JP2004012163A - 超音波板波の検出方法及び配管の欠陥検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波を配管内部に入射した際に得られる板波を効率的に受信し、配管の欠陥検出の精度を上げる。
【解決手段】超音波送信振動子11から超音波を配管20内部に入射し、その際に、配管20内部への入射角又はその屈折角を超音波内で一様にして、伝搬する超音波を板波とする。超音波板波を検出する受信振動子13は、配管20から媒質12に出射する超音波23の屈折角が90°から角度θまでの成分で、且つ、周波数範囲が1MHzから3MHzまでの成分を検出する(sinθ=CW/CL)。配管の欠陥に対応する超音波の実質的に全ての成分が検出でき、配管の欠陥検出の精度及び効率が向上する。媒質をポリスチレンとすると、θは約25°である。
【選択図】 図1
【解決手段】超音波送信振動子11から超音波を配管20内部に入射し、その際に、配管20内部への入射角又はその屈折角を超音波内で一様にして、伝搬する超音波を板波とする。超音波板波を検出する受信振動子13は、配管20から媒質12に出射する超音波23の屈折角が90°から角度θまでの成分で、且つ、周波数範囲が1MHzから3MHzまでの成分を検出する(sinθ=CW/CL)。配管の欠陥に対応する超音波の実質的に全ての成分が検出でき、配管の欠陥検出の精度及び効率が向上する。媒質をポリスチレンとすると、θは約25°である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波板波の検出方法及び配管の欠陥検出方法に関し、更に詳しくは、配管内部を伝搬する超音波板波を検出する方法、及び、該方法を利用して、配管の腐食等による欠陥の有無、その位置及び/又は大きさを判定する、配管の欠陥検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油プラントや化学プラント等においては、多数の配管が屋外及び屋内で使用されており、その使用期間も長期に亘るため、各配管における腐食の有無や、その位置、大きさを判定する技術が開発されている。
【0003】
特開2001−41939号には、従来の配管の欠陥検出方法が記載されている。この方法は、配管の延在方向に直交する方向で且つ配管の表面に立てた垂線から所定の角度範囲に収まるように超音波を配管内部に向けて入射し、配管内部をその周方向に伝搬する透過超音波又はこの透過超音波が欠陥によって反射する反射超音波を検出し、透過超音波又は反射超音波の到達時間に基づいて欠陥の位置を、また、その振幅に基づいて欠陥の有無や大きさを判定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の欠陥検出方法では、屋外配管で生ずる配管外周部での腐食による欠陥位置及びその腐食量の検出が、特別な計算を必要とすることなく可能となる。しかし、この欠陥検出方法では、配管内部を伝搬する超音波の分布が配管外周側に集中し、配管内周側における超音波の分布が十分ではないために、配管内周部に位置する内部腐食の存在の有無、その位置及び腐食量を精度よく判定できない欠点があった。
【0005】
出願人は、本出願の先願となる特願2001−283173号において、配管内部を伝搬する超音波を板波とすることにより、配管内部における超音波の配管厚み方向の分布を均一にする技術を提案している。図13は、該先願に記載の配管の欠陥検出方法を示す配管の断面図である。
【0006】
図13において、超音波を入射する超音波送信振動子11は、配管20の頂部付近(点P1)に配置する。超音波送信振動子11は、超音波が内部を伝播する媒質を成す探触子12を介して配管20に向けて超音波を入射し、この超音波を配管内部で周方向に伝搬させる。
【0007】
超音波を検出する超音波受信振動子13は、超音波送信振動子11の設置点P1、及び、超音波の進行方向で配管表面の適当な位置、例えば超音波の入射位置から72.5°の角度位置P2に配置する。超音波受信振動子13は、配管20の内部を正逆の双方向に伝搬(透過又は反射)する超音波を検出できるように配置する。
【0008】
超音波送信振動子11から配管20に向けて入射する超音波の入射角度を適切に選定することにより、配管表面で屈折した後の超音波の進行方向と、その入射位置での配管表面の垂線との成す角度(屈折角)を超音波内で均一にすることが出来る。つまり、図面上で示した角度α及びβについて、α=βとすることが出来る。
【0009】
上記配管内部の超音波は、伝搬速度解析の結果、板波となって伝搬していることが判明している。これは、一般に、板波は基準波周波数の周囲に複数の山を有するスペクトルを有するが、横波は基準波周波数を中心とした1つの山状のスペクトルであることからも判断できたものである。
【0010】
ところで、上記配管内部を伝搬する板波の検出方法については、配管内部の欠陥の厚み(深さ)を精度よく検出する観点から、配管内部を伝搬する板波の成分全てを効率よく検出できる方法が望まれる。しかし、このような好ましい方法については、上記先願中では開示されていない。
【0011】
従って、本発明は、上記先願中で開示された、配管内部を伝搬する超音波板波の検出にあたって、超音波板波を精度よくまた効率的に検出できる方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、上記方法を利用して配管内部の欠陥を精度よく検出できる、配管の欠陥検出方法を提供することをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の超音波板波の検出方法は、配管の延在方向と直交する方向に配管内部を伝搬する超音波板波を検出する方法であって、
配管内部から、配管表面に接触する媒質中に超音波板波を導き、
配管表面に立てた垂線から計った屈折角が90度から下記角度θ:
θ=sin(CW/CL)、(但し、CWは媒質内の超音波板波の伝搬速度、CLは配管内部の超音波板波の最大伝搬速度)
迄の超音波板波を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の配管の欠陥検出方法は、配管の延在方向と直交する方向に超音波を配管内部に向けて入射し、配管内部をその周方向に伝搬する透過超音波及び該透過超音波が欠陥によって反射する反射超音波の少なくとも一方を検出して、配管の欠陥の有無、位置及び/又は大きさを判定する、配管の欠陥検出方法において、
配管内部を伝搬する超音波を板波とし、
上記本発明の超音波板波の検出方法を用いて前記板波を検出することを特徴とする。
【0015】
本発明の超音波板波の検出方法、及び、配管の欠陥検出方法によると、配管内部から媒質内に出射する超音波板波は、その出射の際の屈折角が90度から角度θ(=sin(CW/CL))までの間に、その殆ど全てが含まれるため、検出される超音波板波の特定周波数範囲の振幅と、欠陥の深さと配管の肉厚との比として検出される欠陥比との関係が良好な線形となり、また、検出できる超音波板波の振幅もほぼ最大となるので、欠陥比検出の精度及び効率が向上する。
【0016】
ここで、本発明で使用する用語「配管の内部」は、配管を構成する配管材の外周面と内周面とで囲まれる配管全体を意味する。
【0017】
本発明の好ましい態様では、媒質内の超音波板波の伝搬速度CWが、配管内部を伝搬する超音波板波の最大伝搬速度CLの50%から20%迄の間にある媒質を使用する。このような媒質は、例えばポリスチレンである。この場合、ポリスチレンを、超音波送信振動子及び超音波受信振動子の夫々と配管表面との間に「くさび」として配置することが好ましい。
【0018】
また、本発明の超音波板波の検出方法は、周波数範囲が1MHz〜3MHzの超音波板波を検出することが好ましい。この場合、配管の欠陥の検出に際して欠陥比と振幅比との関係が良好となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、各要素の参照符号は、理解を容易にするために全図を通して同じとした。図1は、本発明の一実施形態例に係る超音波板波の検出方法を利用する、本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法の原理を示す配管の断面図である。超音波を発生する超音波送信振動子11及び超音波を受信する超音波受信振動子13は、何れも配管表面に接触するくさび(媒質)12を介して、配管20の外部表面と対向するように配置される。
【0020】
超音波送信子11は、配管20の頂部付近に配置してある。超音波送信振動子11は、媒質(くさび)12を介して配管20に向けて超音波23を所定の入射角で入射し、この超音波23を配管20の内部で周方向に伝搬させる。超音波は、配管内部で欠陥が存在すると、その透過波の特定周波数範囲の振幅が減少する。また、反射波の特定周波数範囲の振幅が増大する。
【0021】
超音波受信振動子13は、超音波の透過波を検出するために、配管20の側方に配置される。超音波受信振動子13は、その有効受信面の頂部が配管の頂部よりもやや高く、また、後述する屈折角θを有する超音波板波を検出するのに十分な位置に底部を有する。換言すると、超音波受信振動子13は、その有効受信面は長方形状であり、長辺がL=r0(1−sinθ)以上であり(r0は配管の半径)、短辺は適当な長さに設定される。
【0022】
超音波送信振動子11から配管20に向けて入射する超音波の入射角を適切に選定することにより、配管表面で屈折した後の超音波の進行方向と、その入射位置での配管表面の垂線との成す角度(屈折角)を超音波内で均一にすることが出来る。つまり、図面上で示した入射角α及びβについて、α=βとすることが出来る。
【0023】
図2は、図1の一部詳細を示すもので、本実施形態例で採用する超音波送信振動子11を有する等角入射探触子の構造を示している。等角入射探触子10は、特殊な出射面を有する超音波送信振動子1を有し、超音波送信振動子11から送られる超音波23は、配管20へ入射する入射角が均一に保たれ、従って、屈折角も均一に保たれている。この入射角は、同図の場合、39°としてあり、屈折角は60°としてある。使用できる等角入射探触子10は、例えばアイエスエル社製であり、振動子材質は0―3コンポジット、振動子共振周波数は10.5MHzであり、また、くさび12の材質はポリスチレンである。
【0024】
超音波の入射角α、βを均一としたことにより、上記の通り屈折角(60°)も均一になる。このような大きな屈折角を持って配管内部に入射する超音波は、その大部分が配管内周面で反射して再び配管外周面に向かい、配管内部側に反射するというように、その全体が配管内部をほぼ一様に且つ周方向に伝搬する。
【0025】
配管に入射する際の入射角及び屈折角は夫々、各位置において配管表面に立てた垂線とその位置において入射する超音波の進行方向との成す角度、及び、前記垂線とその位置において配管表面で屈折した後の超音波の進行方向との成す角度として定義される。超音波は、超音波送信振動子11の表面から出射する際には、超音波送信振動子11の表面に垂直な方向に出射する。従って、超音波送信振動子11から出射する超音波は、相互に平行な進行方向を有する超音波ではなく、配管20表面に入射する位置によって超音波の進行方向が少しづつ異なる。このような超音波を得るために、超音波送信振動子11の表面を特別な形状に加工してある(特願2001−283173)。
【0026】
配管内部から媒質に向かって出射する際の超音波の屈折角は、同様に配管表面に立てた垂線と、媒質内における超音波の進行方向との成す角度として定義される。
【0027】
なお、本発明で使用する用語「配管」には、通常の配管に加えて、例えば円筒形状のタンク等も含まれる。これらタンクの内周面及び外周面付近の欠陥についても、本発明方法でその位置や大きさが検出可能だからである。
【0028】
本発明で規定する、超音波が配管から出射する際の屈折角の範囲を求めるために、以下の考察及びシミュレーションを行った。図3は、平板に板波を発生させる際の様子を示している。平板30の上面から探触子10及びくさび12を使用して超音波23を入射させると、平板30の底面で反射する超音波は、横波と縦波とにモード変換する。さらにそれぞれが上面に到達し再びモード変換する。その繰り返しの過程で横波と縦波の干渉が生じ、平板の厚さ方向全体でほぼ均一に伝搬する板波(ラム波)が発生する。板波は、平板の厚さ方向の中心面に対称性を持つS波と、非対称性を持つA波とから成ることが知られている。この超音波の挙動は、配管(円管)の外表面に等角で入射する超音波の挙動と同様であると考えられる。
【0029】
板波がモデル配管を伝搬する際の計算による分散曲線を図4に示す。図示のように、超音波板波は、周波数及び伝搬速度が夫々に異なるS波(S1、S2、...)及びA波(A1、A2、...)の集合であり、集合全体が配管内部を伝搬する。このモデル配管の分散曲線は、等角入射の送信振動子から超音波板波を配管内部に入射した実験において、
その中心ビームの入射点から周方向180度の位置でレーザー干渉計により超音波を受信し、その受信波のウェーブレット変換を求めて得られた実際の分散曲線とよく一致した。
【0030】
図4の分散曲線から、配管内部を伝搬する板波の最高速度CLは約5500m/秒であり、また、殆どの成分の最低速度CMは約2000m/秒であることが判る。媒質をポリスチレンとすると、この媒質内を伝搬する超音波の伝搬速度CPはCP=2350m/秒である。ここで、配管内部を伝搬する各モードの超音波の伝搬速度CAと、配管内部から媒質に出射する超音波の屈折角θとの間には、θ=sin(CP/CA)なる関係がある。この関係を図5に示した。
【0031】
図5において、配管内部を伝搬する各モードの超音波の最高速度CLに対応する板波の屈折角θは約25°であり、最低速度CMに対応するモードの波の屈折角は90°である。従って、媒質をポリスチレンとした場合には、屈折角が90°から25°までの屈折角範囲の超音波を捕捉する超音波受信振動子を配設することにより、配管内部を伝搬する殆ど全ての超音波板波を検出できることとなる。図1の超音波受信振動子は、このような屈折角範囲の超音波を受信できる長さを有し、その長さLは
L=r0(1−sinθ)
として得られる。但し、r0は、配管の半径である。
【0032】
媒質には、ポリスチレン以外の物質が採用できる。この場合、媒質内の超音波の伝搬速度CWが、配管内部を伝搬する超音波の最大伝搬速度CLの1/2〜1/4程度になるように媒質を選定することが好ましい。なお、配管内を伝搬する超音波の最大伝搬速度CLは、
【数1】
と表される。ここで、Eは配管の縦弾性係数、ρは配管の密度(kg/m3)、νは配管のポアソン比である。
【0033】
本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法を用いて配管の欠陥を検出した。使用したモデル配管は、外径60mm、厚さ3mmの鋼円管である。欠陥は幅1mmのスリット溝を内面から深さ1.0mm、1.5mm、2.0mmの3種類を別々の円管に加工した。厚さに対する欠陥比は33%、50%、66%になる。振幅比は欠陥がない場合の透過受信波の振幅に対する、欠陥がある場合の透過受信波の振幅の比である。なお、欠陥位置は、入射探触子の位置を0°とすると、これに対向する180°の位置である。
【0034】
図6は、各欠陥比を有するモデル配管から受信した超音波の波形を示し、図7は各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトルを示す。なお、受信振動子としては、中心周波数が5MHzのものを使用した。図6から、欠陥比の大きさによっては、受信超音波全体の振幅に殆ど変化がないことが理解できる。また、図7から、周波数スペクトルの1MHzから3MHzの範囲で、欠陥比の増大に対応して振幅が減少する旨が理解できる。なお、ある周波数領域に限って、欠陥の影響を受ける理由としては、波の分散性が関係していると考えられる。
【0035】
図8〜10は、受信振動子の中心周波数が2.25MHzのものを使用し、上記配管モデルについて欠陥比を測定した際の各波形を示している。図8は各欠陥比を有する配管モデルから受信した超音波の波形を示し、図9は各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトルを示す。また、図10は配管モデルについて欠陥比を測定した結果を示している。中心周波数が2.25MHzの振動子を使用したのは、周波数スペクトルで1MHzから3MHzまでの周波数の板波を検出するには、中心周波数が5MHzの振動子よりも良好であるために採用された。図中の破線で示す回帰線と受信した超音波の振幅比とがよく一致し、これによって、受信超音波の振幅によって欠陥の大きさが良好に検出可能であることが判った。
【0036】
比較のために従来の方法を用いて同じ配管の欠陥を検出した。従来の欠陥検出の結果を図11に示す。図中の破線で示す回帰線と欠陥比33%の振幅比との差が比較的大きく、このため、従来の方法は、特に配管内周面側の欠陥の検知性がよくないことがわかる。
【0037】
図12は、図1の実施形態例における受信振動子13に代えて、受信面が曲面形状の受信振動子13を採用した例を示している。受信振動子13は、所定の屈折角範囲の超音波を配管から受信すればよいので、このような曲面形状としてもよい。
【0038】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の超音波板波の検出方法及び配管の欠陥検出方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。例えば、上記実施形態例では、透過超音波を検出する例を示したが、反射超音波を検出してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の超音波板波の検出方法によると、配管内部を伝搬する超音波板波の各モードの波を実質的に全て検出できるので、配管の欠陥検出に利用すると、効率及び精度が高く欠陥を検出できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る配管の欠陥検出方法を示す配管の断面図。
【図2】超音波送信振動子の形状を示す、図1の詳細図。
【図3】平板内部を伝搬する板波の様子を示す断面図。
【図4】配管内部を伝搬する板波の各成分の周波数及び群速度の関係を示すグラフ。
【図5】板波の各成分の速度と屈折角の関係を示すグラフ。
【図6】各欠陥比を有するモデル配管で観測された受信超音波の振幅を示すグラフ。
【図7】各欠陥比を有するモデル配管で観測された受信超音波の周波数スペクトル。
【図8】各欠陥比を有するモデル配管から受信した超音波の波形を示すグラフ。
【図9】各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトル。
【図10】本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法で得られた欠陥比と受信超音波の振幅比との関係を示すグラフ。
【図11】従来の配管の欠陥検出方法で得られた図8と同様な図。
【図12】図1に示した受信振動子とは別の受信振動子を用いる欠陥検出方法を示す断面図。
【図13】先願に記載された配管の欠陥検出方法を示す断面図。
【符号の説明】
10:等角探触子
11:超音波送信振動子
12:くさび(媒質)
13:超音波受信振動子
20:配管
23:超音波
30:平板
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波板波の検出方法及び配管の欠陥検出方法に関し、更に詳しくは、配管内部を伝搬する超音波板波を検出する方法、及び、該方法を利用して、配管の腐食等による欠陥の有無、その位置及び/又は大きさを判定する、配管の欠陥検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油プラントや化学プラント等においては、多数の配管が屋外及び屋内で使用されており、その使用期間も長期に亘るため、各配管における腐食の有無や、その位置、大きさを判定する技術が開発されている。
【0003】
特開2001−41939号には、従来の配管の欠陥検出方法が記載されている。この方法は、配管の延在方向に直交する方向で且つ配管の表面に立てた垂線から所定の角度範囲に収まるように超音波を配管内部に向けて入射し、配管内部をその周方向に伝搬する透過超音波又はこの透過超音波が欠陥によって反射する反射超音波を検出し、透過超音波又は反射超音波の到達時間に基づいて欠陥の位置を、また、その振幅に基づいて欠陥の有無や大きさを判定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の欠陥検出方法では、屋外配管で生ずる配管外周部での腐食による欠陥位置及びその腐食量の検出が、特別な計算を必要とすることなく可能となる。しかし、この欠陥検出方法では、配管内部を伝搬する超音波の分布が配管外周側に集中し、配管内周側における超音波の分布が十分ではないために、配管内周部に位置する内部腐食の存在の有無、その位置及び腐食量を精度よく判定できない欠点があった。
【0005】
出願人は、本出願の先願となる特願2001−283173号において、配管内部を伝搬する超音波を板波とすることにより、配管内部における超音波の配管厚み方向の分布を均一にする技術を提案している。図13は、該先願に記載の配管の欠陥検出方法を示す配管の断面図である。
【0006】
図13において、超音波を入射する超音波送信振動子11は、配管20の頂部付近(点P1)に配置する。超音波送信振動子11は、超音波が内部を伝播する媒質を成す探触子12を介して配管20に向けて超音波を入射し、この超音波を配管内部で周方向に伝搬させる。
【0007】
超音波を検出する超音波受信振動子13は、超音波送信振動子11の設置点P1、及び、超音波の進行方向で配管表面の適当な位置、例えば超音波の入射位置から72.5°の角度位置P2に配置する。超音波受信振動子13は、配管20の内部を正逆の双方向に伝搬(透過又は反射)する超音波を検出できるように配置する。
【0008】
超音波送信振動子11から配管20に向けて入射する超音波の入射角度を適切に選定することにより、配管表面で屈折した後の超音波の進行方向と、その入射位置での配管表面の垂線との成す角度(屈折角)を超音波内で均一にすることが出来る。つまり、図面上で示した角度α及びβについて、α=βとすることが出来る。
【0009】
上記配管内部の超音波は、伝搬速度解析の結果、板波となって伝搬していることが判明している。これは、一般に、板波は基準波周波数の周囲に複数の山を有するスペクトルを有するが、横波は基準波周波数を中心とした1つの山状のスペクトルであることからも判断できたものである。
【0010】
ところで、上記配管内部を伝搬する板波の検出方法については、配管内部の欠陥の厚み(深さ)を精度よく検出する観点から、配管内部を伝搬する板波の成分全てを効率よく検出できる方法が望まれる。しかし、このような好ましい方法については、上記先願中では開示されていない。
【0011】
従って、本発明は、上記先願中で開示された、配管内部を伝搬する超音波板波の検出にあたって、超音波板波を精度よくまた効率的に検出できる方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、上記方法を利用して配管内部の欠陥を精度よく検出できる、配管の欠陥検出方法を提供することをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の超音波板波の検出方法は、配管の延在方向と直交する方向に配管内部を伝搬する超音波板波を検出する方法であって、
配管内部から、配管表面に接触する媒質中に超音波板波を導き、
配管表面に立てた垂線から計った屈折角が90度から下記角度θ:
θ=sin(CW/CL)、(但し、CWは媒質内の超音波板波の伝搬速度、CLは配管内部の超音波板波の最大伝搬速度)
迄の超音波板波を検出することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の配管の欠陥検出方法は、配管の延在方向と直交する方向に超音波を配管内部に向けて入射し、配管内部をその周方向に伝搬する透過超音波及び該透過超音波が欠陥によって反射する反射超音波の少なくとも一方を検出して、配管の欠陥の有無、位置及び/又は大きさを判定する、配管の欠陥検出方法において、
配管内部を伝搬する超音波を板波とし、
上記本発明の超音波板波の検出方法を用いて前記板波を検出することを特徴とする。
【0015】
本発明の超音波板波の検出方法、及び、配管の欠陥検出方法によると、配管内部から媒質内に出射する超音波板波は、その出射の際の屈折角が90度から角度θ(=sin(CW/CL))までの間に、その殆ど全てが含まれるため、検出される超音波板波の特定周波数範囲の振幅と、欠陥の深さと配管の肉厚との比として検出される欠陥比との関係が良好な線形となり、また、検出できる超音波板波の振幅もほぼ最大となるので、欠陥比検出の精度及び効率が向上する。
【0016】
ここで、本発明で使用する用語「配管の内部」は、配管を構成する配管材の外周面と内周面とで囲まれる配管全体を意味する。
【0017】
本発明の好ましい態様では、媒質内の超音波板波の伝搬速度CWが、配管内部を伝搬する超音波板波の最大伝搬速度CLの50%から20%迄の間にある媒質を使用する。このような媒質は、例えばポリスチレンである。この場合、ポリスチレンを、超音波送信振動子及び超音波受信振動子の夫々と配管表面との間に「くさび」として配置することが好ましい。
【0018】
また、本発明の超音波板波の検出方法は、周波数範囲が1MHz〜3MHzの超音波板波を検出することが好ましい。この場合、配管の欠陥の検出に際して欠陥比と振幅比との関係が良好となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、各要素の参照符号は、理解を容易にするために全図を通して同じとした。図1は、本発明の一実施形態例に係る超音波板波の検出方法を利用する、本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法の原理を示す配管の断面図である。超音波を発生する超音波送信振動子11及び超音波を受信する超音波受信振動子13は、何れも配管表面に接触するくさび(媒質)12を介して、配管20の外部表面と対向するように配置される。
【0020】
超音波送信子11は、配管20の頂部付近に配置してある。超音波送信振動子11は、媒質(くさび)12を介して配管20に向けて超音波23を所定の入射角で入射し、この超音波23を配管20の内部で周方向に伝搬させる。超音波は、配管内部で欠陥が存在すると、その透過波の特定周波数範囲の振幅が減少する。また、反射波の特定周波数範囲の振幅が増大する。
【0021】
超音波受信振動子13は、超音波の透過波を検出するために、配管20の側方に配置される。超音波受信振動子13は、その有効受信面の頂部が配管の頂部よりもやや高く、また、後述する屈折角θを有する超音波板波を検出するのに十分な位置に底部を有する。換言すると、超音波受信振動子13は、その有効受信面は長方形状であり、長辺がL=r0(1−sinθ)以上であり(r0は配管の半径)、短辺は適当な長さに設定される。
【0022】
超音波送信振動子11から配管20に向けて入射する超音波の入射角を適切に選定することにより、配管表面で屈折した後の超音波の進行方向と、その入射位置での配管表面の垂線との成す角度(屈折角)を超音波内で均一にすることが出来る。つまり、図面上で示した入射角α及びβについて、α=βとすることが出来る。
【0023】
図2は、図1の一部詳細を示すもので、本実施形態例で採用する超音波送信振動子11を有する等角入射探触子の構造を示している。等角入射探触子10は、特殊な出射面を有する超音波送信振動子1を有し、超音波送信振動子11から送られる超音波23は、配管20へ入射する入射角が均一に保たれ、従って、屈折角も均一に保たれている。この入射角は、同図の場合、39°としてあり、屈折角は60°としてある。使用できる等角入射探触子10は、例えばアイエスエル社製であり、振動子材質は0―3コンポジット、振動子共振周波数は10.5MHzであり、また、くさび12の材質はポリスチレンである。
【0024】
超音波の入射角α、βを均一としたことにより、上記の通り屈折角(60°)も均一になる。このような大きな屈折角を持って配管内部に入射する超音波は、その大部分が配管内周面で反射して再び配管外周面に向かい、配管内部側に反射するというように、その全体が配管内部をほぼ一様に且つ周方向に伝搬する。
【0025】
配管に入射する際の入射角及び屈折角は夫々、各位置において配管表面に立てた垂線とその位置において入射する超音波の進行方向との成す角度、及び、前記垂線とその位置において配管表面で屈折した後の超音波の進行方向との成す角度として定義される。超音波は、超音波送信振動子11の表面から出射する際には、超音波送信振動子11の表面に垂直な方向に出射する。従って、超音波送信振動子11から出射する超音波は、相互に平行な進行方向を有する超音波ではなく、配管20表面に入射する位置によって超音波の進行方向が少しづつ異なる。このような超音波を得るために、超音波送信振動子11の表面を特別な形状に加工してある(特願2001−283173)。
【0026】
配管内部から媒質に向かって出射する際の超音波の屈折角は、同様に配管表面に立てた垂線と、媒質内における超音波の進行方向との成す角度として定義される。
【0027】
なお、本発明で使用する用語「配管」には、通常の配管に加えて、例えば円筒形状のタンク等も含まれる。これらタンクの内周面及び外周面付近の欠陥についても、本発明方法でその位置や大きさが検出可能だからである。
【0028】
本発明で規定する、超音波が配管から出射する際の屈折角の範囲を求めるために、以下の考察及びシミュレーションを行った。図3は、平板に板波を発生させる際の様子を示している。平板30の上面から探触子10及びくさび12を使用して超音波23を入射させると、平板30の底面で反射する超音波は、横波と縦波とにモード変換する。さらにそれぞれが上面に到達し再びモード変換する。その繰り返しの過程で横波と縦波の干渉が生じ、平板の厚さ方向全体でほぼ均一に伝搬する板波(ラム波)が発生する。板波は、平板の厚さ方向の中心面に対称性を持つS波と、非対称性を持つA波とから成ることが知られている。この超音波の挙動は、配管(円管)の外表面に等角で入射する超音波の挙動と同様であると考えられる。
【0029】
板波がモデル配管を伝搬する際の計算による分散曲線を図4に示す。図示のように、超音波板波は、周波数及び伝搬速度が夫々に異なるS波(S1、S2、...)及びA波(A1、A2、...)の集合であり、集合全体が配管内部を伝搬する。このモデル配管の分散曲線は、等角入射の送信振動子から超音波板波を配管内部に入射した実験において、
その中心ビームの入射点から周方向180度の位置でレーザー干渉計により超音波を受信し、その受信波のウェーブレット変換を求めて得られた実際の分散曲線とよく一致した。
【0030】
図4の分散曲線から、配管内部を伝搬する板波の最高速度CLは約5500m/秒であり、また、殆どの成分の最低速度CMは約2000m/秒であることが判る。媒質をポリスチレンとすると、この媒質内を伝搬する超音波の伝搬速度CPはCP=2350m/秒である。ここで、配管内部を伝搬する各モードの超音波の伝搬速度CAと、配管内部から媒質に出射する超音波の屈折角θとの間には、θ=sin(CP/CA)なる関係がある。この関係を図5に示した。
【0031】
図5において、配管内部を伝搬する各モードの超音波の最高速度CLに対応する板波の屈折角θは約25°であり、最低速度CMに対応するモードの波の屈折角は90°である。従って、媒質をポリスチレンとした場合には、屈折角が90°から25°までの屈折角範囲の超音波を捕捉する超音波受信振動子を配設することにより、配管内部を伝搬する殆ど全ての超音波板波を検出できることとなる。図1の超音波受信振動子は、このような屈折角範囲の超音波を受信できる長さを有し、その長さLは
L=r0(1−sinθ)
として得られる。但し、r0は、配管の半径である。
【0032】
媒質には、ポリスチレン以外の物質が採用できる。この場合、媒質内の超音波の伝搬速度CWが、配管内部を伝搬する超音波の最大伝搬速度CLの1/2〜1/4程度になるように媒質を選定することが好ましい。なお、配管内を伝搬する超音波の最大伝搬速度CLは、
【数1】
と表される。ここで、Eは配管の縦弾性係数、ρは配管の密度(kg/m3)、νは配管のポアソン比である。
【0033】
本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法を用いて配管の欠陥を検出した。使用したモデル配管は、外径60mm、厚さ3mmの鋼円管である。欠陥は幅1mmのスリット溝を内面から深さ1.0mm、1.5mm、2.0mmの3種類を別々の円管に加工した。厚さに対する欠陥比は33%、50%、66%になる。振幅比は欠陥がない場合の透過受信波の振幅に対する、欠陥がある場合の透過受信波の振幅の比である。なお、欠陥位置は、入射探触子の位置を0°とすると、これに対向する180°の位置である。
【0034】
図6は、各欠陥比を有するモデル配管から受信した超音波の波形を示し、図7は各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトルを示す。なお、受信振動子としては、中心周波数が5MHzのものを使用した。図6から、欠陥比の大きさによっては、受信超音波全体の振幅に殆ど変化がないことが理解できる。また、図7から、周波数スペクトルの1MHzから3MHzの範囲で、欠陥比の増大に対応して振幅が減少する旨が理解できる。なお、ある周波数領域に限って、欠陥の影響を受ける理由としては、波の分散性が関係していると考えられる。
【0035】
図8〜10は、受信振動子の中心周波数が2.25MHzのものを使用し、上記配管モデルについて欠陥比を測定した際の各波形を示している。図8は各欠陥比を有する配管モデルから受信した超音波の波形を示し、図9は各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトルを示す。また、図10は配管モデルについて欠陥比を測定した結果を示している。中心周波数が2.25MHzの振動子を使用したのは、周波数スペクトルで1MHzから3MHzまでの周波数の板波を検出するには、中心周波数が5MHzの振動子よりも良好であるために採用された。図中の破線で示す回帰線と受信した超音波の振幅比とがよく一致し、これによって、受信超音波の振幅によって欠陥の大きさが良好に検出可能であることが判った。
【0036】
比較のために従来の方法を用いて同じ配管の欠陥を検出した。従来の欠陥検出の結果を図11に示す。図中の破線で示す回帰線と欠陥比33%の振幅比との差が比較的大きく、このため、従来の方法は、特に配管内周面側の欠陥の検知性がよくないことがわかる。
【0037】
図12は、図1の実施形態例における受信振動子13に代えて、受信面が曲面形状の受信振動子13を採用した例を示している。受信振動子13は、所定の屈折角範囲の超音波を配管から受信すればよいので、このような曲面形状としてもよい。
【0038】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の超音波板波の検出方法及び配管の欠陥検出方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。例えば、上記実施形態例では、透過超音波を検出する例を示したが、反射超音波を検出してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の超音波板波の検出方法によると、配管内部を伝搬する超音波板波の各モードの波を実質的に全て検出できるので、配管の欠陥検出に利用すると、効率及び精度が高く欠陥を検出できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る配管の欠陥検出方法を示す配管の断面図。
【図2】超音波送信振動子の形状を示す、図1の詳細図。
【図3】平板内部を伝搬する板波の様子を示す断面図。
【図4】配管内部を伝搬する板波の各成分の周波数及び群速度の関係を示すグラフ。
【図5】板波の各成分の速度と屈折角の関係を示すグラフ。
【図6】各欠陥比を有するモデル配管で観測された受信超音波の振幅を示すグラフ。
【図7】各欠陥比を有するモデル配管で観測された受信超音波の周波数スペクトル。
【図8】各欠陥比を有するモデル配管から受信した超音波の波形を示すグラフ。
【図9】各欠陥比に対応する受信超音波の周波数スペクトル。
【図10】本発明の一実施形態例の配管の欠陥検出方法で得られた欠陥比と受信超音波の振幅比との関係を示すグラフ。
【図11】従来の配管の欠陥検出方法で得られた図8と同様な図。
【図12】図1に示した受信振動子とは別の受信振動子を用いる欠陥検出方法を示す断面図。
【図13】先願に記載された配管の欠陥検出方法を示す断面図。
【符号の説明】
10:等角探触子
11:超音波送信振動子
12:くさび(媒質)
13:超音波受信振動子
20:配管
23:超音波
30:平板
Claims (5)
- 配管の延在方向と交差する方向に配管内部を伝搬する超音波板波を検出する方法であって、
配管内部から、配管表面に接触する媒質を介して超音波板波を導き、
配管表面に立てた垂線から計った屈折角が90度から下記角度θ:
θ=sin(CW/CL)、(但し、CWは媒質内の超音波板波の伝搬速度、CLは配管内部の超音波板波の最大伝搬速度)
迄の超音波を検出することを特徴とする超音波板波の検出方法。 - 前記伝搬速度CWが前記最大伝搬速度CLの50%から20%迄の間にある媒質を使用することを特徴とする、請求項1に記載の超音波板波の検出方法。
- 前記媒質がポリスチレンであり、前記角度θが約25°であることを特徴とする、請求項2に記載の超音波板波の検出方法。
- 周波数が1〜3MHz範囲の超音波板波を検出することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の超音波板波の検出方法。
- 配管の延在方向と直交する方向に超音波を配管内部に向けて入射し、配管内部をその周方向に伝搬する透過超音波及び該透過超音波が欠陥によって反射する反射超音波の少なくとも一方を検出して、配管の欠陥の有無、位置及び/又は大きさを判定する、配管の欠陥検出方法において、
配管内部を伝搬する超音波を板波とし、
請求項1〜4の何れかに記載の検出方法を用いて前記超音波板波を検出することを特徴とする配管の欠陥検出方法。
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