JP2003020290A - セラミック製の多孔質基材及びその製造方法並びにこの多孔質基材を粉砕して得られた土壌用基材 - Google Patents

セラミック製の多孔質基材及びその製造方法並びにこの多孔質基材を粉砕して得られた土壌用基材

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JP2003020290A JP2001200606A JP2001200606A JP2003020290A JP 2003020290 A JP2003020290 A JP 2003020290A JP 2001200606 A JP2001200606 A JP 2001200606A JP 2001200606 A JP2001200606 A JP 2001200606A JP 2003020290 A JP2003020290 A JP 2003020290A
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porous substrate
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Toshiya Ueda
俊也 上田
Motoyoshi Nishimura
源宜 西村
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Ueda Shikimono Kojo KK
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    • Y02B80/32Roof garden systems

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】通気性、吸水性、通水性、断熱性、吸着性、防
音などの各種機能に優れ、しかも、高い強度と耐久性に
富み、所望の気孔率と、所望の形状が容易に得られる建
材、植生基材、吸着材又は水質、空気浄化材などの環境
資材として好適に使用される、セラミック製の多孔質基
材及びその製法並びにこれを粉砕して得た土壌用基材を
提供する。 【解決手段】窯業原料に少なくとも炭及び/又は有機物
材料を混合し、所定形状に成形してなる窯業品成形体に
は、加熱、焼成して、前記の炭及び/又は有機物材料の
焼成、燃焼により発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び
/又は一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスによって
連続気孔及び/又は独立気孔が多数形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窯業成形品を加
熱、昇温して行く段階での水分の蒸散により形成される
多孔質構造に加えて、炭及び/又は有機物材料の焼成、
燃焼により発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は
一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスによって連続気
孔及び/又は独立気孔が多数形成された気孔率の高い多
孔質構造を有するセラミック製の多孔質基材等に関し、
特に、通気性、吸水性、通水性、断熱性、吸着性、防音
などの各種機能が優れ、内装材、外装材、床材又は外装
建材或いはその他の建材、植生基材、吸着材又は水質・
空気浄化材などに好適に使用されるセラミック製の多孔
質基材及びその製造方法並びにこの多孔質基材を粉砕し
て得えられた土壌用基材に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックは、高温における熱処理(焼
結)工程を経て製造される非金属無機質材料であり、狭
義には窯業原料を素材とした焼結品を指すが、最近で
は、広義の意味において、ガラスやセメントはもちろん
炭素のような単体材料からの単結晶のものまでをセラミ
ックということもある。
【0003】このうち、窯業原料を素材とする狭義の意
味のセラミックは、製造が容易で、安価にて製造でき、
タイルやレンガ等に代表されるように古くから使用され
ている。
【0004】このような窯業原料を素材とするセラミッ
クの多結晶質焼結体の組織は、その製造過程で粉体原料
に水を加えてこれを練って所望の形状に予備成形して
も、成形体の充填粒子の間にできる隙間は強い焼結によ
って完全には消滅し難く、焼結品内部になお残留するこ
とが原因で微細な空隙(気孔)が自然発生的に無数に形
成される。
【0005】このように自然発生的に形成された気孔の
大きさは、素材の粒子の大きさや焼成温度などによって
も異なるが、肉眼で見えるものから10Å以下のものま
であり、セラミックにこのような気孔が微細なものも含
めて無数に形成されていると、通気性、吸水性、通水
性、断熱性、吸着性、防音などの各種機能が働くように
なる。
【0006】ところが、このような自然発生的に形成さ
れた微細な気孔による気孔率は、耐火煉瓦のように比較
的高いものからタルク(滑石)のように0%近いものま
であり、通常、その多くは、製品に対する気孔率が、数
%から多くても10%程度と低いことから、自然環境下
において前述した各機能が高い効果をもって働くまでに
は至らない。勿論、粗い粒子や大きな結晶構造を有する
セラミック原料を用いたり、セラミックの粉砕物を用い
たり、焼成温度を低くするなどして、気孔率を高めるこ
とはできるが、このような方法では限界があり、しか
も、この限界を超えると、製品の硬度と耐久性などに大
きな悪影響をもたらすことが予想される。このため、前
記機能を充分に働かせるためには、前記方法以外の方法
を主にして、セラミック全体の気孔率を積極的に高める
必要がある。
【0007】窯業原料を素材とするセラミックの気孔率
を積極的に高める方法としては、セラミック原料粒子に
無機質バインダをコーティングしてから成形し、燃焼凝
着させて粒子間に空隙を残す技術である。この技術は従
来から各種製品の製造に利用されており、この技術によ
れば、焼成により無機質バインダの一部が骨材粒子内に
滲み込み一体化しながら、骨材粒子相互の固着を行なっ
て、粒子間の空隙が残された状態で強固に結合した構造
が形成される。
【0008】この技術において、用いられる無機質バイ
ンダには、当該無機質バインダが骨材と同質のもの(特
開平7−267752号公報)の他、無機質バインダと
して、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、ソーダ系無鉛
のガラス屑などの無機アルカリ系粉末を用いたもの(特
開昭63−256577号公報)、或いは水ガラス、セ
メント、釉薬などを用いたもの、などが挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術は、骨材粒子の充填状態や粒径によって気孔率が異な
ることから、積極的に気孔率を高めようとすれば、粒径
の大きい骨材やセラミックの破砕物を使用することにな
るが、このような原料だけに頼りすぎると、製品の気孔
率は高まるが、これだけでは、製品が重くなって取扱性
が低下したり、気孔内に更なる多数の微孔が形成された
表面積の広い気孔が得られ難い上、連続気孔の形成が至
極困難となるなどの課題がある。
【0010】また、このように構成すると、無機質バイ
ンダが長期間にわたって硬化反応が進行して劣化し易
く、通気性、通水性、吸水性などの機能が変化したり、
亀裂が生じたり、機械的強度が低下したり、耐久性に欠
けるなどの課題がある。
【0011】本発明者は、従来の多孔質形成技術には前
述した課題を有することに鑑み、このような不具合を解
消する新規な多孔質形成技術の開発に着手した。そし
て、その後における鋭意・検討の結果、ついに製品の成
分を変えることなく、しかも、従来の製造設備がそのま
ま利用でき、多機能且つ高機能を有する本発明に係るセ
ラミック製の多孔質基材と、このセラミック製の多孔質
基材の製造方法と、このセラミック製の多孔質基材を粉
砕して得られた土壌用基材を完成するに至ったものであ
る。
【0012】このような経緯を経て完成するに至った本
発明は、窯業原料に少なくとも炭及び/又は有機物材料
を混合し、これを所定形状に成形した窯業品成形体を加
熱、昇温して行く段階での水分の蒸散により形成される
多孔質構造に加えて、炭及び/又は有機物材料の焼成、
燃焼により発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は
一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスによって、連続
気孔及び/又は独立気孔からなる多数の気孔を形成して
高い気孔率を有する基材を実現させることにより、通気
性、吸水性、通水性、断熱性、吸着性、防音などの各種
機能に優れ、しかも、高い強度と耐久性に富み、所望の
気孔率と、所望の形状が容易に得られることから、内装
材、外装材、床材又は外装建材或いはその他の建材、植
生基材、吸着材又は水質、空気浄化材などに好適に使用
される、セラミック製の多孔質基材を提供することを目
的とする。
【0013】また、本発明は、このようなセラミック製
の多孔質基材を、従来の製造設備を利用して、所望の気
孔率の製品を安価に且つ容易に製造し得る、セラミック
製の多孔質基材の製造方法を提供することを目的する。
【0014】更に、このようにして得られたセラミック
性の多孔質基材を粉砕することによって得られる、軽量
で、且つ保肥性に優れ、しかも通気性、吸水性、保水性
及び吸着性などに優れた機能を生かした、植物栽培や植
物育成用の土壌用基材、中でも特に、壁材、屋根、水辺
の緑化更に屋上緑化等の環境資材として好適に用いられ
る土壌用基材を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るセラミック
製の多孔質基材は、前記目的を達成するために、窯業原
料に少なくとも炭及び/又は有機物材料を混合し、所定
形状に成形してなる窯業品成形体には、加熱、焼成し
て、前記の炭及び/又は有機物材料の焼成、燃焼により
発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭
素)や水蒸気などの発泡性ガスによって連続気孔及び/
又は独立気孔が多数形成されていることを特徴とするも
のである。
【0016】本発明に係るセラミック製の多孔質基材
(以下、本発明の多孔質基材と略称する。)は、窯業原
料に炭及び/又は有機物材料を混入し、更に、所要によ
り、これに水を加えて混練して粘体状にし、これを所望
形状の窯業品成形体に成形し、この窯業品成形体を加
熱、昇温して行く段階での水分の蒸散により自然に形成
される多孔質構造に加えて、炭及び/又は有機物材料の
焼成、燃焼により発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び
/又は一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスによっ
て、連続気孔及び/又は独立気孔からなる多数の気孔を
形成して高い気孔率を有するセラミック製の焼結成形品
であり、その内部を含めた全体に、その製造により自然
発生的に形成された微細な無数の気孔に加えて、その製
造時に含ませた炭及び/又は有機物材料の燃焼により生
じた気泡の抜け跡からなる連続気孔が多数形成されてい
ることから、高い気孔率を有する。以下、各材料につい
て詳述する。
【0017】本発明において、粘体状とは窯業原料を主
成分とする混合物を型枠に入れて所定形状に成形できる
状態であれば特に限定されるものではなく、具体的に
は、例えばモルタル状、コンクリート状或いは粘土状の
ことをいう。
【0018】先ず、窯業原料について詳述する。ここに
使用される窯業原料は、従来から煉瓦やタイル、陶器等
の原料として用いられている窯業原料を主要材料として
いる。具体的な主要材料を挙げると、例えば、珪藻土、
珪砂、珪岩、カオリン鉱物、蛇紋石、粘土、リザーダイ
ト、クリソタイル、雲母窯業原料鉱物、バーミキュライ
ト、スメクタイト、発泡シラス、真珠岩、黒曜石、ヒル
石、頁岩、砂姿、キラ、長石、ガラス、アルミナ、フラ
イアッシュ、セメントのうちの選択された1種の材料又
は複数種を混合した材料が挙げられ、これら材料のうち
のどれを選択するかは、どのような使用目的の多孔質基
材を得るかによって異なる。
【0019】ところで、本発明の多孔質基材の製造にお
いて、窯業原料に水を加えて混練して粘体状にし、これ
を所定形状の成形体に成形する工程があるが、窯業原料
の粒子の大きさ次第では、水による結合力が働かないこ
とがある。つまり、粒子の粗い窯業原料の割合が大きい
場合には、形崩れして成形体を形成することができな
い。このため、窯業原料としては粒子の細かいものを主
材料とするのが望ましい。
【0020】この点について、土壌学では、粘土を、
「適量の水を含んでいるときに粘性と可塑性を示す無機
質天然物からなる土で、その粒子が2μm以下のもの」
と定義することがあるが、本発明で使用される窯業原料
は、これほど厳密に定義したものでなくてもよく、例え
ば、窯業原料を主材料とし、これに、粒径が2μm〜
0.02mmのシルト、粒径が0.02mm〜0.2m
mの細砂、粒径が0.2〜2mmの礫、この他、陶器や
煉瓦更に瓦並びにコンクリート等の廃材の粉砕物などを
混入させたものも含まれる。
【0021】又、本発明で用いられる炭について詳述す
る。ここで使用される炭としては、予め、有機物材料を
炭化させて得られた炭化物やその粉体又は粉砕物であれ
ば特に限定されるものではないが、この有機物材料とし
ては、具体的には、例えば籾殻、藁屑、木屑、茶屑、コ
ーヒーの抽出残滓、竹粉、植物の葉屑或いは椰子殻やそ
の破砕片、椰子殻ダスト、椰子殻の粉体、椰子殻の繊維
や短繊維等の植物系の有機物の炭化物から選ばれた少な
くとも1種が挙げられる。
【0022】このように窯業原料に炭を混入すると、炉
内で成形体を焼成するときに、この炭が空気中の酸素及
び成形体(窯業原料)中に含まれている酸素と反応し、
燃焼して炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭
素)が発生し、その発泡性ガスの抜け跡が連続気孔及び
/又は独立気孔、特に連続気孔となって無数の気孔が形
成される結果、高い気孔率を有するセラミック製の多孔
質基材が得られるのである。
【0023】従って、本発明の多孔質基材は、窯業品成
形体を加熱、昇温して行く段階での水分の蒸散により自
然に形成される多孔質構造に加えて、その内部を含めた
全体に、炭の燃焼によって発生した炭素酸化物(発泡性
ガス)の抜け跡からなる無数の連続気孔及び/又は独立
気孔、特に連続気孔を備えるのである。
【0024】又、本発明で用いられる有機物材料として
は、有機物からなる材料であれば特に限定されるもので
はないが、具体的には、例えば籾殻、藁屑、木屑、木
粉、竹粉、葉屑或いは椰子殻やその破砕片、椰子殻ダス
ト、椰子殻の粉体、椰子殻の繊維や短繊維等の植物系の
有機物から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。これ
らのうち特に、椰子殻やその破砕片、椰子殻ダスト、椰
子殻の粉体、椰子殻の繊維や短繊維等の有機物から選ば
れた少なくとも1種は、優れた炭素酸化物(発泡性ガ
ス)が発生し、その抜け跡からなる極めて多孔質度の高
い多孔質基材が得られるから望ましい。
【0025】窯業原料に炭及び/又は有機物材料を混入
し、更に、所要により、これに水を加えて混練して粘体
状にし、これを所望形状の窯業品成形体に成形する方法
には、加圧成形、押出し成形、鋳込み成形、射出成形な
どがあり、成形品の大きさなどに見合ったこれら公知の
成形方法のいずれかを採用すればよい。このようにして
予備成形した成形体の内部を含めた全体には、その殆ど
が肉眼では見えないが、充填粒子どうしの結合により生
じる細かな隙間が無数に形成されている。
【0026】ところで、本発明の多孔質基材において
は、炭の一部又は有機物材料の炭化物の一部から選ばれ
た少なくとも1種が当該多孔質基材の全体にわたって多
数残存、分散させてなるものが、前記無数の連続気孔及
び/又は独立気孔による優れた吸着機能に加えて、これ
ら気孔に連通する残存、分散させた多数の炭の一部又は
有機物材料の炭化物の一部が更に優れた吸着等の諸機能
を発現するので望ましい。
【0027】ところで、前記有機物材料において、どの
程度の大きさや粒子のものを使用するかについては、製
造する多孔質基材の大きさ、厚さ、使用目的などによっ
て様々であり、特に限定されるものではないが、例え
ば、煉瓦やコンクリートブロック形状のように比較的大
きく、肉厚がある多孔質基材を製造する場合には、0.
1〜5mm程度の大きさの粉体や短繊維更に粉砕片を使
用するのも前述した各機能を有効に働かせるという観点
から好ましい。
【0028】このように窯業原料に有機物材料を混入す
ると、窯業品成形体を加熱、昇温して行く段階での水分
の蒸散により自然に形成された気孔から流入した空気中
の酸素及び成形体(窯業原料、特に、各種酸化物)中に
含まれている酸素が、炉内で窯業品成形体を焼成すると
きに、当該有機物原料と酸化反応してこの有機物材料が
燃焼して炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭
素)が発生し、その全体に、発泡性ガスの抜け跡が形成
される結果、連続気孔及び/又は独立気孔となって無数
の気孔が形成された高い気孔率を有するセラミック製の
多孔質基材が得られるのである。
【0029】この気孔は、貫通孔、入口孔、入口が狭い
開孔、溝や切り込み形状のものだけでなく、これら気孔
が焼結品内部で独立した独立気孔になっていたり、これ
ら気孔が焼結品内部で複雑に絡み合ったり、互いに連通
し合った連続した無数の連続気孔になるのであり、しか
も独立気孔よりも、むしろ連続気孔が大量に形成される
のである。このため、この多孔質基材はその全体に対す
る微細な気孔の体積の割合、つまり気孔率が高くなって
前記機能が有効に発現するのである。
【0030】このように、本発明の多孔質基材は、無数
の自然孔に加えて有機物材料の燃焼跡による積極的な気
孔が無数に形成されていることから、単位体積当たりの
気孔の割合である気孔率が格段にに高いものになってい
る。なお、本発明の多孔質基材においては、その用途に
応じて、気孔率を変化させるには炭及び/又は有機物材
料の配合割合やその大きさを調整すれば良いのである。
【0031】前述したように本発明の多孔質基材は、格
段に高い気孔率を有する多孔質構造であるため、特に、
保肥性、通気性、吸水性、通水性、断熱性、吸着性、防
音などの諸機能において、極めて高い機能を発現する。
【0032】ところで、本発明の多孔質基材には、水以
外の結合剤や、添加材等を混入させてもよく、具体的に
は、例えば煉瓦色の多孔質基材を得るには、酸化鉄を含
む粘土を配合、添加すればよく、また、この多孔質基材
に、室内の湿度コントロールや脱臭機能、更に、空気中
に含まれている雑菌やたばこの煙などの微粒子及び水に
含まれている雑菌や植物プランクトンや汚れの成分から
なる微粒子を吸着させる吸着機能を更に高めようとすれ
ば、従来において吸着作用があることが知られている、
ゼオライト、バーミキュライト又はパーライト等の無機
質吸着材を、製造工程における混入工程で、適量、添加
させるのが好ましく、このように構成することにより、
他の機能、例えば保肥性、通気性、吸水性、通水性、断
熱性、吸着性、防音などの諸機能を至極向上させること
ができるのである。
【0033】又、本発明の多孔質基材においては、当該
多孔質基材の強度や耐久性等を向上させるために、金属
繊維、金属製網体又はパンチングメタルから選ばれた少
なくとも1種を含有、配設するのが望ましい。
【0034】本発明の多孔質基材は、その形状に応じ、
前述した各機能を生かした各種製品に適用される。その
製品は、必ずしも限定されるものではないが、具体的に
は、例えば内装材、壁材、外装材、床材又は外装建材或
いはその他の建材、植生基材、吸着材、水質・空気浄化
材等に適したパネル形状が挙げられる。また、内装材、
外装材、床材、プールサイドの敷物、吸水・吸着材等に
適したタイル形状が挙げられる。また、内装材、外装
材、壁材、床材、植生基材、屋根、吸着材、水質・空気
浄化材、舗装材、塀材、水辺の緑化、プランター、植木
鉢、トレー又は屋上緑化材等の環境資材として適した各
種形状のものが挙げられるのであり、その形状は特に限
定されるものではないが、具体的には、例えば棒・電柱
状、板状、格子状、ハニカム状、筒状又は枠状などのも
のが挙げられる。
【0035】この場合において、プランター、植木鉢又
はトレーを植物栽培に使用する際、その全体が通気・排
水性が有り、従って、従来のプランターや植木鉢などの
ように、根腐れ防止のために底部に排水口を設け、網体
や小石等を設置して、培養土の流出を防ぐなどの煩わし
い配慮が不要で、取扱性が良好なのである。
【0036】ところで、これらの多孔質基材(前記適用
製品)について、前記各機能のうちの一部の機能を変化
させたり無くすことも可能である。例えば、外壁材では
吸水機能や通水機能は不要である。このような場合に
は、セラミック製品として、本発明者は、その1つとし
て、気孔率が異なる複数の多孔質基材層からなる多孔質
基材を提案した。例えば、多孔質基材として、炭及び/
又は有機物材料の配合割合やその大きさを変化させた複
数種の多孔質基材層からなるもの、或いは炭及び/又は
有機物材料を全く含まないものと炭及び/又は有機物材
料を含むものとを組み合わせたもの、等が挙げられるの
であり、これらは、窯業品成形体の製造工程の段階で複
数種のものを積層、一体化させて、前述のように、焼結
すれば良いのである。
【0037】また、他の1つとして、本発明者は、前記
本発明の多孔質基材の片面に釉薬層が形成された多孔質
基材を提案した。このように構成すると、多孔質基板を
艶のある奇麗な製品にすることができる上、多孔質基材
の片面を釉薬層で覆って、通気性や吸水性、通水性など
の機能を著しく低下ないし失わせることができる。
【0038】以上において説明した本発明の多孔質基材
は、前述した各種機能だけでなく、次のような機能を有
する。即ち、本発明の多孔質基材は、例えば自然の土を
原料とする落ち着いた色と煉瓦質の製品にすることがで
きる。また、自然の材料を素材としているため、例え
ば、最近、室内の化学物質に起因するシックハウスと呼
ばれているような、人の健康に悪影響を与えるものが含
まれていないだけでなく、仮に室内に化学物質が分散す
ると、これを吸着、無害化し得るのである。また、耐火
性に優れているために建材に用いると耐火・防火性に優
れるのであり、また、外面が多孔質構造になっているの
で、床材や舗装材に適用すると、足元が滑らないだけで
なく、水回りに使用すると排水・通水性に優れ、快適な
生活環境を形成できるのである。
【0039】ところで、本発明の多孔質基材において、
窯業品成形体を形成するにあたり、それらの成分の配合
割合としては窯業品成形体が得られ、しかもその焼結が
可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、一
般に、窯業原料100重量部に対し、炭及び/又は有機
物材料2.5〜60重量部(即ち、炭2.5〜60重量
部、有機物材料2.5〜60重量部或いは炭と有機物材
料との合計量2.5〜60重量部のことである。)及び
水25〜150重量部の範囲とするのが好ましく、又、
所望により、配合される酸化鉄含有土や無機質吸着材更
に顔料等の添加剤は、窯業原料100重量部に対し、そ
れぞれの添加剤が2.5〜50重量部の範囲とするのが
望ましく、これらの範囲以外では窯業品成形体が得られ
なくなったり、加熱、焼成の際にひびが入ったり、破損
する虞れが生じるうえ、所要の機械的強度や耐久性が得
られないことがあるので好ましくない。
【0040】本発明に係るセラミック製の多孔質基材の
製造方法(以下、本発明方法という。)においては、前
記目的を達成するために、窯業原料に少なくとも炭及び
/又は有機物材料を加え、混練して粘体状に形成し、次
いで、この粘体を所定形状の窯業品成形体に形成し、こ
の窯業品成形体を炉内で徐々に昇温して600〜130
0℃で焼成して、この焼成中に前記の炭及び/又は有機
物材料を燃焼させて炭化させるとともに、この炭及び/
又は炭化物と、空気中の酸素や窯業原料中に含まれてい
る酸素とを反応させて炭素酸化物(二酸化炭素及び/又
は一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスを発生させて
連続気孔及び/又は独立気孔が多数形成されていること
を特徴とするものである。
【0041】即ち、本発明方法において、窯業原料に炭
及び/又は有機物材料を混入し、更に、所要により、こ
れに水を加えて混練して粘体状にし、これを所望形状の
窯業品成形体に成形し、この窯業品成形体を、30〜1
20分かけて徐々に加熱、昇温して焼結温度に至るまで
の段階での水分の蒸散により自然に形成される多孔質構
造に加えて、炭及び/又は有機物材料の焼成、燃焼によ
り発生した炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭
素)や水蒸気などの発泡性ガスによって、連続気孔及び
/又は独立気孔、特に連続気孔からなる多数の気孔を形
成して高い気孔率を有するセラミック製の多孔質基材が
得られるのであり、その内部を含めた全体に、その製造
により自然発生的に形成された微細な無数の気孔に加え
て、その製造時に含ませた炭及び/又は有機物材料の燃
焼により生じた気泡の抜け跡からなる気孔が多数形成さ
れていることから、高い気孔率を有するのである。
【0042】本発明方法においては、予備形成した窯業
品成形体を、電気炉などの炉内に入れ、徐々に昇温して
600〜1300℃の温度範囲で、所定時間加熱、焼成
すると、本発明の多孔質基材が製造されるが、この焼成
に必要な加熱温度及び加熱時間は、窯業品成形体の構成
成分やどのような多孔質基材を得るか等を配慮して適
宜、決定されるが、一般に、1.5〜12時間の範囲で
あれば良いのである。
【0043】本発明方法において、窯業品成形体の一層
好ましい焼成温度は700〜1000℃の範囲であるこ
とが好ましく、この温度範囲では、炭素酸化物(二酸化
炭素及び/又は一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガス
の抜け跡からなる比較的均一な連続気孔及び/又は独立
気孔が無数に得られ、気孔率が一層高くなるうえ、丈夫
な多孔質基材を製造することができるのである。
【0044】ところで、本発明方法において、窯業品成
形体を形成するにあたり、それらの成分の配合割合とし
ては、本発明の多孔質基材の場合と同様なので、重複説
明を避けるため省略する。
【0045】そして、本発明方法において、有機物材料
としては、有機物からなる材料であれば特に限定される
ものではないが、具体的には、例えば籾殻、藁屑、木
屑、茶屑、コーヒーの抽出残滓、木粉、竹粉、葉屑或い
は椰子殻やその破砕片、椰子殻ダスト、椰子殻の粉体、
椰子殻の繊維や短繊維から選ばれた少なくとも1種の植
物系の有機物が好ましく、これらの有機物材料を用いる
ことによって、良質の多孔質基材を製造することができ
るのである。
【0046】本発明に係るセラミック製の土壌用基材
(以下、本発明の土壌用基材という。)においては、前
記目的を達成するために、本発明の多孔質基材を粉砕し
て得られたものである。
【0047】即ち、本発明の多孔質基板は、極めて高い
多孔質構造により前述した各種諸機能を有するが、この
ような機能は多孔質基材を細かく粉砕した材料も同様で
あり、特に、これを土壌用基材として用いると、軽量
で、しかも保肥力、保水性更に通気性に優れ、植物の成
長、育成に好適な環境が得られる土壌用基材、特に、軽
量で、屋上緑化用の土壌用基材として極めて好適に用い
ることができるのである。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び構成は前述の通
りであり、続いて、本発明に係るセラミック製の多孔質
基材を添付図面に示す実施の形態を具現化した実施例に
添って詳述する。
【0049】図1は本発明に係る第1実施例のセラミッ
ク製の多孔質基材を示す斜視図であり、又、図2はその
拡大断面図である。
【0050】図1及び図2に示す第1実施例の多孔質基
材1はレンガ状に形成されており、この第1実施例品で
ある煉瓦2は酸化鉄を含む煉瓦質の窯業原料に少なくと
も炭4及び/又は有機物材料5を混合し、レンガ状に成
形してなる窯業品成形体を、加熱、焼成して形成されて
おり、この煉瓦2の本体1aには、前記窯業品成形体の
炭4と有機物材料5との焼成、燃焼により発生した炭素
酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭素)や水蒸気な
どの発泡性ガスによって連続気孔3a及び独立気孔3b
が無数に形成されてなる。
【0051】次に、図3のフロー図に前記第1実施例の
多孔質基材1の製造工程を示す。図1及び図2に示す多
孔質基材1は、酸化鉄を含む煉瓦質の窯業原料を主成分
とし、この窯業原料100重量部、椰子殻粉(平均粒径
2.5mm)15重量部、椰子殻炭粉末(2.5mm)
10重量部及び水85重量部をミキサーで均一に混練し
て、粘体状に形成する工程(A)を実施する(ステップ
100)。
【0052】次に、前記工程(A)で得られた粘体(モ
ルタル)を型枠に流し込んでレンガ状の窯業品成形体に
成形する工程(B)を実施する(ステップ101)。こ
の工程(B)において、レンガ状の窯業品成形体を得る
には、従来公知の方法が挙げられる。
【0053】続いて、前記工程(B)で得られた窯業品
成形体を、電気炉内に入れ、30〜120分程度かけ
て、電気炉内を徐々に加熱、昇温して700〜1000
℃で焼結する工程(C)を実施する(ステップ10
2)。この場合、焼結時間は6〜8時間程度である。
【0054】このようにして窯業品成形体の加熱、焼成
が進行すると(ステップ103)、その焼結温度に至る
までの段階での当該窯業品成形体中の水分や椰子殻粉が
炭化(ステップ104)するまでに発生した水分の蒸
散、抜け跡によって形成された多孔質構造に加えて、炭
4と有機物材料(炭化物)5の焼成、燃焼により発生し
た炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭素)や水
蒸気などの発泡性ガス(ステップ106)によって、無
数の連続気孔3a及び独立気孔3bなどが形成された
(ステップ107)、極めて気孔率の高い煉瓦2が得ら
れるのである。
【0055】即ち、この煉瓦2は、その本体1aの内部
を含めた全体に、その製造の際、水蒸気の蒸散によって
形成された微細な無数の気孔に加えて、その焼結時の炭
4と有機物材料5との燃焼により生じた発泡性ガスの抜
け跡からなる気孔3a、3bが無数に形成された、極め
て高い気孔率(気孔率25%以上)を有する。
【0056】なお、前述のように、炭や炭化物の一部を
残してこれによる高い吸着機能を維持させる場合、焼成
温度を比較的低くしたり、焼成時間を若干短くすればよ
いのである(ステップ105)。
【0057】勿論、気孔率の高い煉瓦2を製造するにあ
たり、炭や炭化物を完全燃焼させて炭素酸化物(二酸化
炭素及び/又は一酸化炭素)からなる発泡性ガスを発生
させ(ステップ106)、その抜け跡からなる無数の連
続気孔3a及び独立気孔3bが形成される(ステップ1
07)。
【0058】更に、得られたセラミック基材を冷却すれ
ば(ステップ108)、製造工程は終了し(ステップ1
09)、高い気孔率を有する煉瓦2が得られる。
【0059】このようにして形成された煉瓦2を使用す
るにあたり、この煉瓦2を家の玄関に通じる通路に敷き
詰めて使用すると、この煉瓦2に通水(透水)機能があ
るので、雨が降ってもこの通路上には降雨水は溜まら
ず、通路の内部に浸透して、下方に排水される。このた
め、足元が濡れるのを防止したり、雨水が溜まって滑っ
たりすることが防止され、降雨日でも比較的快適に過ご
すことができるのである。しかもこのように煉瓦2を通
路に敷き詰めると、玄関先に煉瓦色の落ち着いた雰囲気
を漂わせることができる。
【0060】また、この煉瓦2を生け垣の基礎部分に使
用すると、生け垣内の土壌に酸素が入り易くなり、この
ため、植物の根腐れが生じないのである。
【0061】前記煉瓦2の他の使用例としては、この煉
瓦2を歩道に敷き詰めると、前述のように、水溜まりが
生じない歩道になり、足元が濡れるのを防止したり、雨
水が溜まって滑ったりすることが防止され、至極安全に
歩行できるのである。
【0062】図4は、本発明の第2実施例を示し、パネ
ル状の多孔質基材1からなる内装建材13を示してお
り、その内部構造は図2に示すものと同様である。
【0063】このような形状を有する内装建材13を、
図7に示すように、室内14の壁材として使用すると、
この内装建材13が有する吸着機能により室内14の除
湿を行ってカビノ発生を防止したり、有害な化学物質や
生活臭更に煙草の臭いなどを吸着し、快適な生活空間を
得ることができる。
【0064】図5においてその(a)図は本発明の第3
実施例を示し、筒形状の多孔質基材1からなる水質浄化
材15を示しており、同(b)図は枠形状の多孔質基板
1からなる水質浄化材16を示しており、これらの内部
構造は図2に示すものと同様である。
【0065】このような形状を有する水質浄化材15、
16を、図6に示すように、河川20の中に沈めておけ
ば、河川20の水に含まれている汚れの成分となる微粒
子や富栄養化の原因となる窒素成分やリン酸成分などを
吸着させて水の浄化を図ることができる結果、河川20
の水質保全に役立つのである。
【0066】又、本発明の多孔質基板は、極めて高い多
孔質構造により前述した各種諸機能を有するが、このよ
うな機能は多孔質基材を細かく粉砕した材料も同様であ
り、特に、これを土壌用基材として用いると、軽量で、
しかも保肥力、保水性更に通気性に優れ、植物の成長、
育成に好適な環境が得られる土壌用基材、特に、軽量
で、屋上緑化用の土壌用基材として極めて好適に用いる
ことができる上、植物栽培用の壁材や屋根更に水辺の緑
化基材等の環境資材として好適に用いることができるの
である。
【0067】
【発明の効果】本発明に係るセラミック製の多孔質基材
においては、前記構成を有し、窯業原料に少なくとも炭
及び/又は有機物材料を混合し、これを所定形状に成形
した窯業品成形体を加熱、昇温して行く段階での水分の
蒸散により形成される多孔質構造に加えて、炭及び/又
は有機物材料の焼成、燃焼により発生した炭素酸化物
(二酸化炭素及び/又は一酸化炭素)や水蒸気などの発
泡性ガスによって、連続気孔及び/又は独立気孔からな
る無数の気孔を形成して極めて気孔率が高いなどの効果
を奏するのである。
【0068】その結果、本発明に係るセラミック製の多
孔質基材においては、製品強度に大きな悪影響を与えな
い限度において、従来よりも軽量で、しかも通気性、吸
水性、断熱性、吸着性、防音などの各機能を飛躍的に高
めることができる結果、高い強度と耐久性に富み、内装
材、外装材、床材又は外装建材或いはその他の建材、植
生基材、吸着材、並びに舗装材等の土木・建設分野又は
水質・空気浄化材などに適した環境資材等が得られるな
どの効果を奏するのである。
【0069】また、本発明に係るセラミック製の多孔質
基材においては、本発明のセラミック製の多孔質基材
を、従来の製造設備を利用して、所望の気孔率の製品を
安価に且つ容易に製造し得るなどの効果を奏するのであ
る。
【0070】更に、本発明に係る土壌用基材において
は、本発明の多孔質基材を粉砕することによって得られ
たものであり、この土壌用基材は軽量で、且つ保肥性に
優れ、しかも通気性、吸水性、保水性及び吸着性などに
優れた機能を生かした、植物栽培や植物育成用の土壌用
基材、中でも特に、軽量で、屋上緑化、植物栽培に適し
た壁材や屋根更に水辺の緑化基材等の環境資材として好
適に用いられるなどの効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るセラミック製の多孔質基
材の第1実施例である煉瓦を示す斜視図である。
【図2】図2は、同じくその縦拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明に係るセラミック製の多孔質基
材の製造工程を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明に係るセラミック製の多孔質基
材の第2実施例である内装建材を示す斜視図である。
【図5】図5においてその(a)図は、本発明に係るセ
ラミック製の多孔質基材の第4実施例である筒形状の水
浄化材を示す斜視図である。図5においてその(b)図
は、同じく枠形状の水質浄化材を示す斜視図である。
【図6】図6は、同じくその河川への使用例を示す斜視
図である。
【図7】図7は、図4の使用例を示す要部斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 セラミック製の多孔質基材 1a 本体 2 煉瓦 3a 連続気孔 3b 独立気孔 4 炭の一部(或いは炭の完全ガス化跡) 5 炭化物の一部(或いは炭化物の完全ガス化
跡) 13 内装建材 15 水質浄化材 16 水質浄化材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/86 C04B 41/86 R Fターム(参考) 2B022 AA05 BA02 BA11 BB01 4G066 AA42B AA63A AA64A AA66A AA70A AA73A AA78A AC07A BA01 BA22 DA03 DA08 FA17 FA22 FA25 FA34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業原料に少なくとも炭及び/又は有機
    物材料を混合し、所定形状に成形してなる窯業品成形体
    には、加熱、焼成して、前記の炭及び/又は有機物材料
    の焼成、燃焼により発生した炭素酸化物(二酸化炭素及
    び/又は一酸化炭素)や水蒸気などの発泡性ガスによっ
    て連続気孔及び/又は独立気孔が多数形成されているこ
    とを特徴とするセラミック製の多孔質基材。
  2. 【請求項2】 有機物材料が、籾殻、藁屑、木屑、茶
    屑、コーヒーの抽出残滓、木粉、竹粉、葉屑或いは椰子
    殻やその破砕片、椰子殻ダスト、椰子殻の粉体、椰子殻
    の繊維や短繊維から選ばれた少なくとも1種の植物系の
    有機物である請求項1に記載のセラミック製の多孔質基
    材。
  3. 【請求項3】 炭の一部又は有機物材料の炭化物の一部
    から選ばれた少なくとも1種が残存、分散させてなる請
    求項1又は2に記載のセラミック製の多孔質基材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のセラミック製の多孔質基材が無機質吸着材、金属繊
    維、金属製網体又はパンチングメタルから選ばれた少な
    くとも1種を含有してなるセラミック製の多孔質基材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のセラミック製の多孔質基材が気孔率が異なる複数の多
    孔質基材層からなるセラミック製の多孔質基材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のセラミック製の多孔質基材の片面には釉薬層が形成さ
    れて通気・通水性が制御されているセラミック製の多孔
    質基材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    のセラミック製の多孔質基材が、内装材、外装材、壁
    材、床材或いはその他の建材、植生基材、吸着材又は水
    質・空気浄化材などに適した環境資材であるセラミック
    製の多孔質基材。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    のセラミック製の多孔質基材が、水質・空気浄化材など
    に適した板状、ハニカム状、格子状、筒状又は枠形状に
    形成されているセラミック製の多孔質基材。
  9. 【請求項9】 窯業原料に少なくとも炭及び/又は有機
    物材料を加え、混練して粘体状に形成し、次いで、この
    粘体を所定形状の窯業品成形体に形成し、この窯業品成
    形体を炉内で徐々に昇温して600〜1300℃で焼成
    して、この焼成中に前記の炭及び/又は有機物材料を燃
    焼させて炭化させるとともに、この炭及び/又は炭化物
    と、空気中の酸素や窯業原料中に含まれている酸素とを
    反応させて炭素酸化物(二酸化炭素及び/又は一酸化炭
    素)や水蒸気などの発泡性ガスを発生させて連続気孔及
    び/又は独立気孔が多数形成されていることを特徴とす
    るセラミック製の多孔質基材の製造方法。
  10. 【請求項10】 有機物材料が、籾殻、藁屑、木屑、茶
    屑、コーヒーの抽出残滓、木粉、竹粉、葉屑或いは椰子
    殻やその破砕片、椰子殻ダスト、椰子殻の粉体、椰子殻
    の繊維や短繊維から選ばれた少なくとも1種の植物系の
    有機物である請求項9に記載のセラミック製の多孔質基
    材の製造方法。
  11. 【請求項11】 無機質吸着材、金属繊維、金属製網体
    又はパンチングメタルから選ばれた少なくとも1種が更
    に配合されている請求項9又は10に記載のセラミック
    製の多孔質基材の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載のセラミック製の多孔質基材を粉砕して得られた土
    壌用基材。
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