JP2004008653A - ガイドワイヤ - Google Patents

ガイドワイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2004008653A
JP2004008653A JP2002169318A JP2002169318A JP2004008653A JP 2004008653 A JP2004008653 A JP 2004008653A JP 2002169318 A JP2002169318 A JP 2002169318A JP 2002169318 A JP2002169318 A JP 2002169318A JP 2004008653 A JP2004008653 A JP 2004008653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
distal end
guide wire
tapered portion
overlapping portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002169318A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Iwami
岩見 純
Noriyuki Tamai
玉井 則之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2002169318A priority Critical patent/JP2004008653A/ja
Publication of JP2004008653A publication Critical patent/JP2004008653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • A61M2025/09058Basic structures of guide wires
    • A61M2025/09075Basic structures of guide wires having a core without a coil possibly combined with a sheath
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • A61M2025/09133Guide wires having specific material compositions or coatings; Materials with specific mechanical behaviours, e.g. stiffness, strength to transmit torque
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/09Guide wires
    • A61M2025/09175Guide wires having specific characteristics at the distal tip

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】ガイドワイヤの先端部分において、その柔軟性が先端に向かって徐々に増大し、しなやかに湾曲することができるガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、線状の芯材2と、芯材2の外周を覆う被覆層3とで構成されている。芯材2は、外径がほぼ一定の本体部22と、その先端側に位置し、外径が先端に向かって漸減するテーパ部24と、その先端側に位置する小径部26とで構成されている。被覆層3は、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の先端側に位置し、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層32とで構成されている。第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部とは重なっており、この重なり部33は、テーパ部24上に位置している。重なり部33では、第1樹脂層31の厚さが先端に向かって漸減し、第2樹脂層32の厚さが先端に向かって漸増している。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドワイヤに関し、特に、内視鏡を経由して生体内に挿入されるガイドワイヤ(経内視鏡用ガイドワイヤ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
消化管、血管等の生体管腔にカテーテルを挿入する際には、当該カテーテルを生体管腔の目的部位まで誘導するために、ガイドワイヤが用いられる。このガイドワイヤは、カテーテル内に挿通して用いられる。
【0003】
近年では、内視鏡を用いた生体管腔等の観察や処置も行なわれ、この内視鏡や内視鏡のルーメンに挿入されたカテーテルを生体管腔等の目的部位まで誘導するのにもガイドワイヤが用いられる。
【0004】
このガイドワイヤは、金属製の線材よりなる芯材の外表面を樹脂製の被覆層で被覆してなる構成のもので、被覆層の表面には、ガイドワイヤの挿入深さ等を知るためのマーカが設けられている。
【0005】
ところで、一般に、ガイドワイヤは、生体への安全性を考慮して、その先端部が基端側に比べて柔軟性に富むものであることが好ましい。そのため、前記のガイドワイヤでは、芯材の先端部分に、その外径が先端に向かって漸減する(いわゆる、先細り形状をなす)テーパ部が設けられ、このテーパ部において芯材自体の柔軟性が先端に向かって増大することによりガイドワイヤの先端部分の柔軟性を増すような構成が提案されている。
【0006】
しかしながら、芯材がこのようなテーパ部を有する場合でも、芯材は、その全長にわたって一種類の樹脂材料よりなる被覆層により被覆されているため、ガイドワイヤ全体でみると、先端に向かっての柔軟性の増大率が不十分である場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガイドワイヤの先端部分において、その柔軟性が先端に向かって徐々に増大し、しなやかに湾曲することができるガイドワイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。また、下記(11)〜(18)であるのが好ましい。
【0009】
(1) 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置し、前記第1樹脂層の構成材料より柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層とを有する被覆層とを有し、
前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっており、この重なり部の少なくとも一部が前記テーパ部上に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
【0010】
(2) 前記重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって漸減し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって漸増する上記(1)に記載のガイドワイヤ。
【0011】
(3) 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端付近に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
【0012】
(4) 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より先端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
【0013】
(5) 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より基端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
【0014】
(6) 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられたテーパ部とを有する線状の芯材と、
前記芯材の外周に有する被覆層であって、第1樹脂層と、前記第1樹脂層よりも先端側に位置し、前記第1樹脂層の構成材料よりも柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層とを有する被覆層とを有し、
前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって減少し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって増加することを特徴とするガイドワイヤ。
【0015】
(7) 前記重なり部において、前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の外側を覆うように積層されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0016】
(8) 前記重なり部において、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の外側を覆うように積層されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0017】
(9) 前記被覆層の外表面において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との境界は、実質的に段差のない連続面を構成している上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0018】
(10) 前記テーパ部は、そのテーパ角度が途中で変化する部分を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0019】
(11) 前記第1樹脂層中に、レーザ光の照射により発色し得る発色剤が添加されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0020】
(12) 前記第1樹脂層中の前記発色剤の含有量は、0.01〜10重量%である上記(11)に記載のガイドワイヤ。
【0021】
(13) 前記第1樹脂層および/または第2樹脂層中に、造影剤が添加されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0022】
(14) 前記第2樹脂層の部位が前記第1樹脂層の部位に比べて高い造影機能を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0023】
(15) 前記第1樹脂層中の造影剤の含有量が前記第2樹脂層中の造影剤の含有量より多い上記(13)または(14)に記載のガイドワイヤ。
【0024】
(16) 前記芯材は、前記テーパ部の先端側に小径部または小片部を有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0025】
(17) 前記被覆層の外表面に親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティングを有する上記(1)ないし(16)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0026】
(18) 前記被覆層の外表面の先端側に親水潤滑性コーティング、基端側に疎水潤滑性コーティングを有し、それらの境界がガイドワイヤ先端から30〜500mmの位置にある上記(1)ないし(17)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1および図2は、それぞれ、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す縦断面図および側面図である。なお、説明の都合上、図1および図2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
【0029】
図1に示すように、本実施形態のガイドワイヤ1は、線状の芯材2と、この芯材2の外周を覆う被覆層3とを有している。
【0030】
芯材2は、ガイドワイヤ1のほぼ全長に渡って延びている。芯材2は、ガイドワイヤ1の本体部分に対応する本体部22と、その先端側に位置するテーパ部24と、その先端側に位置する小径部26とで構成されている。本体部22は、その外径がほぼ一定であり、テーパ部24は、その外径が先端方向に向かって漸減しており(先細りとなっており)、小径部26は、その外径がほぼ一定である。
【0031】
芯材2にテーパ部24を設けたことにより、本体部22とテーパ部24との境界部(テーパ部基端241)付近から先端方向に向かって芯材2の柔軟性が徐々に(連続的に)増し、その結果、ガイドワイヤ1の柔軟性が増すので、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
【0032】
また、テーパ部24の先端側に小径部26を有することにより、最先端の柔軟な部分を長くでき、最先端部分がより柔軟になるという効果が生じる。
【0033】
芯材2の本体部22の外径(=テーパ部基端241の外径)Dは、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度とするのが好ましく、0.4〜0.7mm程度とするのがより好ましい。
【0034】
芯材2の小径部26の外径(=テーパ部先端242の外径)Dは、特に限定されないが、0.05〜0.3mm程度とするのが好ましく、0.1〜0.2mm程度とするのがより好ましい。なお、小径部26の外径は、一定である場合に限らず、外径が先端に向かって漸減しているものでもよい。
【0035】
また、テーパ部24の長さは、ガイドワイヤ1の用途や種類により種々異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300mm程度、より好ましくは30〜250mm程度とすることができる。
【0036】
また、小径部26の長さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜100mm程度、より好ましくは10〜50mm程度とすることができる。
なお、小径部26は、平板状(帯状)の小片部に代えてもよい。
【0037】
また、小径部26の先端に拡径部を設けてもよい。この拡径部としては、芯材2自体の径を部分的に大きくして全体に丸みのある形状にするのが好ましい。また、X線不透過性のリングやコイルを小径部26の先端に挿入(装着)して拡径部としてもよい。また、平板状の小片部を有することにより、最先端部がより柔軟になる。
【0038】
芯材2の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti系合金、Ni−Al系合金、Cu−Zn系合金等の超弾性合金等の種々の金属材料や、比較的高剛性の樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
本発明では、異種材料よりなる2種の芯材を連結して芯材2とすることもできる。この場合、連結部は、テーパ部24より基端側に有るのが好ましい。また、連結部の結合力をより高めるために、連結部は、異形断面同士を嵌合した構成のものが好ましい。
【0040】
また、芯材2の外周面に、後述する被覆層3の密着性を高めるための処理を施してもよい。この処理としては、例えば、芯材2の外周面の表面粗さを大きくするような処理(粗面加工のような物理的処理、薬品を用いた化学的処理、熱処理など)や被覆層3と芯材2の間に接着層を設ける処理などが挙げられる。
【0041】
このような芯材2は、被覆層(樹脂層)3により被覆されている。被覆層3は、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の先端側に位置し、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層32とで構成されている。
【0042】
第1樹脂層31は、芯材2の本体部22を覆うとともにテーパ部24の一部を覆っており、第2樹脂層32は、テーパ部24と小径部26とを覆っている。この場合、第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部とは部分的に重なっており、この重なり部(第2樹脂層32の基端から第1樹脂層31の先端までの間の部位)33の少なくとも一部(好ましくは半分以上)は、テーパ部24上に位置している。このような構成とすることによって、外径が先端に向かって漸減するテーパ部24において柔軟性の異なる第1樹脂層31から第2樹脂層32へ移行するので、テーパ部24に備わる先端に向かって徐々に柔らかくなる特性をそのまま発揮することができる。
【0043】
図1に示す実施形態では、重なり部33の基端は、テーパ部24の基端241付近に位置し、重なり部33の先端は、テーパ部24の途中に位置している。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、▲1▼重なり部33の基端および先端が、それぞれテーパ部24の途中に位置している構成や、▲2▼重なり部33の基端がテーパ部基端241より基端側に位置し、重なり部33の先端がテーパ部24の途中に位置している構成でもよい。さらに、重なり部33の先端は、テーパ部先端242付近またはそれより先端側に位置していてもよい。
【0044】
重なり部33においては、第2樹脂層32が第1樹脂層31の外側(外周)を覆うように積層されている。そして、重なり部33における第1樹脂層31は、その厚さが先端に向かって漸減し、重なり部33における第2樹脂層32は、その厚さが先端に向かって漸増している。このような構成としたことにより、次のような効果が発揮される。
【0045】
重なり部33においては、比較的硬質の材料で構成された第1樹脂層31の厚さが先端に向かって漸減し、第1樹脂層31の構成材料より柔軟性に富む材料(比較的軟質な材料)で構成された第2樹脂層32の厚さが先端に向かって漸増し、これらが重なり合っているため、被覆層3自体(両層の積層体部分)の柔軟性は、先端に向かって徐々に増している。ここで、前述したように、テーパ部24の存在により、芯材2は、テーパ部基端241付近から先端方向に向かって柔軟性が徐々に増すが、このような芯材2の柔軟性の漸増に、重なり部33における被覆層3自体の柔軟性の漸増が加えられることにより、両者の相乗効果が発揮され、ガイドワイヤ1の柔軟性は、特にテーパ部24およびその前後において徐々に変化(先端に向かって増大)し、よりしなやかに湾曲することができる。その結果、ガイドワイヤ1をカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が格段に向上する。
【0046】
被覆層3の外表面30においては、第1樹脂層31と第2樹脂層32との境界は、実質的に段差のない連続面を構成しているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が格段に向上する。
【0047】
重なり部33における第1樹脂層31と第2樹脂層32とは、融着、接着等により結合している。この場合、第1樹脂層31と第2樹脂層32との結合面は、その境界面が明確な場合に限らず、第1樹脂層31と第2樹脂層32との結合面(境界面)付近において、第1樹脂層31の構成材料と第2樹脂層32の構成材料とが混在していてもよい。
【0048】
このような重なり部33では、第1樹脂層31の厚さが先端に向かって漸減し、第2樹脂層32の厚さが先端に向かって漸増し、これらの部分が重なり合っている構造であるため、ガイドワイヤ長手方向における柔軟性等の特性の変化がより緩徐となり、しなやかに湾曲することができるという効果に加え、第1樹脂層31と第2樹脂層32の結合面の面積をある程度広く確保することができるので、両層の密着性が向上し、曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、第1樹脂層31と第2樹脂層32の剥離等が防止されるという効果を奏する。
【0049】
本実施形態では、ガイドワイヤ1の外径、すなわち被覆層3の外径は、ガイドワイヤ1の全長にわたってほぼ一定となっているが、途中で変化(特に先端に向かって漸減)している箇所があってもよい。例えば、ガイドワイヤ1の外径は、本体部22の途中から先端に向かって漸減する構成、テーパ部基端241付近から先端に向かって漸減する構成、またはテーパ部24の途中から先端に向かって漸減する構成であってもよい。
【0050】
第1樹脂層31および第2樹脂層32を構成する樹脂は、特に限定されず、それぞれ、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチレンアクレート共重合体、ABS樹脂、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような材料の中から、柔軟性が小さいもの(剛性が大きいもの)と、柔軟性が大きいもの(剛性が小さいもの)とを選択し、それぞれを、第1樹脂層31の構成材料および第2樹脂層32の構成材料とすることができる。このうち、ポリウレタンは、適度な柔軟性を有し、芯材2への密着性が優れるという理由から好ましい。
【0051】
一例を挙げれば、第1樹脂層31の構成材料として、ポリテトラフルオロエチレン、第2樹脂層32の構成材料として、ポリウレタンを用いることができる。また、第1樹脂層31、第2樹脂層32共に同種の材料(例えばポリウレタン)を用いた場合でも、例えばその平均分子量(重合度)を変えること、可塑剤の添加量を変えること等により両者の柔軟性に差異を持たせることもできる。
【0052】
本発明では、被覆層3として、比較的硬質の材料で構成された第1樹脂層31と比較的軟質の材料で構成された第2樹脂層32とを組み合わせて用いたことにより、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性を確保することができ、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する一方、ガイドワイヤ1の外表面の大部分を占める第1樹脂層31を比較的硬度(剛性)が高い樹脂材料で構成することで、ガイドワイヤ1を挿入するカテーテル内腔や内視鏡のルーメン等の内面との摺動抵抗を低減することができ、ガイドワイヤ1の挿入、抜去の操作や位置決めの際の操作性を向上することができる。
【0053】
ガイドワイヤ1の安全性を向上するため、第2樹脂層32の先端部は、丸みを帯びた形状をなしている。また、同様に、第1樹脂層31の基端部も、丸みを帯びた形状をなしている。
【0054】
本発明のガイドワイヤ1の用途は、特に限定されないが、内視鏡を介して使用されるもの、より詳しくは、内視鏡のルーメンに挿入されたカテーテルを生体管腔等の目的部位まで誘導するのに用いられるガイドワイヤ(以下、「経内視鏡ガイドワイヤ」と言う)に適用することができる。
【0055】
経内視鏡ガイドワイヤでは、ガイドワイヤの外表面に視認マーカ(発色部)を設け、内視鏡を介してその視認マーカを視認する。視認マーカの形成は、例えば印刷など、種々の方法が可能であるが、レーザ光の照射により発色剤を発色させて形成する方法が挙げられる。この方法を採用する場合、ガイドワイヤ1の被覆層3中、特に第1樹脂層31の構成材料中には、レーザ光の照射等により発色し得る発色剤が添加されている。以下、発色剤および視認マーカについて説明する。
【0056】
<発色剤>
発色剤は、レーザ光の照射により発色を生じるものであれば特に限定されないが、例えば、雲母、酸化チタン、あるいはこれらの化合物等の無機材料、その他各種有機系発色剤が挙げられる。
【0057】
例えば、雲母を含む発色剤を用いると、第1樹脂層31を構成する樹脂材料中に少量添加しただけで充分な発色を示すこと、発色部分に隆起や窪みが実質的に生じないことという利点がある。従って、添加量が少量でよいため、非発色部の色調変化が抑えられるという効果がある。
【0058】
なお、本発明における「発色」には、狭義の発色の他、変色、脱色、退色等の知覚しうる色の変化がすべて含まれる。
【0059】
雲母を含有する発色剤としては、例えば、クロウンモ系列に属する雲母、シロウンモ系列に属する雲母、合成雲母、さらに、雲母、酸化チタン、酸化ケイ素および酸化アンチモンドープ酸化スズからなる組成物、または、雲母および酸化アンチモンドープ酸化スズからなる組成物、雲母および酸化チタンからなる組成物、雲母、酸化チタンおよび酸化鉄からなる組成物、雲母および酸化鉄からなる組成物が挙げられる。上記の発色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
【0060】
第1樹脂層31中の発色剤の含有量は、発色剤の種類、樹脂材料の組成や特性(特に色調等)にもよるが、過不足無く良好な発色を生じるためには、第1樹脂層31全体に対し、0.01〜10重量%程度であるのが好ましく、0.1〜2重量%程度であるのがより好ましい。0.01重量%未満であると、発色が不十分となることがある。このような発色剤の含有量により、レーザ光の照射後の色調や発色強度を調整することができる。
【0061】
第1樹脂層31中における発色剤は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば第1樹脂層31の外表面側に偏在していてもよい。
【0062】
また、このような発色剤は、第2樹脂層32の構成材料中に添加されていてもよい。
【0063】
<視認マーカ(発色部)>
図2に示すように、第1樹脂層31の外表面30の所定部位には、視認マーカ(発色部)5が設けられる。この視認マーカ5は、図2に示すように、ガイドワイヤ1の先端側、すなわち第1樹脂層31の先端部付近に設けられている。視認マーカ5の形成方法については、後に詳述する。
【0064】
視認マーカ5の形状、寸法は、特に限定されないが、図示の構成では、螺旋状に設けられている。螺旋状(または環状)の視認マーカ5の場合、例えば、幅1〜10mm、ピッチ(間隔)1〜10mmにて、ガイドワイヤ1の長手方向に3〜50cmの範囲で設けられる。
【0065】
視認マーカ5の形状は、螺旋状や環状に限らず、例えば、直線、波形、水玉模様、格子模様、網目模様等の他、数字、文字、記号、目盛り等、視認できるものであればいかなるものでもよい。さらに、螺旋状に続いて環状の視認マーカを設けるなど、異なる模様(パターン)を2種類以上組み合わせることによって、位置確認を可能としてもよい。
【0066】
さらに、このような視認マーカ5は、第1樹脂層31の長手方向の一部に設けられている場合のみならず、第1樹脂層31の全長に渡って設けられていてもよい。
【0067】
内視鏡を通してガイドワイヤ1の動きを認識するには、視認マーカ5の色も重要な要素の一つであるが、これは第1樹脂層31の素材の色(非発色部の色)との組み合わせを考慮すべきである。一例として、視認マーカ5が白色または黄色であり、第1樹脂層31が黒色の場合、両者の色の明度の差は大きく(高コントラスト)、これにより、視認マーカ5の視認性は高く、好ましい。また、両者の色が例えば補色の関係にある場合も同様に、視認マーカ5の視認性は高く、好ましい。このような視認マーカ5の色は、主に、第1樹脂層31に含まれる発色剤の種類や特性と、その含有量とによって決まるが、例えば、黒または濃色(チャコールグレー、こげ茶色、紺色、紫色等)に対しての黄色、黄緑色、オレンジ色や、青に対して赤色、オレンジ色、ピンク色等、明確なコントラストを発現する組み合わせを選択することは、特に好ましい。また、濃淡が異なる同系色、例えば紺色と水色、小豆色とピンク色であってもよい。
【0068】
次に、視認マーカ5の形成方法について説明する。
視認マーカ5は、発色剤を含有する第1樹脂層31の外表面30の所定部位にエネルギを与え、そのエネルギによって発色剤が発色することにより形成される。エネルギを与える手段としては、レーザ光の照射が特に好ましいが、その他例えば、通常の光(可視光等)をレンズで集光し、照射する方法などが挙げられる。以下、エネルギを与える手段の一例として、レーザ光の照射について説明する。
【0069】
照射するレーザ光は、発色剤に応じて適宜選択されるが、例えば、Nd−YAGレーザ光等の近赤外線レーザ光、COレーザ光等の遠赤外線レーザ光、エキシマレーザ光が挙げられる。
【0070】
Nd−YAGレーザ光は、波長1.06μmの近赤外線であり、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)ロットにアークランプの光を照射することにより得ることができる。
【0071】
COレーザ光は、波長10.6μmの遠赤外線であり、CO混合ガスを封入した管に高周波(RF)、高電圧(TEA)をあてて励起させることにより得ることができる。
【0072】
レーザ光の照射量は、例えばNd−YAGレーザ光の場合、照射元のエネルギ出力として1.8〜2.0kW程度であるのが好ましい。
【0073】
レーザ照射装置は、特に限定されず、公知のいずれのものを用いてもよく、例えば、スキャニングタイプ、ドットタイプ、マスクタイプのものを用いることができる。スキャニングタイプのレーザ照射装置は、発信器から発射されたレーザ光が、2枚の回転ミラーでXY方向にスキャニングされた後、レンズで集光され、放射されるという方式のものである。また、ドットタイプのレーザ照射装置は、レーザ光を高速回転する多角形ミラーに同調させて放射するという方式のものである。マスクタイプのレーザは、レーザ光が所定パターンを切りぬいたマスクおよび集光レンズを通過して放射されるという方式のものである。
【0074】
本発明のガイドワイヤ(経内視鏡ガイドワイヤ)1では、上記のようなエネルギを与える手段(レーザ光の照射)により、発色剤を含有する第1樹脂層31の外表面の特定部位にエネルギを与えて熱を発生させる。そして、その熱によって発色剤が発色して視認マーカ5を形成する。
【0075】
また、本発明のガイドワイヤ1は、X線等に対する造影性を有するものであるのが好ましい。これにより、生体内での位置を確認することができる。ガイドワイヤ1に造影性を付与する方法としては、第1樹脂層31および/または第2樹脂層32の構成材料中に造影剤を添加することが挙げられる。
【0076】
この造影剤としては、X線等に対し造影機能を有するものであれば特に限定されないが、金属粉末、金属酸化物粉末の少なくとも一方で構成されるものが好ましい。以下、造影剤について詳述する。
【0077】
<造影剤>
1.金属粉末造影剤
金属粉末の造影剤としては、例えばタングステンや、金、銀、白金等の貴金属が挙げられるが、タングステンが特に好ましい。この金属粉末の造影剤は、以下に説明する金属酸化物粉末造影剤に比べ、造影機能が高い。
【0078】
2.金属酸化物粉末造影剤
金属酸化物の粉末による造影剤としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化ビスマス等のX線不透過材料が挙げられるが、このなかでも、硫酸バリウム、酸化ビスマスが好ましい。
【0079】
金属酸化物粉末の造影剤は、金属粉末の造影剤に比べ、レーザ光の照射により変質(酸化等)やスパークが生じ難いため、好ましい。
【0080】
以上のような造影剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
【0081】
造影剤の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂材料中における分散性を考慮して、1〜10μm程度であるのが好ましく、2〜4μm程度であるのがより好ましい。
【0082】
第1樹脂層31および/または第2樹脂層32の構成材料中における造影剤の含有量は、その種類等にもよるが、過不足無く造影機能を発揮するためには、被覆層3全体に対し、40〜80重量%程度であるのが好ましく、50〜80重量%程度であるのがより好ましい。40重量%未満であると、造影機能が不十分となることがあり、また、80重量%を超えると、樹脂への混練が難しい。本発明では、このような造影剤の種類や含有量により、造影機能(造影性)を調整することができる。
【0083】
また、第1樹脂層31および/または第2樹脂層32中における造影剤は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば層の外側または内側(芯材2側)に偏在していてもよい。
【0084】
また、第1樹脂層31および/または第2樹脂層32中における造影剤の含有量は、ガイドワイヤ1の長手方向に沿ってほぼ等しくても、異なっている部分があってもよい。特に、第2樹脂層32中の造影剤の含有量を第1樹脂層31中の造影剤の含有量よりも多くすることができる。これにより、後述するように、ガイドワイヤ1の先端部をより鮮明に造影することができる。
【0085】
第1樹脂層31中および第2樹脂層32中に、ほぼ等しい含有量で造影剤が添加されている場合、第2樹脂層32は、第1樹脂層31に比べて層の厚さが厚くなっているため、第2樹脂層32の方が造影剤がより多く存在することとなる。より正確には、第2樹脂層32では、第1樹脂層31に比べガイドワイヤ1の単位長さ当りの造影剤含有量が多い。そのため、第2樹脂層32のあるガイドワイヤ1の先端部(テーパ部24および小径部26付近の部位)は、X線等の造影機能(造影性)がより高い造影部を構成することとなる。
【0086】
このように、ガイドワイヤ1の先端部の造影機能が他所よりも高くなることにより、次のような効果が得られる。
【0087】
第2樹脂層32は、造影剤の添加により造影性を有するが、特にガイドワイヤ1の先端部の位置をそれ以外の位置とは区別して把握することが好ましい場合があり、このような場合には、より強い造影性を有する造影部を設けることが有利である。
【0088】
すなわち、例えば、内視鏡を介して生体管腔等の所定位置(目的部位)までガイドワイヤ(経内視鏡ガイドワイヤ)1を挿入する際、ガイドワイヤ1が内視鏡で観察できる範囲から外れて、更に末梢の管腔へ挿入されても、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部(造影部)の位置をより確実に把握することができる。従って、ガイドワイヤ1の先端部を目的部位に確実に誘導することができる。
【0089】
また、ガイドワイヤ1の先端部に造影性を付与する別の方法として、第2樹脂層32(ガイドワイヤ1の先端部)内に、造影性を有する金属材料で構成され、例えばコイル状、リング状等をなす金属部材(図示せず)を別途埋設することもでき、この場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0090】
なお、ガイドワイヤ1の造影部は、X線透視下で造影可能なものに限らず、CTスキャン、MRI等においてその位置を確認することができるものであってもよい。
【0091】
<外表面のコーティング>
ガイドワイヤ1の被覆層3の外表面30には、親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティング(いずれも図示せず)が施されているのが好ましい。
【0092】
例えば、芯材2のテーパ部24の長手方向中間地点に対応する位置より先端側の外表面には、親水潤滑性コーティングが施されており、前記中間地点に対応する位置から基端側の外表面には、疎水潤滑性コーティングが施されている。
【0093】
親水潤滑性コーティングを施すことにより、親水潤滑性コーティングが生体内で湿潤し、滑りをよくするので、ガイドワイヤ1の挿入をより円滑、安全に行なうことができる。
【0094】
また、疎水潤滑性コーティングを施すことにより、ガイドワイヤ1が挿通されるルーメン、例えばカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンに対し、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなり、ガイドワイヤ1の挿入、抜去の操作性が向上する。
【0095】
なお、親水潤滑性コーティングと疎水潤滑性コーティングの境界は、本実施態様においてはテーパ部24の中間地点に対応する位置としたが、これに限らず、例えばテーパ部24の基端241と先端242の間の任意の位置に対応する位置であってもよく、また、その他の位置であってもよい。
【0096】
親水潤滑性コーティング(先端側)と疎水潤滑性コーティング(基端側)との境界は、ガイドワイヤ1の先端から30〜500mmの位置にあるのが好ましい。境界がこの範囲にあると、前記親水潤滑性コーティングによる効果と前記疎水潤滑性コーティングによる効果とをバランスよく発揮することができる。
【0097】
なお、本発明では、親水潤滑性コーティングと疎水潤滑性コーティングのいずれか一方のみが施されているものでもよい。また、それらの形成位置も、特に限定されない。
【0098】
親水潤滑性コーティングのコーティング材料としては、例えば、セルロース系、ポリエチレンオキサイド系、無水マレイン酸系、アクリルアミド系の高分子物質等が挙げられる。
【0099】
疎水潤滑性コーティングのコーティング材料としては、例えば、シリコーン等が挙げられる。
【0100】
図3は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第2実施形態について説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0101】
図3に示す第2実施形態のガイドワイヤ1では、重なり部33において、第1樹脂層31が第2樹脂層32の外側を覆うように積層されており、それ以外は前記第1実施形態と同様である。このガイドワイヤ1においても、前記第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果を発揮する。
【0102】
図4は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第3実施形態について説明するが、前述の第1実施形態および第2実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0103】
第3実施形態のガイドワイヤ1は、芯材2のテーパ部24においてそのテーパ角度が途中で変化する部分を有する一例として、複数の角度(テーパ角度)の異なるテーパ部を有している。図4に示す構成では、2つの角度の異なるテーパ部を有する。すなわち、テーパ部24の基端側には第1テーパ部244を有し、先端側には第2テーパ部246を有する。
【0104】
第1テーパ部244のテーパ角度(芯材2の中心軸に対する角度)は、第2テーパ部246のテーパ角度よりも小さく、すなわち第1テーパ部244の方が先端に向かって細くなる割合が第2テーパ部246よりも小さい。
【0105】
重なり部33は、少なくともその一部が第1テーパ部244上に位置しており、図4においては、第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部は、いずれも第1テーパ部244上に位置している。
【0106】
なお、重なり部33は、少なくともその一部が第2テーパ部246上に位置していてもよく、また、重なり部33は、第1テーパ部244と第2テーパ部246との境界部にまたがっていてもよい。
【0107】
図5は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第4実施形態について説明するが、前述の第1実施形態および第2実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0108】
第4実施形態のガイドワイヤ1は、芯材2のテーパ部24においてそのテーパ角度が途中で変化する部分を有する他の例として、そのテーパ角度が、基端から先端に向けて連続的に変化しているものである。すなわち、第1実施形態のガイドワイヤ1のテーパ部24の側面視の輪郭が直線的であるのに対し、第4実施形態のガイドワイヤ1のテーパ部24の側面視の輪郭は、曲線状(図5ではS字状)となっている。
【0109】
図5に示す構成では、本体部22の外径D1から滑らかに外径が変化(減少)している。具体的には、テーパ部24の基端部では、先端に向かってその外径の縮小率が一定の割合で高くなり、縮小率が最も高くなる点を有し、その点を超えると、縮小率は一定の割合で低くなる。テーパ部24の先端部においては、小径部26の外径D2へと滑らかに移行している。このような構成とすることにより、ガイドワイヤ1の急激な折れ曲がり(キンク)をより確実に防止することができる。
【0110】
重なり部33は、少なくともその一部がテーパ部24上に位置しており、図5に示す構成においては、第2樹脂層32の基端部はテーパ部24の基端部付近に位置し、第1樹脂層31の先端部はテーパ部24の中ほど、好ましくは外径の縮小率が最も高くなる点よりも基端側に位置している。なお、重なり部33のテーパ部24に対する位置は、これに限定されないことは言うまでもない。
【0111】
なお、前記第3実施形態における第1テーパ部244、第2テーパ部246の少なくとも一方に対し、第4実施形態のテーパ部24の形状(側面視の輪郭が曲線状)を適用してもよい。
【0112】
図6は、本発明のガイドワイヤの第5実施形態を模式的に示す縦断面図である。以下、この第5実施形態について説明するが、前述の第1実施形態および第2実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0113】
第5実施形態のガイドワイヤ1は、外径がほぼ一定の本体部22と、本体部22の先端側に設けられたテーパ部24を有する線状の芯材2を有する。芯材2の外周には、前記と同様の被覆層3を有している。すなわち、被覆層3は、第1樹脂層31と、第1樹脂層31の先端側に位置し、第1樹脂層31の構成材料よりも柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層32とで構成されている。
【0114】
第1樹脂層31の先端部と第2樹脂層32の基端部とが重なっている部分である重なり部33は、第2樹脂層32が第1樹脂層31の外側(外周)を覆うように積層されている。そして、重なり部33において、第1樹脂層31は、その厚さが先端に向かって減少し、第2樹脂層32は、その厚さが先端に向かって増加している。
この重なり部33は、芯材2の本体部22の先端部付近に位置している。
【0115】
なお、第5実施形態のガイドワイヤ1において、テーパ部24は、前記第3実施形態の構成や第4実施形態の構成であってもよい。
【0116】
また、第3〜第5実施形態のガイドワイヤ1においても、重なり部33の構成は、前記第2実施形態の構成であってもよい。
【0117】
以上、本発明のガイドワイヤを図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、また、任意の構成のものが付加されていてもよい。
【0118】
特に、第1〜第5実施形態のうちの任意の2以上を組み合わせた構成であってもよい。
【0119】
また、本発明のガイドワイヤの用途は、内視鏡のルーメンに挿入して使用するもの(経内視鏡ガイドワイヤ)に限定されない。
【0120】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のガイドワイヤによれば、ガイドワイヤの先端部分において、その柔軟性が先端に向かって徐々に増大し、しなやかに湾曲することができる。そのため、キンク(急峻な折れ曲がり)を防止することができるとともに、ガイドワイヤをカテーテル等を介して生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
【0121】
また、ガイドワイヤに曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層の剥離や、重なり部における第1樹脂層と第2樹脂層との剥離は生じない。
【0122】
特に、重なり部において、第1樹脂層の厚さが先端に向かって漸減し、第2樹脂層の厚さが先端に向かって漸増するよう構成した場合には、重なり部およびその前後近傍付近におけるガイドワイヤの柔軟性の変化がより緩徐となり、また、第1樹脂層と第2樹脂層との密着性も高まるので、上記効果がより顕著に発揮される。
【0123】
また、第1樹脂層中に発色剤を添加した場合には、レーザ光の照射等により被覆層の外表面に視認マーカのような発色部を形成することができ、経内視鏡ガイドワイヤへの適用に適する。
【0124】
また、第1樹脂層および/または第2樹脂層の構成材料中に造影剤を添加すること等により造影性を付与した場合には、生体内での位置、特にガイドワイヤ先端部の位置を体外にて容易に確認することができる。
【0125】
また、被覆層の外表面に親水潤滑性コーティングおよび/または疎水潤滑性コーティングを施した場合には、ガイドワイヤの挿入や抜去の際の操作をより円滑、安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本発明のガイドワイヤの第1実施形態を模式的に示す側面図である。
【図3】本発明のガイドワイヤの第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図4】本発明のガイドワイヤの第3実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図5】本発明のガイドワイヤの第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【図6】本発明のガイドワイヤの第5実施形態を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1      ガイドワイヤ
2      芯材
22     本体部
24     テーパ部
241    テーパ部基端
242    テーパ部先端
244    第1テーパ部
246    第2テーパ部
26     小径部
3      被覆層
30     外表面
31     第1樹脂層
32     第2樹脂層
33     重なり部
5      視認マーカ(発色部)

Claims (10)

  1. 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられ、その外径が先端に向かって漸減するテーパ部とを有する線状の芯材と、
    前記芯材の外周を被覆する被覆層であって、第1樹脂層と、前記第1樹脂層の先端側に位置し、前記第1樹脂層の構成材料より柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層とを有する被覆層とを有し、
    前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっており、この重なり部の少なくとも一部が前記テーパ部上に位置していることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって漸減し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって漸増する請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端付近に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より先端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記重なり部の基端は、前記テーパ部の基端より基端側に位置し、前記重なり部の先端は、前記テーパ部の途中に位置している請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  6. 外径がほぼ一定の本体部と、該本体部の先端側に設けられたテーパ部とを有する線状の芯材と、
    前記芯材の外周に有する被覆層であって、第1樹脂層と、前記第1樹脂層よりも先端側に位置し、前記第1樹脂層の構成材料よりも柔軟性に富む材料で構成された第2樹脂層とを有する被覆層とを有し、
    前記第1樹脂層の先端部と前記第2樹脂層の基端部とが重なっている重なり部を形成し、該重なり部において、前記第1樹脂層の厚さが先端に向かって減少し、前記第2樹脂層の厚さが先端に向かって増加することを特徴とするガイドワイヤ。
  7. 前記重なり部において、前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の外側を覆うように積層されている請求項1ないし6のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  8. 前記重なり部において、前記第1樹脂層が前記第2樹脂層の外側を覆うように積層されている請求項1ないし6のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  9. 前記被覆層の外表面において、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との境界は、実質的に段差のない連続面を構成している請求項1ないし8のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  10. 前記テーパ部は、そのテーパ角度が途中で変化する部分を有する請求項1ないし9のいずれかに記載のガイドワイヤ。
JP2002169318A 2002-06-10 2002-06-10 ガイドワイヤ Pending JP2004008653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002169318A JP2004008653A (ja) 2002-06-10 2002-06-10 ガイドワイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002169318A JP2004008653A (ja) 2002-06-10 2002-06-10 ガイドワイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004008653A true JP2004008653A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30435915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002169318A Pending JP2004008653A (ja) 2002-06-10 2002-06-10 ガイドワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004008653A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005348919A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Japan Lifeline Co Ltd ガイドワイヤー
WO2010090081A1 (ja) * 2009-02-03 2010-08-12 テルモ株式会社 医療用長尺体格納具および医療用長尺体格納具組立体
US8376962B2 (en) 2009-03-09 2013-02-19 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
EP4108283A4 (en) * 2020-02-19 2024-03-20 Asahi Intecc Co., Ltd. GUIDE WIRE

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005348919A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Japan Lifeline Co Ltd ガイドワイヤー
WO2010090081A1 (ja) * 2009-02-03 2010-08-12 テルモ株式会社 医療用長尺体格納具および医療用長尺体格納具組立体
JP2010178807A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Terumo Corp 医療用長尺体格納具および医療用長尺体格納具組立体
CN102264427A (zh) * 2009-02-03 2011-11-30 泰尔茂株式会社 医疗用长器件存储器具及医疗用长器件存储器具组装体
US8568373B2 (en) 2009-02-03 2013-10-29 Terumo Kabushiki Kaisha Medical elongate member housing tool and medical elongate member housing tool assembly
US8376962B2 (en) 2009-03-09 2013-02-19 Terumo Kabushiki Kaisha Guide wire
EP4108283A4 (en) * 2020-02-19 2024-03-20 Asahi Intecc Co., Ltd. GUIDE WIRE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004000455A (ja) ガイドワイヤ
US6811958B2 (en) Medical long object and method for producing the same
US9028427B2 (en) Guide wire
JP5509276B2 (ja) ガイドワイヤ
JPH09510125A (ja) 放射線不透過性のマーカーを具備するカテーテル用ガイドワイヤ
JP2006314623A (ja) カテーテル
JP4118069B2 (ja) ガイドワイヤ
CN101918070B (zh) 导向线
JP2004229947A (ja) ガイドワイヤ
JP2011110392A (ja) 内視鏡用ガイドワイヤー
JP3761216B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ及びその製造法
JP2004008653A (ja) ガイドワイヤ
JP4497746B2 (ja) ガイドワイヤ
JP3761214B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP2008220789A (ja) ガイドワイヤ
JP6879945B2 (ja) カテーテル
JP2020185259A (ja) 光照射デバイス、及び、光照射システム
JP3949986B2 (ja) 医療用長尺体
JP2002017864A (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP2015065979A (ja) ガイドワイヤ
JP2003265616A (ja) ガイドワイヤ
JP7511355B2 (ja) ガイドワイヤ
WO2022158418A1 (ja) カテーテル
JP7461753B2 (ja) ガイドワイヤ
WO2023095481A1 (ja) ガイドワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061226