JP2004011176A - 建設機械の旋回体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な形状のカウンタウェイトに雨水等が滞留するのを防止し、より実用的な用途にも利用することができる建設機械の旋回体を提供する。
【解決手段】旋回体4は、その本体後部に配置されたカウンタウェイト18および本体側部に配置されたドア20を備えており、カウンタウェイト18にはその端部からドア20の下方に突出する突出形状部24が形成されている。突出形状部24には上下方向に貫通するパイプ部材50が埋め込まれており、このパイプ部材50は突出形状部の上下面にてそれぞれ開口し、内部に水抜き通路を形成している。また、ドア20の内側にはドアストッパ34が設けられており、このドアストッパ34はドア20が開かれた状態でパイプ部材50の上端開口に係止されることでドア20を開位置に保持することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】旋回体4は、その本体後部に配置されたカウンタウェイト18および本体側部に配置されたドア20を備えており、カウンタウェイト18にはその端部からドア20の下方に突出する突出形状部24が形成されている。突出形状部24には上下方向に貫通するパイプ部材50が埋め込まれており、このパイプ部材50は突出形状部の上下面にてそれぞれ開口し、内部に水抜き通路を形成している。また、ドア20の内側にはドアストッパ34が設けられており、このドアストッパ34はドア20が開かれた状態でパイプ部材50の上端開口に係止されることでドア20を開位置に保持することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械の旋回体に係り、特にカウンタウェイトが特殊な形状を有する場合に適した建設機械の旋回体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の旋回体はその本体後部にカウンタウェイトを備えており、カウンタウェイトは必要なバランス機能を確保するべくその質量が設定されるほか、旋回体のデザインに合わせた形状が設定される。特に、後方旋回半径を短くした後方小旋回型、あるいは、超小旋回型の旋回体にあっては、必要な質量の確保に加えて、その小型化の必要性からカウンタウェイトの形状も凹凸の多い特殊な形状となることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにカウンタウェイトが特殊な形状を有する場合、その形状によって雨水等の溜りやすい箇所が生じることがある。雨水等の滞留はカウンタウェイトの鋼製部分を腐食する要因となるため、これを排除する必要がある。
そこで本発明は、カウンタウェイトに滞留する雨水等を排除するとともに、より実用的な用途にも利用することができる建設機械の旋回体の提供を課題としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)は走行体の上方に旋回装置を介して支持された本体を有し、この本体の前部に運転室および作業機構を備えた建設機械の旋回体において、本体の後部に配置されて後部壁を形成するカウンタウェイトと、本体の側部に配置されて側部壁の一部を形成する一方、その内部を側方に開放可能とするドアと、カウンタウェイトに形成されて本体の側面に沿って前方に延び、且つ、本体の幅方向でみてカウンタウェイトの端部からドアの下方に突出する突出形状部と、この突出形状部を上下方向に貫通して埋め込まれ、両端が突出形状部の上下面にてそれぞれ開口するパイプ部材と、ドアの内側に取り付けられ、このドアが開かれた状態でパイプ部材の上端開口に係止されることによりドアを開位置に保持するドアストッパとを備えている。
【0005】
上述した建設機械の旋回体によれば、突出形状部の形成によりカウンタウェイトに必要な質量が確保されるとともに、突出形状部に埋め込まれたパイプ部材により上下に貫通した水抜き通路が形成される。このため、カウンタウェイトが特殊な形状を有していても、雨水等がパイプ部材を通じて排水されるため、材料の腐食が確実に防止される。
【0006】
本発明の建設機械の旋回体において、カウンタウェイトは鋳造により成形されており、上述したパイプ部材は突出形状部となるべき部位に鋳包されていることが好ましい(請求項2)。この場合、水抜き用の通路を正確且つ容易に加工することができ、また通路内径の最小化も容易である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、建設機械の一例として油圧ショベルを示している。油圧ショベルは例えば、クローラ型の走行体2と、この走行体2の上方に設けられた旋回体4を備えている。旋回体4はその本体下部にメインフレーム6を有しており、メインフレーム6は旋回装置8を介して走行体2上に支持されている。
【0008】
メインフレーム6上には運転室10およびフロント作業機構12が設けられており、これら運転室10およびフロント作業機構12は旋回体2の本体前部に配置されている。運転室10にはオペレータが着座し、ここから走行体2が操作されるほか、旋回体4およびフロント作業機構12もまた運転室10から操作される。フロント作業機構12はブーム14を有するほか、図示省略したアームおよびバケット、そして、これらを作動させる油圧シリンダ16等から構成されている。
【0009】
旋回体4は、その本体後部に配置されたカウンタウェイト18を有しており、カウンタウェイト18は旋回体4の後部壁を形成している。またメインフレーム6上において、運転室10およびフロント作業機構12の後方には図示しないエンジンルームが配置されており、このエンジンルームの後方はカウンタウェイト18により区画されている。
【0010】
旋回体4の一方の側面(図1では左側)にはドア20が設けられており、このドア20は運転室10の後方にて、旋回体4の側部壁の一部を形成している。またドア20は、図示のように閉じられた状態で上述のエンジンルームの側方を区画している。ドア20は図示しないヒンジを介して側方に開閉することができ、このドア20が開かれることで旋回体4の本体内部が側方に開放されるものとなっている。特に、上述のエンジンルームにはドア20を開いたときの開口を通じてその内部にアクセスが可能となる。
【0011】
図2および図3はカウンタウェイト18およびドア20を具体的に示しており、これら図2,3では上述の運転室10およびフロント作業機構12は省略されている。また図2,3にはカウンタウェイト18とともにメインフレーム6が仮想的に示されている。
図2,3に示すように、カウンタウェイト18は特にその内側に複雑な凹凸形状を有している。またカウンタウェイト18は、その後端縁が円弧形状に形成されており、旋回体4の幅方向でみて両端部が本体側面に回り込むようにして形成されている。旋回体4の一方の側面(左側面)には上述のドア20が設けられているため、カウンタウェイト18の一端部はドア20の開口を避けるようにして側方に回り込み、このドア20を挟んで上下に一対の突出形状部22,24が形成されている。これら突出形状部22,24は旋回体4の側面に沿ってカウンタウェイト18の両端から前方に延び、ドア20の上下に突出している。
【0012】
ドア20はその基端となる後端部が2つのヒンジ26を介してカウンタウェイト18に接合されており、これらヒンジ26は上下の突出形状部22,24間の部位に縦方向に並べて取り付けられている。それゆえ図3に示すように、ドア20はその後縁部を中心にして水平方向に開くことができ、この開かれた状態で旋回体4の本体内部を側方に開放することができる。
【0013】
ドア20にはラッチ機構27が設けられており、このラッチ機構27はドア20が閉じられた状態で図示しないストライカに噛み合っている。ストライカは旋回体4の本体に取り付けられており、ラッチ機構27がストライカに噛み合った状態でドア20が閉位置に固定される。
図2,3に示すように、旋回体4の他方の側面(右側面)にもドア28が設けられており、このドア28の上下にもそれぞれ突出形状部30,32が形成されている。またドア28は旋回体4の右側部壁の一部を形成し、その本体内部にあるエンジンルームの右側方を区画する一方、右側方に開かれることで本体内部を開放することができる。このドア28もまた、図示しないヒンジを介してカウンタウェイト18に接合されている。このように、旋回体4は両側部のドア20,28を開くことでエンジン等の整備作業を容易に行うことができるものとなっている。
【0014】
図4および図5は、下側の突出形状部24とともにドア20の下端縁部(図2,3中、それぞれ2点鎖線の円で囲まれた部分)を具体的に示している。図4に示すように、ドア20の内側にはその下端縁部に沿ってドアストッパ34が設けられている。具体的には、ドアストッパ34は丸棒材を曲げ加工して得られており、図示の取り付け状態では全体として水平方向に長く、その両端部はいずれも鉤状に成形されて下方に屈曲されている。
【0015】
一方、ドア20の内面には2つのブラケット36,38が取り付けられており、これらブラケット36,38はドアストッパ34の全長に略等しい間隔を存して配置されている。ブラケット36,38にはいずれも上下に向けて貫通孔40が形成されており、これら貫通孔40はドアストッパ34の外径よりも大きい内径を有している。ドアストッパ34はその基端部が一方のブラケット36の貫通孔40に嵌め込まれ、この状態で回動自在に支持されている。ドアストッパ34の基端部には貫通孔40からの抜止め42が取り付けられており、この抜止め42はフランジ状をなしている。なおドアストッパ34は、抜止め42が取り付けられた状態であっても、ブラケット36に対して上下方向に移動可能となっている。このためドアストッパ34の先端部は、上方に持ち上げられることでブラケット38の貫通孔40から容易に抜け出すことができる。
【0016】
なお突出形状部24の上面には開口44が形成されており、この開口44から下方に向けて水抜き通路46が延びている。水抜き通路46は突出形状部24を貫通し、その下面に開口48を有している。
図4に示すように、ドア20が閉じられている状態で、ドアストッパ34の先端部はブラケット38の貫通孔40内に嵌め込まれている。この場合、ドア20は自在に開閉可能である。
【0017】
一方、図5に示すように、ドア20が開かれている状態でドアストッパ34の先端部をブラケット38から取り外し、旋回体4の本体に向けて回動させることでその先端部を開口44に係止させることができる。この場合、ドア20はストッパ34により開位置に保持されるので、この状態でエンジン等の整備作業を安全且つ容易に行うことができる。
【0018】
図6は水抜き通路46を具体的に示している。突出形状部24の内部にはパイプ部材50が配設されており、このパイプ部材50により上述の水抜き通路46が形成されている。ここで、カウンタウェイト18が鋳造品である場合、その鋳造時においてパイプ部材50は突出形状部24となるべき部位に鋳包(いくるみ)された状態で配設されることが好ましい。パイプ部材50の鋳包は、予め鋳型中にこれを配設した状態でカウンタウェイト18を鋳込むことにより容易に実現することができる。なお、パイプ部材50には鋼管を用いることができ、特にドアストッパ34の外径よりも大きい内径を有するサイズの鋼管が選択されている。また、パイプ部材50には適宜、耐食性の鋼管を用いてもよい。
【0019】
突出形状部24の上面には、上端の開口44の周囲に窪み52が形成されており、この窪み52は突出形状部24の上面から開口44に向けて下っている。したがって、突出形状部24の上面に付着した雨水等は、窪み52を通じて水抜き通路46内に導かれるものとなっている。なお水抜き通路46内に導かれた雨水等は下端の開口48を通じて排出される。
【0020】
上述のようにカウンタウェイト18のバランス機能のために必要な質量を確保しつつ、後方旋回半径の最小化を図っている場合、カウンタウェイト18は凹凸部分の多い特殊な形状となる。特にドア20の下方に突出形状部24等が形成されている場合、その上面に雨水等が滞留しやすい構造となるが、本実施の形態では突出形状部24に貫通したパイプ部材50を配設することで雨水等の滞留を防止し、材料の腐食を確実に防止することができる。
【0021】
特に、本実施の形態ではパイプ部材50が突出形状部24に鋳包されていることから、水抜き通路46を鋳物型で形成する場合に比較すると、より高精度に加工が可能であるし、その小径化も容易となる。このため、水抜き通路46が確実な排水性能を有するだけでなく、外見上も目立ちにくいものとなるし、カウンタウェイト18の質量に与える影響も最小限にとどめられる。
【0022】
また、水抜き通路46の上端開口44がドアストッパ34の係止穴を兼用する構造とすることで、部品点数の増加や構造の複雑化を抑え、より実用性に優れた旋回体4を提供することができる。
本発明は上述した実施の形態に制約されることなく、各種の変形や追加を伴って実施が可能である。
【0023】
一実施の形態では、旋回体4の左側のドア20および突出形状部24について説明しているが、右側のドア28および突出形状部32についても同様の構成とすることができる。例えば、ドア28の内側にドアストッパ34と同様の部材を設けるとともに、突出形状部32にパイプ部材50と同様の部材を鋳包することで水抜き通路を形成することができる。
【0024】
また一実施の形態では、水抜き通路46を1箇所だけ設けるものとしているが、カウンタウェイト18の質量に影響しない範囲内で水抜き通路46が複数設けられていてもよく、これらは適宜に配置可能である。この場合、ドアストッパ34の係止位置を複数箇所に変更できるため、ドア20の保持角度が段階的に変更可能となる。
【0025】
なお、一実施の形態ではカウンタウェイト18の鋳造時においてパイプ部材50を鋳包するものとして説明しているが、カウンタウェイト18に挿通孔を鋳型で形成しておき、鋳造後において挿通孔にパイプ部材50を圧入するものであってもよい。
その他、一実施の形態で挙げた各種の部材や構造物は図示のものを含めて限定されるものではなく、任意の形態に変形可能であることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
本発明の建設機械の旋回体(請求項1)は、必要に応じてカウンタウェイトの質量および形状を設定していても、雨水等の滞留による材料の腐食を確実に防止することかできる。また、カウンタウェイトに設けた水抜き用の穴がドアストッパの係止穴を兼用するため、実用性に優れた合理的な構造を実現することができる。
【0027】
また、カウンタウェイトの鋳造時にパイプ部材を鋳包しているため(請求項2)、水抜き用の通路の加工が正確且つ容易であり、カウンタウェイトの機能を損ねることなく充分な排水性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建設機械の一例として油圧ショベルを示した側面図である。
【図2】カウンタウェイトを具体的に示した斜視図である。
【図3】ドアが開かれたときの状態を示した斜視図である。
【図4】図2中、2点鎖線の円で囲まれた部分の拡大図である。
【図5】図3中、2点鎖線の円で囲まれた部分の拡大図である。
【図6】図4中、VI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
2 走行体
4 旋回体
6 メインフレーム
10 運転室
12 フロント作業機構
18 カウンタウェイト
20 ドア
24 突出形状部
34 ドアストッパ
50 パイプ部材
【発明の属する技術分野】
本発明は建設機械の旋回体に係り、特にカウンタウェイトが特殊な形状を有する場合に適した建設機械の旋回体に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の旋回体はその本体後部にカウンタウェイトを備えており、カウンタウェイトは必要なバランス機能を確保するべくその質量が設定されるほか、旋回体のデザインに合わせた形状が設定される。特に、後方旋回半径を短くした後方小旋回型、あるいは、超小旋回型の旋回体にあっては、必要な質量の確保に加えて、その小型化の必要性からカウンタウェイトの形状も凹凸の多い特殊な形状となることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにカウンタウェイトが特殊な形状を有する場合、その形状によって雨水等の溜りやすい箇所が生じることがある。雨水等の滞留はカウンタウェイトの鋼製部分を腐食する要因となるため、これを排除する必要がある。
そこで本発明は、カウンタウェイトに滞留する雨水等を排除するとともに、より実用的な用途にも利用することができる建設機械の旋回体の提供を課題としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)は走行体の上方に旋回装置を介して支持された本体を有し、この本体の前部に運転室および作業機構を備えた建設機械の旋回体において、本体の後部に配置されて後部壁を形成するカウンタウェイトと、本体の側部に配置されて側部壁の一部を形成する一方、その内部を側方に開放可能とするドアと、カウンタウェイトに形成されて本体の側面に沿って前方に延び、且つ、本体の幅方向でみてカウンタウェイトの端部からドアの下方に突出する突出形状部と、この突出形状部を上下方向に貫通して埋め込まれ、両端が突出形状部の上下面にてそれぞれ開口するパイプ部材と、ドアの内側に取り付けられ、このドアが開かれた状態でパイプ部材の上端開口に係止されることによりドアを開位置に保持するドアストッパとを備えている。
【0005】
上述した建設機械の旋回体によれば、突出形状部の形成によりカウンタウェイトに必要な質量が確保されるとともに、突出形状部に埋め込まれたパイプ部材により上下に貫通した水抜き通路が形成される。このため、カウンタウェイトが特殊な形状を有していても、雨水等がパイプ部材を通じて排水されるため、材料の腐食が確実に防止される。
【0006】
本発明の建設機械の旋回体において、カウンタウェイトは鋳造により成形されており、上述したパイプ部材は突出形状部となるべき部位に鋳包されていることが好ましい(請求項2)。この場合、水抜き用の通路を正確且つ容易に加工することができ、また通路内径の最小化も容易である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、建設機械の一例として油圧ショベルを示している。油圧ショベルは例えば、クローラ型の走行体2と、この走行体2の上方に設けられた旋回体4を備えている。旋回体4はその本体下部にメインフレーム6を有しており、メインフレーム6は旋回装置8を介して走行体2上に支持されている。
【0008】
メインフレーム6上には運転室10およびフロント作業機構12が設けられており、これら運転室10およびフロント作業機構12は旋回体2の本体前部に配置されている。運転室10にはオペレータが着座し、ここから走行体2が操作されるほか、旋回体4およびフロント作業機構12もまた運転室10から操作される。フロント作業機構12はブーム14を有するほか、図示省略したアームおよびバケット、そして、これらを作動させる油圧シリンダ16等から構成されている。
【0009】
旋回体4は、その本体後部に配置されたカウンタウェイト18を有しており、カウンタウェイト18は旋回体4の後部壁を形成している。またメインフレーム6上において、運転室10およびフロント作業機構12の後方には図示しないエンジンルームが配置されており、このエンジンルームの後方はカウンタウェイト18により区画されている。
【0010】
旋回体4の一方の側面(図1では左側)にはドア20が設けられており、このドア20は運転室10の後方にて、旋回体4の側部壁の一部を形成している。またドア20は、図示のように閉じられた状態で上述のエンジンルームの側方を区画している。ドア20は図示しないヒンジを介して側方に開閉することができ、このドア20が開かれることで旋回体4の本体内部が側方に開放されるものとなっている。特に、上述のエンジンルームにはドア20を開いたときの開口を通じてその内部にアクセスが可能となる。
【0011】
図2および図3はカウンタウェイト18およびドア20を具体的に示しており、これら図2,3では上述の運転室10およびフロント作業機構12は省略されている。また図2,3にはカウンタウェイト18とともにメインフレーム6が仮想的に示されている。
図2,3に示すように、カウンタウェイト18は特にその内側に複雑な凹凸形状を有している。またカウンタウェイト18は、その後端縁が円弧形状に形成されており、旋回体4の幅方向でみて両端部が本体側面に回り込むようにして形成されている。旋回体4の一方の側面(左側面)には上述のドア20が設けられているため、カウンタウェイト18の一端部はドア20の開口を避けるようにして側方に回り込み、このドア20を挟んで上下に一対の突出形状部22,24が形成されている。これら突出形状部22,24は旋回体4の側面に沿ってカウンタウェイト18の両端から前方に延び、ドア20の上下に突出している。
【0012】
ドア20はその基端となる後端部が2つのヒンジ26を介してカウンタウェイト18に接合されており、これらヒンジ26は上下の突出形状部22,24間の部位に縦方向に並べて取り付けられている。それゆえ図3に示すように、ドア20はその後縁部を中心にして水平方向に開くことができ、この開かれた状態で旋回体4の本体内部を側方に開放することができる。
【0013】
ドア20にはラッチ機構27が設けられており、このラッチ機構27はドア20が閉じられた状態で図示しないストライカに噛み合っている。ストライカは旋回体4の本体に取り付けられており、ラッチ機構27がストライカに噛み合った状態でドア20が閉位置に固定される。
図2,3に示すように、旋回体4の他方の側面(右側面)にもドア28が設けられており、このドア28の上下にもそれぞれ突出形状部30,32が形成されている。またドア28は旋回体4の右側部壁の一部を形成し、その本体内部にあるエンジンルームの右側方を区画する一方、右側方に開かれることで本体内部を開放することができる。このドア28もまた、図示しないヒンジを介してカウンタウェイト18に接合されている。このように、旋回体4は両側部のドア20,28を開くことでエンジン等の整備作業を容易に行うことができるものとなっている。
【0014】
図4および図5は、下側の突出形状部24とともにドア20の下端縁部(図2,3中、それぞれ2点鎖線の円で囲まれた部分)を具体的に示している。図4に示すように、ドア20の内側にはその下端縁部に沿ってドアストッパ34が設けられている。具体的には、ドアストッパ34は丸棒材を曲げ加工して得られており、図示の取り付け状態では全体として水平方向に長く、その両端部はいずれも鉤状に成形されて下方に屈曲されている。
【0015】
一方、ドア20の内面には2つのブラケット36,38が取り付けられており、これらブラケット36,38はドアストッパ34の全長に略等しい間隔を存して配置されている。ブラケット36,38にはいずれも上下に向けて貫通孔40が形成されており、これら貫通孔40はドアストッパ34の外径よりも大きい内径を有している。ドアストッパ34はその基端部が一方のブラケット36の貫通孔40に嵌め込まれ、この状態で回動自在に支持されている。ドアストッパ34の基端部には貫通孔40からの抜止め42が取り付けられており、この抜止め42はフランジ状をなしている。なおドアストッパ34は、抜止め42が取り付けられた状態であっても、ブラケット36に対して上下方向に移動可能となっている。このためドアストッパ34の先端部は、上方に持ち上げられることでブラケット38の貫通孔40から容易に抜け出すことができる。
【0016】
なお突出形状部24の上面には開口44が形成されており、この開口44から下方に向けて水抜き通路46が延びている。水抜き通路46は突出形状部24を貫通し、その下面に開口48を有している。
図4に示すように、ドア20が閉じられている状態で、ドアストッパ34の先端部はブラケット38の貫通孔40内に嵌め込まれている。この場合、ドア20は自在に開閉可能である。
【0017】
一方、図5に示すように、ドア20が開かれている状態でドアストッパ34の先端部をブラケット38から取り外し、旋回体4の本体に向けて回動させることでその先端部を開口44に係止させることができる。この場合、ドア20はストッパ34により開位置に保持されるので、この状態でエンジン等の整備作業を安全且つ容易に行うことができる。
【0018】
図6は水抜き通路46を具体的に示している。突出形状部24の内部にはパイプ部材50が配設されており、このパイプ部材50により上述の水抜き通路46が形成されている。ここで、カウンタウェイト18が鋳造品である場合、その鋳造時においてパイプ部材50は突出形状部24となるべき部位に鋳包(いくるみ)された状態で配設されることが好ましい。パイプ部材50の鋳包は、予め鋳型中にこれを配設した状態でカウンタウェイト18を鋳込むことにより容易に実現することができる。なお、パイプ部材50には鋼管を用いることができ、特にドアストッパ34の外径よりも大きい内径を有するサイズの鋼管が選択されている。また、パイプ部材50には適宜、耐食性の鋼管を用いてもよい。
【0019】
突出形状部24の上面には、上端の開口44の周囲に窪み52が形成されており、この窪み52は突出形状部24の上面から開口44に向けて下っている。したがって、突出形状部24の上面に付着した雨水等は、窪み52を通じて水抜き通路46内に導かれるものとなっている。なお水抜き通路46内に導かれた雨水等は下端の開口48を通じて排出される。
【0020】
上述のようにカウンタウェイト18のバランス機能のために必要な質量を確保しつつ、後方旋回半径の最小化を図っている場合、カウンタウェイト18は凹凸部分の多い特殊な形状となる。特にドア20の下方に突出形状部24等が形成されている場合、その上面に雨水等が滞留しやすい構造となるが、本実施の形態では突出形状部24に貫通したパイプ部材50を配設することで雨水等の滞留を防止し、材料の腐食を確実に防止することができる。
【0021】
特に、本実施の形態ではパイプ部材50が突出形状部24に鋳包されていることから、水抜き通路46を鋳物型で形成する場合に比較すると、より高精度に加工が可能であるし、その小径化も容易となる。このため、水抜き通路46が確実な排水性能を有するだけでなく、外見上も目立ちにくいものとなるし、カウンタウェイト18の質量に与える影響も最小限にとどめられる。
【0022】
また、水抜き通路46の上端開口44がドアストッパ34の係止穴を兼用する構造とすることで、部品点数の増加や構造の複雑化を抑え、より実用性に優れた旋回体4を提供することができる。
本発明は上述した実施の形態に制約されることなく、各種の変形や追加を伴って実施が可能である。
【0023】
一実施の形態では、旋回体4の左側のドア20および突出形状部24について説明しているが、右側のドア28および突出形状部32についても同様の構成とすることができる。例えば、ドア28の内側にドアストッパ34と同様の部材を設けるとともに、突出形状部32にパイプ部材50と同様の部材を鋳包することで水抜き通路を形成することができる。
【0024】
また一実施の形態では、水抜き通路46を1箇所だけ設けるものとしているが、カウンタウェイト18の質量に影響しない範囲内で水抜き通路46が複数設けられていてもよく、これらは適宜に配置可能である。この場合、ドアストッパ34の係止位置を複数箇所に変更できるため、ドア20の保持角度が段階的に変更可能となる。
【0025】
なお、一実施の形態ではカウンタウェイト18の鋳造時においてパイプ部材50を鋳包するものとして説明しているが、カウンタウェイト18に挿通孔を鋳型で形成しておき、鋳造後において挿通孔にパイプ部材50を圧入するものであってもよい。
その他、一実施の形態で挙げた各種の部材や構造物は図示のものを含めて限定されるものではなく、任意の形態に変形可能であることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
本発明の建設機械の旋回体(請求項1)は、必要に応じてカウンタウェイトの質量および形状を設定していても、雨水等の滞留による材料の腐食を確実に防止することかできる。また、カウンタウェイトに設けた水抜き用の穴がドアストッパの係止穴を兼用するため、実用性に優れた合理的な構造を実現することができる。
【0027】
また、カウンタウェイトの鋳造時にパイプ部材を鋳包しているため(請求項2)、水抜き用の通路の加工が正確且つ容易であり、カウンタウェイトの機能を損ねることなく充分な排水性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建設機械の一例として油圧ショベルを示した側面図である。
【図2】カウンタウェイトを具体的に示した斜視図である。
【図3】ドアが開かれたときの状態を示した斜視図である。
【図4】図2中、2点鎖線の円で囲まれた部分の拡大図である。
【図5】図3中、2点鎖線の円で囲まれた部分の拡大図である。
【図6】図4中、VI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
2 走行体
4 旋回体
6 メインフレーム
10 運転室
12 フロント作業機構
18 カウンタウェイト
20 ドア
24 突出形状部
34 ドアストッパ
50 パイプ部材
Claims (2)
- 走行体の上方に旋回装置を介して支持された本体を有し、この本体の前部に運転室および作業機構を備えた建設機械の旋回体において、
前記本体の後部に配置されて後部壁を形成するカウンタウェイトと、
前記本体の側部に配置されて側部壁の一部を形成する一方、その内部を側方に開放可能とするドアと、
前記カウンタウェイトに形成されて前記本体の側面に沿って前方に延び、且つ、前記本体の幅方向でみて前記カウンタウェイトの端部から前記ドアの下方に突出する突出形状部と、
前記突出形状部を上下方向に貫通して埋め込まれ、両端が前記突出形状部の上下面にてそれぞれ開口するパイプ部材と、
前記ドアの内側に取り付けられ、前記ドアが開かれた状態で前記パイプ部材の上端開口に係止されることにより前記ドアを開位置に保持するドアストッパと
を具備したことを特徴とする建設機械の旋回体。 - 前記カウンタウェイトが鋳造により成形されており、前記パイプ部材は前記突出形状部となるべき部位に鋳包されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械の旋回体。
Priority Applications (1)
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JP2002162860A JP2004011176A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 建設機械の旋回体 |
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JP2002162860A JP2004011176A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 建設機械の旋回体 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
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DE112009000336T5 (de) | 2008-02-27 | 2011-05-05 | Komatsu Ltd. | Arbeitsfahrzeug |
JP2020117968A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 日立建機株式会社 | 建設機械 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162860A patent/JP2004011176A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112009000336T5 (de) | 2008-02-27 | 2011-05-05 | Komatsu Ltd. | Arbeitsfahrzeug |
DE112009000336B4 (de) * | 2008-02-27 | 2014-05-28 | Komatsu Ltd. | Arbeitsfahrzeug |
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