JP2004006416A - 高分子電解質型燃料電池の活性化方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池の活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高分子電解質型燃料電池を組み立て直後、または長時間未使用のまま放置した電池を再作動させる場合、瞬時に高性能の電池出力を得ることは困難である。
【解決手段】 高分子電解質型燃料電池を脱イオン水で煮沸する、またはガス供給路に温水を導入する、または、高分子電解質型燃料電池のガス供給路にアルコールを導入した後脱イオン水で洗浄する、または、高分子電解質型燃料電池を高酸素利用率で発電し、低電位で保持することによって簡単に、かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことを可能とする。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、高分子電解質型燃料電池の活性化方法に関する。
 従来の高分子電解質型燃料電池は、プロトン導伝性の高分子電解質薄膜と、正極および負極の電極、それぞれの電極周縁部に位置するガスケット、さらにカーボンあるいは金属製のバイポーラ板や冷却板により構成した。電池反応に寄与する電極触媒層は、貴金属触媒を担持したカーボン粉末と電解質と同等の材料の混合物を構成材料とし、これに必要によりフルオロカーボン化合物系の撥水材などを添加した混合物が一般的な構成材料である。電極は、前記電極触媒層とガス拡散層とを接合して構成する。このようにして構成した電極は電解質である高分子膜と組み合わせて電池を構成する。アノードおよびカソードの構成材料は、純水素を燃料として用いる場合、同一のものを使用することが可能である。炭化水素系燃料を改質した水素リッチなガスを燃料とする場合、改質ガス中に含まれる一酸化炭素による貴金属触媒の被毒を抑制するため、アノード側のみにルテニウムなどの耐CO被毒材料を添加して構成することも考えられてきた。また、電極のCO被毒特性は、温度が高いほど緩和されるため、改質ガスを燃料に用いる場合には70℃から90℃程度の比較的高温で電池を運転することが一般的である。
 一方、高分子電解質は−CF2−を主鎖とし、これにスルホン基(−SO3H)を末端官能基とする側鎖をペンダントしたものが一般的に使用されており、水分を含んだ状態でプロトン伝導性の電解質として機能する。そのため電池の作動状態では、電解質は常に水分を含んだ状態である必要があるが、水分を含んだ状態の電解質は、強酸性を呈する。そのため、電解質と直接接する部分の材料には耐酸性が要求される。
 電解質が水分を含んだ状態で電解質として機能するため、高分子電解質型燃料電池を動作させる場合には、電池運転温度と同程度の温度の露点まで加湿した燃料や空気を電池に供給する必要がある。特に電池運転温度が高温になるほど、供給ガスの加湿制御が重要になってくる。
高分子電解質型燃料電池を組み立て直後に作動させる場合や、または長時間未使用のまま放置した電池を再作動させる場合、電池を所定の温度に保持し、供給ガスを所定の温度や加湿量に制御したものを供給しても、瞬時に高性能の電池出力を得ることは一般に困難である。この原因は、高分子電解質型燃料電池の電極拡散層は撥水処理を施してあるため、全く濡れていないバージンな電極拡散層を水和させるには長時間を要することによる。
 また、電極触媒中に含まれる高分子電解質と同等の材料が十分に吸湿するのにも長時間を要するからである。しかも、電池を所定の温度に保持し、供給ガスを所定の温度や加湿量に制御したものを供給し長時間保持しても、無負荷状態のままでは電極拡散層は簡単には水和しない。さらに、電極触媒中に含まれる高分子電解質と同等の材料は吸湿し難く、高電流密度で発電を続けて、ようやく数日後に本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。
 そのため、従来は電池の高性能出力を早期に引き出すために、純酸素中でより高電流密度で発電したり、充分に大流量の供給ガスを供給した状態で電位規制を行い電池電圧を0V付近に維持するなどの活性化処理を行ってきた。このような手法によっても、本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すには数時間以上を要することが一般的であった。
以上の課題を解決するため、本発明の高分子電解質型燃料電池の活性化方法は、高分子電解質膜を正極と負極とで挟持し、さらに前記正極と前記負極とをガス供給路を有するバイポ−ラ板で挟持したものを単位電池とし、少なくとも前記単位電池と、集電板と、絶縁板と、エンドプレ−トとを積層した高分子電解質型燃料電池モジュールにおいて、前記ガス供給路にアルコ−ルを導入した後、水蒸気,脱イオン水,もしくは弱酸性水で前記ガス供給路を洗浄することを特徴とする。
 以上で、弱酸性水が、過酸化水素水であることが有効である。
 さらに、高分子電解質膜のイオン交換基はSO3Hであり、かつ弱酸性水が希硫酸の水溶液であることが有効である。
 以上のように本発明は、高分子電解質型燃料電池のガス供給路にアルコールを導入した後水蒸気または脱イオン水または弱酸性水で洗浄することによって簡単に、かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。
 本発明は、高分子電解質型燃料電池を脱イオン水または弱酸性水中で煮沸することによって簡単に、かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことを可能とする。この時、弱酸性水中で煮沸することによって、電解質膜や電極触媒層中に含まれる高分子電解質と同等の材料に含まれる不純物イオンをプロトンと交換し、より高性能を引き出すことが可能となる。
 しかしながら、大面積や高積層の燃料電池スタックを水中で煮沸することは、容器の容量や取り扱い性の観点で困難であることが想定される。そこで、高分子電解質型燃料電池のガス供給路に所定の電池動作温度より高温の脱イオン水または弱酸性水を導入することによって、簡単かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。さらに好ましくは、このとき水圧を0.1kgf/cm2以上に加圧することによって、より早く高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。
 また、高分子電解質型燃料電池のガス供給路にアルコールを導入することによって、電極の拡散層は即座にアルコールとなじませることが可能である。その後、水蒸気または脱イオン水または弱酸性水で洗浄することによって簡単に、かつ短時間で電極拡散層を水和させ、本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。
 この時、燃料極側に残存アルコールが存在すると、電極触媒によってアルコールが酸化され電極被毒物質を生成する。本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すには、燃料極側よりも正極側の電極拡散層を水和させることが肝要である。そこで、空気側のみにアルコールを供給しても十分な効果が得られる。また、活性化処理後しばらくは燃料極側にも酸化性ガスを供給し、電極被毒物質を更に酸化除去した後、燃料ガスを供給することがより望ましい。
 また、高分子電解質として、たとえば−CF2−を主鎖とし、これにスルホン基(−SO3H)を末端官能基とする側鎖をペンダントしたものを用いたとき、これを活性化するには、弱酸性水として、希硫酸の水溶液が望ましい。その理由は、高分子電解質のイオン交換基が−SO3Hであるので、これに希硫酸を導入しても、硫酸イオンが残存しないことによる。
 また、活性化工程で導入する脱イオン水または弱酸性水には、金属イオンを除去する必要がある。この理由は、金属イオンがあると、高分子電解質のイオン交換基であるたとえば−SO3-が、金属イオンと結合して、−SO3Me(Meは金属元素)となり、イオン交換能力を失うことによる。この現象を防ぐためには、導入する弱酸性水としては、純粋と水素イオンだけで構成される過酸化水素水が特に有用である。
 さらに、高分子電解質型燃料電池を50%以上の酸素利用率で発電し、電池の正極側を半窒息状態にし、平均電池電圧を0.3V以下の電位で保持することで電池から発生した水蒸気によって簡単に、かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能となる。
 以下、本発明の実施例を説明する。
 (実施例1)
 アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30 の白金粒子を25重量%担持したものを反応電極の触媒とした。この触媒粉末をイソプロパノールに分散させた溶液に、(化1)で示したパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料としスクリーン印刷法をもちいて、厚み250μmのカーボン不織布の一方の面に電極触媒層を形成した。形成後の反応電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。
Figure 2004006416
 これらの電極は、正極・負極共に同一構成とし、電極より一回り大きい面積を有するプロトン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜側に接するようにホットプレスによって接合して、電極/電解質接合体(MEA)を作成した。ここでは、プロトン伝導性高分子電解質として、(化2)に示したパーフルオロカーボンスルホン酸を25μmの厚みに薄膜化したものを用いた。
Figure 2004006416
 前記MEAが非多孔質カーボンからなるバイポーラ板2枚のガス流路と向かい合う形で、2枚のバイポーラ板の間にMEAを挟んで、高分子電解質型燃料電池を構成した。この高分子電解質型燃料電池の両外側に、それぞれ必要なガスマニホールド用孔を設けたヒーター板・集電板・絶縁板・エンドプレートを取り付け、最外側の両エンドプレート間を、ボルトとバネとナットを用いて、電極面積に対して20kg/cm2の圧力で締め付け、高分子電解質型燃料電池の単電池を構成した。この単電池を、イオン交換を行った蒸留水中で、1時間煮沸した。
 その後、この高分子電解質型燃料電池を75℃に保持し、一方の電極側に73℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、もう一方の電極側に68℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給した。このとき、無負荷時には、0.98Vの電池電圧を得た。また、この電池を燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2の条件で連続発電試験を行ったところ、発電直後から0.7V以上の電池電圧を得た。更に、5000時間以上にわたって0.7V以上の電池電圧を保ったまま、電池電圧の劣化なく発電が可能であった。
 比較のために全く同じ構成で、イオン交換した蒸留水中で煮沸しない、つまり活性化処理なしの高分子電解質型燃料電池を作成し、同条件で発電試験を行った。その結果、無負荷時には0.93Vの電池電圧しか得られなかった。また、この電池は燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2の条件では、初期には運転不可能であり、強制的に負荷をとると起電圧は0V以下に低下した。そこで、燃料利用率70%、酸素利用率20%、電流密度0.1A/cm2の条件で発電試験を行い、徐々に性能が向上したのを確認して、段階的に0.7A/cm2まで負荷を増大させていった。前記操作を3回繰り返し、その後ガス利用率などを当初の条件に戻し、0.3A/cm2の負荷で0.7V以上の電池電圧を得るのに約3日間必要であった。
 本実施例では、電池をイオン交換を行った蒸留水中で煮沸した例を示したが、ph=5とした過酸化水素水中で、2時間保存したものも同様の効果を示した。
 (実施例2)
 アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30 の白金粒子を25重量%担持したものを反応電極の触媒とした。この触媒粉末をイソプロパノールに分散させた溶液に、(化1)で示したパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料としスクリーン印刷法をもちいて、厚み250μmのカーボン不織布の一方の面に電極触媒層を形成した。形成後の反応電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。
 これらの電極は、正極・負極共に同一構成とし、電極より一回り大きい面積を有するプロトン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜側に接するようにホットプレスによって接合して、電極/電解質接合体(MEA)を作成した。ここでは、プロトン伝導性高分子電解質として、(化2)に示したパーフルオロカーボンスルホン酸を25μmの厚みに薄膜化したものを用いた。
 前記MEAが非多孔質カーボンからなるバイポーラ板2枚のガス流路と向かい合う形で、2枚のバイポーラ板の間にMEAを挟んで、高分子電解質型燃料電池を構成した。この高分子電解質型燃料電池の両外側に、それぞれ必要なガスマニホールド用孔を設けたヒーター板・集電板・絶縁板・エンドプレートを取り付け、最外側の両エンドプレート間を、ボルトとバネとナットを用いて、電極面積に対して20kg/cm2の圧力で締め付け、高分子電解質型燃料電池の単電池を構成した。
 これを単位電池として、連続的に100段積層した。この積層電池の両外側に、それぞれ必要なガスマニホールド・冷却水マニホールド用穴を設けた集電板・絶縁板・エンドプレートを取り付け、最外側の両エンドプレート間を、ボルトとバネとナットを用いて、電極面積に対して20kg/cm2の圧力で締め付け、高分子電解質型燃料電池スタックを構成した。
 この単電池の正極側・負極側両ガス導入口から95℃の0.01Nの硫酸水溶液を30分間導入した。この時、出口側の排出口を絞り導入した水溶液に0.1kgf/cm2の圧力がかかるよう調節した。
 その後、この高分子電解質型燃料電池スタックを冷却水を循環することで75℃に保持し、一方の電極側に73℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、もう一方の電極側に68℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給したところ、無負荷時に0.98Vの電池電圧を得た。また、この電池を燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2の条件で連続発電試験を行ったところ、発電直後から0.7V以上の電池電圧を得た。更に、5000時間以上にわたって0.7V以上の電池電圧を保ったまま、電池電圧の劣化なく発電が可能であった。
 本実施例では、単電池の正極側・負極側両ガス導入口から95℃の0.01Nの硫酸水溶液を30分間導入することで活性化した例を示したが、90℃でph=5とした過酸化水素水を1時間導入することで活性化したものも同様の効果を示した。また同様に、95℃の脱イオン水を3時間導入したものも同様の効果を得た。
 (実施例3)
 アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30 の白金粒子を25重量%担持したものを反応電極の触媒とした。この触媒粉末をイソプロパノールに分散させた溶液に、(化1)で示したパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料としスクリーン印刷法をもちいて、厚み250μmのカーボン不織布の一方の面に電極触媒層を形成した。形成後の反応電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。
 これらの電極は、正極・負極共に同一構成とし、電極より一回り大きい面積を有するプロトン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜側に接するようにホットプレスによって接合して、電極/電解質接合体(MEA)を作成した。ここでは、プロトン伝導性高分子電解質として、(化2)に示したパーフルオロカーボンスルホン酸を25μmの厚みに薄膜化したものを用いた。
 前記MEAが非多孔質カーボンからなるバイポーラ板2枚のガス流路と向かい合う形で、2枚のバイポーラ板の間にMEAを挟んで、高分子電解質型燃料電池を構成した。この高分子電解質型燃料電池の両外側に、それぞれ必要なガスマニホールド用孔を設けたヒーター板・集電板・絶縁板・エンドプレートを取り付け、最外側の両エンドプレート間を、ボルトとバネとナットを用いて、電極面積に対して20kg/cm2の圧力で締め付け、高分子電解質型燃料電池の単電池を構成した。
 この単電池のガス供給口から、約100ccのメタノールを供給した後、イオン交換蒸留水を供給して洗浄した。その後、この高分子電解質型燃料電池を75℃に保持し、両方の電極側に70℃の露点となるよう加湿・加温した空気を1時間供給した後、燃料極側を窒素ガスで置換した。その後、燃料極側に73℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、空気極側に68℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給したところ、無負荷時に0.98Vの電池電圧を得た。また、この電池を燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2の条件で連続発電試験を行ったところ、発電直後から0.7V以上の電池電圧を得た。更に、5000時間以上にわたって0.7V以上の電池電圧を保ったまま、電池電圧の劣化なく発電が可能であった。
 本実施例では、メタノールを供給した後、イオン交換蒸留水を供給することで活性化したが、ph=5とした過酸化水素水を1時間導入することで活性化したものも同様の効果を示した。
 また、ph=5とした希硫酸の水溶液を用いても同様の効果を得た。
 (実施例4)
 アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30 の白金粒子を25重量%担持したものを反応電極の触媒とした。この触媒粉末をイソプロパノールに分散させた溶液に、(化1)で示したパーフルオロカーボンスルホン酸の粉末をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料としスクリーン印刷法をもちいて、厚み250μmのカーボン不織布の一方の面に電極触媒層を形成した。形成後の反応電極中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるよう調整した。
 これらの電極は、正極・負極共に同一構成とし、電極より一回り大きい面積を有するプロトン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、印刷した触媒層が電解質膜側に接するようにホットプレスによって接合して、電極/電解質接合体(MEA)を作成した。ここでは、プロトン伝導性高分子電解質として、(化2)に示したパーフルオロカーボンスルホン酸を25μmの厚みに薄膜化したものを用いた。
 前記MEAを、2枚のガスケットで挟み、さらに非多孔質カーボン板からなるバイポーラ板2枚のガス流路が向かい合う形で、2枚のバイポーラ板の間にMEAとガスケットを挟んで、高分子電解質型燃料電池を構成した。この高分子電解質型燃料電池の両外側に、それぞれ必要なガスマニホールド用孔を設けたヒーター板・集電板・絶縁板・エンドプレートを取り付け、最外側の両エンドプレート間を、ボルトとバネとナットを用いて、電極面積に対して20kg/cm2の圧力で締め付け、高分子電解質型燃料電池の単電池を構成した。
 この単電池に活性化処理を施さず、そのまま75℃まで昇温し、燃料極側に73℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、空気極側に68℃の露点となるように加湿・加温した空気を供給したところ、無負荷時に0.93Vの電池電圧を得た。次に、この電池を燃料利用率90%、酸素利用率60%となるようガス流量を調整しながら、電池電圧が0.1となるよう低電位で発電を行い1時間保持した。
 その後、燃料利用率90%、酸素利用率60%となるようガス流量を調整し、0.3A/cm2の定電流密度で連続発電試験を行ったところ、発電直後から0.7V以上の電池電圧を得た。更に、5000時間以上にわたって0.7V以上の電池電圧を保ったまま、電池電圧の劣化なく発電が可能であった。
 本実施例では、活性化する印加電圧を単電池あたり0.1Vとしたが、0.3Vより高い電圧では、効果が著しく低下した。
 また、印加電圧を単電池あたり0Vより低くし、これを長時間印可すると、電池の出力特性が劣化した。これは印加電圧を単電池あたり0Vより低くすると、電池のいわゆる転極現象が起こり、電池反応部分が一部破壊されたことによるものと考えられる。
 本発明に係る高分子電解質膜型燃料電池の活性化方法は、高分子電解質型燃料電池のガス供給路にアルコールを導入した後水蒸気または脱イオン水または弱酸性水で洗浄することによって簡単に、かつ短時間で本来電池が有している高性能の電池出力を引き出すことが可能な高分子電解質膜型燃料電池の活性化方法等として有用である。



Claims (3)

  1. 高分子電解質膜を正極と負極とで挟持し、さらに前記正極と前記負極とをガス供給路を有するバイポ−ラ板で挟持したものを単位電池とし、少なくとも前記単位電池と、集電板と、絶縁板と、エンドプレ−トとを積層した高分子電解質型燃料電池モジュールにおいて、前記ガス供給路にアルコ−ルを導入した後、水蒸気,脱イオン水,もしくは弱酸性水で前記ガス供給路を洗浄することを特徴とする高分子電解質型燃料電池の活性化方法。
  2. 弱酸性水が、過酸化水素水であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池の活性化方法。
  3.  高分子電解質膜のイオン交換基はSO3Hであり、かつ弱酸性水が希硫酸の水溶液であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池の活性化方法。

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