JP2004009262A - 使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのnc旋盤による計測・落版円筒加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プローブを多点タッチさせて半径を計測し、計測結果から、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として、許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときに加工プログラムに移行して端面加工とロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、又、許容削り代が最大削り代よりも小さいときは、直ちには加工プログラムに移行しないようになっている。
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、NC旋盤にロールを取付けてロールの概ねの数値及びニッケルメッキの厚みやセルの深さや削り代等をデータ入力すると、精密なロール計測を行ない、さらに計測結果と入力値とからにより必要な計算が行なわれて、偏心量が大き過ぎずロール母材が露出しないように落版円筒加工が適切に行なわれる見通しがあるときには、計測後に端面加工と落版円筒加工を自動的に実行でき、落版円筒加工が適切に行なわれる見通しがないときには、加工を自動的には実行しないようになっていて、偏心量が大き過ぎたり落版円筒加工を行なうとロール母材が露出してしまう不良なロールを落版円筒加工の対象から除外でき、もって、計測数値から落版円筒加工に入るべきか否かの判断を人為的に行なう必要がなく、判断に人為的な誤りが生じる余地を排除することができる、使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の悪化を防ぐ観点から、油性インクの使用が制限され水性インキが使用されていく方向にあり、グラビア印刷ロールのセルを浅くする方向が示されており、その分、直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版の落版工程では、落版する削り深さが小さくて済むことになり、メッキを付け直す厚さも小さくて済むようになるので、時間短縮と省エネルギーの面から、落版技術の充実が重要になっている。
【0003】
使用済みの直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版は、落版工程を最初に行なう。エッチング法の全工程を示すと、脱クロム処理―落版研磨―脱脂―硫酸銅メッキ―円筒研磨―感光膜塗布―レーザー露光・潜像形成―現像―食刻―レジスト剥離―クロムメッキという工程である。又、彫刻法の全工程を示すと、脱クロム処理―落版研磨―脱脂―硫酸銅メッキ―円筒研磨―彫刻―クロムメッキという工程である。
【0004】
従来、上記の落版は、使用済みグラビア印刷ロールを塩酸溶液中に浸漬してクロムメッキを溶解除去してから、被製版ロールに粗仕上げ研磨砥石を一定圧で押し付けて約40〜50μmの研磨代となるように円筒研磨を行ないセルを削り取っていた。
【0005】
上記のように、直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版における落版工程は、使用済みのグラビア印刷ロールを脱クロム処理してから端面研磨と落版研磨を行なっている。落版研磨は、図柄があるところでは、研磨がスクリン線に対して行なわれるから研磨面積が小さいので単位面積当たりの研磨圧力が大きくなり研磨が深く進行し、又、図柄が無いところでは、研磨面積が大きいので単位面積当たりの研磨圧力が小さくなり研磨が浅く進行する。
【0006】
このため、多少なりともいびつに研磨されることは免れない。ロールが4〜5回反復使用されると、ロールの長さ方向及び周方向に異なった複数箇所でますますいびつになって許容円筒度を全面的に大きく逸脱してしまうことになる。落版工程でロールがいびつになる原因は、研磨砥石を一定圧で押し付けており、かつロール面に研磨が容易に進行する個所と進行が遅くなる箇所とがあるからである。
【0007】
いびつの度合いが大きくなり許容円筒度を逸脱した被製版ロールは、オーバーホールの真円加工に回され、NC旋盤により精密に真円加工される。加工前の硫酸銅メッキの厚みは100μm〜150μmあるが、オーバーホールの円筒加工(真円加工)は削り代が大きいので、真円加工が行なわれるとロール母材が全面露出することになる。
従って、オーバーホールの真円加工された鉄ロールの製版工程は、脱脂処理してからニッケルメッキが2〜3μm付けられ、次いで硫酸銅メッキが付けられる。又、オーバーホールの真円加工されたアルミロールの製版工程は、ジンケート法又はアノダール法によりメッキ前処理が行なわれ、次いで硫酸銅メッキが付けられる。オーバーホールの真円加工された鉄ロール及びアルミロールは、ロール母材を削ってロール母材の径が小さくなっているので、小さくなった分だけ余計に厚くなるように硫酸銅メッキを厚く付けて硫酸銅メッキを付けたときのロール径をロールを作った時のロール径になるようにする。
【0008】
上記のように、従来の直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版の落版工程には、砥石研磨が行なわれており、NC旋盤による真円加工はオーバーホール加工に採用されており、リサイクル製版の落版工程には含まれていない。
【0009】
特開平11−267915の偏心落版円筒加工方法は、軸物又はフランジ物のいずれについても、ワークの回転中心を外れる偏心円筒部形状の加工を偏心量・偏心円筒径の如何を問わず偏心円筒部外径の表面を均整に加工する目的で、ワーク保持機構と現保持機構とが相対移動可能な工作機械において、ワーク保持機構の回転軸線に直交する方向に回転工具を設け、ワークを回転させながら回転工具をワーク保持機構の回転軸線に直交する面内で、工具刃先位置をワーク回転角に対し二軸速度制御して偏心円筒を加工することが提供されている。
【0010】
そこで、特開平11−267915の偏心落版円筒加工方法をリサイクル製版の落版工程に適用しようとすると、落版円筒加工後も相変わらず偏心したままとなるので、偏心量が大きいと、動的バランスの悪さも加わってレーザー製版の画像焼付けや印刷に悪影響を及ぼすことになるから、適正なロールとして使用できない。不良なロールを落版円筒加工するのは不経済である。
それよりも、ロールの外面円筒面がロールの回転中心に対して同心円ではない偏心しているロールを真円になるように落版円筒加工するものとして、落版円筒加工の前にロール面の多点計測を行なって偏心状態を計測し、その結果、落版円筒加工を行なうとロールに偏肉を来して、動的バランスが一定以上悪くなるロール又はロール母材が露出してしまうロールについては、落版円筒加工を行なわないようにする方が経済的であり、落版円筒加工を行なわないロールについては、ロールの外面円筒面に対してチャック孔が同心になるようにオーバーホール加工するか、又は廃棄ロールとした方が賢明である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版の落版工程に、砥石研磨に替えてNC旋盤による真円加工を採用することができれば、ロールが多数回反復使用されてもロールがいびつの度合いが大きくならず、オーバーホールの真円加工とは異なり、削り代を小さく抑えられるので、ロール母材が露出しない限度にNC旋盤による真円加工を行なうことができ、もって、鉄ロールにあっては脱脂処理してからニッケルメッキを付けてから硫酸銅メッキを付け、又、アルミロールにあっては、ジンケート法又はアノダール法のメッキ前処理を行なってから硫酸銅メッキを付けるという製版工程のニッケルメッキやジンケート法又はアノダール法のメッキ前処理を行なわなくて済むので望ましい。
又、直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版の落版工程に、砥石研磨に替えてNC旋盤による真円加工を採用することができれば、従来行なってきた旋盤によるオーバーホールの真円加工は不要になり、NC旋盤による真円加工では対処できないほどいびつなロールだけがオーバーホールに回すか、又は廃棄ロールとすることができ、圧倒的な割合でリサイクル可能なロールとして適合化できるので望ましい。
【0012】
本願発明は、NC旋盤にロールを取付けてロールの概ねの数値及びニッケルメッキの厚みやセルの深さや削り代等をデータ入力すると、精密なロール計測を行ない、さらに計測結果と入力値とからにより必要な計算が行なわれて、偏心量が大き過ぎずロール母材が露出しないように落版円筒加工が適切に行なわれる見通しがあるときには、計測後に端面加工と落版円筒加工を自動的に実行でき、落版円筒加工が適切に行なわれる見通しがないときには、加工を自動的には実行しないようになっていて、偏心量が大き過ぎたり落版円筒加工を行なうとロール母材が露出してしまう不良なロールを落版円筒加工の対象から除外でき、もって、計測数値から落版円筒加工に入るべきか否かの判断を人為的に行なう必要がなく、判断に人為的な誤りが生じる余地を排除することができる、使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法を提供することを解決課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、NC旋盤の対向一対の円錐チャックコーンに使用済み直版タイプグラビア印刷ロールである被製版ロールの両端面の被チャック孔を嵌合させて該被製版ロールを両端チャックし、NC旋盤に付設された入力装置から、予め計測したロールの長さと外径と被チャック孔の径の概ねの値、並びに少なくとも最少削り代と落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚の一方の入力を行なってから計測を開始し、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブをロールに多点タッチさせて半径を計測し、計測結果から、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差の半分の値である偏心量が許容偏心量よりも小さいときには加工プログラムに移行してロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、又、許容削り代が最大削り代よりも小さいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、直ちには加工プログラムに移行しないようになっていることを特徴とする使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法を提供するものである。
請求項2に記載の発明は、NC旋盤の対向一対の円錐チャックコーンに使用済み直版タイプグラビア印刷ロールである被製版ロールの両端面の被チャック孔を嵌合させて該被製版ロールを両端チャックし、NC旋盤に付設された入力装置から、予め計測したロールの長さと外径と被チャック孔の径の概ねの値、並びに少なくとも最少削り代と落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚の一方の入力を行なってから計測を開始し、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブをロールの周面方向及び母線方向に異なる多数の点にタッチさせて各点の半径を計測するとともにロール端面のメッキ厚さを計測し、計測結果から、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として算出し、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代を算出し落版円筒加工後の直径値及び/又は円周長さを予め計算し、これら計測値と計算値を入力装置からの入力データと併せてディスプレイに表示し、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差の半分の値である偏心量が許容偏心量よりも小さいときに自動的に加工プログラムに移行する加工自動移行の選択ボタンと、許容削り代が最大削り代よりも大きいか、又は小さいかを作業者がディスプレイの表示を見て判別してから落版円筒加工を実行する加工命令の選択ボタンのいずれかをオンするようになっていて、加工自動移行の選択ボタンをオンしておいて最大削り代が許容削り代よりも小さいとき及び加工命令の選択ボタンをオンしないでディスプレイの表示を見て加工するか、否かを判別して加工命令の選択ボタンをオンしたときに加工プログラムに移行して、ロール端面の母材面から一定の厚さの硫酸銅メッキが残るように端面加工とロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、又、許容削り代が最大削り代よりも小さいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、何らかの警告若しくは加工プログラムに移行しない通知を発するようになっていることを特徴とする使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本願発明の使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、NC旋盤の正面図である。このNC旋盤は、主軸に設けられた円錐チャックコーン1と、フリー回転軸に円錐チャックコーン2が同一水平線上に対向している。円錐チャックコーン1は回転駆動手段3により回転される。円錐チャックコーン2は、移動調整自在なブラケット4に設けられていて、円錐チャックコーン1に対して接近・離隔自在である。円錐チャックコーン1と円錐チャックコーン2とで使用済み直版タイプグラビア印刷ロールである被製版ロールRの両端面の被チャック孔に嵌合して該被製版ロールRを両端チャックする。該被製版ロールRに沿った水平方向にNC制御移動自在であるとともに該被製版ロールRに対して水平直径方向にNC制御移動自在である複式移動台5にタレット式の刃物台6がインデックス回転位置決めされるように設けられている。
刃物台6には、各種の切削刃物7a,7b,7c,7d,・・と、計測用の測定端子である接触式プローブ8が設けられている。NC旋盤には、各種の数値を表示すると共に加工順序や移動寸法を入力支持するためのディスプレイ9及びディスプレイ9の画面切替えや数値入力等を行なう入力装置10が備えられている。
【0015】
このNC旋盤は、接触式プローブ8を被製版ロールRに直交する水平方向に向けたときに、計測プログラムに移行できるようになっていて、接触式プローブ8の先端の球体部が被計測体に接触して僅少でも振れたとき、及び、振れないが長さ方向に僅少でも引っ込むときには振れの方向や引っ込みを判別して原点位置から該接触式プローブ8の先端の球体部の接触ポイントまでの距離をμm単位で計測できる。
【0016】
このNC旋盤は、図1に示すように、被製版ロールRを円錐チャックコーン1と円錐チャックコーン2とで両端チャックする前に、ディスプレイ9に、図2に示すデータ入力シートの画面を選択表示して、被製版ロールRについて、予め計測したロールの長さと外径と被チャック孔の径の概ねの値を入力装置10より数値入力する。なお、このNC旋盤が製版ラインに備えられる場合には、メインコンピューターからNC旋盤のコンピューターへ前記三つの数値を転送して入力するようになっていても良い。
クロムメッキの厚さと、落版円筒加工前の硫酸銅メッキの厚さと、ニッケルメッキの厚さと、最少削り代と、許容偏心量と、落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの許容最小厚さと、加工端面に残る硫酸銅メッキの厚さとについては、それぞれ半固定値として、例えば、8μm、130μm、2μm、48μm、30μm、20μm、60μmがディスプレイ9に図2に示すデータ入力シートの画面が表示された当初より自動入力されるようになっていて、異なる数値にしたいときは、入力装置10より変更入力できるようになっている。
ロールの偏心量は各ロールに固有のものであって計測結果の計測半径最大値と計測半径最小値との偏差の半分の値である。
これに対して、図2中に入力する許容偏心量は、計測によって算出されるロールの偏心量の大小のチェックするための閾値であってロールの偏心量が大きすぎると動的アンバランスを大きく生じて、レーザー製版の画像焼付けや印刷に悪影響を及ぼすことになる不良なロールとして落版円筒加工の対象から除外するための数値である。
なお、ロールの偏心量が許容偏心量よりも大きい場合に、不良なロールとして落版円筒加工の対象から除外するか、否かの扱いは、別の観点を含めて処理される。
許容削り代については、偏心量が大きくて落版円筒加工を行なうと最大削り代が大きくなりロール母材が露出してしまう惧れがあるロールを落版円筒加工の対象から除外するための数値である。
図2中のロール識別番号は、被製版ロールRの内部に付けられたICタグに記録されているロール識別番号を予め読みとって入力装置10より数値入力するか、又は、このNC旋盤が製版ラインに備えられる場合にはメインコンピューターからNC旋盤のコンピューターへ前記三つの数値を転送して入力するようになっていても良い。
【0017】
図2に示すデータ入力シートの画面で、チャック自動のボタンと計測自動移行のボタンと加工自動移行のボタンと計測実行のボタンは、上記の数値入力が完了した後に、タッチパネル入力方式でオン・オフすることができ、そして、計測自動移行のボタンは、チャック自動のボタンとともにオンにすることができ、加工自動移行のボタンは、計測自動移行のボタンとともにオンにすることができ、計測実行のボタンは、独立してオンにすることができる。
決定のボタンは、上記のチャック自動のボタンと計測自動移行のボタンと加工自動移行のボタンと計測実行のボタンのいずれかがオンになっているときにオンにすることができ、チャックプログラム又は計測プログラムにステップするように構成されているものとする。
【0018】
チャック自動のボタンをオンにすると、図示しないロール用ハンドリングロボットとNC旋盤との間で被製版ロールRの大きさに関する情報等の相互通信が行なわれ、NC旋盤において被製版ロールRのチャック及びチャック解除ができるように構成されているものとする。そして、作業中はチャック自動のボタンは、点滅し、チャック作業を終了すると、消灯するように構成されているものとする。
チャック自動のボタンをオンにしないときは、別の操作により、被製版ロールRのチャック及びチャック解除ができるように構成されているものとする。
【0019】
計測自動移行のボタンをオンにしておくと、チャック完了後に自動的に計測プログラムにステップして図1に示す刃物台6が回転してプローブ8が測定可能な姿勢に位置され、複式移動台5が移動して計測を行なうように構成されているものとする。そして、計測自動移行のボタンは、計測開始すると点灯から点滅に切り替わるようにように構成されているものとする。
計測実行のボタンをオンにしても同様であり、計測自動移行のボタンとの相違は、チャック作業からの自動移行の予約がないことにある。
【0020】
加工自動移行のボタンをオンにしておくと、計測終了後に自動的に加工プログラムにステップして図1に示す刃物台6が回転して切削刃物7a,7b,7c,7d,・・の中の所要の一の切削刃物が測定可能な姿勢に位置され、複式移動台5が移動して切削加工を行なうように構成されているものとする。そして、加工自動移行のボタンは、加工開始すると点灯から点滅に切り替わるように構成されているものとする。
【0021】
計測プログラムにステップすると、図1に示す刃物台6が回転してプローブ8が測定可能な姿勢に位置され、複式移動台5が移動して計測を開始し、図1に示すディスプレイ9は、直ぐに図3に示す被製版ロールRの測定ポイントを示す画面に自動的に切り替わる。
NC旋盤のコンピューター(図示しない)は、初めにプローブ8を原点位置に戻させて原点補正を行ない、次いで、原点位置に対応するスピンドルの外方位置に備えるキャリブレータの当接面に当接させて半径方向の正確な位置になるように補正し、しかる後に、プローブ8を以下の運行経路で移動させて計測を行なうように構成されている。
プローブ8は、aのポイント(クロムメッキされた面)に移動しタッチして寸法Aを計測し、次いで、aのポイントから離れてbのポイント(ロール母材の面)に移動しタッチして寸法Bを計測し、次いで、bのポイントから離れてcのポイント(ロール母材の面)に移動しタッチして寸法Cを計測し、次いで、cのポイントから離れてdのポイント(クロムメッキされた面)に移動しタッチして寸法Dを計測し、これらの数値をロール長さ関連表に随時表示するようになっている。
続いて、プローブ8は、p1のポイントに対応する位置に移動しeのポイントにタッチして半径を計測し、次いで、eのポイントから離れて待機し被製版ロールRが90度回転されたらfのポイントにタッチして半径を計測し、同様に、gのポイントにタッチして半径を計測し、次いで、hのポイントにタッチして半径を計測し、もって、p1のポイントに対応する周方向の4ヶ所の半径を計測する。
同様にして、プローブ8は、p2のポイントからp10のポイントまで順に移動して各ポイントに対応して周方向の4ヶ所の半径を計測する。
このようにして、計測した半径値を半径計測値一覧表に随時表示するようになっている。
なお、p1のポイントは端面から例えば100mm離れた位置、p1のポイントからp10のポイントまでの各ピッチは例えば150mmとされているが、この限りではない。
ロールの長さとピッチとの関係から、ロールの長さが短いと、p1のポイントからp10のポイントまでの一部は測定不能になる。
【0022】
プローブ8による上記の測定が終了すると、図1に示すディスプレイ9は、図4に示す測定結果数値一覧を示す画面に自動的に切り替わり、NC旋盤のコンピューター(図示しない)が以下のような種々の計算値をディスプレイ9に表示するように構成されているものとする。
図4中の母材端面間のロール長さは、図3中のC−Bの引算値が表示され。
又、加工端面間のロール長さは、両端面加工後の硫酸銅メッキ面間のロール長さであって、図3中のC−Bの引算値に、図4中の端面加工後の端面メッキ厚の2倍をプラスした値が表示される。
図4中の計測値平均ロール径は、図3中の半径計測値一覧表の全ての数値の平均値を2倍した値が表示され、これは、ロールの元径として扱われる。なお、計測値平均ロール径として、図3中の計測半径最大値と計測半径最小値との加算値を表示しても良い。
図4中の計測半径最大値と計測半径最小値は、図3中の半径計測値一覧表中の最大値と最小値が表示される。
図4中の端面メッキ厚は、図3中のB−Aの引算値が表示される。
図4中の端面削り代は、図4中の端面メッキ厚の値から図2中の端面加工後メッキ厚さを引いた値が算出され表示される。
図4中の加工後ロール径は、計測半径最小値の2倍の値から最小削り代の2倍の値を差し引いた値が表示される。
図4中の加工後ロール円周長さは、加工後ロール径×πの値が表示され、この表示により、製版デザイン寸法の大きさを認識できる。
図4中の許容偏差は、図4に示す測定結果表示シートの画面に切替え表示された当初より図4中の許容偏心量の2倍の値が自動入力されるようになっている。
図4中の偏差は、図3中の計測半径最大値から計測半径最小値を引き算した値が表示される。
図4中の最小削り代は、図2中の最小削り代の値が表示される。
図4中の最大削り代は、図4中の偏差と最小削り代をプラスした値が表示される。
図4中の許容削り代は、図2中の硫酸銅メッキの厚さから加工後硫酸銅メッキの厚さを差し引いた値が表示される。
【0023】
ここで、図5を参照して、ロール断面における計測結果の寸法の関連性について説明する。
いかなるロールも、一端から他端まで真円でかつ同一径であるものは存在しない。通常は、外径円の中心とチャックされるロールの回転中心とは偏心している。許容偏心量は約30μmであり、従って、許容偏差60μmである。計測の結果、計測半径最大値Rmaxと計測半径最小値Rminiとの偏差が許容偏差60μmよりも大きいときは、動的アンバランスを大きく生じて、レーザー製版の画像焼付けや印刷に悪影響を及ぼすことになる不良なロールとして取り扱って差し支えない。
なお、計測半径最大値Rmaxと計測半径最小値Rminiとは同一断面における値とは限らないので、計測半径最大値Rmaxと計測半径最小値Rminiとの加算値は、図4中の計測値平均ロール径と同一ではないが略等しい値として扱っても差し支えない。
面積が最大のセルは深さも最大である。これは、エッチングされたセルも彫刻されたセルも同じである。クロムメッキされた状態でのセルの最大深さは25μm位である。
セルを削り取るには、最小削り代をセルの最大深さよりも大きい値にする必要がある。図5では最小削り代を48μmとしている。
セルを削り取るために、計測半径最小値Rminiのポイントにおける削り代が最小となるように落版円筒加工を行なうとすると、計測半径最大値Rmaxのポイントにおける削り代が最大となり、該最大削り代は最小削り代と偏差との加算値になる。
落版前の硫酸銅メッキの厚さはロールによって異なり通常100〜200μmの範囲にある。
計測半径最大値Rmaxのポイントにおける落版円筒加工(落版加工)後の硫酸銅メッキの最小メッキ厚は例えば20μmは残したい。そうすると、計測半径最大値Rmaxのポイントにおける硫酸銅メッキの削り代は、落版前の硫酸銅メッキの厚さを100μmとするときは最大80μmであり、落版前の硫酸銅メッキの厚さを130μmとするときは最大110μmであるが、これらの値は決して大きいものではない。
なぜならば、最大削り代は最小削り代と偏差との加算値であり、仮に、最小削り代を例えば48μm、偏心量を30μmとすると、最大削り代は、48μm+60μm=108μmmになり、落版前の硫酸銅メッキの厚さが100μmであるときは計測半径最大値Rmaxの側でロール母材が完全に露出してしまい、又、落版前の硫酸銅メッキの厚さが130μmであるときは計測半径最大値Rmaxの側でロール母材がかろうじて露出しないことになり、又、最小削り代を例えば48μm、偏心量を25μmとすると、最大削り代は、48μm+50μm=98μmmになり、落版前の硫酸銅メッキの厚さが100μmであるときは計測半径最大値Rmaxの側でロール母材がかろうじて露出しないことになる。
上記の試算から、落版前の硫酸銅メッキの厚さが130μmであるときは許容偏心量を30μmとして入力すること、又、落版前の硫酸銅メッキの厚さが100μmであるときは許容偏心量を25μmとして入力することが一つの目安となる。
なお、セルの深さを20μm未満に浅版化して最大削り代を35μmにすれば、許容偏心量をさらに大きくできる計算にはなるが、そうすると、動的バランスがますます悪くなるとともに、振れ回りの度合いが大きくなりレーザー製版の画像焼付けや印刷に悪影響を及ぼすことになるので、この観点から制限する必要がある。
【0024】
そこで、NC旋盤のコンピューター(図示しない)は、計測の結果として、図4中の偏差を例えば62μmと表示して許容偏差の60μmを上回ったときは、中止のボタンが点灯し加工プログラムにはステップしないように構成されているものとする。
又、NC旋盤のコンピューター(図示しない)は、図4中の最大削り代の値が許容削り代の値を上回ったときは、露出警告の表示を点滅し加工プログラムにはステップしないように構成されているものとする。
そして、露出加工が行なわれても良いと判断して落版円筒加工を行ないたい場合には、図4中の加工命令のボタンをオンにする。すると、加工命令のボタンが点灯しかつ加工中のボタンが点滅し加工プログラムにステップするように構成されているものとする。
又、露出加工が行なわれてはいけない取り扱いとする場合には、図4中の中止のボタンをオンにする。すると、中止のボタンが点灯する。ロールのチャック解除は別のプログラム又はマニュアル操作により行なうように構成されているものとする。
最大削り代の値が許容削り代の値を上回ったとき、直ちには露出加工が実際に行なわれるとは限らない。なぜならば、最小削り代の値を例えば20μmにして露出加工にならないように安全を見ているからである。そこで、最小削り代の値を変更して計測結果の数値と合わせて再計算させたいときには、最小削り代を変更のボタンをオンにする。すると、最大削り代について再計算が行なわれ、最計算された最大削り代の値が図2の硫酸銅メッキの厚さよりも大きくなるか、否かを比較して、落版許容削り代の値を上回ったとき、露出加工にはならないか、否かを確認したいときには、最大削り代の値の方が大きくなるときには、露出警告のボタンを消灯して加工命令のボタンを点滅するように構成されているものとする。そして、加工命令のボタンをオンにすると点滅から点灯に切り替わり、加工中のボタンが点滅するように構成されているものとする。
【0025】
加工は、ロールの一端面の切削加工から行ない、ロール端に半径5mm位の丸みを付けて、計測半径最小値の側で48μmの削りとなるように一端から他端まで円筒切削加工が行なわれ、ロール他端に半径5mm位の丸みを付けて、最後に、ロールの他端面の切削加工から行なって終了する。チャック解除は自動的に行なわれても良いし、マニュアル操作により行なわれても良い。
【0026】
図6は、計測結果と、計測後の落版円筒加工と、硫酸銅メッキの肉盛りと、セルの形成と、耐刷力を付けるクロムメッキの関係を示す模式的なロール直径を通る断面図である。
(a)は計測結果に基づいた落版前のロール直径を通る断面の関係寸法を示す。
138μmの値は図2の画面中に入力した値であり、クロムメッキの厚さ8μmと硫酸銅メッキの厚さ130μmの合計値である。図2中の許容偏心量に30μm、硫酸銅メッキの厚さ130μm等を入力し、計測結果の計測半径最大値Rmaxと計測半径最小値Rminiの偏差の半分が30μmであったと仮定している。図4に示す画面で許容偏差(許容偏心量の2倍)と偏差(計測半径最大値と計測半径最小値との差)をチェックするようになっている。
この例では、ぎりぎりであるが、廃ロールとしないでリサイクル加工するものであり、直径変化を(b)〜(e)に示す。
(b)は図2の画面中の最小削り代に48μmを入力して落版円筒加工した後のロール直径を通る断面の関係寸法を示す。
クロムメッキを含め最大削り代は48μm+60μm=108μmとなる。落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの実最小厚さが、図4に示す落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの許容最小厚さ(図2の画面中で20μmに入力)を下回らないかを計測後落版円筒加工前にプログラムがチェックする。この例では、落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの実最小厚さは138μm−108μm=30μmとなり、許容最小厚さの20μmを上回る。
このように、偏心していて落版円筒加工が行なわれ計測半径最大値の側が大きく削ることは動的バランスを改善することになる。
(c)は硫酸銅メッキの肉盛りを80μm付けた状態を示すロール直径を通る断面の関係寸法を示す。
(d)は仕上げ研磨砥石により半径で10μm小さくなるように仕上げ研磨してからエッチング法或いは彫刻法によりセルを形成した状態を示すロール直径を通る断面の関係寸法を示す。
(e)はクロムメッキを8μm付けた状態を示すロール直径を通る断面の関係寸法を示す。クロムメッキ後の直径は、落版研磨前の直径に略等しくなる。
次回のリサイクル製版のときには、偏心量が小さくなる。
【0027】
ロール端面の切削加工は、図2の画面中に示す加工端面に残る硫酸銅メッキの厚さを例えば60μmと入力しておくと、図3の画面中に示すBとCの数値に基づいて、60μmメッキが残るように端面加工が行なわれる。図6において、(c)に示すように80μmの硫酸銅メッキが行なわれると、端面における硫酸銅メッキの厚さを電流集中の関係から80μm以上の肉盛りになり、140μmm以上に回復する。図6において、(d)に示すように10μmの仕上げ研磨のときには端面研磨は行なわない。
【0028】
直版タイプグラビア印刷ロールのリサイクル製版の落版工程に、砥石研磨に替えてNC旋盤による落版円筒加工を採用する場合、及び、従来通りにNC旋盤によるオーバーホールの落版円筒加工に採用する場合のいずれにも適用できる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に記載の使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法によれば、
NC旋盤に使用済み直版タイプグラビア印刷ロールを取付けてロールの概ねの数値及びニッケルメッキの厚みやセルの深さや最小削り代等をデータ入力すると、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブで精密なロール計測を行なうことができて、さらに計測結果と入力値とからにより必要な計算が行なわれて、許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、ロール母材が露出しない落版円筒加工に自動的に移行することができ、最大削り代又は偏心量が大き過ぎて円筒加工を行なうとロール母材が露出する惧れがあるときには加工を自動的には実行しないようになっており、もって、計測数値から落版円筒加工に入るべきか否かの判断を人為的に行なう必要がなく、判断に人為的な誤りが生じる余地を排除することができる。
請求項2に記載の使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法によれば、
NC旋盤に使用済み直版タイプグラビア印刷ロールを取付けてロールの概ねの数値及びニッケルメッキの厚みやセルの深さや最小削り代等をデータ入力すると、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブで精密なロール計測を行なうことができて、さらに計測結果と入力値とからにより必要な計算が行なわれて、許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、ロール母材が露出しない適正な落版円筒加工となることをディスプレイで確認でき、又、計測の後に加工に自動的に移行するか否かをボタン選択することができ、ロール端面の母材面から一定の厚さの硫酸銅メッキが残るように端面加工とロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、最大削り代又は偏心量が大き過ぎて落版円筒加工を行なうとロール母材が露出する惧れがあるときには加工を自動的には実行しないで警告等を表示するようになっており、もって、計測数値から落版円筒加工に入るべきか否かの判断を人為的に行なう必要がなく、判断に人為的な誤りが生じる余地を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法に係るNC旋盤の正面図である。
【図2】NC旋盤に付設されるディスプレイに選択表示されるデータ入力シートの画面を示す。
【図3】NC旋盤に付設されるディスプレイに選択表示される被製版ロールの測定ポイント及び測定数値の画面を示す。
【図4】NC旋盤に付設されるディスプレイに選択表示される測定結果数値一覧を示す画面を示す。
【図5】ロール断面における計測結果の寸法の関連性を説明するための図を示す。
【図6】計測結果と、計測後の落版円筒加工と、硫酸銅メッキの肉盛りと、セルの形成と、耐刷力を付けるクロムメッキの関係を示す模式的なロール直径を通る断面図を示す。
【符号の簡単な説明】
1・・・主軸に設けられた円錐チャックコーン、2・・・フリー回転軸に円錐チャックコーン、3・・・回転駆動手段、4・・・ブラケット、R・・・被製版ロール、5・・・複式移動台、6・・・タレット式の刃物台、7a,7b,7c,7d,・・・切削刃物、8・・・接触式プローブ、9・・・ディスプレイ、10・・・入力装置、
Claims (2)
- NC旋盤の対向一対の円錐チャックコーンに使用済み直版タイプグラビア印刷ロールである被製版ロールの両端面の被チャック孔を嵌合させて該被製版ロールを両端チャックし、NC旋盤に付設された入力装置から、予め計測したロールの長さと外径と被チャック孔の径の概ねの値、並びに少なくとも最少削り代と落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚の一方の入力を行なってから計測を開始し、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブをロールに多点タッチさせて半径を計測し、計測結果から、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差の半分の値である偏心量が許容偏心量よりも小さいときには加工プログラムに移行してロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、又、許容削り代が最大削り代よりも小さいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、直ちには加工プログラムに移行しないようになっていることを特徴とする使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法。
- NC旋盤の対向一対の円錐チャックコーンに使用済み直版タイプグラビア印刷ロールである被製版ロールの両端面の被チャック孔を嵌合させて該被製版ロールを両端チャックし、NC旋盤に付設された入力装置から、予め計測したロールの長さと外径と被チャック孔の径の概ねの値、並びに少なくとも最少削り代と落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚の一方の入力を行なってから計測を開始し、NC旋盤のタレット式の複式刃物台に装備した計測用のプローブをロールの周面方向及び母線方向に異なる多数の点にタッチさせて各点の半径を計測するとともにロール端面のメッキ厚さを計測し、計測結果から、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として算出し、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代を算出し落版円筒加工後の直径値及び/又は円周長さを予め計算し、これら計測値と計算値を入力装置からの入力データと併せてディスプレイに表示し、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差に前記最少削り代を加算した値を最大削り代として、硫酸銅メッキの厚み寸法から落版円筒加工後に残る硫酸銅メッキの厚み寸法である加工後メッキ厚を差し引いた値である許容削り代が最大削り代よりも大きいとき、及び/又は、計測半径最大値と計測半径最小値との偏差の半分の値である偏心量が許容偏心量よりも小さいときに自動的に加工プログラムに移行する加工自動移行の選択ボタンと、許容削り代が最大削り代よりも大きいか、又は小さいかを作業者がディスプレイの表示を見て判別してから落版円筒加工を実行する加工命令の選択ボタンのいずれかをオンするようになっていて、加工自動移行の選択ボタンをオンしておいて最大削り代が許容削り代よりも小さいとき及び加工命令の選択ボタンをオンしないでディスプレイの表示を見て加工するか、否かを判別して加工命令の選択ボタンをオンしたときに加工プログラムに移行して、ロール端面の母材面から一定の厚さの硫酸銅メッキが残るように端面加工とロール面の計測半径最小値のポイントを最少削り代で削り取るように落版円筒加工を自動的に実行していき、又、許容削り代が最大削り代よりも小さいとき、及び/又は、偏心量が許容偏心量よりも小さいときには、何らかの警告若しくは加工プログラムに移行しない通知を発するようになっていることを特徴とする使用済み直版タイプグラビア印刷ロールの落版のためのNC旋盤による計測・落版円筒加工方法。
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