JP2004013090A - 帯電部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間にわたる使用、特に、印加電圧として、交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電部材の使用においても帯電部材表面層の劣化を防止し、帯電性を低下を防止し、長期にわたって安定な帯電性、画像を提供することが可能な、帯電部材を提供すること。
【解決手段】導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層と、ポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする帯電部材とする。
【選択図】 図1
【解決手段】導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層と、ポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする帯電部材とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は帯電部材に関する。詳しくは本発明は、感光層を有する被帯電体に接触配置され、帯電電圧が印加されて、被帯電体を帯電処理する帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光層を有する被帯電体を帯電させる帯電方式の主流は、コロナ帯電であった。コロナ帯電器は、直径50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離し対向物に帯電を付与する。その過程において、ワイヤー自身も汚れを吸着し、定期的な清掃、交換が必要となる。また、コロナ放電にともない、オゾンが大量に発生してしまう。この帯電器から発生するオゾンから派生するコロナ生成物の影響で、感光体の表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなり、これが感光体表面の電荷の横流れの原因となり、画像流れといわれる画像品質低下を引き起こす等の欠点を有している。
【0003】
この様な画像流れを防止する為に、実公平1−34205号に記載されている様なヒータによって加熱する方法や、特公平2−38956号に記載されている様なマグネットローラと磁性トナーから形成されたブラシにより被帯電体である像担持体、例えば感光体表面を摺擦してコロナ生成物を取り除く方法、特開昭61−100780号に記載されている様な弾性ローラによる感光体表面の摺擦でコロナ生成物を取り除く方法等が用いられている。
【0004】
感光体表面を摺擦する方法は、例えば極めて硬度の高いアモルファスシリコン系感光体で使用されるが、クリーニング装置が大きくなる等、装置の小型化が困難な一因となる。また、感光体表面に水分が吸着するのを防止するために、ヒータによる常時加熱は、消費電力量の増大を招く。こうしたヒータの容量は通常15〜80W程度と必ずしも大電力量といった印象を得ないが、夜間も含め常時通電されているケースがほとんどであり、消費電力量の増大を招く。
【0005】
また、こうした画像流れの原因であるオゾンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康障害のおそれもあり、従来からオゾン除去フィルタで分解無害化して排出している。特にパーソナルユースの場合、排出オゾン量は極力低減しなければならない。このように経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方式が求められている。
【0006】
そのために帯電部材を感光体に押圧接触させて帯電部材に帯電電圧を印加することで、感光体を所定の極性、電位に帯電させる接触帯電方式が知られており、特に帯電部材の形状がローラ型の帯電ローラが広く用いられている。これらの接触式の帯電方式はコロナ帯電方式に比べて、感光体に所望の電位を与えるのに必要とされる印加電圧の低電圧化が図れ、帯電部材がコロナ帯電器に比べて小型化が可能であり、帯電過程で発生するオゾン量が極微量であり、コロナ帯電と違いシールドが不要であるため装置の排気系の構成の簡素化が可能となり、帯電過程において発生したオゾン並びにオゾン生成物が被帯電体面である像担持体、例えば感光体表面に付着したコロナ生成物の影響で、感光体表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなることによる表面の低抵抗化による画像流れをコロナ帯電方式に比べて低減できる等の長所を有している。
【0007】
帯電部材としては例えば帯電電圧を印加させる導電性基体上に感光体と均一に接触させるために、導電性あるいは中抵抗な弾性層と、表面汚染による帯電不良を防止する表面層で形成される。導電性あるいは中抵抗な弾性層としてはEPDM(エチレン・プロピレンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムに必要な抵抗値に応じてカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属粉、過塩素酸塩等の固体電解質や界面活性剤などの導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値を調整したものが挙げられる。表面層としてはポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン、フッ素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂やNBR、EPDM、CR(クロロプレンゴム)、IR、BR(ブタジエンゴム)、ヒドリンゴム等のゴム類などがあり、そこに例えば、導電性あるいは絶縁性のフィラーや添加剤等を混合し、所望の抵抗値を得たものがある。
【0008】
帯電部材の抵抗が電気的に低抵抗であると、感光体にピンホール等の欠陥が生じた際にその部分に電流が集中してしまい、該位置を含む被帯電体の長手方向全域で帯電電圧が印加されずに帯電不良が発生してしまい、また高抵抗であると、帯電部材中で印加帯電電圧の電圧が降下してしまい帯電不良が生じやすいため、中抵抗体が好ましい。
【0009】
ところで、帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧の方が直流電圧のみを印加した場合に比べて、交流電圧による均し効果によって被帯電体の帯電均一性が向上することが知られている。
【0010】
帯電部材としては、環境問題の点から長期間の使用にも耐えうる帯電部材が望まれており、フィルムなどの導電性基体上にポリイミド樹脂からなる半導電性被膜を形成させて帯電させる接触帯電チップの技術が特開平10−90970号に記載されている。
【0011】
しかしながら、上述のような帯電部材を長期間使用すると、接触帯電方式においても帯電は感光体と帯電部材との微少な空隙で放電により行われているために、帯電部材の感光体との接触する表面およびその近傍では温度が高くなり、発生するオゾン、放電による電気的なエネルギーによって帯電部材の表面層の抵抗値、硬度が変化し、また摩耗や剥がれが生じ、帯電部材の劣化、破壊によって画像不良が生じてしまい、帯電部材の寿命が短くなる問題を有しており、特に、印加電圧として交流電圧を重畳した電圧を印加した場合にこの現象は顕著に現れる。
【0012】
また、フィルムなどの薄い基材上に表面層を形成させた帯電部材の場合、感光体との接触を均一にさせることが難しく、スジ状の帯電ムラを生じやすく、また、高速なプロセススピードで使用される場合、機械的な衝撃を吸収できず、ビビリなどで帯電部材が破壊される(特に表面層が剥がれやすい)という問題点が生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述の問題点を解決した帯電部材を提供することを目的とするものである。すなわち、長期間にわたる使用、特に、印加電圧として交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電部材の使用においても帯電部材表面層の劣化を防止し、帯電性を低下を防止し、長期にわたって安定な帯電性、画像を提供することが可能な帯電部材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の通りである。
(1)感光層を有する被帯電体に接触して帯電を行う帯電部材において、該帯電部材は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層とポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする帯電部材。
(2)前記表面層は、マイクロ硬度が94度以下であることを特徴とする(1)の帯電部材。
(3)前記表面層は、膜厚が1〜50μmであることを特徴とする(1)又は(2)の帯電部材。
(4)前記表面層のポリイミド樹脂は、耐交流電圧性が1.0μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの帯電部材。
(5)前記表面層は、体積抵抗値が1×104〜1×1010Ωcmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの帯電部材。
(6)前記弾性層はゴム部材からなり、該ゴム部材は、加硫ゴム物理試験方法のJIS K 6301の老化試験の200℃×1時間における空気加熱老化試験において、3号形のダンベル試験片で試験前の切断時の伸びの値に対して試験後の切断時の伸びの値が75〜120%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの帯電部材。
(7)前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)のいずれかであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの帯電部材。
(8)前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴムであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの帯電部材。
(9)前記弾性層は、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの帯電部材。
(10)前記表面層は、弾性層上に樹脂チューブを被覆することにより形成されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの帯電部材。
(11)前記表面層は、弾性層上にフィルムを巻き付けることにより形成されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかの帯電部材。
(12)前記帯電部材を用いて帯電を行う際、該帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか一項の帯電部材。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
<1>本発明の帯電部材
本発明の帯電部材は、感光層を有する被帯電体に接触して帯電を行う帯電部材において、該帯電部材は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層とポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする。
【0017】
上述したように、感光体に接触して被帯電体を帯電させる帯電部材においては、長期間の使用により帯電に必要な帯電電流、放電量が多くなるため、特に表面層に使用される材料が熱、放電、さらに摩耗によるダメージを受け劣化しやすい。そのために、本発明では帯電部材の表面層は耐熱性、耐摩耗性、耐放電、オゾンによるダメージを受けにくい点を兼ね備えたポリイミド樹脂を使用することが好ましい。
【0018】
ポリイミドは被膜強度が高いため、接触帯電部材として使用した場合に、感光体表面からの異物によって汚染され難いという利点もある。
【0019】
ポリイミドは5員環イミドを分子構造中に有する樹脂であって、例えば、「ポリイミド樹脂」(技術情報協会、1991年2月25日発行)に記載されている各種のものを用いることが可能である。
【0020】
ポリイミド樹脂を帯電部材の表面層に用いる場合、ポリイミドはポリマー状態では適当な可溶な溶剤がないので、ポリイミドの前駆体であるポリアミックス酸のワニスとして用い、その溶液を塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させて樹脂層を形成させる方法が挙げられる。
【0021】
本発明において使用可能なポリイミド前駆体としては特に制限はないが、例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものなどが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等が挙げられ、芳香族テトラカルボン酸としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0022】
芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との反応は、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機極性溶剤中で行われる。
【0023】
このようなポリイミドワニス材料としては、例えば、バイヤーML、バイラリン(デュポン製)、トレニース、セミコファイン、フォトニース(東レ製)、TVE、ケミタイト(東芝ケミカル製)、PIQ(日立化成工業製)、U−ワニス(宇部興産製)、パイメル(旭化成製)、サーモタイト(昭和電線製)、Uイミド(ユニチカ製)等が使用できる。
【0024】
ポリイミド樹脂の表面層は、前述のように予め加熱硬化させて樹脂層を形成させる方法が挙げられるが、その形成方法としては、チューブやフィルム形状としてポリイミド樹脂表面層を予め硬化させた状態で形成しておき、それを、例えばチューブの場合は空気を送り込みながら弾性層上に被せたり、またフィルムの場合は導電性の両面テープなどを用いて弾性層上に巻き付けて表面性を形成させる方法が挙げられる。
【0025】
ポリイミドの硬化は高温での処理になるため、ディッピングやスプレー塗布などで塗工した後にゴムや樹脂を用いた弾性層とともに加熱硬化させると、硬化温度が高いために、弾性層が熱によって劣化(硬化劣化、あるいは軟化劣化現象等)し、弾性層の硬度、体積抵抗値、伸び等が変化してしまいやすいので、チューブやフィルム形状として表面層を形成させることで弾性層への影響を少なくすることが可能になる。
【0026】
特にチューブ形状が好ましい。フィルム形状を巻き付けて表面層を形成する方法であると、巻き付けることで繋ぎ目が生じ、表面に段差ができてしまい、その段差によって帯電不良が生じることがあることから、チューブ形状を被覆することが好ましい。
【0027】
チューブの作製方法は、上述のポリアミックス酸のワニスを用い、その溶液を円筒状の金属製芯体に塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させた後に、芯体を除去する方法などが挙げられる。
【0028】
フィルムの作製方法は、上述のポリアミックス酸のワニスを用い、その溶液を平らな金属板に塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させた後に、金属板を除去する方法などが挙げられる。
【0029】
本発明に用いることが出来るポリイミド樹脂製のチューブやフィルムとしては、例えば、カプトン(東レ・デュポン製)、ユーピレックス(宇部興産製)、アピカル(鐘淵化学工業製)、ノバックス(三菱化学製)、メタルーセント(東洋メタライジング製)等が使用される。
【0030】
また、ポリイミドは体積抵抗値が高いので、加熱硬化させる前の樹脂溶液に導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値の調整を行うことが好ましい。
【0031】
表面層に添加する導電性付与剤としては、カーボンブラック、カーボン繊維、よう化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素、金属粉、金属酸化物、過塩素酸塩等が挙げられ、特に、酸素欠乏物質を含む金属酸化物及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子(例えばアンチモン、ビスマス等)を少量含むもの等は、導電性が高いことから、すなわち電子正孔対を多く含有することから好ましく用いられる。
【0032】
酸素欠乏物質を含む金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、MoO3等またはこれらの複合酸化物が挙げられ、異種原子を含む金属酸化物の例としては、ZnOに対してはAl、In等、TiO2に対しては、Nb、Ta等、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の異種原子を含むものが挙げられる。
【0033】
上記導電性付与剤は、カップリング剤等で表面処理されることも好ましい。表面処理されることで導電性付与剤の疎水性が増し、抵抗値の環境依存性が抑制されたり、また帯電時の通電により導電性付与剤が酸化されにくく、通電による抵抗変化(上昇)が抑制されるので好ましい。特に、酸化されやすい酸素欠乏物質を含む金属酸化物等の導電性付与剤への表面処理はより効果が発揮される。
【0034】
表面層の体積抵抗値は、具体的には1×104〜1×1010Ωcmが好ましい。1×1010Ωcmより高すぎると被帯電体へ帯電電圧が正常に印加されずに、帯電性が悪化し帯電不良を招きやすいので好ましくなく、1×104Ωcmより低すぎると被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中し、他の部分への帯電性が低下してしまい、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって表面層が破壊されやすいので好ましくない。より好ましくは1×105〜1×108Ωcmである。
【0035】
表面層の抵抗値測定は、JIS K6911に準じて体積抵抗値を測定することにより行われる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0036】
また表面層のマイクロ硬度は94度以下が好ましい。94度を越えると表面層が硬いことを意味し、硬い表面層を用いると長期の耐久によって帯電工程時の帯電部材と感光体との摺擦によって感光体にトナーの付着(融着)が生じやすくなり、基層である弾性層の弾性に追随できずに表面層の剥がれ等が発生しやすいので好ましくない。より好ましくは85度以下であり、さらに好ましくは80度以下である。
【0037】
マイクロ硬度は、表面層に用いる材料の種類や配合比、表面層の膜厚、導電剤の分散状態により調整することができる。表面層のマイクロ硬度は、最終の帯電部材(ローラ)の状態で、室温23℃、湿度60%環境下でマイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器株式会社製)を用いて測定できる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0038】
表面層の膜厚は1〜50μmの範囲が好ましい。50μmを越えるとマイクロ硬度が高くなりやすく融着等の画像不良が発生しやすくなるので好ましくなく、1μm未満であると表面層の耐圧性が小さくなりやすく、感光体にピンホール等の欠陥が存在した場合に、その部分に過剰な電流が流れ、リークしやすくなるので好ましくない。
【0039】
表面層の膜厚は、帯電部材の断面を剃刀で切断し、断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、観察像から膜厚を計測することにより測定できる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0040】
また、表面層のポリイミド樹脂は、耐交流電圧性が1.0μm以下であることが好ましい。耐交流電圧性が1.0μm以上であると、感光体を帯電する際に発生するオゾンや電気的なエネルギーによってポリイミド樹脂の結合が切断されたりすることがあり、それによってポリイミド樹脂の劣化や破壊が進み、表面層が剥がれたりして、帯電部材の寿命が短くなる傾向がある。
【0041】
耐交流電圧性は、図2に示すような装置を用いて測定できる。すなわち、アルミシートやマイラーシート等の絶縁シート上に、金、白金などの金属蒸着シートや導電性樹脂(導電性顔料を分散した樹脂等)を塗工したシート等からなる導電性シート1上に、表面層に使用されるポリイミド樹脂2のみを厚さ25μmで形成させる。形成方法としては、ディッピング等で塗工する方法、あるいはフィルム状に成形させたポリイミド樹脂を載せても構わない。
【0042】
ステンレス製の芯金や抵抗値が1×104Ω以下のゴムロール等からなる、直径12mmの導電性ローラ3を、500g〜1kg程度の荷重5やバネ圧によって押しあて、そのままの状態で室温23℃湿度65%環境下で2kVpp、900Hz、650Vdcの交流重畳印加電圧を30分間印加させる。
【0043】
印加させた後のポリイミド樹脂表面層には、導電性ローラとポリイミド樹脂表面のニップ部の両側の微少空間領域での放電により、ポリイミド樹脂が劣化(結合などが切断されて)し飛ばされ、凹みが形成される。その凹みの深さをローラのニップの両側近傍(A)の領域の表面粗さを小坂研究所社製、表面粗さ測定器SE−30Hを用い、測定針移動速度:0.3mm/s、カットオフ値:0.8mmに設定して、図3に示す、放電領域部の樹脂部の凹み深さBを測定することにより、耐交流電圧性を測定する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0044】
本発明の帯電部材の弾性層は、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下のものが好ましく、より好ましくは1×104〜1×1010Ωcmの中抵抗の弾性層が好ましい。弾性層が1×1010Ωcm以上であると帯電性が悪化し帯電不良を招くので好ましくなく、1×104Ωcm以下では印加する電圧によって表面層のみに負荷がかかってしまい、被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中しやすくなり、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって表面層が破壊されやすくなってしまう。
【0045】
また、弾性層の抵抗を調整する方法としては弾性部材に導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値の調整を行うことが可能である。弾性層に添加する導電性付与剤としては、上記で示した表面層に添加することが可能である各種導電材料を用いることができる。
【0046】
弾性層の抵抗は以下のようにして測定できる。帯電部材の表面層を弾性層がむき出しになるまで研磨機で研磨した、弾性層のみの帯電部材、あるいは表面層を被覆する前の弾性層のみの帯電部材を準備し、室温23℃湿度60%環境下で、アースに接続した金属製のドラムを使用し、この金属ドラムに帯電部材を両端部分にそれぞれ両側で総圧15.69N、片側7.8Nの圧力を持って押し当て、金属ドラムを100mm/sの速度で回転させる。このとき、ローラ形状の帯電部材は従動で回転させる。そして、帯電部材の導電性基体の部分にアースに接続した高圧電源から−100Vの電圧を印加し、その系に流れた電流量を測定し、金属製ドラムと帯電部材のニップの面積と弾性層の膜厚より体積抵抗値を算出する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0047】
本発明の帯電部材の弾性層はゴム部材からなる。
【0048】
弾性層を形成するゴム部材としては、例えば、ウレタン、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、EVA(エチレン・ビニルアセテート共重合体)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、EPM(エチレン・プロピレンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム類が挙げられる。
【0049】
前述のように表面層を溶剤溶液を塗布して形成させる場合は、弾性層とともに300℃程度の高温で加熱硬化させるので、弾性層を形成させるゴム部材も耐熱性の高い材料が特に好ましい。
【0050】
さらに、帯電部材として長期の使用にわたる場合も帯電時のエネルギーにより発熱が生じ、その熱による劣化も生じることからも耐熱性の高い材料が好ましい。
【0051】
従って、ゴム部材としては加硫ゴム物理試験方法のJIS K 6301の老化試験の200℃×1時間における空気加熱老化試験において、3号形のダンベル試験片で試験前の切断時の伸びの値に対して、試験後の切断時の伸びの値が75〜120%であるゴム部材を用いるのが好ましい。
【0052】
伸びの値が75%以下あるいは120%以上であると、弾性層が熱によって硬化劣化あるいは軟化劣化などの現象を生じ、ゴムとしての特性が損なわれた事になり、具体的には抵抗値の変化や、被帯電体への接触性等に影響が発生するので好ましくない。
【0053】
伸びの値が75〜120%を満足させるゴム部材としては、たとえばシリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)が好ましく用いられ、特にシリコンゴムが好適である。また、これらのゴム部材を組み合わせて用いることも可能である。
【0054】
また、弾性層の硬度は、JIS K6301のA型硬度計により規定された硬度において35〜75度であることが好ましい。70度以上では硬度が高すぎて、感光体との接触状態を均一にすることが困難であり、帯電ムラを生じやすく、また35度以下では圧縮永久歪みが悪化し、長期間放置することで帯電部材が変形し、被帯電体への帯電が不均一になりやすいので好ましくない。特に好ましくは45〜60度である。上記弾性層の硬度は、弾性層を形成させる部材の材料の選定や、導電剤の添加量や導電剤の分散状態、弾性層の厚さ等によって調整することが可能である。
【0055】
帯電部材に弾性を有した弾性層を設けることで、感光体と帯電部材の接触が均一になり、不均一な帯電ムラも防止され、また耐久での機械的な衝撃を吸収できるので表面層の剥がれなどの防止にもなる。
【0056】
弾性層をカップリング剤等で表面処理を行ったり、表面層とのプライマー層を設けても構わない。表面処理を行ったり、プライマー層を設けることで、表面層との密着性を向上させ、表面層の剥がれ等を防止させることが可能になる。
【0057】
弾性層の形成方法は、押し出し成形器等で導電性基体の外周に弾性層が形成されるような金型にゴム材料を押しだし、加熱、加硫をする方法や、チューブ型やプレート型に弾性層を形成させて導電性基体上にはめ込む、接着させる方法などがある。
【0058】
本発明の帯電部材に用いる導電性基体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、銅などの金属や、ガラス、樹脂、紙などの非導電性の表面にアルミニウム、パラジウム、ロジウム、金、白金などの金属を蒸着もしくはラミネートすることにより導電性の薄膜を形成し、そこに帯電電圧を印加するようにした導電性基体等が挙げられる。
【0059】
また、上記金属などの上に、カーボンブラック等の導電性顔料の分散などを行い、抵抗値が104Ωcm以下とした樹脂や、弾性を有するエピクロルヒドリンゴム等の導電性ゴムなどを形成させたものも導電性基体として用いることができる。導電性基体の形状にはプレート状、ブレード形状、芯金形状などが挙げられる。
【0060】
上記導電性基体を用い、その上に弾性層及び表面層が形成された、本発明の帯電部材の抵抗値としては、1×104〜1×1010Ωであることが好ましい。1×1010Ω以上であると被帯電体への帯電性が悪化し帯電不良を招くので好ましくなく、1×104Ω以下では被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中し、他の部分への帯電性が低下してしまい、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって中抵抗層が劣化してしまうので好ましくない。
【0061】
帯電部材の抵抗値の測定は、以下のようにして行う。室温23℃湿度60%環境下で、アースに接続した金属製のドラムを使用し、この金属ドラムに帯電部材を両端部分に両側で総圧15.69N、片側7.8Nの圧力を持って押し当て、金属ドラムを100mm/sの速度で回転させる。このとき、ローラ形状の帯電部材は従動で回転させる。そして、帯電部材の導電性基体の部分にアースに接続した高圧電源から−100Vの電圧を印加し、その系に流れた帯電部材の長手の幅1cmあたりの電流量を測定し、抵抗を算出する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0062】
また、ポリイミド樹脂表面層を有した帯電部材の表面をカップリング剤等で化学的に表面処理を行っても構わない。カップリング剤の種類を変えて表面処理を行うことで、感光体との密着性のコントロールや、表面層に付着するトナー等の汚染物質の低減、トナーの帯電極性をコントロールし帯電部から排出し、現像部での回収を可能にするなどの機能を有する事が可能になる。
【0063】
本発明の帯電部材の具体的な構成例を図1に示す。
【0064】
帯電部材の構成としては、例えば、帯電部材がローラ形状の場合、高圧電源35から電圧を印加する導電性基体32上に直接弾性を有する弾性層33が接触形成され、その上にポリイミド樹脂を用いた表面層34が設けられる構成である。
【0065】
本発明の帯電部材を用いて、被帯電体である感光体等を帯電させる際、感光体に接触して用いられることが好ましく、帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることが好ましい。直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を用いることにより、交流電圧による均し効果によって被帯電体の帯電均一性が向上する。
【0066】
また帯電部材は弾性層、表面層の他にも、その間にさらに抵抗を調整する抵抗調整層や、表面層と弾性層の密着性を向上させるプライマー層を設けても構わない。その場合、それらの抵抗は、上記の表面層の抵抗値に記載した範囲であることが好ましい。
【0067】
また、本発明では上記の構成を有する帯電部材であれば、プレート形状やベルト形状、ブレード形状等の様々な形態の帯電部材を用いることができるが、感光体に従動する形態のものが好ましく、ロール形状であることがより好ましい。
【0068】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に示すが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
【0069】
<1>帯電ローラの作製
(1)表面層用樹脂の調整
(表面層用樹脂の調整1)
ポリアミド酸(Uイミド、ユニチカ製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させて、導電性付与剤として酸化スズを用い、ポリアミド酸100質量部に対して30質量部添加し、ペイントシェーカーで2時間ほど分散させて、表面層用樹脂溶液1を調製した。
【0070】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂1とする。なお膜厚の測定方法は、ローラの断面を剃刀で切断し、光学顕微鏡でその断面サンプルを観察する事で測定を行った。
【0071】
またアルミシートに上記ポリアミド酸(Uイミド、ユニチカ製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させた樹脂をバーコートで厚さ25μmに塗布し、300℃で30分間加熱硬化させた耐交流電圧性評価用シートを用意した。
【0072】
(表面層用樹脂の調整2)
外径11.7mmで肉厚1.5mmのステンレス素管を用意し、常法にしたがって、電気メッキにより銅メッキ層を形成し、その後、酸洗、水洗を行い、一般的な銅メッキステンレスパイプを、金属製芯体として用意をした。
【0073】
次いで、ポリアミド酸(U−ワニスS、宇部興産社製)を、溶剤ジメチルアセトアミド/ナフサ(9/1)中に溶解させて、導電性付与剤として酸化亜鉛を用い、ポリアミド酸100質量部に対して25質量部添加し、ペイントシェーカーで1時間ほど分散させて溶液を調製し、これを用意した金属製芯体の外周表面に室温にてディッピングで塗布した。
【0074】
その後この芯体を、350℃で30分間、加熱硬化させ、放冷後、芯体からポリイミドチューブを取り外した厚さ300μmのポリイミドチューブである表面層用樹脂2を作製した。
【0075】
弾性ローラに被覆する場合はポリイミドチューブにエアーを吹き込み、その外径を広げつつ、弾性ローラ上に被覆させる。
【0076】
またアルミシートに上記の方法で、円筒形の素管を平板にし、厚さ25μmに調整したポリイミドフィルムを作製し、アルミシート上に導電性の両面テープによって張り付けた耐交流電圧特性評価用シートをあわせて用意した。
【0077】
(表面層用樹脂の調整3)
トルエンに溶解させたN−メトキシメチル化ナイロン(トレジン、帝国化学産業(株)製)100質量部に対して、酸化チタン5質量部を添加し、ボールミルにて2時間かけて分散させた表面層用樹脂溶液3を調整した。
【0078】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより塗布し、120℃で1時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂3とする。
【0079】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートを用意した。
【0080】
(表面層用樹脂の調整4)
トルエンに溶解させたポリメチルメタクリレート100質量部に対して導電性カーボンブラック3質量部を添加し、ペイントシェーカーで3時間分散させた表面層用樹脂溶液4を調整した。
【0081】
弾性ローラ上に塗布する場合はスプレー塗工により塗布し、140℃で1.5時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂4とする。
【0082】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートもあわせて作製した。
【0083】
(表面層用樹脂の調整5)
トルエンに溶解させたポリビニルアルコール100質量部に対して酸化スズ20質量部を添加し、ペイントシェーカーで1.5時間分散させた表面層用樹脂溶液5を調整した。
【0084】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより塗布し、140℃で1時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂5とする。
【0085】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートもあわせて作製した。
【0086】
(表面層用樹脂の調整6)
酸化スズを添加しなかった以外は表面層用樹脂溶液1と同様に表面層用樹脂溶液6を作製した。
【0087】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂6とする。
【0088】
耐交流電圧性用シートも同様に作製した。
【0089】
(表面層用樹脂の調整7)
酸化スズを添加せず、導電性のカーボンブラックを20質量部添加したこと以外は表面層用樹脂溶液1と同様に表面層用樹脂溶液7を作製した。
【0090】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂7とする。
【0091】
耐交流電圧特性用シートも同様に作製した。
【0092】
(表面層用樹脂の調整8)
ポリアミド酸(ケミタイト、東芝ケミカル製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させて、導電性付与剤として酸化チタンを用い、ポリアミド酸100質量部に対して15質量部添加し、ペイントシェーカーで1時間ほど分散させた表面層用樹脂溶液8を調製した。
【0093】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより10μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂8とする。
【0094】
またアルミシートに前記ポリアミド酸を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させた樹脂をバーコートで厚さ25μmに塗布し、300℃で30分間加熱硬化させた耐交流電圧性評価用シートをあわせて用意した。
【0095】
(表面層用樹脂の調整9)
表面層用樹脂の調整2で作製したポリイミドチューブの膜厚を50μmとした以外はポリイミドチューブである表面層用樹脂2と同様のポリイミドチューブである表面層用樹脂9を作製した。
【0096】
表面層用樹脂2と同様に耐交流電圧性評価用シートを用意した。
【0097】
(表面層用樹脂の調整10)
表面用樹脂溶液1を用いて、弾性ローラ上に塗布する場合にディッピングにより0.2μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う以外は、表面層被覆用樹脂溶液1と同様の表面層被覆用樹脂溶液10を調整した。
【0098】
(2)弾性ローラの作製
(弾性ローラの作製1)
・シリコンゴム 100質量部
・パラフィンオイル 6質量部
・酸化亜鉛 6質量部
・高級脂肪酸 1質量部
・導電性カーボンブラック 8質量部
上記材料を50℃に調整した密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、このコンパウンドに原料のシリコンゴム100質量部に対し、加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール) 1質量部及びTMTD(テトラメチルチウラム・ジスルフィド) 1質量部、ZnMDC(ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛) 1質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練しゴムコンパウンドを作製した。
【0099】
直径8mmステンレス製の芯金を用意し、外径12mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、150℃、15分間加熱加硫し、体積抵抗値が3×102Ωcmの弾性ローラAを作製した。
【0100】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0101】
(弾性ローラの作製2)
導電性のカーボンブラックの添加量を3.5質量部とした以外は弾性ローラAと同様にして、体積抵抗値が9×103Ωcmの弾性ローラBを作製した。
【0102】
同様に3号ダンベル状の試験片も作製した。
【0103】
(弾性ローラの作製3)
・フッ素ゴム 100質量部
・ベンゼン 1質量部
・トリアリイソシアヌレート 5質量部
・高級脂肪酸 2質量部
・導電性カーボンブラック 10質量部
上記材料を密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、8mmステンレス製の芯金上に、外径12mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、170℃、20分間加熱加硫し、体積抵抗値が2×104Ωcmの弾性ローラCを作製した。
【0104】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0105】
上記材料を50℃に調整した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、このコンパウンドに原料のゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、加硫剤としての硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてのMBTS(ジベンゾチアジル・ジスルフィド) 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練しゴムコンパウンドを作製し、直径8mmステンレス製の芯金を用意し、外径16mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、150℃、1時間加熱加硫し、5×106Ωcmである弾性ローラDを作製した。
【0106】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0107】
(3)表面層に用いられる樹脂の耐交流電圧性の評価
上記表面層用樹脂1〜10の調整において作製した評価用シートを用いて、耐交流電圧性を測定した。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
(4)弾性層の老化試験方法による
上記弾性ローラA〜Dの作製において用意された3号ダンベル状の試験片を用いて、弾性層の老化試験方法による試験前の切断時の伸びに対して試験後の伸びの割合(試験後の伸び/試験前の伸び)を測定した。結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】
(5)帯電ローラの作製
上記の表面層用樹脂1〜10と弾性ローラA〜Dを組み合わせて帯電ローラ1〜14を作製した。帯電ローラの作製に使用した表面層用樹脂、弾性層を表3に示す。また、帯電ローラの特性(抵抗値、硬度、表面層のマイクロ硬度)も示す。
【0112】
【表3】
【0113】
【実施例1〜11、比較例1〜3】
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示すようにして評価を行った。
【0114】
本実施例では、画像形成装置としてレーザービームを用いたデジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置は、感光体の帯電手段としてローラ帯電部材の清掃部材を有したローラ帯電器を備え、現像手段として1成分ジャンピング現像方法を採用した1成分現像器を備え、転写手段としてローラ帯電器、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備えたネガ帯電、ネガトナーによる反転現像方式の画像形成装置である。
【0115】
また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は1体型のユニットとなっている。該装置を以下のように改造を施した。
【0116】
ローラ帯電器は、帯電ローラの清掃部材を除去し、帯電ローラとして上記帯電ローラ1〜14を用い、帯電ローラの両側の芯金部分をバネ(両側で総圧15.69N、片側7.8N)で感光体に押しつけ、感光体と従動で回転するようにし、帯電電圧を芯金に印加することで感光体を帯電させた。
【0117】
帯電電圧は−650Vの直流電圧に2400Vpp/1850Hzのサイン波を重畳する。
【0118】
現像電圧の直流成分は−360Vとし、環境は温度20℃、湿度3%の環境下で以下の評価を行った。
【0119】
また、評価方法に記載のかぶりは反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO., LTD社製、REFLECTOMETERMODEL TC−6DS)を用いて測定した。なお、プリント後の反射濃度最悪値をDS、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDr、DS−Drをかぶり量とした。
【0120】
(評価方法1)
室温30℃、湿度80%環境下で感光体の表面を感光体の基体が見えるまで0.5mm2程度はぎ取り、その感光体を用いて画出しを行い、リーク画像について、以下の評価項目に従い評価を行った。
○:リークによる画像欠陥が感光体上の欠陥部分で留まっている
○△:リークにより画像欠陥が感光体上の欠陥部分より幅5mmに留まっている
△:リークにより画像欠陥が感光体上の欠陥部分より幅20mmに留まっている
【0121】
(評価方法2)
室温23℃、湿度50%環境下において、ベタ白画像の画出しを行い、帯電不良の評価を紙上のかぶりを測定することで評価を行った。
○:かぶりが3%未満
○△:かぶりが3〜5%
△:かぶりが5〜10%
【0122】
(評価方法3)
上記画像形成装置において、現像、転写、クリーニング手段を除去し、帯電ローラに10mm当たり流れる交流の電流量が3.2mAになるような定電流制御を施した交流重畳電圧を印加しながら15時間空回転を行った後、帯電ローラの表面層を観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。
○:空回転後の表面層にややヒビ割れが認められ空回転後の体積抵抗値が初期の抵抗に比較して1/5〜5倍以内
△:空回転後の表面層にややヒビ割れが認められ空回転後の体積抵抗値が初期の抵抗に比較して1/10〜10倍以内
×:空回転後の表面層が削れて弾性層がむき出しの状態になり、空回転後の抵抗値が初期の抵抗に比較して 1/10未満か、10倍を越える。
【0123】
(評価方法4)
上記の画像形成装置を用いて室温23℃、湿度50%環境下A4横、画像比率5%の画像で5万枚の耐久を行った後に、評価方法1と同様の評価を行い、放電、熱による表面層の摩耗や劣化(抵抗値の変化等)を評価した。
【0124】
(評価方法5)
上記の画像形成装置を用いて評価方法4と同様に5万枚の耐久を行った後に、評価方法2と同様の評価を行い、帯電ローラ表面層の汚れによる感光体への帯電不良を評価した。
【0125】
(評価方法6)
室温32℃、湿度80%環境下で、A4横、画像比率15%の画像で3万枚の耐久を行った後に、ベタ黒、ハーフトーン画像の画出しを行い、感光体のトナー融着を以下の画像評価項目により評価を行った。
○:画像上にトナー融着によりポチ状の画像不良が全くなく優秀
○△:ポチ状の融着が僅かに見られる程度で良好
△:ポチ状の融着がやや見られるレベル
【0126】
以下の表3に実施例、比較例に使用した帯電ローラを示す。あわせて評価結果も表4に示す。
【0127】
【表4】
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電部材の表面層の、帯電時に発生するオゾンや、帯電時の電気的なエネルギーによる劣化が長期の使用によっても抑制され、長期に渡って感光体への良好な帯電性が維持される帯電部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラの構成図を示す。
【図2】耐交流電圧性の評価方法を説明する図を示す。
【図3】耐交流電圧性の評価方法を説明する図を示す。
【符号の説明】
1 導電性シート
2 評価されるポリイミド樹脂
3 導電性ローラ
4 高圧電源
5 荷重(おもり)
31 帯電部材
32 導電性基体(芯金)
33 弾性層
34 表面層
35 高圧電源
A 表面粗さ測定領域
B 交流電圧による表面層凹みの深さ
【発明の属する技術分野】
本発明は帯電部材に関する。詳しくは本発明は、感光層を有する被帯電体に接触配置され、帯電電圧が印加されて、被帯電体を帯電処理する帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光層を有する被帯電体を帯電させる帯電方式の主流は、コロナ帯電であった。コロナ帯電器は、直径50〜100μm程度の金属ワイヤーに5〜10kV程度の高電圧を印加し、雰囲気を電離し対向物に帯電を付与する。その過程において、ワイヤー自身も汚れを吸着し、定期的な清掃、交換が必要となる。また、コロナ放電にともない、オゾンが大量に発生してしまう。この帯電器から発生するオゾンから派生するコロナ生成物の影響で、感光体の表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなり、これが感光体表面の電荷の横流れの原因となり、画像流れといわれる画像品質低下を引き起こす等の欠点を有している。
【0003】
この様な画像流れを防止する為に、実公平1−34205号に記載されている様なヒータによって加熱する方法や、特公平2−38956号に記載されている様なマグネットローラと磁性トナーから形成されたブラシにより被帯電体である像担持体、例えば感光体表面を摺擦してコロナ生成物を取り除く方法、特開昭61−100780号に記載されている様な弾性ローラによる感光体表面の摺擦でコロナ生成物を取り除く方法等が用いられている。
【0004】
感光体表面を摺擦する方法は、例えば極めて硬度の高いアモルファスシリコン系感光体で使用されるが、クリーニング装置が大きくなる等、装置の小型化が困難な一因となる。また、感光体表面に水分が吸着するのを防止するために、ヒータによる常時加熱は、消費電力量の増大を招く。こうしたヒータの容量は通常15〜80W程度と必ずしも大電力量といった印象を得ないが、夜間も含め常時通電されているケースがほとんどであり、消費電力量の増大を招く。
【0005】
また、こうした画像流れの原因であるオゾンは、画像形成装置周囲の人や生物への健康障害のおそれもあり、従来からオゾン除去フィルタで分解無害化して排出している。特にパーソナルユースの場合、排出オゾン量は極力低減しなければならない。このように経済面からも帯電時の発生オゾン量を大幅に低減する方式が求められている。
【0006】
そのために帯電部材を感光体に押圧接触させて帯電部材に帯電電圧を印加することで、感光体を所定の極性、電位に帯電させる接触帯電方式が知られており、特に帯電部材の形状がローラ型の帯電ローラが広く用いられている。これらの接触式の帯電方式はコロナ帯電方式に比べて、感光体に所望の電位を与えるのに必要とされる印加電圧の低電圧化が図れ、帯電部材がコロナ帯電器に比べて小型化が可能であり、帯電過程で発生するオゾン量が極微量であり、コロナ帯電と違いシールドが不要であるため装置の排気系の構成の簡素化が可能となり、帯電過程において発生したオゾン並びにオゾン生成物が被帯電体面である像担持体、例えば感光体表面に付着したコロナ生成物の影響で、感光体表面が湿度に敏感となり水分を吸着し易くなることによる表面の低抵抗化による画像流れをコロナ帯電方式に比べて低減できる等の長所を有している。
【0007】
帯電部材としては例えば帯電電圧を印加させる導電性基体上に感光体と均一に接触させるために、導電性あるいは中抵抗な弾性層と、表面汚染による帯電不良を防止する表面層で形成される。導電性あるいは中抵抗な弾性層としてはEPDM(エチレン・プロピレンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムに必要な抵抗値に応じてカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属粉、過塩素酸塩等の固体電解質や界面活性剤などの導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値を調整したものが挙げられる。表面層としてはポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン、フッ素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂やNBR、EPDM、CR(クロロプレンゴム)、IR、BR(ブタジエンゴム)、ヒドリンゴム等のゴム類などがあり、そこに例えば、導電性あるいは絶縁性のフィラーや添加剤等を混合し、所望の抵抗値を得たものがある。
【0008】
帯電部材の抵抗が電気的に低抵抗であると、感光体にピンホール等の欠陥が生じた際にその部分に電流が集中してしまい、該位置を含む被帯電体の長手方向全域で帯電電圧が印加されずに帯電不良が発生してしまい、また高抵抗であると、帯電部材中で印加帯電電圧の電圧が降下してしまい帯電不良が生じやすいため、中抵抗体が好ましい。
【0009】
ところで、帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧の方が直流電圧のみを印加した場合に比べて、交流電圧による均し効果によって被帯電体の帯電均一性が向上することが知られている。
【0010】
帯電部材としては、環境問題の点から長期間の使用にも耐えうる帯電部材が望まれており、フィルムなどの導電性基体上にポリイミド樹脂からなる半導電性被膜を形成させて帯電させる接触帯電チップの技術が特開平10−90970号に記載されている。
【0011】
しかしながら、上述のような帯電部材を長期間使用すると、接触帯電方式においても帯電は感光体と帯電部材との微少な空隙で放電により行われているために、帯電部材の感光体との接触する表面およびその近傍では温度が高くなり、発生するオゾン、放電による電気的なエネルギーによって帯電部材の表面層の抵抗値、硬度が変化し、また摩耗や剥がれが生じ、帯電部材の劣化、破壊によって画像不良が生じてしまい、帯電部材の寿命が短くなる問題を有しており、特に、印加電圧として交流電圧を重畳した電圧を印加した場合にこの現象は顕著に現れる。
【0012】
また、フィルムなどの薄い基材上に表面層を形成させた帯電部材の場合、感光体との接触を均一にさせることが難しく、スジ状の帯電ムラを生じやすく、また、高速なプロセススピードで使用される場合、機械的な衝撃を吸収できず、ビビリなどで帯電部材が破壊される(特に表面層が剥がれやすい)という問題点が生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上述の問題点を解決した帯電部材を提供することを目的とするものである。すなわち、長期間にわたる使用、特に、印加電圧として交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電部材の使用においても帯電部材表面層の劣化を防止し、帯電性を低下を防止し、長期にわたって安定な帯電性、画像を提供することが可能な帯電部材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の通りである。
(1)感光層を有する被帯電体に接触して帯電を行う帯電部材において、該帯電部材は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層とポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする帯電部材。
(2)前記表面層は、マイクロ硬度が94度以下であることを特徴とする(1)の帯電部材。
(3)前記表面層は、膜厚が1〜50μmであることを特徴とする(1)又は(2)の帯電部材。
(4)前記表面層のポリイミド樹脂は、耐交流電圧性が1.0μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの帯電部材。
(5)前記表面層は、体積抵抗値が1×104〜1×1010Ωcmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの帯電部材。
(6)前記弾性層はゴム部材からなり、該ゴム部材は、加硫ゴム物理試験方法のJIS K 6301の老化試験の200℃×1時間における空気加熱老化試験において、3号形のダンベル試験片で試験前の切断時の伸びの値に対して試験後の切断時の伸びの値が75〜120%であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの帯電部材。
(7)前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)のいずれかであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの帯電部材。
(8)前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴムであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの帯電部材。
(9)前記弾性層は、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの帯電部材。
(10)前記表面層は、弾性層上に樹脂チューブを被覆することにより形成されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの帯電部材。
(11)前記表面層は、弾性層上にフィルムを巻き付けることにより形成されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかの帯電部材。
(12)前記帯電部材を用いて帯電を行う際、該帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれか一項の帯電部材。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
<1>本発明の帯電部材
本発明の帯電部材は、感光層を有する被帯電体に接触して帯電を行う帯電部材において、該帯電部材は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層とポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする。
【0017】
上述したように、感光体に接触して被帯電体を帯電させる帯電部材においては、長期間の使用により帯電に必要な帯電電流、放電量が多くなるため、特に表面層に使用される材料が熱、放電、さらに摩耗によるダメージを受け劣化しやすい。そのために、本発明では帯電部材の表面層は耐熱性、耐摩耗性、耐放電、オゾンによるダメージを受けにくい点を兼ね備えたポリイミド樹脂を使用することが好ましい。
【0018】
ポリイミドは被膜強度が高いため、接触帯電部材として使用した場合に、感光体表面からの異物によって汚染され難いという利点もある。
【0019】
ポリイミドは5員環イミドを分子構造中に有する樹脂であって、例えば、「ポリイミド樹脂」(技術情報協会、1991年2月25日発行)に記載されている各種のものを用いることが可能である。
【0020】
ポリイミド樹脂を帯電部材の表面層に用いる場合、ポリイミドはポリマー状態では適当な可溶な溶剤がないので、ポリイミドの前駆体であるポリアミックス酸のワニスとして用い、その溶液を塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させて樹脂層を形成させる方法が挙げられる。
【0021】
本発明において使用可能なポリイミド前駆体としては特に制限はないが、例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸とを反応させて得られるものなどが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等が挙げられ、芳香族テトラカルボン酸としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
【0022】
芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との反応は、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機極性溶剤中で行われる。
【0023】
このようなポリイミドワニス材料としては、例えば、バイヤーML、バイラリン(デュポン製)、トレニース、セミコファイン、フォトニース(東レ製)、TVE、ケミタイト(東芝ケミカル製)、PIQ(日立化成工業製)、U−ワニス(宇部興産製)、パイメル(旭化成製)、サーモタイト(昭和電線製)、Uイミド(ユニチカ製)等が使用できる。
【0024】
ポリイミド樹脂の表面層は、前述のように予め加熱硬化させて樹脂層を形成させる方法が挙げられるが、その形成方法としては、チューブやフィルム形状としてポリイミド樹脂表面層を予め硬化させた状態で形成しておき、それを、例えばチューブの場合は空気を送り込みながら弾性層上に被せたり、またフィルムの場合は導電性の両面テープなどを用いて弾性層上に巻き付けて表面性を形成させる方法が挙げられる。
【0025】
ポリイミドの硬化は高温での処理になるため、ディッピングやスプレー塗布などで塗工した後にゴムや樹脂を用いた弾性層とともに加熱硬化させると、硬化温度が高いために、弾性層が熱によって劣化(硬化劣化、あるいは軟化劣化現象等)し、弾性層の硬度、体積抵抗値、伸び等が変化してしまいやすいので、チューブやフィルム形状として表面層を形成させることで弾性層への影響を少なくすることが可能になる。
【0026】
特にチューブ形状が好ましい。フィルム形状を巻き付けて表面層を形成する方法であると、巻き付けることで繋ぎ目が生じ、表面に段差ができてしまい、その段差によって帯電不良が生じることがあることから、チューブ形状を被覆することが好ましい。
【0027】
チューブの作製方法は、上述のポリアミックス酸のワニスを用い、その溶液を円筒状の金属製芯体に塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させた後に、芯体を除去する方法などが挙げられる。
【0028】
フィルムの作製方法は、上述のポリアミックス酸のワニスを用い、その溶液を平らな金属板に塗布し、高温(300℃程度)で加熱硬化させた後に、金属板を除去する方法などが挙げられる。
【0029】
本発明に用いることが出来るポリイミド樹脂製のチューブやフィルムとしては、例えば、カプトン(東レ・デュポン製)、ユーピレックス(宇部興産製)、アピカル(鐘淵化学工業製)、ノバックス(三菱化学製)、メタルーセント(東洋メタライジング製)等が使用される。
【0030】
また、ポリイミドは体積抵抗値が高いので、加熱硬化させる前の樹脂溶液に導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値の調整を行うことが好ましい。
【0031】
表面層に添加する導電性付与剤としては、カーボンブラック、カーボン繊維、よう化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ素、金属粉、金属酸化物、過塩素酸塩等が挙げられ、特に、酸素欠乏物質を含む金属酸化物及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子(例えばアンチモン、ビスマス等)を少量含むもの等は、導電性が高いことから、すなわち電子正孔対を多く含有することから好ましく用いられる。
【0032】
酸素欠乏物質を含む金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2 、SnO2 、MoO3等またはこれらの複合酸化物が挙げられ、異種原子を含む金属酸化物の例としては、ZnOに対してはAl、In等、TiO2に対しては、Nb、Ta等、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の異種原子を含むものが挙げられる。
【0033】
上記導電性付与剤は、カップリング剤等で表面処理されることも好ましい。表面処理されることで導電性付与剤の疎水性が増し、抵抗値の環境依存性が抑制されたり、また帯電時の通電により導電性付与剤が酸化されにくく、通電による抵抗変化(上昇)が抑制されるので好ましい。特に、酸化されやすい酸素欠乏物質を含む金属酸化物等の導電性付与剤への表面処理はより効果が発揮される。
【0034】
表面層の体積抵抗値は、具体的には1×104〜1×1010Ωcmが好ましい。1×1010Ωcmより高すぎると被帯電体へ帯電電圧が正常に印加されずに、帯電性が悪化し帯電不良を招きやすいので好ましくなく、1×104Ωcmより低すぎると被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中し、他の部分への帯電性が低下してしまい、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって表面層が破壊されやすいので好ましくない。より好ましくは1×105〜1×108Ωcmである。
【0035】
表面層の抵抗値測定は、JIS K6911に準じて体積抵抗値を測定することにより行われる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0036】
また表面層のマイクロ硬度は94度以下が好ましい。94度を越えると表面層が硬いことを意味し、硬い表面層を用いると長期の耐久によって帯電工程時の帯電部材と感光体との摺擦によって感光体にトナーの付着(融着)が生じやすくなり、基層である弾性層の弾性に追随できずに表面層の剥がれ等が発生しやすいので好ましくない。より好ましくは85度以下であり、さらに好ましくは80度以下である。
【0037】
マイクロ硬度は、表面層に用いる材料の種類や配合比、表面層の膜厚、導電剤の分散状態により調整することができる。表面層のマイクロ硬度は、最終の帯電部材(ローラ)の状態で、室温23℃、湿度60%環境下でマイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器株式会社製)を用いて測定できる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0038】
表面層の膜厚は1〜50μmの範囲が好ましい。50μmを越えるとマイクロ硬度が高くなりやすく融着等の画像不良が発生しやすくなるので好ましくなく、1μm未満であると表面層の耐圧性が小さくなりやすく、感光体にピンホール等の欠陥が存在した場合に、その部分に過剰な電流が流れ、リークしやすくなるので好ましくない。
【0039】
表面層の膜厚は、帯電部材の断面を剃刀で切断し、断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、観察像から膜厚を計測することにより測定できる。後述の実施例でも同様に測定した。
【0040】
また、表面層のポリイミド樹脂は、耐交流電圧性が1.0μm以下であることが好ましい。耐交流電圧性が1.0μm以上であると、感光体を帯電する際に発生するオゾンや電気的なエネルギーによってポリイミド樹脂の結合が切断されたりすることがあり、それによってポリイミド樹脂の劣化や破壊が進み、表面層が剥がれたりして、帯電部材の寿命が短くなる傾向がある。
【0041】
耐交流電圧性は、図2に示すような装置を用いて測定できる。すなわち、アルミシートやマイラーシート等の絶縁シート上に、金、白金などの金属蒸着シートや導電性樹脂(導電性顔料を分散した樹脂等)を塗工したシート等からなる導電性シート1上に、表面層に使用されるポリイミド樹脂2のみを厚さ25μmで形成させる。形成方法としては、ディッピング等で塗工する方法、あるいはフィルム状に成形させたポリイミド樹脂を載せても構わない。
【0042】
ステンレス製の芯金や抵抗値が1×104Ω以下のゴムロール等からなる、直径12mmの導電性ローラ3を、500g〜1kg程度の荷重5やバネ圧によって押しあて、そのままの状態で室温23℃湿度65%環境下で2kVpp、900Hz、650Vdcの交流重畳印加電圧を30分間印加させる。
【0043】
印加させた後のポリイミド樹脂表面層には、導電性ローラとポリイミド樹脂表面のニップ部の両側の微少空間領域での放電により、ポリイミド樹脂が劣化(結合などが切断されて)し飛ばされ、凹みが形成される。その凹みの深さをローラのニップの両側近傍(A)の領域の表面粗さを小坂研究所社製、表面粗さ測定器SE−30Hを用い、測定針移動速度:0.3mm/s、カットオフ値:0.8mmに設定して、図3に示す、放電領域部の樹脂部の凹み深さBを測定することにより、耐交流電圧性を測定する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0044】
本発明の帯電部材の弾性層は、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下のものが好ましく、より好ましくは1×104〜1×1010Ωcmの中抵抗の弾性層が好ましい。弾性層が1×1010Ωcm以上であると帯電性が悪化し帯電不良を招くので好ましくなく、1×104Ωcm以下では印加する電圧によって表面層のみに負荷がかかってしまい、被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中しやすくなり、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって表面層が破壊されやすくなってしまう。
【0045】
また、弾性層の抵抗を調整する方法としては弾性部材に導電性付与剤を添加し、分散させて抵抗値の調整を行うことが可能である。弾性層に添加する導電性付与剤としては、上記で示した表面層に添加することが可能である各種導電材料を用いることができる。
【0046】
弾性層の抵抗は以下のようにして測定できる。帯電部材の表面層を弾性層がむき出しになるまで研磨機で研磨した、弾性層のみの帯電部材、あるいは表面層を被覆する前の弾性層のみの帯電部材を準備し、室温23℃湿度60%環境下で、アースに接続した金属製のドラムを使用し、この金属ドラムに帯電部材を両端部分にそれぞれ両側で総圧15.69N、片側7.8Nの圧力を持って押し当て、金属ドラムを100mm/sの速度で回転させる。このとき、ローラ形状の帯電部材は従動で回転させる。そして、帯電部材の導電性基体の部分にアースに接続した高圧電源から−100Vの電圧を印加し、その系に流れた電流量を測定し、金属製ドラムと帯電部材のニップの面積と弾性層の膜厚より体積抵抗値を算出する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0047】
本発明の帯電部材の弾性層はゴム部材からなる。
【0048】
弾性層を形成するゴム部材としては、例えば、ウレタン、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、EVA(エチレン・ビニルアセテート共重合体)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、EPM(エチレン・プロピレンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム類が挙げられる。
【0049】
前述のように表面層を溶剤溶液を塗布して形成させる場合は、弾性層とともに300℃程度の高温で加熱硬化させるので、弾性層を形成させるゴム部材も耐熱性の高い材料が特に好ましい。
【0050】
さらに、帯電部材として長期の使用にわたる場合も帯電時のエネルギーにより発熱が生じ、その熱による劣化も生じることからも耐熱性の高い材料が好ましい。
【0051】
従って、ゴム部材としては加硫ゴム物理試験方法のJIS K 6301の老化試験の200℃×1時間における空気加熱老化試験において、3号形のダンベル試験片で試験前の切断時の伸びの値に対して、試験後の切断時の伸びの値が75〜120%であるゴム部材を用いるのが好ましい。
【0052】
伸びの値が75%以下あるいは120%以上であると、弾性層が熱によって硬化劣化あるいは軟化劣化などの現象を生じ、ゴムとしての特性が損なわれた事になり、具体的には抵抗値の変化や、被帯電体への接触性等に影響が発生するので好ましくない。
【0053】
伸びの値が75〜120%を満足させるゴム部材としては、たとえばシリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)が好ましく用いられ、特にシリコンゴムが好適である。また、これらのゴム部材を組み合わせて用いることも可能である。
【0054】
また、弾性層の硬度は、JIS K6301のA型硬度計により規定された硬度において35〜75度であることが好ましい。70度以上では硬度が高すぎて、感光体との接触状態を均一にすることが困難であり、帯電ムラを生じやすく、また35度以下では圧縮永久歪みが悪化し、長期間放置することで帯電部材が変形し、被帯電体への帯電が不均一になりやすいので好ましくない。特に好ましくは45〜60度である。上記弾性層の硬度は、弾性層を形成させる部材の材料の選定や、導電剤の添加量や導電剤の分散状態、弾性層の厚さ等によって調整することが可能である。
【0055】
帯電部材に弾性を有した弾性層を設けることで、感光体と帯電部材の接触が均一になり、不均一な帯電ムラも防止され、また耐久での機械的な衝撃を吸収できるので表面層の剥がれなどの防止にもなる。
【0056】
弾性層をカップリング剤等で表面処理を行ったり、表面層とのプライマー層を設けても構わない。表面処理を行ったり、プライマー層を設けることで、表面層との密着性を向上させ、表面層の剥がれ等を防止させることが可能になる。
【0057】
弾性層の形成方法は、押し出し成形器等で導電性基体の外周に弾性層が形成されるような金型にゴム材料を押しだし、加熱、加硫をする方法や、チューブ型やプレート型に弾性層を形成させて導電性基体上にはめ込む、接着させる方法などがある。
【0058】
本発明の帯電部材に用いる導電性基体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、銅などの金属や、ガラス、樹脂、紙などの非導電性の表面にアルミニウム、パラジウム、ロジウム、金、白金などの金属を蒸着もしくはラミネートすることにより導電性の薄膜を形成し、そこに帯電電圧を印加するようにした導電性基体等が挙げられる。
【0059】
また、上記金属などの上に、カーボンブラック等の導電性顔料の分散などを行い、抵抗値が104Ωcm以下とした樹脂や、弾性を有するエピクロルヒドリンゴム等の導電性ゴムなどを形成させたものも導電性基体として用いることができる。導電性基体の形状にはプレート状、ブレード形状、芯金形状などが挙げられる。
【0060】
上記導電性基体を用い、その上に弾性層及び表面層が形成された、本発明の帯電部材の抵抗値としては、1×104〜1×1010Ωであることが好ましい。1×1010Ω以上であると被帯電体への帯電性が悪化し帯電不良を招くので好ましくなく、1×104Ω以下では被帯電体にピンホールが存在した場合に、そこに電流が集中し、他の部分への帯電性が低下してしまい、またピンホール部に過大な電流が流れるために絶縁破壊によって中抵抗層が劣化してしまうので好ましくない。
【0061】
帯電部材の抵抗値の測定は、以下のようにして行う。室温23℃湿度60%環境下で、アースに接続した金属製のドラムを使用し、この金属ドラムに帯電部材を両端部分に両側で総圧15.69N、片側7.8Nの圧力を持って押し当て、金属ドラムを100mm/sの速度で回転させる。このとき、ローラ形状の帯電部材は従動で回転させる。そして、帯電部材の導電性基体の部分にアースに接続した高圧電源から−100Vの電圧を印加し、その系に流れた帯電部材の長手の幅1cmあたりの電流量を測定し、抵抗を算出する。後述の実施例でも同様に測定した。
【0062】
また、ポリイミド樹脂表面層を有した帯電部材の表面をカップリング剤等で化学的に表面処理を行っても構わない。カップリング剤の種類を変えて表面処理を行うことで、感光体との密着性のコントロールや、表面層に付着するトナー等の汚染物質の低減、トナーの帯電極性をコントロールし帯電部から排出し、現像部での回収を可能にするなどの機能を有する事が可能になる。
【0063】
本発明の帯電部材の具体的な構成例を図1に示す。
【0064】
帯電部材の構成としては、例えば、帯電部材がローラ形状の場合、高圧電源35から電圧を印加する導電性基体32上に直接弾性を有する弾性層33が接触形成され、その上にポリイミド樹脂を用いた表面層34が設けられる構成である。
【0065】
本発明の帯電部材を用いて、被帯電体である感光体等を帯電させる際、感光体に接触して用いられることが好ましく、帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることが好ましい。直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を用いることにより、交流電圧による均し効果によって被帯電体の帯電均一性が向上する。
【0066】
また帯電部材は弾性層、表面層の他にも、その間にさらに抵抗を調整する抵抗調整層や、表面層と弾性層の密着性を向上させるプライマー層を設けても構わない。その場合、それらの抵抗は、上記の表面層の抵抗値に記載した範囲であることが好ましい。
【0067】
また、本発明では上記の構成を有する帯電部材であれば、プレート形状やベルト形状、ブレード形状等の様々な形態の帯電部材を用いることができるが、感光体に従動する形態のものが好ましく、ロール形状であることがより好ましい。
【0068】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に示すが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
【0069】
<1>帯電ローラの作製
(1)表面層用樹脂の調整
(表面層用樹脂の調整1)
ポリアミド酸(Uイミド、ユニチカ製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させて、導電性付与剤として酸化スズを用い、ポリアミド酸100質量部に対して30質量部添加し、ペイントシェーカーで2時間ほど分散させて、表面層用樹脂溶液1を調製した。
【0070】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂1とする。なお膜厚の測定方法は、ローラの断面を剃刀で切断し、光学顕微鏡でその断面サンプルを観察する事で測定を行った。
【0071】
またアルミシートに上記ポリアミド酸(Uイミド、ユニチカ製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させた樹脂をバーコートで厚さ25μmに塗布し、300℃で30分間加熱硬化させた耐交流電圧性評価用シートを用意した。
【0072】
(表面層用樹脂の調整2)
外径11.7mmで肉厚1.5mmのステンレス素管を用意し、常法にしたがって、電気メッキにより銅メッキ層を形成し、その後、酸洗、水洗を行い、一般的な銅メッキステンレスパイプを、金属製芯体として用意をした。
【0073】
次いで、ポリアミド酸(U−ワニスS、宇部興産社製)を、溶剤ジメチルアセトアミド/ナフサ(9/1)中に溶解させて、導電性付与剤として酸化亜鉛を用い、ポリアミド酸100質量部に対して25質量部添加し、ペイントシェーカーで1時間ほど分散させて溶液を調製し、これを用意した金属製芯体の外周表面に室温にてディッピングで塗布した。
【0074】
その後この芯体を、350℃で30分間、加熱硬化させ、放冷後、芯体からポリイミドチューブを取り外した厚さ300μmのポリイミドチューブである表面層用樹脂2を作製した。
【0075】
弾性ローラに被覆する場合はポリイミドチューブにエアーを吹き込み、その外径を広げつつ、弾性ローラ上に被覆させる。
【0076】
またアルミシートに上記の方法で、円筒形の素管を平板にし、厚さ25μmに調整したポリイミドフィルムを作製し、アルミシート上に導電性の両面テープによって張り付けた耐交流電圧特性評価用シートをあわせて用意した。
【0077】
(表面層用樹脂の調整3)
トルエンに溶解させたN−メトキシメチル化ナイロン(トレジン、帝国化学産業(株)製)100質量部に対して、酸化チタン5質量部を添加し、ボールミルにて2時間かけて分散させた表面層用樹脂溶液3を調整した。
【0078】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより塗布し、120℃で1時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂3とする。
【0079】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートを用意した。
【0080】
(表面層用樹脂の調整4)
トルエンに溶解させたポリメチルメタクリレート100質量部に対して導電性カーボンブラック3質量部を添加し、ペイントシェーカーで3時間分散させた表面層用樹脂溶液4を調整した。
【0081】
弾性ローラ上に塗布する場合はスプレー塗工により塗布し、140℃で1.5時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂4とする。
【0082】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートもあわせて作製した。
【0083】
(表面層用樹脂の調整5)
トルエンに溶解させたポリビニルアルコール100質量部に対して酸化スズ20質量部を添加し、ペイントシェーカーで1.5時間分散させた表面層用樹脂溶液5を調整した。
【0084】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより塗布し、140℃で1時間の加熱乾燥を行う。この樹脂層を表面層用樹脂5とする。
【0085】
また、表面層用樹脂溶液1と同様の方法で耐交流電圧性を評価するアルミシートもあわせて作製した。
【0086】
(表面層用樹脂の調整6)
酸化スズを添加しなかった以外は表面層用樹脂溶液1と同様に表面層用樹脂溶液6を作製した。
【0087】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂6とする。
【0088】
耐交流電圧性用シートも同様に作製した。
【0089】
(表面層用樹脂の調整7)
酸化スズを添加せず、導電性のカーボンブラックを20質量部添加したこと以外は表面層用樹脂溶液1と同様に表面層用樹脂溶液7を作製した。
【0090】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより20μm塗布し300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂7とする。
【0091】
耐交流電圧特性用シートも同様に作製した。
【0092】
(表面層用樹脂の調整8)
ポリアミド酸(ケミタイト、東芝ケミカル製)を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させて、導電性付与剤として酸化チタンを用い、ポリアミド酸100質量部に対して15質量部添加し、ペイントシェーカーで1時間ほど分散させた表面層用樹脂溶液8を調製した。
【0093】
弾性ローラ上に塗布する場合はディッピングにより10μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う。この樹脂層を表面層用樹脂8とする。
【0094】
またアルミシートに前記ポリアミド酸を、溶剤ジメチルホルムアミド中に溶解させた樹脂をバーコートで厚さ25μmに塗布し、300℃で30分間加熱硬化させた耐交流電圧性評価用シートをあわせて用意した。
【0095】
(表面層用樹脂の調整9)
表面層用樹脂の調整2で作製したポリイミドチューブの膜厚を50μmとした以外はポリイミドチューブである表面層用樹脂2と同様のポリイミドチューブである表面層用樹脂9を作製した。
【0096】
表面層用樹脂2と同様に耐交流電圧性評価用シートを用意した。
【0097】
(表面層用樹脂の調整10)
表面用樹脂溶液1を用いて、弾性ローラ上に塗布する場合にディッピングにより0.2μm塗布し、300℃で30分間の加熱硬化を行う以外は、表面層被覆用樹脂溶液1と同様の表面層被覆用樹脂溶液10を調整した。
【0098】
(2)弾性ローラの作製
(弾性ローラの作製1)
・シリコンゴム 100質量部
・パラフィンオイル 6質量部
・酸化亜鉛 6質量部
・高級脂肪酸 1質量部
・導電性カーボンブラック 8質量部
上記材料を50℃に調整した密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、このコンパウンドに原料のシリコンゴム100質量部に対し、加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール) 1質量部及びTMTD(テトラメチルチウラム・ジスルフィド) 1質量部、ZnMDC(ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛) 1質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練しゴムコンパウンドを作製した。
【0099】
直径8mmステンレス製の芯金を用意し、外径12mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、150℃、15分間加熱加硫し、体積抵抗値が3×102Ωcmの弾性ローラAを作製した。
【0100】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0101】
(弾性ローラの作製2)
導電性のカーボンブラックの添加量を3.5質量部とした以外は弾性ローラAと同様にして、体積抵抗値が9×103Ωcmの弾性ローラBを作製した。
【0102】
同様に3号ダンベル状の試験片も作製した。
【0103】
(弾性ローラの作製3)
・フッ素ゴム 100質量部
・ベンゼン 1質量部
・トリアリイソシアヌレート 5質量部
・高級脂肪酸 2質量部
・導電性カーボンブラック 10質量部
上記材料を密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、8mmステンレス製の芯金上に、外径12mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、170℃、20分間加熱加硫し、体積抵抗値が2×104Ωcmの弾性ローラCを作製した。
【0104】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0105】
上記材料を50℃に調整した密閉型ミキサーにて10分間混練し、原料コンパウンドを調整し、このコンパウンドに原料のゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、加硫剤としての硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてのMBTS(ジベンゾチアジル・ジスルフィド) 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練しゴムコンパウンドを作製し、直径8mmステンレス製の芯金を用意し、外径16mmのローラ状になるように押出し成型機にてローラを作成し、150℃、1時間加熱加硫し、5×106Ωcmである弾性ローラDを作製した。
【0106】
また、金型を用いて3号ダンベル状の試験片もあわせて用意した。
【0107】
(3)表面層に用いられる樹脂の耐交流電圧性の評価
上記表面層用樹脂1〜10の調整において作製した評価用シートを用いて、耐交流電圧性を測定した。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
(4)弾性層の老化試験方法による
上記弾性ローラA〜Dの作製において用意された3号ダンベル状の試験片を用いて、弾性層の老化試験方法による試験前の切断時の伸びに対して試験後の伸びの割合(試験後の伸び/試験前の伸び)を測定した。結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】
(5)帯電ローラの作製
上記の表面層用樹脂1〜10と弾性ローラA〜Dを組み合わせて帯電ローラ1〜14を作製した。帯電ローラの作製に使用した表面層用樹脂、弾性層を表3に示す。また、帯電ローラの特性(抵抗値、硬度、表面層のマイクロ硬度)も示す。
【0112】
【表3】
【0113】
【実施例1〜11、比較例1〜3】
<帯電ローラの評価>
上記のようにして得られた帯電ローラを用いて、以下に示すようにして評価を行った。
【0114】
本実施例では、画像形成装置としてレーザービームを用いたデジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置は、感光体の帯電手段としてローラ帯電部材の清掃部材を有したローラ帯電器を備え、現像手段として1成分ジャンピング現像方法を採用した1成分現像器を備え、転写手段としてローラ帯電器、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備えたネガ帯電、ネガトナーによる反転現像方式の画像形成装置である。
【0115】
また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は1体型のユニットとなっている。該装置を以下のように改造を施した。
【0116】
ローラ帯電器は、帯電ローラの清掃部材を除去し、帯電ローラとして上記帯電ローラ1〜14を用い、帯電ローラの両側の芯金部分をバネ(両側で総圧15.69N、片側7.8N)で感光体に押しつけ、感光体と従動で回転するようにし、帯電電圧を芯金に印加することで感光体を帯電させた。
【0117】
帯電電圧は−650Vの直流電圧に2400Vpp/1850Hzのサイン波を重畳する。
【0118】
現像電圧の直流成分は−360Vとし、環境は温度20℃、湿度3%の環境下で以下の評価を行った。
【0119】
また、評価方法に記載のかぶりは反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO., LTD社製、REFLECTOMETERMODEL TC−6DS)を用いて測定した。なお、プリント後の反射濃度最悪値をDS、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDr、DS−Drをかぶり量とした。
【0120】
(評価方法1)
室温30℃、湿度80%環境下で感光体の表面を感光体の基体が見えるまで0.5mm2程度はぎ取り、その感光体を用いて画出しを行い、リーク画像について、以下の評価項目に従い評価を行った。
○:リークによる画像欠陥が感光体上の欠陥部分で留まっている
○△:リークにより画像欠陥が感光体上の欠陥部分より幅5mmに留まっている
△:リークにより画像欠陥が感光体上の欠陥部分より幅20mmに留まっている
【0121】
(評価方法2)
室温23℃、湿度50%環境下において、ベタ白画像の画出しを行い、帯電不良の評価を紙上のかぶりを測定することで評価を行った。
○:かぶりが3%未満
○△:かぶりが3〜5%
△:かぶりが5〜10%
【0122】
(評価方法3)
上記画像形成装置において、現像、転写、クリーニング手段を除去し、帯電ローラに10mm当たり流れる交流の電流量が3.2mAになるような定電流制御を施した交流重畳電圧を印加しながら15時間空回転を行った後、帯電ローラの表面層を観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。
○:空回転後の表面層にややヒビ割れが認められ空回転後の体積抵抗値が初期の抵抗に比較して1/5〜5倍以内
△:空回転後の表面層にややヒビ割れが認められ空回転後の体積抵抗値が初期の抵抗に比較して1/10〜10倍以内
×:空回転後の表面層が削れて弾性層がむき出しの状態になり、空回転後の抵抗値が初期の抵抗に比較して 1/10未満か、10倍を越える。
【0123】
(評価方法4)
上記の画像形成装置を用いて室温23℃、湿度50%環境下A4横、画像比率5%の画像で5万枚の耐久を行った後に、評価方法1と同様の評価を行い、放電、熱による表面層の摩耗や劣化(抵抗値の変化等)を評価した。
【0124】
(評価方法5)
上記の画像形成装置を用いて評価方法4と同様に5万枚の耐久を行った後に、評価方法2と同様の評価を行い、帯電ローラ表面層の汚れによる感光体への帯電不良を評価した。
【0125】
(評価方法6)
室温32℃、湿度80%環境下で、A4横、画像比率15%の画像で3万枚の耐久を行った後に、ベタ黒、ハーフトーン画像の画出しを行い、感光体のトナー融着を以下の画像評価項目により評価を行った。
○:画像上にトナー融着によりポチ状の画像不良が全くなく優秀
○△:ポチ状の融着が僅かに見られる程度で良好
△:ポチ状の融着がやや見られるレベル
【0126】
以下の表3に実施例、比較例に使用した帯電ローラを示す。あわせて評価結果も表4に示す。
【0127】
【表4】
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電部材の表面層の、帯電時に発生するオゾンや、帯電時の電気的なエネルギーによる劣化が長期の使用によっても抑制され、長期に渡って感光体への良好な帯電性が維持される帯電部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材の一つの実施の形態である帯電ローラの構成図を示す。
【図2】耐交流電圧性の評価方法を説明する図を示す。
【図3】耐交流電圧性の評価方法を説明する図を示す。
【符号の説明】
1 導電性シート
2 評価されるポリイミド樹脂
3 導電性ローラ
4 高圧電源
5 荷重(おもり)
31 帯電部材
32 導電性基体(芯金)
33 弾性層
34 表面層
35 高圧電源
A 表面粗さ測定領域
B 交流電圧による表面層凹みの深さ
Claims (12)
- 感光層を有する被帯電体に接触して帯電を行う帯電部材において、該帯電部材は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた弾性層とポリイミド樹脂を構成材料とする表面層との少なくとも2層からなることを特徴とする帯電部材。
- 前記表面層は、マイクロ硬度が94度以下であることを特徴とする請求項1記載の帯電部材。
- 前記表面層は、膜厚が1〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電部材。
- 前記表面層のポリイミド樹脂は、耐交流電圧性が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記表面層は、体積抵抗値が1×104〜1×1010Ωcmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記弾性層はゴム部材からなり、該ゴム部材は、加硫ゴム物理試験方法のJIS K 6301の老化試験の200℃×1時間における空気加熱老化試験において、3号形のダンベル試験片で試験前の切断時の伸びの値に対して試験後の切断時の伸びの値が75〜120%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムのいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記弾性層のゴム部材は、シリコンゴムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記弾性層は、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記表面層は、弾性層上に樹脂チューブを被覆することにより形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記表面層は、弾性層上にフィルムを巻き付けることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の帯電部材。
- 前記帯電部材を用いて帯電を行う際、該帯電部材に印加する電圧は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の帯電部材。
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-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170189A patent/JP2004013090A/ja not_active Withdrawn
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