JP2004010473A - リモナイトを混錬した焼成成形物およびこの焼成成形物を焼成する薪窯 - Google Patents

リモナイトを混錬した焼成成形物およびこの焼成成形物を焼成する薪窯 Download PDF

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Abstract

【課題】脱臭、脱硫および水質浄化作用に優れたリモナイトを混錬した焼成成形物とこの焼成成形物を焼成する薪窯を提供することを目的とする。
【解決手段】粘土が9〜2に対してリモナイトを1〜8の重量割合で混錬した成形物、粘土8〜2対リモナイト1〜7対ゼオライトもしくは鹿沼土を1〜7の重量割合で混錬した成形物、粘土8〜2対リモナイト1〜7対炭1〜7の重量割合で混錬した成形物等のリモナイトを混錬した焼成成形物を薪の焼成による薪窯内の温度上昇と焼成中断による温度降下の焼成サイクルを繰り返して、焼成時の温度を焼成サイクル毎に段階的に500〜900度に上昇させると共に、水蒸気を発生させて焼成するアブリ焚きと、1100〜1300度で連続して焼成するセメ焚きとで焼成することにより、脱臭、脱硫、水質浄化効果が高く、耐水性や耐候性が優れた堅牢な焼成成形物が得られる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモナイトを混錬した焼成成形物およびこの焼成成形物を焼成する薪窯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境改善や環境保護が強力に推進されており、環境汚染の防止とか水質浄化等の技術あるいは製品開発に注力されている。
脱臭、脱硫および水質浄化等の効能を有する製品も種々開発されてはいるが、いずれも液体であったり粒子状であったりして利用、活用範囲が限定されているのが実状である。
ちなみに木や竹等の炭は、そのままの状態で脱臭を必要とする場所に置いておくか、粉体にして対象物に塗布したり練り込まれて活用されている。
また水質改善に利用するため、多孔質な物体そのものあるいは多孔質に焼成した陶磁器等を水中に配設している例もある。
また阿蘇山の火山灰から精製され、商標名「ライトミネラル」として販売されているリモナイト鉱粉末が脱臭作用のあることが知られている。これは阿蘇山の噴火によって溶出した鉄分を多く含む堆積物の阿蘇の黄土から加工されたものである。
さらに脱臭剤や排水処理剤、鮮度保持剤として天然ゼオライトが知られており、特に栃木県の大谷産のゼオライト岩は、新第三紀の海底火山噴出物起源の堆積岩であり、一般に緑色凝灰岩とよばれアンモニウムイオンの吸着除去等に利用されつつある。
【0003】
一方、陶器あるいはセラミックの焼成には燃焼材に薪を使用した薪窯が一般的であった。この薪窯は比較的乾燥した地盤上に砂利を介したり直接耐火レンガを敷いた窯床を備えて構築されており、窯内温度が800〜900度に達するまでゆっくりと焼いて行くアブリ焚き段階と、粘土成形品を石に変えるセメ焚き段階とを経て焼成するため数日間かけて昼夜の別なく焼成していた。
したがって数日間の連続焼成と焼成温度の管理に多大の手間と労力および多量の薪が必要となるため、近年では薪窯に代わって焼成や温度管理が容易に制御できる電気、ガス、灯油等を燃料とした焼成窯が主流となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、液体や粉体、粒子状のものでは噴霧するか据え置くかして使用するしかなく、例えば水質浄化のために水中に入れると流れたり混濁したりして利用、活用範囲が限定されるといった課題を有していた。
また木や竹等の炭では脱臭、水質浄化効果を上げるために多くの量を必要とするし、粉末にした場合は容器を必要とするため前記と同様に利用、活用範囲が限定されるといった課題を有していた。
また臭気を吸着して飽和状態になると、それ以上臭気を吸着しなくなるので焼却せざるを得ないといった課題を有していた。
また多孔質な物体や多孔質に焼成した陶磁器等は、水中に配設して汚泥を多孔の中に取り込んで水を澄ますことに効果はあるが、水質の浄化には効果なく、多孔が汚泥で塞がれるとそれ以上は水を澄ますことができず洗浄しなければならないといった課題を有していた。
またリモナイト鉱粉末は、現時点においては家畜用の脱臭剤として飼料に少量混合して使用されているに過ぎないと言ったような課題を有していた。
【0005】
さらに、近年主流の電気、ガス、灯油等を燃料とした窯は全て輻射熱を利用した焼成であり、焼成対象の陶器あるいはセラミック製品の表面と中心部では焼結に時差が生じるため表面のみが溶融してガラス化してしまい、結果として中心部は生焼け状態でそれ以後セラミック化しなくなり、表面を必要以上に硬くしなければ強度が保持できないという課題を有していた。そのため電気、ガス、灯油等を燃料とした窯で焼成された陶器あるいはセラミック等の焼成成形物は壊れ易く、耐久性に乏しいといったような課題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、脱臭、脱硫および水質浄化作用に優れたリモナイトを混錬した焼成成形物と、この焼成成形物を焼成する薪窯を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の第1のリモナイトを混錬した焼成成形物は、粘土とリモナイトを、粘土が9〜2に対してリモナイトを1〜8の重量割合で混錬した成形物を焼成したものである。このような構成とすることによって粉体もしくは粒子状のリモナイトが成形し易くなり、かつ焼成することによってリモナイトが有する効能を失うことなく耐水性や耐候性に優れるといったような作用を有する。
【0008】
また本発明の第2のリモナイトを混錬した焼成成形物は、粘土とリモナイトとゼオライトを、粘土8〜2、リモナイト1〜7、ゼオライト1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したものである。このような構成とすることによって粉体もしくは粒子状のリモナイトやゼオライトが成形し易くなり、かつ焼成することによってリモナイトとゼオライトが有する効能が相乗的に発揮でき、かつ耐水性や耐候性に優れるといったような作用を有する。
【0009】
また本発明の第3のリモナイトを混錬した焼成成形物は、粘土とリモナイトと鹿沼土を、粘土8〜2、リモナイト1〜7、鹿沼土1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したものである。このような構成とすることによって粉体もしくは粒子状のリモナイトや鹿沼土が成形し易くなり、かつ焼成することによってリモナイトと鹿沼土が有する効能が相乗的に発揮でき、かつ耐水性や耐候性に優れるといったような作用を有する。
【0010】
また本発明の第4のリモナイトを混錬した焼成成形物は、粘土とリモナイトと炭を、粘土8〜2、リモナイト1〜7、炭1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したものである。このような構成とすることによって粉体もしくは粒子状のリモナイトと炭粉が成形し易くなり、かつ焼成することによってリモナイトと炭が有する効能が発揮でき、かつ耐水性や耐候性に優れるといったような作用を有する。
【0011】
さらに本発明の第5の焼成成形物を焼成する薪窯は、多湿の地盤上に、炭の層を0.5〜2m形成し、この上に砂利を5〜15cm、さらに砂を5〜10cm積層し、その上に多孔質レンガを相互間が3〜6mm間隔で敷き詰めた窯床を備え、焼成に伴って地盤から窯内に水蒸気を発生させるようにした構成としたものである。したがって、焼成に伴って主として地盤から自然の水蒸気が発生することで窯内の圧力が通常よりも高まり、水蒸気が焼成成形物の粘土の中を出入りすることになって蒸し焼き状態となって成形物の内部まで十分に熱が伝わって焼成されるという作用を有する。
【0012】
また本発明の第6のリモナイトを混錬した焼成成形物は、リモナイトを混錬した成形物を焼成材として薪を用いる薪窯で焼成するに際し、薪の焼成による薪窯内の温度上昇と焼成中断による温度降下の焼成サイクルを繰り返して、薪窯内の焼成時の温度を焼成サイクル毎に段階的に500〜900度に上昇させると共に、水蒸気を発生させて焼成するアブリ焚きと、1100〜1300度で連続して焼成するセメ焚きとで焼成するようにしたものである。したがって、上下する温度変化を繰り返しながら、かつ通常よりも高い圧力環境下で焼成されるため、ゆっくりと内部まで十分に焼成されるという作用を有する。
【0013】
また本発明の第7のリモナイトを混錬した焼成成形物は、さらに粘土に糠、炭、木粉、プラスチック粒子等の粉末状の燃焼粉体を混錬し、焼成時に燃焼させて多孔質化するようにしたものである。したがって焼成成形物の表面積が大きくなり、リモナイトの露出と併せて臭気の吸着やミネラル分の溶出がより顕著になるという作用を有する。
【0014】
また本発明の第8の粘土とリモナイトと炭を混錬した焼成成形物は、焼成温度を900度以下で焼成するようにしたものである。したがって、炭が燃焼して灰になることなく焼成することによってリモナイトと炭が有する効能が発揮でき、脱臭、脱硫、水質浄化といったような作用を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る薪窯の断面図を示し、図において、1は耐火煉瓦で形成された煉瓦壁、2は同じく耐火煉瓦が敷き詰められた煉瓦床、3は下焚口、4は上焚口、5は燃焼材の灰を掻き出すためのロストル、6は煙突である。
さらに7は木や竹等の炭が0.5〜2.0m程積層された炭層で、この上に砂利が5〜15cm積層された砂利層8が形成され、さらにこの上に砂層9が5〜10cm積層され、煉瓦床2とで窯床が構成されている。そしてこの窯床は沢周辺から水が染み出てくるような湿気の多い地盤10上や高湿度条件に合致する場所上が選択されて薪窯が構築されている。なお煉瓦床2の多孔質レンガは相互間が3〜6mmの間隔で敷き詰められている。
この薪窯では、燃焼材として間伐材等の薪11が使用され、内部の焼成成形物12が焼成される。
このような構成の薪窯は、焼成の際に湿気の多い地盤10上で保水している炭層7から水蒸気が誘発し、砂利層8、砂層9、煉瓦床2の隙間を通って窯内に導入する。この時窯内圧力も通常より高まる。
【0016】
本発明では、リモナイト鉱物の粉粒体(以下単にリモナイトと称す)を粘土と混錬して、図2に示すような焼成成形物を作り上記した薪窯で焼成したものであり、以下に詳述する。
12は焼成成形物で、粘土13とリモナイト14を混錬し所望の形に成形したものである。混合割合は粘土90対リモナイト10重量%から粘土20対リモナイト80重量%の範囲であればよく、粘土とリモナイトを1対1の重量割合で混錬したものが最も良い結果が得られた。リモナイトの主成分は、酸化鉄が69.08%、珪酸が13.7%、リンが0.094%、カリウムが0.20%、カルシウムが1.49%、マンガンが0.029%、マグネシウムが0.51%、硫黄が0.579%、ナトリウムが0.015%、アルミニウムが2.76%であり、鉄分が主でミネラルを多く含んでいるのが特徴である。
本発明は、この粘土とリモナイトを混錬した焼成成形物を上記した薪窯で焼成したものである。
【0017】
焼成プロセスとしては、まず薪を焼成して窯内温度を400〜500度(摂氏)位に高めて約14時間位かけてゆっくりと焼成成形物を焼成する。しかる後、焼成を止めて約10時間位放置する。この状態では窯内が徐冷され、温度が200〜300度(摂氏)位にまで下がる。次の2回目は、窯内温度を700〜800度(摂氏)位に上げて約14時間位焼成する。そして焼成を止めて約10時間位放置する。窯内温度は300〜400度(摂氏)位にまで下がる。次の3回目は、窯内温度を800〜900度(摂氏)位に上げて約14時間位焼成する。そして焼成を止めて約10時間位放置する。窯内温度は600〜700度(摂氏)位にまで下がる。以上がアブリ焚きと称される段階である。
この後、1〜3日連続して焼成するセメ焚きを行って、窯内温度を1200〜1300度(摂氏)位に上げる。
このような焼成サイクルを繰り返す中で、400〜500度位で焼成する1回目の焼成サイクルでは焼成成形物中の水分が飛ばされ、700〜800度位で焼成する2回目の焼成サイクルでは焼成成形物の粘土の結晶構造がこわれて再結晶化(セラミック化)が起こってくる。
また、1回目の焼成サイクルから2回目の焼成サイクルにかけて窯内には炭層の水分が蒸発して窯内圧力が通常よりも4〜5.5mmHO位にまで高まる。したがって水蒸気が焼成成形物の粘土の中を出入りすることになって蒸し焼き状態となる。その後窯内圧力は0.2〜0.4mmHO位にまで徐々に下がり、セメ焚きがおこなわれるため焼成成形物の中心部15まで十分に焼成されることになる。したがって上記した焼成サイクルを3回以上繰り返せば焼成成形物の堅牢度が向上するという焼成効果が大となる。
一般的な焼成成形物として焼成するには、上記したような止め焚きではなく、800〜900度(摂氏)で野焼き、電気窯、灯油窯等で従来のように焼成すればよい。
【0018】
上記のようにして焼成された焼成成形物は、リモナイトの細粒状の各粒子は活性炭と同じように多孔質で、細粒でありながら表面積が大きく、リモナイトが含有する酸化鉄(Fe)による酸化還元反応で鉄分が臭気を発生するアンモニア(NH)や硫化水素(HS)を吸着して取り込み無臭化する。また水分にも反応し易くイオン分解し、器として水を入れたり水中に入れるとリモナイトが含有するミネラル分が溶出してミネラル分の多い水となる。
また塩素が吸着されると、塩素によって覆われていたミネラル分が露出するため水がうまく感じるようになるといった水質が変化する水質浄化効果が得られる。
ちなみに上記したリモナイトを混錬した焼成成形物の容器に精製水200mlを注ぎ1時間静置後、金属分析用容器に移し替えた試験水をICP質量分析計(カドミウム、鉛、ヒ素、クロム、ナトリウム、マンガン分析)とICP発光分光分析計(カルシウム、マグネシウム、カリウム分析)を用いて測定した結果を以下に示す。なお焼成成形物の容器はリモナイトを20%混錬したものである。
(分析項目)    (試験水)         (精製水)
カドミウム  0.001mg/l未満   0.001mg/l未満
鉛      0.005mg/l未満   0.005mg/l未満
ヒ素     0.001mg/l未満   0.001mg/l未満
クロム    0.005mg/l未満   0.005mg/l未満
ナトリウム  0.2mg/l       0.1mg/l未満
マンガン   0.02mg/l      0.005mg/l未満
カリウム   0.6mg/l       0.1mg/l未満
カルシウム  0.1mg/l未満     0.1mg/l未満
マグネシウム 0.1mg/l未満     0.1mg/l未満
その結果、ナトリウム、マンガン、カリウムが溶出し、ミネラル分が豊富に含まれた水質になった。
また、水道水中の塩素の量で比較したところ、水道水500ml中の塩素量は0.45mg/lであったが、リモナイトを混錬した焼成成形物の試料50gを水道水中に入れて1時間撹拌した後の塩素量は0.2mg/lと減少した。
アンモニア、硫化水素および塩素等を吸着した焼成成形物は800〜1300度(摂氏)で再焼成すればこれらが消滅するので再利用することができる。
本実施例の焼成成形物の混合割合で、粘土が10重量%以下になると焼成した時に固まらず、逆にリモナイトが10重量%以下になると脱臭、脱硫、水質浄化効果が減少する。
なお上記した実施例では、水蒸気環境下での薪窯焼成と800〜900度の低温焼成で焼成成形物を得たが、1100〜1300度(摂氏)の一般的な高温焼成としても同様の作用効果が得られた。
【0019】
次に本発明の第2の実施例として、粘土とリモナイトとゼオライトを混錬した焼成成形物を作り上記と同様に薪窯焼成、並びに800〜900度で野焼き、電気窯、灯油窯等で従来のように焼成した。
ゼオライトとは、結晶性含水アルミノケイ酸塩の鉱物であり、ゼオライト種としてクリノプチロライトを主成分とし、斜長石、曹長石、灰長石、石英などの造岩鉱物および雲母群に属するセラドナイト、スメクタイト群に属するモンモリナイトやサポナイト等の粘土鉱物類を少量含有している。
天然ゼオライトとしては栃木県産の大谷石が良く知られている。この大谷産のゼオライト岩は、新第三紀の海底火山噴出物起源の堆積岩であり、一般に緑色凝灰岩とよばれている。成分としては、酸化鉄(Fe)が1.91〜2.45%、マグネシウムが0.57〜0.69%、カルシウムが2.26〜2.39%、ナトリウムが2.55〜2.94%、カリウムが1.78〜2.46%等であり、ミネラルを多く含んでいるのが特徴である。そしてゼオライトは上記成分のうち特にカルシウム、ナトリウム、カリウムがアンモニアのイオンと交換されて、臭気を発生するアンモニア(NH)を吸着して取り込み無臭化する。
このようにして得られた焼成成形物は、リモナイトとゼオライトの相乗効果と相まって上記した第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られた。さらに、第1の実施例と同様に水道水中の塩素の量で比較したところ、水道水500ml中の塩素量は0.45mg/lであったが、本実施例のものは0.2mg/lと減少した。
この場合の粘土とリモナイトとゼオライトの混錬割合は、粘土80対リモナイト10対ゼオライト10重量%から粘土20対リモナイト70対ゼオライト70重量%の範囲の組み合わせである。この時、例えば粘土70重量%に対してリモナイトとゼオライトは合わせて30重量%になるように混合すれば良い。粘土が20重量%以下になると焼成した時に固まらず、逆にリモナイトやゼオライトが10重量%以下になると脱臭、脱硫、水質浄化効果が減少する。
【0020】
また本発明の第3の実施例として、粘土とリモナイトと鹿沼土を混錬した焼成成形物を作り上記と同様に薪窯焼成、並びに800〜900度で野焼き、電気窯、灯油窯等で従来のように焼成した。
鹿沼土とは、約3万年前に群馬県の赤城山の火山噴火によって噴出した黄色多孔質な軽石の風化土であり、東西約40kmに亘って分布し栃木県中部一帯から産出している。特に栃木県鹿沼地区では約2mの層厚があり、一般に鹿沼土として知られている。
成分としては、ケイ酸とアルミニウムが主で、石英、長石、角セン石、磁鉄鉱等の結晶破片が識別できる。含有割合は産出場所によって数値が異なるため特定できないが、水はけが良く乾燥すると水に浮くのが特徴である。また河川や湖沼の富栄養化による汚染現象の起因となっているリン酸イオンの吸着に効果があることがわかっている。
このようにして得られた焼成成形物は、リモナイトと鹿沼土の相乗効果と相まって上記した第2の実施例とほぼ同様の作用効果が得られた。
さらに、第2の実施例と同様に水道水中の塩素の量で比較したところ、水道水500ml中の塩素量は0.45mg/lであったが、本実施例のものは0.2mg/lと減少した。
また粘土とリモナイトと鹿沼土の混錬割合は、粘土80対リモナイト10対鹿沼土10重量%から粘土20対リモナイト70対鹿沼土70重量%の範囲の組み合わせである。この時、例えば粘土70重量%に対してリモナイトと鹿沼土は合わせて30重量%になるよう混合すれば良い。粘土が20重量%以下になると焼成した時に固まらず、逆にリモナイトやゼオライトが10重量%以下になると脱臭、脱硫、水質浄化効果が減少する。
【0021】
さらに本発明の第4の実施例として、粘土とリモナイトと木および竹等の炭を混錬した焼成成形物を作り、600〜900度(摂氏)で薪窯、野焼き、電気窯、灯油窯等で従来のように焼成した。
このようにして得られた焼成成形物は、リモナイトと炭の相乗効果と相まって上記とほぼ同様の作用効果が得られた。さらに、第1の実施例と同様に水道水中の塩素の量で比較したところ、水道水500ml中の塩素量は0.45mg/lであったが、本実施例のもので木炭の場合は0.18mg/l、また竹炭の場合は0.15mg/lと減少した。
この場合の粘土とリモナイトと木および竹等の炭の混錬割合は、粘土80対リモナイト10対炭10重量%から粘土20対リモナイト70対炭70重量%の範囲の組み合わせである。この時例えば粘土70重量%に対してリモナイトと炭は合わせて30重量%になるよう混合すれば良い。
粘土が20重量%以下になると焼成した時に固まらず、逆にリモナイトや炭が10重量%以下になると脱臭、脱硫、水質浄化効果が減少する。
また、焼成温度が900度以上になると木および竹等の炭が灰になって焼失してしまうし、焼成温度が600度以下になると焼成成形物が焼結しなくなる。
【0022】
さらに本発明の第5の実施例として、第1、第2および第3の実施例に記載したリモナイトを混錬した焼成成形物の粘土に、さらに糠、炭、木粉、プラスチック粒子等の粉末状の燃焼粉体を混錬し薪窯焼成した。高温焼成時にはこれら粉末状の燃焼粉体は燃焼焼失するため焼成成形物が多孔質化する。そのため上述したリモナイトを混錬した焼成成形物の有する作用効果が得られると共に、水質浄化作用がより一層向上するといった効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明は、粘土が9〜2に対してリモナイトを1〜8の重量割合で混錬した成形物、粘土8〜2対リモナイト1〜7対ゼオライト1〜7の重量割合で混錬した成形物、粘土8〜2、リモナイト1〜7、鹿沼土1〜7の重量割合で混錬した成形物、粘土8〜2対リモナイト1〜7対炭1〜7の重量割合で混錬した成形物等のリモナイトを混錬した焼成成形物を焼成したことにより、粒子状あるいは粉体状のリモナイト、ゼオライト、鹿沼土が成形し易くなり、かつ焼成することによってリモナイトが有する効能を失うことなく脱臭、脱硫、水質浄化効果が得られると共に、焼成成形物の耐水性や耐候性が優れるといったような効果が得られる。
また、粉体状のリモナイトを粘土と混錬し、焼成することで所望の形に成形することができ、水中に入れての水質浄化、器として水を入れての水質浄化、脱臭用としての置物や脱硫用としての任意の形等に活用範囲が顕著に広がるといった効果が得られる。
また、アンモニア、硫化水素あるいは塩素等を吸着した焼成成形物は800〜1300度で再焼成すればこれらが消滅するので再利用することができるといった効果も得られる。
さらに、ゼオライトや鹿沼土あるいは炭を混錬した焼成成形物ではゼオライトや鹿沼土あるいは炭との相乗効果でリモナイトの使用量を少なくすることができる。
【0024】
さらに、薪の焼成による薪窯内の温度上昇と焼成中断による温度降下の焼成サイクルを繰り返して、焼成時の温度を焼成サイクル毎に段階的に500〜900度に上昇させると共に、水蒸気を発生させて焼成するアブリ焚きと、1100〜1300度で連続して焼成するセメ焚きとで焼成するようにしたことにより、上下する温度変化を繰り返しながら、かつ通常よりも高い圧力環境下で焼成されるため、ゆっくりと内部まで十分に焼成され堅牢な焼成成形物が得られる。
また、焼成と焼成中断の焼成サイクルを繰り返すため、焼成材としての薪の消費量が大幅に減少すると共に、焼成中断時は焼成状況と焼成温度の管理が不要となり手間と労力が大幅に軽減されるといった効果が得られる。
【0025】
さらに本発明の薪窯は、多湿の地盤上に、炭の層を0.5〜2m形成し、この上に砂利を5〜15cm、さらに砂を5〜10cm積層し、その上に多孔質レンガを相互間が3〜6mm間隔で敷き詰めた窯床を備え、焼成に伴って地盤から窯内に水蒸気を発生させるようにした構成としたため、焼成に伴って主として地盤から保水している炭を介して自然の水蒸気が発生することで窯内の圧力が通常よりも高まり、成形物の内部まで十分に熱が伝わって焼成されることになり、堅牢度の高い焼成成形物が得られるといった焼成効果が得られる。
【0026】
さらには、粘土とリモナイト、もしくはこれらにゼオライトや鹿沼土を混錬した焼成成形物に、さらに糠、炭、木粉、プラスチック粒子等の粉末状の燃焼粉体を混錬し、焼成時に燃焼させて多孔質化するようにした場合、焼成成形物の表面積が大きくなってリモナイトの露出と併せて臭気の吸着やミネラル分の溶出がより顕著になり、脱臭、脱硫と併せて水質浄化作用がより一層向上すると共に、多孔による汚泥の取り込みで水が澄むといった効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薪窯の断面図
【図2】本発明の焼成成形物の一部切欠き斜視図
【符号の説明】
1・・・耐火煉瓦壁
2・・・煉瓦床
3・・・下焚口
4・・・上焚口
5・・・ロストル
6・・・煙突
7・・・炭
8・・・砂利
9・・・砂
10・・・地盤
11・・・薪
12・・・焼成成形物
13・・・粘土
14・・・リモナイト

Claims (8)

  1. 粘土とリモナイトを、粘土を9〜2、リモナイトを1〜8の重量割合で混錬した成形物を焼成したことを特徴とするリモナイトを混錬した焼成成形物。
  2. 粘土とリモナイトとゼオライトを、粘土を8〜2、リモナイトを1〜7、ゼオライトを1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したことを特徴とするリモナイトを混錬した焼成成形物。
  3. 粘土とリモナイトと鹿沼土を、粘土を8〜2、リモナイトを1〜7、鹿沼土を1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したことを特徴とするリモナイトを混錬した焼成成形物。
  4. 粘土とリモナイトと炭を、粘土を8〜2、リモナイトを1〜7、炭を1〜7の重量割合で混錬した成形物を焼成したことを特徴とするリモナイトを混錬した焼成成形物。
  5. 多湿の地盤上に、炭の層を0.5〜2m形成し、この上に砂利を5〜15cm、さらに砂を5〜10cm積層し、その上に多孔質レンガを相互間が3〜6mm間隔で敷き詰めた窯床を備え、焼成に伴って地盤から窯内に水蒸気を発生させるようにしたことを特徴とする薪窯。
  6. リモナイトを混錬した焼成成形物を焼成材として薪を用いる薪窯で焼成するに際し、薪の焼成による薪窯内の温度上昇と焼成中断による温度降下の焼成サイクルを繰り返して、薪窯内の焼成時の温度を焼成サイクル毎に段階的に500〜900度に上昇させると共に、水蒸気を発生させて焼成するアブリ焚きと、1100〜1300度で連続して焼成するセメ焚きとで焼成するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3記載のリモナイトを混錬した焼成成形物。
  7. さらに粘土に糠、炭、木粉、プラスチック粒子等の粉末状の燃焼粉体を混錬し、焼成時に燃焼させて多孔質化するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3記載のリモナイトを混錬した焼成成形物。
  8. 焼成温度を900度以下で焼成するようにしたことを特徴とする請求項4記載のリモナイトを混錬した焼成成形物。
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