JP2004012516A - 光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の接続用弾性体はセット時又はセット後にズレることがあった。
【解決手段】基部の両端に対向する押し片が形成され、対向する押し片の間に接続端面同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール又は光部品を配置すると、それら押し片によって夫々の光コネクタフェルール又は光部品の後方端面が押されて、突き合わされた接続端面同士が密接する光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体において、前記押し片に、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】基部の両端に対向する押し片が形成され、対向する押し片の間に接続端面同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール又は光部品を配置すると、それら押し片によって夫々の光コネクタフェルール又は光部品の後方端面が押されて、突き合わされた接続端面同士が密接する光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体において、前記押し片に、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタフェルール又は光部品の接続技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光コネクタフェルール又は光部品の接続構造をMTコネクタを例にとって説明する。MTコネクタは、単心ファイバ又は多心ファイバテープが挿通固定された一組のMTコネクタフェルールから構成される。夫々のフェルールは挿通固定されたファイバの端面が露出する接続端面を備え、互いの接続端面同士を突き合わせると、夫々のフェルールに挿通されているファイバ同士が光学的に接続される。尚、前記接続端面は、そこに露出しているファイバの端面が該接続端面より僅かに凹むように研磨されている。そこで、これら接続端面同士を突き合わせる際には、両端面間に屈折率整合剤を介在させるのが一般的である。また、突き合わされた接続端面同士をしっかりと密接させるために、図4(a)(b)に示すようなクリップAを使用する。このクリップAは、金属板の両端を折り曲げて、基部Bの両端に対向する押し片Cを形成したものである。
【0003】
図4(a)(b)に示すクリップは、図5(a)(b)に示すように、接続端面D同士が突き合わされた一組のフェルールEにセットされる。具体的には、まず、クリップAの対向する押し片Cを専用の治具で両外側に押し開く。次に、押し開かれた押し片Cの間に接続端面D同士を突き合わせた一組のフェルールEを配置し、その後、治具による押し片Cの押しを解除する。すると、押し片Cが夫々のフェルールEの後方端面F(接続端面Dと反対側の端面F)に当接し、該端面Fを接続端面D側に押圧する。この結果、互いのフェルールEの接続端面D同士が押し付けられしっかりと密接する。このとき、互いのフェルールEの接続端面Dに作用する押し付け力は約1kgfである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、接続/解除が繰り返えされる光コネクタフェルールや光部品の接続には、PC(Physical Contact)接続が主流となっている。PC接続によれば、光コネクタフェルールや光部品の接続端面間に屈折率整合剤を介在させたり、これを清掃したりする手間が省けるからである。また、近年のハイパワー伝送を考慮すれば、接続/解除を繰り返さない個所での接続であってもPC接続によるのが望ましい。光コネクタフェルールや光部品の接続端面間にエポキシ等の有機物を介在させるのは、耐久性の面から好ましくないからである。しかし、着脱の簡便性が要求されない接続個所でMPOコネクタやMPXコネクタといったハウジング内にフェルールを収容する構造のPCコネクタを用いることは、低コスト化や小型化に反する。
【0005】
そこで、PC接続においても図4(a)(b)に示すクリップAと同様のクリップを用いた簡便で確実な接続構造が望まれる。しかし、従来のクリップAはPC接続を前提としていないため、PC接続に用いることには次のような課題があった。光コネクタフェルールや光部品をPC接続させるためには、それらの接続端面を研磨して、これに挿通固定されているファイバの端面を接続端面から僅かに突出させる必要がある。かかる研磨はアルミナ等の砥粒を使用したバフ研磨によって行われるが、バフ研磨を行うと、接続端面Dが図6(a)に示すように球面状になってしまう(ダレてしまう)。
【0006】
接続端面Dが図6(a)に示すようにダレた光コネクタフェルールE同士をPC接続させ、それらに図4(a)(b)に示すクリップAをセットした状態を図6(b)に示す。同図に示すように、押し片CとフェルールEに挿通固定されたファイバGに被せられたゴムブーツHとの間にはクリアランスが存在する。この結果、クリップAが図7(a)に示すようにズレてセットされたり、セット後にズレることがある。この場合、ガイドピン孔Jとこれに挿入されたガイドピンKとの間にもクリアランスが存在することから荷重バランスが崩れ、図7(b)に示すように、フェルールEが傾く。この結果、ファイバ端面同士のPCが外れ、接続損失や反射減衰量の悪化を招く。特に、接続端面Dの中心から遠いファイバほどPCが外れ易い。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は前記課題を解決することにある。
【0008】
本発明の接続用弾性体の一つは、基部の両端に対向する押し片が形成され、対向する押し片の間に接続端面同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール又は光部品を配置すると、それら押し片によって夫々の光コネクタフェルール又は光部品の接続端面と反対側の端面(後方端面)が押されて、突き合わされた接続端面同士が密接する光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体において、前記押し片に、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部を設けたものである。
【0009】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられた凸部が光コネクタフェルール又は光部品の後方端面において開口するガイドピン孔の後端部に係合可能なものである。
【0010】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられる凸部を半径0.35mm以上1.0mm以下の球状としたものである。
【0011】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられる凸部を高さ2.0mm以下の円筒状としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の実施形態の一例を説明する。光コネクタフェルールは、熱可塑性の合成樹脂(ポリフェニレンスルフィド等)あるいは熱硬化性の合成樹脂(エポキシ系樹脂等)等の合成樹脂により成形されたものである。また、ここに示す接続用弾性体は、図1(a)(b)に示すように、バネ性のある銅合金等の金属よりなる略長方形の金属板の長手方向両端を折り曲げて、基部1の両外側に、一対の押し片2a、2b及び他の一対の押し片3a、3bを夫々対向するように形成したものである(二対の押し片を加圧成形したものである)。
【0013】
図1(a)(b)に示す押し片2aと2b及び押し片3aと3bは、接続端面4同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール5(図2a、b)の全長Lよりも狭間隔で対向させてある。従って、夫々の押し片2a〜3bを外側に押し開き、押し開かれたそれら押し片2a〜3bの間に接続端面4同士が突き合わされた一組のフェルール5をセットし、その後、各押し片2a〜3bに対する押しを解除すると、図2(a)(b)に示すように、各押し片2a〜3bがその弾性復元力によって互いのフェルール5の後方端面6(接続端面4とは反対側の端面6)に当接し、該フェルール5を相手方フェルール5側へ押圧する。この結果、突き合わされた接続端面4同士がしっかりと押し付けられて密接する。ここで、各押し片2a〜3bが柔軟且つ確実な弾性復元力を発揮するように、夫々の押し片2a〜3bの立ち上げ部7を図1(b)に示すような円弧状としてある。また、図1(a)に示すように、隣接する押し片2aと3a及び押し片2bと3bとの間に隙間8を設けてある。これによって、両フェルール5に挿通固定されている単心ファイバ9又は多心ファイバ9と押し片2a〜3bとが干渉することがない。(図2a参照)。
【0014】
図1(b)に示すように、各押し片2a〜3bにはエンボス加工等によって半球状の凸部10が形成されている。この凸部10は、図2(a)(b)に示すように、各押し片2a〜3bが夫々のフェルール5の後方端面6に当接すると、該後方端面6において開口しているガイドピン孔11の後端部(凹部)12に係合する。ここで、ガイドピン孔11とは、接続される一組のフェルール5同士を位置合わせするガイドピン13を挿入するために各フェルール5に予め設けられている孔であって、後方端面6から接続端面4まで貫通している。一組のフェルール5を接続する際には、連通した一組のフェルール5のガイドピン孔11にガイドピン13を跨らせて挿入する(図2a、b参照)。
【0015】
前記凸部10についてさらに詳しく説明すると、該凸部10は、一般的なガイドピン孔(φ0.7mm)にしっかりと係合可能なるように、その半径を0.35mm以上0.7mm以下としてある。尚、半径が0.35mm未満であると、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間に必要以上のクリアランスが生じ、十分な位置決め固定ができない。一方、半径が0.7mmより大きいと、R面が緩やか過ぎて十分な位置決め固定ができない(ズレてしまう)。
【0016】
また、図2(b)に示すように、凸部10がガイドピン孔11の後端部12に係合すると、接続された一組のフェルール5の底面(鍔の底面)が基部1の上面から浮き上がり、該上面との間に空隙13が生まれる。これによって、接続後の両フェルール5に余計な力が作用する虞がなくなる。
【0017】
(実施の形態2)
以下、本発明の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の実施形態の一例を説明する。ここに示す接続用弾性体の基本構成は実施形態1に示した接続用弾性体のそれと同一である。異なるのは、図3(a)(b)に示すように、凸部10を円柱状にしたことである。
【0018】
図3(a)(b)に示す凸部10は、一般的なガイドピン孔(φ0.7mm)にしっかりと係合可能なるように、その直径を0.60mm以上0.65mm以下としてある。尚、直径が0.60mm未満であると、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間に必要以上のクリアランスが生じ、十分な位置決め固定ができない。一方、直径が0.65mmより大きいと、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間のクリアランスが不足し、後端部12への挿入が困難になる。ここで、凸部10の高さ(長さ)は2.0mm以下が望ましい。凸部10がこれより長いと、対向する押し片2aと2b及び3aと3bの間に一組のフェルール5をセットする際に、夫々の押し片2a〜3bを大きく外側に押し開かなくてはならず、これら押し片2a〜3bの劣化を招き易いからである。
【0019】
(他の実施形態)
前記実施形態に示した押し片に形成された凸部は、ガイドピン孔の後端部ではなく、これ以外の凹部に係合可能とすることもできる。この場合、凹部は一般的なフェルールに何らかの目的で予め形成されている凹部であってもよく、凸部を係合させる目的で特に形成された凹部であってもよい。また、前記実施形態に示した押し片に形成された凸部は、フェルールの後方端面に形成されている凸部に係合可能な凹部に代えることもできる。この場合も、フェルールの後方端面に形成されている凸部は、一般的なフェルールに何らかの目的で予め形成されている凸部であってもよく、押し片の凹部を係合させる目的で特に形成された凸部であってもよい。
【0020】
押し片に形成される凸部は、該押し片に別部材を接着して形成してもよい。また、押し片やこれに形成される凸部又は凹部の数に限定はなく、基部に、少なくとも一対の押し片が設けられ、それら押し片に少なくとも1つの凸部又は凹部が形成されていればよい。
【0021】
本発明の接続用弾性体は、接続端面が斜め研磨された光コネクタフェルールにも適応する。また、光コネクタフェルール以外の光部品にも適応する。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の接続用弾性体は、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に当接する押し片に、該端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部が設けられている。従って、接続された一組の光コネクタフェルール又は光部品へのセット時又はセット後に位置ずれを生じることがない。特に、接続端面が球面状にダレた光コネクタフェルール等へのセット時又はセット後にも位置ずれを生じないので、PC接続されたフェルール等の固定に適する。
【0023】
請求項2記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が光コネクタフェルール又は光部品の後方端面において開口するガイドピン孔の後端部に係合可能である。従って、フェルール等に予め設けられているガイドピン孔を利用して前記効果を得ることが可能であり、フェルールに特別な加工等を要しない。
【0024】
請求項3記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が半径0.35mm以上1.0mm以下の球状である。従って、φ7.0mmの一般的なガイドピン孔の後端部にしっかりと係合可能であり、前記効果がより一層確実なものとなる。
【0025】
請求項4記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が高さ2.0mm以下の円筒状である。従って、φ7.0mmの一般的なガイドピン孔の後端部にしっかりと係合可能であり、前記効果がより一層確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態1に示す光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の平面図、(b)は同側面図。
【図2】(a)は接続された一組の光コネクタフェルールに図1の接続用弾性体をセットした状態を示す平面図、(b)は同側面図。
【図3】(a)は実施形態2に示す接続用弾性体の側面図、(b)は接続された一組の光コネクタフェルールに(a)の接続用弾性体をセットした状態を示す側面図。
【図4】(a)は従来のクリップを示す平面図、(b)は同側面図。
【図5】(a)は接続された一組の光コネクタフェルールに図4の接続用弾性体をセットした状態を示す平面図、(b)は同側面図。
【図6】(a)は接続端面がダレた光コネクタフェルールを示す平面図、(b)は(a)に示フェルール同士を接続し、これに図4のクリップをセットした状態を示す平面図。
【図7】(a)は図6のクリップがズレてセットされた状態を示す平面図、(b)はフェルールの接続端面付近の拡大平面図。
【符号の説明】
1 基部
2a、2b 押し片
3a、3b 押し片
4 フェルールの接続端面
5 フェルール
6 フェルールの後方端面
7 押し片の立ち上げ部
8 押し片間の隙間
9 フェルールに挿通固定されたファイバ
10 凸部
11 ガイドピン孔
12 ガイドピン孔の後端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタフェルール又は光部品の接続技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光コネクタフェルール又は光部品の接続構造をMTコネクタを例にとって説明する。MTコネクタは、単心ファイバ又は多心ファイバテープが挿通固定された一組のMTコネクタフェルールから構成される。夫々のフェルールは挿通固定されたファイバの端面が露出する接続端面を備え、互いの接続端面同士を突き合わせると、夫々のフェルールに挿通されているファイバ同士が光学的に接続される。尚、前記接続端面は、そこに露出しているファイバの端面が該接続端面より僅かに凹むように研磨されている。そこで、これら接続端面同士を突き合わせる際には、両端面間に屈折率整合剤を介在させるのが一般的である。また、突き合わされた接続端面同士をしっかりと密接させるために、図4(a)(b)に示すようなクリップAを使用する。このクリップAは、金属板の両端を折り曲げて、基部Bの両端に対向する押し片Cを形成したものである。
【0003】
図4(a)(b)に示すクリップは、図5(a)(b)に示すように、接続端面D同士が突き合わされた一組のフェルールEにセットされる。具体的には、まず、クリップAの対向する押し片Cを専用の治具で両外側に押し開く。次に、押し開かれた押し片Cの間に接続端面D同士を突き合わせた一組のフェルールEを配置し、その後、治具による押し片Cの押しを解除する。すると、押し片Cが夫々のフェルールEの後方端面F(接続端面Dと反対側の端面F)に当接し、該端面Fを接続端面D側に押圧する。この結果、互いのフェルールEの接続端面D同士が押し付けられしっかりと密接する。このとき、互いのフェルールEの接続端面Dに作用する押し付け力は約1kgfである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、接続/解除が繰り返えされる光コネクタフェルールや光部品の接続には、PC(Physical Contact)接続が主流となっている。PC接続によれば、光コネクタフェルールや光部品の接続端面間に屈折率整合剤を介在させたり、これを清掃したりする手間が省けるからである。また、近年のハイパワー伝送を考慮すれば、接続/解除を繰り返さない個所での接続であってもPC接続によるのが望ましい。光コネクタフェルールや光部品の接続端面間にエポキシ等の有機物を介在させるのは、耐久性の面から好ましくないからである。しかし、着脱の簡便性が要求されない接続個所でMPOコネクタやMPXコネクタといったハウジング内にフェルールを収容する構造のPCコネクタを用いることは、低コスト化や小型化に反する。
【0005】
そこで、PC接続においても図4(a)(b)に示すクリップAと同様のクリップを用いた簡便で確実な接続構造が望まれる。しかし、従来のクリップAはPC接続を前提としていないため、PC接続に用いることには次のような課題があった。光コネクタフェルールや光部品をPC接続させるためには、それらの接続端面を研磨して、これに挿通固定されているファイバの端面を接続端面から僅かに突出させる必要がある。かかる研磨はアルミナ等の砥粒を使用したバフ研磨によって行われるが、バフ研磨を行うと、接続端面Dが図6(a)に示すように球面状になってしまう(ダレてしまう)。
【0006】
接続端面Dが図6(a)に示すようにダレた光コネクタフェルールE同士をPC接続させ、それらに図4(a)(b)に示すクリップAをセットした状態を図6(b)に示す。同図に示すように、押し片CとフェルールEに挿通固定されたファイバGに被せられたゴムブーツHとの間にはクリアランスが存在する。この結果、クリップAが図7(a)に示すようにズレてセットされたり、セット後にズレることがある。この場合、ガイドピン孔Jとこれに挿入されたガイドピンKとの間にもクリアランスが存在することから荷重バランスが崩れ、図7(b)に示すように、フェルールEが傾く。この結果、ファイバ端面同士のPCが外れ、接続損失や反射減衰量の悪化を招く。特に、接続端面Dの中心から遠いファイバほどPCが外れ易い。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は前記課題を解決することにある。
【0008】
本発明の接続用弾性体の一つは、基部の両端に対向する押し片が形成され、対向する押し片の間に接続端面同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール又は光部品を配置すると、それら押し片によって夫々の光コネクタフェルール又は光部品の接続端面と反対側の端面(後方端面)が押されて、突き合わされた接続端面同士が密接する光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体において、前記押し片に、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部を設けたものである。
【0009】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられた凸部が光コネクタフェルール又は光部品の後方端面において開口するガイドピン孔の後端部に係合可能なものである。
【0010】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられる凸部を半径0.35mm以上1.0mm以下の球状としたものである。
【0011】
本発明の接続用弾性体の他の一つは、押し片に設けられる凸部を高さ2.0mm以下の円筒状としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の実施形態の一例を説明する。光コネクタフェルールは、熱可塑性の合成樹脂(ポリフェニレンスルフィド等)あるいは熱硬化性の合成樹脂(エポキシ系樹脂等)等の合成樹脂により成形されたものである。また、ここに示す接続用弾性体は、図1(a)(b)に示すように、バネ性のある銅合金等の金属よりなる略長方形の金属板の長手方向両端を折り曲げて、基部1の両外側に、一対の押し片2a、2b及び他の一対の押し片3a、3bを夫々対向するように形成したものである(二対の押し片を加圧成形したものである)。
【0013】
図1(a)(b)に示す押し片2aと2b及び押し片3aと3bは、接続端面4同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール5(図2a、b)の全長Lよりも狭間隔で対向させてある。従って、夫々の押し片2a〜3bを外側に押し開き、押し開かれたそれら押し片2a〜3bの間に接続端面4同士が突き合わされた一組のフェルール5をセットし、その後、各押し片2a〜3bに対する押しを解除すると、図2(a)(b)に示すように、各押し片2a〜3bがその弾性復元力によって互いのフェルール5の後方端面6(接続端面4とは反対側の端面6)に当接し、該フェルール5を相手方フェルール5側へ押圧する。この結果、突き合わされた接続端面4同士がしっかりと押し付けられて密接する。ここで、各押し片2a〜3bが柔軟且つ確実な弾性復元力を発揮するように、夫々の押し片2a〜3bの立ち上げ部7を図1(b)に示すような円弧状としてある。また、図1(a)に示すように、隣接する押し片2aと3a及び押し片2bと3bとの間に隙間8を設けてある。これによって、両フェルール5に挿通固定されている単心ファイバ9又は多心ファイバ9と押し片2a〜3bとが干渉することがない。(図2a参照)。
【0014】
図1(b)に示すように、各押し片2a〜3bにはエンボス加工等によって半球状の凸部10が形成されている。この凸部10は、図2(a)(b)に示すように、各押し片2a〜3bが夫々のフェルール5の後方端面6に当接すると、該後方端面6において開口しているガイドピン孔11の後端部(凹部)12に係合する。ここで、ガイドピン孔11とは、接続される一組のフェルール5同士を位置合わせするガイドピン13を挿入するために各フェルール5に予め設けられている孔であって、後方端面6から接続端面4まで貫通している。一組のフェルール5を接続する際には、連通した一組のフェルール5のガイドピン孔11にガイドピン13を跨らせて挿入する(図2a、b参照)。
【0015】
前記凸部10についてさらに詳しく説明すると、該凸部10は、一般的なガイドピン孔(φ0.7mm)にしっかりと係合可能なるように、その半径を0.35mm以上0.7mm以下としてある。尚、半径が0.35mm未満であると、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間に必要以上のクリアランスが生じ、十分な位置決め固定ができない。一方、半径が0.7mmより大きいと、R面が緩やか過ぎて十分な位置決め固定ができない(ズレてしまう)。
【0016】
また、図2(b)に示すように、凸部10がガイドピン孔11の後端部12に係合すると、接続された一組のフェルール5の底面(鍔の底面)が基部1の上面から浮き上がり、該上面との間に空隙13が生まれる。これによって、接続後の両フェルール5に余計な力が作用する虞がなくなる。
【0017】
(実施の形態2)
以下、本発明の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の実施形態の一例を説明する。ここに示す接続用弾性体の基本構成は実施形態1に示した接続用弾性体のそれと同一である。異なるのは、図3(a)(b)に示すように、凸部10を円柱状にしたことである。
【0018】
図3(a)(b)に示す凸部10は、一般的なガイドピン孔(φ0.7mm)にしっかりと係合可能なるように、その直径を0.60mm以上0.65mm以下としてある。尚、直径が0.60mm未満であると、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間に必要以上のクリアランスが生じ、十分な位置決め固定ができない。一方、直径が0.65mmより大きいと、該凸部10とガイドピン孔11の後端部12との間のクリアランスが不足し、後端部12への挿入が困難になる。ここで、凸部10の高さ(長さ)は2.0mm以下が望ましい。凸部10がこれより長いと、対向する押し片2aと2b及び3aと3bの間に一組のフェルール5をセットする際に、夫々の押し片2a〜3bを大きく外側に押し開かなくてはならず、これら押し片2a〜3bの劣化を招き易いからである。
【0019】
(他の実施形態)
前記実施形態に示した押し片に形成された凸部は、ガイドピン孔の後端部ではなく、これ以外の凹部に係合可能とすることもできる。この場合、凹部は一般的なフェルールに何らかの目的で予め形成されている凹部であってもよく、凸部を係合させる目的で特に形成された凹部であってもよい。また、前記実施形態に示した押し片に形成された凸部は、フェルールの後方端面に形成されている凸部に係合可能な凹部に代えることもできる。この場合も、フェルールの後方端面に形成されている凸部は、一般的なフェルールに何らかの目的で予め形成されている凸部であってもよく、押し片の凹部を係合させる目的で特に形成された凸部であってもよい。
【0020】
押し片に形成される凸部は、該押し片に別部材を接着して形成してもよい。また、押し片やこれに形成される凸部又は凹部の数に限定はなく、基部に、少なくとも一対の押し片が設けられ、それら押し片に少なくとも1つの凸部又は凹部が形成されていればよい。
【0021】
本発明の接続用弾性体は、接続端面が斜め研磨された光コネクタフェルールにも適応する。また、光コネクタフェルール以外の光部品にも適応する。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の接続用弾性体は、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に当接する押し片に、該端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部が設けられている。従って、接続された一組の光コネクタフェルール又は光部品へのセット時又はセット後に位置ずれを生じることがない。特に、接続端面が球面状にダレた光コネクタフェルール等へのセット時又はセット後にも位置ずれを生じないので、PC接続されたフェルール等の固定に適する。
【0023】
請求項2記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が光コネクタフェルール又は光部品の後方端面において開口するガイドピン孔の後端部に係合可能である。従って、フェルール等に予め設けられているガイドピン孔を利用して前記効果を得ることが可能であり、フェルールに特別な加工等を要しない。
【0024】
請求項3記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が半径0.35mm以上1.0mm以下の球状である。従って、φ7.0mmの一般的なガイドピン孔の後端部にしっかりと係合可能であり、前記効果がより一層確実なものとなる。
【0025】
請求項4記載の接続用弾性体は、押し片に設けられた凸部が高さ2.0mm以下の円筒状である。従って、φ7.0mmの一般的なガイドピン孔の後端部にしっかりと係合可能であり、前記効果がより一層確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態1に示す光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体の平面図、(b)は同側面図。
【図2】(a)は接続された一組の光コネクタフェルールに図1の接続用弾性体をセットした状態を示す平面図、(b)は同側面図。
【図3】(a)は実施形態2に示す接続用弾性体の側面図、(b)は接続された一組の光コネクタフェルールに(a)の接続用弾性体をセットした状態を示す側面図。
【図4】(a)は従来のクリップを示す平面図、(b)は同側面図。
【図5】(a)は接続された一組の光コネクタフェルールに図4の接続用弾性体をセットした状態を示す平面図、(b)は同側面図。
【図6】(a)は接続端面がダレた光コネクタフェルールを示す平面図、(b)は(a)に示フェルール同士を接続し、これに図4のクリップをセットした状態を示す平面図。
【図7】(a)は図6のクリップがズレてセットされた状態を示す平面図、(b)はフェルールの接続端面付近の拡大平面図。
【符号の説明】
1 基部
2a、2b 押し片
3a、3b 押し片
4 フェルールの接続端面
5 フェルール
6 フェルールの後方端面
7 押し片の立ち上げ部
8 押し片間の隙間
9 フェルールに挿通固定されたファイバ
10 凸部
11 ガイドピン孔
12 ガイドピン孔の後端部
Claims (4)
- 基部の両端に対向する押し片が形成され、対向する押し片の間に接続端面同士が突き合わされた一組の光コネクタフェルール又は光部品を配置すると、それら押し片によって夫々の光コネクタフェルール又は光部品の接続端面と反対側の端面(後方端面)が押されて、突き合わされた接続端面同士が密接する光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体において、前記押し片に、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面に存在する凹部又は凸部に係合可能な凸部又は凹部が設けられたことを特徴とする光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体。
- 押し片に設けられた凸部は、光コネクタフェルール又は光部品の後方端面において開口するガイドピン孔の後端部に係合可能であることを特徴とする請求項1記載の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体。
- 押し片に設けられた凸部が半径0.35mm以上1.0mm以下の球状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体。
- 押し片に設けられた凸部が高さ2.0mm以下の円筒状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体。
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---|---|---|---|
JP2002161715A JP2004012516A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 光コネクタフェルール又は光部品の接続用弾性体 |
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Cited By (3)
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JP2010237330A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光ファイバの接続構造 |
CN114063223A (zh) * | 2020-07-31 | 2022-02-18 | 青岛海信宽带多媒体技术有限公司 | 一种光模块 |
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-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161715A patent/JP2004012516A/ja active Pending
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