JP2004007481A - 静電容量の検出回路及び検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】演算増幅器11と、その帰還回路とを含み、帰還回路は、フィードバックコンデンサCfとボルテージフォロワ12とを含み、フィードバックコンデンサCfとボルテージフォロワ12とは、信号線13で接続され、信号線13には、静電容量型センサCsの1つの端子が接続され、演算増幅器11の2つの入力端子は、イマージナリショートとなって、グランド電位に保持され、静電容量型センサCsの他の1つの端子が、負電源(−VDD)に接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種物理量を検出する検出回路及び検出方法に関し、特に、静電容量の検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種物理量を検出する従来の検出回路として、特開平9−145748号公報に開示された電流測定装置がある。図10は、その電流測定装置の回路図である。
【0003】
D/A変換器82の出力には、負荷86に流れる電流を供給するための電流アンプ83が抵抗器R81を介して接続され、電流アンプ83の出力には、電流を検出するための電流検出用抵抗器R83が直列に接続され、電流検出用抵抗器R83の先には、被測定対象である負荷86が接続されている。
【0004】
負荷86には負荷電圧VOを取り出すための第1のバッファアンプ84が接続され、その第1のバッファアンプ84の出力は抵抗器R82を介して電流アンプ83の入力に接続されている。一方、電流検出用抵抗器R83、第1のスイッチS81、第2のスイッチS82、コンデンサC81及び第2のバッファアンプ85は、電流検出用抵抗器R83を流れる電流IRを検出するための電流検出部81を構成している。
【0005】
このような構成において、電流アンプ83の入力には第1のバッファアンプ84及び抵抗器R82を介して負荷電圧VOが帰還され、このことによって負荷電圧VOとD/A変換器82の出力電圧とが一定の関係に保たれる。そして、負荷86に流れる電流IRによって電流検出用抵抗器R83の両端には電位差が発生し、この電位差が電流検出部81によって電圧に変換され、A/D変換器88に入力される。これによって、負荷86に流れる電流は、D/A変換器82に入力されるデジタル値及びA/D変換器88から出力されるデジタル値によって特定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術の検出回路は、必要とされる電源の種類に着目すると、演算増幅器83〜85に供給する±VDDの2系統の電源に加え、D/A変換器82から抵抗器R81に印加される電圧源が必要であり、グランドとは別に、合計3系統もの電源を必要とする。
【0007】
このような検出回路に外部から電源を供給する場合には、その系統数だけ、検出回路内に、外部と接続するための接続端子やケーブル、PAD(電極端子)等を設けなければならず、設計上の手間も増え、コストアップにつながる。
【0008】
一方、必要な電源電圧を内部で供給する場合には、上記従来技術のように、検出回路内にD/A変換器や電圧発生回路等を設ける必要がある。そのために、回路規模が大きくなるうえに、消費電流も増大するという問題がある。
【0009】
このような接続端子等の数、回路規模及び消費電流等についての欠点は、検出回路を小型・軽量の電子機器に組み込もうとした場合には極めて深刻な問題となる。
【0010】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、2系統以下の電源だけによって動作する静電容量の検出回路及び検出方法を提供することを目的とする。つまり、消費電流が抑えられ、回路規模が縮小化された静電容量の検出回路等であって、小型・軽量の電子機器への組み込み用途として好適な検出回路等を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る検出回路は、演算増幅器の帰還回路とを含み、帰還回路は、少なくとも第1インピーダンス素子と入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器と、第1インピーダンス素子とインピーダンス変換器とに接続される信号線とを含み、その信号線には、検出される静電容量の1つの端子が接続可能であり、演算増幅器の2つの入力端子は、仮想的な短絡により電位Viに保持され、静電容量の他の1つの端子が、グランド又は前記演算増幅器の電源電圧ラインに接続可能とされていることを特徴とする。なお「仮想的に短絡している」とは、演算増幅器(オペアンプ)の反転入力端子と非反転入力端子間の入力インピーダンスが非常に高く理想的に無限大と見なせるようなとき、この2つの入力端子の電位差がほぼゼロとなるような状態を言う。
【0012】
ここで、インピーダンス変換器は、例えば、ボルテージフォロワである。また、被検出静電容量Csの信号線と反対側の端子には、グランド又は(演算増幅器)オペアンプの正負電源のいずれかに接続することとし、特に別の電源を用いて、それに接続することを避ける。
【0013】
そして、演算増幅器の1つの入力端子に、抵抗器等の入力インピーダンス素子を接続し、その入力インピーダンス素子の反対側の端子を前記電位Viに接続しておく。これによって、実際には入力オフセット分だけ、ほんのわずかではあるが電流が流れるものの、入力インピーダンス素子の両端子の電位差はほぼ零となり、消費電流が抑えられる。
【0014】
その電位Viとしては、演算増幅器に供給される2つの電源電圧V1及びV2の間の値、例えば、(V1+V2)/2とする。具体的には、電源電圧V1及びV2として、それぞれ、演算増幅器及びボルテージフォロワ等のオペアンプへの2つの電源電圧、つまり、+VDD及び−VDDとすると、電位Viを、グランド電位とすることができる。これによって、電位Viとして、特に別の電位を準備する必要がなくなる。
【0015】
また、前記電源電圧V1及びV2として、片電源で動作するオペアンプへの電源電圧、つまり、+VDD及びグランドとし、電位Viとして、VDD/2としてもよい。いずれにせよ、前記オペアンプの2つの電源電圧を直接用いて抵抗などで分圧することにより、この2つの電源電圧の間の電位を簡単に得ることができ、それを電位Viとして用いてもよい。
【0016】
なお、回路動作を安定化させるために、高抵抗素子、つまり、本検出回路中で電流の流れが無視できる程度にしか流れないような高い抵抗値を有する素子を介して信号線を前記電位Viと等しい電位(例えば、グランド)に固定したり、信号線を前記電位Vi又はグランドに接続されたシールド線で被覆したりするのが好ましい。
【0017】
また、検出回路は、さらに、信号線に接続された上述のような高抵抗素子を含み、その高抵抗素子の1つの端子と異なる他の1つの端子に当該検出回路の出力端子Voutを接続してもよい。
【0018】
上記のように構成され実現された本発明では、静電容量が定常状態に対して時間的にほんの僅かでも変化しさえすれば検出可能であり、コンデンサマイクなどの通常の音波の周波数はもちろん圧力センサの極めて低い低周波数の場合の変化など静的な定常状態に対して時間的に変化する静電容量を検出できる。なお、この変化は必ずしも周期的である必要もない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の検出回路10を例示する回路図である。この検出回路10は、被検出静電容量としてコンデンサマイクロホン等における静電容量型センサCsの容量変化に比例する電圧を信号出力Voutとして出力する回路であり、1つのオペアンプ(演算増幅器11)と、入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器14(好ましくはボルテージフォロワ12)と、2つの抵抗器(R1、R2)と、2つのコンデンサ(Cf,Cs)を含む。
【0020】
抵抗器R1は、一端がグランドに接続され、他端が演算増幅器11の反転入力端子に接続されている。抵抗器R2は、一端が演算増幅器11の反転入力端子に接続され、他端がインピーダンス変換器14の出力端子又はボルテージフォロワ12の反転入力端子及び出力端子に接続されている。演算増幅器11は、非反転入力端子がグランドに接続され、その出力端子には、インピーダンス素子としてフィードバックコンデンサCfが接続されている。フィードバックコンデンサCfの他端は、信号線13を介してインピーダンス変換器14の入力端子又はボルテージフォロワ12の非反転入力端子に接続されている。信号線13には、さらに、一端が負電源(−VDD)に接続された静電容量型センサCsが接続されている。
【0021】
なお、ボルテージフォロワ12は、入力インピーダンスが極めて高く、出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器の好ましい態様の一つである。インピーダンス変換器14、演算増幅器11及びボルテージフォロワ12は、図に例示されているように、それら自身の駆動のために2つの電源(±VDD)に接続され、それらの電源から電力の供給を受けることができる。
【0022】
このような構成からなる本検出回路10の動作は以下の通りである。
この検出回路10は、グランド電位が抵抗器R1を介して演算増幅器11に入力された反転増幅回路とみることができる。フィードバックコンデンサCf、インピーダンス変換器14もしくはボルテージフォロワ12及び抵抗器R2によって演算増幅器11の帰還回路が構成され、演算増幅器11の2つの入力端子は、仮想的な短絡(イマージナリショート)の状態となっている。よって、演算増幅器11の両入力端子、出力端子、インピーダンス変換器14およびボルテージフォロワ12の入力端子、出力端子は、いずれも、直流的にはグランド電位に保持されている。
【0023】
静電容量型センサCsは、一方の端子に負のVDDの電圧が印加された状態となっており、検出対象となる物理量(例えば、音)の変化に応じて、容量が変化したときに、その容量変化に応じた電流を流す。このとき、インピーダンス変換器14(ボルテージフォロワ12)の入力インピーダンスは極めて高いために、静電容量型センサCsを流れる電流は、すべて、フィードバックコンデンサCfを流れることになる。
【0024】
よって、演算増幅器11の出力電圧Voutは、フィードバックコンデンサCfを流れる電流をifとすると、
Vout=if・(1/jωCf)
となるが、
静電容量型センサCsの変化分をΔC、その周波数をω/2πとすると、フィードバックコンデンサCfを流れる電流ifは、静電容量型センサCsを流れる電流is(=jωΔC・VDD)に等しくなることから、出力電圧Voutは、
となる。つまり、演算増幅器11の出力電圧Voutは、静電容量型センサCsの容量変化ΔCに比例した電圧となる。
【0025】
このような本検出回路10の電源系統は、電源グランドの他には、±VDDの2つの電源だけである。つまり、従来技術のような、D/A変換器等の電圧発生回路を設けて3つ以上の電源を必要とする検出回路とは異なり、本実施の形態の検出回路10は、わずか2つの電源だけで動作し、消費電流の低減及び回路規模の縮小化が図られている。
【0026】
加えて、抵抗器R1及び抵抗器R2の両端子にかかる電位差はほぼ零であるため、定常的に電流が流れず、この点からも消費電流の低減が図られている。
本実施の形態の例における図2に示されている検出回路10と図8に示された従来技術の回路それぞれの消費電流を比較すると以下の表1の通りである。
【0027】
【表1】
【0028】
なお、上記表1は、各電源ごとの消費電流を示している。その消費電流は、演算増幅器及びボルテージフォロワとしてTI(テキサス・インスツルメンツ)社のオペアンプTLC2201を使用し、回路シミュレーションで見積もった値である。また、この表1において、電源「Vh」は、本実施の形態例図2の検出回路10における抵抗器R1の左側端子に接続された電源(ここでは、グランド)を示し、項目「Vi」は、本実施の形態例図2における「Vh」に対応する電源、つまり、図8に示された従来技術の回路における抵抗器R81の左側端子に接続された電源(D/A変換器82の出力電圧)を示す。なお、表中の「なし」は、該当する電源が存在しないという意味である。このシミュレーションでは、Vh=0、Vi=1V、R1=1kΩ、R81=1kΩとした。
【0029】
この表から分かるように、従来技術の回路では、抵抗器R81に1mAの電流が流れるが、本実施の形態例では、抵抗器R1に、演算増幅器11の入力オフセット電圧に起因すると考えられる数nAの電流しか流れず、消費電流が低減化されていることがわかる。
【0030】
以上のように、本実施の形態における検出回路10は、グランドの他に、わずか2つの電源によって駆動され、消費電流が低減化されているとともに、外部から電源の供給を受ける形態で実装する場合には、電源供給用の接続端子やPADの数が削減され、内部で電源を発生させる形態で実装する場合には、電源回路が不要となり、回路規模が削減化される。
【0031】
なお、本発明に係る検出回路は、図1、図2に示された回路に限定されず、以下に例示されたような各種の変形例とすることもできる。
図3(a)は、第1の変形例に係る検出回路15の回路図である。この検出回路15は、図2に示された検出回路10において、静電容量型センサCsの一端を負電源(−VDD)ではなく、正電源(+VDD)に接続したものに相当する。したがって、図2に示された検出回路10と比べ、静電容量型センサCsの両端に印加される電圧の極性が反転しているので、その出力電圧Voutが図2の検出回路10におけるものと正負反転する点だけが異なり、他の動作は同じである。よって、消費電流や回路規模については図2の検出回路10と同様の効果が発揮される。
【0032】
図3(b)は、第2の変形例に係る検出回路16の回路図である。この検出回路16は、図2に示された検出回路10において、静電容量型センサCsの一端を負電源(−VDD)ではなく、グランドに接続したものに相当する。
【0033】
この検出回路16では、静電容量型センサCsの両端子の電位差が零となるので、上記式1より(式1におけるVDDが零となる場合に相当するので)、理論的には、出力電圧Voutは、零となってしまうが、現実には、オペアンプ(ボルテージフォロワ12)の入力オフセット電圧により、静電容量型センサCsの両端子にその入力オフセット電圧に相当する電位差が生じ、出力電圧Voutは零にはならず、フィードバックコンデンサCfに容量変化に応じた電圧が発生する。また、特にエレクトレット等の、センサ容量自身が電位差をもっている場合でも容量変化に対応した出力電圧が得られる。
【0034】
したがって、この検出回路16についても、図2に示された検出回路10と比べ、その出力電圧Voutの大きさが異なるだけであり、他の動作は同じである。よって、消費電流や回路規模については、図2の検出回路10と同様の効果が発揮される。
【0035】
図4(a)は、第3の変形例に係る検出回路20の回路図である。この検出回路20では、演算増幅器11及びボルテージフォロワ12として、図2の検出回路10で用いられた両電源で動作するオペアンプではなく、片電源(+VDD)で動作するオペアンプが用いられている。つまり、この検出回路20は、図2に示された検出回路10における負電源(−VDD)をグランドとし、グランドを1/2・VDDの電圧としたものに相当する。なお、1/2・VDDの電圧は、電位を固定するために必要とされ、ほとんど電流を流すことを要しないので、例えば、正電源(+VDD)とグランド間を2つの等しい抵抗器で分圧することによって得られる。
【0036】
この検出回路20は、直流電位や信号の大きさが異なる点を除いて、図2の検出回路10と基本的な動作が同じである。つまり、演算増幅器11の両入力端子は、仮想的に短絡(イマージナリショート)の状態(いずれも1/2・VDDの電位)にある。また、演算増幅器11の帰還回路の直流電位は1/2・VDDとなり、この検出回路20の出力電圧Voutは、
Vout=1/2・(ΔC/Cf)・VDD+V0
となる。なお、電圧V0の範囲は、0≦V0≦+VDDであり、例えば、図4(a)の回路では、V0=1/2・VDDである。なお図4(a)ではCsの一端をGNDに接続しているが、図4(b)に示されるようにGNDラインと切り離して+VDDに接続しても良い。その出力電圧Voutが図4(a)におけるものと正負反転する点だけが異なり、他の動作は同じである。
【0037】
そして、抵抗器R1の両端子の電位差はほぼ零となること、及び、グランドを除いて、必要とされる電源(又は電位)は2つ(+VDD及び1/2・VDD)である点において、図2の検出回路10と同じである。よって、消費電流や回路規模については、図2の検出回路10と同様の効果が発揮される。
【0038】
図5(a)は、第4の変形例に係る検出回路30の回路図である。この検出回路30は、図2に示された検出回路10において、信号線13の電位を高抵抗の抵抗器R3を介して一定の電位Vr(この例では、グランドであるが前出のVi等でも良い)に固定したものに相当する。
【0039】
図2の検出回路10では、信号線13は、フィードバックコンデンサCf、静電容量型センサCs及びボルテージフォロワ12の入力端子(高入力インピーダンスの端子)だけに接続され、直流的にフロート状態に近い状態にあり、直流電位が固定されないという不安定性がある。この検出回路30の抵抗器R3は、図1の検出回路10におけるこのような不安定性を解消するものであり、信号線13の直流電位をグランドに固定して安定化している。
【0040】
なお、この検出回路30は、図2に示された検出回路10に高抵抗素子(抵抗器R3)が付加された点だけが異なり、基本的な動作は同じである。よって、消費電流や回路規模については図1の検出回路10と同様の効果が発揮される。また同様の効果を発揮する為、図5(b)に例示されているようにR3のかわりに、Cfと並列にRfを追加しても良い。この場合、Rfの他端はVoutに接続される。
【0041】
図6は、第5の変形例に係る検出回路40の回路図である。この検出回路40は、図2に示された検出回路10において、信号線13をグランドに接続したシールド線14で覆ったものに相当する。
【0042】
信号線13は、直流的にはグランド電位であり、これが、グランドに接続されたシールド線14で覆われることになる。よって、信号線13及びシールド線14間に浮遊容量が発生することなく、外乱ノイズの信号線13への混入を遮蔽することができる。
【0043】
なお、この検出回路40は、図2に示された検出回路10の信号線13がシールド付きの信号線13に置き換えられたものに相当し、基本的な動作は同じである。よって、消費電流や回路規模については、図2の検出回路10と同様の効果が発揮される。
【0044】
図7は、上記検出回路10〜40の電子機器への応用例を示す図である。ここでは、静電容量型センサCsであるコンデンサマイクロホンと検出回路とが一体化された、携帯電話機等に用いられるマイクロホン50の断面図が示されている。このマイクロホン50は、音孔52を有する蓋体51と、音によって振動する振動膜53と、振動膜53を固定しているリング54と、スペーサ55aと、スペーサ55aを介して振動膜53と対抗して設けられた固定電極56と、固定電極56を支持する絶縁板55bと、絶縁板55bの裏面に固定された上記検出回路10等が形成されたICチップ58と、ICチップ58をモールドしているICパッケージ59と、ICチップ58とワイヤボンディング、コンタクトホール等で接続された外部電極61a、61b等とから構成される。
【0045】
静電容量型センサCsを構成する一方の電極である振動膜53は、所定の電位(本例では、グランド)に接続され、他方の電極である固定電極56は、アルミニウム板やワイヤボンディング等の導電体を介してICチップ58の回路に接続されている。振動膜53と固定電極56とからなる静電容量型センサCsの容量変化は、絶縁板55bを介して隣接するICチップ58内の検出回路によって検出され、電気信号に変換されて、外部電極61a、61b等から出力される。なお、蓋体51は、アルミニウム等の金属からなり、絶縁基板60の上面に形成された導電膜(図示せず)とともに、内部のコンデンサ53、56やICチップ58への外乱ノイズの侵入を遮蔽するシールドボックスとしての役割を果たしている。
【0046】
図8は、図7に示されたマイクロホン50の概略的な外観図である。図8(a)は平面図、図8(b)は正面図、図8(c)は底面図である。図8(a)、(b)に示された蓋体51の大きさは、例えば、およそφ5mm×高さ2mmである。図8(c)に示された4つの外部電極61a〜61dは、例えば、検出回路の電源用の2つの端子と、出力信号用の2つの端子である。
【0047】
このような応用例においては、静電容量型センサCs(ここでは、コンデンサマイクロホン)と検出回路(ここでは、ICチップ)とは近接して設けられ、極めて短い長さの信号線13によって接続されている。そして、それらの部品は、金属製の蓋体等のシールド部材で覆われている。したがって、この応用例においては、静電容量型センサCsと検出回路とを接続する信号線とグランド間に生じる浮遊容量やその導電体に混入する外乱ノイズ等の悪影響については無視することができると考えられる。
【0048】
以上、本発明に係る検出回路について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0049】
例えば、上記実施の形態及び変形例における特徴を任意に組み合わせることで、様々な形態を実現することができる。例えば、図4(a)、(b)に示された片電源で動作するオペアンプを、図2の検出回路10だけでなく、他の検出回路15,16,20,40に適用してもよい。同様に、図5(a)、(b)に示された高抵抗素子R3、Rfによる信号線13の電位固定を、図2の検出回路10だけでなく、他の検出回路15,16,20,40に適用してもよい。ただし、この場合、抵抗R3の、回路とは逆の端子は、電位Viに接続する。さらに、図6に示されたシールド線14の付加を、図2の検出回路10だけでなく、他の検出回路15,16,20,30に適用してもよい。
【0050】
また、検出回路10に用いられた入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低い他のインピーダンス変換器としてボルテージフォロワを例示したが、例えば、正負電源間にN型MOSFETとP型MOSFETとを直列に接続して構成されるバッファ回路等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る検出回路は、演算増幅器の帰還回路とを含み、帰還回路は、少なくとも第1インピーダンス素子と入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器と、第1インピーダンス素子と前記インピーダンス変換器とに接続される信号線とを含み、信号線には、検出される静電容量の1つの端子が接続可能であり、演算増幅器の2つの入力端子は、仮想的に短絡され、静電容量の他の1つの端子が、グランド又は前記演算増幅器の電源電圧ラインに接続可能とされている。
【0052】
これによって、静電容量に電圧を印加するための特別な電源は不要となり、演算増幅器及びボルテージフォロワを構成するオペアンプへの電源又はグランド、つまり、多くても2系統の電源だけで、検出回路が動作する。
【0053】
そして、演算増幅器の1つの入力端子に、抵抗器等の入力インピーダンス素子を接続し、その入力インピーダンス素子の反対側の端子を前記電位Viに接続しておく。これによって、入力インピーダンス素子の両端子の電位差はほぼ零となり、消費電流が抑えられる。
【0054】
具体的には、電源電圧V1及びV2として、それぞれ、演算増幅器及びボルテージフォロワ等のオペアンプへの2つの電源電圧、つまり、+VDD及び−VDDとし、電位Viとして、グランド電位とする。あるいは、前記電源電圧V1及びV2として、片電源で動作するオペアンプへの電源電圧、つまり、+VDD及びグランドとし、電位Viとして、VDD/2としてもよい。なお、本発明をこれまで図に例示しながら説明してきたが、図9に例示するような回路でも実現可能である。つまり、図9(a)、(b)及び(c)に示される検出回路は、いずれも、(1)容量センサの両端に電源電圧を使った電位差を印加し、(2)オペアンプの両入力端子間が仮想的に短絡し(同電位であること)、(3)オペアンプの反転入力端子の電位をVi、+VDDをV1、−VDDをV2と読み替えると、これまで本発明で説明していた事が全て通じる。
【0055】
いずれにしても、本発明の検出回路は、多くても2系統の電源で動作する。そして、入力インピーダンス素子を用いるタイプの検出回路では、その入力インピーダンス素子の両端子を同電位に保持しているので、そこを流れる電流がほぼ零となり、消費電流が削減される。
【0056】
そして、本発明に係る検出回路は、外部から電源の供給を受ける場合には、従来よりも少ない数の接続端子やPADを備えるだけで済み、一方、内部で電源を生成する場合には、従来のようにD/A変換器等の第3の電圧を生成する回路を設ける必要がなく、回路規模が縮小化される。
【0057】
このように、本発明に係る静電容量の検出回路は、消費電流が少なく、かつ、回路規模が小さいので、携帯電話機等の小型・軽量の電子機器への組み込み部品として好適であり、その実用的価値は極めて高い。
【0058】
なお、実施の形態として、静電容量にセンサを用いて説明したが、もちろんこのようなセンサに限られるものではなく、静電容量を検出するものすべてにも本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出回路の回路図である。
【図2】本発明の検出回路の回路図である。
【図3】図2の検出回路におけるフィードバックコンデンサCfの一端の接続先を変更した第1及び第2の変形例に係る検出回路の回路図である。
【図4】図2の検出回路におけるオペアンプを片電源で動作するオペアンプで構成した第3の変形例に係る検出回路の回路図である。
【図5】図2の検出回路における信号線の電位を固定した第4の変形例に係る検出回路の回路図である。
【図6】図2の検出回路における信号線をシールド線で覆った第5の変形例に係る検出回路の回路図である。
【図7】上記検出回路の電子機器への応用例であるマイクロホンの断面図である。
【図8】図7に示されたマイクロホンの概略的な外観図である。
【図9】本発明の検出回路の回路図である。
【図10】従来の検出回路の回路図である。
【符号の説明】
R1、R2、R3 抵抗器
Cf フィードバックコンデンサCf
Cs 静電容量型センサCs
10、15、16、20、30、40 検出回路
11 演算増幅器
12 ボルテージフォロワ
13 信号線
14 シールド線
50 マイクロホン
51 蓋体
52 音孔
53 振動膜
54 リング
55a スペーサ
55b 絶縁板
56 固定電極
58 ICチップ
59 ICパッケージ
60 絶縁基板
61a〜61d 外部電極
Claims (17)
- 演算増幅器と、
前記演算増幅器の帰還回路とを含み、
前記帰還回路は、少なくとも第1インピーダンス素子と入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低いインピーダンス変換器と、
前記第1インピーダンス素子と前記インピーダンス変換器とに接続される信号線とを含み、
前記信号線には、検出される静電容量の1つの端子が接続可能であり、
前記演算増幅器の2つの入力端子は、仮想的に短絡され、
前記静電容量の他の1つの端子が、グランド又は前記演算増幅器の電源電圧ラインに接続可能とされている
ことを特徴とする静電容量の検出回路。 - 前記インピーダンス変換器はボルテージフォロワである
ことを特徴とする請求項1記載の静電容量の検出回路。 - 前記検出回路は、さらに、前記演算増幅器の1つの入力端子に接続された入力インピーダンス素子を含み、
前記演算増幅器の入力端子に接続された前記入力インピーダンス素子の1つの端子と異なる他の1つの端子は、電位Viに接続されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の検出回路。 - 前記電位Viは、前記演算増幅器に供給される2つの電源電圧V1及びV2の間の値である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の検出回路。 - 演算増幅器と、
前記演算増幅器の帰還回路とを含み、
前記帰還回路は、少なくとも第1インピーダンス素子と、前記第1インピーダンス素子と前記演算増幅器の1つの入力端子とが接続される信号線とを含み、
前記信号線には、検出される静電容量の1つの端子が接続可能であり、
前記演算増幅器の2つの入力端子は、仮想的に短絡され、
前記静電容量の他の1つの端子が、前記演算増幅器の電源電圧ラインに接続可能とされている
ことを特徴とする静電容量の検出回路。 - 前記信号線の電位をViとしたとき、当該Viは、前記演算増幅器に供給される2つの電源電圧V1及びV2の間の値である
ことを特徴とする請求項5記載の静電容量の検出回路。 - 前記電位Viは、(V1+V2)/2である
ことを特徴とする請求項4又は6記載の検出回路。 - 前記電位Viは、グランド電位である
ことを特徴とする請求項3、4、6又は7記載の検出回路。 - 前記電圧V1及びV2の一方がグランドである
ことを特徴とする請求項7記載の検出回路。 - 前記検出回路は、さらに、前記信号線に接続された高抵抗素子を含み、
前記信号線に接続された前記高抵抗素子の1つの端子と異なる他の1つの端子は、一定の電位Vrに接続されている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の検出回路。 - 前記電位Vrは、前記Viと等しい
ことを特徴とする請求項10記載の検出回路。 - 前記検出回路は、さらに、前記信号線に接続された高抵抗素子を含み、
前記信号線に接続された前記高抵抗素子の1つの端子と異なる他の1つの端子は、当該検出回路の出力端子Voutに接続されている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の検出回路。 - 前記信号線は、シールド部材で覆われ、
前記シールド部材は、一定の電位Vsに接続されている
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の検出回路。 - 前記電位Vsは、前記Vi又はグランドと等しい
ことを特徴とする請求項13記載の検出回路。 - 前記の検出される静電容量が、静電容量型センサであり、請求項1〜14のいずれか1項に記載の検出回路に当該静電容量型センサが接続された静電容量検出装置。
- 演算増幅器の帰還回路に、少なくとも第1インピーダンス素子とボルテージフォロワを含み、
前記第1インピーダンス素子と前記ボルテージフォロワの入力端子とを信号線で接続し、
前記演算増幅器の2つの入力端子を仮想的に短絡して、
検出される静電容量の1つの端子を前記信号線に接続し、他の1つの端子をグランド又は前記演算増幅器の電源電圧の電位にする
ことを特徴とする静電容量の検出方法。 - 前記演算増幅器の1つの入力端子に入力インピーダンス素子の一方の端子を接続し、
前記入力インピーダンス素子の他方の端子を、前記演算増幅器の他の一つの入力端子と同じ電位にする
ことを特徴とする請求項16記載の検出方法。
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JP2008028879A (ja) * | 2006-07-25 | 2008-02-07 | Sanyo Electric Co Ltd | マイクアンプ |
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