JP2004012724A - 冷却装置および冷却装置を有する投影型映像表示装置 - Google Patents

冷却装置および冷却装置を有する投影型映像表示装置 Download PDF

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Hidenori Takamori
高森 英則
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Abstract

【課題】アフタークーリングが完了するまでの時間を短縮でき、かつ、電源プラグが引き抜かれた場合にも確実にアフタークーリングを行うことができるようにする。
【解決手段】電源スイッチ11がオン状態に設定された通常状態では、冷却ファン駆動制御回路17は、冷却ファン15が吸気ファンとして動作するように設定する。この状態では、蓄電池19は、冷却ファン15,16によって充電される。電源プラグ10が引き抜かれた場合、または電源スイッチ11がオフ状態に設定された場合には、冷却ファン駆動制御回路17は、冷却ファン15,16に蓄電池19から給電されるように、電力供給経路の切替を行い、冷却ファン15の駆動源としての直流モータの回転方向を排気ファンとして動作するような方向にする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影型映像表示装置の光源ランプや内部回路部品などを冷却するのに適した冷却装置、および冷却装置を有する投影型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、投影型映像表示装置としての液晶プロジェクタの一例の主要部を示す構成図である。図3に示す投影型映像表示装置では、光源ランプ60から出射された白色の光線は、2枚のダイクロイックミラー61,62で3原色に分離される。1枚目のダイクロイックミラー61は、赤(R)、緑(G)、青(B)の光線のうち1色を透過させる。例えば、青色(B)光線を透過させ、赤色(R)光線と緑色(G)光線を反射する。ダイクロイックミラー61を透過した青色光線は全反射ミラー71で反射し、青色光線用の映像表示素子としての透過型の液晶パネル53に入射する。
【0003】
1枚目のダイクロイックミラー61で反射された赤色光線と緑色光線は、2枚目のダイクロイックミラー62に照射される。ダイクロイックミラー62に照射された光線は、赤色光線と緑色光線のうちのいずれかを透過させ、他方を全反射する。例えば、赤色光線を透過させ、緑色光線を反射する。
【0004】
ダイクロイックミラー62を透過した赤色光線は、全反射ミラー72,73を経て赤色光線用の映像表示素子としての透過型の液晶パネル51に入射する。ダイクロイックミラー62で反射された緑色光線は、緑色光線用の映像表示素子としての透過型の液晶パネル52に入射する。各液晶パネル51,52,53に照射された光線は、各液晶パネル51,52,53を透過することにより映像光線に変換されて各液晶パネル51,52,53から出射される。各液晶パネル51,52,53から出射された光線はクロスプリズム41で合成され、投射レンズ80によってフォーカス合わせ等が行われ、スクリーン90に拡大投射される。
【0005】
このような液晶プロジェクタにおいて、光源ランプ60や液晶プロジェクタ内部の回路部品を冷却するために、冷却ファン41,42が設けられている。冷却ファン41,42は、液晶プロジェクタの稼働中(以下、通常状態という。)に動作して吸排気を行うだけでなく、電源スイッチがオフされた後にも所定期間動作してアフタークーリングを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電源プラグがコンセントから引き抜かれた場合には、液晶プロジェクタに電力が供給されなくなるので、アフタークーリングを行うことはできない。アフタークーリングが行われないと、光源ランプ60や内部回路部品が高温のまま放置されてしまうので、光源ランプ60や内部回路部品の耐久性が劣化するという課題がある。また、電源プラグが引き抜かれない場合でも、アフタークーリングが完了して冷却ファンも停止できる完全停止状態になるまでに時間がかかり、ユーザが完全停止状態になるのを待ちきれずに電源プラグを引き抜いてしまう可能性がある。
【0007】
電源プラグが引き抜かれた場合の課題を解決するための冷却装置として、特開平11−231419号公報には、冷却ファンと並列にコンデンサが接続され、電源プラグが引き抜かれた場合にはコンデンサに蓄積されている電荷によって冷却ファンに電力供給されるような冷却装置が記載されている。また、特開平5−232267号公報や特開平11−13305号公報には、電源回路と冷却ファンとの間に二次電池が設けられ、電源プラグが引き抜かれた場合には二次電池から冷却ファンに電力供給されるような冷却装置が記載されている。
【0008】
それらの冷却装置を用いれば、電源プラグが引き抜かれた場合にもアフタークーリングを行うことができる。しかし、アフタークーリングが完了して冷却ファンも停止できる完全停止状態になるまでに時間がかかるという課題は解決されていない。
【0009】
そこで、本発明は、アフタークーリングが必要な投影型映像表示装置等において、アフタークーリングが完了するまでの時間を短縮でき、かつ、電源プラグが引き抜かれた場合にも確実にアフタークーリングを行うことができる冷却装置、および冷却装置を有する投影型映像表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による冷却装置は、少なくとも2つの冷却ファンによって装置内部の冷却を行い、冷却ファンの駆動制御を行う駆動手段を備えた冷却装置であって、蓄電池を有し、駆動手段が、装置外部からの電力供給が停止すると、蓄電池によって冷却ファンを駆動するように設定するとともに、2つの冷却ファンの双方を排気ファンとして動作させることを特徴とする。
【0011】
駆動手段は、装置外部から電力供給されている状態では、少なくとも1つの冷却ファンを吸気ファンとして動作させることが好ましい。装置外部から電力供給されている状態では少なくとも1つの冷却ファンを吸気ファンとして動作させ、装置外部からの電力供給が停止すると、その冷却ファンを排気ファンとして動作せることによって、アフタークーリングの時間を短縮することができる。
【0012】
また、蓄電池は、例えば、装置外部から電力供給されている状態における冷却ファンの回転にもとづいて充電される。
【0013】
供給電圧の低下を検出する電圧監視手段を備え、駆動手段が、電圧監視手段が供給電圧の低下を検出すると、装置外部からの電力供給が停止したことを認識するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明による冷却装置を有する投影型映像表示装置は、少なくとも2つの冷却ファンによって装置内部の冷却を行う冷却装置を備え、冷却装置が、装置外部から電力供給されている状態における冷却ファンの回転にもとづいて充電される蓄電池と、装置外部から電力供給されている状態では少なくとも1つの冷却ファンを吸気ファンとして動作させ、装置外部からの電力供給が停止すると蓄電池によって冷却ファンを駆動するように設定するとともに2つの冷却ファンの双方を排気ファンとして動作させる駆動手段とを含むことを特徴とする。
【0015】
冷却装置を有する投影型映像表示装置は、冷却装置が供給電圧の低下を検出する電圧監視手段を含み、駆動手段が、電圧監視手段が供給電圧の低下を検出すると装置外部からの電力供給が停止したことを認識するように構成されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による投影型映像表示装置の冷却装置を構成する部分を示すブロック図である。図1において、電源プラグ10と主電源部12との間に電源スイッチ11が設けられている。主電源部12は、交流電圧を直流電圧に変換して、冷却ファン制御回路14に所定電圧を供給するとともに、複数種類の直流電圧を生成する各電源回路(図示せず)に元になる直流電圧を供給する。また、主電源部12の出力電圧を監視する電圧監視回路21が設けられ、電圧監視回路21は、電源スイッチ11がオフ状態に設定されたこと、または電源プラグ10が引き抜かれたことにもとづいて主電源部12の出力電圧が所定電圧を下回ると、マイクロコンピュータ回路13にその旨を示す電圧低下信号を出力する。
【0017】
この実施の形態では、2つの冷却ファン15,16が設けられている。通常状態では、一方の冷却ファン15は吸気ファンとして動作し、他方の冷却ファン16は常に排気ファンとして動作する。すなわち、投影型映像表示装置において、冷却ファン15は、装置外部から空気を取り込めるような位置に設置され、冷却ファン16は、冷却ファン15によって取り込まれ光源ランプによる発熱を奪った後の空気を装置外部に排出できるような位置に設置されている。
【0018】
冷却ファン15は、アフタークーリングの期間では排気ファンとして動作する。冷却ファン15,16には、主電源部12から冷却ファン制御回路14を介してファン駆動電流が供給される。なお、冷却ファン制御回路14は、冷却ファン15,16の回転数を監視し、回転数に異常が生じたことを検出すると、その旨をマイクロコンピュータ回路13に通知する。また、マイクロコンピュータ回路13からの回転数指示に応じて冷却ファン15,16の回転数を制御する。
【0019】
マイクロコンピュータ回路13は、ROMに格納されているプログラムに従って動作するCPUを含み、投影型映像表示装置の全体的な制御を行うとともに、電圧監視回路21から電圧低下信号が入力されたら、外部からの電力供給が断たれたことを冷却ファン駆動制御回路17に通知する。冷却ファン駆動制御回路17は、マイクロコンピュータ回路13から電力供給が断たれたことが通知されたら、冷却ファン15を排気ファンとして動作させるような制御等を行う。
【0020】
また、蓄電池(二次電池)19が設けられ、通常状態では、蓄電池19は、冷却ファン15,16によって充電される。すなわち、蓄電池19は、通常状態において冷却ファン15,16の回転にもとづいて充電される。また、電力供給が断たれた場合には、、蓄電池19は、冷却ファン15,16、マイクロコンピュータ回路13および冷却ファン駆動制御回路17に電力供給を行う。
【0021】
なお、冷却ファン15,16の駆動制御を行う駆動手段は、マイクロコンピュータ回路13、冷却ファン制御回路14および冷却ファン駆動制御回路17で実現されている。また、光源からの光を用いて形成される映像光をスクリーンに投射して可視像を形成する投影型映像表示装置における画像形成および画像表示に関する構成は、例えば図3に示されたような構成と同じである。
【0022】
次に、図2のフローチャートを参照して動作について説明する。図2は、冷却ファン駆動制御回路17の動作を示す。電源プラグ10がコンセントに接続され、電源スイッチ11がオン状態に設定された通常状態では、マイクロコンピュータ回路13は、冷却ファン駆動制御回路17に通常状態であることを示す信号を出力している。また、冷却ファン15,16には、主電源部12から冷却ファン制御回路14を介してファン駆動電流が供給されている(ステップS1,S2)。
【0023】
冷却ファン駆動制御回路17は、通常状態であることを示す信号を受信している場合には、冷却ファン15が吸気ファンとして動作するように設定する(ステップS1,S3)。すなわち、冷却ファン15の駆動源としての直流モータの回転方向を吸気ファンとして動作するような方向にするために、例えば直流モータの電機子回路の接続を設定する。
【0024】
その状態では、冷却ファン15は装置外部から空気を取り込み、排気ファンとして動作する冷却ファン16が装置内部の通気を排気することによって、装置内部の冷却が実現される。また、冷却ファン15,16には直流電流発生機構が設けられている。直流電流発生機構は、例えば、直流モータの回転軸の回転を利用した発電機構である。一例として、直流モータの回転軸の回転をベルトで他の回転子に伝える。他の回転子の回転によって生成される起電力による電圧を整流して直流電圧を発生させる。
【0025】
そして、発生した直流電圧に基づく直流電流によって蓄電池19を充電する。従って、通常状態では、電源プラグ10を介して装置外部から供給される電力によって、光源ランプや装置内部の回路部品の冷却が行われるとともに、蓄電池19の充電が行われる。
【0026】
電源プラグ10が引き抜かれた場合、または電源スイッチ11がオフ状態に設定された場合には、主電源部12への電力供給が断たれる。すると、電源監視回路21が電圧低下を検出して、マイクロコンピュータ回路13に電圧低下信号を出力する。マイクロコンピュータ回路13は、電圧低下信号が入力されると、冷却ファン駆動制御回路17に、外部からの電力供給が断たれたことを通知する。なお、マイクロコンピュータ回路13と冷却ファン駆動制御回路17とは、外部からの電力供給が断たれているときには、蓄電池19から電力供給を受けるように接続されている。
【0027】
冷却ファン駆動制御回路17は、外部からの電力供給が断たれたことの通知を受けると、冷却ファン駆動制御回路17は、冷却ファン15,16に蓄電池19から給電されるように、電力供給経路の切替を行う(ステップS4)。また、冷却ファン15の駆動源としての直流モータの回転方向を排気ファンとして動作するような方向にするために、例えば直流モータの電機子回路の接続を設定する(ステップS5)。
【0028】
従って、電源プラグ10が引き抜かれた場合、または電源スイッチ11がオフ状態に設定された場合に、冷却ファン15,16は停止せず、アフタークーリングを行うことができる。また、アフタークーリングの期間では、通常状態では吸気ファンとして動作していた冷却ファン15が、排気ファンとして動作する。
【0029】
電源プラグ10が引き抜かれた場合、または電源スイッチ11がオフ状態に設定された場合には、その後、光源ランプからの発熱は生じないので、装置の外部から空気(冷気)を取り込む必要はなく、もっぱら排気のみを行えばよい。この実施の形態では、電源プラグ10が引き抜かれた場合、または電源スイッチ11がオフ状態に設定された場合に、冷却ファン15が排気ファンとして動作するので、冷却ファンの数を増やすことなく、アフタークーリングの期間における排気能力を向上させることができる。その結果、アフタークーリングに要する時間を短縮することができる。
【0030】
光源ランプの近傍には温度センサ(図1において図示せず)が設けられている。温度センサの出力はマイクロコンピュータ回路13に入力される。マイクロコンピュータ回路13は、温度センサの出力が示す温度があらかじめ決められている所定温度にまで下がったことを確認すると、冷却ファン駆動制御回路17に停止信号を与える。冷却ファン駆動制御回路17は、停止信号を入力すると(ステップS6)、蓄電池19から冷却ファン15,16への給電が停止するように電力供給経路を遮断する(ステップS7)。
【0031】
以上に説明したように、この実施の形態では、2つの冷却ファン15,16によって装置内部の冷却を行う冷却装置を備え、冷却装置が、装置外部から電力供給されている状態では1つの冷却ファン15を吸気ファンとして動作させ、装置外部からの電力供給が停止すると蓄電池19によって冷却ファン15,16を駆動するように設定するとともに2つの冷却ファン15,16の双方を排気ファンとして動作させる駆動手段を含むように構成されているので、アフタークーリングの期間における排気能力を向上させることができ、アフタークーリングに要する時間を短縮することができる。
【0032】
なお、この実施の形態では2つの冷却ファン15,16が設けられている場合について説明したが、冷却ファンが3つ以上設置されている場合には、装置外部から電力供給されている状態では少なくとも1つの冷却ファンが吸気ファンとして動作し、装置外部からの電力供給が停止するとすべての冷却ファンが排気ファンとして動作するように制御すればよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、冷却装置および冷却装置を有する投影型映像表示装置を、装置外部からの電力供給が停止すると、蓄電池によって冷却ファンを駆動するように設定するとともに、冷却ファンの双方を排気ファンとして動作させるように構成したので、アフタークーリングが完了するまでの時間を短縮でき、かつ、電源プラグが引き抜かれた場合にも確実にアフタークーリングを行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影型映像表示装置の冷却装置を構成する部分を示すブロック図である。
【図2】冷却ファン駆動制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図3】従来の投影型映像表示装置の主要部を示す構成図である。
【符号の説明】
10 電源プラグ
11 電源スイッチ
12 主電源部
13 マイクロコンピュータ回路
14 冷却ファン制御回路
15,16 冷却ファン
17 冷却ファン駆動制御回路
19 蓄電池
21 電源監視回路

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの冷却ファンによって装置内部の冷却を行い、前記冷却ファンの駆動制御を行う駆動手段を備えた冷却装置であって、
    蓄電池を有し、
    前記駆動手段は、装置外部からの電力供給が停止すると、前記蓄電池によって前記冷却ファンを駆動するように設定するとともに、前記2つの冷却ファンの双方を排気ファンとして動作させる
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 駆動手段は、装置外部から電力供給されている状態では、少なくとも1つの冷却ファンを吸気ファンとして動作させる
    請求項1記載の冷却装置。
  3. 蓄電池は、装置外部から電力供給されている状態における冷却ファンの回転にもとづいて充電される
    請求項2記載の冷却装置。
  4. 供給電圧の低下を検出する電圧監視手段を備え、
    駆動手段は、前記電圧監視手段が供給電圧の低下を検出すると、装置外部からの電力供給が停止したことを認識する
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の冷却装置。
  5. 光源からの光を用いて形成される映像光をスクリーンに投射して可視像を形成する投影型映像表示装置において、
    少なくとも2つの冷却ファンによって装置内部の冷却を行う冷却装置を備え、
    前記冷却装置は、装置外部から電力供給されている状態における冷却ファンの回転にもとづいて充電される蓄電池と、装置外部から電力供給されている状態では少なくとも1つの冷却ファンを吸気ファンとして動作させ、装置外部からの電力供給が停止すると前記蓄電池によって前記冷却ファンを駆動するように設定するとともに前記2つの冷却ファンの双方を排気ファンとして動作させる駆動手段とを含む
    ことを特徴とする冷却装置を有する投影型映像表示装置。
  6. 冷却装置は、供給電圧の低下を検出する電圧監視手段を含み、
    駆動手段は、前記電圧監視手段が供給電圧の低下を検出すると、装置外部からの電力供給が停止したことを認識する
    請求項5記載の冷却装置を有する投影型映像表示装置。
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