JP2004010305A - エレベータの改修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板の設計の自由度を向上させることができるエレベータの改修方法の提供。
【解決手段】第1工事S1において、工程s1では既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、工程s2では既設の乗りかご1の旧式の操作盤を新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤8に取り替え、工程s3では工程s1で新設された新式のエレベータ制御装置と、工程s2で取り付けられた新式の操作盤8とを接続して新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤8により既設の乗りかごを使用できるようにし、工事中断期間s4中にエレベータの運行を行なう。そして、第2工事において、工程s5では新式の操作盤8を既設の乗りかご1から取り外し、既設の乗りかご1を新式の乗りかごに取り替え、この新式の乗りかごに新式の操作盤8を取り付けるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】第1工事S1において、工程s1では既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、工程s2では既設の乗りかご1の旧式の操作盤を新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤8に取り替え、工程s3では工程s1で新設された新式のエレベータ制御装置と、工程s2で取り付けられた新式の操作盤8とを接続して新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤8により既設の乗りかごを使用できるようにし、工事中断期間s4中にエレベータの運行を行なう。そして、第2工事において、工程s5では新式の操作盤8を既設の乗りかご1から取り外し、既設の乗りかご1を新式の乗りかごに取り替え、この新式の乗りかごに新式の操作盤8を取り付けるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える工事とを時期をずらして実施するエレベータの改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エレベータでは、エレベータの性能の発達や意匠の流行の変化に合わせて、エレベータを制御する既設のエレベータ制御装置を性能の高い新式のエレベータ装置に取り替え、また、既設の乗りかごを流行している意匠の新式の乗りかごに取り替える改修工事が行なわれる。
【0003】
この種の改修工事では、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事とを時期をずらして実施することにより、第1工事と第2工事との間に改修工事の中断期間を設けて、この中断期間中にエレベータを運行する分割工法が採用されることがある。この分割工法を採用した改修工事では、第2工事の準備期間中にエレベータが運行できるので、改修工事期間中にエレベータが運行できない期間を短くすることができる。
【0004】
また、この種の改修工事では、例えば既設のエレベータ制御装置がリレーなどの電磁接触器を利用してエレベータを制御する旧式のエレベータ制御装置である場合、この旧式のエレベータ制御装置が、マイクロコンピュータを利用してエレベータを制御する新式のエレベータ制御装置に取り替えられる。この場合には、旧式である既設のエレベータ制御装置に対応した旧式の操作盤も、新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤に取り替えられる。
【0005】
以下に、この種のエレベ−タの改修工事に適用されるエレベータの改修方法の従来技術を、次の第1の従来技術と第2の従来技術を例に説明する。なお、第2の従来技術は、特開平5−105353号公報に記載の技術である。
【0006】
はじめに、第1の従来技術について説明する。
【0007】
第1の従来技術では、エレベータの改修工事を行なう際、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事が先に行われ、その後に既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事が行なわれる。
【0008】
第1工事が終了した段階では、エレベータ制御装置が旧式から新式に取り替えられているが、既設の乗りかごには、既に取り外されている旧式のエレベータ制御装置に対応する旧式の操作盤が設けられたままである。したがって、第1工事が終了してから第2工事が開始されるまでの改修工事の中断期間は、旧式の操作盤と新式のエレベータ制御装置とによって、エレベータの運行を行なう。
【0009】
そして、第2工事の準備が完了し工事に必要な期間が確保されると、第2工事が行なわれ、既設の乗りかごが新式の乗りかごに取り替えられる。この新式の乗りかごには、新式の操作盤が搭載され、この新式の操作盤と第1工事で新設された新式のエレベータ制御装置とが配線で接続されて、エレベータ制御装置および乗りかごの改修工事が完了する。
【0010】
しかし、このように実施される第1の従来技術では、旧式の操作盤と新式のエレベータ制御装置との間で信号の通信方法が適合していないことがあるため、第1工事および第2工事を実施している期間だけでなく、第1工事が終了してから第2工事が開始されるまでの改修工事の中断期間中もエレベータを運行できないという問題が発生することがある。
【0011】
次に、第2の従来技術について説明する。
【0012】
第2の従来技術では、エレベータの改修工事を行なう際、上述の第1の従来技術とは逆に、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事が先に行われ、その後に既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事が行なわれる。
【0013】
この第2の従来技術では、先に行なわれる第2工事において、既設の乗りかごが新式の乗りかごに取り替えられるとともに、新式の乗りかごに新式の操作盤を取り付ける代わりに、旧式である既設のエレベータ制御装置に対応した仮の操作盤が一時的に取り付けられる。
【0014】
そして、第1工事の準備が完了し工事に必要な期間が確保されると、第1工事が行なわれ、既設のエレベータ制御装置が新式のエレベータ制御装置に取り替えられる。また、この第1工事では、仮の操作盤が取り外され、第2工事で新設された新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤が、新設された乗りかごに取り付けられる。そして、新式の操作盤と新式のエレベータ制御装置とが配線で接続される。これにより、乗りかごおよびエレベータ制御装置の改修工事が完了する。
【0015】
このように実施される第2の従来技術では、第2工事が終了してから第1工事が行なわれるまでの改修工事の中断期間中に、既設のエレベータ制御装置と仮の操作盤とによってエレベータを運行するので、エレベータ制御装置と操作盤との間で通信方法が適合しないという事態が生じることがない。すなわち、第2の従来技術では、改修工事の中断期間中にエレベータを運行できないことがあるという第1の従来技術の問題が解消できる。
【0016】
ここで、第2の従来技術の第1工事により、仮の操作盤が新設の乗りかごにどのように取り付けられるのかを図5,6を用いて、次の(1),(2)で説明する。
【0017】
図5は、第2の従来技術の第2工事により、新設の乗りかごのドアの側方に仮の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図、図6は、図5のC−C断面図である。
【0018】
(1)仮の操作盤13が取り付けられた新設の乗りかご10の構成を説明する。
【0019】
図5において、符号10は新設の乗りかご、符号20は出入口のドア、符号13は仮の操作盤、符号14は仮の操作盤13をドア20の右側方(ドア20側を正面とする)の側板12に取り付けるための仮の部分側板である。
【0020】
上記側板12は、仮の部分側板14が嵌め込まれる縦長の開口部12aと、この開口部12aの縁部に設けられ仮の部分側板14を固定するための立上り部12c,12dとを有している。
【0021】
上記仮の部分側板14は、中央に設けられる縦長の開口部14aと、部分側板14の裏面14fで開口部14aの両側部のそれぞれに設けられる立上り部14c,14dと、裏面14fで両側縁部のそれぞれに設けられる立上り部14b,14eとを有している。これらの立上り部14b,14eのそれぞは、上述の側板12の立上り部12c,12dのそれぞれにボルト15,16によって締結されている。
【0022】
上記仮の操作盤13のケース13aは、開口部14aに嵌め込まれた状態で、仮の部分側板14の立上り部14c,14dにボルト17,18によって締結されている。
【0023】
(2)仮の操作盤13を新設の乗りかご10に取り付ける手順を説明する。
【0024】
はじめに、新設の乗りかご10の側板12の開口部12aに仮の部分側板14を嵌め込み、側板12の立上り部12c,12dと部分側板14の立上り部14b,14eとをボルト15,16で締結する。この作業は、側板12の裏側31、すなわち、新設の乗りかご10と昇降路の壁(図示せず)との間の狭い空間で行なわれる。
【0025】
次に、部分側板14の開口部14aに、仮の操作盤13のケース13aを挿入し、このケース13aを部分側板14の立上り部14c,14dにボルト17,18により締結し、このケース13aに仮の操作盤13を取り付ける。これにより、新設の乗りかご10に対する仮操作盤13の取付けが完了する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の第2の従来技術では、改修作業の中断期間中にエレベータを運行できないという第1の従来技術の問題を解消できるものの、新設の乗りかご10の側板12には、仮の操作盤13および新設する新式の操作盤の両方を取付けるので、仮の部分側板14と新設する操作盤に対応する部分側板との両方の取付けを考慮した開口部12aを設ける必要があり、したがって、側板12の設計の自由度が制限され、これにより、乗りかご内の意匠の自由度が制限されるという問題があった。
【0027】
本発明は、上述の現状を考慮してなされたもので、その目的は、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板の設計の自由度を向上させることができるエレベータの改修方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事とを時期をずらして実施するエレベータの改修方法において、前記第1工事を前記第2工事よりも先に行なうとともに、前記第1工事では、前記新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、前記既設の乗りかごの側板に取付部材を介して取り付け、前記第2工事では、前記新式の操作盤を既設の乗りかごから取り外し、新設した前記新式の乗りかごに取り付けることを特徴としている。
【0029】
このように構成した請求項1に係る発明では、第1工事により、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、取付部材を介して既設の乗りかごの側板に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかごを使用できるようにするので、第1工事と第2工事との間の改修工事の中断期間中は、新式のエレベータ制御装置と新式の操作盤によって既設の乗りかごを運行できる。これにより、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板は、新式の操作盤にのみ対応するように設計すればよいので、設計の自由度を向上させることができる。
【0030】
また、この請求項1に係る発明では、新設する乗りかごの側板が、新設する操作盤にのみ対応するものであればよいので、前述の第2従来技術よりも新設する乗りかごの部品点数を減少させることができる。
【0031】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記取付部材が、前記側板の表面に取り付けられることを特徴としている。
【0032】
このように構成した請求項2に係る発明では、取付部材を既設の乗りかごの側板の表面に取り付けるので、新設する操作盤の、既設の乗りかごに対する取付作業を、乗りかご内で行なうことができる。
【0033】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記取付部材が、前記側板の横幅方向に並んで位置する複数の板部材からなることを特徴としている。
【0034】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記複数の板部材の横幅寸法を合計した寸法を、前記既設の乗りかご内に露出する前記側板部分の横幅寸法よりも短く設定したことを特徴としている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエレベータの改修方法の一実施形態を図を用いて説明する。
【0036】
はじめに、本実施形態の作業手順を説明する。
【0037】
図1は、本実施形態を適用したエレベータの改修工事の作業手順を示すフローチャートである。
【0038】
本実施形態は、前述の従来技術と同様に、エレベータの性能の発達や意匠の流行の変化に合わせて、エレベータを制御する既設のエレベータ制御装置を性能の高い新式のエレベータ制御装置に取り替え、また、既設の乗りかごを流行している意匠の新式の乗りかごに取り替える改修工事に適用されるエレベータの改修方法である。
【0039】
また、本実施形態は、図1に示すように、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事S1と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事S2とを時期をずらして実施する分割工法を採用している。
【0040】
上記第1工事S1では、工程s1〜s3を行う。
【0041】
工程s1では、機械室に設置された既設のエレベータ制御装置が、例えばリレーなどの電磁接触器を利用してエレベータを制御する旧式のエレベータ制御装置である場合に、この旧式のエレベータ制御装置を、マイクロコンピュータを利用してエレベータを制御する新式のエレベータ制御装置に取り替える。
【0042】
工程s2では、既設の乗りかごに設けられている操作盤が、既設のエレベータ制御装置に対応した旧式の操作盤なので、この旧式の操作盤を、新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤に取り替える。すなわち、新設する乗りかごに取り付ける新式の制御盤を、既設の乗りかご1に一時的に取り付ける。
【0043】
工程s3では、工程s1で新設された新式のエレベータ制御装置と、工程s2で既設の乗りかごに取り付けられた新式の操作盤とを配線により接続する。
【0044】
また、上記第2工事では、工程s5を行なう。この工程s5では、新式の操作盤を既設の乗りかごから取り外して、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替えるとともに、新設した乗りかごに、既設の乗りかご1から取り外した新式の操作盤を取り付ける。
【0045】
なお、第1工事S1と第2工事S2との間には、改修工事を中断する中断期間s4を設けてあり、この中断期間s4では、新設された新式のエレベータ制御装置と、既設の乗りかごに取り付けられた新式の操作盤とによって、既設の乗りかごを使用できるようにし、エレベータの運行を行なう。この改修工事の中断期間中は、第2工事S2の準備が行なわれる。すなわち、第2工事の準備期間中にエレベータを運行させることにより、改修工事期間中のエレベータが運行できない期間を短くしている。
【0046】
次に、上述の第1工事S1の工程s2により、新設された新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、既設の乗りかごにどのように取り付けるのかを、図2〜4を用いて次の(1),(2)で説明する。
【0047】
図2は、図1に示す第1工事の工程s2により、既設の乗りかごのドアの側方に新式の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図、図3は、図2のA−A断面図、図4は、図2のB−B断面図である。
【0048】
(1)新式の操作盤が取り付けられた既設の乗りかごの構成について説明する。
【0049】
図2において、符号1は既設の乗りかご、符号9は出入口のドア、符号2は出入口の縦枠、符号8は新設される新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤、符号5,6は新式の操作盤8をドア9の右側方(ドア9側を正面とする)の側板3(図3,4参照)に取り付けるための取付部材、符号4は乗りかご1の右側の側壁を構成する側板である。
【0050】
上記取付部材5,6は、図2〜4に示すように、板部材からなり、互いに左右対象に形成してある。また、これら取付部材5,6のそれぞれは、図4に示すように、新式の操作盤8のケース8aを嵌め込むための開口部を形成する切欠き部5c,6cのそれぞれを有している。また、これら取付部材5,6のそれぞれは、切欠き部5c,6cの側縁部に、新式の操作板8のケース8aをボルト10,11で締結するための立上り部5b,6bを有している。
【0051】
また、これら取付部材5,6は、取付部材5の一方の縁5aが縦枠2に当接し、取付部材6の他方の縁6aが側板4に当接するように、縦枠2と側板4との間に配置し、乗りかご1のドア9の側方に位置する側板3の表面3bに接着やリベット等により固着してある。
【0052】
また、これら取付部材5,6の長手寸法は、既設の乗りかご1の側板3の、既設の乗りかご1内に露出する部分と同寸法に設定してある。
【0053】
また、これらの取付部材5,6の短手寸法すなわち横幅寸法は、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法が、乗りかご1内に露出する側板3の設計時の横幅寸法、すなわち縦枠2と側板4との間隔寸法によりも若干短くなるように設定してある。これにより、縦枠2と側板4の実際の間隔寸法W1が、既設の乗りかご1の据付誤差により設計時の寸法よりも小さくなっている場合でも、取付部材5,6を配置できるようにしてある。通常は、図3に示すように、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法が、縦枠2と側板4の間隔寸法W1よりも小さいので、取付部材5,6間に隙間W2が形成される。この隙間W2は、パテ7で埋めてある。
【0054】
また、これらの取付部材5,6および隙間W2は、乗りかご1内に露出する部分を化粧シート(図示せず)で覆ってある。
【0055】
(2)新式の操作盤8を既設の乗りかご1に取り付ける手順を説明する。
【0056】
はじめに、既設の乗りかご1の側板3に、取付部材5,6の立上り部5b,6bおよび新式の操作盤8のケース8aを挿入可能な開口部3aを設ける。
【0057】
次に、取付部材5,6を、縦枠2と側板4の間に配置するとともに、側板3の表面3bに密着させて固着する。そして、取付部材5,6間に形成された隙間W2をパテ7で埋める。
【0058】
次に、取付部材5,6の切欠き部5c,6cにより形成された開口部に、新式の操作盤8のケース8aを挿入し、このケース8aを取付部材5,6の立上り部5b,6bにボルト10,11により締結する。
【0059】
次に、乗りかご1内に露出する取付部材5,6部分および隙間W2を覆うように、化粧シートを貼り付ける。
【0060】
最後に、新式の操作盤8のケース8aに、新式の操作盤8を取り付け、これにより、既設の乗りかご1に対する新式の操作盤8の取付けが完了する。
【0061】
本実施形態では、次の効果が得られる。
【0062】
本実施形態では、新設した新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤8を既設の乗りかご1に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかご1を使用できるようにするので、第1工事S1と第2工事S2との間の改修作業の中断期間s4中に確実にエレベータを運行することができる。
【0063】
また、本実施形態では、新設する操作盤8を、既設の乗りかご1の側板3に取付部材5,6を介して取り付けるので、新設する乗りかごの、新式の操作盤8が取り付けられる側板は、新設する操作盤8にのみ対応するように設計すればよい。したがって、新設する乗りかごの、新式の操作盤8が取り付けられる側板の設計の自由度を向上させることができ、これにより、新設する乗りかご内の意匠の自由度を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、新設する乗りかごの側板は、新設する操作盤8にのみ対応するものであればよいので、前述の第2従来技術のように側板に操作盤を取り付けるための部分側板を必要としない。したがって、新設する乗りかごの部品点数を減少させることだでき、したがって、新設する乗りかごの製作費用を削減することができる。
【0065】
また、本実施形態では、新設する操作盤8の、既設の乗りかご1に対する取付作業および取外し作業を、側板3の表側30で行なうことができる、すなわち、乗りかご1内で行なうことができるので、作業しやすい。また、昇降路に面した位置で作業を行なわずに済むので、作業者の安全も確保することができる。
【0066】
また、本実施形態では、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法を、設計時の縦枠2と側板4との間隔寸法によりも若干短くなるように設定するとともに、取付部材5,6を縦枠2と側板4との間に配置する際、取付部材5を一方の縁5aが縦枠2に当接するように配置し、取付部材6を他方の縁6aが側板4に当接するように配置したので、操作盤8を側板3の幅方向における中央に確実に配置することができる。これにより、新設する操作盤8を既設の乗りかご1の側板3にバランスよく配置でき、したがって、第1工事S1と第2工事S2の間の中断期間s4中の既設の乗りかご1内の美観を維持できる。
【0067】
また、本実施形態では、取付部材5,6間に形成された隙間W2をパテ7で埋め、取付部材5,6および隙間W2を化粧シートで覆ったので、この点においても中断期間s4中の既設の乗りかご1内の美観を維持できる。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の各請求項に係る発明では、第1工事により、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、取付部材を介して既設の乗りかごの側板に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかごを使用できるようにするので、第1工事と第2工事との間の改修工事の中断期間中は、新式のエレベータ制御装置と新式の操作盤によって既設の乗りかごを運行できる。これにより、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板は、新式の操作盤にのみ対応するように設計すればよいので、設計の自由度を向上させることができる。したがって、新設する乗りかご内の意匠の自由度を向上させることができる。
【0069】
また、本発明の各請求項に係る発明では、新設する乗りかごの側板は、新設する操作盤にのみ対応するものであればよいので、前術の第2の従来技術よりも新設する乗りかごの部品点数を減少させることができ、したがって、新設する乗りかごの製作費用を削減することができる。
【0070】
また、特に請求項2に係る発明では、取付部材を既設の乗りかごの側板の表面に取り付けることにより、既設の乗りかごに対する新設する操作盤の取付作業および取外し作業を、乗りかご内で行なうことができるので、作業しやすい。また、昇降路に面した位置で作業を行なわずに済むので、作業者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のエレベータの改修方法の一実施形態を適用したエレベータの改修工事の作業手順を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す第1工事の工程s2により、既設の乗りかごのドアの側方に新式の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】第2の従来技術において、新設の乗りかごのドアの側方に仮の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 既設の乗りかご
2 縦枠
3 側板
4 側板
5,6 取付部材
7 パテ
8 新式の操作盤
30 表側
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える工事とを時期をずらして実施するエレベータの改修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エレベータでは、エレベータの性能の発達や意匠の流行の変化に合わせて、エレベータを制御する既設のエレベータ制御装置を性能の高い新式のエレベータ装置に取り替え、また、既設の乗りかごを流行している意匠の新式の乗りかごに取り替える改修工事が行なわれる。
【0003】
この種の改修工事では、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事とを時期をずらして実施することにより、第1工事と第2工事との間に改修工事の中断期間を設けて、この中断期間中にエレベータを運行する分割工法が採用されることがある。この分割工法を採用した改修工事では、第2工事の準備期間中にエレベータが運行できるので、改修工事期間中にエレベータが運行できない期間を短くすることができる。
【0004】
また、この種の改修工事では、例えば既設のエレベータ制御装置がリレーなどの電磁接触器を利用してエレベータを制御する旧式のエレベータ制御装置である場合、この旧式のエレベータ制御装置が、マイクロコンピュータを利用してエレベータを制御する新式のエレベータ制御装置に取り替えられる。この場合には、旧式である既設のエレベータ制御装置に対応した旧式の操作盤も、新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤に取り替えられる。
【0005】
以下に、この種のエレベ−タの改修工事に適用されるエレベータの改修方法の従来技術を、次の第1の従来技術と第2の従来技術を例に説明する。なお、第2の従来技術は、特開平5−105353号公報に記載の技術である。
【0006】
はじめに、第1の従来技術について説明する。
【0007】
第1の従来技術では、エレベータの改修工事を行なう際、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事が先に行われ、その後に既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事が行なわれる。
【0008】
第1工事が終了した段階では、エレベータ制御装置が旧式から新式に取り替えられているが、既設の乗りかごには、既に取り外されている旧式のエレベータ制御装置に対応する旧式の操作盤が設けられたままである。したがって、第1工事が終了してから第2工事が開始されるまでの改修工事の中断期間は、旧式の操作盤と新式のエレベータ制御装置とによって、エレベータの運行を行なう。
【0009】
そして、第2工事の準備が完了し工事に必要な期間が確保されると、第2工事が行なわれ、既設の乗りかごが新式の乗りかごに取り替えられる。この新式の乗りかごには、新式の操作盤が搭載され、この新式の操作盤と第1工事で新設された新式のエレベータ制御装置とが配線で接続されて、エレベータ制御装置および乗りかごの改修工事が完了する。
【0010】
しかし、このように実施される第1の従来技術では、旧式の操作盤と新式のエレベータ制御装置との間で信号の通信方法が適合していないことがあるため、第1工事および第2工事を実施している期間だけでなく、第1工事が終了してから第2工事が開始されるまでの改修工事の中断期間中もエレベータを運行できないという問題が発生することがある。
【0011】
次に、第2の従来技術について説明する。
【0012】
第2の従来技術では、エレベータの改修工事を行なう際、上述の第1の従来技術とは逆に、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事が先に行われ、その後に既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事が行なわれる。
【0013】
この第2の従来技術では、先に行なわれる第2工事において、既設の乗りかごが新式の乗りかごに取り替えられるとともに、新式の乗りかごに新式の操作盤を取り付ける代わりに、旧式である既設のエレベータ制御装置に対応した仮の操作盤が一時的に取り付けられる。
【0014】
そして、第1工事の準備が完了し工事に必要な期間が確保されると、第1工事が行なわれ、既設のエレベータ制御装置が新式のエレベータ制御装置に取り替えられる。また、この第1工事では、仮の操作盤が取り外され、第2工事で新設された新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤が、新設された乗りかごに取り付けられる。そして、新式の操作盤と新式のエレベータ制御装置とが配線で接続される。これにより、乗りかごおよびエレベータ制御装置の改修工事が完了する。
【0015】
このように実施される第2の従来技術では、第2工事が終了してから第1工事が行なわれるまでの改修工事の中断期間中に、既設のエレベータ制御装置と仮の操作盤とによってエレベータを運行するので、エレベータ制御装置と操作盤との間で通信方法が適合しないという事態が生じることがない。すなわち、第2の従来技術では、改修工事の中断期間中にエレベータを運行できないことがあるという第1の従来技術の問題が解消できる。
【0016】
ここで、第2の従来技術の第1工事により、仮の操作盤が新設の乗りかごにどのように取り付けられるのかを図5,6を用いて、次の(1),(2)で説明する。
【0017】
図5は、第2の従来技術の第2工事により、新設の乗りかごのドアの側方に仮の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図、図6は、図5のC−C断面図である。
【0018】
(1)仮の操作盤13が取り付けられた新設の乗りかご10の構成を説明する。
【0019】
図5において、符号10は新設の乗りかご、符号20は出入口のドア、符号13は仮の操作盤、符号14は仮の操作盤13をドア20の右側方(ドア20側を正面とする)の側板12に取り付けるための仮の部分側板である。
【0020】
上記側板12は、仮の部分側板14が嵌め込まれる縦長の開口部12aと、この開口部12aの縁部に設けられ仮の部分側板14を固定するための立上り部12c,12dとを有している。
【0021】
上記仮の部分側板14は、中央に設けられる縦長の開口部14aと、部分側板14の裏面14fで開口部14aの両側部のそれぞれに設けられる立上り部14c,14dと、裏面14fで両側縁部のそれぞれに設けられる立上り部14b,14eとを有している。これらの立上り部14b,14eのそれぞは、上述の側板12の立上り部12c,12dのそれぞれにボルト15,16によって締結されている。
【0022】
上記仮の操作盤13のケース13aは、開口部14aに嵌め込まれた状態で、仮の部分側板14の立上り部14c,14dにボルト17,18によって締結されている。
【0023】
(2)仮の操作盤13を新設の乗りかご10に取り付ける手順を説明する。
【0024】
はじめに、新設の乗りかご10の側板12の開口部12aに仮の部分側板14を嵌め込み、側板12の立上り部12c,12dと部分側板14の立上り部14b,14eとをボルト15,16で締結する。この作業は、側板12の裏側31、すなわち、新設の乗りかご10と昇降路の壁(図示せず)との間の狭い空間で行なわれる。
【0025】
次に、部分側板14の開口部14aに、仮の操作盤13のケース13aを挿入し、このケース13aを部分側板14の立上り部14c,14dにボルト17,18により締結し、このケース13aに仮の操作盤13を取り付ける。これにより、新設の乗りかご10に対する仮操作盤13の取付けが完了する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の第2の従来技術では、改修作業の中断期間中にエレベータを運行できないという第1の従来技術の問題を解消できるものの、新設の乗りかご10の側板12には、仮の操作盤13および新設する新式の操作盤の両方を取付けるので、仮の部分側板14と新設する操作盤に対応する部分側板との両方の取付けを考慮した開口部12aを設ける必要があり、したがって、側板12の設計の自由度が制限され、これにより、乗りかご内の意匠の自由度が制限されるという問題があった。
【0027】
本発明は、上述の現状を考慮してなされたもので、その目的は、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板の設計の自由度を向上させることができるエレベータの改修方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事とを時期をずらして実施するエレベータの改修方法において、前記第1工事を前記第2工事よりも先に行なうとともに、前記第1工事では、前記新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、前記既設の乗りかごの側板に取付部材を介して取り付け、前記第2工事では、前記新式の操作盤を既設の乗りかごから取り外し、新設した前記新式の乗りかごに取り付けることを特徴としている。
【0029】
このように構成した請求項1に係る発明では、第1工事により、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、取付部材を介して既設の乗りかごの側板に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかごを使用できるようにするので、第1工事と第2工事との間の改修工事の中断期間中は、新式のエレベータ制御装置と新式の操作盤によって既設の乗りかごを運行できる。これにより、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板は、新式の操作盤にのみ対応するように設計すればよいので、設計の自由度を向上させることができる。
【0030】
また、この請求項1に係る発明では、新設する乗りかごの側板が、新設する操作盤にのみ対応するものであればよいので、前述の第2従来技術よりも新設する乗りかごの部品点数を減少させることができる。
【0031】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記取付部材が、前記側板の表面に取り付けられることを特徴としている。
【0032】
このように構成した請求項2に係る発明では、取付部材を既設の乗りかごの側板の表面に取り付けるので、新設する操作盤の、既設の乗りかごに対する取付作業を、乗りかご内で行なうことができる。
【0033】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記取付部材が、前記側板の横幅方向に並んで位置する複数の板部材からなることを特徴としている。
【0034】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記複数の板部材の横幅寸法を合計した寸法を、前記既設の乗りかご内に露出する前記側板部分の横幅寸法よりも短く設定したことを特徴としている。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のエレベータの改修方法の一実施形態を図を用いて説明する。
【0036】
はじめに、本実施形態の作業手順を説明する。
【0037】
図1は、本実施形態を適用したエレベータの改修工事の作業手順を示すフローチャートである。
【0038】
本実施形態は、前述の従来技術と同様に、エレベータの性能の発達や意匠の流行の変化に合わせて、エレベータを制御する既設のエレベータ制御装置を性能の高い新式のエレベータ制御装置に取り替え、また、既設の乗りかごを流行している意匠の新式の乗りかごに取り替える改修工事に適用されるエレベータの改修方法である。
【0039】
また、本実施形態は、図1に示すように、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事S1と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事S2とを時期をずらして実施する分割工法を採用している。
【0040】
上記第1工事S1では、工程s1〜s3を行う。
【0041】
工程s1では、機械室に設置された既設のエレベータ制御装置が、例えばリレーなどの電磁接触器を利用してエレベータを制御する旧式のエレベータ制御装置である場合に、この旧式のエレベータ制御装置を、マイクロコンピュータを利用してエレベータを制御する新式のエレベータ制御装置に取り替える。
【0042】
工程s2では、既設の乗りかごに設けられている操作盤が、既設のエレベータ制御装置に対応した旧式の操作盤なので、この旧式の操作盤を、新式のエレベータ制御装置に対応した新式の操作盤に取り替える。すなわち、新設する乗りかごに取り付ける新式の制御盤を、既設の乗りかご1に一時的に取り付ける。
【0043】
工程s3では、工程s1で新設された新式のエレベータ制御装置と、工程s2で既設の乗りかごに取り付けられた新式の操作盤とを配線により接続する。
【0044】
また、上記第2工事では、工程s5を行なう。この工程s5では、新式の操作盤を既設の乗りかごから取り外して、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替えるとともに、新設した乗りかごに、既設の乗りかご1から取り外した新式の操作盤を取り付ける。
【0045】
なお、第1工事S1と第2工事S2との間には、改修工事を中断する中断期間s4を設けてあり、この中断期間s4では、新設された新式のエレベータ制御装置と、既設の乗りかごに取り付けられた新式の操作盤とによって、既設の乗りかごを使用できるようにし、エレベータの運行を行なう。この改修工事の中断期間中は、第2工事S2の準備が行なわれる。すなわち、第2工事の準備期間中にエレベータを運行させることにより、改修工事期間中のエレベータが運行できない期間を短くしている。
【0046】
次に、上述の第1工事S1の工程s2により、新設された新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、既設の乗りかごにどのように取り付けるのかを、図2〜4を用いて次の(1),(2)で説明する。
【0047】
図2は、図1に示す第1工事の工程s2により、既設の乗りかごのドアの側方に新式の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図、図3は、図2のA−A断面図、図4は、図2のB−B断面図である。
【0048】
(1)新式の操作盤が取り付けられた既設の乗りかごの構成について説明する。
【0049】
図2において、符号1は既設の乗りかご、符号9は出入口のドア、符号2は出入口の縦枠、符号8は新設される新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤、符号5,6は新式の操作盤8をドア9の右側方(ドア9側を正面とする)の側板3(図3,4参照)に取り付けるための取付部材、符号4は乗りかご1の右側の側壁を構成する側板である。
【0050】
上記取付部材5,6は、図2〜4に示すように、板部材からなり、互いに左右対象に形成してある。また、これら取付部材5,6のそれぞれは、図4に示すように、新式の操作盤8のケース8aを嵌め込むための開口部を形成する切欠き部5c,6cのそれぞれを有している。また、これら取付部材5,6のそれぞれは、切欠き部5c,6cの側縁部に、新式の操作板8のケース8aをボルト10,11で締結するための立上り部5b,6bを有している。
【0051】
また、これら取付部材5,6は、取付部材5の一方の縁5aが縦枠2に当接し、取付部材6の他方の縁6aが側板4に当接するように、縦枠2と側板4との間に配置し、乗りかご1のドア9の側方に位置する側板3の表面3bに接着やリベット等により固着してある。
【0052】
また、これら取付部材5,6の長手寸法は、既設の乗りかご1の側板3の、既設の乗りかご1内に露出する部分と同寸法に設定してある。
【0053】
また、これらの取付部材5,6の短手寸法すなわち横幅寸法は、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法が、乗りかご1内に露出する側板3の設計時の横幅寸法、すなわち縦枠2と側板4との間隔寸法によりも若干短くなるように設定してある。これにより、縦枠2と側板4の実際の間隔寸法W1が、既設の乗りかご1の据付誤差により設計時の寸法よりも小さくなっている場合でも、取付部材5,6を配置できるようにしてある。通常は、図3に示すように、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法が、縦枠2と側板4の間隔寸法W1よりも小さいので、取付部材5,6間に隙間W2が形成される。この隙間W2は、パテ7で埋めてある。
【0054】
また、これらの取付部材5,6および隙間W2は、乗りかご1内に露出する部分を化粧シート(図示せず)で覆ってある。
【0055】
(2)新式の操作盤8を既設の乗りかご1に取り付ける手順を説明する。
【0056】
はじめに、既設の乗りかご1の側板3に、取付部材5,6の立上り部5b,6bおよび新式の操作盤8のケース8aを挿入可能な開口部3aを設ける。
【0057】
次に、取付部材5,6を、縦枠2と側板4の間に配置するとともに、側板3の表面3bに密着させて固着する。そして、取付部材5,6間に形成された隙間W2をパテ7で埋める。
【0058】
次に、取付部材5,6の切欠き部5c,6cにより形成された開口部に、新式の操作盤8のケース8aを挿入し、このケース8aを取付部材5,6の立上り部5b,6bにボルト10,11により締結する。
【0059】
次に、乗りかご1内に露出する取付部材5,6部分および隙間W2を覆うように、化粧シートを貼り付ける。
【0060】
最後に、新式の操作盤8のケース8aに、新式の操作盤8を取り付け、これにより、既設の乗りかご1に対する新式の操作盤8の取付けが完了する。
【0061】
本実施形態では、次の効果が得られる。
【0062】
本実施形態では、新設した新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤8を既設の乗りかご1に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかご1を使用できるようにするので、第1工事S1と第2工事S2との間の改修作業の中断期間s4中に確実にエレベータを運行することができる。
【0063】
また、本実施形態では、新設する操作盤8を、既設の乗りかご1の側板3に取付部材5,6を介して取り付けるので、新設する乗りかごの、新式の操作盤8が取り付けられる側板は、新設する操作盤8にのみ対応するように設計すればよい。したがって、新設する乗りかごの、新式の操作盤8が取り付けられる側板の設計の自由度を向上させることができ、これにより、新設する乗りかご内の意匠の自由度を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、新設する乗りかごの側板は、新設する操作盤8にのみ対応するものであればよいので、前述の第2従来技術のように側板に操作盤を取り付けるための部分側板を必要としない。したがって、新設する乗りかごの部品点数を減少させることだでき、したがって、新設する乗りかごの製作費用を削減することができる。
【0065】
また、本実施形態では、新設する操作盤8の、既設の乗りかご1に対する取付作業および取外し作業を、側板3の表側30で行なうことができる、すなわち、乗りかご1内で行なうことができるので、作業しやすい。また、昇降路に面した位置で作業を行なわずに済むので、作業者の安全も確保することができる。
【0066】
また、本実施形態では、取付部材5,6の横幅寸法を合わせた寸法を、設計時の縦枠2と側板4との間隔寸法によりも若干短くなるように設定するとともに、取付部材5,6を縦枠2と側板4との間に配置する際、取付部材5を一方の縁5aが縦枠2に当接するように配置し、取付部材6を他方の縁6aが側板4に当接するように配置したので、操作盤8を側板3の幅方向における中央に確実に配置することができる。これにより、新設する操作盤8を既設の乗りかご1の側板3にバランスよく配置でき、したがって、第1工事S1と第2工事S2の間の中断期間s4中の既設の乗りかご1内の美観を維持できる。
【0067】
また、本実施形態では、取付部材5,6間に形成された隙間W2をパテ7で埋め、取付部材5,6および隙間W2を化粧シートで覆ったので、この点においても中断期間s4中の既設の乗りかご1内の美観を維持できる。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の各請求項に係る発明では、第1工事により、既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替え、新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、取付部材を介して既設の乗りかごの側板に取り付けて、これら新式のエレベータ制御装置および新式の操作盤により既設の乗りかごを使用できるようにするので、第1工事と第2工事との間の改修工事の中断期間中は、新式のエレベータ制御装置と新式の操作盤によって既設の乗りかごを運行できる。これにより、新設する乗りかごの、操作盤が取り付けられる側板は、新式の操作盤にのみ対応するように設計すればよいので、設計の自由度を向上させることができる。したがって、新設する乗りかご内の意匠の自由度を向上させることができる。
【0069】
また、本発明の各請求項に係る発明では、新設する乗りかごの側板は、新設する操作盤にのみ対応するものであればよいので、前術の第2の従来技術よりも新設する乗りかごの部品点数を減少させることができ、したがって、新設する乗りかごの製作費用を削減することができる。
【0070】
また、特に請求項2に係る発明では、取付部材を既設の乗りかごの側板の表面に取り付けることにより、既設の乗りかごに対する新設する操作盤の取付作業および取外し作業を、乗りかご内で行なうことができるので、作業しやすい。また、昇降路に面した位置で作業を行なわずに済むので、作業者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のエレベータの改修方法の一実施形態を適用したエレベータの改修工事の作業手順を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す第1工事の工程s2により、既設の乗りかごのドアの側方に新式の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】第2の従来技術において、新設の乗りかごのドアの側方に仮の操作盤が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 既設の乗りかご
2 縦枠
3 側板
4 側板
5,6 取付部材
7 パテ
8 新式の操作盤
30 表側
Claims (4)
- 既設のエレベータ制御装置を新式のエレベータ制御装置に取り替える第1工事と、既設の乗りかごを新式の乗りかごに取り替える第2工事とを時期をずらして実施するエレベータの改修方法において、
前記第1工事を前記第2工事よりも先に行なうとともに、
前記第1工事では、前記新式のエレベータ制御装置に対応する新式の操作盤を、前記既設の乗りかごの側板に取付部材を介して取り付け、
前記第2工事では、前記新式の操作盤を既設の乗りかごから取り外し、新設した前記新式の乗りかごに取り付けることを特徴とするエレベータの改修方法。 - 前記取付部材が、前記側板の表面に取り付けられることを特徴とする請求項1記載のエレベータの改修方法。
- 前記取付部材が、前記側板の横幅方向に並んで位置する複数の板部材からなることを特徴とする請求項2記載のエレベータの改修方法。
- 前記複数の板部材の横幅寸法を合計した寸法を、前記既設の乗りかご内に露出する前記側板部分の横幅寸法よりも短く設定したことを特徴とする請求項3記載のエレベータの改修方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103043504A (zh) * | 2011-10-13 | 2013-04-17 | 上海三菱电梯有限公司 | 防止电梯印板被随意调换的方法和系统 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168733A patent/JP2004010305A/ja active Pending
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CN103043504A (zh) * | 2011-10-13 | 2013-04-17 | 上海三菱电梯有限公司 | 防止电梯印板被随意调换的方法和系统 |
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