JP2004009385A - 超高速射出成形機の油圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイロット油量が不要となる超高速射出成形機の油圧回路を提供する。
【解決手段】回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール6と、メインスプール6に直結され、電圧が供給されることにより駆動し、メインスプール6を回転駆動させるACサーボモータ10と、から構成されるACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を、制御油を射出シリンダ14に供給可能に油圧回路に設けるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール6と、メインスプール6に直結され、電圧が供給されることにより駆動し、メインスプール6を回転駆動させるACサーボモータ10と、から構成されるACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を、制御油を射出シリンダ14に供給可能に油圧回路に設けるようにした。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速射出成形機の射出側の油圧回路に関するものであり、ノズルフラッパ型油圧パイロット駆動方式の油圧サーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁に変更することにより、パイロット油量が不要となる超高速射出成形機の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超高速射出成形機の油圧回路には、図3〜6に示されるようなノズルフラッパ型油圧サーボ弁(以下、油圧サーボ弁とする)50が設けられている。この油圧サーボ弁50は、入力電流をコイル52に流し、アマチュア54に磁気的極性を与え、入力電流と極性に応じて発生したトルクによってアマチュア54を、例えば図中矢印で示される方向に傾かせ、アマチュア54と一体のフラッパ56をアマチュア54の傾きに連れて変位させて左右のノズルの背圧を変化させる(すなわち、フラッパ56が近づいた方のノズル背圧は上がり、遠ざかった方のノズル背圧は下がる。)。左右のノズル背圧はメインスプール58の両端に導かれており背圧の変化でメインスプール58を変位させ、油の流路を切換え、図4に示すACCボンベ16からの油量を制御して、射出シリンダ14に制御された油を供給して射出速度及び圧力の制御を行うものである。
【0003】
図3に示すメインスプール58を制御するためには、パイロット弁60にパイロット油量を供給する必要があり、射出速度及び圧力の制御の他、可塑化完了後のスクリュの位置保持を行うために、射出工程以外でもパイロット弁60に常にパイロット油量を供給する必要がある。このため、油圧サーボ弁50に供給するパイロット油量は通常10l/minから30l/min必要になる。この油量を、図4に示されるように、ACCボンベ16の回路と油圧サーボ弁50のPボート50aに通じているパイロットライン62から供給すると、ACCボンベ16の畜圧(以後、チャージとする)された圧力がすぐに下がるため、ACCボンベ16のチャージが頻繁に繰返されるなどの問題が発生する。
【0004】
このため、図5及び図6に示されるように、射出工程以外はメインポンプ18の通路からもパイロット油量が供給できるような回路としているが、都度パイロット油量の供給ラインを切換える必要があるので、パイロットライン62に切換弁としてシャトル弁64などを設けている。
【0005】
次に、動作について説明する。
図4に示すように、メインポンプ18にて吐出された油は、電磁切換弁20によりACCボンベ16へのチャージを行う回路と、ポンプ圧を供給する回路とに別れる。ACCボンベ16へのチャージは、ACC圧抜き弁22(通常は、ポンプ運転開始と同時に励磁し、ポンプオフにより非励磁となる)を励磁し、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁するとチェック弁24を通り、あらかじめ設定された16.2MPaのACCチャージ圧まで圧力比例弁25により昇圧される。
【0006】
図5に示されるように、射出工程中(速度・保圧・背圧・サックバック)は、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28及び油圧サーボ弁50を開けることにより射出シリンダ14に油を供給し、速度及び圧力への制御に切換える。このとき、油圧サーボ弁50のメインスプール58を駆動するために油圧サーボ弁50のパイロット弁60に供給される油は油圧サーボ弁50のPポート50a側の油がシャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を通り、油圧サーボ弁50のXポート50bに供給され、メインスプール58を設定された速度、圧力が得られるように制御する。
【0007】
射出工程以外は、スクリュの位置を保持するための位置保持制御となるが、そのときの動作は、図6に示されるように、電磁切換弁20のaソレノイド20aを励磁するとメインポンプ18にて吐出された油が、チェック弁30を通りあらかじめ設定された位置保持圧まで圧力比例弁25により昇圧され、油圧サーボ弁50のPポート50aまで供給される。このとき、設定されたスクリュの位置を保持するように制御するため、油圧サーボ弁50のパイロット弁60に供給される油は、メインポンプ18のパイロットライン66からシャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を通り、油圧サーボ弁50のXポート50bに供給され、メインスプール58を設定された位置に保持するように制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の超高速射出成形機の油圧回路では、パイロット圧を供給するための切換弁として、チェック弁又はシャトル弁64などを使用しなくてはならず、そのためのマニホールドブロックの穴加工、外部からの配管が必要であり、複雑でコストアップとなっている。
また、射出(速度・圧力・背圧・サックバック)工程以外でもスクリュの位置保持制御を行う必要があるために、油圧サーボ弁50に制御可能な3MPaのパイロット圧を常に供給していなければならないため、電力の消費が大きいなどの問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためのものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、ノズルフラッパ型油圧パイロット駆動方式の油圧サーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁に変更することにより、パイロット油量が不要となる超高速射出成形機の油圧回路を提供することを目的とする。
【0010】
本発明のうちで請求項1記載の発明では、油圧により射出シリンダ(14)へ供給する流量及び圧力の制御を行う超高速射出成形機の油圧回路において、
前記油圧回路には、回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール(6)と、メインスプール(6)に直結されており、必要な電圧が供給されることにより、メインスプール(6)を回転駆動させるACサーボモータ(10)と、から構成されるACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)を備え、
ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)は、制御油を射出シリンダ(14)に供給可能に設けられていることを特徴とするものである。
なお、上記かっこ内の符号は、後述する実施の形態の対応する部材を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施した油圧回路を、図2に本発明に使用したACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12の部分断面図をそれぞれ示す。
【0012】
この油圧回路は、射出シリンダ14に制御された油を供給するために、従来技術の油圧サーボ弁50に代えてACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を設け、パイロットライン66、シャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を削除した以外は、従来技術のものと同様の構成を有しており、従来技術で説明したものと同じ部材に関しては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0013】
図1、2に示されるように、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール6と、メインスプール6と直結し、電圧が供給されることによりメインスプール6を回転駆動させるACサーボモータ10と、から構成されている。
【0014】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
メインポンプ18にて吐出された油は、電磁切換弁20によりACCボンベ16へのチャージを行う回路と、ポンプ圧を射出シリンダ14へ供給する回路とに分かれる。ACCボンベ16へのチャージは、ACC圧抜き弁22を励磁し、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁するとチェック弁24を通り、あらかじめ設定されたACCチャージ圧まで圧力比例弁25により昇圧される。また、ポンプ圧とは、ACCボンベ16から吐出される油が高圧、大流量となるために危険であるので、射出機の準備モードでの手動動作において、メインポンプ18から吐出され、圧力比例弁25にて制御された低圧(30Mpa)の油をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を介して射出シリンダ14へ供給し、スクリュの前後進動作を行うものである。
【0015】
射出工程中(速度、保圧、背圧、サックバック)の制御は、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28を開けることによりACCボンベ16へチャージされた油をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へ供給する。このとき、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、設定された電圧分でACサーボモータ10を回転させ、ACサーボモータ10に直結されたメインスプール6を回転させることにより油の流路を切換え、ACCボンベ16から供給された油を切換えられた流路を介して射出シリンダ14に供給する。このように、メインスプール6の回転により油の流路を切換え、射出シリンダ14へ供給する油の流量及び圧力を変化させることができるので、射出シリンダ14は、設定された射出速度及び圧力が得られるように制御される。
【0016】
スクリュの位置を保持する位置保持制御も射出工程中の制御と同様に行なわれる。すなわち、ACCボンベ16でチャージされた油において、スクリュの位置保持をするための油を、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28を開けることによりACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12のPポート12aに供給する。このときACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、設定された電圧分でACサーボモータ10を回転させてメインスプール6を回転させることにより油の流路を切換え、射出シリンダ14へ供給する。
【0017】
次に、図7(a)に示される本発明の油圧回路を使用した高速射出成形機の射出成形工程における全半自動中のフローチャートと、図7(b)に示される従来の油圧回路を使用した高速射出成形機の射出成形工程における全半自動中のフローチャートとを比較すると、本発明の油圧回路では、パイロット油量を必要としないので、サックバック後もACCボンベ16のチャージ圧が下がる心配が無いので、射出成形の全行程に渡って、電磁切換弁26を励磁してACCボンベ16からACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12にチャージ圧を供給している。
【0018】
一方、従来の油圧回路では、電磁切換弁26を励磁してACCボンベ16から油圧サーボ弁50にチャージ圧を供給しているのは射出保圧の工程のみであり、その他の工程では、電磁切換弁20のaソレノイド20aを励磁しメインポンプ18の吐出油量を油圧サーボ弁50に供給している。また、サックバック後の位置保持制御時にはACCボンベ16のチャージ圧が下がるため、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁し、ACCボンベ16のチャージを行っている。
【0019】
このように、射出工程中も位置保持制御中もACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へのパイロット供給油量が不要なため、ACCボンベ16のチャージ圧はほとんど下がることが無いので、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12のPポート12aまでチャージ圧を供給することができる。
【0020】
以上のように、射出シリンダ14に制御された油を供給するサーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12にすることにより、従来の油圧サーボ弁50では必要であったパイロット油量が不要になるため、油圧回路中のシャトル弁64、パイロットライン62及び66、ラインフィルタ68が不要になる。したがって、部品点数の削減を行うことができる上、これらを省略した油圧回路を構成すればよいので、油圧回路の構造が従来よりも簡単になる。
【0021】
また、スクリュの位置保持制御のためにACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へパイロット油量を供給しないため、従来ではパイロットとしてロスしていたパイロット油量が不要になり、消費電力を少なくすることができる。
【0022】
(実施例)
次に、従来の油圧パイロット駆動サーボ弁(A社サーボ)と、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁(RDV)12とをそれぞれ搭載し、成形でのサイクルを約22秒、樹脂をPC+ABSとし、アンロード状態及び成形動作での消費電力をそれぞれ測定した。この結果を図8に示す。アンロード状態では、A社サーボの消費電力は4.64kw/hであるところ、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁12では2.50kw/hとなり、従来に比べて46%省エネ効果を得ることができた。また、成形動作時では、A社サーボの消費電力は5.71kw/hであるところ、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁12では3.49kw/hとなり、従来に比べて39%の省エネ効果を得ることができた。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、射出シリンダに供給する油の流量及び圧力を制御するサーボ弁に、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁を用いたことにより、パイロット圧が無くてもACサーボモータに必要な電圧を供給することによりメインスプールの駆動が可能となるので、従来の油圧サーボ弁においては必要であったパイロット油量が全く不要となる。このため、パイロットラインを構成するバルブ、配管、ラインフィルタなどの部品を削減することができ、これによりコストダウンを図ることができる。
【0024】
また、油圧回路の構造が簡単になるため、これを加工する手間も削減でき、これによりさらにコストダウンを図ることができる。
また、従来ではパイロットとしてロスしていたパイロット油量が不要になるため、消費電力を少なくすることができる。
また、従来の油圧サーボ弁よりも射出成形機の応答性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の油圧回路を示す図である。
【図2】ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁を示す図である。
【図3】ノズルフラッパ型油圧サーボ弁を示す図である。
【図4】従来の油圧回路を示す図である。
【図5】従来の油圧回路を示す図である。
【図6】従来の油圧回路を示す図である。
【図7】本発明と従来技術の射出成形工程のフローチャートである。
【図8】ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁とA社サーボとのアンロード状態及び成形動作での消費電力の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
6 メインスプール
10 ACサーボモータ
12 ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁
14 射出シリンダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速射出成形機の射出側の油圧回路に関するものであり、ノズルフラッパ型油圧パイロット駆動方式の油圧サーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁に変更することにより、パイロット油量が不要となる超高速射出成形機の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超高速射出成形機の油圧回路には、図3〜6に示されるようなノズルフラッパ型油圧サーボ弁(以下、油圧サーボ弁とする)50が設けられている。この油圧サーボ弁50は、入力電流をコイル52に流し、アマチュア54に磁気的極性を与え、入力電流と極性に応じて発生したトルクによってアマチュア54を、例えば図中矢印で示される方向に傾かせ、アマチュア54と一体のフラッパ56をアマチュア54の傾きに連れて変位させて左右のノズルの背圧を変化させる(すなわち、フラッパ56が近づいた方のノズル背圧は上がり、遠ざかった方のノズル背圧は下がる。)。左右のノズル背圧はメインスプール58の両端に導かれており背圧の変化でメインスプール58を変位させ、油の流路を切換え、図4に示すACCボンベ16からの油量を制御して、射出シリンダ14に制御された油を供給して射出速度及び圧力の制御を行うものである。
【0003】
図3に示すメインスプール58を制御するためには、パイロット弁60にパイロット油量を供給する必要があり、射出速度及び圧力の制御の他、可塑化完了後のスクリュの位置保持を行うために、射出工程以外でもパイロット弁60に常にパイロット油量を供給する必要がある。このため、油圧サーボ弁50に供給するパイロット油量は通常10l/minから30l/min必要になる。この油量を、図4に示されるように、ACCボンベ16の回路と油圧サーボ弁50のPボート50aに通じているパイロットライン62から供給すると、ACCボンベ16の畜圧(以後、チャージとする)された圧力がすぐに下がるため、ACCボンベ16のチャージが頻繁に繰返されるなどの問題が発生する。
【0004】
このため、図5及び図6に示されるように、射出工程以外はメインポンプ18の通路からもパイロット油量が供給できるような回路としているが、都度パイロット油量の供給ラインを切換える必要があるので、パイロットライン62に切換弁としてシャトル弁64などを設けている。
【0005】
次に、動作について説明する。
図4に示すように、メインポンプ18にて吐出された油は、電磁切換弁20によりACCボンベ16へのチャージを行う回路と、ポンプ圧を供給する回路とに別れる。ACCボンベ16へのチャージは、ACC圧抜き弁22(通常は、ポンプ運転開始と同時に励磁し、ポンプオフにより非励磁となる)を励磁し、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁するとチェック弁24を通り、あらかじめ設定された16.2MPaのACCチャージ圧まで圧力比例弁25により昇圧される。
【0006】
図5に示されるように、射出工程中(速度・保圧・背圧・サックバック)は、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28及び油圧サーボ弁50を開けることにより射出シリンダ14に油を供給し、速度及び圧力への制御に切換える。このとき、油圧サーボ弁50のメインスプール58を駆動するために油圧サーボ弁50のパイロット弁60に供給される油は油圧サーボ弁50のPポート50a側の油がシャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を通り、油圧サーボ弁50のXポート50bに供給され、メインスプール58を設定された速度、圧力が得られるように制御する。
【0007】
射出工程以外は、スクリュの位置を保持するための位置保持制御となるが、そのときの動作は、図6に示されるように、電磁切換弁20のaソレノイド20aを励磁するとメインポンプ18にて吐出された油が、チェック弁30を通りあらかじめ設定された位置保持圧まで圧力比例弁25により昇圧され、油圧サーボ弁50のPポート50aまで供給される。このとき、設定されたスクリュの位置を保持するように制御するため、油圧サーボ弁50のパイロット弁60に供給される油は、メインポンプ18のパイロットライン66からシャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を通り、油圧サーボ弁50のXポート50bに供給され、メインスプール58を設定された位置に保持するように制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の超高速射出成形機の油圧回路では、パイロット圧を供給するための切換弁として、チェック弁又はシャトル弁64などを使用しなくてはならず、そのためのマニホールドブロックの穴加工、外部からの配管が必要であり、複雑でコストアップとなっている。
また、射出(速度・圧力・背圧・サックバック)工程以外でもスクリュの位置保持制御を行う必要があるために、油圧サーボ弁50に制御可能な3MPaのパイロット圧を常に供給していなければならないため、電力の消費が大きいなどの問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためのものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、ノズルフラッパ型油圧パイロット駆動方式の油圧サーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁に変更することにより、パイロット油量が不要となる超高速射出成形機の油圧回路を提供することを目的とする。
【0010】
本発明のうちで請求項1記載の発明では、油圧により射出シリンダ(14)へ供給する流量及び圧力の制御を行う超高速射出成形機の油圧回路において、
前記油圧回路には、回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール(6)と、メインスプール(6)に直結されており、必要な電圧が供給されることにより、メインスプール(6)を回転駆動させるACサーボモータ(10)と、から構成されるACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)を備え、
ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)は、制御油を射出シリンダ(14)に供給可能に設けられていることを特徴とするものである。
なお、上記かっこ内の符号は、後述する実施の形態の対応する部材を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明を実施した油圧回路を、図2に本発明に使用したACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12の部分断面図をそれぞれ示す。
【0012】
この油圧回路は、射出シリンダ14に制御された油を供給するために、従来技術の油圧サーボ弁50に代えてACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を設け、パイロットライン66、シャトル弁64、パイロットライン62、ラインフィルタ68を削除した以外は、従来技術のものと同様の構成を有しており、従来技術で説明したものと同じ部材に関しては同じ符号を付し、説明を省略する。
【0013】
図1、2に示されるように、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール6と、メインスプール6と直結し、電圧が供給されることによりメインスプール6を回転駆動させるACサーボモータ10と、から構成されている。
【0014】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
メインポンプ18にて吐出された油は、電磁切換弁20によりACCボンベ16へのチャージを行う回路と、ポンプ圧を射出シリンダ14へ供給する回路とに分かれる。ACCボンベ16へのチャージは、ACC圧抜き弁22を励磁し、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁するとチェック弁24を通り、あらかじめ設定されたACCチャージ圧まで圧力比例弁25により昇圧される。また、ポンプ圧とは、ACCボンベ16から吐出される油が高圧、大流量となるために危険であるので、射出機の準備モードでの手動動作において、メインポンプ18から吐出され、圧力比例弁25にて制御された低圧(30Mpa)の油をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12を介して射出シリンダ14へ供給し、スクリュの前後進動作を行うものである。
【0015】
射出工程中(速度、保圧、背圧、サックバック)の制御は、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28を開けることによりACCボンベ16へチャージされた油をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へ供給する。このとき、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、設定された電圧分でACサーボモータ10を回転させ、ACサーボモータ10に直結されたメインスプール6を回転させることにより油の流路を切換え、ACCボンベ16から供給された油を切換えられた流路を介して射出シリンダ14に供給する。このように、メインスプール6の回転により油の流路を切換え、射出シリンダ14へ供給する油の流量及び圧力を変化させることができるので、射出シリンダ14は、設定された射出速度及び圧力が得られるように制御される。
【0016】
スクリュの位置を保持する位置保持制御も射出工程中の制御と同様に行なわれる。すなわち、ACCボンベ16でチャージされた油において、スクリュの位置保持をするための油を、電磁切換弁26を励磁し、チェック弁28を開けることによりACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12のPポート12aに供給する。このときACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12は、設定された電圧分でACサーボモータ10を回転させてメインスプール6を回転させることにより油の流路を切換え、射出シリンダ14へ供給する。
【0017】
次に、図7(a)に示される本発明の油圧回路を使用した高速射出成形機の射出成形工程における全半自動中のフローチャートと、図7(b)に示される従来の油圧回路を使用した高速射出成形機の射出成形工程における全半自動中のフローチャートとを比較すると、本発明の油圧回路では、パイロット油量を必要としないので、サックバック後もACCボンベ16のチャージ圧が下がる心配が無いので、射出成形の全行程に渡って、電磁切換弁26を励磁してACCボンベ16からACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12にチャージ圧を供給している。
【0018】
一方、従来の油圧回路では、電磁切換弁26を励磁してACCボンベ16から油圧サーボ弁50にチャージ圧を供給しているのは射出保圧の工程のみであり、その他の工程では、電磁切換弁20のaソレノイド20aを励磁しメインポンプ18の吐出油量を油圧サーボ弁50に供給している。また、サックバック後の位置保持制御時にはACCボンベ16のチャージ圧が下がるため、電磁切換弁20のbソレノイド20bを励磁し、ACCボンベ16のチャージを行っている。
【0019】
このように、射出工程中も位置保持制御中もACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へのパイロット供給油量が不要なため、ACCボンベ16のチャージ圧はほとんど下がることが無いので、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12のPポート12aまでチャージ圧を供給することができる。
【0020】
以上のように、射出シリンダ14に制御された油を供給するサーボ弁をACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12にすることにより、従来の油圧サーボ弁50では必要であったパイロット油量が不要になるため、油圧回路中のシャトル弁64、パイロットライン62及び66、ラインフィルタ68が不要になる。したがって、部品点数の削減を行うことができる上、これらを省略した油圧回路を構成すればよいので、油圧回路の構造が従来よりも簡単になる。
【0021】
また、スクリュの位置保持制御のためにACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁12へパイロット油量を供給しないため、従来ではパイロットとしてロスしていたパイロット油量が不要になり、消費電力を少なくすることができる。
【0022】
(実施例)
次に、従来の油圧パイロット駆動サーボ弁(A社サーボ)と、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁(RDV)12とをそれぞれ搭載し、成形でのサイクルを約22秒、樹脂をPC+ABSとし、アンロード状態及び成形動作での消費電力をそれぞれ測定した。この結果を図8に示す。アンロード状態では、A社サーボの消費電力は4.64kw/hであるところ、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁12では2.50kw/hとなり、従来に比べて46%省エネ効果を得ることができた。また、成形動作時では、A社サーボの消費電力は5.71kw/hであるところ、ACサーボモー直結駆動高速サーボ弁12では3.49kw/hとなり、従来に比べて39%の省エネ効果を得ることができた。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、射出シリンダに供給する油の流量及び圧力を制御するサーボ弁に、ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁を用いたことにより、パイロット圧が無くてもACサーボモータに必要な電圧を供給することによりメインスプールの駆動が可能となるので、従来の油圧サーボ弁においては必要であったパイロット油量が全く不要となる。このため、パイロットラインを構成するバルブ、配管、ラインフィルタなどの部品を削減することができ、これによりコストダウンを図ることができる。
【0024】
また、油圧回路の構造が簡単になるため、これを加工する手間も削減でき、これによりさらにコストダウンを図ることができる。
また、従来ではパイロットとしてロスしていたパイロット油量が不要になるため、消費電力を少なくすることができる。
また、従来の油圧サーボ弁よりも射出成形機の応答性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の油圧回路を示す図である。
【図2】ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁を示す図である。
【図3】ノズルフラッパ型油圧サーボ弁を示す図である。
【図4】従来の油圧回路を示す図である。
【図5】従来の油圧回路を示す図である。
【図6】従来の油圧回路を示す図である。
【図7】本発明と従来技術の射出成形工程のフローチャートである。
【図8】ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁とA社サーボとのアンロード状態及び成形動作での消費電力の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
6 メインスプール
10 ACサーボモータ
12 ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁
14 射出シリンダ
Claims (1)
- 射出シリンダ(14)に供給する油の流量及び圧力を制御する超高速射出成形機の油圧回路において、
前記油圧回路には、回転方向の位置を切換えることにより油の流路を切換えるメインスプール(6)と、メインスプール(6)に直結されており、必要な電圧が供給されることにより、メインスプール(6)を回転駆動させるACサーボモータ(10)と、から構成されるACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)を備え、
ACサーボモータ直結駆動高速サーボ弁(12)は、制御油を射出シリンダ(14)に供給可能に設けられていることを特徴とする超高速射出成形機の油圧回路。
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JP2002163407A JP2004009385A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 超高速射出成形機の油圧回路 |
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JP (1) | JP2004009385A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102935690A (zh) * | 2012-05-17 | 2013-02-20 | 蔡少详 | 多功能注塑机 |
CN103591068A (zh) * | 2013-08-21 | 2014-02-19 | 西安交通大学 | 中空式永磁交流伺服电动机螺旋直驱式电液比例流量阀 |
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-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002163407A patent/JP2004009385A/ja active Pending
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