JP2004009330A - 切断機 - Google Patents
切断機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004009330A JP2004009330A JP2002161941A JP2002161941A JP2004009330A JP 2004009330 A JP2004009330 A JP 2004009330A JP 2002161941 A JP2002161941 A JP 2002161941A JP 2002161941 A JP2002161941 A JP 2002161941A JP 2004009330 A JP2004009330 A JP 2004009330A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spindle
- outer flange
- balance
- saw blade
- rotary blade
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sawing (AREA)
Abstract
【課題】回転刃の偏心による切断能率向上と振動抑制とを両立させる。
【解決手段】鋸刃15は、インナーフランジ16とアウターフランジ17とによって、スピンドル12の軸心から偏心した位置でスピンドル12へ取り付けられる。一方、インナーフランジ16とアウターフランジ17とは、鋸刃15の偏心方向と反対側へ、夫々同じ量だけバランス部21a,21bを膨出させて全体が長円形状を呈し、偏心させた鋸刃15との釣り合いが図られている。
【選択図】 図2
【解決手段】鋸刃15は、インナーフランジ16とアウターフランジ17とによって、スピンドル12の軸心から偏心した位置でスピンドル12へ取り付けられる。一方、インナーフランジ16とアウターフランジ17とは、鋸刃15の偏心方向と反対側へ、夫々同じ量だけバランス部21a,21bを膨出させて全体が長円形状を呈し、偏心させた鋸刃15との釣り合いが図られている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピンドルに取り付けた円盤状の回転刃で被切断材を切断可能な丸鋸機や卓上丸鋸盤等の切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピンドルに円盤状の回転刃を取付部材によって直交状に取り付け、その回転刃の回転により木材や鋼材等を切断する切断機においては、回転刃をスピンドルの軸心に対して僅かに偏心させて取り付ける構造が知られている(例えば特開2001−62628号公報)。このように回転刃をあえて偏心させて取り付けることで、少ない送り力で歯の接触圧を高め、合わせて、切粉の排出量を大きくし、切断量を増大させることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような回転刃の偏心によって切断能率が向上する反面、回転刃にアンバランスが発生することで、回転時の振動が大きくなり、切断精度や作業性に影響を与えるという問題が生じていた。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、回転刃の偏心による切断能率向上の効果を維持しつつ、偏心による振動の発生を効果的に抑制し、良好な切断精度や作業性も確保可能とした切断機を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転刃を、その中心をスピンドルの軸心と偏心させて取り付けると共に、回転刃の取付部材またはスピンドルに、回転刃の偏心方向と反対側に位置して回転刃の偏心と釣り合いをとるバランス部を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、回転刃の取付部材が、スピンドルへ一体に嵌合されて回転刃を挟持固定するインナーフランジとアウターフランジで、バランス部がアウターフランジに設けられるものにあっては、アウターフランジを適正位置へ確実に取付可能とするために、バランス部が回転刃の偏心方向と反対側となる適正位置でアウターフランジを取付可能な位置決め手段を設けたものである。
請求項3の記載の発明は、請求項2の目的に加えて、位置決め手段を簡単に形成するために、位置決め手段を、スピンドルに設けた面取部とアウターフランジとの嵌合による構成としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、切断機の一例としての丸鋸機1の一部断面図で、丸鋸機1は、四角形状のベース2と、ベース2上に配置される本体3とからなる。本体3において、4はブレードケースで、後方(図1の右側)の筒状部5には、モータ7を内蔵したモータハウジング6が連結されて、モータ7の出力軸8が筒状部5内に突出してボールベアリング9に軸支されている。また、筒状部5内では、ボールベアリング10,11によってスピンドル12が出力軸8と平行に軸支され、スピンドル12と一体のギヤ13が出力軸8と噛合することで、出力軸8の回転がスピンドル12に伝達可能となっている。
【0007】
さらに、スピンドル12の前端では、円盤状の鋸刃(回転刃)15が、スピンドル12に形成した面取部14に嵌合して一体回転する取付部材としてのインナーフランジ16とアウターフランジ17とで挟持され、アウターフランジ17を貫通してスピンドル12の軸心にボルト18をねじ込むことで、鋸刃15をスピンドル12と直交状で一体に緊締可能となっている。鋸刃15の位置決めは、インナーフランジ16の前面に突設される円形突起19に、鋸刃15の中心の透孔20を同心で嵌合させることでなされるが、ここでは、図2にも示すように、円形突起19が、その中心O1がスピンドル12の軸心O2から僅かに偏心(例えば0.1〜1.0mm程度)する位置で突設されていることから、円形突起19に嵌合する鋸刃15の中心O3も、挟持状態でスピンドル12の軸心O2から同じ距離偏心することとなる。
【0008】
そして、ここでのインナーフランジ16及びアウターフランジ17は、図2(A)に二点鎖線で示すようにO2を中心とした円形ではなく、突起19の偏心方向と反対方向(図2の下側)へ、夫々同じ量だけ三日月状のバランス部21a,21bを膨出させて、全体で長円形状となっている。このようにバランス部21a,21bを設けることで、スピンドル12と偏心させた鋸刃15との釣り合いを図ったものである。
【0009】
以上の如く構成された丸鋸機1においては、モータ7が駆動すると、出力軸8の回転がギヤ13を介してスピンドル12に伝わり、スピンドル12と共に鋸刃15も回転する。ここで、鋸刃15は、スピンドル12の軸心から偏心して取り付けられているから、鋸刃15が偏心回転し、このため被切断材との接触圧が増減して切断量が増加し、合わせて切粉の排出量を大きくして、切断能率を向上させることができる。一方、インナーフランジ16とアウターフランジ17とが鋸刃15の偏心方向と反対側へバランス部21a,21bを形成しているから、このバランス部21a,21bが鋸刃15の偏心回転による振動を打ち消すことになる。
よって、上記丸鋸機1においては、鋸刃15の偏心による切断能率の向上を維持しつつ、振動の発生を効果的に抑制して良好な切断精度や作業性が確保可能となっている。
【0010】
なお、本発明のバランス部は、インナーフランジ16とアウターフランジ17とに夫々設ける必要はなく、鋸刃15の偏心と釣り合いが取れるものであれば、インナーフランジ16とアウターフランジ17との何れか一方のみにバランス部を設けても差し支えない。また、両フランジに限らず、スピンドル12に設けたり、バランス部を有した別体の部材をボルト18とアウターフランジ17との間で挟持したりすることも可能である。勿論バランス部の形状は、上記形態のような三日月状の膨出部に限らず、棒状体や板状体を部分的に突出させる等の他の形状も採用できる。さらに、バランス部は、上記形態のように回転刃の偏心方向と反対側へ正確に位置させる必要はなく、およそ反対側であっても、重量や中心からの距離の設定等によって釣り合いの維持と振動抑制効果とを得ることができる。
【0011】
一方、上記形態では、スピンドル12の面取部14が左右一対形成されているため、アウターフランジ17を誤ってインナーフランジ16と逆向きに取り付けて、バランス部21a,21bの位置を互いに逆にしてしまうおそれがある。そこで、図3(A)に示すように、アウターフランジ17の位置決め手段として面取部14をスピンドル12の片側だけに設けてインナーフランジ16とアウターフランジ17とを夫々嵌合させる構造とすれば、アウターフランジ17が適正位置で確実に取付可能となり、バランス部21a,21bが夫々鋸刃15の偏心方向と同じ側に取り付けられるおそれがなくなる。
【0012】
なお、この位置決め手段は、同図(B)に示すように、左右で大きさの異なる面取部22,23としたり、同図(C)に示すように、スピンドル12の半径方向へ行くに従って間隔が徐々に狭くなるテーパ状の面取部24,24としたり、同図(D)に示すように、3面の面取部25,25,25としたりして夫々インナーフランジ16とアウターフランジ17とを嵌合させる等の変更も可能で、何れの構造においてもアウターフランジ17の取付ミスはなくなる。このようにスピンドル12に設けた面取部14とアウターフランジ17との嵌合を採用すれば、位置決め手段が簡単に形成可能となる。
【0013】
また、図4に示すように、面取部の工夫に限らず、インナーフランジ16の前面に、組付け状態で鋸刃15の透孔20を貫通して前方へ突出する突起26を、アウターフランジ17の後面に、組付け状態で突起26が遊挿可能な挿通孔27を形成して、両フランジの位置決めを図る位置決め手段を形成することも可能である。勿論この突起26と挿通孔27とは互いに逆側のフランジに設けることもできるし、数を増やすこともできる。
【0014】
さらに、鋸刃15の偏心回転による振動の打ち消しは、インナーフランジ16等に設けるバランス部によるものに限らず、図5に示すように、スピンドル12にオートバランサ28を装着して行うこともできる。このオートバランサ28は、スピンドル12に嵌着される環状体29の内部に、1または複数のボール30を周方向へ所定距離移動可能に挿入したもので、スピンドル12の偏心回転に伴い、遠心力及び重力の作用によってボール30が鋸刃15とのバランスを取る位置へ自動的に移動する。よって、鋸刃15の偏心によるアンバランスが調整されて振動の発生が抑制可能となる。特に、このようなオートバランサを採用すれば、上記位置決め手段を設ける必要がなくなるというメリットがある。
このオートバランサ28も、スピンドル12に限らず、インナーフランジ16やアウターフランジ17等に設けることができる。
【0015】
そして、本発明のバランス部及び位置決め手段、オートバランサは、上記形態のような丸鋸機に限らず、卓上丸鋸盤や鋼材の切断機等、スピンドルに回転刃を直交状に取り付ける切断機であれば、種類を問わず適用可能である。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、回転刃を偏心させて取り付けると共に、前記バランス部を設けたことで、回転刃の偏心による切断能率の向上を維持しつつ、振動の発生を効果的に抑制して良好な切断精度や作業性が確保可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、回転刃の取付部材が、前記インナーフランジとアウターフランジで、バランス部がアウターフランジに設けられるものにあっては、バランス部が回転刃の偏心方向と反対側となる適正位置でアウターフランジを取付可能な位置決め手段を設けたことで、アウターフランジを適正位置へ確実に取付可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、位置決め手段を、スピンドルに設けた面取部とアウターフランジとの嵌合としたことで、位置決め手段が簡単に形成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸機の断面図である。
【図2】(A)インナーフランジの拡大正面図である。
(B)鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【図3】(A)〜(D)は夫々位置決め手段の変更例を示すインナーフランジの拡大正面図である。
【図4】位置決め手段の変更例を示すインナーフランジの拡大正面図及び鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【図5】オートバランサを用いた鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・丸鋸機、3・・本体、4・・ブレードケース、7・・モータ、12・・スピンドル、14・・面取部、15・・鋸刃、16・・インナーフランジ、17・・アウターフランジ、19・・円形突起、21a,21b・・バランス部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピンドルに取り付けた円盤状の回転刃で被切断材を切断可能な丸鋸機や卓上丸鋸盤等の切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピンドルに円盤状の回転刃を取付部材によって直交状に取り付け、その回転刃の回転により木材や鋼材等を切断する切断機においては、回転刃をスピンドルの軸心に対して僅かに偏心させて取り付ける構造が知られている(例えば特開2001−62628号公報)。このように回転刃をあえて偏心させて取り付けることで、少ない送り力で歯の接触圧を高め、合わせて、切粉の排出量を大きくし、切断量を増大させることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような回転刃の偏心によって切断能率が向上する反面、回転刃にアンバランスが発生することで、回転時の振動が大きくなり、切断精度や作業性に影響を与えるという問題が生じていた。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、回転刃の偏心による切断能率向上の効果を維持しつつ、偏心による振動の発生を効果的に抑制し、良好な切断精度や作業性も確保可能とした切断機を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転刃を、その中心をスピンドルの軸心と偏心させて取り付けると共に、回転刃の取付部材またはスピンドルに、回転刃の偏心方向と反対側に位置して回転刃の偏心と釣り合いをとるバランス部を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、回転刃の取付部材が、スピンドルへ一体に嵌合されて回転刃を挟持固定するインナーフランジとアウターフランジで、バランス部がアウターフランジに設けられるものにあっては、アウターフランジを適正位置へ確実に取付可能とするために、バランス部が回転刃の偏心方向と反対側となる適正位置でアウターフランジを取付可能な位置決め手段を設けたものである。
請求項3の記載の発明は、請求項2の目的に加えて、位置決め手段を簡単に形成するために、位置決め手段を、スピンドルに設けた面取部とアウターフランジとの嵌合による構成としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、切断機の一例としての丸鋸機1の一部断面図で、丸鋸機1は、四角形状のベース2と、ベース2上に配置される本体3とからなる。本体3において、4はブレードケースで、後方(図1の右側)の筒状部5には、モータ7を内蔵したモータハウジング6が連結されて、モータ7の出力軸8が筒状部5内に突出してボールベアリング9に軸支されている。また、筒状部5内では、ボールベアリング10,11によってスピンドル12が出力軸8と平行に軸支され、スピンドル12と一体のギヤ13が出力軸8と噛合することで、出力軸8の回転がスピンドル12に伝達可能となっている。
【0007】
さらに、スピンドル12の前端では、円盤状の鋸刃(回転刃)15が、スピンドル12に形成した面取部14に嵌合して一体回転する取付部材としてのインナーフランジ16とアウターフランジ17とで挟持され、アウターフランジ17を貫通してスピンドル12の軸心にボルト18をねじ込むことで、鋸刃15をスピンドル12と直交状で一体に緊締可能となっている。鋸刃15の位置決めは、インナーフランジ16の前面に突設される円形突起19に、鋸刃15の中心の透孔20を同心で嵌合させることでなされるが、ここでは、図2にも示すように、円形突起19が、その中心O1がスピンドル12の軸心O2から僅かに偏心(例えば0.1〜1.0mm程度)する位置で突設されていることから、円形突起19に嵌合する鋸刃15の中心O3も、挟持状態でスピンドル12の軸心O2から同じ距離偏心することとなる。
【0008】
そして、ここでのインナーフランジ16及びアウターフランジ17は、図2(A)に二点鎖線で示すようにO2を中心とした円形ではなく、突起19の偏心方向と反対方向(図2の下側)へ、夫々同じ量だけ三日月状のバランス部21a,21bを膨出させて、全体で長円形状となっている。このようにバランス部21a,21bを設けることで、スピンドル12と偏心させた鋸刃15との釣り合いを図ったものである。
【0009】
以上の如く構成された丸鋸機1においては、モータ7が駆動すると、出力軸8の回転がギヤ13を介してスピンドル12に伝わり、スピンドル12と共に鋸刃15も回転する。ここで、鋸刃15は、スピンドル12の軸心から偏心して取り付けられているから、鋸刃15が偏心回転し、このため被切断材との接触圧が増減して切断量が増加し、合わせて切粉の排出量を大きくして、切断能率を向上させることができる。一方、インナーフランジ16とアウターフランジ17とが鋸刃15の偏心方向と反対側へバランス部21a,21bを形成しているから、このバランス部21a,21bが鋸刃15の偏心回転による振動を打ち消すことになる。
よって、上記丸鋸機1においては、鋸刃15の偏心による切断能率の向上を維持しつつ、振動の発生を効果的に抑制して良好な切断精度や作業性が確保可能となっている。
【0010】
なお、本発明のバランス部は、インナーフランジ16とアウターフランジ17とに夫々設ける必要はなく、鋸刃15の偏心と釣り合いが取れるものであれば、インナーフランジ16とアウターフランジ17との何れか一方のみにバランス部を設けても差し支えない。また、両フランジに限らず、スピンドル12に設けたり、バランス部を有した別体の部材をボルト18とアウターフランジ17との間で挟持したりすることも可能である。勿論バランス部の形状は、上記形態のような三日月状の膨出部に限らず、棒状体や板状体を部分的に突出させる等の他の形状も採用できる。さらに、バランス部は、上記形態のように回転刃の偏心方向と反対側へ正確に位置させる必要はなく、およそ反対側であっても、重量や中心からの距離の設定等によって釣り合いの維持と振動抑制効果とを得ることができる。
【0011】
一方、上記形態では、スピンドル12の面取部14が左右一対形成されているため、アウターフランジ17を誤ってインナーフランジ16と逆向きに取り付けて、バランス部21a,21bの位置を互いに逆にしてしまうおそれがある。そこで、図3(A)に示すように、アウターフランジ17の位置決め手段として面取部14をスピンドル12の片側だけに設けてインナーフランジ16とアウターフランジ17とを夫々嵌合させる構造とすれば、アウターフランジ17が適正位置で確実に取付可能となり、バランス部21a,21bが夫々鋸刃15の偏心方向と同じ側に取り付けられるおそれがなくなる。
【0012】
なお、この位置決め手段は、同図(B)に示すように、左右で大きさの異なる面取部22,23としたり、同図(C)に示すように、スピンドル12の半径方向へ行くに従って間隔が徐々に狭くなるテーパ状の面取部24,24としたり、同図(D)に示すように、3面の面取部25,25,25としたりして夫々インナーフランジ16とアウターフランジ17とを嵌合させる等の変更も可能で、何れの構造においてもアウターフランジ17の取付ミスはなくなる。このようにスピンドル12に設けた面取部14とアウターフランジ17との嵌合を採用すれば、位置決め手段が簡単に形成可能となる。
【0013】
また、図4に示すように、面取部の工夫に限らず、インナーフランジ16の前面に、組付け状態で鋸刃15の透孔20を貫通して前方へ突出する突起26を、アウターフランジ17の後面に、組付け状態で突起26が遊挿可能な挿通孔27を形成して、両フランジの位置決めを図る位置決め手段を形成することも可能である。勿論この突起26と挿通孔27とは互いに逆側のフランジに設けることもできるし、数を増やすこともできる。
【0014】
さらに、鋸刃15の偏心回転による振動の打ち消しは、インナーフランジ16等に設けるバランス部によるものに限らず、図5に示すように、スピンドル12にオートバランサ28を装着して行うこともできる。このオートバランサ28は、スピンドル12に嵌着される環状体29の内部に、1または複数のボール30を周方向へ所定距離移動可能に挿入したもので、スピンドル12の偏心回転に伴い、遠心力及び重力の作用によってボール30が鋸刃15とのバランスを取る位置へ自動的に移動する。よって、鋸刃15の偏心によるアンバランスが調整されて振動の発生が抑制可能となる。特に、このようなオートバランサを採用すれば、上記位置決め手段を設ける必要がなくなるというメリットがある。
このオートバランサ28も、スピンドル12に限らず、インナーフランジ16やアウターフランジ17等に設けることができる。
【0015】
そして、本発明のバランス部及び位置決め手段、オートバランサは、上記形態のような丸鋸機に限らず、卓上丸鋸盤や鋼材の切断機等、スピンドルに回転刃を直交状に取り付ける切断機であれば、種類を問わず適用可能である。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、回転刃を偏心させて取り付けると共に、前記バランス部を設けたことで、回転刃の偏心による切断能率の向上を維持しつつ、振動の発生を効果的に抑制して良好な切断精度や作業性が確保可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、回転刃の取付部材が、前記インナーフランジとアウターフランジで、バランス部がアウターフランジに設けられるものにあっては、バランス部が回転刃の偏心方向と反対側となる適正位置でアウターフランジを取付可能な位置決め手段を設けたことで、アウターフランジを適正位置へ確実に取付可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、位置決め手段を、スピンドルに設けた面取部とアウターフランジとの嵌合としたことで、位置決め手段が簡単に形成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸機の断面図である。
【図2】(A)インナーフランジの拡大正面図である。
(B)鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【図3】(A)〜(D)は夫々位置決め手段の変更例を示すインナーフランジの拡大正面図である。
【図4】位置決め手段の変更例を示すインナーフランジの拡大正面図及び鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【図5】オートバランサを用いた鋸刃取付部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・丸鋸機、3・・本体、4・・ブレードケース、7・・モータ、12・・スピンドル、14・・面取部、15・・鋸刃、16・・インナーフランジ、17・・アウターフランジ、19・・円形突起、21a,21b・・バランス部。
Claims (3)
- スピンドルに円盤状の回転刃を取付部材によって直交状に取り付けた切断機であって、
前記回転刃を、その中心を前記スピンドルの軸心と偏心させて取り付けると共に、前記取付部材またはスピンドルに、前記回転刃の偏心方向と反対側に位置して前記回転刃の偏心と釣り合いをとるバランス部を設けたことを特徴とする切断機。 - 取付部材が、スピンドルへ一体に嵌合されて回転刃を挟持固定するインナーフランジとアウターフランジで、バランス部が前記アウターフランジに設けられるものにあっては、前記バランス部が前記回転刃の偏心方向と反対側となる適正位置で前記アウターフランジを取付可能な位置決め手段を設けた請求項1に記載の切断機。
- 位置決め手段が、スピンドルに設けた面取部とアウターフランジとの嵌合によるものである請求項2に記載の切断機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002161941A JP2004009330A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 切断機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002161941A JP2004009330A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 切断機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004009330A true JP2004009330A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30430863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002161941A Pending JP2004009330A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 切断機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004009330A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103085118A (zh) * | 2013-02-18 | 2013-05-08 | 资源县多利士木工机械厂 | 多锯片木工机锯片轴偏心轮调节机构 |
JP2016182053A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 株式会社マキタ | 刈払機 |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161941A patent/JP2004009330A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103085118A (zh) * | 2013-02-18 | 2013-05-08 | 资源县多利士木工机械厂 | 多锯片木工机锯片轴偏心轮调节机构 |
JP2016182053A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 株式会社マキタ | 刈払機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2455123C2 (ru) | Режущий инструмент, корпус и режущая пластина для него | |
JP4407158B2 (ja) | 携帯用電動工具 | |
JPH0711859Y2 (ja) | 回転カッターの制振装置 | |
US3976112A (en) | Refuse cutter and trim saw unit | |
JP2004009330A (ja) | 切断機 | |
US20080034931A1 (en) | Laser guide | |
CN108700083B (zh) | 旋转机械 | |
JP2013255948A (ja) | カッター台、面取り用のカッターブレード、及び面取り機 | |
CN109317705B (zh) | 一种用于超声波加工装置、具有隔振功能的压盖 | |
JP5230771B2 (ja) | 防振マウント | |
WO2009157606A1 (en) | Adjustable double head cutting tool | |
JP3766287B2 (ja) | 電極研磨装置 | |
JP2002052434A (ja) | 工具駆動装置 | |
JP4774584B2 (ja) | 空気調和機の室外機 | |
JP2015147273A (ja) | 電動工具 | |
US20210114197A1 (en) | Handheld electric power tool | |
JP2020101115A (ja) | インペラおよびこれを備えるポンプ並びにインペラの製造方法 | |
CN221066168U (zh) | 摆动锯 | |
KR100582636B1 (ko) | 허브 블레이드 | |
JP7458162B2 (ja) | グラインダ | |
JP7382190B2 (ja) | 回転工具 | |
CN210615154U (zh) | 一种用于机床的刀头结构 | |
JPH0237525Y2 (ja) | ||
CN117798873A (zh) | 动力工具 | |
JP2004336947A (ja) | ブラシレスモータ |