JP2004012390A - 高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法を提供すること。
【解決手段】高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を基に、評価すべき高温部品について高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定して、高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価する方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を基に、評価すべき高温部品について高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定して、高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価する方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの翼、燃焼器等の耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材についての簡易で迅速な品質評価法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用される耐熱合金製高温部品の材料としてはNi基耐熱合金が好ましく、Co、Cr、Mo、W、Alなどを固溶元素として多量含有し、溶体化処理での固溶強化を主な強化機構とする固溶強化型Ni基耐熱合金と、γ’相{Ni3(Al,Ti)}の析出強化およびMo、W等による固溶強化を兼ね備える析出強化型Ni基耐熱合金が用いられている。ガスタービン翼としては動翼と静翼があるが、高温強度、高温耐酸化性および高温耐食性に優れた特性が要求されるガスタービン動翼の材料としては、IN−738LC(商品名)などの析出強化型Ni基耐熱合金が適している。
【0003】
高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用される耐熱合金製高温部品には、図2の遮熱コーティング材の構成の断面図に示すように、基体1の表面に遮熱コーティング材2が施されている。一般に、遮熱コーティング材2(TBC:Thermal Barrier Coating)は、耐熱性を高めるために基体1の母材とセラミックス膜の間の熱膨張係数を有し、基体1の母材より高温耐食耐酸化性に優れた特性を有するMCrAlY(M:Co、Ni、Fe等)合金膜21と、この上に熱伝導性が低く、熱膨張が小さく、かつ高温で安定性に優れたジルコニアを主成分とするセラミックス膜22から構成されている。
【0004】
セラミックス膜22としては、Y2O3、Dy2O3、Yb2O3などを添加した部分安定化ZrO2が用いられている。遮熱コーティング材2は溶射法や電子ビーム物理蒸着法で形成されるが、電子ビーム物理蒸着法は処理時間が長いので、大型のガスタービン翼などではプラズマ溶射などの溶射法が主に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、耐熱合金製高温部品の遮熱コーティング材の施工時の溶射条件などのばらつきにより、施工されたガスタービン翼などの高温部品実機において、遮熱コーティング材の密着が不十分な品質の悪いものができる場合があり、そのまま実機使用されると短時間の使用で遮熱コーティング材に亀裂の発生、剥離が生じ、これによってガスタービン翼の基体に亀裂や欠けが生じる場合がある。また、健全な遮熱コーティング材を有するガスタービン翼などの高温部品においても、実機として使用されている間に遮熱コーティング材に亀裂が生じてくる。この亀裂の進展によるガスタービン翼の破損という重大問題が発生する前に遮熱コーティング材の再コーティング処理をして使用寿命を延ばすことが必要であり、また、遮熱コーティング材の品質状況を把握して、ガスタービン翼の破損に至る前に、新翼と交換することも必要である。
【0006】
従って、これらの対応をするためには、実機として使用開始する前に遮熱コーティング材の品質状況を確認したり、実機として使用途中の遮熱コーティング材の品質状況を確認したりすることが必要となっている。しかしながら、遮熱コーティング材の品質を評価する手法として、遮熱コーティング材の顕微鏡ミクロ組織観察によって判別しようとするやり方があるが、顕微鏡ミクロ組織観察では差異が確認できなかったにもかかわらず、遮熱コーティング材の剥離寿命に差異が生じる場合があり有効な品質評価法ではない。
【0007】
遮熱コーティング材の剥離寿命を示す耐久性の評価法の1つとして、出願人が開発した図3に概略模式図を示すレーザ加熱式熱サイクル試験装置3がある。このレーザ加熱式熱サイクル試験装置3は、ガスタービン翼などの実機と同様に板厚方向に温度勾配を付与した状態で1000サイクル以上の加熱、冷却を行うことができる装置である。図4に斜視図を示す円筒状の試験供試体31(円柱状であってもよい)のTBC表面をCO2レーザ32により加熱すると共に、基材裏面を裏面冷却エアーノズル33を介して供給される圧縮冷却エアー34により冷却し、試験供試体31内部に温度勾配を設けた状態で熱サイクルを試験供試体31に付与することができる。
【0008】
このレーザ加熱式熱サイクル試験装置3による耐久性測定結果が、実機の遮熱コーティング材の剥離寿命とよく対応していることを確認しているが、本試験装置は大型で長時間の測定が必要である。かつ円筒状の試験供試体31を作製しなければならず、ガスタービン動翼の負荷が一番かかる重要部位である翼前縁部からの試験供試体31の採取が難しい場合があり、もっと微小な試験供試体31を用いて簡易で迅速に剥離寿命を測定できる遮熱コーティング材の品質評価法の開発が要望されていた。
【0009】
従って、高温部品の遮熱コーティング材の有効な簡易で迅速な品質評価法がない現状では、実機として使用開始前の品質評価として、溶射施工した複数本のガスタービン翼の中から抜き取りで長時間かけてレーザ加熱式熱サイクル試験で剥離寿命を予測評価するか、有効な品質評価法ではないが前述した顕微鏡マクロ組織観察で評価を行っている。また、実機として使用開始したものについては、過去の稼動実績データに基づいて経験的にある使用時間経過後に、再コーティング処理をしたり新翼と交換しており、遮熱コーティング材に亀裂が発生していない健全なガスタービン翼を補修または廃却しているのが実情である。
【0010】
本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、高温部品の遮熱コーティング材の剥離寿命とよく対応しているレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を究明して、高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法を発明するに至った。
【0012】
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであって、高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を基に、評価すべき高温部品について高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定して、高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価することを特徴とする高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法である。高温曲げ試験は、遮熱コーティング材における亀裂の発生、進展を直接観察可能であるため、SEM(走査型電子顕微鏡)付きサーボ試験機で行われることが好ましい。
【0013】
高温曲げ試験の割れ限界歪は、高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有効なレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性とのより一層の相関関係が良いことから、横割れ限界歪であることが好ましい。また、高温部品がNi基耐熱合金製ガスタービン翼である遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。さらに、遮熱コーティング材がMCrAlY(M:Co、Ni、Fe等)合金膜と、この上に被覆されたジルコニアを主成分とするセラミックス膜である高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は本発明の実施の形態にかかる高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の構成を示す工程図である。高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を確認する工程(S100)と、評価すべき高温部品の実機などから採取した微小試験片を用いて高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定する工程(S103)と、これら工程1と工程2の測定結果の相関関係より高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価する工程(S105)とから構成される。高温曲げ試験は、遮熱コーティング材における亀裂の発生、進展を直接観察可能であるため、SEM付きサーボ試験機で行われることが好ましい。
【0016】
本発明の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法について、実施例を参照してさらに詳述する。
【0017】
(実施例)
高温部品の遮熱コーティング材について、レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性と高温曲げ試験での割れ限界歪との相関関係について究明した。レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性結果を表1と図5に、高温曲げ試験での結果を表2、図8、図9に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性の測定は、図4に示す円筒状の試験供試体31を用いて図3に概略模式図を示すレーザ加熱式熱サイクル試験装置3で行った。試験供試体31の遮熱コーティング材は、厚さ0.1mmのCoNiCrAlY合金膜と、その上に厚さがそれぞれ0.3〜0.5mmのY2O3を添加した部分安定化ZrO2(YSZ)と、Yb2O3を添加した部分安定化ZrO2(YbSZ)の2種類のセラミックス膜を有するもので、試験供試体A、B、C、Dの4つを作製した。レーザ加熱式熱サイクル試験条件およびその結果を表1と図5に示す。4つの試験供試体A、B、C、Dのうち、AとBは熱サイクルが非常に少ない段階で遮熱コーティング材の剥離が生じているが、CとDは剥離寿命が長く健全な遮熱コーティング材が形成されていることがわかる。
【0020】
高温曲げ試験での表面歪と割れ長さの測定は、図6に示すようにレーザ加熱式熱サイクル試験で異なる耐久性を示した4つの円筒状の試験供試体31から図7に示す微小形状の高温曲げ試験用の試験片4を採取した。試験は、走査電子顕微鏡部と高温で圧縮変位をストローク制御できる手段を有するSEM付きサーボ試験機で行った。試験結果を表2、図8(縦割れ限界値)および図9(横割れ限界値)に示す。縦割れ限界歪と横割れ限界歪は、それぞれ縦割れが遮熱コーティング材(TBC)表面より0.2mm発生した時の歪と縦割れから横割れに遷移する時の歪を意味する。
【0021】
【表2】
【0022】
表2と図8、図9より、レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性が、高温曲げ試験での割れ限界歪と相関関係があり、とくに横割れ限界歪との相関関係が良いことがわかる。また、横割れ発生後の亀裂の進展が比較的穏やかなものはレーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性が高い。図10は高温曲げ試験での遮熱コーティング材(TBC)表面歪量と割れ長さの関係を示す図であり、レーザ加熱式熱サイクル試験で耐久性が低い試験供試体31から採取した試験片A、Bは限界歪も低く、耐久性の高い試験供試体31から採取した試験片C、Dは限界歪も高いことがわかる。レーザ加熱式熱サイクル試験は、装置が大型で長時間の測定が必要であり、かつ円筒状の試験供試体31を作製しなければならないが、高温曲げ試験は微小な単純形状の試験片4で簡易に迅速に測定できる。
【0023】
なお、試験供試体AとCについて、遮熱コーティング材のミクロ組織を顕微鏡で観察した結果(110倍)を図11と図12に示す。前述したように、試験供試体AとCではレーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性に大きな差異があったが、図11および図12に示すように顕微鏡ミクロ組織では相異が認められず、顕微鏡ミクロ組織を観察しての遮熱コーティング材の品質評価法は有効でないことがわかる。
【0024】
次に、析出硬化型のIN−738LC(商品名)材のガスタービン動翼の基体に、遮熱コーティング材として厚さ0.1mmのCoNiCrAlY合金膜を低圧プラズマ溶射法で被覆し、続いて、厚さ0.3〜0.5mmの部分安定化ZrO2(YbSZ)膜を大気プラズマ溶射法で被覆して形成した。遮熱コーティング材を形成した実機10本を作製したが、1本については溶射条件として不適な条件で処理を行った。ガスタービン動翼実機10本について、翼前縁部から図7に示す形状の試験片4を採取し、SEM付きサーボ試験機で高温曲げ試験を行った。その結果、不適な条件で遮熱コーティング材の溶射を行った実機の横割れ限界歪が、他の9本の実機に比して小さいことを確認しており、本発明の品質評価法が高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法を提供できる。実機で使用開始する前に遮熱コーティング材の品質状況を確認でき、剥離寿命の短い遮熱コーティング材を有する実機を使用することを回避できる。また、健全な遮熱コーティング材を有する高温部品においても、実機として使用されているものについて高温曲げ試験の測定により、亀裂の進展による破損という重大問題が発生する前に遮熱コーティング材の再コーティング処理をして使用寿命を延ばすことや、新品と交換する判断もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の構成を示す図である。
【図2】高温部品の遮熱コーティング材の構成を示す断面図である。
【図3】レーザ加熱式熱サイクル試験装置の概略模式図である。
【図4】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いる円筒状の試験供試体の斜視図である。
【図5】レーザ加熱式熱サイクル試験結果の寿命比較を示す図である。
【図6】レーザ加熱式熱サイクル試験用の円筒状の試験供試体から高温曲げ試験用の試験片を採取する要領を示す図である。
【図7】高温曲げ試験用の試験片を示す図である。
【図8】高温曲げ試験結果の縦割れ発生歪量と表面歪量との関係を示す図である。
【図9】高温曲げ試験結果の横割れ発生歪量と表面歪量との関係を示す図である。
【図10】高温曲げ試験結果の表面歪量と割れ長さとの関係を示す図である。
【図11】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いた円筒状の試験供試体Aの顕微鏡ミクロ組織観察結果を示す図である。
【図12】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いた円筒状の試験供試体Cの顕微鏡ミクロ組織観察結果を示す図である。
【符号の説明】
1…基体、2…遮熱コーティング材、21…合金膜、22…セラミックス膜、3…レーザ加熱式熱サイクル試験装置、31…試験供試体、32…CO2レーザ、33…裏面冷却エアーノズル、34…圧縮冷却エアー、4…試験片
【発明の属する技術分野】
本発明は高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの翼、燃焼器等の耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材についての簡易で迅速な品質評価法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用される耐熱合金製高温部品の材料としてはNi基耐熱合金が好ましく、Co、Cr、Mo、W、Alなどを固溶元素として多量含有し、溶体化処理での固溶強化を主な強化機構とする固溶強化型Ni基耐熱合金と、γ’相{Ni3(Al,Ti)}の析出強化およびMo、W等による固溶強化を兼ね備える析出強化型Ni基耐熱合金が用いられている。ガスタービン翼としては動翼と静翼があるが、高温強度、高温耐酸化性および高温耐食性に優れた特性が要求されるガスタービン動翼の材料としては、IN−738LC(商品名)などの析出強化型Ni基耐熱合金が適している。
【0003】
高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用される耐熱合金製高温部品には、図2の遮熱コーティング材の構成の断面図に示すように、基体1の表面に遮熱コーティング材2が施されている。一般に、遮熱コーティング材2(TBC:Thermal Barrier Coating)は、耐熱性を高めるために基体1の母材とセラミックス膜の間の熱膨張係数を有し、基体1の母材より高温耐食耐酸化性に優れた特性を有するMCrAlY(M:Co、Ni、Fe等)合金膜21と、この上に熱伝導性が低く、熱膨張が小さく、かつ高温で安定性に優れたジルコニアを主成分とするセラミックス膜22から構成されている。
【0004】
セラミックス膜22としては、Y2O3、Dy2O3、Yb2O3などを添加した部分安定化ZrO2が用いられている。遮熱コーティング材2は溶射法や電子ビーム物理蒸着法で形成されるが、電子ビーム物理蒸着法は処理時間が長いので、大型のガスタービン翼などではプラズマ溶射などの溶射法が主に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、耐熱合金製高温部品の遮熱コーティング材の施工時の溶射条件などのばらつきにより、施工されたガスタービン翼などの高温部品実機において、遮熱コーティング材の密着が不十分な品質の悪いものができる場合があり、そのまま実機使用されると短時間の使用で遮熱コーティング材に亀裂の発生、剥離が生じ、これによってガスタービン翼の基体に亀裂や欠けが生じる場合がある。また、健全な遮熱コーティング材を有するガスタービン翼などの高温部品においても、実機として使用されている間に遮熱コーティング材に亀裂が生じてくる。この亀裂の進展によるガスタービン翼の破損という重大問題が発生する前に遮熱コーティング材の再コーティング処理をして使用寿命を延ばすことが必要であり、また、遮熱コーティング材の品質状況を把握して、ガスタービン翼の破損に至る前に、新翼と交換することも必要である。
【0006】
従って、これらの対応をするためには、実機として使用開始する前に遮熱コーティング材の品質状況を確認したり、実機として使用途中の遮熱コーティング材の品質状況を確認したりすることが必要となっている。しかしながら、遮熱コーティング材の品質を評価する手法として、遮熱コーティング材の顕微鏡ミクロ組織観察によって判別しようとするやり方があるが、顕微鏡ミクロ組織観察では差異が確認できなかったにもかかわらず、遮熱コーティング材の剥離寿命に差異が生じる場合があり有効な品質評価法ではない。
【0007】
遮熱コーティング材の剥離寿命を示す耐久性の評価法の1つとして、出願人が開発した図3に概略模式図を示すレーザ加熱式熱サイクル試験装置3がある。このレーザ加熱式熱サイクル試験装置3は、ガスタービン翼などの実機と同様に板厚方向に温度勾配を付与した状態で1000サイクル以上の加熱、冷却を行うことができる装置である。図4に斜視図を示す円筒状の試験供試体31(円柱状であってもよい)のTBC表面をCO2レーザ32により加熱すると共に、基材裏面を裏面冷却エアーノズル33を介して供給される圧縮冷却エアー34により冷却し、試験供試体31内部に温度勾配を設けた状態で熱サイクルを試験供試体31に付与することができる。
【0008】
このレーザ加熱式熱サイクル試験装置3による耐久性測定結果が、実機の遮熱コーティング材の剥離寿命とよく対応していることを確認しているが、本試験装置は大型で長時間の測定が必要である。かつ円筒状の試験供試体31を作製しなければならず、ガスタービン動翼の負荷が一番かかる重要部位である翼前縁部からの試験供試体31の採取が難しい場合があり、もっと微小な試験供試体31を用いて簡易で迅速に剥離寿命を測定できる遮熱コーティング材の品質評価法の開発が要望されていた。
【0009】
従って、高温部品の遮熱コーティング材の有効な簡易で迅速な品質評価法がない現状では、実機として使用開始前の品質評価として、溶射施工した複数本のガスタービン翼の中から抜き取りで長時間かけてレーザ加熱式熱サイクル試験で剥離寿命を予測評価するか、有効な品質評価法ではないが前述した顕微鏡マクロ組織観察で評価を行っている。また、実機として使用開始したものについては、過去の稼動実績データに基づいて経験的にある使用時間経過後に、再コーティング処理をしたり新翼と交換しており、遮熱コーティング材に亀裂が発生していない健全なガスタービン翼を補修または廃却しているのが実情である。
【0010】
本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、高温部品の遮熱コーティング材の剥離寿命とよく対応しているレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を究明して、高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法を発明するに至った。
【0012】
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであって、高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を基に、評価すべき高温部品について高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定して、高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価することを特徴とする高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法である。高温曲げ試験は、遮熱コーティング材における亀裂の発生、進展を直接観察可能であるため、SEM(走査型電子顕微鏡)付きサーボ試験機で行われることが好ましい。
【0013】
高温曲げ試験の割れ限界歪は、高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有効なレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性とのより一層の相関関係が良いことから、横割れ限界歪であることが好ましい。また、高温部品がNi基耐熱合金製ガスタービン翼である遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。さらに、遮熱コーティング材がMCrAlY(M:Co、Ni、Fe等)合金膜と、この上に被覆されたジルコニアを主成分とするセラミックス膜である高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
図1は本発明の実施の形態にかかる高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の構成を示す工程図である。高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を確認する工程(S100)と、評価すべき高温部品の実機などから採取した微小試験片を用いて高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定する工程(S103)と、これら工程1と工程2の測定結果の相関関係より高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価する工程(S105)とから構成される。高温曲げ試験は、遮熱コーティング材における亀裂の発生、進展を直接観察可能であるため、SEM付きサーボ試験機で行われることが好ましい。
【0016】
本発明の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法について、実施例を参照してさらに詳述する。
【0017】
(実施例)
高温部品の遮熱コーティング材について、レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性と高温曲げ試験での割れ限界歪との相関関係について究明した。レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性結果を表1と図5に、高温曲げ試験での結果を表2、図8、図9に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性の測定は、図4に示す円筒状の試験供試体31を用いて図3に概略模式図を示すレーザ加熱式熱サイクル試験装置3で行った。試験供試体31の遮熱コーティング材は、厚さ0.1mmのCoNiCrAlY合金膜と、その上に厚さがそれぞれ0.3〜0.5mmのY2O3を添加した部分安定化ZrO2(YSZ)と、Yb2O3を添加した部分安定化ZrO2(YbSZ)の2種類のセラミックス膜を有するもので、試験供試体A、B、C、Dの4つを作製した。レーザ加熱式熱サイクル試験条件およびその結果を表1と図5に示す。4つの試験供試体A、B、C、Dのうち、AとBは熱サイクルが非常に少ない段階で遮熱コーティング材の剥離が生じているが、CとDは剥離寿命が長く健全な遮熱コーティング材が形成されていることがわかる。
【0020】
高温曲げ試験での表面歪と割れ長さの測定は、図6に示すようにレーザ加熱式熱サイクル試験で異なる耐久性を示した4つの円筒状の試験供試体31から図7に示す微小形状の高温曲げ試験用の試験片4を採取した。試験は、走査電子顕微鏡部と高温で圧縮変位をストローク制御できる手段を有するSEM付きサーボ試験機で行った。試験結果を表2、図8(縦割れ限界値)および図9(横割れ限界値)に示す。縦割れ限界歪と横割れ限界歪は、それぞれ縦割れが遮熱コーティング材(TBC)表面より0.2mm発生した時の歪と縦割れから横割れに遷移する時の歪を意味する。
【0021】
【表2】
【0022】
表2と図8、図9より、レーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性が、高温曲げ試験での割れ限界歪と相関関係があり、とくに横割れ限界歪との相関関係が良いことがわかる。また、横割れ発生後の亀裂の進展が比較的穏やかなものはレーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性が高い。図10は高温曲げ試験での遮熱コーティング材(TBC)表面歪量と割れ長さの関係を示す図であり、レーザ加熱式熱サイクル試験で耐久性が低い試験供試体31から採取した試験片A、Bは限界歪も低く、耐久性の高い試験供試体31から採取した試験片C、Dは限界歪も高いことがわかる。レーザ加熱式熱サイクル試験は、装置が大型で長時間の測定が必要であり、かつ円筒状の試験供試体31を作製しなければならないが、高温曲げ試験は微小な単純形状の試験片4で簡易に迅速に測定できる。
【0023】
なお、試験供試体AとCについて、遮熱コーティング材のミクロ組織を顕微鏡で観察した結果(110倍)を図11と図12に示す。前述したように、試験供試体AとCではレーザ加熱式熱サイクル試験での耐久性に大きな差異があったが、図11および図12に示すように顕微鏡ミクロ組織では相異が認められず、顕微鏡ミクロ組織を観察しての遮熱コーティング材の品質評価法は有効でないことがわかる。
【0024】
次に、析出硬化型のIN−738LC(商品名)材のガスタービン動翼の基体に、遮熱コーティング材として厚さ0.1mmのCoNiCrAlY合金膜を低圧プラズマ溶射法で被覆し、続いて、厚さ0.3〜0.5mmの部分安定化ZrO2(YbSZ)膜を大気プラズマ溶射法で被覆して形成した。遮熱コーティング材を形成した実機10本を作製したが、1本については溶射条件として不適な条件で処理を行った。ガスタービン動翼実機10本について、翼前縁部から図7に示す形状の試験片4を採取し、SEM付きサーボ試験機で高温曲げ試験を行った。その結果、不適な条件で遮熱コーティング材の溶射を行った実機の横割れ限界歪が、他の9本の実機に比して小さいことを確認しており、本発明の品質評価法が高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法として有用である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるガスタービン、ジェットエンジンなどの耐熱合金製高温部品における遮熱コーティング材の簡易で迅速な品質評価法を提供できる。実機で使用開始する前に遮熱コーティング材の品質状況を確認でき、剥離寿命の短い遮熱コーティング材を有する実機を使用することを回避できる。また、健全な遮熱コーティング材を有する高温部品においても、実機として使用されているものについて高温曲げ試験の測定により、亀裂の進展による破損という重大問題が発生する前に遮熱コーティング材の再コーティング処理をして使用寿命を延ばすことや、新品と交換する判断もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法の構成を示す図である。
【図2】高温部品の遮熱コーティング材の構成を示す断面図である。
【図3】レーザ加熱式熱サイクル試験装置の概略模式図である。
【図4】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いる円筒状の試験供試体の斜視図である。
【図5】レーザ加熱式熱サイクル試験結果の寿命比較を示す図である。
【図6】レーザ加熱式熱サイクル試験用の円筒状の試験供試体から高温曲げ試験用の試験片を採取する要領を示す図である。
【図7】高温曲げ試験用の試験片を示す図である。
【図8】高温曲げ試験結果の縦割れ発生歪量と表面歪量との関係を示す図である。
【図9】高温曲げ試験結果の横割れ発生歪量と表面歪量との関係を示す図である。
【図10】高温曲げ試験結果の表面歪量と割れ長さとの関係を示す図である。
【図11】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いた円筒状の試験供試体Aの顕微鏡ミクロ組織観察結果を示す図である。
【図12】レーザ加熱式熱サイクル試験に用いた円筒状の試験供試体Cの顕微鏡ミクロ組織観察結果を示す図である。
【符号の説明】
1…基体、2…遮熱コーティング材、21…合金膜、22…セラミックス膜、3…レーザ加熱式熱サイクル試験装置、31…試験供試体、32…CO2レーザ、33…裏面冷却エアーノズル、34…圧縮冷却エアー、4…試験片
Claims (5)
- 高温部品の遮熱コーティング材について、予め測定作成しておいたレーザ加熱式熱サイクル試験の耐久性と高温曲げ試験の割れ限界歪との相関関係を基に、評価すべき高温部品について高温曲げ試験で遮熱コーティング材の表面歪量と割れ長さを測定して、前記高温部品の遮熱コーティング材の品質を評価することを特徴とする高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法。
- 前記高温曲げ試験がSEM付きサーボ試験機で行われることを特徴とする請求項1に記載の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法。
- 前記高温曲げ試験の割れ限界歪が横割れ限界歪であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法。
- 前記高温部品がNi基耐熱合金製ガスタービン翼であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法。
- 前記遮熱コーティング材がMCrAlY(M:Co、Ni、Fe等)合金膜と、この上に被覆されたジルコニアを主成分とするセラミックス膜であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高温部品の遮熱コーティング材の品質評価法。
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