JP2004010721A - ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、気泡が微細であって外観性、剛性及び断熱性に優れた発泡体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観性、剛性及び断熱性に優れた発泡体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物及びこのポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂に有機過酸化物と熱分解型発泡剤とを混合して発泡性樹脂シートに成形した後、この発泡性樹脂シートを加熱することによって架橋、発泡させることにより製造されてきた。
【0003】
しかしながら、上記のように、ポリオレフィン系樹脂を有機過酸化物を用いて架橋させると、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡が粗大になり易く、その結果、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、その外観性、剛性及び断熱性が低下するといった問題点があった。
【0004】
そこで、特開昭58−134719号公報には、加熱分解型発泡剤、有機過酸化物架橋剤を含むポリオレフィン樹脂成形物を圧力下に加熱し、架橋剤を分解すると同時に或いは架橋剤の分解後に発泡剤の一部を分解して発泡核となし、しかる後、常圧下で加熱発泡するポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法では、確かに、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡は、ある程度微細化するものの不十分なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気泡が微細であって外観性、剛性及び断熱性に優れた発泡体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物及びこのポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とする。
【0008】
上記ポリオレフィン系樹脂は、従来から発泡体に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、ポリエチレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0009】
なお、上記エチレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられ、又、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられる。
【0010】
又、上記含フッ素化合物系微粒子としては、特に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、フッ化黒鉛等からなる微粒子が挙げられる。
【0011】
そして、上記シリコーン系微粒子としては、特に限定されず、例えば、3官能性或いは4官能性シロキサンを主構成単位とする強固な三次元網目構造を有するシリコーン樹脂、2官能性シロキサンを構成成分として多く含み、ゴム弾性を有するシリコーンゴム、ポリオルガノシロキサンとラジカル重合性単量体との共重合体であるシリコーン系共重合体等が挙げられる。
【0012】
なお、上記ラジカル重合性単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;メトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0013】
上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、少ないと、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子を添加した効果が発現せず、又、多くても、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子を添加した効果は殆ど変わらないので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0014】
なお、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子は単独で用いられても併用されてもよいが、上記含フッ素化合物系微粒子と上記シリコーン系微粒子とを併用する場合には、上記含フッ素化合物系微粒子と上記シリコーン系微粒子の総量がポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部となるように調整するのが好ましい。
【0015】
そして、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子の平均粒径は、小さくても大きくても、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡を十分に微細化することができないことがあるので、0.1〜30μmが好ましい。
【0016】
なお、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子の平均粒径は、湿式レーザー法により測定されたものであり、具体的には、島津製作所社製のレーザ回折式粒度分布測定装置(商品名「SALD300V」)を用いて測定することができる。
【0017】
又、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子における下記式1で表される真球度fの平均値は、小さいと、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡を十分に微細化することができないことがあるので、0.8以上が好ましい。
【0018】
なお、真球度fの平均値とは、測定対象となる微粒子を10個用意し、各微粒子を任意の方向に切断し、各微粒子毎に下記式により真球度fを測定し、その10個の真球度fの平均値をいう。
真球度f=〔M/(π/4)〕0.5/Nmax・・・式1
但し、微粒子の任意の断面において、その断面積をM(mm2)、最長径をNmax(mm)とする。
【0019】
そして、上記有機過酸化物としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0020】
又、上記有機過酸化物のポリオレフィン系樹脂組成物中における含有量は、少ないと、ポリオレフィン系樹脂への架橋が不十分となることがあり、又、多いと、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体中に分解残渣が残存することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
【0021】
更に、上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロテレフタルアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0022】
そして、上記熱分解型発泡剤のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率等によって適宜調整され、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜40重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
【0023】
又、上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、物性を損なわない範囲内において、架橋助剤、抗酸化剤、発泡助剤、可塑剤、顔料、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0024】
上記抗酸化剤としては、例えば、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ、通常、上記抗酸化剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部添加される。
【0025】
次に、上記ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法について説明する。上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を、これらに必要に応じてその他の添加物を添加した上で、バンバリーミキサー、ニーダー等の汎用の混練手段に供給して有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で混練することによって製造することができる。
【0026】
そして、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法としては、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給し、有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で溶融、混練してシート状に押出し、このシートを有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱することによってポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給し、有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で溶融、混練してシート状に押出し、このシートを有機過酸化物の分解温度以上で且つ熱分解型発泡剤の分解温度未満に加熱してシートを架橋し、、この架橋されたシートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱してシートを発泡させポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法等が挙げられる。
【0027】
このように、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂組成物中の含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子によって、その気泡は非常に微細なものとなっており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【0028】
【作用】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、表面エネルギーの低い、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有させており、このように、表面エネルギーの低い含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させると、表面エネルギーの低い含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子が多数の気泡核となる。
【0029】
よって、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体には、上記の多数の気泡核を基にして多数の微細な気泡が確実に形成される。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
高圧法低密度ポリエチレン(密度:0.923g/cm3、メルトフローレイト:1.5g/10分)100重量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(ダイキン工業社製 商品名「ルブロンL−5」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:0.84)3重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部及びアゾジカルボンアミド15重量部をニーダーに供給して130℃で5分間混練してポリエチレン樹脂組成物を作製した。
【0031】
上記ポリエチレン樹脂組成物を単軸押出機に供給して溶融、混練し、厚さ1.7mmの発泡性ポリエチレン樹脂シートを作製した。そして、この発泡性ポリエチレン樹脂シートから縦5cm×横5cm×高さ1mmの発泡性シート片を切り出し、この発泡性シート片を240℃に加熱して、発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0032】
(実施例2)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子(ダイキン工業社製 商品名「ネオフロンPFA」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:0.77)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0033】
(実施例3)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、真球状シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン社製 商品名「トスパール120」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:1.00)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0034】
(実施例4)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、真球状シリコーンゴム微粒子(東レダウコーニング社製 商品名「トレフィルE−604」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:1.00)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0035】
(実施例5)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、不定形シリコーン樹脂微粒子(東レダウコーニング社製 商品名「トレフィルR−900」、平均粒径:20μm、真球度fの平均値:0.47)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0036】
(比較例1)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0037】
得られたポリエチレン樹脂発泡体のゲル分率及び気泡の平均断面積を下記の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0038】
(ゲル分率)
ポリエチレン樹脂発泡体を約100mg採取して試料とし、この試料の乾燥重量W1を測定し、次に、上記試料を120℃のキシレン50ml中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W2を測定し、以下の式によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=(W2/W1)×100
【0039】
(気泡の平均断面積)
ポリエチレン樹脂発泡体を厚み方向に切断し、その切断面の任意部分において、ポリエチレン樹脂発泡体の厚み方向に4mm、厚み方向に直交し且つ切断面に沿う方向(幅方向)に10mmの横長長方形状部分にある気泡数を光学顕微鏡にて観察し、下記式に基づいて気泡の平均断面積を測定した。なお、気泡断面の全てが完全に横長長方形状部分にある気泡は1個とし、一部のみが横長長方形状部分内に入っている気泡については、横長長方形状部分内に入っている部分の大小に関わらず1/2個とした。
【0040】
〔気泡の平均断面積(mm2)〕=40(mm2)/気泡数(個)
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【0043】
又、請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物は、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物において、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子は、その平均粒径が0.1〜30μmで且つ上記式1で表される真球度fの平均値が0.8以上であることを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数のさらに微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性にさらに優れている。
【0044】
最後に、請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体は、請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とするので、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明は、外観性、剛性及び断熱性に優れた発泡体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物及びこのポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂に有機過酸化物と熱分解型発泡剤とを混合して発泡性樹脂シートに成形した後、この発泡性樹脂シートを加熱することによって架橋、発泡させることにより製造されてきた。
【0003】
しかしながら、上記のように、ポリオレフィン系樹脂を有機過酸化物を用いて架橋させると、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡が粗大になり易く、その結果、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、その外観性、剛性及び断熱性が低下するといった問題点があった。
【0004】
そこで、特開昭58−134719号公報には、加熱分解型発泡剤、有機過酸化物架橋剤を含むポリオレフィン樹脂成形物を圧力下に加熱し、架橋剤を分解すると同時に或いは架橋剤の分解後に発泡剤の一部を分解して発泡核となし、しかる後、常圧下で加熱発泡するポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法では、確かに、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡は、ある程度微細化するものの不十分なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気泡が微細であって外観性、剛性及び断熱性に優れた発泡体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物及びこのポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とする。
【0008】
上記ポリオレフィン系樹脂は、従来から発泡体に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられ、ポリエチレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。なお、上記ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0009】
なお、上記エチレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられ、又、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられる。
【0010】
又、上記含フッ素化合物系微粒子としては、特に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、フッ化黒鉛等からなる微粒子が挙げられる。
【0011】
そして、上記シリコーン系微粒子としては、特に限定されず、例えば、3官能性或いは4官能性シロキサンを主構成単位とする強固な三次元網目構造を有するシリコーン樹脂、2官能性シロキサンを構成成分として多く含み、ゴム弾性を有するシリコーンゴム、ポリオルガノシロキサンとラジカル重合性単量体との共重合体であるシリコーン系共重合体等が挙げられる。
【0012】
なお、上記ラジカル重合性単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート;メトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0013】
上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、少ないと、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子を添加した効果が発現せず、又、多くても、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子を添加した効果は殆ど変わらないので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0014】
なお、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子は単独で用いられても併用されてもよいが、上記含フッ素化合物系微粒子と上記シリコーン系微粒子とを併用する場合には、上記含フッ素化合物系微粒子と上記シリコーン系微粒子の総量がポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部となるように調整するのが好ましい。
【0015】
そして、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子の平均粒径は、小さくても大きくても、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡を十分に微細化することができないことがあるので、0.1〜30μmが好ましい。
【0016】
なお、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子の平均粒径は、湿式レーザー法により測定されたものであり、具体的には、島津製作所社製のレーザ回折式粒度分布測定装置(商品名「SALD300V」)を用いて測定することができる。
【0017】
又、上記含フッ素化合物系微粒子及び上記シリコーン系微粒子における下記式1で表される真球度fの平均値は、小さいと、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の気泡を十分に微細化することができないことがあるので、0.8以上が好ましい。
【0018】
なお、真球度fの平均値とは、測定対象となる微粒子を10個用意し、各微粒子を任意の方向に切断し、各微粒子毎に下記式により真球度fを測定し、その10個の真球度fの平均値をいう。
真球度f=〔M/(π/4)〕0.5/Nmax・・・式1
但し、微粒子の任意の断面において、その断面積をM(mm2)、最長径をNmax(mm)とする。
【0019】
そして、上記有機過酸化物としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0020】
又、上記有機過酸化物のポリオレフィン系樹脂組成物中における含有量は、少ないと、ポリオレフィン系樹脂への架橋が不十分となることがあり、又、多いと、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体中に分解残渣が残存することがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
【0021】
更に、上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジメチルN,N’−ジニトロテレフタルアミド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0022】
そして、上記熱分解型発泡剤のポリオレフィン系樹脂中における含有量は、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率等によって適宜調整され、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜40重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
【0023】
又、上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、物性を損なわない範囲内において、架橋助剤、抗酸化剤、発泡助剤、可塑剤、顔料、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0024】
上記抗酸化剤としては、例えば、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタン、チオジプロピオン酸ジラウリル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられ、通常、上記抗酸化剤は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部添加される。
【0025】
次に、上記ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法について説明する。上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を、これらに必要に応じてその他の添加物を添加した上で、バンバリーミキサー、ニーダー等の汎用の混練手段に供給して有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で混練することによって製造することができる。
【0026】
そして、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法としては、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給し、有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で溶融、混練してシート状に押出し、このシートを有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱することによってポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給し、有機過酸化物及び熱分解型発泡剤の分解温度未満で溶融、混練してシート状に押出し、このシートを有機過酸化物の分解温度以上で且つ熱分解型発泡剤の分解温度未満に加熱してシートを架橋し、、この架橋されたシートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱してシートを発泡させポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法等が挙げられる。
【0027】
このように、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂組成物中の含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子によって、その気泡は非常に微細なものとなっており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【0028】
【作用】
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、表面エネルギーの低い、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有させており、このように、表面エネルギーの低い含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させると、表面エネルギーの低い含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子が多数の気泡核となる。
【0029】
よって、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体には、上記の多数の気泡核を基にして多数の微細な気泡が確実に形成される。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
高圧法低密度ポリエチレン(密度:0.923g/cm3、メルトフローレイト:1.5g/10分)100重量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(ダイキン工業社製 商品名「ルブロンL−5」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:0.84)3重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部及びアゾジカルボンアミド15重量部をニーダーに供給して130℃で5分間混練してポリエチレン樹脂組成物を作製した。
【0031】
上記ポリエチレン樹脂組成物を単軸押出機に供給して溶融、混練し、厚さ1.7mmの発泡性ポリエチレン樹脂シートを作製した。そして、この発泡性ポリエチレン樹脂シートから縦5cm×横5cm×高さ1mmの発泡性シート片を切り出し、この発泡性シート片を240℃に加熱して、発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0032】
(実施例2)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体微粒子(ダイキン工業社製 商品名「ネオフロンPFA」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:0.77)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0033】
(実施例3)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、真球状シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン社製 商品名「トスパール120」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:1.00)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0034】
(実施例4)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、真球状シリコーンゴム微粒子(東レダウコーニング社製 商品名「トレフィルE−604」、平均粒径:2μm、真球度fの平均値:1.00)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0035】
(実施例5)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の代わりに、不定形シリコーン樹脂微粒子(東レダウコーニング社製 商品名「トレフィルR−900」、平均粒径:20μm、真球度fの平均値:0.47)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0036】
(比較例1)
ポリテトラフルオロエチレン微粒子を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレン樹脂組成物を作製し、このポリエチレン樹脂組成物から発泡倍率30倍で厚さが5mmの直方体状ポリエチレン樹脂発泡体を得た。
【0037】
得られたポリエチレン樹脂発泡体のゲル分率及び気泡の平均断面積を下記の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0038】
(ゲル分率)
ポリエチレン樹脂発泡体を約100mg採取して試料とし、この試料の乾燥重量W1を測定し、次に、上記試料を120℃のキシレン50ml中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣の乾燥重量W2を測定し、以下の式によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=(W2/W1)×100
【0039】
(気泡の平均断面積)
ポリエチレン樹脂発泡体を厚み方向に切断し、その切断面の任意部分において、ポリエチレン樹脂発泡体の厚み方向に4mm、厚み方向に直交し且つ切断面に沿う方向(幅方向)に10mmの横長長方形状部分にある気泡数を光学顕微鏡にて観察し、下記式に基づいて気泡の平均断面積を測定した。なお、気泡断面の全てが完全に横長長方形状部分にある気泡は1個とし、一部のみが横長長方形状部分内に入っている気泡については、横長長方形状部分内に入っている部分の大小に関わらず1/2個とした。
【0040】
〔気泡の平均断面積(mm2)〕=40(mm2)/気泡数(個)
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
【0043】
又、請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物は、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物において、含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子は、その平均粒径が0.1〜30μmで且つ上記式1で表される真球度fの平均値が0.8以上であることを特徴とするので、このポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させて得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、無数のさらに微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性にさらに優れている。
【0044】
最後に、請求項3に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体は、請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とするので、無数の微細な気泡を有しており、外観性、剛性及び断熱性に優れている。
Claims (3)
- ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤、並びに、含フッ素化合物系微粒子及び/又はシリコーン系微粒子を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
- 含フッ素化合物系微粒子及びシリコーン系微粒子は、その平均粒径が0.1〜30μmで且つ式1で表される真球度fの平均値が0.8以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
真球度f=〔M/(π/4)〕0.5/Nmax・・・式1
但し、微粒子の任意の断面において、その断面積をM(mm2)、最長径を
Nmax(mm)とする。 - 請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させてなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002164474A JP2004010721A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂発泡体 |
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JP2002164474A JP2004010721A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリオレフィン系樹脂発泡体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008093877A1 (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-07 | Sumitomo Chemical Company, Limited | 発泡成形用樹脂組成物、発泡成形体の製造方法、発泡成形体、履き物用部材および履き物 |
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2002
- 2002-06-05 JP JP2002164474A patent/JP2004010721A/ja active Pending
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