JP2004011063A - 防振手袋用防振パーツおよび同製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィット感に優れ、工具を掴み易いと共に、そのスイッチ操作も行いやすい防振手袋の防振部分を形成する防振パーツおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】手袋本体7に、ループ部11aと鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、面ファスナー11のループ部または鉤部11bを縫い付ける。
【選択図】 図1
【解決手段】手袋本体7に、ループ部11aと鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、面ファスナー11のループ部または鉤部11bを縫い付ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンソーや削岩機等の振動を伴う工具を使用する際に、使用者の手に伝わる振動を緩和することのできる作業用防振手袋の防振部材である防振パーツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、チェーンソーや削岩機等の振動を発する工具を手で掴んで使用する際に、当該振動が身体に与える弊害を防止する目的で、手に伝わる振動を緩和するための作業用の防振手袋が使用されている。この従来の防振手袋は、皮やゴム製の手袋本体7の内側全域にわたって防振材を一体的に設けて厚手に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の防振手袋は、防振材が一体的に設けられ全体が厚手であるため、手の動きに対して屈曲し難いと共にフィット感に欠け、よって工具を掴み難いといった問題や、工具のスイッチ操作が行い難いといった問題がある。そのため、作業性の悪いものであった。
【0004】
本発明は、こうした点に鑑み創案されたもので、フィット感に優れ、工具を掴み易いと共に、そのスイッチ操作も行いやすい防振手袋の防振部分を形成する防振パーツおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第一の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、手袋本体7に、ループ部11aと鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、前記ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、前記面ファスナー11のループ部または鉤部11bを縫い付けてなる。
【0006】
また、第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、手袋本体7に着脱不能に縫い付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、前記ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分が、前記手袋本体7に縫い付けられるものである。
【0007】
また、本発明に係る防振手袋用防振パーツの製造方法は、手袋本体7に着脱自在または着脱不能に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する防振パーツを製造する方法であって、第一メリヤス布1を、その第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに対応する部分に凹部8aを形成した平型凹板8に載置し、一層または複数層の防振材4を、第一メリヤス布1の掌本体部2aおよび指本体部3aの上から、平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置し、第一メリヤス布1の防振材4に隣接する部分にホットメルトシート5を配置し、第二メリヤス布6で第一メリヤス布1の掌部2と指部3を覆い、第二メリヤス布6を、熱プレスモールド9で平型凹板8上に押圧することによって、第一メリヤス布1にホットメルトシート5によって熱融着してなる。
【0008】
【発明の実施の形態】第一の発明に係る防振手袋用防振パーツ10の実施形態を、図1に示す。これは、手袋本体7に、無数のループ片を持つループ部11aと、同じく無数の鉤片を持つ鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、作業用防振手袋の防振部分を形成する防振パーツである。
【0009】
その構成は、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに、軟質ゴム製である二層構造の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設けたものである。そして、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、面ファスナー11のループ部11a(または鉤部11b)を縫い付けている。なお、防振材4は、軟質ゴム製に限定されるものではなく、軟質樹脂等の振動を吸収できるあらゆる種類の軟質材で構成することができる。
【0010】
第一メリヤス布1および第二メリヤス布6は、共に、軽くて柔軟性に富むメリヤスジャージ製とすることができ、また、その材質は綿やナイロン等のものを適宜選択することができる。また、この第一メリヤス布1および第二メリヤス布6は、防振材4を設けるに先だって、あるいは設けた後に、切断して手形状に形成することができる。
【0011】
なお、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6は、ホットメルトシート5に代えて接着剤を用い、スクリーン印刷の手法で接着層を形成して接着することもできるが、その場合、乾燥と接着のタイミングに手間が掛かる。従って、ホットメルトシート5を用いる方が能率面で優れている。
【0012】
この防振パーツ10は、手袋本体7に、例えば、次のようにして着脱自在に取付けることができる。まず、表皮と裏皮とに分割した状態にある皮製手袋本体7の当該表皮と裏皮を縫い合わせる際に、各指の先端部および手首部分に、面ファスナー11のループ部11a(または鉤部11b)を縫い付ける。
【0013】
それと共に、防振パーツ10の当該部分に対応する箇所のホットメルト層5aが存在する部分に、面ファスナー11の鉤部11b(またはループ部11a)を縫い付ける。このホットメルト層5aは、密度と剛性が高くいわゆる芯材としてのはたらきを持つので、鉤部11bを強固に固定することができる。そして、最後に、面ファスナー11の鉤部11bとループ部11aとを係合させることによって、防振パーツ10を手袋本体7に着脱自在に取付ける。面ファスナー11の鉤部11bは防振パーツ10のホットメルト層5aが存在する部分に強固に固定されているので、手袋本体7に縫い付けたループ部11aと強固に係合させることができる。
【0014】
また、この防振パーツ10は着脱自在に手袋本体7に取付けるので、防振パーツ10のみを取替えることができ、経済的である。
【0015】
なお、この防振パーツ10は、手袋本体7の外側面に設けることができるし、また、内側面(表皮と裏皮との間部分)に設けることもできる。又、数個の分割片として、適用する事も可能である。
【0016】
第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10の実施形態を、図2に示す。これは、手袋本体7に着脱不能に縫い付けられ、防振手袋の防振部分を形成するものである。
【0017】
その構成は、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに、二層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設けたものである。そして、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分を、手袋本体7に縫い付けるものとしている。符号12は、縫い目を示す。
【0018】
この防振パーツ10は、そのホットメルト層5aが存在する部分を手袋本体7に縫い付ける。従って、ホットメルト層5aの幅は、5〜8mm程度に設定することが望ましい。このホットメルト層5aは芯材としてのはたらきを持つので、メリヤス布端部の解れ止めにも成り、手袋本体7に強く縫い付けられ、縫い付け後は糸が解れて第一メリヤス布1と第二メリヤス布6が離脱してしまうといったことがない。また、防振パーツ10は、ホットメルト層5aが存在しないと柔らかすぎてその取り扱いが難しく、手袋本体7に縫い付ける作業が厄介であるが、ホットメルト層5aが存在することにより、適度な剛性が得られ、手袋本体7への縫い付けを容易に行うことができる。更に、この防振パーツ10は縫い付けの際親指部と他の掌部とかの様に、数個の分割片として縫い付ける事も可能である。
【0019】
なお、手袋本体7の材質は、皮の他、織布、合成樹脂コーティング布等、種々のものを使用することができ、また、同一の手袋本体7においても、その部位によって材質を変えることができるし、3指型,2指型の手袋として適用する事も可能である。本発明に係る防振パーツ10は、ホットメルト層5aを有するので、こうした如何なる材質の手袋本体7にも強固に縫い付けることができる。
【0020】
なお、この防振パーツ10も、手袋本体7の外側面に縫い付けることができるし、また、内側面に縫い付けることもできる。
【0021】
第一および第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、共に、掌部2の掌本体部2aおよび指本体部3aにのみ防振材4を設けているので、この防振パーツ10を取付けた防振手袋は、手の動きに応じて容易に屈曲し、よって工具を掴み易く、作業性が向上する。
【0022】
また、防振材4は、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6との間で可動自在に設けられているので、工具等を掴んだ際に、あるいは工具等を使用した際に、その圧力や振動で防振材4が適切な位置に移動することができる。従って、工具等を手に密着した状態で確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0023】
本発明に係る防振パーツ10は、図3に示すように製造することができる。
まず、第一メリヤス布1を、その第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに対応する部分に凹部8aを形成した平型凹板8に載せる(図3(a))。
【0024】
次に、二層構造の防振材4を、第一メリヤス布1の掌本体部2aおよび指本体部3aの上から、平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置する(図3(b)。続いて、第一メリヤス布1の防振材4に隣接する部分にホットメルトシート5を配置した後、第二メリヤス布6で第一メリヤス布1の掌部2と指部3を覆う(図3(c))。
【0025】
最後に、第二メリヤス布6を、熱プレスモールド9で平型凹板8上に押圧する(図3(d))。これによって、第二メリヤス布6を、第一メリヤス布1にホットメルトシート5によって熱融着することができる。
【0026】
この製造方法においては、平型凹板8上で、別体物である第一メリヤス布1と第二メリヤス布6とを熱融着するので、例えば、手袋状の布を手形状の凹板に嵌め込むといった面倒な作業を必要としない。従って、製造が容易であり、製造コストの削減を図ることができる。
【0027】
また、この製造方法においては、平型凹板8に第一メリヤス布1を載置した状態で、その上から防振材4を平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置するので、平型凹板8が位置決め部材のはたらきをし、防振材4を所定の位置に容易に配置することができる。
【0028】
また、防振材4を配置した後、その上から第二メリヤス布6を被せて熱プレスモールド9で押圧すると、防振材4は凹部8aに埋め込まれた状態となるので、全面を平坦にした状態で、第二メリヤス布6を平型凹板8上に強固に圧着することができる。従って、第二メリヤス布6を第一メリヤス布1に確実かつ容易に熱融着することができる。
【0029】
なお、平型凹板8に代えて、凹部8aのない平板を使用することも可能である。この場合、防振材4の配置と、第二メリヤス布6の熱融着の点において、熱プレスモールド9に凸部の加工を必要とする事と成り、平型凹板8を使用した場合より作業性が劣ることになる。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、掌部2の掌本体部2aおよび指本体部3aにのみ防振材4を設けているので、この防振パーツ10を取付けた防振手袋は、手の動きに応じて容易に屈曲し、よって工具を掴み易く、作業性が向上する。また、防振材4は、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6との間で可動自在に設けられているので、工具等を掴んだ際に、あるいは工具等を使用した際に、その圧力や振動で防振材4が適切な位置に移動することができる。従って、工具等を手に密着した状態で確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0031】
さらに、ホットメルト層5aが存在する部分に、面ファスナー11の鉤部11bまたはループ部11aを縫い付けるので、当該鉤部11b等を強固に取付けることができる。また、手袋本体7に着脱自在に取付けるので、取替えが容易で、経済的である。
【0032】
請求項2に記載の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、請求項1に記載の発明同様、工具を掴み易くするので作業性が向上し、防振材4が適切な位置に移動するので、工具等をより確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0033】
また、ホットメルト層5aが存在する部分を手袋本体7に縫い付けるので、強固に取付けることができ、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6が離脱することもない。
【0034】
請求項3に記載の発明に係る防振手袋用防振パーツの製造方法は、平型凹板8上で、別体物である第一メリヤス布1と第二メリヤス布6とを熱融着するので、手袋状の布を手形状の凹板に嵌め込むのと異なり、製造が容易であり、製造コストの削減を図ることができる。
【0035】
また、この平型凹板8が防振材4の位置決めを行うはたらきをし、防振材4を所定の位置に容易に配置することができる。さらに、平型凹板8を使用することで、第二メリヤス布6を熱プレスモールド9で押圧する際、全面を平坦にした状態で第二メリヤス布6を平型凹板8上に強固に圧着することができる。よって、第二メリヤス布6を第一メリヤス布1に確実かつ容易に熱融着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振手袋用防振パーツの実施形態を示すもので、(a)は手袋本体に取付ける前の状態を示し、(b)は取付け後の状態を示す平面図である。
【図2】本発明の防振手袋用防振パーツの他の実施形態を示すもので、(a)は手袋本体に取付ける前の状態を示し、(b)は取付け後の状態を示す平面図である。
【図3】本発明の防振手袋用防振パーツの製造方法の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第一メリヤス布
2 掌部
2a 掌本体部
2b 中央部分
3 指部
3a 指本体部
3b 関節部分
4 防振材
5 ホットメルトシート
5a ホットメルト層
6 第二メリヤス布
7 手袋本体
8 平型凹板
8a 凹部
9 熱プレスモールド
10 防振パーツ
11 面ファスナー
11a ループ部
11b 鉤部
12 縫い目
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンソーや削岩機等の振動を伴う工具を使用する際に、使用者の手に伝わる振動を緩和することのできる作業用防振手袋の防振部材である防振パーツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、チェーンソーや削岩機等の振動を発する工具を手で掴んで使用する際に、当該振動が身体に与える弊害を防止する目的で、手に伝わる振動を緩和するための作業用の防振手袋が使用されている。この従来の防振手袋は、皮やゴム製の手袋本体7の内側全域にわたって防振材を一体的に設けて厚手に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の防振手袋は、防振材が一体的に設けられ全体が厚手であるため、手の動きに対して屈曲し難いと共にフィット感に欠け、よって工具を掴み難いといった問題や、工具のスイッチ操作が行い難いといった問題がある。そのため、作業性の悪いものであった。
【0004】
本発明は、こうした点に鑑み創案されたもので、フィット感に優れ、工具を掴み易いと共に、そのスイッチ操作も行いやすい防振手袋の防振部分を形成する防振パーツおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第一の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、手袋本体7に、ループ部11aと鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、前記ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、前記面ファスナー11のループ部または鉤部11bを縫い付けてなる。
【0006】
また、第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、手袋本体7に着脱不能に縫い付けられ、防振手袋の防振部分を形成する部材であって、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに、一層または複数層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設け、前記ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分が、前記手袋本体7に縫い付けられるものである。
【0007】
また、本発明に係る防振手袋用防振パーツの製造方法は、手袋本体7に着脱自在または着脱不能に取付けられ、防振手袋の防振部分を形成する防振パーツを製造する方法であって、第一メリヤス布1を、その第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの全てまたは一部を除く部分である指本体部3aに対応する部分に凹部8aを形成した平型凹板8に載置し、一層または複数層の防振材4を、第一メリヤス布1の掌本体部2aおよび指本体部3aの上から、平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置し、第一メリヤス布1の防振材4に隣接する部分にホットメルトシート5を配置し、第二メリヤス布6で第一メリヤス布1の掌部2と指部3を覆い、第二メリヤス布6を、熱プレスモールド9で平型凹板8上に押圧することによって、第一メリヤス布1にホットメルトシート5によって熱融着してなる。
【0008】
【発明の実施の形態】第一の発明に係る防振手袋用防振パーツ10の実施形態を、図1に示す。これは、手袋本体7に、無数のループ片を持つループ部11aと、同じく無数の鉤片を持つ鉤部11bとで構成される面ファスナー11を介して着脱自在に取付けられ、作業用防振手袋の防振部分を形成する防振パーツである。
【0009】
その構成は、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに、軟質ゴム製である二層構造の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設けたものである。そして、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分に、面ファスナー11のループ部11a(または鉤部11b)を縫い付けている。なお、防振材4は、軟質ゴム製に限定されるものではなく、軟質樹脂等の振動を吸収できるあらゆる種類の軟質材で構成することができる。
【0010】
第一メリヤス布1および第二メリヤス布6は、共に、軽くて柔軟性に富むメリヤスジャージ製とすることができ、また、その材質は綿やナイロン等のものを適宜選択することができる。また、この第一メリヤス布1および第二メリヤス布6は、防振材4を設けるに先だって、あるいは設けた後に、切断して手形状に形成することができる。
【0011】
なお、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6は、ホットメルトシート5に代えて接着剤を用い、スクリーン印刷の手法で接着層を形成して接着することもできるが、その場合、乾燥と接着のタイミングに手間が掛かる。従って、ホットメルトシート5を用いる方が能率面で優れている。
【0012】
この防振パーツ10は、手袋本体7に、例えば、次のようにして着脱自在に取付けることができる。まず、表皮と裏皮とに分割した状態にある皮製手袋本体7の当該表皮と裏皮を縫い合わせる際に、各指の先端部および手首部分に、面ファスナー11のループ部11a(または鉤部11b)を縫い付ける。
【0013】
それと共に、防振パーツ10の当該部分に対応する箇所のホットメルト層5aが存在する部分に、面ファスナー11の鉤部11b(またはループ部11a)を縫い付ける。このホットメルト層5aは、密度と剛性が高くいわゆる芯材としてのはたらきを持つので、鉤部11bを強固に固定することができる。そして、最後に、面ファスナー11の鉤部11bとループ部11aとを係合させることによって、防振パーツ10を手袋本体7に着脱自在に取付ける。面ファスナー11の鉤部11bは防振パーツ10のホットメルト層5aが存在する部分に強固に固定されているので、手袋本体7に縫い付けたループ部11aと強固に係合させることができる。
【0014】
また、この防振パーツ10は着脱自在に手袋本体7に取付けるので、防振パーツ10のみを取替えることができ、経済的である。
【0015】
なお、この防振パーツ10は、手袋本体7の外側面に設けることができるし、また、内側面(表皮と裏皮との間部分)に設けることもできる。又、数個の分割片として、適用する事も可能である。
【0016】
第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10の実施形態を、図2に示す。これは、手袋本体7に着脱不能に縫い付けられ、防振手袋の防振部分を形成するものである。
【0017】
その構成は、第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに、二層の防振材4を、ホットメルトシート5を介して熱融着した第二メリヤス布6で覆って可動自在に設けたものである。そして、ホットメルトシート5の溶融部分であるホットメルト層5aの存在する部分を、手袋本体7に縫い付けるものとしている。符号12は、縫い目を示す。
【0018】
この防振パーツ10は、そのホットメルト層5aが存在する部分を手袋本体7に縫い付ける。従って、ホットメルト層5aの幅は、5〜8mm程度に設定することが望ましい。このホットメルト層5aは芯材としてのはたらきを持つので、メリヤス布端部の解れ止めにも成り、手袋本体7に強く縫い付けられ、縫い付け後は糸が解れて第一メリヤス布1と第二メリヤス布6が離脱してしまうといったことがない。また、防振パーツ10は、ホットメルト層5aが存在しないと柔らかすぎてその取り扱いが難しく、手袋本体7に縫い付ける作業が厄介であるが、ホットメルト層5aが存在することにより、適度な剛性が得られ、手袋本体7への縫い付けを容易に行うことができる。更に、この防振パーツ10は縫い付けの際親指部と他の掌部とかの様に、数個の分割片として縫い付ける事も可能である。
【0019】
なお、手袋本体7の材質は、皮の他、織布、合成樹脂コーティング布等、種々のものを使用することができ、また、同一の手袋本体7においても、その部位によって材質を変えることができるし、3指型,2指型の手袋として適用する事も可能である。本発明に係る防振パーツ10は、ホットメルト層5aを有するので、こうした如何なる材質の手袋本体7にも強固に縫い付けることができる。
【0020】
なお、この防振パーツ10も、手袋本体7の外側面に縫い付けることができるし、また、内側面に縫い付けることもできる。
【0021】
第一および第二の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、共に、掌部2の掌本体部2aおよび指本体部3aにのみ防振材4を設けているので、この防振パーツ10を取付けた防振手袋は、手の動きに応じて容易に屈曲し、よって工具を掴み易く、作業性が向上する。
【0022】
また、防振材4は、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6との間で可動自在に設けられているので、工具等を掴んだ際に、あるいは工具等を使用した際に、その圧力や振動で防振材4が適切な位置に移動することができる。従って、工具等を手に密着した状態で確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0023】
本発明に係る防振パーツ10は、図3に示すように製造することができる。
まず、第一メリヤス布1を、その第一メリヤス布1における掌部2の中央部分2bを除く部分である掌本体部2aおよび指部3の関節部分3bの一部を除く部分である指本体部3aに対応する部分に凹部8aを形成した平型凹板8に載せる(図3(a))。
【0024】
次に、二層構造の防振材4を、第一メリヤス布1の掌本体部2aおよび指本体部3aの上から、平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置する(図3(b)。続いて、第一メリヤス布1の防振材4に隣接する部分にホットメルトシート5を配置した後、第二メリヤス布6で第一メリヤス布1の掌部2と指部3を覆う(図3(c))。
【0025】
最後に、第二メリヤス布6を、熱プレスモールド9で平型凹板8上に押圧する(図3(d))。これによって、第二メリヤス布6を、第一メリヤス布1にホットメルトシート5によって熱融着することができる。
【0026】
この製造方法においては、平型凹板8上で、別体物である第一メリヤス布1と第二メリヤス布6とを熱融着するので、例えば、手袋状の布を手形状の凹板に嵌め込むといった面倒な作業を必要としない。従って、製造が容易であり、製造コストの削減を図ることができる。
【0027】
また、この製造方法においては、平型凹板8に第一メリヤス布1を載置した状態で、その上から防振材4を平型凹板8の凹部8aに埋め込むようにして配置するので、平型凹板8が位置決め部材のはたらきをし、防振材4を所定の位置に容易に配置することができる。
【0028】
また、防振材4を配置した後、その上から第二メリヤス布6を被せて熱プレスモールド9で押圧すると、防振材4は凹部8aに埋め込まれた状態となるので、全面を平坦にした状態で、第二メリヤス布6を平型凹板8上に強固に圧着することができる。従って、第二メリヤス布6を第一メリヤス布1に確実かつ容易に熱融着することができる。
【0029】
なお、平型凹板8に代えて、凹部8aのない平板を使用することも可能である。この場合、防振材4の配置と、第二メリヤス布6の熱融着の点において、熱プレスモールド9に凸部の加工を必要とする事と成り、平型凹板8を使用した場合より作業性が劣ることになる。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、掌部2の掌本体部2aおよび指本体部3aにのみ防振材4を設けているので、この防振パーツ10を取付けた防振手袋は、手の動きに応じて容易に屈曲し、よって工具を掴み易く、作業性が向上する。また、防振材4は、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6との間で可動自在に設けられているので、工具等を掴んだ際に、あるいは工具等を使用した際に、その圧力や振動で防振材4が適切な位置に移動することができる。従って、工具等を手に密着した状態で確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0031】
さらに、ホットメルト層5aが存在する部分に、面ファスナー11の鉤部11bまたはループ部11aを縫い付けるので、当該鉤部11b等を強固に取付けることができる。また、手袋本体7に着脱自在に取付けるので、取替えが容易で、経済的である。
【0032】
請求項2に記載の発明に係る防振手袋用防振パーツ10は、請求項1に記載の発明同様、工具を掴み易くするので作業性が向上し、防振材4が適切な位置に移動するので、工具等をより確実に把持することができ、作業性がさらに向上する。
【0033】
また、ホットメルト層5aが存在する部分を手袋本体7に縫い付けるので、強固に取付けることができ、第一メリヤス布1と第二メリヤス布6が離脱することもない。
【0034】
請求項3に記載の発明に係る防振手袋用防振パーツの製造方法は、平型凹板8上で、別体物である第一メリヤス布1と第二メリヤス布6とを熱融着するので、手袋状の布を手形状の凹板に嵌め込むのと異なり、製造が容易であり、製造コストの削減を図ることができる。
【0035】
また、この平型凹板8が防振材4の位置決めを行うはたらきをし、防振材4を所定の位置に容易に配置することができる。さらに、平型凹板8を使用することで、第二メリヤス布6を熱プレスモールド9で押圧する際、全面を平坦にした状態で第二メリヤス布6を平型凹板8上に強固に圧着することができる。よって、第二メリヤス布6を第一メリヤス布1に確実かつ容易に熱融着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振手袋用防振パーツの実施形態を示すもので、(a)は手袋本体に取付ける前の状態を示し、(b)は取付け後の状態を示す平面図である。
【図2】本発明の防振手袋用防振パーツの他の実施形態を示すもので、(a)は手袋本体に取付ける前の状態を示し、(b)は取付け後の状態を示す平面図である。
【図3】本発明の防振手袋用防振パーツの製造方法の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第一メリヤス布
2 掌部
2a 掌本体部
2b 中央部分
3 指部
3a 指本体部
3b 関節部分
4 防振材
5 ホットメルトシート
5a ホットメルト層
6 第二メリヤス布
7 手袋本体
8 平型凹板
8a 凹部
9 熱プレスモールド
10 防振パーツ
11 面ファスナー
11a ループ部
11b 鉤部
12 縫い目
Claims (3)
- 手袋本体(7)に,ループ部(11a)と鉤部(11b)とで構成される面ファスナー(11)を介して着脱自在に取付けられ,防振手袋の防振部分を形成する防振パーツであって、
第一メリヤス布(1)における掌部(2)の中央部分(2b)を除く部分である掌本体部(2a)および指部(3)の関節部分(3b)の全てまたは一部を除く部分である指本体部(3a)に,一層または複数層の防振材(4)を,ホットメルトシート(5)を介して熱融着した第二メリヤス布(6)で覆って可動自在に設け、
前記ホットメルトシートの溶融部分であるホットメルト層(5a)の存在する部分に,前記面ファスナーのループ部または鉤部を縫い付けてなる防振手袋の防振パーツ。 - 手袋本体(7)に着脱不能に縫い付けられ,防振手袋の防振部分を形成する防振パーツであって、
第一メリヤス布(1)における掌部(2)の中央部分(2b)を除く部分である掌本体部(2a)および指部(3)の関節部分(3b)の全てまたは一部を除く部分である指本体部(3a)に,一層または複数層の防振材(4)を,ホットメルトシート(5)を介して熱融着した第二メリヤス布(6)で覆って可動自在に設け、
前記ホットメルトシートの溶融部分であるホットメルト層(5a)の存在する部分が,前記手袋本体に縫い付けられるものである防振手袋の防振パーツ。 - 手袋本体(7)に着脱自在または着脱不能に取付けられ,防振手袋の防振部分を形成する防振パーツを製造する方法であって、
第一メリヤス布(1)を,その第一メリヤス布(1)における掌部(2)の中央部分(2b)を除く部分である掌本体部(2a)および指部(3)の関節部分(3b)の全てまたは一部を除く部分である指本体部(3a)に対応する部分に凹部(8a)を形成した平型凹板(8)に載置し、
一層または複数層の防振材(4)を,第一メリヤス布(1)の掌本体部(2a)および指本体部(3a)の上から,平型凹板(8)の凹部(8a)に埋め込むようにして配置し、
第一メリヤス布の防振材に隣接する部分にホットメルトシート(5)を配置し、
第二メリヤス布(6)で第一メリヤス布(1)の掌部(2)と指部(3)を覆い、
第二メリヤス布を、熱プレスモールド(9)で平型凹板(8)上に押圧することによって,第一メリヤス布にホットメルトシートによって熱融着してなる防振手袋用防振パーツの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002166725A JP2004011063A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 防振手袋用防振パーツおよび同製造方法 |
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JP2002166725A Pending JP2004011063A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 防振手袋用防振パーツおよび同製造方法 |
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JP (1) | JP2004011063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008514467A (ja) * | 2004-09-30 | 2008-05-08 | アンセル・ヘルスケア・プロダクツ・エルエルシー | ライナーにより接着支持されたポリマーシェルおよび製造方法 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166725A patent/JP2004011063A/ja active Pending
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JP2008514467A (ja) * | 2004-09-30 | 2008-05-08 | アンセル・ヘルスケア・プロダクツ・エルエルシー | ライナーにより接着支持されたポリマーシェルおよび製造方法 |
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