印刷制御方法を用いて、印刷装置にステータス要求を行うことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止するとともに、ステータス要求を効率よく行う印刷制御装置を提供することができる。
【0020】
本発明の印刷制御装置は、上記の課題を解決するために、入力された画像データをビットマップ化して複数の矩形領域からなる印刷データに変換する印刷データ生成手段と、上記印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送する通信手段とを備え、印刷装置が記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成するように制御する印刷制御装置において、第1矩形領域の第1印刷データに基づく画像形成時間と、上記第1印刷データの次に上記印刷装置に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間とを計算する計算手段と、上記画像形成時間と上記転送時間とを比較し、上記画像形成時間が上記転送時間より長いときのみ上記印刷装置に対してステータス要求を行う制御手段とを備えることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0022】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。
【0023】
上記の印刷制御装置は、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段が、印刷装置に対してステータス要求を行うことが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段は、画像形成時間と転送時間との長短にかかわらず、強制的に印刷装置に対してステータス要求を行うことができる。従って、ステータス要求が行われなくなることを防止することができる。
【0025】
本発明の印刷システムは、上記の課題を解決するために、上記記載の印刷制御装置と、印刷制御装置から印刷データが転送され、記録媒体上に印刷データに基づく画像を形成する印刷装置とを備えることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、印刷装置の負荷を小さくすることができる。即ち、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0027】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0028】
上記の印刷システムは、印刷装置における第1印刷データに基づく画像形成時間をT1、第1印刷データの次に印刷制御装置から印刷装置に転送される第2印刷データの転送時間をT2、印刷装置がステータス要求に応答するためステータス情報の生成および送信に要するステータス処理時間をTsとすると、
T1>T2+Ts
を満足するときにのみ、印刷制御装置は印刷装置に対してステータス要求を行うことが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、第1印刷データの画像形成時間T1と第2印刷データの転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0030】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、印刷データに基づく画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を防止することができる。
【0031】
上記の印刷システムは、印刷装置が、インクを吐出することにより画像を形成することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、インクジェット方式で画像形成を行う印刷装置を用いた印刷システムにおいて、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。
【0033】
上記の印刷システムは、印刷制御装置が、各矩形領域の印刷データに基づいて、矩形領域ごとに、印刷装置によるインク吐出開始位置と、インク吐出終了位置と、印刷データを構成するインクドット数とを示すデータ情報を生成するデータ情報生成手段を備えることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、データ情報におけるインクドット数(データ量)を用いて、転送時間を計算することができる。
【0035】
また、データ情報におけるインク吐出開始位置およびインク吐出終了位置を用いて、画像形成時間を計算することができる。
【0036】
さらに、例えば、インク吐出開始位置を印刷装置に送信することにより、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に入力することができる。
【0037】
これにより、印刷装置においてインクを吐出するインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0039】
図1は、本実施の形態に係る印刷システムの要部の構成を示す。同図に示すように、本印刷システムは、ホストコンピュータ(印刷制御装置)1とプリンタ(印刷装置)2とが通信線3を介して接続されている。
【0040】
ここで、通信線3は、双方向にデータ転送が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、汎用のパラレルやシリアルなどの通信線を用いることができる。また、通信線3として、ホストコンピュータ1とプリンタ2との間に、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介在させてもかまわない。
【0041】
通信線3を介して、プリンタ2は、ホストコンピュータ1から転送された印刷データに基づいて記録媒体への印刷を行うとともに、プリンタ2のステータス情報(状態情報)をホストコンピュータ1に送信する。
【0042】
ここで、プリンタ2のステータス情報とは、例えば、プリンタ2の動作状況や、印刷用紙(記録媒体)詰まり、あるいはインク・トナー切れなどのエラー情報などが含まれる。
【0043】
即ち、ホストコンピュータ1は、プリンタ2のステータス情報を取得するために、プリンタ2に対してステータス情報を生成するように設定するコマンドを送信し、さらに、プリンタ2からホストコンピュータ1にそのステータス情報を送信するように要求(以下、ステータス要求と称する)する。
【0044】
このプリンタ2から送信されたステータス情報は、ホストコンピュータ1において文字や図形などの表示可能な形に変換され、ホストコンピュータ1のディスプレイなどの表示手段に表示される。
【0045】
図1に示すように、ホストコンピュータ1は、アプリケーション11、印刷データ生成部(印刷データ生成手段)12、印刷データ解析部(データ情報生成手段)13、データ格納部14、タイマー15、プリンタステータス取得部16、計算部(計算手段)17、通信制御部(通信手段、制御手段)18、および、通信I/F19を備える。
【0046】
アプリケーション11は、アプリケーションソフトウェアであり、ユーザはこのアプリケーション11を用いて、ホストコンピュータ1上で画像を作成・編集する。ユーザがホストコンピュータ1に対して画像の印刷要求をすると、アプリケーション11を用いて作成・編集された画像は、画像データとして印刷データ生成部12に入力される。
【0047】
印刷データ生成部12は、入力された画像データをビットマップ化し、印刷用のデータ(以下、印刷データと称する)であるビットマップデータに展開(変換)する。このビットマップデータは、複数のバンド(矩形領域)により構成される。
【0048】
印刷データ解析部13は、印刷データ生成部12において生成されたビットマップデータを、バンドごとに解析して印刷データ情報を作成する。
【0049】
データ格納部14は、印刷データ生成部12において生成された複数のバンドからなるビットマップデータと、印刷データ解析部13において作成されたバンドごとの印刷データ情報とを格納(記憶)する。このビットマップデータおよび印刷データ情報については、後に詳述する。
【0050】
タイマー15は、ステータス要求の間隔を、例えば、バンド数や経過時間でカウントする。
【0051】
プリンタステータス取得部16は、プリンタ2のステータス情報を取得する。また、プリンタステータス取得部16は、ステータス情報を取得すると、そのステータス情報を文字や図形などの表示可能な形に変換し、図示しない表示手段にステータスモニタなどとして表示する。
【0052】
計算部17は、データ格納部14における印刷データ情報に基づいて、後述するプリンタ2へのビットマップデータ(1バンドごと)の転送時間、および、各バンドのビットマップデータに対するプリンタ2における画像形成時間を計算する。
【0053】
通信制御部18は、計算部17における上記計算結果、および、タイマー15によるカウントに基づいて、プリンタ2に対するステータス要求および印刷データの転送制御を行う。ここで、通信制御部18によってステータス要求されることによりプリンタ2から受信したステータス情報は、通信制御部18を介してプリンタステータス取得部16に入力され表示される。
【0054】
なお、ホストコンピュータ1にさらにスキャナなどの画像読取装置が接続されている場合、印刷データは、画像読取装置によって読み取られ、アプリケーション11上で編集などが施された画像データに基づいて生成されることとなる。
【0055】
印刷データ生成部12において生成されデータ格納部14に格納されているビットマップデータ(印刷データ)と、ステータス要求のためのコマンドとは、通信制御部18により通信I/F19を介してプリンタ2に転送される。ここでビットマップデータは、1バンドずつ順次プリンタ2に転送される。
【0056】
プリンタ2は、インクジェット方式で記録媒体に印刷する印刷装置であり、通信I/F21、通信制御部22、印刷データバッファ23、印刷制御部24、ビデオI/F25、エンジン制御部26、および、プリンタエンジン27を備える。
【0057】
ホストコンピュータ1からのビットマップデータおよびコマンドは、通信I/F21を介して通信制御部22に入力される。
【0058】
通信制御部22は、何が入力されたのかを判別し、入力されたものが印刷データである場合は、その印刷データを印刷データバッファ23に入力する。また、入力されたものがステータス要求のためのコマンドである場合、通信制御部22は、ステータス情報を発生させ、通信I/F21・通信線3を介してホストコンピュータ1に送信する。
【0059】
ここで、通信制御部22は、印刷制御部24・エンジン制御部26・プリンタエンジン27の状態・制御などを示すデータに基づいて、ステータス情報を発生させる。
【0060】
印刷データバッファ23は、通信制御部22を介して入力されたバンドごとのビットマップデータを順次記憶する。
【0061】
印刷制御部24は、印刷データバッファ23に記憶されているビットマップデータを、1バンドずつ所定のタイミングで読み出す。
【0062】
印刷制御部24において読み出されたビットマップデータは、ビデオI/F25を介してエンジン制御部26に入力される。
【0063】
エンジン制御部26は、プリンタエンジン27の駆動制御を行う。プリンタエンジン27は、インクジェット方式で記録媒体上に画像を形成する。即ち、プリンタエンジン27は、入力された印刷データに基づいて、インクヘッドからインクを吐出する(インクドットを形成する)ことにより記録媒体上に画像を形成する。インクが吐出されることにより画像が形成された記録媒体は、インクが乾燥された後、図示しない排出部によってプリンタ2の外に排出される。
【0064】
なお、プリンタ2は、インクジェット方式に特に限定されるものではない。例えば、電子写真方式、ドットインパクト方式あるいは熱転写方式などの各種印刷方式のいずれかにより、画像データに基づいた画像を印刷するものでもかまわない。
【0065】
以下、本実施の形態の印刷システムにおいて特徴的な構成である通信制御部18におけるステータス要求について説明する。ここで、ステータス要求のタイミングは、印刷データ情報を用いて計算された画像形成時間と、ホストコンピュータ1からプリンタ2への印刷データの転送時間とに基づいて決定される。
【0066】
まず、印刷データ解析部13において作成され、データ格納部14に格納されている印刷データ情報の構成の一例について、図2に基づいて説明する。
【0067】
ここで、印刷データ生成部12において生成された印刷データの一例を図2に示す。印刷データは、印刷データ生成部12において、1バンドごとにビットマップデータとして生成される。
【0068】
なお、バンド数および1バンドあたりの大きさは特に限定されるものではない。ここでは、図2に示すように、ビットマップデータは、(N+1)個のバンド(バンド1〜バンド(N+1))からなり、また、4ラインのデータごとに1バンドとする。
【0069】
また、図2に示すビットマップデータの場合、データ格納部14に格納される印刷データ情報は、例えば次の表1に示すものとなる。表1は、印刷データ情報の一例として、バンド1〜3について示すものである。
【0070】
【表1】
【0071】
表1に示すように、印刷データ情報(データ情報)としては、各バンドのビットマップデータにおける左端のビット位置、右端のビット位置、および、データ量を含む。
【0072】
ここで、左端のビット位置とは、各バンドのビットマップデータにおけるビットのうち、最も左側に配されるビットの位置を示す。
【0073】
ところで、図2に示すビットマップデータは、同図に示すように、1ラインあたり最大24個の(図中、0〜23番のビット形成可能領域を記載)ビットの形成が可能である。
【0074】
即ち、左端のビット位置とは、インクヘッドがインクの吐出を開始する位置となる。例えば、各バンドのビットマップデータに基づいて、0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとする。この場合、1番目のバンド(バンド1)における左端のビット位置は、表1に示すように0番のビット形成可能領域となり、この左端のビット位置が、インク吐出開始位置となる。
【0075】
また、右端のビット位置とは、各バンドのビットマップデータにおけるビットのうち、最も右側に配されるビットの位置を示す。即ち、インクヘッドがインクの吐出を終了する位置となる。
【0076】
例えば、上記と同様に、バンド1が0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとすると、バンド1における右端のビット位置は、表1に示すように21番のビット形成可能領域となり、この右端のビット位置が、インク吐出終了位置となる。
【0077】
そして、さらに、インクヘッドを戻して、0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとする。この場合、バンド2においては、左端のビット位置である4番のビット形成可能領域がインク吐出開始位置に、右端のビット位置である19番のビット形成可能領域がインク吐出終了位置に対応する。
【0078】
また、表1に示すデータ量とは、各バンドにおける全ビット数である。例えば、バンド1の場合、1ライン目から4ライン目までのビット数はそれぞれ、19、21、19、15ビットであり、これらの合計は74ビットとなる。
【0079】
次に、画像形成時間および転送時間について、図2に基づいて説明する。ここでは、バンドN(第1矩形領域)のビットマップデータ(第1印刷データ)に基づく画像形成時間、および、バンドN+1(第2矩形領域)のビットマップデータ(第2印刷データ)の転送時間を用いて説明する。
【0080】
各バンドの画像形成時間とは、プリンタエンジン27が、ある1つのバンドのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめてから、その次に画像が形成される(転送される)バンドのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめるまでの時間をいう。
【0081】
ここで、インクヘッドからインクを吐出することにより、バンドNのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめてから、バンドN+1のビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめるまでの時間を、バンドNの画像形成時間T1とする。また、バンド(N+1)のビットマップデータをホストコンピュータ1からプリンタ2に転送するのに要する時間をバンド(N+1)の転送時間T2とする。
【0082】
バンドNの画像形成時間T1は、インクヘッドが右端のビット位置まで往復する時間となる。ここで、インクヘッドの移動速度が一定になるまでの加速時間をta(往路に対応)・ta´(復路に対応)、インクヘッドが一定速度から停止するまでの減速時間をtb(往路に対応)・tb´(復路に対応)、インクヘッドが一定速度で移動する時間をtL1(往路に対応)・tL2(復路に対応)とすると、バンドNの画像形成時間T1は、次式(1)を満足することとなる。
【0083】
T1=tL1+tL2+ta+tb+ta´+tb´ …(1)
なお、ta、ta´、tb、tb´は、それぞれ同じ値でも異なる値でもかまわない。
【0084】
また、ta´=tbの場合、バンドNの右端のビット位置からインクヘッドが減速しはじめ、停止した後反対方向に加速すると、図2に示すように、バンドNの右端からインクヘッドは一定速度で復路を移動することとなる。
【0085】
ここで、インクヘッドの移動速度(一定速度)をVとすると、tL1は、次式(2)を満足する。
【0086】
tL1=(バンドNにおける右端のビット位置とバンドNにおける左端のビット位置との距離)/V …(2)
また、tL2は、次式(3)を満足する。
【0087】
tL2=(バンドNにおける右端のビット位置とバンド(N+1)における左端のビット位置との距離)/V …(3)
さらに、通信線3を介したホストコンピュータ1からプリンタ2への転送速度をVtとすると、バンド(N+1)の転送時間T2は、次式(4)を満足する。
【0088】
T2=(バンド(N+1)のデータ量)/Vt …(4)
上述したバンドNの画像形成時間T1およびバンド(N+1)の転送時間T2は、印刷データ情報における左端のビット位置、右端のビット位置、および、データ量を用いて計算部17において計算される。
【0089】
続いて、ステータス要求を行うタイミングについて説明する。
【0090】
計算部17において計算されたバンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2とを通信制御部18において比較する。そして、通信制御部18は、その比較の結果、T1>T2の場合のみプリンタ2に対して、ステータス要求を行う。
【0091】
なお、プリンタ2がバンドNのビットマップデータを印刷している間、ホストコンピュータ1はバンドNの次に印刷されるバンド(N+1)を転送している。
【0092】
即ち、画像形成時間と比較して転送時間に余裕があるときのみ、ステータス要求を行うこととする。
【0093】
通常、ホストコンピュータ1は、プリンタ2に対して、印刷データであるビットマップデータを転送するとともに、ステータス要求を行う。また、プリンタ2は、ビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成する(印刷する)とともに、ステータス要求がなされた場合はステータス情報を作成してホストコンピュータ1に送信する。
【0094】
ここで、例えば、バンドNの画像形成時間T1およびバンド(N+1)の転送時間T2にかかわらず、予め設定された一定の時間間隔でホストコンピュータ1からプリンタ2にステータス要求を行うとする。
【0095】
このとき、例えば、T1=T2であるとすると、ステータス要求を行わないときは、バンドNの画像形成後、すみやかにバンド(N+1)の画像形成を開始することができる。一方、ステータス要求を行う、即ち、バンド(N+1)のビットマップデータの転送中に、ステータス要求の処理が割り込むと、ステータス情報の生成・送信(ステータス処理)の分、プリンタ2に負荷がかかることとなる。
【0096】
即ち、ステータス処理のためのみの時間が必要となり、このステータス処理のための時間が画像形成時間(印刷時間)として加算されることとなる。時間が加算されることとなり、ビットマップデータの印刷時間(全バンドのビットマップデータの画像形成(印刷)が終了までの時間)が長くなる。このように、プリンタ2のパフォーマンスが低下する。
【0097】
しかしながら、T1>T2の場合のみステータス要求を行うことにより、プリンタ2の負荷を小さくすることができる。即ち、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のために加算される時間が少なくなる。
【0098】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、ビットマップデータの印刷に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0099】
また、プリンタ2において、ステータス処理に要する時間(ステータス処理時間)をTsとすると、次式(5)
T1>T2+Ts …(5)
を満足する場合にのみステータス要求を行うようにしてもかまわない
これにより、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0100】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、ビットマップデータの印刷に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を防止することができる。
【0101】
ここで、上述したように、T1>T2の場合のみステータス要求を行うとすると、ステータス要求を行わないまま、所定バンド数以上のビットマップデータの画像形成を行ってしまうことがある。
【0102】
このような場合、ステータス要求を行わないまま予め設定されたバンド数のビットマップデータがプリンタ2に転送されたときは、通信制御部18は、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2との比較の結果がT1≦T2であっても、ステータス要求を行うようにすればよい。
【0103】
これにより、ステータス要求が行われなくなることを防止することができる。
【0104】
なお、プリンタ2に転送されたビットマップデータのバンド数は、タイマー15でカウントされている。
【0105】
また、タイマー15では、バンド数ではなく経過時間をカウントし、通信制御部18では、前にステータス要求があった後、予め設定された時間が経過したら、上記比較の結果がT1≦T2であっても、ステータス要求を行うようにしてもかまわない。
【0106】
次に、図3のフローチャートに基づいて、印刷データ(ビットマップデータ)の転送およびステータス要求の処理について説明する。ここでは、T1>T2+Tsを満足する場合にのみステータス要求を行う場合を説明する。
【0107】
まず、ユーザによって画像データの印刷要求がホストコンピュータ1に対してなされると、印刷データ生成部12において画像データに基づいて印刷データが生成され、データ格納部14に記憶される。また、印刷データ解析部13において、データ格納部14に記憶されたバンドごとの印刷データに基づいて、各バンドの印刷データに対応する印刷データ情報が作成される(S1)。
【0108】
続いて、印刷データ情報に基づいて、ある1つのバンド(第1矩形領域)の印刷データ(第1印刷データ)の画像形成時間(ここでは、バンドNの印刷データの画像形成時間T1)と、その次のバンド(第2矩形領域)の印刷データ(第2印刷データ)のプリンタ2への転送時間(ここでは、バンド(N+1)の印刷データの転送時間T2)とを、計算部17において計算する。
【0109】
その後、画像形成時間T1と転送時間T2とを通信制御部18において比較する。そして、T1>T2+Tsの場合(S2でYES)、通信制御部18は、データ格納部14から1バンド分(ここではバンド(N+1))の印刷データを読み出し、プリンタ2に転送する(S3)とともに、ステータス要求のためのコマンドをプリンタ2に送信する。なお、このとき、プリンタ2のプリンタエンジン27では、前に転送されたバンド(ここでは、バンドN)の印刷データに基づいた画像形成が行われている。
【0110】
また、通信制御部18は、転送したバンド(ここではバンド(N+1))のインク吐出開始位置、即ち、そのバンドの印刷データにおける左端のビット位置を、データ格納部14から読み出し、プリンタ2に送信する(S4)。
【0111】
このように、インク吐出開始位置を送信することにより、ビット形成可能領域のうち、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に、通信制御部18を介してエンジン制御部26に入力することができる。
【0112】
これにより、プリンタエンジン27におけるインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができる。
【0113】
なお、インク吐出開始位置の送信のタイミングは、対応する画像形成の開始前であれば特に限定されるものではない。例えば、インク吐出開始位置は、印刷データを転送するとき、印刷データとともに送信してもかまわない。
【0114】
その後、プリンタステータス取得部16はステータス情報を取得(S8)する。
【0115】
一方、T1≦T2+Tsの場合(S2でNO)、通信制御部18は、データ格納部14から1バンド分(ここではバンド(N+1))の印刷データを読み出し、プリンタ2に転送する(S5)。
【0116】
また、通信制御部18は、転送したバンド(ここではバンド(N+1))のインク吐出開始位置を、データ格納部14から読み出し、プリンタ2に送信する(S6)。
【0117】
続いて、ステータス要求を行わないまま予め設定されたバンド数(所定バンド数)の印刷データがプリンタ2に転送されている場合(S7でYES)、通信制御部18は、ステータス要求を行い、ステータス情報を取得する(S8)。一方、予め設定されたバンド数はまだ転送されていない場合(S7でNO)、ステータス要求は行わない。
【0118】
そして、全バンドの印刷データの印刷が終了するまで、S2〜S8を繰り返す(S9)。
【0119】
以上のように、印刷システムは、入力された画像データをビットマップ化することにより複数のバンドからなるビットマップデータに変換し、該ビットマップデータをバンドごとにプリンタ2に順次転送して、プリンタ2に、記録媒体上にビットマップデータに基づく画像を形成させる。また、ある1つバンドのビットマップデータに基づいたプリンタ2における画像形成時間が、その次に転送するバンドのビットマップデータの転送時間より長いときのみ、プリンタ2に対してステータス要求を行う。
【0120】
即ち、ホストコンピュータ1は、画像形成時間と転送時間とを計算する計算部17と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみプリンタ2に対してステータス要求を行う通信制御部18とを備える。
【0121】
これにより、プリンタ2の負荷を小さくすることができる。即ち、あるバンドのビットマップデータに基づく画像形成時間と、その次に転送するバンドのビットマップデータの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0122】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、ビットマップデータの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0123】
【発明の効果】
本発明の印刷制御方法は、以上のように、第1矩形領域の第1印刷データに基づいた印刷装置における画像形成時間が、第1印刷データの次に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間より長いときのみ、印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0124】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0125】
このため、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができるといった効果を奏する。
【0126】
本発明の印刷制御装置は、上記記載の印刷制御方法を用いて、印刷装置にステータス要求を行う構成である。
【0127】
これにより、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止するとともに、ステータス要求を効率よく行う印刷制御装置を提供することができるといった効果を奏する。
【0128】
本発明の印刷制御装置は、以上のように、第1矩形領域の第1印刷データに基づく画像形成時間と、第1印刷データの次に印刷装置に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間とを計算する計算手段と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行う制御手段とを備える構成である。
【0129】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0130】
この結果、ステータス要求を効率よく行うとともに、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができるといった効果を奏する。
【0131】
本発明の印刷制御装置は、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段が、印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0132】
これにより、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段は、画像形成時間と転送時間との長短にかかわらず、強制的に印刷装置に対してステータス要求を行うことができる。従って、ステータス要求が行われなくなることを防止することができるといった効果を奏する。
【0133】
本発明の印刷システムは、以上のように、上記記載の印刷制御装置と、印刷制御装置から印刷データが転送され、記録媒体上に印刷データに基づく画像を形成する印刷装置とを備える構成である。
【0134】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができ、印刷装置の負荷を小さくすることができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0135】
この結果、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができ、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができるといった効果を奏する。
【0136】
本発明の印刷システムは、印刷装置における第1印刷データに基づく画像形成時間をT1、第1印刷データの次に印刷制御装置から印刷装置に転送される第2印刷データの転送時間をT2、印刷装置がステータス要求に応答するためステータス情報の生成および送信に要するステータス処理時間をTsとすると、
T1>T2+Ts
を満足するときにのみ、印刷制御装置は印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0137】
これにより、第1印刷データの画像形成時間T1と第2印刷データの転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0138】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、印刷データに基づく画像形成に要する時間の長時間化を防止することができ、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0139】
本発明の印刷システムは、印刷装置が、インクを吐出することにより画像を形成する構成である。
【0140】
これにより、インクジェット方式で画像形成を行う印刷装置を用いた印刷システムにおいて、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、画像形成に要する時間の長時間化を防止することができるといった効果を奏する。
【0141】
本発明の印刷システムは、印刷制御装置が、各矩形領域の印刷データに基づいて、矩形領域ごとに、印刷装置によるインク吐出開始位置と、インク吐出終了位置と、印刷データを構成するインクドット数とを示すデータ情報を生成するデータ情報生成手段を備える構成である。
【0142】
これにより、データ情報におけるインクドット数(データ量)を用いて、転送時間を計算することができる。また、データ情報におけるインク吐出開始位置およびインク吐出終了位置を用いて、画像形成時間を計算することができる。さらに、例えば、インク吐出開始位置を印刷装置に送信することにより、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に入力することができる。
【0143】
従って、印刷装置においてインクを吐出するインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る印刷システムの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】ビットマップデータの構成を説明する図である。
【図3】T1>T2+Tsを満足する場合にのみステータス要求を行う場合の、印刷データの転送およびステータス要求の処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ(印刷制御装置)
2 プリンタ(印刷装置)
3 通信線
12 印刷データ生成部(印刷データ生成手段)
13 印刷データ解析部(データ情報生成手段)
14 データ格納部
15 タイマー
16 プリンタステータス取得部
17 計算部(計算手段)
18 通信制御部(通信手段、制御手段)
22 通信制御部
24 印刷制御部
27 プリンタエンジン
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置に対して印刷データを転送するとともにステータス要求を行う印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタやスキャナがホストコンピュータにネットワーク接続あるいはローカル接続された印刷システムでは、プリンタは、ホストコンピュータから印刷データを受信し、この印刷データに基づいてプリンタエンジンを駆動することにより、記録媒体上に所定の印刷を行う。
【0003】
ここで、ホストコンピュータから送信される印刷データは、ホストコンピュータ上でアプリケーションなどを用いて作成したものであっても、スキャナにより読み取った画像データをホストコンピュータ上で編集などを行ったものであってもかまわない。
【0004】
ところで、プリンタは、上述したようにホストコンピュータからの印刷データに基づいて記録媒体への印刷を行うとともに、プリンタのステータス(状態)情報をホストコンピュータに送信している。ここで、プリンタのステータス情報とは、例えば、プリンタの動作状況や印刷用紙(記録媒体)詰まり、あるいはインク・トナー切れなどのエラー情報が含まれる。
【0005】
即ち、ホストコンピュータは、プリンタのステータス情報を取得するために、プリンタに対してステータス情報を生成するように設定するコマンドを送信する。そしてさらに、プリンタに対してステータス情報を送信するように要求する。
【0006】
このプリンタから送信されたステータス情報は、ホストコンピュータにおいて文字や図形などの表示可能な形に変換され、ホストコンピュータのディスプレイなどに表示される。
【0007】
また、このようなホストコンピュータからプリンタに対するステータス情報送信の指示(ステータス要求)は、通常、予め設定した一定時間間隔毎に、即ち一定のタイミングで行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホストコンピュータからプリンタに対するステータス情報送信の指示を予め設定された一定のタイミングで行うとすると、プリンタがホストコンピュータから印刷データの受信中であるか否かにかかわらず、一定時間が経過するたびにステータス情報を作成し、ホストコンピュータに送信しなければならない。
【0009】
即ち、ホストコンピュータがプリンタに対して、印刷データ送信中であっても上述したように一定のタイミングでプリンタのステータス情報を要求すると、プリンタは印刷データを受信し、それを解析して印刷するとともに、ステータス情報を作成してホストコンピュータに送信しなければならない。
【0010】
従って、ステータス情報の作成・送信の分、負荷がかかることとなり、プリンタのパフォーマンスが低下する。これにより、印刷データの印刷時間(印刷終了までの時間)が長くなる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷に要する時間の長時間化を防止することができる印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の印刷制御方法は、上記の課題を解決するために、入力された画像データをビットマップ化することにより複数の矩形領域からなる印刷データに変換し、該印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送して、上記印刷装置に、記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成させる印刷制御方法において、第1矩形領域の第1印刷データに基づいた上記印刷装置における画像形成時間が、上記第1印刷データの次に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間より長いときのみ、上記印刷装置に対してステータス要求を行うことを特徴としている。
【0013】
ここで、例えば、第1印刷データの画像形成時間および第2印刷データの転送時間にかかわらず、予め設定された一定の時間間隔でステータス要求を行うとする。
【0014】
このとき、例えば、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とが等しいとすると、ステータス要求を行わないときは、第1印刷データの画像形成後、すみやかに第2印刷データの画像形成を開始することができる。一方、ステータス要求を行う、即ち、第2印刷データの転送中に、ステータス要求の処理が割り込むと、ステータス情報の生成・送信(ステータス処理)の分、印刷装置に負荷がかかることとなる。
【0015】
即ち、ステータス処理のためのみの時間が必要となり、この分の時間が画像形成時間(印刷時間)として加算されることとなる。従って、印刷データの画像形成時間(全印刷データの画像形成(印刷)が終了までの時間)が長くなり、印刷装置のパフォーマンスが低下することとなる。
【0016】
しかしながら、上記の構成によれば、印刷装置の負荷を小さくすることができる。即ち、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0017】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0018】
本発明の印刷制御装置は、上記の課題を解決するために、上記記載の印刷制御方法を用いて、印刷装置にステータス要求を行うことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止するとともに、ステータス要求を効率よく行う印刷制御装置を提供することができる。
【0020】
本発明の印刷制御装置は、上記の課題を解決するために、入力された画像データをビットマップ化して複数の矩形領域からなる印刷データに変換する印刷データ生成手段と、上記印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送する通信手段とを備え、印刷装置が記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成するように制御する印刷制御装置において、第1矩形領域の第1印刷データに基づく画像形成時間と、上記第1印刷データの次に上記印刷装置に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間とを計算する計算手段と、上記画像形成時間と上記転送時間とを比較し、上記画像形成時間が上記転送時間より長いときのみ上記印刷装置に対してステータス要求を行う制御手段とを備えることを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0022】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。
【0023】
上記の印刷制御装置は、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段が、印刷装置に対してステータス要求を行うことが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段は、画像形成時間と転送時間との長短にかかわらず、強制的に印刷装置に対してステータス要求を行うことができる。従って、ステータス要求が行われなくなることを防止することができる。
【0025】
本発明の印刷システムは、上記の課題を解決するために、上記記載の印刷制御装置と、印刷制御装置から印刷データが転送され、記録媒体上に印刷データに基づく画像を形成する印刷装置とを備えることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、印刷装置の負荷を小さくすることができる。即ち、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0027】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0028】
上記の印刷システムは、印刷装置における第1印刷データに基づく画像形成時間をT1、第1印刷データの次に印刷制御装置から印刷装置に転送される第2印刷データの転送時間をT2、印刷装置がステータス要求に応答するためステータス情報の生成および送信に要するステータス処理時間をTsとすると、
T1>T2+Ts
を満足するときにのみ、印刷制御装置は印刷装置に対してステータス要求を行うことが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、第1印刷データの画像形成時間T1と第2印刷データの転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0030】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、印刷データに基づく画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を防止することができる。
【0031】
上記の印刷システムは、印刷装置が、インクを吐出することにより画像を形成することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、インクジェット方式で画像形成を行う印刷装置を用いた印刷システムにおいて、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。
【0033】
上記の印刷システムは、印刷制御装置が、各矩形領域の印刷データに基づいて、矩形領域ごとに、印刷装置によるインク吐出開始位置と、インク吐出終了位置と、印刷データを構成するインクドット数とを示すデータ情報を生成するデータ情報生成手段を備えることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、データ情報におけるインクドット数(データ量)を用いて、転送時間を計算することができる。
【0035】
また、データ情報におけるインク吐出開始位置およびインク吐出終了位置を用いて、画像形成時間を計算することができる。
【0036】
さらに、例えば、インク吐出開始位置を印刷装置に送信することにより、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に入力することができる。
【0037】
これにより、印刷装置においてインクを吐出するインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0039】
図1は、本実施の形態に係る印刷システムの要部の構成を示す。同図に示すように、本印刷システムは、ホストコンピュータ(印刷制御装置)1とプリンタ(印刷装置)2とが通信線3を介して接続されている。
【0040】
ここで、通信線3は、双方向にデータ転送が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、汎用のパラレルやシリアルなどの通信線を用いることができる。また、通信線3として、ホストコンピュータ1とプリンタ2との間に、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介在させてもかまわない。
【0041】
通信線3を介して、プリンタ2は、ホストコンピュータ1から転送された印刷データに基づいて記録媒体への印刷を行うとともに、プリンタ2のステータス情報(状態情報)をホストコンピュータ1に送信する。
【0042】
ここで、プリンタ2のステータス情報とは、例えば、プリンタ2の動作状況や、印刷用紙(記録媒体)詰まり、あるいはインク・トナー切れなどのエラー情報などが含まれる。
【0043】
即ち、ホストコンピュータ1は、プリンタ2のステータス情報を取得するために、プリンタ2に対してステータス情報を生成するように設定するコマンドを送信し、さらに、プリンタ2からホストコンピュータ1にそのステータス情報を送信するように要求(以下、ステータス要求と称する)する。
【0044】
このプリンタ2から送信されたステータス情報は、ホストコンピュータ1において文字や図形などの表示可能な形に変換され、ホストコンピュータ1のディスプレイなどの表示手段に表示される。
【0045】
図1に示すように、ホストコンピュータ1は、アプリケーション11、印刷データ生成部(印刷データ生成手段)12、印刷データ解析部(データ情報生成手段)13、データ格納部14、タイマー15、プリンタステータス取得部16、計算部(計算手段)17、通信制御部(通信手段、制御手段)18、および、通信I/F19を備える。
【0046】
アプリケーション11は、アプリケーションソフトウェアであり、ユーザはこのアプリケーション11を用いて、ホストコンピュータ1上で画像を作成・編集する。ユーザがホストコンピュータ1に対して画像の印刷要求をすると、アプリケーション11を用いて作成・編集された画像は、画像データとして印刷データ生成部12に入力される。
【0047】
印刷データ生成部12は、入力された画像データをビットマップ化し、印刷用のデータ(以下、印刷データと称する)であるビットマップデータに展開(変換)する。このビットマップデータは、複数のバンド(矩形領域)により構成される。
【0048】
印刷データ解析部13は、印刷データ生成部12において生成されたビットマップデータを、バンドごとに解析して印刷データ情報を作成する。
【0049】
データ格納部14は、印刷データ生成部12において生成された複数のバンドからなるビットマップデータと、印刷データ解析部13において作成されたバンドごとの印刷データ情報とを格納(記憶)する。このビットマップデータおよび印刷データ情報については、後に詳述する。
【0050】
タイマー15は、ステータス要求の間隔を、例えば、バンド数や経過時間でカウントする。
【0051】
プリンタステータス取得部16は、プリンタ2のステータス情報を取得する。また、プリンタステータス取得部16は、ステータス情報を取得すると、そのステータス情報を文字や図形などの表示可能な形に変換し、図示しない表示手段にステータスモニタなどとして表示する。
【0052】
計算部17は、データ格納部14における印刷データ情報に基づいて、後述するプリンタ2へのビットマップデータ(1バンドごと)の転送時間、および、各バンドのビットマップデータに対するプリンタ2における画像形成時間を計算する。
【0053】
通信制御部18は、計算部17における上記計算結果、および、タイマー15によるカウントに基づいて、プリンタ2に対するステータス要求および印刷データの転送制御を行う。ここで、通信制御部18によってステータス要求されることによりプリンタ2から受信したステータス情報は、通信制御部18を介してプリンタステータス取得部16に入力され表示される。
【0054】
なお、ホストコンピュータ1にさらにスキャナなどの画像読取装置が接続されている場合、印刷データは、画像読取装置によって読み取られ、アプリケーション11上で編集などが施された画像データに基づいて生成されることとなる。
【0055】
印刷データ生成部12において生成されデータ格納部14に格納されているビットマップデータ(印刷データ)と、ステータス要求のためのコマンドとは、通信制御部18により通信I/F19を介してプリンタ2に転送される。ここでビットマップデータは、1バンドずつ順次プリンタ2に転送される。
【0056】
プリンタ2は、インクジェット方式で記録媒体に印刷する印刷装置であり、通信I/F21、通信制御部22、印刷データバッファ23、印刷制御部24、ビデオI/F25、エンジン制御部26、および、プリンタエンジン27を備える。
【0057】
ホストコンピュータ1からのビットマップデータおよびコマンドは、通信I/F21を介して通信制御部22に入力される。
【0058】
通信制御部22は、何が入力されたのかを判別し、入力されたものが印刷データである場合は、その印刷データを印刷データバッファ23に入力する。また、入力されたものがステータス要求のためのコマンドである場合、通信制御部22は、ステータス情報を発生させ、通信I/F21・通信線3を介してホストコンピュータ1に送信する。
【0059】
ここで、通信制御部22は、印刷制御部24・エンジン制御部26・プリンタエンジン27の状態・制御などを示すデータに基づいて、ステータス情報を発生させる。
【0060】
印刷データバッファ23は、通信制御部22を介して入力されたバンドごとのビットマップデータを順次記憶する。
【0061】
印刷制御部24は、印刷データバッファ23に記憶されているビットマップデータを、1バンドずつ所定のタイミングで読み出す。
【0062】
印刷制御部24において読み出されたビットマップデータは、ビデオI/F25を介してエンジン制御部26に入力される。
【0063】
エンジン制御部26は、プリンタエンジン27の駆動制御を行う。プリンタエンジン27は、インクジェット方式で記録媒体上に画像を形成する。即ち、プリンタエンジン27は、入力された印刷データに基づいて、インクヘッドからインクを吐出する(インクドットを形成する)ことにより記録媒体上に画像を形成する。インクが吐出されることにより画像が形成された記録媒体は、インクが乾燥された後、図示しない排出部によってプリンタ2の外に排出される。
【0064】
なお、プリンタ2は、インクジェット方式に特に限定されるものではない。例えば、電子写真方式、ドットインパクト方式あるいは熱転写方式などの各種印刷方式のいずれかにより、画像データに基づいた画像を印刷するものでもかまわない。
【0065】
以下、本実施の形態の印刷システムにおいて特徴的な構成である通信制御部18におけるステータス要求について説明する。ここで、ステータス要求のタイミングは、印刷データ情報を用いて計算された画像形成時間と、ホストコンピュータ1からプリンタ2への印刷データの転送時間とに基づいて決定される。
【0066】
まず、印刷データ解析部13において作成され、データ格納部14に格納されている印刷データ情報の構成の一例について、図2に基づいて説明する。
【0067】
ここで、印刷データ生成部12において生成された印刷データの一例を図2に示す。印刷データは、印刷データ生成部12において、1バンドごとにビットマップデータとして生成される。
【0068】
なお、バンド数および1バンドあたりの大きさは特に限定されるものではない。ここでは、図2に示すように、ビットマップデータは、(N+1)個のバンド(バンド1〜バンド(N+1))からなり、また、4ラインのデータごとに1バンドとする。
【0069】
また、図2に示すビットマップデータの場合、データ格納部14に格納される印刷データ情報は、例えば次の表1に示すものとなる。表1は、印刷データ情報の一例として、バンド1〜3について示すものである。
【0070】
【表1】
【0071】
表1に示すように、印刷データ情報(データ情報)としては、各バンドのビットマップデータにおける左端のビット位置、右端のビット位置、および、データ量を含む。
【0072】
ここで、左端のビット位置とは、各バンドのビットマップデータにおけるビットのうち、最も左側に配されるビットの位置を示す。
【0073】
ところで、図2に示すビットマップデータは、同図に示すように、1ラインあたり最大24個の(図中、0〜23番のビット形成可能領域を記載)ビットの形成が可能である。
【0074】
即ち、左端のビット位置とは、インクヘッドがインクの吐出を開始する位置となる。例えば、各バンドのビットマップデータに基づいて、0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとする。この場合、1番目のバンド(バンド1)における左端のビット位置は、表1に示すように0番のビット形成可能領域となり、この左端のビット位置が、インク吐出開始位置となる。
【0075】
また、右端のビット位置とは、各バンドのビットマップデータにおけるビットのうち、最も右側に配されるビットの位置を示す。即ち、インクヘッドがインクの吐出を終了する位置となる。
【0076】
例えば、上記と同様に、バンド1が0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとすると、バンド1における右端のビット位置は、表1に示すように21番のビット形成可能領域となり、この右端のビット位置が、インク吐出終了位置となる。
【0077】
そして、さらに、インクヘッドを戻して、0番から23番に向かう方向にインクの吐出を行うことにより画像の形成を行うとする。この場合、バンド2においては、左端のビット位置である4番のビット形成可能領域がインク吐出開始位置に、右端のビット位置である19番のビット形成可能領域がインク吐出終了位置に対応する。
【0078】
また、表1に示すデータ量とは、各バンドにおける全ビット数である。例えば、バンド1の場合、1ライン目から4ライン目までのビット数はそれぞれ、19、21、19、15ビットであり、これらの合計は74ビットとなる。
【0079】
次に、画像形成時間および転送時間について、図2に基づいて説明する。ここでは、バンドN(第1矩形領域)のビットマップデータ(第1印刷データ)に基づく画像形成時間、および、バンドN+1(第2矩形領域)のビットマップデータ(第2印刷データ)の転送時間を用いて説明する。
【0080】
各バンドの画像形成時間とは、プリンタエンジン27が、ある1つのバンドのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめてから、その次に画像が形成される(転送される)バンドのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめるまでの時間をいう。
【0081】
ここで、インクヘッドからインクを吐出することにより、バンドNのビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめてから、バンドN+1のビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成しはじめるまでの時間を、バンドNの画像形成時間T1とする。また、バンド(N+1)のビットマップデータをホストコンピュータ1からプリンタ2に転送するのに要する時間をバンド(N+1)の転送時間T2とする。
【0082】
バンドNの画像形成時間T1は、インクヘッドが右端のビット位置まで往復する時間となる。ここで、インクヘッドの移動速度が一定になるまでの加速時間をta(往路に対応)・ta´(復路に対応)、インクヘッドが一定速度から停止するまでの減速時間をtb(往路に対応)・tb´(復路に対応)、インクヘッドが一定速度で移動する時間をtL1(往路に対応)・tL2(復路に対応)とすると、バンドNの画像形成時間T1は、次式(1)を満足することとなる。
【0083】
T1=tL1+tL2+ta+tb+ta´+tb´ …(1)
なお、ta、ta´、tb、tb´は、それぞれ同じ値でも異なる値でもかまわない。
【0084】
また、ta´=tbの場合、バンドNの右端のビット位置からインクヘッドが減速しはじめ、停止した後反対方向に加速すると、図2に示すように、バンドNの右端からインクヘッドは一定速度で復路を移動することとなる。
【0085】
ここで、インクヘッドの移動速度(一定速度)をVとすると、tL1は、次式(2)を満足する。
【0086】
tL1=(バンドNにおける右端のビット位置とバンドNにおける左端のビット位置との距離)/V …(2)
また、tL2は、次式(3)を満足する。
【0087】
tL2=(バンドNにおける右端のビット位置とバンド(N+1)における左端のビット位置との距離)/V …(3)
さらに、通信線3を介したホストコンピュータ1からプリンタ2への転送速度をVtとすると、バンド(N+1)の転送時間T2は、次式(4)を満足する。
【0088】
T2=(バンド(N+1)のデータ量)/Vt …(4)
上述したバンドNの画像形成時間T1およびバンド(N+1)の転送時間T2は、印刷データ情報における左端のビット位置、右端のビット位置、および、データ量を用いて計算部17において計算される。
【0089】
続いて、ステータス要求を行うタイミングについて説明する。
【0090】
計算部17において計算されたバンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2とを通信制御部18において比較する。そして、通信制御部18は、その比較の結果、T1>T2の場合のみプリンタ2に対して、ステータス要求を行う。
【0091】
なお、プリンタ2がバンドNのビットマップデータを印刷している間、ホストコンピュータ1はバンドNの次に印刷されるバンド(N+1)を転送している。
【0092】
即ち、画像形成時間と比較して転送時間に余裕があるときのみ、ステータス要求を行うこととする。
【0093】
通常、ホストコンピュータ1は、プリンタ2に対して、印刷データであるビットマップデータを転送するとともに、ステータス要求を行う。また、プリンタ2は、ビットマップデータに基づいて記録媒体上に画像を形成する(印刷する)とともに、ステータス要求がなされた場合はステータス情報を作成してホストコンピュータ1に送信する。
【0094】
ここで、例えば、バンドNの画像形成時間T1およびバンド(N+1)の転送時間T2にかかわらず、予め設定された一定の時間間隔でホストコンピュータ1からプリンタ2にステータス要求を行うとする。
【0095】
このとき、例えば、T1=T2であるとすると、ステータス要求を行わないときは、バンドNの画像形成後、すみやかにバンド(N+1)の画像形成を開始することができる。一方、ステータス要求を行う、即ち、バンド(N+1)のビットマップデータの転送中に、ステータス要求の処理が割り込むと、ステータス情報の生成・送信(ステータス処理)の分、プリンタ2に負荷がかかることとなる。
【0096】
即ち、ステータス処理のためのみの時間が必要となり、このステータス処理のための時間が画像形成時間(印刷時間)として加算されることとなる。時間が加算されることとなり、ビットマップデータの印刷時間(全バンドのビットマップデータの画像形成(印刷)が終了までの時間)が長くなる。このように、プリンタ2のパフォーマンスが低下する。
【0097】
しかしながら、T1>T2の場合のみステータス要求を行うことにより、プリンタ2の負荷を小さくすることができる。即ち、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のために加算される時間が少なくなる。
【0098】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、ビットマップデータの印刷に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0099】
また、プリンタ2において、ステータス処理に要する時間(ステータス処理時間)をTsとすると、次式(5)
T1>T2+Ts …(5)
を満足する場合にのみステータス要求を行うようにしてもかまわない
これにより、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0100】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、ビットマップデータの印刷に要する時間の長時間化を防止することができる。即ち、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を防止することができる。
【0101】
ここで、上述したように、T1>T2の場合のみステータス要求を行うとすると、ステータス要求を行わないまま、所定バンド数以上のビットマップデータの画像形成を行ってしまうことがある。
【0102】
このような場合、ステータス要求を行わないまま予め設定されたバンド数のビットマップデータがプリンタ2に転送されたときは、通信制御部18は、バンドNの画像形成時間T1とバンド(N+1)の転送時間T2との比較の結果がT1≦T2であっても、ステータス要求を行うようにすればよい。
【0103】
これにより、ステータス要求が行われなくなることを防止することができる。
【0104】
なお、プリンタ2に転送されたビットマップデータのバンド数は、タイマー15でカウントされている。
【0105】
また、タイマー15では、バンド数ではなく経過時間をカウントし、通信制御部18では、前にステータス要求があった後、予め設定された時間が経過したら、上記比較の結果がT1≦T2であっても、ステータス要求を行うようにしてもかまわない。
【0106】
次に、図3のフローチャートに基づいて、印刷データ(ビットマップデータ)の転送およびステータス要求の処理について説明する。ここでは、T1>T2+Tsを満足する場合にのみステータス要求を行う場合を説明する。
【0107】
まず、ユーザによって画像データの印刷要求がホストコンピュータ1に対してなされると、印刷データ生成部12において画像データに基づいて印刷データが生成され、データ格納部14に記憶される。また、印刷データ解析部13において、データ格納部14に記憶されたバンドごとの印刷データに基づいて、各バンドの印刷データに対応する印刷データ情報が作成される(S1)。
【0108】
続いて、印刷データ情報に基づいて、ある1つのバンド(第1矩形領域)の印刷データ(第1印刷データ)の画像形成時間(ここでは、バンドNの印刷データの画像形成時間T1)と、その次のバンド(第2矩形領域)の印刷データ(第2印刷データ)のプリンタ2への転送時間(ここでは、バンド(N+1)の印刷データの転送時間T2)とを、計算部17において計算する。
【0109】
その後、画像形成時間T1と転送時間T2とを通信制御部18において比較する。そして、T1>T2+Tsの場合(S2でYES)、通信制御部18は、データ格納部14から1バンド分(ここではバンド(N+1))の印刷データを読み出し、プリンタ2に転送する(S3)とともに、ステータス要求のためのコマンドをプリンタ2に送信する。なお、このとき、プリンタ2のプリンタエンジン27では、前に転送されたバンド(ここでは、バンドN)の印刷データに基づいた画像形成が行われている。
【0110】
また、通信制御部18は、転送したバンド(ここではバンド(N+1))のインク吐出開始位置、即ち、そのバンドの印刷データにおける左端のビット位置を、データ格納部14から読み出し、プリンタ2に送信する(S4)。
【0111】
このように、インク吐出開始位置を送信することにより、ビット形成可能領域のうち、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に、通信制御部18を介してエンジン制御部26に入力することができる。
【0112】
これにより、プリンタエンジン27におけるインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができる。
【0113】
なお、インク吐出開始位置の送信のタイミングは、対応する画像形成の開始前であれば特に限定されるものではない。例えば、インク吐出開始位置は、印刷データを転送するとき、印刷データとともに送信してもかまわない。
【0114】
その後、プリンタステータス取得部16はステータス情報を取得(S8)する。
【0115】
一方、T1≦T2+Tsの場合(S2でNO)、通信制御部18は、データ格納部14から1バンド分(ここではバンド(N+1))の印刷データを読み出し、プリンタ2に転送する(S5)。
【0116】
また、通信制御部18は、転送したバンド(ここではバンド(N+1))のインク吐出開始位置を、データ格納部14から読み出し、プリンタ2に送信する(S6)。
【0117】
続いて、ステータス要求を行わないまま予め設定されたバンド数(所定バンド数)の印刷データがプリンタ2に転送されている場合(S7でYES)、通信制御部18は、ステータス要求を行い、ステータス情報を取得する(S8)。一方、予め設定されたバンド数はまだ転送されていない場合(S7でNO)、ステータス要求は行わない。
【0118】
そして、全バンドの印刷データの印刷が終了するまで、S2〜S8を繰り返す(S9)。
【0119】
以上のように、印刷システムは、入力された画像データをビットマップ化することにより複数のバンドからなるビットマップデータに変換し、該ビットマップデータをバンドごとにプリンタ2に順次転送して、プリンタ2に、記録媒体上にビットマップデータに基づく画像を形成させる。また、ある1つバンドのビットマップデータに基づいたプリンタ2における画像形成時間が、その次に転送するバンドのビットマップデータの転送時間より長いときのみ、プリンタ2に対してステータス要求を行う。
【0120】
即ち、ホストコンピュータ1は、画像形成時間と転送時間とを計算する計算部17と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみプリンタ2に対してステータス要求を行う通信制御部18とを備える。
【0121】
これにより、プリンタ2の負荷を小さくすることができる。即ち、あるバンドのビットマップデータに基づく画像形成時間と、その次に転送するバンドのビットマップデータの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0122】
これにより、ステータス要求を効率よく行うとともに、ビットマップデータの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによるプリンタ2のパフォーマンスの低下を抑制することができる。
【0123】
【発明の効果】
本発明の印刷制御方法は、以上のように、第1矩形領域の第1印刷データに基づいた印刷装置における画像形成時間が、第1印刷データの次に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間より長いときのみ、印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0124】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0125】
このため、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができる。この結果、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができるといった効果を奏する。
【0126】
本発明の印刷制御装置は、上記記載の印刷制御方法を用いて、印刷装置にステータス要求を行う構成である。
【0127】
これにより、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成(印刷)に要する時間の長時間化を防止するとともに、ステータス要求を効率よく行う印刷制御装置を提供することができるといった効果を奏する。
【0128】
本発明の印刷制御装置は、以上のように、第1矩形領域の第1印刷データに基づく画像形成時間と、第1印刷データの次に印刷装置に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間とを計算する計算手段と、画像形成時間と転送時間とを比較し、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行う制御手段とを備える構成である。
【0129】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0130】
この結果、ステータス要求を効率よく行うとともに、例えば、印刷装置における印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができるといった効果を奏する。
【0131】
本発明の印刷制御装置は、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段が、印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0132】
これにより、画像形成時間が転送時間より長いときのみ印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したときは、制御手段は、画像形成時間と転送時間との長短にかかわらず、強制的に印刷装置に対してステータス要求を行うことができる。従って、ステータス要求が行われなくなることを防止することができるといった効果を奏する。
【0133】
本発明の印刷システムは、以上のように、上記記載の印刷制御装置と、印刷制御装置から印刷データが転送され、記録媒体上に印刷データに基づく画像を形成する印刷装置とを備える構成である。
【0134】
これにより、第1印刷データの画像形成時間と第2印刷データの転送時間とに差があるため、この差を利用してステータス処理を行うことができ、印刷装置の負荷を小さくすることができる。従って、ステータス処理のためのみに必要な時間が少なくなる。
【0135】
この結果、ステータス要求を効率よく行うとともに、印刷データの画像形成に要する時間の長時間化を防止することができ、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を抑制することができるといった効果を奏する。
【0136】
本発明の印刷システムは、印刷装置における第1印刷データに基づく画像形成時間をT1、第1印刷データの次に印刷制御装置から印刷装置に転送される第2印刷データの転送時間をT2、印刷装置がステータス要求に応答するためステータス情報の生成および送信に要するステータス処理時間をTsとすると、
T1>T2+Ts
を満足するときにのみ、印刷制御装置は印刷装置に対してステータス要求を行う構成である。
【0137】
これにより、第1印刷データの画像形成時間T1と第2印刷データの転送時間T2との差が、ステータス処理時間Tsよりも大きいため、その時間(T1とT2)の差を利用して、ステータス処理を行うことができる。従って、ステータス処理のためのみの時間は必要ない。
【0138】
この結果、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、印刷データに基づく画像形成に要する時間の長時間化を防止することができ、ステータス要求を行うことによる印刷装置のパフォーマンスの低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0139】
本発明の印刷システムは、印刷装置が、インクを吐出することにより画像を形成する構成である。
【0140】
これにより、インクジェット方式で画像形成を行う印刷装置を用いた印刷システムにおいて、ステータス要求をさらに効率よく行うとともに、画像形成に要する時間の長時間化を防止することができるといった効果を奏する。
【0141】
本発明の印刷システムは、印刷制御装置が、各矩形領域の印刷データに基づいて、矩形領域ごとに、印刷装置によるインク吐出開始位置と、インク吐出終了位置と、印刷データを構成するインクドット数とを示すデータ情報を生成するデータ情報生成手段を備える構成である。
【0142】
これにより、データ情報におけるインクドット数(データ量)を用いて、転送時間を計算することができる。また、データ情報におけるインク吐出開始位置およびインク吐出終了位置を用いて、画像形成時間を計算することができる。さらに、例えば、インク吐出開始位置を印刷装置に送信することにより、次に画像形成(インクの吐出)を開始する位置を、インク吐出開始前に入力することができる。
【0143】
従って、印刷装置においてインクを吐出するインクヘッドを効率よく移動させることができ、画像形成時間の短縮を図ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る印刷システムの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】ビットマップデータの構成を説明する図である。
【図3】T1>T2+Tsを満足する場合にのみステータス要求を行う場合の、印刷データの転送およびステータス要求の処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ(印刷制御装置)
2 プリンタ(印刷装置)
3 通信線
12 印刷データ生成部(印刷データ生成手段)
13 印刷データ解析部(データ情報生成手段)
14 データ格納部
15 タイマー
16 プリンタステータス取得部
17 計算部(計算手段)
18 通信制御部(通信手段、制御手段)
22 通信制御部
24 印刷制御部
27 プリンタエンジン
Claims (8)
- 入力された画像データをビットマップ化することにより複数の矩形領域からなる印刷データに変換し、該印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送して、上記印刷装置に、記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成させる印刷制御方法において、
第1矩形領域の第1印刷データに基づいた上記印刷装置における画像形成時間が、上記第1印刷データの次に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間より長いときのみ、上記印刷装置に対してステータス要求を行うことを特徴とする印刷制御方法。 - 請求項1に記載の印刷制御方法を用いて、印刷装置にステータス要求を行うことを特徴とする印刷制御装置。
- 入力された画像データをビットマップ化して複数の矩形領域からなる印刷データに変換する印刷データ生成手段と、上記印刷データを矩形領域ごとに印刷装置に順次転送する通信手段とを備え、印刷装置が記録媒体上に上記印刷データに基づく画像を形成するように制御する印刷制御装置において、
第1矩形領域の第1印刷データに基づく画像形成時間と、上記第1印刷データの次に上記印刷装置に転送する第2矩形領域の第2印刷データの転送時間とを計算する計算手段と、
上記画像形成時間と上記転送時間とを比較し、上記画像形成時間が上記転送時間より長いときのみ上記印刷装置に対してステータス要求を行う制御手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 上記画像形成時間が上記転送時間より長いときのみ上記印刷装置に対してステータス要求を行うことで、ステータス要求が行われないまま予め設定された所定矩形領域数または所定時間が経過したとき、上記制御手段は、上記印刷装置に対してステータス要求を行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
- 請求項3または4に記載の印刷制御装置と、
上記印刷制御装置から上記印刷データが転送され、記録媒体上に、上記印刷データに基づく画像を形成する印刷装置とを備えることを特徴とする印刷システム。 - 上記印刷装置における上記第1印刷データに基づく画像形成時間をT1、上記第1印刷データの次に上記印刷制御装置から上記印刷装置に転送される第2印刷データの転送時間をT2、上記印刷装置がステータス要求に応答するためステータス情報の生成および送信に要するステータス処理時間をTsとすると、
T1>T2+Ts
を満足するときにのみ、上記印刷制御装置は上記印刷装置に対してステータス要求を行うことを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。 - 上記印刷装置は、インクを吐出することにより画像を形成することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
- 上記印刷制御装置は、上記各矩形領域の印刷データに基づいて、矩形領域ごとに、上記印刷装置によるインク吐出開始位置と、インク吐出終了位置と、印刷データを構成するインクドット数とを示すデータ情報を生成するデータ情報生成手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の印刷システム。
Priority Applications (1)
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JP2002162804A JP2004013286A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 印刷制御方法および印刷制御装置並びにそれを備えた印刷システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004013286A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100412783C (zh) * | 2005-11-24 | 2008-08-20 | 富士施乐株式会社 | 打印装置及其控制方法以及打印系统 |
KR20200104358A (ko) | 2017-12-24 | 2020-09-03 | 오에이티 아그리오 가부시키가이샤 | 니트로페놀 화합물 및 살진드기 활성 화합물을 함유하는 상승적 살비제 조성물 |
KR20200106910A (ko) | 2017-12-24 | 2020-09-15 | 오에이티 아그리오 가부시키가이샤 | 니트로페놀 화합물 및 살충 활성 화합물을 함유하는 상승적 살충제 조성물 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162804A patent/JP2004013286A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100412783C (zh) * | 2005-11-24 | 2008-08-20 | 富士施乐株式会社 | 打印装置及其控制方法以及打印系统 |
KR20200104358A (ko) | 2017-12-24 | 2020-09-03 | 오에이티 아그리오 가부시키가이샤 | 니트로페놀 화합물 및 살진드기 활성 화합물을 함유하는 상승적 살비제 조성물 |
KR20200106910A (ko) | 2017-12-24 | 2020-09-15 | 오에이티 아그리오 가부시키가이샤 | 니트로페놀 화합물 및 살충 활성 화합물을 함유하는 상승적 살충제 조성물 |
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