JP3953659B2 - グラビア製版方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、再利用の被製版ロールに対して、バラードメッキを行わず、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを製作するグラビア製版方法に関し、特に、補正研磨が高い精度で短時間に行えるとともに落版研磨用も短時間に行えて、三種類の研磨砥石を揃えて砥石交換を二回行えば各研磨工程における必要十分な研磨精度が得られ、研磨作業の単純化、研磨時間の大幅な短縮化が実現でき、バフによらず砥石研磨による鏡面研磨を実現して全製版工程の完全自動化、製版時間の短縮化を実現できる、グラビア製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、再利用の被製版ロールに対して、バラードメッキを行わず、脱クロム処理−落版研磨−版深形成メッキ(銅メッキ)−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを製作するグラビア製版方法は、全自動化は実現していないが行われている。
【0003】
以下、具体的な一例を工程順に説明する。
1)脱クロム処理
使用済みの印刷ロールである被製版ロールを脱クロム槽の塩酸溶液中に浸漬してロール表面のクロムメッキを溶解する。
2)落版研磨
砥石研磨装置で、220番の研磨砥石により被製版ロールを数往復円筒研磨して既存のセルを除去し、次いで、400番の研磨砥石に切り換えて円筒研磨して表面粗さを細かくし、さらに、600番の研磨砥石に切り換えて円筒研磨してメッキ形成に適正な表面粗さにする。
3)版深形成メッキ
落版によりロール径が縮径するので、仕上げ研磨代を含めてメッキの膜厚が40μmになるように電気銅メッキする。
4)円筒研磨
砥石研磨装置で、600番の研磨砥石により被製版ロールを一往復円筒研磨し、次いで、800番〜1000番の研磨砥石により被製版ロールを円筒研磨し、次いで、1500番〜2000番の研磨砥石により被製版ロールを円筒研磨し、さらに、3000番〜3500番の研磨砥石に切り換えて円筒研磨して表面粗さを細かくする。
5)鏡面研磨
バフ研磨装置で、バフにより円筒研磨の表面粗さの凹凸を磨滅させて鏡面にする。
6)セルの形成
食刻法によるセルの形成は、被製版ロールに感光膜をコートし、レーザ露光装置で画像を焼き付けてから現像し塩化第二銅液でエッチングする。その後、レジストを剥離する。
彫刻法によるセルの形成は、電子彫刻機(ヘリオリッショグラフ)により被製版ロールにセルを彫刻する。
7)クロムメッキ
銅メッキでは軟らかいので耐刷力がないから、印刷枚数が多いものは、耐刷力を付与するために硬質クロムメッキする。被製版ロールをカセット形ロールチャック装置でチャックしてクロムメッキ槽のクロムメッキ液中に浸漬して電気クロムメッキする。メッキによる直径寸法増は、約12〜14μm。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の製版工程は、落版研磨と円筒研磨と鏡面研磨がオフラインになっており、全自動化が実現していなかった。
落版研磨と円筒研磨がオフラインとなっている理由は、高い円筒精度を得るために研磨の後に人為的計測による仕上げ精度の確認が必要であり、かつ熟練が必要であったためである。円筒精度が悪い被製版ロールは、圧胴との当たりが不均一で印刷が悪い原因になる。
高い円筒精度を得るには、極めて高い円筒精度を有する砥石研磨装置を使用しかつ研磨砥石の表面が漸次に崩壊していく分について補正をかけて極めて微小な研磨代となるように円筒研磨を行うことを何回も反復して被製版ロールの中程と両端部の直径の差を解消していく必要があった。そして、円筒研磨後は被製版ロールを取外し測定器に載置して円筒精度を測定する必要があり、もしも、円筒精度が出ていないときは、被製版ロールを再び精密円筒研磨して再び円筒精度を測定することを反復していたので、大変煩雑であるとともに時間がかかっていた。また、円筒研磨を反復すると、被製版ロールの直径が小さくなり過ぎる惧れがあった。
また、円筒研磨する前の被製版ロールの円筒精度が低い場合、補正をかけた円筒研磨を行っても円筒精度が高くなるとは限らない。落版を繰り返すと絵柄が多い部分が大きく研磨されることにより被製版ロールの断面が真円でなくなりいびつになり、再利用に適さなくなり、被製版ロールを廃棄するか、オフラインの旋盤で真円に加工し直す必要がある。
鏡面研磨がオフラインとなっている理由は、鏡面研磨がバフ研磨であるので、塵埃対策が必要であること、油脂を除去する必要があること、バフ研磨による熱の除去対策が必要であること、鏡面研磨に要する時間も長く、かつ熟練が必要であること、システム構築はバラード法に比べて高価になること等が挙げられる。
【0005】
本願発明は、再利用の被製版ロールに対して、バラードメッキを行わず、再利用の被製版ロールに対して、バラードメッキを行わず、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを製作するグラビア製版方法に関し、特に、補正研磨が高い精度で短時間に行えるとともに落版研磨用も短時間に行えて、三種類の研磨砥石を揃えて砥石交換を二回行えば各研磨工程における必要十分な研磨精度が得られ、研磨作業の単純化、研磨時間の大幅な短縮化が実現でき、バフによらず砥石研磨による鏡面研磨を実現して全製版工程の完全自動化、製版時間の短縮化を実現できる、グラビア製版方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願第一の発明は、被製版ロールに対して、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを再製作するグラビア製版方法であって、
前記ロール直径計測は、
被製版ロールの一端から他端まで一定ピッチ毎に直径を計測する構成であり、
前記補正研磨は、
駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨前最小直径値よりも大きい直径部分を補正研磨代として研磨圧力を一定に保って研磨回数を比例させて研磨することにより、円筒体の全長を研磨前最小直径値に等しい均一径に研磨する構成であり、
前記鏡面研磨は、
駆動回転されるPVA製研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を研磨してから、PVA製研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転にPVA製研磨砥石を連れ回りさせて鏡面研磨する、
ことを特徴とするグラビア製版方法を提供するものである。
【0007】
本願第二の発明は、被製版ロールに対して、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを再製作するグラビア製版方法であって、
前記ロール直径計測は、
被製版ロールの一端から他端まで一定ピッチ毎に直径を計測する構成であり、
前記補正研磨は、
駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨前最小直径値よりも大きい直径部分を補正研磨代として研磨圧力を一定に保って研磨回数を比例させて研磨することにより、円筒体の全長を研磨前最小直径値に等しい均一径に研磨する構成であり、
前記落版研磨は、
引続き、駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を往復研磨し既存のセルが除去し、次いで研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転に研磨砥石を連れ回りさせて、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせて研磨する構成であり、
前記円筒研磨は、
前記落版研磨に使用した研磨砥石よりも細かい研磨砥石を使用し、駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を往復研磨して版深形成メッキのメッキ時表面を消失してから、研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転に研磨砥石を連れ回りさせて、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせて研磨する構成であり、
前記鏡面研磨は、
駆動回転されるPVA製研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を研磨してから、PVA製研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転にPVA製研磨砥石を連れ回りさせて鏡面研磨する、
ことを特徴とするグラビア製版方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
先ず、図1に示すグラビア製版工場の機器の概略配置図、及び図2に示す工程図を参照して本願発明のグラビア製版方法の概略を説明する。
図1において、A室の走行形の産業用ロボット1のハンドリングエリアに、ロール計測装置2、砥石研磨装置3、感光膜塗布装置4、レーザ露光装置5、ロールストック棚6、ロール退出装置7が配設され、またB室の天井走行するスタッカクレーン8の走行エリアに、ロール受渡し台9、脱クロム装置10、銅メッキ装置11、現像装置12、腐食装置13、レジスト剥離装置14、クロムメッキ装置15、必要数のカセット形ロールチャック装置用ストック装置16が配列されている。なお、カセット形ロールチャック装置Kの構成・作用、カセット形ロールチャック装置Kをスタッカクレーン8で搬送して装置に載置してメッキ等を行うシステムについては、周知であり説明を省略する。詳しくは、特公昭57−36995号公報を参照されたい。これらの配列は、適宜に変更して設備される。
【0009】
続いて、図1に示すグラビア製版工場において被製版ロールの移送と処理がどのように行われるかを、図2に示す工程図を参照して説明する。
図1において、扉2aを開いてロール計測装置2に人為的に被製版ロールWを取りつけ、最初にロールの偏心量の計測と、被製版ロールをハンドリングするためのハンドリングデータを得るための計測を行う。次いで、産業用ロボット1がロール計測装置2にある被製版ロールWをB室のロール受渡し台9に載置する。すると、スタッカクレーン8により搬送されるカセット形ロールチャック装置Kがロール受渡し台9上の被製版ロールをチャックし、カセット形ロールチャック装置Kが被製版ロールをチャックしたまま脱クロム装置10に載置され脱クロム処理が行われる。次いで、カセット形ロールチャック装置Kが被製版ロールをロール受渡し台9に受け渡すと、産業用ロボット1が被製版ロールを砥石研磨装置3に受け渡し、測定直径値よりも大きな部分のみを研磨代としてランダムな補正研磨が行われロールのどの位置でも等しい直径値となる。引続き、ロール全長を往復する通常の研磨を行って既存のセルを除去し、そして、研磨砥石を回転フリーにして被製版ロールに摺接して連れ回り回転研磨を行う、落版研磨が行われる。次いで、産業用ロボット1が被製版ロールをロール受渡し台9に受け渡すと、スタッカクレーン8により搬送されるカセット形ロールチャック装置Kが被製版ロールをチャックし、該カセット形ロールチャック装置Kが銅メッキ装置11に載置され電気銅メッキ(版深形成メッキ)が行われる。次いで、カセット形ロールチャック装置Kが被製版ロールをロール受渡し台9に受け渡すと、産業用ロボット1が被製版ロールを砥石研磨装置3に再び受け渡し、約二倍以上細かい研磨砥石によって、ロール全長を往復する通常の研磨を行い、そして、研磨砥石を回転フリーにして被製版ロールに摺接して連れ回り回転研磨を行う円筒研磨が行われる。引き続いて、PVA製研磨砥石に替えて、ロール全長を往復する通常の研磨による仕上げ研磨を行い、そして、研磨砥石を回転フリーにして被製版ロールに摺接して連れ回り回転研磨を行う鏡面研磨が行われる。次いで、産業用ロボット1が被製版ロールを感光膜塗布装置4に受け渡し、感光膜塗布が行われる。次いで、産業用ロボット1が被製版ロールをレーザ露光装置5に受け渡し、レーザ露光が行われる。次いで、産業用ロボット1が被製版ロールをロール受渡し台9に受け渡すと、スタッカクレーン8により搬送されるカセット形ロールチャック装置Kが被製版ロールをチャックし、該カセット形ロールチャック装置Kが現像装置12に載置され現像が行われる。次いで、カセット形ロールチャック装置Kが腐食装置13に移載され被製版ロールに対して腐食が行われ版面にセルが形成される。次いで、カセット形ロールチャック装置Kがレジスト剥離装置14に移載され被製版ロールに対してレジスト剥離が行われる。次いで、カセット形ロールチャック装置Kがクロムメッキ装置15に移載されクロムメッキが行われる。次いで、スタッカクレーン8がカセット形ロールチャック装置Kをロール受渡し台9に載置すると、産業用ロボット1が被製版ロールを砥石研磨装置3に受け渡し、クロムメッキのバリ取りが行われ製版が完了する。次いで、産業用ロボット1が被製版ロールをロール退出装置7に受け渡し、被製版ロールを製版工場から退出される。
夜間には、無人で製版が行われる。ロールストック棚6には、ロール計測装置2により計測を終えた被製版ロール、及び製版を完了したロールがストックされる。
【0010】
続いて、本願発明の実施の形態にかかるグラビア製版方法を、図3ないし図11を参照してさらに詳述する。
<第一工程=ロールの偏心量の計測>
図3に示すように、使用済みの印刷ロールである被製版ロールWをロール計測機の下側のチャックコーン17aに嵌合し、上側のチャックコーン17bを下降してチャックし高速回転して、上下のスピンドルに係るラジアル方向の負荷の変動を加速度センサ又は圧力センサにより測定する。
偏心量が大きいほど、センサの測定数値が大きくなり、断面が真円でなく偏平度が大きくなると考えられる。
偏心量が大き過ぎて再利用しない被製版ロールは、オフラインにて旋盤で精密に研磨された後、銅メッキ工程より再利用される。ロールの偏心量を計測する工程は、脱クロム処理の後でも良いが、第三工程の計測が無駄になり、ハンドリングの効率性が悪くなるので、第一工程とするのが好ましい。
【0011】
<第二工程=ロールのハンドリングデータ計測>
図3に示すように、使用済みの印刷ロールである被製版ロールWをチャックコーン17a、チャックコーン17bにより両端チャックする際、上側のチャックコーン17bの下降ストロークを計測することにより、チャックコーン17bの円錐角に基づいてロール端面のテーパ孔径(=C×tanα°/2)、ロール長さ(L=K+2C−S)を算出する。次いで、図4に示すように、昇降ブラケット18を被製版ロールWの下端まで上昇し、昇降ブラケット18に取付けたレーザ発光器19a,19bとレーザ受光器20a,20bとで概略のロール直径を計測する。
ロール径、ロール端面のテーパ孔径、ロール長さを計測するのは、産業用ロボットハンド、カセット形ロールチャック装置、砥石研磨装置、レーザ露光装置、その他の装置等におけるロールの受渡しやチャック等に利用するためのハンドリングデータを得るためである。
【0012】
<第三工程=ロール直径の多点計測>
ロール直径の多点計測は、第五工程の補正研磨において精密な円筒研磨を行うためのロール直径計測である。図3に示すように、被製版ロールWをロール計測機のチャックコーン17a,17bにより両端チャックしたまま、図4に示すように、昇降ブラケット18を上昇していき、レーザ発光器19a,19bとレーザ受光器20a,20bとで被製版ロールWの下端から上端まで一定ピッチ毎にロール直径を計測する。
ロール直径の計測の原理は、レーザ発光器(例えば、半導体レーザと反射ミラーとで構成される)19a及び19bからレーザ光をそれぞれに対向するレーザ受光器(例えば、リニアCCDで構成される)20a、20bに放射して、被製版ロールWによってレーザ光が遮られ、レーザ受光器20aのレーザ光を受光しなかった受光エレメントのエリアa2 を算出するとともに、レーザ受光器20bのレーザ光を受光しなかった受光エレメントのエリアa3 を算出して、レーザ受光器20aと20bの受光エレメントの離間距離a1 と、エリアa2 、a3 を加算して被製版ロールWの直径を算出する。
図3に示す数値は、被製版ロールWの下端から10mm上昇した位置の直径を計測し、次いで30mm上昇する毎に直径を計測した結果を示す。測定直径値は、小数点第三位まで計測した補正前の数値である。
なお、この計測は、脱クロム処理の後の工程としても良いが、ハンドリングの効率性が悪くなるので、この実施の形態では脱クロム処理の前に行うこととした。
【0013】
<第四工程=脱クロム処理>
使用済みの印刷ロールである被製版ロールをカセット形ロールチャック装置でチャックして脱クロム槽の塩酸溶液中に浸漬してロール表面のクロムメッキを溶解する。脱クロム処理による直径寸法減は、直径で約12〜15μm。
脱クロム処理を行うのは、次工程の落版研磨を容易にするためと、クロム回収を容易にするためである。
第一工程のロールの偏心量の計測において、偏心量が大きい過ぎて再利用しない被製版ロールは、脱クロム処理の後にオフラインにて旋盤で精密に研磨された後、銅メッキ工程より再利用される。
中には、印刷枚数が500枚位であるため、クロムメッキをしていない被製版ロールが存在する。本願発明は、クロムメッキをしていない被製版ロールにあっては、当然に脱クロムの工程は省略される。
【0014】
<第五工程=補正研磨>
先に、砥石研磨装置の構成を説明する。
図5は砥石研磨装置の要部正面図である。被製版ロールWは、図示しないモータにより回転されるチャックコーン21aと図示しない直動装置のブラケットに枢支されたチャックコーン21bにより両端チャックされ回転される。
符号22a,22bはXテーブルでありX方向(被製版ロールWの円筒面に平行)に移動自在である。符号23a,23bはX−Yテーブルであり、Xテーブル22a又は22bに設けられていて一体にX方向に移動自在であるとともにXテーブル22a又は22bに取り付けられたY方向移動装置24a,24bによりY方向(被製版ロールWの円筒軸と直角方向)に移動自在である。符号25a,25bは研磨ヘッドテーブルでありX−Yテーブル23a又は23bに設けられたシリンダ装置26a,26bのピストンによってY方向に移動自在である。符号27a,28aはいずれも320番の炭化珪素製の研磨砥石であり、符号27bは800番の炭化珪素製の研磨砥石であり、符号28bは6000番のPVA製研磨砥石である。なお、PVA製研磨砥石は、通称、スポンジ砥石という。炭化珪素に接着剤としてPVA(ポリビニールアルコール)とフェノールを添加し焼結してなる。
研磨砥石27aと27b、及び研磨砥石28aと28bは、タレット構造であり、研磨ヘッドテーブル25a,25bに設けられたウオームホイール30a又は30bと噛合するウオーム31a又は31bをモータ32a又は32bにより駆動回転することにより、旋回されて被製版ロールWに対向する研磨位置と反対側の非研磨位置とに切替えられる。被製版ロールWに対向する研磨砥石は、研磨ヘッドテーブル25a,25bに設けられたモータ29a又は29bにより駆動回転される。図示しないコントローラは、シリンダ装置26a,26bに付設されている図示しない圧力センサの信号を入力することにより、研磨砥石27を被製版ロールWに押圧する研磨圧力がコントローラに指示した研磨データに一致するようにシリンダ圧力を自由に調整する。
従って、この円筒研磨装置は、研磨砥石27a又は27bを被製版ロールWに近接してから被製版ロールWを回転しシリンダ装置26a,26a又は26b,26bを伸長作動すると、研磨砥石27a、27b、28a、又は28bを被製版ロールWに密着して一定圧力で研磨することができ、Xテーブル22a又は22bを移動して円筒研磨を行う。
補正研磨は、図5に示すように、チャックコーン21a,21bにより被製版ロールWを両端チャックして回転し、Y方向移動装置24aを移動して320番の炭化珪素製の研磨砥石27aの端面を被製版ロールWに近接し、次いでシリンダ装置26aのピストンを伸長作動して研磨砥石27aの端面を被製版ロールWに押圧し潤滑液をかけ研磨圧力を一定に保って、該研磨砥石27aを図6に示すように補正後の最小直径値よりも大きい部分のみをランダムに移動して必要最小限度の円筒研磨を行って、ロール全長を研磨前最小直径値に等しい均一径に研磨する。
この補正研磨にあたっては、図3に示すように、小数点第三位まで測定した各区間の測定寸法値の小数点第三位(最小位)を四捨五入して、図6(a)に示す小数点第二位までとした補正後直径値とする一方、一往復研磨により被製版ロールWの直径を10ミクロン小さく研磨できるように、研磨圧力を調整して一回の研磨代を例えば2.5ミクロンとする。従って、一往復研磨により、被製版ロールWの直径を10ミクロン小さく研磨できる。
このようにすることにより、該補正した直径値の最小位は、補正研磨における一回の研磨代(2.5ミクロン)の四倍となる。
図6(b)は、被製版ロールの各区間の研磨前直径値をブロック積みの棒グラフで示しかつブロックを取り除く順序を矢印と番号で示すことにより研磨砥石の移動を説明するものである。符号1から符号18は、研磨砥石の移動順序を表すもので、一定の規則がある。符号1から符号16に示す移動順序で研磨することにより研磨前最小直径値に等しく研磨できる。
すなわち、各区間の研磨代部分が連続して存在するときは、その連続する区間を研磨圧力を一定に保って往復研磨し、該往復研磨を少なくとも一回行ってなお存在する研磨代部分が離れるときは、既に研磨前最小直径値に研磨した区間を重複しないように研磨圧力を加えないで移動して研磨代部分に到達させて研磨圧力を再び一定に保って該研磨代部分を往復研磨するというものである。
理解を容易にするために、以下に、ブロックを取り除く順序の説明を通して、直径が最終的に均一になることを概念的に説明する。
ブロックが積まれたものであるならば、下段のブロックを取り除くとその上に積まれているブロックは一段下がる。実際の研磨は内部から先に行うことはできない。しかし、ある区間の研磨を最上段のブロックに対する研磨ではなく下段のブロックに対する研磨に相当するものと概念的に決めて直径を小さく研磨していく考えることができる。
しかして、研磨砥石27aを被製版ロールWに密着し一回の研磨寸法が2.5ミクロンとなるように研磨圧力を一定に保って図6(b)中の矢印に付けた符号1から符号16に示す順序で往復移動を繰り返しつつ研磨することにより、一往復研磨したブロックを取り除いていくと、被製版ロール全長を研磨前最小直径値に等しく研磨できる。
図6(b)中、左の数値は直径値であり、一目盛りは5ミクロンである。従って、一つのブロックの高さは5ミクロンある。研磨砥石の一回の研磨寸法が2.5ミクロンであるので、研磨砥石を一往復することにより一つのブロックを取り除くことができる。
研磨前最小直径値よりも大きな研磨代部分に相当するブロックは、図6(b)中の矢印に付けた符号1、2、4、6、8、10、12、14、16の順序で往復研磨を完了した順に取り除く。
従って、ブロックが研磨前直径値に比例して積まれているので、各区間の研磨前最小直径値よりも大きな研磨代部分に相当するブロックは、積まれているブロックの数だけ研磨移動を往復したときに全部取り除くことができる。
図6(b)中の例えば符号1の往復研磨を行うことで概念的に同じ段のブロックの取り除くことは、各区間の研磨代部分が連続して存在するときはその連続する区間を往復研磨することを意味している。
また、図6(b)中の例えば符号2の往復研磨を行って概念的に同じ段のブロックの取り除くように連続する区間を往復研磨すると、符号4の往復区間のブロックと符号6の往復区間のブロックとに別れる。そこで、研磨砥石は、符号3の矢印区間のブロックの符号3の方向に研磨して符号4の往復研磨を行って符号4の矢印区間のブロックを取り除き、次いで、符号5の矢印区間のブロックの符号5の方向に研磨して符号6の往復研磨を行って符号6の矢印区間のブロックを取り除くようにして、研磨砥石の研磨圧力を零にしたりさらに研磨砥石を被製版ロールから離したりしない。
すなわち、往復研磨を少なくとも一回行ってなお存在する研磨代部分が離れるときは、既に研磨前最小直径値に研磨した区間を被製版ロールの一端から他端に向かって研磨移動する。
さらに、図6(b)中の符号16の往復研磨を行うと、研磨前最小直径値よりも大きな研磨代部分がなくなるまで研磨したことになるので、引き続いて、符号17の方向に既に研磨前最小直径値に研磨した区間を研磨圧力を加えないで移動する。
以上のランダムな研磨により、被製版ロールの長さ方向のどの位置でも研磨前最小直径値に等しくなるように研磨できる。
実際の研磨は内部から先に行うことは不可能であるが、上記のブロックを取り除く順序で説明するように砥石研磨の移動を行うと、被製版ロールの直径が小さくなる状態が、あたかも下段のブロックを取り除くと上段のブロックが一段落ち、かつブロックが取り除かれる順番に対応するように概念的に把握することができ、結果として、必要最小限の砥石研磨の移動により、被製版ロールのどの位置でも研磨前最小直径値に等しくなるように補正研磨できる。
【0015】
<第六工程=落版研磨>
図7に示すように、引続き、チャックコーン21a、21bにより被製版ロールWを両端チャックして回転し、Y方向移動装置24a、24bを駆動して320番の炭化珪素製の研磨砥石27a、28aの端面を被製版ロールWの下端に近接し、次いでシリンダ装置26a,26bのピストンを伸長作動して研磨砥石27a、28aの端面を被製版ロールWの下端を押圧し潤滑液をかけ研磨圧力を一定に保って、該研磨砥石27a、28aを被製版ロールWの上端まで移動してダブル研磨する。ロール全長を片道研磨するだけでは、既存のセルを削り落とせないので、直径寸法減が45〜50μmとなるように往復研磨を行う。
この研磨は、ロール全長に対するダブル研磨であり、短時間に落版ができる。またこの研磨は、ロール全長を均一に研磨でき、前工程の補正研磨により被製版ロールの長さ方向のどの位置でも直径が同一となるように研磨されているから、この研磨の後においても、被製版ロールの長さ方向のどの位置でも直径が同一となる状態は不変である。版深は、深いセルでは15〜20μmある。従って、落版による直径寸法減は、直径で30〜40μmとなる。
この研磨を行うと、研磨砥石に移動を与える親ネジの影響を受けて、ピッチ縞が現れる。
次いで、320番の研磨砥石28aは被製版ロールWから離間させ、320番の研磨砥石27aはその回転駆動源をオフにしてフリー回転自在として被製版ロールWに押し付け、かつ押圧箇所に潤滑液をかけて被製版ロールWを回転する。すると、図10に示すように、被製版ロールWの回転に研磨砥石27aを連れ回りさせて、図11に示すように、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせ、研磨砥石を移動することにより、被製版ロールに付いた前記ピッチ縞を除去しつつ表面粗さを細かくする。このときの直径寸法減は、直径で2〜4μmとなる。
図10に示すように、被製版ロールWの回転に320番の研磨砥石27aを連れ回りさせると、粗さが500番〜600番の研磨砥石に切り換えて研磨したときに得られる細かい表面粗さが得られる。従って、320番の研磨砥石で上記の研磨を行えば、次工程の版深形成メッキを行う前の表面粗さとして要求される表面粗さが得られるから、500番〜600番の研磨砥石による研磨を省略できる。
【0016】
<第七工程=版深形成メッキ>
前記落版研磨によりロール径が縮径するので、仕上げ研磨代を含めて銅メッキする。被製版ロールをカセット形ロールチャック装置でチャックして銅メッキ槽の銅メッキ液中に浸漬して電気銅メッキする。
本願発明は、銅メッキではなくて、銅合金メッキ、ニッケルメッキ、又はニッケル合金メッキが行われる場合を含む。メッキによる直径寸法増は、落版前の直径よりも約50〜60μmとなる。
【0017】
<第八工程=円筒研磨>
第七工程の版深形成メッキを終了したら、被製版ロールをカセット形ロールチャック装置から外し、図8に示すように、チャックコーン21a、21bにより被製版ロールWを両端チャックして回転する。そして、800番の炭化珪素製の研磨砥石27bを被製版ロールWに対向させてから、Y方向移動装置24aを駆動して砥石端面を被製版ロールWの下端に近接し、次いでシリンダ装置26aのピストンを伸長作動して研磨砥石27bの端面を被製版ロールWの下端を押圧し潤滑液をかけ研磨圧力を一定に保って、該研磨砥石27bを被製版ロールWの上端まで移動する研磨を行い、版深形成メッキにより形成されたメッキ表面を除去する。なお、片道移動研磨ではメッキで形成されたメッキ表面を除去できないときは、一往復研磨する。
次いで、研磨砥石27bをその回転駆動源をオフにすることでフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールWを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけて研磨することにより、図10に示すように、被製版ロールWの回転に研磨砥石27bを連れ回りさせて、図11に示すように、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせ、研磨砥石を移動することにより、被製版ロールに付いたピッチ縞を除去しつつ表面粗さを細かくする。
図10に示すように、被製版ロールWの回転に800番の研磨砥石27bを連れ回りさせると、粗さが1500番〜1600番の研磨砥石に切り換えて研磨したときに得られる細かい表面粗さが得られる。
直径寸法減は、2〜4μmとする。
【0018】
<第九工程=鏡面研磨>
図9に示すように、6000番のPVA製研磨砥石28bを被製版ロールWに対向させてから、Y方向移動装置24bを駆動して砥石端面を被製版ロールWの下端に近接し、次いでシリンダ装置26bのピストンを伸長作動してPVA製研磨砥石28bの端面を被製版ロールWの下端を押圧し潤滑液をかけ研磨圧力を一定に保ってロール全長を片道移動又は往復移動して仕上げ研磨を行う。
この仕上げ研磨にあっては、視認できるピッチ縞は現れない。
次いで、被製版ロールWを仕上げ研磨時の回転数よりも二から三倍大きな回転数で回転しモータ29bを駆動停止してフリー回転自在としたPVA製研磨砥石28bを前記研磨圧力の二から三倍の一定圧で押圧することにより、PVA製研磨砥石28bを被製版ロールWの回転に連れ回り回転させて鏡面研磨する。
すると、図10に示すように、PVA製研磨砥石28bにおいて回転半径に比例した速度分布を得ることができ、これにより、図11に示すように、PVA製研磨砥石28aの線接触箇所において被製版ロールWに対する微小な相対速度を得て、そうして、被製版ロールWとPVA製研磨砥石28bの接触箇所に潤滑液をかけつつPVA製研磨砥石28aを一端から他端まで移動することにより被製版ロールWを鏡面研磨するものである。
6000番のPVA製研磨砥石を被製版ロールに強く押しつけて連れ回り回転させることにより微小な相対回転速度を得てこの微小な相対回転速度が被製版ロールに対して方向性がない微小な研磨効果を果すことにより研磨した銅粉がPVA製研磨砥石の目を潰すことがなく、砥石研磨により被製版ロールの鏡面研磨がが実現する。鏡面研磨は、3000番以上のPVA製研磨砥石を使用すれば、十分に実現できる。(数値限定する趣旨ではない。)
6000番のPVA製研磨砥石を駆動回転して回転駆動される被製版ロールに押しつけて移動しても、けっして鏡面研磨が実現できない。
砥石研磨により被製版ロールの鏡面研磨ができるので、バフ研磨に比べて短時間に精密な研磨ができる。砥石研磨により被製版ロールの鏡面研磨ができるので、熟練を要することなく自動研磨が実現できるから、自動化が可能になる。
直径寸法減は、2〜3μm。
【0019】
<第十工程=セルの形成>
食刻法によるセルの形成は、被製版ロールに感光膜をコートし、レーザ露光装置で画像を焼き付けてから現像し塩化第二銅液でエッチングする。
彫刻法によるセルの形成は、電子彫刻機(ヘリオリッショグラフ)により被製版ロールにセルを彫刻する。
【0020】
<第十一工程=クロムメッキ>
銅メッキでは軟らかいので耐刷力がないから、耐刷力を付与するために硬質クロムメッキする。被製版ロールをカセット形ロールチャック装置でチャックしてクロムメッキ槽のクロムメッキ液中に浸漬して電気クロムメッキする。メッキによる直径寸法増は、約12〜14μm。
【0021】
<第十二工程=バリ取り研磨>
前工程のクロムメッキを行うとセルの端にバリが生じるので、前記砥石研磨装置のPVA製研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを軽く押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転にPVA製研磨砥石を連れ回りさせて、被製版ロールとPVA製研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせ、PVA製研磨砥石を移動することにより軽微に鏡面研磨する。
【0022】
上記実施の形態では、腐食法によりセルを形成する所を説明したが、本願発明は、彫刻法によりセルを形成する場合を含む。
【0023】
【発明の効果】
本願発明のグラビア製版方法によれば、
▲1▼ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを製作する全製版工程の完全自動化、製版時間の短縮化を実現できる。
▲2▼必要最小限度の研磨代をランダムに研磨する独特の補正研磨により、短時間に高精度の円筒研磨が行える。
▲3▼研磨砥石を揃えて砥石交換を二回行えば各研磨工程における必要十分な研磨精度が得られ、研磨作業の単純化、研磨時間の大幅な短縮化が実現できる。
▲4▼落版研磨に関して、一種類の例えば320番の研磨砥石により約二倍近い研磨精度が短時間に得られ、また円筒研磨に関して、一種類の例えば800番の研磨砥石により約二倍近い研磨精度が短時間に得られ、もって全製版時間を短縮できる。
▲5▼落版研磨用の研磨砥石と、円筒研磨用の研磨砥石がそれぞれ一種類の研磨砥石を装備すれば良く、しかも、落版研磨を例えば320番の研磨砥石で研磨した後は、500番〜600番位の研磨砥石で研磨した状態に表面粗さを仕上げることができるので、次の円筒研磨は例えば800番の研磨砥石で研磨することができて、番数を細かく上げていく研磨砥石の交換が不要であり、研磨砥石の交換数を大幅に省略できるので、砥石研磨装置に関するシステムの構築が容易になる。例えば、単一ヘッドタイプの砥石研磨装置の砥石交換が一回で済む。また、ツーヘッドタイプの砥石研磨装置を採用すれば、一方のヘッドに落版研磨用の研磨砥石を、他方のヘッドに円筒研磨用の研磨砥石を装備すれば、使用ヘッドの切替えで済む。
▲6▼鏡面研磨は、研磨した銅粉が研磨砥石の目を潰すことがなく、砥石研磨により被製版ロールの鏡面研磨が良好にできる。
▲7▼バフ研磨によらないで砥石研磨により被製版ロールを鏡面研磨できる、しかも、一種類のPVA製研磨砥石により鏡面研磨ができるので、バフ研磨に比べて短時間に精密な研磨ができる他、バフによる鏡面研磨において必要としていた塵埃対策、油脂の除去、発熱対策、長時間研磨、熟練の必要、システム構築の高騰といった問題がほぼ解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のグラビア製版方法の実施するためのグラビア製版工場の製版装置の概略配置図を示す。
【図2】本願発明のグラビア製版方法の工程図を示す。
【図3】本願発明のグラビア製版方法を実施するための被製版ロールの直径計測を説明するための図。
【図4】本願発明のグラビア製版方法を実施するための被製版ロールの直径計測を行う計測装置の要部水平断面図。
【図5】本願発明のグラビア製版方法の補正研磨工程を示す砥石研磨装置の要部正面図。
【図6】本願発明のグラビア製版方法の補正研磨工程において、研磨砥石の運行方法を説明するための図。(a)は、被製版ロールを研磨砥石で研磨するに際して、被製版ロールの一定ピッチ毎の研磨前直径値を示す。(b)は、被製版ロールの各区間の研磨前直径値をブロック積みの棒グラフで示しかつブロックを取り除く順序を矢印と番号で示すことにより研磨砥石の移動を説明するための図である。
【図7】本願発明のグラビア製版方法の落版研磨工程を示す砥石研磨装置の要部正面図。
【図8】本願発明のグラビア製版方法の円筒研磨工程を示す砥石研磨装置の要部正面図。
【図9】本願発明のグラビア製版方法の鏡面研磨工程を示す砥石研磨装置の要部正面図。
【図10】砥石研磨により被製版ロールを鏡面研磨を説明するための図であって、被製版ロールに研磨砥石を接触させたときの線接触箇所の速度分布を示す図。
【図11】砥石研磨により被製版ロールを鏡面研磨を説明するための図であって、被製版ロールに研磨砥石を接触させたときの線接触箇所の中点の速度が被製版ロールの速度に等しいと見なしたときの相対速度分布を示す図。
【符号の説明】
1 ・・・産業用ロボット
2 ・・・ロール計測装置
2a ・・・扉
3 ・・・砥石研磨装置
4 ・・・感光膜塗布装置
5 ・・・レーザ露光装置
6 ・・・ロールストック棚
7 ・・・ロール退出装置
8 ・・・スタッカクレーン
9 ・・・ロール受渡し台
10 ・・・脱クロム装置
11 ・・・銅メッキ装置
12 ・・・現像装置
13 ・・・腐食装置
14 ・・・レジスト剥離装置
15 ・・・クロムメッキ装置
16 ・・・カセット形ロールチャック装置用ストック装置
K ・・・カセット形ロールチャック装置
W ・・・被製版ロール
17a,17b ・・・チャックコーン
18 ・・・昇降ブラケット
19a,19b ・・・レーザ発光器
20a,19b ・・・レーザ受光器
21a,21b ・・・チャックコーン
22a,22b ・・・Xテーブル
23a,23b ・・・X−Yテーブル
24a,24b ・・・Y方向移動装置
25a,25b ・・・研磨ヘッドテーブル
26a,26b ・・・シリンダ装置
27a ・・・320番の炭化珪素製の研磨砥石
27b ・・・800番の炭化珪素製の研磨砥石
28a ・・・320番の炭化珪素製の研磨砥石
28b ・・・6000番のPVA製研磨砥石
29a,29b ・・・モータ
30a,30b ・・・ウオームホイール
31a,31b ・・・ウオーム
32a,32b ・・・モータ
Claims (2)
- 被製版ロールに対して、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを再製作するグラビア製版方法であって、
前記ロール直径計測は、
被製版ロールの一端から他端まで一定ピッチ毎に直径を計測する構成であり、
前記補正研磨は、
駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨前最小直径値よりも大きい直径部分を補正研磨代として研磨圧力を一定に保って研磨回数を比例させて研磨することにより、円筒体の全長を研磨前最小直径値に等しい均一径に研磨する構成であり、
前記鏡面研磨は、
駆動回転されるPVA製研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を研磨してから、PVA製研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転にPVA製研磨砥石を連れ回りさせて鏡面研磨する、
ことを特徴とするグラビア製版方法。 - 被製版ロールに対して、ロール直径計測−補正研磨−落版研磨−版深形成メッキ−円筒研磨−鏡面研磨−食刻法又は彫刻法によるセルの形成−という一連の製版工程を経てグラビア製版ロールを再製作するグラビア製版方法であって、
前記ロール直径計測は、
被製版ロールの一端から他端まで一定ピッチ毎に直径を計測する構成であり、
前記補正研磨は、
駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨前最小直径値よりも大きい直径部分を補正研磨代として研磨圧力を一定に保って研磨回数を比例させて研磨することにより、円筒体の全長を研磨前最小直径値に等しい均一径に研磨する構成であり、
前記落版研磨は、
引続き、駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を往復研磨し既存のセルが除去し、次いで研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転に研磨砥石を連れ回りさせて、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせて研磨する構成であり、
前記円筒研磨は、
前記落版研磨に使用した研磨砥石よりも細かい研磨砥石を使用し、駆動回転される研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を往復研磨して版深形成メッキのメッキ時表面を消失してから、研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転に研磨砥石を連れ回りさせて、被製版ロールと研磨砥石の線接触箇所に微小な相対速度を生じさせて研磨する構成であり、
前記鏡面研磨は、
駆動回転されるPVA製研磨砥石の端面を駆動回転される被製版ロールに押圧し潤滑液をかけて研磨圧力を一定に保ってロール全長を研磨してから、PVA製研磨砥石を回転駆動源をオフにしてフリー回転自在とし、砥石端面で被製版ロールを押圧しかつ押圧箇所に潤滑液をかけつつ被製版ロールの回転にPVA製研磨砥石を連れ回りさせて鏡面研磨する、
ことを特徴とするグラビア製版方法。
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