JP2004010774A - エポキシビニルエステル樹脂組成物 - Google Patents

エポキシビニルエステル樹脂組成物 Download PDF

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伊藤 広宣
Tadashi Yasuda
安田 忠司
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Abstract

【課題】エポキシビニルエステル樹脂組成物中に金属石鹸などの硬化促進剤を配合したまま長期間貯蔵した場合、同一の硬化剤配合条件下でのゲル化時間が経日的に短時間化する問題があり、施工現場での作業終了前に材料が硬化するトラブルを引き起こすため、このゲル化時間の短時間化が起こらない該樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸から誘導される、エポキシビニルエステル(A)と、ビニル化合物、および/または、(メタ)アクリル酸(エステル)(B)と、金属石鹸(C)と、ジカルボン酸、および/または、その無水物(D)とを含む、エポキシビニルエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属石鹸等の硬化促進剤が配合されていても貯蔵中のゲル化時間が短時間化することがなく、とりわけ耐食性、耐薬品性、耐油性を要求されるライニング用材料として好適に用いることができるエポキシビニルエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸から誘導されるエポキシビニルエステルと、ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)とを混合して得られるエポキシビニルエステル樹脂組成物は、一般に硬化後の機械物性、耐食性、密着性、耐薬品性、耐油性、耐熱性、電気特性などに優れ、耐食ライニング材、耐食容器、FRP成形材、電気絶縁材、積層板等幅広い分野で使用されている。耐食ライニング用途においては、更に硬化促進剤としてナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルトなどの金属石鹸等を添加し均一化した後、使用直前に硬化剤として有機過酸化物を配合して使用する、常温硬化方法が一般的に使用されている。
【0003】
ところが硬化促進剤や硬化剤の配合量は、エポキシビニルエステル樹脂組成物に対して数10分の1〜数100分の1と少ないため、施工現場での配合ミスによるトラブルが多発しており、防止策として硬化促進剤を予め該組成物中に配合して供給することが求められている。
【0004】
しかしながらエポキシビニルエステル樹脂組成物中に硬化促進剤を配合したまま長期間貯蔵した場合、同一の硬化剤配合条件下でのゲル化時間が経日的に短時間化するという問題があり、施工現場で作業終了前に材料が硬化するトラブルを引き起こすため、改良が求められており、有効な解決策が見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、硬化促進剤を添加しても貯蔵中にゲル化時間の短時間化が無いエポキシビニルエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明者等はこの様な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エポキシビニルエステルとビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)との混合物に、硬化促進剤である金属石鹸と同時にジカルボン酸および/またはその無水物を添加したエポキシビニルエステル樹脂組成物は、貯蔵中のゲル化時間の短時間化が極めて小さく、かつ該組成物の硬化後の特徴を損なわないことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、エポキシビニルエステル(A)と、ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)と、金属石鹸(C)と、ジカルボン酸および/またはその無水物(D)よりなることを特徴とするエポキシビニルエステル樹脂組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられるエポキシビニルエステル(A)は、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸から誘導される化合物であり、その構造が特に限定されるものではない。
【0009】
ここで使用されるエポキシ樹脂はエポキシ基を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ジヒドロキシベンゼン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等のノボラック型樹脂類、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂類等の多価フェノールと、エピハロヒドリンから誘導される化合物が挙げられ、これらの中でも、硬化後の機械物性、耐食性、価格等の点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラックから誘導されるエポキシ樹脂が好ましい。
【0010】
また前記不飽和モノカルボン酸は、ラジカル重合性不飽和結合と、前記エポキシ樹脂と反応するカルボキシル基を同一分子内に有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸等が挙げられ、これらの中でも硬化反応時の反応速度が良好である点から、アクリル酸、メタアクリル酸が好ましい。
【0011】
本発明に用いられるビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)はその構造が特に限定されるものではないが、例えばビニル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、N−ビニルピロリドンが挙げられ、また、(メタ)アクリル酸(エステル)は、(メタ)アクリル酸、およびその1価もしくは多価脂肪族アルコール類とのエステルであり、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中でも、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0012】
本発明の必須成分であるエポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との配合比は特に限定されるものではないが、作業性並びに硬化後の機械物性、耐熱性が良好であることから、エポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との重量比(A)/(B)が80/20〜40/60となるように配合することが好ましい。
【0013】
本発明に用いられる金属石鹸(C)としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸マンガン、オクチル酸バナジウム等が挙げられるが、なかでも硬化反応が速やかに進行する点から、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトが好ましい。
【0014】
本発明のエポキシビニルエステル樹脂組成物中の金属石鹸(C)の配合量は、十分な促進効果が得られ、且つ、硬化後の機械物性、耐熱性、耐食性等が良好である点から、金属原子としての濃度がエポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との合計重量に対し、100〜2000ppmの範囲が好ましい。
【0015】
本発明に用いられる、ジカルボン酸および/またはその無水物(D)は、ゲル化時間の短時間化が抑制できる点から、飽和ジカルボン酸、飽和ジカルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物のいずれもが使用でき、特に限定されるものではなく、例えば、アジピン酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等、およびそれらの無水物が挙げられ、これらの中でも、エポキシビニルエステル(A)への溶解性が良好である点から、無水物が好ましい。これらの化合物は1種類で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。
【0016】
これらの中でも二つのカルボキシル基が隣接する炭素原子に結合するジカルボン酸および/またはその無水物を使用すると、効果的にゲル化時間の短時間化を抑制できる点で好ましく、また、硬化樹脂の物性の低下がなく、且つ、樹脂硬化後に、該化合物がブリードアウトしない点から、分子内にラジカル重合性不飽和基を有するジカルボン酸および/またはその無水物が好ましい。
【0017】
前記の好適な例としては、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等、それらの無水物が挙げられ、これら好適なものの中でもエポキシビニルエステル(A)への溶解性が良好である点からマレイン酸、無水マレイン酸が最も好ましい。
【0018】
ジカルボン酸および/またはその無水物(D)の配合量は特に制限されるものではないが、ゲル化時間の短時間化の抑制効果を発揮し、かつ、エポキシビニルエステル樹脂組成物の増粘等の貯蔵安定性が良好であり、硬化後の特徴を損なわないことから、金属石鹸(C)に含まれる金属原子に対して1〜15倍モルが好ましい。
【0019】
本発明における金属石鹸(C)並びにジカルボン酸および/またはその無水物(D)のエポキシビニルエステル(A)及びビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)への混合方法は特に限定されるものではないが、例えば、効率よく均一化するには、予め60℃程度に加温したエポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との混合物にジカルボン酸および/またはその無水物(D)を添加し撹拌、溶解した後、50℃以下に冷却して、金属石鹸(C)を添加し撹拌する方法が好ましい。
【0020】
本発明のエポキシビニルエステル樹脂組成物には、各種用途にあわせて種々の添加剤、例えばワックス、体質顔料、着色顔料、染料、チクソ付与剤、チクソ助剤、助促進剤、硬化遅延剤等を配合することができ、これらの添加剤は、1種類で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。
【0021】
前記ワックスとしてはパラフィン系ワックスが最も一般的に使用されているが、ライニング表面に浮いて空気を遮断する効果があるものであれば特に制限されるものではない。ワックスは融点が30〜60℃の範囲にあるものが好適に使用され、エポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との合計重量に対し、100ppm〜2%の範囲で添加することが好ましい。添加方法としては、使用直前にそのまま添加しても良いが、予めビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)に溶解して添加すると作業性が良い。また本発明によるエポキシビニルエステル樹脂組成物に添加したまま保管することも可能である。
【0022】
前記体質顔料としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、珪酸アルミニウム、珪酸ナトリウムアルミニウム、二酸化チタン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛等が使用でき、これらは、1種類で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。
【0023】
前記着色顔料としては、例えば酸化鉄、硫化カドミウム、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、インダンスロンブルー、ウルトラマリンブルー、酸化クロム、ベンジジンイエロー、トルイジンレッド、アルミニウム粉末等が使用でき、これらは、1種類で用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。
【0024】
チクソ付与剤としては、例えばアエロジル、カルボキシメチルセルロース、変性粘土、12−ヒドロキシステアリン酸、テトラブチルオルトチタン酸塩、微結晶セルロース等が使用できる。チクソ助剤を同時に使用することは何ら問題がなく、チクソ助剤としては例えば、ポリエチレングリコールやBYK R−605(ビックケミー社)が使用できる。チクソ付与剤やチクソ助剤は使用直前に添加しても良いが、本発明によるエポキシビニルエステル樹脂組成物に添加したまま保管しても何ら問題はない。
【0025】
前記助促進剤としては、例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリンの様な三級アミンが使用できる。添加量はエポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との合計重量に対して10〜5000ppmが好ましく、使用直前にそのまま添加しても良いが、あらかじめビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)に溶解して添加すると作業性が良い。
【0026】
前記硬化遅延剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、メチルハイドロキノン、パラベンゾキノンの様なキノン類や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等のノボラック型樹脂類、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂類等の多価フェノール、t−ブチルカテコール、レゾール等のフェノール性水酸基を有する化合物、四級アンモニウム塩等が挙げられる。硬化遅延剤は使用直前に添加しても良いが、本発明によるエポキシビニルエステル樹脂組成物に添加したまま保管しても何ら問題はない。硬化遅延剤の添加量はエポキシビニルエステル(A)とビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)との合計重量に対して10〜5000ppmが好ましく、添加する際にはあらかじめビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)に溶解して添加すると作業性が良い。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。なお、例中「部」は重量基準である。
【0028】
実施例1
ビスフェノールA型エポキシビニルエステル58部とスチレン42部の混合物であるDICLITE UE−3505(大日本インキ化学工業株式会社製)100部に、無水マレイン酸0.1部を60℃で溶解した後、50℃以下に冷却して6%ナフテン酸コバルト(6%はコバルト金属の重量基準の含有量を示す)0.4部を添加して均一化し、エポキシビニルエステル樹脂組成物(I)を得た。
【0029】
実施例2
DICLITE UE−3505 100部の代わりに、該製品の低粘度タイプであるDICLITE UE−5101−L(ビスフェノールA型エポキシビニルエステル55部とスチレン45部の混合物。大日本インキ化学工業株式会社製)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(II)を得た。
【0030】
実施例3
DICLITE UE−3505 100部の代わりに、フェノールノボラック型エポキシビニルエステル65部とスチレン35部の混合物であるDICLITE UE−5210(大日本インキ化学工業株式会社製)100部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(III)を得た。
【0031】
実施例4
無水マレイン酸0.1部の代わりに、無水テトラヒドロ無水フタル酸0.15部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(IV)を得た。
【0032】
実施例5
無水マレイン酸0.1部の代わりに、マレイン酸0.1部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(V)を得た。
【0033】
実施例6
6%ナフテン酸コバルト0.4部の代わりに、8%オクチル酸コバルト(8%はコバルト金属の重量基準の含有量を示す)0.3部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(VI)を得た。
【0034】
実施例7
無水マレイン酸0.1部の代わりに、無水マレイン酸0.2部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(VII)を得た。
【0035】
実施例8
無水マレイン酸0.1部の代わりに、無水マレイン酸0.4部を用いた以外は実施例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(VIII)を得た。
【0036】
比較例1
DICLITE UE−3505 100部に、6%ナフテン酸コバルト0.4部を室温で添加して均一化し、エポキシビニルエステル樹脂組成物(IX)を得た。
【0037】
比較例2
DICLITE UE−3505 100部の代わりにDICLITE UE−5101−L 100部を用いた以外は比較例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(X)を得た。
【0038】
比較例3
DICLITE UE−3505 100部の代わりにDICLITE UE−5210 100部を用いた以外は比較例1と同様にして、エポキシビニルエステル樹脂組成物(XI)を得た。
【0039】
試験例1〜8及び比較試験例1〜3
上記の実施例1〜8および比較例1〜3について40℃の加速試験にてゲル化時間と粘度を測定した。ゲル化時間はパーメックN(日本油脂製メチルエチルケトンパーオキサイド)をエポキシビニルエステル樹脂組成物100部に対して1.0部添加し、25℃の恒温水槽中で30℃に達するまでの時間を測定した。また粘度については25℃の恒温水槽中でBH型回転粘度計を使用して測定した。結果を表1と表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 2004010774
【0041】
表1の脚注
*配合比:コバルト金属に対する、ジカルボン酸類のモル比
**変化率(%):{(3ヵ月後のゲル化時間)−(初期のゲル化時間)}/(初期のゲル化時間)×100 の絶対値
【0042】
【表2】
Figure 2004010774
【0043】
表2の脚注
*配合比:コバルト金属に対する、ジカルボン酸類のモル比
【0044】
実施例1〜8で得た組成物を用いた試験例1〜8についてはいずれも3ヶ月後のゲル化時間の変化率は40%未満であり、使用上問題ない範囲であった。また代表的な性質である粘度については40℃、3ヶ月間保管で増粘傾向が見られるが、その度合いは従来の組成物である比較試験例1〜3とほぼ同様であり、本発明にかかわるジカルボン酸および/またはその無水物を添加しても、問題なく使用可能である事を確認した。
【0045】
比較例1〜3で得た組成物を用いた比較試験例1〜3では、単に硬化促進剤ナフテン酸コバルトを添加しただけでは保管中にゲル化時間の顕著な短時間化(変化率70%以上)が見られ、使用上問題があることが示された。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、硬化促進剤を添加しても貯蔵中にゲル化時間の短時間化がほとんど無いエポキシビニルエステル樹脂組成物を提供できる。

Claims (6)

  1. エポキシビニルエステル(A)と、ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸(エステル)(B)と、金属石鹸(C)と、ジカルボン酸および/またはその無水物(D)とを含有することを特徴とするエポキシビニルエステル樹脂組成物。
  2. ジカルボン酸および/またはその無水物(D)が、二つのカルボキシル基が隣接する炭素原子に結合するジカルボン酸および/またはその無水物である請求項1記載の組成物。
  3. ジカルボン酸および/またはその無水物(D)が、分子内にラジカル重合性不飽和基を有するジカルボン酸および/またはその無水物である請求項2記載の組成物。
  4. ジカルボン酸および/またはその無水物(D)がマレイン酸および/または無水マレイン酸である請求項3記載の組成物。
  5. 金属石鹸(C)に含まれる金属原子に対して、1〜15倍モルのジカルボン酸および/またはその無水物(D)が含まれる請求項1〜4記載の何れか一つに記載の組成物。
  6. 金属石鹸(C)がナフテン酸コバルトもしくはオクチル酸コバルトである請求項5記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102604191A (zh) * 2012-03-23 2012-07-25 镇国广 耐海水防腐蚀pe料

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