JP2004006248A - 有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示コントラストが良好で、且つ、偏光レンズを備えたサングラスを着用した人でも表示光を視認できる有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】有機ELパネル20は、第一電極と発光層と第二電極とを基板に積層形成したものである。円偏光板21は、直線偏光板42及び複屈折板43を有し、有機ELパネル20の前面側に設けられる。直線偏光板42は、有機ELパネル20の長手方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有する。複屈折板43は、偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸43Aを有する。
【選択図】 図8
【解決手段】有機ELパネル20は、第一電極と発光層と第二電極とを基板に積層形成したものである。円偏光板21は、直線偏光板42及び複屈折板43を有し、有機ELパネル20の前面側に設けられる。直線偏光板42は、有機ELパネル20の長手方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有する。複屈折板43は、偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸43Aを有する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルと記す)を用いた有機EL表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有機ELパネルが種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。有機ELパネル1は、透光性基板に透明電極,有機層,背面電極を順次積層形成したものであり、前記有機層は正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有している。有機ELパネル1は透明電極と背面電極とに駆動電圧を印加することにより、発光層が発光し表示光が発せられる。有機ELパネル1の前面には円偏光板2を貼着して、表示コントラストを向上させている。円偏光板2は直線偏光板3及び複屈折板4からなるものであり、直線偏光板3は水平方向の偏光軸3A、複屈折板4は水平方向に対して45°の遅相軸4Aを夫々有している。なお、複屈折板4は、1/4波長板と称されることもある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2761453号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、偏光レンズ5を備えたサングラス6を着用している人は、表示光を視認できないという問題があった。つまり、直線偏光板3を通過した表示光は水平方向の偏光になっているが、サングラス6の偏光レンズ5の偏光軸5Aは垂直方向であるため、水平方向の偏光である表示光は遮られてしまう。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示コントラストが良好で、且つ、偏光レンズを備えたサングラスを着用した人でも表示光を視認できる有機EL表示装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、少なくとも第一電極26と発光層と第二電極29とを基板25に積層形成した有機ELパネル20と、直線偏光板42及び複屈折板43を有し前記有機ELパネル20の前面側に設けられた円偏光板21と、を有する有機EL表示装置であって、前記直線偏光板42は、前記有機ELパネル20の横方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有するものである。
【0006】
また、本発明は、前記複屈折板43は、前記偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸43Aを有するものである。
【0007】
また、本発明は、前記円偏光板21に対向する傾斜部10aを有する透光性カバー10を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
有機EL表示装置は、有機ELパネル20,円偏光板21及び透光性カバー20を有している。有機ELパネル20は、第一電極26と有機層28と第二電極29とを基板25に積層形成したものである。円偏光板21は、直線偏光板42及び複屈折板43を有し、有機ELパネル20の前面側に設けられる。透光性カバー20は、円偏光板21に対向する傾斜部10aを有し、円偏光板21の前方に配置される。直線偏光板42は、有機ELパネル20の長手方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有する。複屈折板43は、直線偏光板42の偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸を有する。
【0009】
【実施例】
以下、添付の図面に基づいて、本発明を車両用表示装置に適用した一実施例を説明する。
8はハウジングであり、このハウジング8には後述する指示計器が収容されている。9は見返し部材であり、この見返し部材9は係止爪(図示しない)によりハウジング8に係止されている。
【0010】
10は透光性カバーであり、この透光性カバー10は湾曲部10a及びリブ部10bを有している。透光性カバー10はアクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、半透過性になっている。この半透過性の透光性カバー10はスモークカバーと称されることもある。透光性カバー10は、リブ部10bに設けられた係止爪(図示しない)により見返し部材9に係止されている。
透光性カバー10の湾曲部10aは、傾斜角度が漸次異なる湾曲した形状となっており、後述する指示計器側に凸となっている。
【0011】
ハウジング8には4個の指示計器、即ち、燃料計11a,速度計11b,回転計11c,水温計11dが収納されている。速度計11b及び回転計11cは、燃料計11a及び水温計11dよりも大きくなっており、燃料計11a及び水温計11dの間に配置されている。見返し部材9は、燃料計11a,速度計11b,回転計11c,水温計11dに対応する円形の開口9a,9b,9c,9dを有している。
【0012】
各指示計器11a,11b,11c,11dは、文字板12,バルブ13,導光部材14,指針15,ステッピングモータ16及び回路基板17を有している。文字板12はポリカーボネート等の樹脂からなる透光性基板に、指標部18に透過性インクからなる半透過層を印刷形成し、指標部18を除いて黒色インクからなる遮光層を印刷形成したものである。バルブ13及び導光部材14は文字板12の後方に配置されており、指標部18はバルブ13の光により透過照明される。指針15はステッピングモータ16により回動され、文字板12の指標部18を指示する。バルブ13の光は導光部材14の反射面14aにより指針15に導かれ、指針15の指示部19が光輝する。
【0013】
20は有機ELパネルであり、この有機ELパネル20は速度計11bの文字板12の後方に配設されている。21は円偏光板であり、この円偏光板21は有機ELパネル20の前面に貼着されている。文字板12には矩形の開口12aが形成されており、有機ELパネル20及び円偏光板21は開口12aに対応する位置に配置されている。有機ELパネル20が発した表示光は、円偏光板21及び透光性カバー10を通過して運転者に達する。22はケース体であり、このケース体22で有機ELパネル20が保持されている。23は可撓性配線部材であり、この可撓性配線部材23によって有機ELパネル20の電極を回路基板17のコネクタ24に接続している。
【0014】
次に、図3乃至図5に基いて、有機ELパネル20について詳述する。有機ELパネル20は、ガラス基板25(基板)の後面に、ITOからなる透明電極26(第一電極),絶縁層27,有機層28,アルミニウム(Al)等からなる背面電極29(第二電極)を順次積層したものであり、背面電極29の後側には封止ガラス30が配設されている。封止ガラス30は、紫外線硬化型の接着剤でガラス基板25に固着されている。有機層28は、少なくとも発光層があれば良いが、ホール輸送層,電子輸送層等があっても良い。
【0015】
有機ELパネル20は、正面視で横長の長方形になっており、数値表示部31及び単位表示部32を有している。数値表示部31は、日字形に配設された表示セグメント33からなる6桁の数字表示部34からなるものである。
透明電極26は、リード部34と、リード部34の一端と連なるセグメント部35と、リード部34の他端と連なる陽極端子部36と、陰極端子部37とを有している。セグメント部35は日字形に配設されており、このセグメント部35に各々リード部34が連設されている。リード部34はガラス基板25の一辺側に引き回されており、陽極端子部36が連設されている。陽極端子部36及び陰極端子部37はガラス基板25の一辺側に列状に配置されている。
【0016】
絶縁層27は、透明電極26のセグメント部35の周縁部と若干重なるように形成されており、表示セグメント33に対応する箇所を除いて、ガラス基板25の略全範囲に設けられている。背面電極29はガラス基板25の略全範囲に設けられており、陰極端子部37に接続されている。
【0017】
次に、図6乃至図8に基いて円偏光板21について詳述する。円偏光板21は、直線偏光板42と、複屈折板43とからなるものである。直線偏光板42は、60°の偏光軸42Aを有し、複屈折板43は15°の遅相軸43Aを有している(図8参照)。つまり、複屈折板43は、偏光軸42Aに対して45°の遅相軸43Aを有している。
【0018】
外光a1は直線偏光板22を通過して60°の直線偏光a2となり、更に複屈折板43を通過して右円偏光a3となる。そして、有機ELパネル20の背面電極29により前向きに反射され左円偏光a4となり、複屈折板21を通過して150°の直線偏光a5となる。直線偏光a5は、偏光軸42Aに直交しているため、直線偏光板42を通過することができない。従って、外光a1が有機ELパネル20に入射し背面電極29により反射されても直線偏光板42により遮られる(図6参照)。表示光は直線偏光板42を通過して、60°の直線偏光になる(図7参照)。なお、上述した偏光軸42A,遅相軸43A,直線偏光a2,a5の角度は、X軸(有機ELパネル20の横方向)を基準とするものである。
【0019】
本実施例は、有機ELパネル20の前面に円偏光板21を設けたことにより、表示コントラストを向上させることができる。且つ、60°の偏光軸42Aを有する直線偏光板42を用いたことにより、偏光レンズ44を備えたサングラス45を着用している人も、若干の輝度低下があるが、表示光を視認できる。
【0020】
なお、本実施例は、60°の偏光軸42Aを有する直線偏光板42を用いたものであるが、偏光軸42Aが30°〜90°であれば、偏光レンズ44を備えたサングラス45を着用している人も、表示光を視認できる。また、複屈折板43の遅相軸43Aは、偏光軸42Aに対して40°〜50°であれば実用上なんら問題はないが、偏光軸42Aに対して45°であることが望ましく、輝度が低下しない。また、直線偏光板42に微細な凹凸を形成しても良く、外光a1が直線偏光板42で反射されることを防止できる。
【0021】
次に、直線偏光板の偏光軸の角度と、表示光の輝度との関係について説明する。図9は本願の発明者が行った実験の試験装置の概略構成を示すものであり、120は有機ELパネル、121は円偏光板、110は透光性板状部材、130は輝度計である。
【0022】
有機ELパネル120は、有機ELパネル20に相当するものであるが、有機ELパネル20のような数値表示部31及び単位表示部32は無く、長方形の発光部を有している。円偏光板121は、円偏光板21に相当するものであり、有機ELパネル120の前面に貼着されている。円偏光板121は、直線偏光板142及び複屈折板143を有しており、有機ELパネル120の長手方向に対して、直線偏光板142の偏光軸の角度は0°、複屈折板143の遅相軸の角度は45°になっている。
【0023】
透光性板状部材110は、透光性カバー10に相当するものであるが、平板形状になっている。透光性板状部材110は、無色のアクリルまたはポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、前後方向に傾斜して配置されている。つまり、透光性板状部材110は、法線110aがXY平面に対して所定の角度H(例えば45°)を有するように傾斜配置されている。輝度計130は、透光性板状部材110を透過した表示光L2の輝度を測定する。
【0024】
上述の試験装置を用いた実験では、有機ELパネル120をZ軸回りに回転させ、直線偏光板142の偏光軸の角度を漸次変化させながら、透光性板状部材110を透過した表示光L2の輝度を測定した。図10はその実験結果を示すものであり、偏光軸の角度に応じて輝度が高くなる略S字状曲線の輝度データが得られた。つまり、直線偏光板142の偏光軸の角度が大きいほど、透光性板状部材110で反射される光L3が少なくなり、透光性板状部材110を透過する表示光L2の輝度が高くなる。
【0025】
従って、円偏光板21に対向する個所が前後方向に傾斜している透光性カバー10を有する車両用表示装置では、直線偏光板42の偏光軸42Aの角度は45°以上であることが望ましく、60°以上であることが更に望ましい。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも第一電極と発光層と第二電極とを有する積層体を基板に形成した有機ELパネルと、直線偏光板及び複屈折板を有し前記有機ELパネルの前面側に設けられた円偏光板と、を有する有機EL表示装置であって、前記直線偏光板は、前記有機ELパネルの横方向に対して30°〜90°の偏光軸を有するものであり、偏光レンズを備えたサングラスを着用している人も表示光を視認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す車両用表示装置の正面図。
【図2】同上実施例を示す車両用表示装置の断面図。
【図3】同上実施例を示す有機ELパネルの正面図。
【図4】同上実施例を示す有機ELパネルの拡大図。
【図5】同上実施例を示す有機ELパネルの分解斜視図。
【図6】同上実施例を示す円偏光板の作用説明図。
【図7】同上実施例を示す円偏光板の作用説明図。
【図8】同上実施例を示す円偏光板の分解正面図。
【図9】実験装置の概略構成図。
【図10】偏光軸の角度と輝度の関係を示す図。
【図11】従来例を示す有機EL表示装置の分解斜視図。
【符号の説明】
20 有機ELパネル
21 円偏光板
26 透明電極(第一電極)
29 背面電極(第二電極)
42 直線偏光板
42A 偏光軸
43 複屈折板
43A 遅相軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルと記す)を用いた有機EL表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有機ELパネルが種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。有機ELパネル1は、透光性基板に透明電極,有機層,背面電極を順次積層形成したものであり、前記有機層は正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を有している。有機ELパネル1は透明電極と背面電極とに駆動電圧を印加することにより、発光層が発光し表示光が発せられる。有機ELパネル1の前面には円偏光板2を貼着して、表示コントラストを向上させている。円偏光板2は直線偏光板3及び複屈折板4からなるものであり、直線偏光板3は水平方向の偏光軸3A、複屈折板4は水平方向に対して45°の遅相軸4Aを夫々有している。なお、複屈折板4は、1/4波長板と称されることもある。
【0003】
【特許文献1】
特許第2761453号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、偏光レンズ5を備えたサングラス6を着用している人は、表示光を視認できないという問題があった。つまり、直線偏光板3を通過した表示光は水平方向の偏光になっているが、サングラス6の偏光レンズ5の偏光軸5Aは垂直方向であるため、水平方向の偏光である表示光は遮られてしまう。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、表示コントラストが良好で、且つ、偏光レンズを備えたサングラスを着用した人でも表示光を視認できる有機EL表示装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、少なくとも第一電極26と発光層と第二電極29とを基板25に積層形成した有機ELパネル20と、直線偏光板42及び複屈折板43を有し前記有機ELパネル20の前面側に設けられた円偏光板21と、を有する有機EL表示装置であって、前記直線偏光板42は、前記有機ELパネル20の横方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有するものである。
【0006】
また、本発明は、前記複屈折板43は、前記偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸43Aを有するものである。
【0007】
また、本発明は、前記円偏光板21に対向する傾斜部10aを有する透光性カバー10を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
有機EL表示装置は、有機ELパネル20,円偏光板21及び透光性カバー20を有している。有機ELパネル20は、第一電極26と有機層28と第二電極29とを基板25に積層形成したものである。円偏光板21は、直線偏光板42及び複屈折板43を有し、有機ELパネル20の前面側に設けられる。透光性カバー20は、円偏光板21に対向する傾斜部10aを有し、円偏光板21の前方に配置される。直線偏光板42は、有機ELパネル20の長手方向に対して30°〜90°の偏光軸42Aを有する。複屈折板43は、直線偏光板42の偏光軸42Aに対して40°〜50°の遅相軸を有する。
【0009】
【実施例】
以下、添付の図面に基づいて、本発明を車両用表示装置に適用した一実施例を説明する。
8はハウジングであり、このハウジング8には後述する指示計器が収容されている。9は見返し部材であり、この見返し部材9は係止爪(図示しない)によりハウジング8に係止されている。
【0010】
10は透光性カバーであり、この透光性カバー10は湾曲部10a及びリブ部10bを有している。透光性カバー10はアクリル,ポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、半透過性になっている。この半透過性の透光性カバー10はスモークカバーと称されることもある。透光性カバー10は、リブ部10bに設けられた係止爪(図示しない)により見返し部材9に係止されている。
透光性カバー10の湾曲部10aは、傾斜角度が漸次異なる湾曲した形状となっており、後述する指示計器側に凸となっている。
【0011】
ハウジング8には4個の指示計器、即ち、燃料計11a,速度計11b,回転計11c,水温計11dが収納されている。速度計11b及び回転計11cは、燃料計11a及び水温計11dよりも大きくなっており、燃料計11a及び水温計11dの間に配置されている。見返し部材9は、燃料計11a,速度計11b,回転計11c,水温計11dに対応する円形の開口9a,9b,9c,9dを有している。
【0012】
各指示計器11a,11b,11c,11dは、文字板12,バルブ13,導光部材14,指針15,ステッピングモータ16及び回路基板17を有している。文字板12はポリカーボネート等の樹脂からなる透光性基板に、指標部18に透過性インクからなる半透過層を印刷形成し、指標部18を除いて黒色インクからなる遮光層を印刷形成したものである。バルブ13及び導光部材14は文字板12の後方に配置されており、指標部18はバルブ13の光により透過照明される。指針15はステッピングモータ16により回動され、文字板12の指標部18を指示する。バルブ13の光は導光部材14の反射面14aにより指針15に導かれ、指針15の指示部19が光輝する。
【0013】
20は有機ELパネルであり、この有機ELパネル20は速度計11bの文字板12の後方に配設されている。21は円偏光板であり、この円偏光板21は有機ELパネル20の前面に貼着されている。文字板12には矩形の開口12aが形成されており、有機ELパネル20及び円偏光板21は開口12aに対応する位置に配置されている。有機ELパネル20が発した表示光は、円偏光板21及び透光性カバー10を通過して運転者に達する。22はケース体であり、このケース体22で有機ELパネル20が保持されている。23は可撓性配線部材であり、この可撓性配線部材23によって有機ELパネル20の電極を回路基板17のコネクタ24に接続している。
【0014】
次に、図3乃至図5に基いて、有機ELパネル20について詳述する。有機ELパネル20は、ガラス基板25(基板)の後面に、ITOからなる透明電極26(第一電極),絶縁層27,有機層28,アルミニウム(Al)等からなる背面電極29(第二電極)を順次積層したものであり、背面電極29の後側には封止ガラス30が配設されている。封止ガラス30は、紫外線硬化型の接着剤でガラス基板25に固着されている。有機層28は、少なくとも発光層があれば良いが、ホール輸送層,電子輸送層等があっても良い。
【0015】
有機ELパネル20は、正面視で横長の長方形になっており、数値表示部31及び単位表示部32を有している。数値表示部31は、日字形に配設された表示セグメント33からなる6桁の数字表示部34からなるものである。
透明電極26は、リード部34と、リード部34の一端と連なるセグメント部35と、リード部34の他端と連なる陽極端子部36と、陰極端子部37とを有している。セグメント部35は日字形に配設されており、このセグメント部35に各々リード部34が連設されている。リード部34はガラス基板25の一辺側に引き回されており、陽極端子部36が連設されている。陽極端子部36及び陰極端子部37はガラス基板25の一辺側に列状に配置されている。
【0016】
絶縁層27は、透明電極26のセグメント部35の周縁部と若干重なるように形成されており、表示セグメント33に対応する箇所を除いて、ガラス基板25の略全範囲に設けられている。背面電極29はガラス基板25の略全範囲に設けられており、陰極端子部37に接続されている。
【0017】
次に、図6乃至図8に基いて円偏光板21について詳述する。円偏光板21は、直線偏光板42と、複屈折板43とからなるものである。直線偏光板42は、60°の偏光軸42Aを有し、複屈折板43は15°の遅相軸43Aを有している(図8参照)。つまり、複屈折板43は、偏光軸42Aに対して45°の遅相軸43Aを有している。
【0018】
外光a1は直線偏光板22を通過して60°の直線偏光a2となり、更に複屈折板43を通過して右円偏光a3となる。そして、有機ELパネル20の背面電極29により前向きに反射され左円偏光a4となり、複屈折板21を通過して150°の直線偏光a5となる。直線偏光a5は、偏光軸42Aに直交しているため、直線偏光板42を通過することができない。従って、外光a1が有機ELパネル20に入射し背面電極29により反射されても直線偏光板42により遮られる(図6参照)。表示光は直線偏光板42を通過して、60°の直線偏光になる(図7参照)。なお、上述した偏光軸42A,遅相軸43A,直線偏光a2,a5の角度は、X軸(有機ELパネル20の横方向)を基準とするものである。
【0019】
本実施例は、有機ELパネル20の前面に円偏光板21を設けたことにより、表示コントラストを向上させることができる。且つ、60°の偏光軸42Aを有する直線偏光板42を用いたことにより、偏光レンズ44を備えたサングラス45を着用している人も、若干の輝度低下があるが、表示光を視認できる。
【0020】
なお、本実施例は、60°の偏光軸42Aを有する直線偏光板42を用いたものであるが、偏光軸42Aが30°〜90°であれば、偏光レンズ44を備えたサングラス45を着用している人も、表示光を視認できる。また、複屈折板43の遅相軸43Aは、偏光軸42Aに対して40°〜50°であれば実用上なんら問題はないが、偏光軸42Aに対して45°であることが望ましく、輝度が低下しない。また、直線偏光板42に微細な凹凸を形成しても良く、外光a1が直線偏光板42で反射されることを防止できる。
【0021】
次に、直線偏光板の偏光軸の角度と、表示光の輝度との関係について説明する。図9は本願の発明者が行った実験の試験装置の概略構成を示すものであり、120は有機ELパネル、121は円偏光板、110は透光性板状部材、130は輝度計である。
【0022】
有機ELパネル120は、有機ELパネル20に相当するものであるが、有機ELパネル20のような数値表示部31及び単位表示部32は無く、長方形の発光部を有している。円偏光板121は、円偏光板21に相当するものであり、有機ELパネル120の前面に貼着されている。円偏光板121は、直線偏光板142及び複屈折板143を有しており、有機ELパネル120の長手方向に対して、直線偏光板142の偏光軸の角度は0°、複屈折板143の遅相軸の角度は45°になっている。
【0023】
透光性板状部材110は、透光性カバー10に相当するものであるが、平板形状になっている。透光性板状部材110は、無色のアクリルまたはポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものであり、前後方向に傾斜して配置されている。つまり、透光性板状部材110は、法線110aがXY平面に対して所定の角度H(例えば45°)を有するように傾斜配置されている。輝度計130は、透光性板状部材110を透過した表示光L2の輝度を測定する。
【0024】
上述の試験装置を用いた実験では、有機ELパネル120をZ軸回りに回転させ、直線偏光板142の偏光軸の角度を漸次変化させながら、透光性板状部材110を透過した表示光L2の輝度を測定した。図10はその実験結果を示すものであり、偏光軸の角度に応じて輝度が高くなる略S字状曲線の輝度データが得られた。つまり、直線偏光板142の偏光軸の角度が大きいほど、透光性板状部材110で反射される光L3が少なくなり、透光性板状部材110を透過する表示光L2の輝度が高くなる。
【0025】
従って、円偏光板21に対向する個所が前後方向に傾斜している透光性カバー10を有する車両用表示装置では、直線偏光板42の偏光軸42Aの角度は45°以上であることが望ましく、60°以上であることが更に望ましい。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも第一電極と発光層と第二電極とを有する積層体を基板に形成した有機ELパネルと、直線偏光板及び複屈折板を有し前記有機ELパネルの前面側に設けられた円偏光板と、を有する有機EL表示装置であって、前記直線偏光板は、前記有機ELパネルの横方向に対して30°〜90°の偏光軸を有するものであり、偏光レンズを備えたサングラスを着用している人も表示光を視認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す車両用表示装置の正面図。
【図2】同上実施例を示す車両用表示装置の断面図。
【図3】同上実施例を示す有機ELパネルの正面図。
【図4】同上実施例を示す有機ELパネルの拡大図。
【図5】同上実施例を示す有機ELパネルの分解斜視図。
【図6】同上実施例を示す円偏光板の作用説明図。
【図7】同上実施例を示す円偏光板の作用説明図。
【図8】同上実施例を示す円偏光板の分解正面図。
【図9】実験装置の概略構成図。
【図10】偏光軸の角度と輝度の関係を示す図。
【図11】従来例を示す有機EL表示装置の分解斜視図。
【符号の説明】
20 有機ELパネル
21 円偏光板
26 透明電極(第一電極)
29 背面電極(第二電極)
42 直線偏光板
42A 偏光軸
43 複屈折板
43A 遅相軸
Claims (3)
- 少なくとも第一電極と発光層と第二電極とを基板に積層形成した有機ELパネルと、直線偏光板及び複屈折板を有し前記有機ELパネルの前面側に設けられた円偏光板と、を有する有機EL表示装置であって、前記直線偏光板は、前記有機ELパネルの横方向に対して30°〜90°の偏光軸を有することを特徴とする有機EL表示装置。
- 前記複屈折板は、前記偏光軸に対して40°〜50°の遅相軸を有することを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
- 前記円偏光板に対向する傾斜部を有する透光性カバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
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