JP2004005840A - アクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置 - Google Patents
アクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】この発明は、装置構成を簡略化でき、小型軽量化が可能で、装置の製造コストを削減できるアクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置を提供することを課題とする。
【解決手段】磁気ディスク装置のヘッドアクチュエータを退避位置にラッチするイナーシャラッチ機構は、ヘッドアクチュエータに係合してラッチするラッチアーム51、外力に応じてラッチアーム51を動作させるイナーシャアーム、およびボトムヨークの漏れ磁束をラッチアーム51の磁性体44に作用させてラッチアーム1をラッチ解除位置に復帰させる復帰機構42を有する。復帰機構42は、磁性体44に近付くようにボトムヨークを部分的に形状加工した磁力発生部46を有する。
【選択図】 図3
【解決手段】磁気ディスク装置のヘッドアクチュエータを退避位置にラッチするイナーシャラッチ機構は、ヘッドアクチュエータに係合してラッチするラッチアーム51、外力に応じてラッチアーム51を動作させるイナーシャアーム、およびボトムヨークの漏れ磁束をラッチアーム51の磁性体44に作用させてラッチアーム1をラッチ解除位置に復帰させる復帰機構42を有する。復帰機構42は、磁性体44に近付くようにボトムヨークを部分的に形状加工した磁力発生部46を有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、大容量のデータを記憶可能なディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置が広く用いられている。一般に、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスク、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータ、磁気ヘッドを支持したヘッドアクチュエータ、このアクチュエータを駆動するボイスコイルモータ、基板ユニット等を備えている。
【0003】
また、近年、携帯可能な小型のパーソナルコンピュータが普及しつつあり、この種のパーソナルコンピュータに搭載される磁気ディスク装置は、携帯時における衝撃等に対する信頼性の向上が求められている。
【0004】
そこで、磁気ディスク装置の非作動時に磁気ヘッドを保持する機構として、ランプロード機構を備えたものが提案されている。このランプロード機構は、磁気ディスクの外側に設けられたランプを備え、磁気ディスク装置の非作動時に、アクチュエータが磁気ディスクの外周に位置した退避位置まで回動され、サスペンションがランプに乗り上げる。これにより、磁気ヘッドは、磁気ディスク表面から離間した位置に保持され、衝撃を受けた際に磁気ディスクとの衝突が防止される。
【0005】
更に、この種の磁気ディスク装置として、耐衝撃性を一層高めるため、アクチュエータを上述した退避位置にラッチするラッチ機構を備えた装置が提案されている。例えば、特開平7−192419号公報に開示された装置は、ディスク装置の非作動時に、退避位置に回動されているヘッドアクチュエータと係合することでアクチュエータをラッチするラッチアームと、このラッチアームをアクチュエータと係合する係合位置と係合を解除する解除位置との間で移動させるための電磁石と、を備えたラッチ機構を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示された装置では、ディスク装置の非作動時にアクチュエータを確実に退避位置にラッチすることが可能で耐衝撃性に優れている反面、アクチュエータを退避位置にラッチするためのラッチ機構が電磁石を伴う大掛りなものとなり、部品点数が増大し、装置が大きくなり、且つ重くなり、携帯時の利便性を損なう問題があった。
【0007】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、装置構成を簡略化でき、小型軽量化が可能で、装置の製造コストを削減できるアクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のイナーシャラッチ機構は、ディスク状の記録媒体に沿ってヘッドを移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータを、上記所定の退避位置へラッチするものであって、上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、上記復帰機構は、上記ラッチアームに設けられた磁性体と、上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記アクチュエータを動作させるボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、を備えている。
【0009】
また、本発明のディスク装置は、ディスク状の記録媒体と、この記録媒体を支持および回転駆動するステッピングモータと、上記記録媒体に対して情報処理を行なうヘッドと、このヘッドを上記記録媒体に沿って移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータと、このアクチュエータを動作させるボイスコイルモータと、上記アクチュエータが上記退避位置に移動している状態で外力を受けた際に、該アクチュエータを上記退避位置へラッチするイナーシャラッチ機構と、を備え、上記イナーシャラッチ機構は、上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、上記復帰機構は、上記ラッチアームに設けられた磁性体と、上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記ボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1には、この発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置1(ディスク装置)の外観を斜視図にして示してある。また、図2には、磁気ディスク装置1に組み込まれたヘッドアクチュエータ18(アクチュエータ)、ボトムヨーク40、およびイナーシャラッチ機構50の平面図を概略的に示してある。
【0012】
図1に示すように、磁気ディスク装置1は、上面の開口した矩形箱状のケース10と、複数のねじによりケース10にねじ止めされてケース10の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーと、を有している。
【0013】
ケース10内には、記録媒体としての2枚の磁気ディスク16、この磁気ディスク16を支持および回転させるスピンドルモータ12、磁気ディスク16に対して情報の書き込み、読み出しを行なう複数の磁気ヘッド32(ヘッド)、これらの磁気ヘッド32を磁気ディスク16に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ18(アクチュエータ)、ヘッドアクチュエータ18を回動および位置決めするためのボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)20(図2参照)、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の最外周の退避位置に移動した際、磁気ヘッド32を磁気ディスク16から離間した位置に保持するランプロード機構24、ヘッドクチュエータ18を退避位置に保持するイナーシャラッチ機構50(図2参照)、およびヘッドIC等を有する基板ユニット60などが収納されている。
【0014】
磁気ディスク16は、直径65mm(2.5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を有している。磁気ディスク16は、スピンドルモータ12のハブ14に同軸的に嵌合されているとともにクランプばねにより保持されている。そして、磁気ディスク16は、スピンドルモータ12によって所定の速度で回転駆動される。
【0015】
図2に詳細に示すように、ヘッドアクチュエータ18は、ケース10の底壁上に固定された軸受組立体26と、軸受組立体26に取り付けられているとともに軸受組立体26から延出した2本のアーム28(一方のみを図示する)と、軸受組立体26に取り付けられアーム28と反対方向に延出した支持フレーム34と、を備えている。各アーム28の延出端には、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション30が固定され、サスペンション30の先端には、図示しないジンバル部を介して磁気ヘッド32が取り付けられている。
【0016】
そして、ヘッドアクチュエータ18は、軸受組立体26を中心として回動自在であり、サスペンション30を介して2本のアーム28に支持された2対の磁気ヘッド32は、アーム28およびサスペンション30と一体的に回動し、磁気ディスク16上の任意の情報処理位置および磁気ディスク16から外れた退避位置へ移動可能となっている。
なお、各磁気ヘッド32は、フレキシブルケーブル62を介して、基板ユニット60に電気的に接続されている。
【0017】
一方、ヘッドクチュエータ18の支持フレーム34は合成樹脂により形成され、この支持フレーム34には、ボイスコイル36が一体的に埋め込まれている。このボイスコイル36は、ケース10の底壁上に固定されたボトムヨーク40(図2にのみ図示)とトップヨーク41(図1にのみ図示)との間に位置し、これらのヨーク40、41とともにVCM20を構成している。そして、ボイスコイル36に通電することにより、ヘッドアクチュエータ18が回動し、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の所望のトラック上に移動および位置決めされる。
【0018】
ランプロード機構24は、ケース10の底壁に設けられているとともに磁気ディスク16の外周側に位置し、ヘッドアクチュエータ18が退避位置へ移動された際、その2つのサスペンション30からそれぞれ突出したタブ31をガイドおよび支持することで、ヘッドアクチュエータ18を退避位置に保持する。
【0019】
また、このように、ヘッドアクチュエータ18が退避位置に保持されている非作動時に、磁気ディスク装置1に衝撃等の外力が加わった際、イナーシャラッチ機構50が作動し、ヘッドアクチュエータ18を退避位置にラッチするようになっている。これにより、衝撃が加わった際にヘッドアクチュエータ18が退避位置から情報処理位置へ不所望に移動することを防止できる。
【0020】
イナーシャラッチ機構50は、ヘッドアクチュエータ18の支持フレーム34から外方、すなわち軸受組立体26から離れる方向に突出した係合突起37を備えている。また、イナーシャラッチ機構50は、ヘッドアクチュエータ18の支持フレーム34の近傍に設けられたラッチアーム51およびイナーシャアーム52を備えている。さらに、イナーシャラッチ機構50は、ラッチアーム51を図2に示す解除位置へ付勢して復帰させるための復帰機構42を有する。
【0021】
ラッチアーム51は、ヘッドアクチュエータ18が回動する面と略直交する方向(紙面方向)に延びた回転軸53の周りで回動自在に取り付けられている。また、ラッチアーム51は、この回転軸53に対して、支持フレーム34の係合突起37側に位置したラッチ爪51bと、回転軸53を挟む位置関係で2本のピン51c、51dと、を有している。
【0022】
そして、ラッチアーム51は、回転軸53の周りで、図示の解除位置と、ラッチ爪51bが係合突起37と係合するラッチ位置と、の間を回動可能となっている。つまり、ラッチアーム51は、ケース10に衝撃等の外力が作用した際、後述するイナーシャアーム52の作用により、解除位置からラッチ位置に回動し、ラッチ爪51bがヘッドアクチュエータ18の係合突起37と係合してヘッドアクチュエータ18を退避位置へラッチする。
【0023】
一方、イナーシャアーム52は、ヘッドアクチュエータ18が回動する面と略直交する方向(紙面方向)に延びた回転軸54の周りで回動自在に取り付けられている。尚、このイナーシャアーム52は、ラッチアーム51の上に部分的に重なるようにして配置されている。また、イナーシャアーム52の回転軸54は、イナーシャアーム52の一端部近傍に片寄らせて位置しているとともに、ラッチアーム51の回転軸53と十分に離間して配置されている。
【0024】
イナーシャアーム52の回転軸54から離間した他端部には、ラッチアーム51の一方のピン51dと係合可能なフック52bが形成されている。また、イナーシャアーム52は、回転軸54を中心にして時計方向に回転した際、ラッチアーム51のもう一方のピン51cと係合する。
【0025】
しかして、ケース10に衝撃等の外力が作用した際、イナーシャアーム52が外力の作用方向に応じて、回転軸54の周りで時計方向あるいは反時計方向に回動し、ラッチアーム51のピン51c、51dを介してラッチアーム51を押圧する。例えば、イナーシャアーム52が回転軸54の周りで時計方向に回転すると、ピン51cがイナーシャアーム52によって押圧され、ラッチアーム51が反時計方向に回転する。また、イナーシャアーム52が回転軸54の周りで反時計方向に回転すると、イナーシャアーム52のフック52bがラッチアーム51のピン51dを押圧し、ラッチアーム51が反時計方向に回転する。このように、ラッチアーム51が反時計方向に回転すると、ラッチ爪51bがヘッドアクチュエータ18の係合突起37に係合し、ヘッドアクチュエータ18が退避位置にラッチされる。
【0026】
上記のように構成された磁気ディスク装置1によれば、通常の動作時、VCM20によってヘッドアクチュエータ18を回動することにより、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の所望のトラック上に移動され、磁気ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う。
【0027】
また、図1に示すように、磁気ディスク装置1の非動作状態に移行する際、VCM20によってヘッドアクチュエータ18が作動位置から図示の退避位置に向かって回動されると、磁気ヘッド32は磁気ディスク16の内周側から最外周に向かって移動する。そして、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の外周縁近傍まで移動すると、各サスペンション30から延出したタブ31が磁気ディスク16の外周縁から外方へ突出し、それぞれランプロード機構24により、磁気ヘッド32が磁気ディスク16表面から離間した状態にアンロードされる。
【0028】
そして、磁気ディスク装置1が非動作状態のとき、例えば、ケース10に外部衝撃等の大きな外力が作用すると、慣性力によりイナーシャラッチ機構50が作動し、上述したようにヘッドアクチュエータ18をラッチする。これにより、ヘッドアクチュエータ18が退避位置から磁気ディスク16側へ回動することを完全に防止する。
【0029】
なお、磁気ディスク装置1に作用する外力が解除されると、ラッチアーム51は、以下に説明する復帰機構42により、ラッチ解除状態に復帰され、ラッチアーム51が図2に示す解除位置に復帰される。つまり、イナーシャラッチ機構50は、磁気ディスク装置1に外力が働いたときにだけ作動する。
【0030】
次に、ラッチアーム51を図2に示す解除位置に復帰させる復帰機構42について、図3および図4を参照して説明する。図3には復帰機構42をVCM20側から見た図を示してあり、図4には復帰機構42をイナーシャアーム52の回転軸54側から見た図を示してある。
【0031】
復帰機構42は、ラッチアーム51の回転軸53から離間した位置で一方のピン51dに近接した位置に埋め込まれた略球形の磁性体44(例えば、鉄球)と、ボトムヨーク40を形状加工して磁性体44に向けて延出させた磁力発生部46と、を有する。磁性体44の形状、大きさ、材質、および埋設方法はいかなるものであっても良い。
【0032】
磁力発生部46は、ボトムヨーク40の漏れ磁束をラッチアーム51に埋め込まれた磁性体44に作用させてラッチアーム51を磁力により解除位置に復帰可能な形状に加工される。具体的には、本実施の形態の磁力発生部46は、ボトムヨーク40から磁性体44に向かう方向に延出され、且つこの延出片が磁性体44に近付くように(図4に示すように)折り曲げられる。より詳細には、磁力発生部46は、ボトムヨーク40が微小ギャップを介してボイスコイル36に対向する上面40aより上方に位置するように、磁性体44に近付けられている。
【0033】
本実施の形態の磁力発生部46は、ボトムヨーク40の一部を磁力発生部用に予め突出させておき、この突出片をプレス加工によって折り曲げるだけで形成可能となっている。つまり、ボトムヨーク40の加工し易さを考慮すると、磁力発生部46を上述したように形状に加工することが有利である。
【0034】
ボトムヨーク40を形状加工して磁性体44に漏れ磁束を作用させることのできる他の磁力発生部として、例えば、図5乃至図7に図示した磁力発生部47、48、49が考えられる。いずれの磁力発生部47、48、49もボトムヨーク40の一部がラッチアーム51の磁性体44に近付くように形状加工されている。
【0035】
図5に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片を途中で折り曲げて磁性体44に近付けている。また、図6に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片の肉厚を厚くして磁性体44に近付けている。さらに、図7に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片に別の板状片49aを重ねて張り合わせることで磁性体44に近付けている。
【0036】
以上のように、上述した実施の形態によると、ラッチ機構50のラッチアーム51に磁性体44を埋め込み、且つ、VCM20のボトムヨーク40が磁性体44に近付くように部分的に形状加工するといった簡単な構成により、ラッチアーム51の磁性体44にボトムヨーク40の漏れ磁束を作用させ、装置の非作動時にラッチアーム51を図2に示す解除位置に復帰させることができる。これにより、上述した従来のラッチ機構のようにラッチアームを復帰させるための構成を別に設ける必要がなく、装置の部品点数を少なくでき、装置の製造コストを低減でき、装置を小型軽量化でき、携帯時の利便性を向上させることができる。
【0037】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、ボトムヨーク40の一部をその厚さ方向に形状加工した場合について説明したが、これに限らず、ボトムヨーク40から突出した突出片を略90°上方に折り曲げてラッチアーム51の磁性体44に横方向から磁力を作用させ、ラッチアーム51を横方向から引くようにしても良い。
【0038】
また、上述した実施の形態では、ボトムヨーク40を部分的に形状加工する場合について説明したが、トップヨーク41を部分的に形状加工してラッチアーム51の磁性体44に磁力を作用させ、ラッチアーム51を解除位置に復帰させるようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のアクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置は、上記のような構成および作用を有しているので、装置構成を簡略化でき、小型軽量化が可能で、装置の製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の内部構造を示す外観斜視図。
【図2】図1の磁気ディスク装置に組み込まれたヘッドアクチュエータ、ボトムヨーク、およびイナーシャラッチ機構を示す平面図。
【図3】図2のイナーシャラッチ機構の復帰機構をVCM側から見た図。
【図4】図2のイナーシャラッチ機構の復帰機構をイナーシャアームの回転軸側から見た図。
【図5】図4の磁力発生部の変形例を示す図。
【図6】図4の磁力発生部の他の変形例を示す図。
【図7】図4の磁力発生部のさらに他の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…磁気ディスク装置、
12…スピンドルモータ、
16…磁気ディスク、
18…ヘッドアクチュエータ、
20…ボイスコイルモータ、
24…ランプロード機構、
32…磁気ヘッド、
36…ボイスコイル、
40…ボトムヨーク、
40a…上面、
41…トップヨーク、
42…復帰機構、
44…磁性体、
46…磁力発生部、
50…イナーシャラッチ機構、
51…ラッチアーム、
52…イナーシャアーム。
【発明の属する技術分野】
この発明は、アクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、大容量のデータを記憶可能なディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置が広く用いられている。一般に、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスク、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータ、磁気ヘッドを支持したヘッドアクチュエータ、このアクチュエータを駆動するボイスコイルモータ、基板ユニット等を備えている。
【0003】
また、近年、携帯可能な小型のパーソナルコンピュータが普及しつつあり、この種のパーソナルコンピュータに搭載される磁気ディスク装置は、携帯時における衝撃等に対する信頼性の向上が求められている。
【0004】
そこで、磁気ディスク装置の非作動時に磁気ヘッドを保持する機構として、ランプロード機構を備えたものが提案されている。このランプロード機構は、磁気ディスクの外側に設けられたランプを備え、磁気ディスク装置の非作動時に、アクチュエータが磁気ディスクの外周に位置した退避位置まで回動され、サスペンションがランプに乗り上げる。これにより、磁気ヘッドは、磁気ディスク表面から離間した位置に保持され、衝撃を受けた際に磁気ディスクとの衝突が防止される。
【0005】
更に、この種の磁気ディスク装置として、耐衝撃性を一層高めるため、アクチュエータを上述した退避位置にラッチするラッチ機構を備えた装置が提案されている。例えば、特開平7−192419号公報に開示された装置は、ディスク装置の非作動時に、退避位置に回動されているヘッドアクチュエータと係合することでアクチュエータをラッチするラッチアームと、このラッチアームをアクチュエータと係合する係合位置と係合を解除する解除位置との間で移動させるための電磁石と、を備えたラッチ機構を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示された装置では、ディスク装置の非作動時にアクチュエータを確実に退避位置にラッチすることが可能で耐衝撃性に優れている反面、アクチュエータを退避位置にラッチするためのラッチ機構が電磁石を伴う大掛りなものとなり、部品点数が増大し、装置が大きくなり、且つ重くなり、携帯時の利便性を損なう問題があった。
【0007】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、装置構成を簡略化でき、小型軽量化が可能で、装置の製造コストを削減できるアクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のイナーシャラッチ機構は、ディスク状の記録媒体に沿ってヘッドを移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータを、上記所定の退避位置へラッチするものであって、上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、上記復帰機構は、上記ラッチアームに設けられた磁性体と、上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記アクチュエータを動作させるボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、を備えている。
【0009】
また、本発明のディスク装置は、ディスク状の記録媒体と、この記録媒体を支持および回転駆動するステッピングモータと、上記記録媒体に対して情報処理を行なうヘッドと、このヘッドを上記記録媒体に沿って移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータと、このアクチュエータを動作させるボイスコイルモータと、上記アクチュエータが上記退避位置に移動している状態で外力を受けた際に、該アクチュエータを上記退避位置へラッチするイナーシャラッチ機構と、を備え、上記イナーシャラッチ機構は、上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、上記復帰機構は、上記ラッチアームに設けられた磁性体と、上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記ボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1には、この発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置1(ディスク装置)の外観を斜視図にして示してある。また、図2には、磁気ディスク装置1に組み込まれたヘッドアクチュエータ18(アクチュエータ)、ボトムヨーク40、およびイナーシャラッチ機構50の平面図を概略的に示してある。
【0012】
図1に示すように、磁気ディスク装置1は、上面の開口した矩形箱状のケース10と、複数のねじによりケース10にねじ止めされてケース10の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーと、を有している。
【0013】
ケース10内には、記録媒体としての2枚の磁気ディスク16、この磁気ディスク16を支持および回転させるスピンドルモータ12、磁気ディスク16に対して情報の書き込み、読み出しを行なう複数の磁気ヘッド32(ヘッド)、これらの磁気ヘッド32を磁気ディスク16に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ18(アクチュエータ)、ヘッドアクチュエータ18を回動および位置決めするためのボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)20(図2参照)、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の最外周の退避位置に移動した際、磁気ヘッド32を磁気ディスク16から離間した位置に保持するランプロード機構24、ヘッドクチュエータ18を退避位置に保持するイナーシャラッチ機構50(図2参照)、およびヘッドIC等を有する基板ユニット60などが収納されている。
【0014】
磁気ディスク16は、直径65mm(2.5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を有している。磁気ディスク16は、スピンドルモータ12のハブ14に同軸的に嵌合されているとともにクランプばねにより保持されている。そして、磁気ディスク16は、スピンドルモータ12によって所定の速度で回転駆動される。
【0015】
図2に詳細に示すように、ヘッドアクチュエータ18は、ケース10の底壁上に固定された軸受組立体26と、軸受組立体26に取り付けられているとともに軸受組立体26から延出した2本のアーム28(一方のみを図示する)と、軸受組立体26に取り付けられアーム28と反対方向に延出した支持フレーム34と、を備えている。各アーム28の延出端には、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション30が固定され、サスペンション30の先端には、図示しないジンバル部を介して磁気ヘッド32が取り付けられている。
【0016】
そして、ヘッドアクチュエータ18は、軸受組立体26を中心として回動自在であり、サスペンション30を介して2本のアーム28に支持された2対の磁気ヘッド32は、アーム28およびサスペンション30と一体的に回動し、磁気ディスク16上の任意の情報処理位置および磁気ディスク16から外れた退避位置へ移動可能となっている。
なお、各磁気ヘッド32は、フレキシブルケーブル62を介して、基板ユニット60に電気的に接続されている。
【0017】
一方、ヘッドクチュエータ18の支持フレーム34は合成樹脂により形成され、この支持フレーム34には、ボイスコイル36が一体的に埋め込まれている。このボイスコイル36は、ケース10の底壁上に固定されたボトムヨーク40(図2にのみ図示)とトップヨーク41(図1にのみ図示)との間に位置し、これらのヨーク40、41とともにVCM20を構成している。そして、ボイスコイル36に通電することにより、ヘッドアクチュエータ18が回動し、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の所望のトラック上に移動および位置決めされる。
【0018】
ランプロード機構24は、ケース10の底壁に設けられているとともに磁気ディスク16の外周側に位置し、ヘッドアクチュエータ18が退避位置へ移動された際、その2つのサスペンション30からそれぞれ突出したタブ31をガイドおよび支持することで、ヘッドアクチュエータ18を退避位置に保持する。
【0019】
また、このように、ヘッドアクチュエータ18が退避位置に保持されている非作動時に、磁気ディスク装置1に衝撃等の外力が加わった際、イナーシャラッチ機構50が作動し、ヘッドアクチュエータ18を退避位置にラッチするようになっている。これにより、衝撃が加わった際にヘッドアクチュエータ18が退避位置から情報処理位置へ不所望に移動することを防止できる。
【0020】
イナーシャラッチ機構50は、ヘッドアクチュエータ18の支持フレーム34から外方、すなわち軸受組立体26から離れる方向に突出した係合突起37を備えている。また、イナーシャラッチ機構50は、ヘッドアクチュエータ18の支持フレーム34の近傍に設けられたラッチアーム51およびイナーシャアーム52を備えている。さらに、イナーシャラッチ機構50は、ラッチアーム51を図2に示す解除位置へ付勢して復帰させるための復帰機構42を有する。
【0021】
ラッチアーム51は、ヘッドアクチュエータ18が回動する面と略直交する方向(紙面方向)に延びた回転軸53の周りで回動自在に取り付けられている。また、ラッチアーム51は、この回転軸53に対して、支持フレーム34の係合突起37側に位置したラッチ爪51bと、回転軸53を挟む位置関係で2本のピン51c、51dと、を有している。
【0022】
そして、ラッチアーム51は、回転軸53の周りで、図示の解除位置と、ラッチ爪51bが係合突起37と係合するラッチ位置と、の間を回動可能となっている。つまり、ラッチアーム51は、ケース10に衝撃等の外力が作用した際、後述するイナーシャアーム52の作用により、解除位置からラッチ位置に回動し、ラッチ爪51bがヘッドアクチュエータ18の係合突起37と係合してヘッドアクチュエータ18を退避位置へラッチする。
【0023】
一方、イナーシャアーム52は、ヘッドアクチュエータ18が回動する面と略直交する方向(紙面方向)に延びた回転軸54の周りで回動自在に取り付けられている。尚、このイナーシャアーム52は、ラッチアーム51の上に部分的に重なるようにして配置されている。また、イナーシャアーム52の回転軸54は、イナーシャアーム52の一端部近傍に片寄らせて位置しているとともに、ラッチアーム51の回転軸53と十分に離間して配置されている。
【0024】
イナーシャアーム52の回転軸54から離間した他端部には、ラッチアーム51の一方のピン51dと係合可能なフック52bが形成されている。また、イナーシャアーム52は、回転軸54を中心にして時計方向に回転した際、ラッチアーム51のもう一方のピン51cと係合する。
【0025】
しかして、ケース10に衝撃等の外力が作用した際、イナーシャアーム52が外力の作用方向に応じて、回転軸54の周りで時計方向あるいは反時計方向に回動し、ラッチアーム51のピン51c、51dを介してラッチアーム51を押圧する。例えば、イナーシャアーム52が回転軸54の周りで時計方向に回転すると、ピン51cがイナーシャアーム52によって押圧され、ラッチアーム51が反時計方向に回転する。また、イナーシャアーム52が回転軸54の周りで反時計方向に回転すると、イナーシャアーム52のフック52bがラッチアーム51のピン51dを押圧し、ラッチアーム51が反時計方向に回転する。このように、ラッチアーム51が反時計方向に回転すると、ラッチ爪51bがヘッドアクチュエータ18の係合突起37に係合し、ヘッドアクチュエータ18が退避位置にラッチされる。
【0026】
上記のように構成された磁気ディスク装置1によれば、通常の動作時、VCM20によってヘッドアクチュエータ18を回動することにより、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の所望のトラック上に移動され、磁気ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う。
【0027】
また、図1に示すように、磁気ディスク装置1の非動作状態に移行する際、VCM20によってヘッドアクチュエータ18が作動位置から図示の退避位置に向かって回動されると、磁気ヘッド32は磁気ディスク16の内周側から最外周に向かって移動する。そして、磁気ヘッド32が磁気ディスク16の外周縁近傍まで移動すると、各サスペンション30から延出したタブ31が磁気ディスク16の外周縁から外方へ突出し、それぞれランプロード機構24により、磁気ヘッド32が磁気ディスク16表面から離間した状態にアンロードされる。
【0028】
そして、磁気ディスク装置1が非動作状態のとき、例えば、ケース10に外部衝撃等の大きな外力が作用すると、慣性力によりイナーシャラッチ機構50が作動し、上述したようにヘッドアクチュエータ18をラッチする。これにより、ヘッドアクチュエータ18が退避位置から磁気ディスク16側へ回動することを完全に防止する。
【0029】
なお、磁気ディスク装置1に作用する外力が解除されると、ラッチアーム51は、以下に説明する復帰機構42により、ラッチ解除状態に復帰され、ラッチアーム51が図2に示す解除位置に復帰される。つまり、イナーシャラッチ機構50は、磁気ディスク装置1に外力が働いたときにだけ作動する。
【0030】
次に、ラッチアーム51を図2に示す解除位置に復帰させる復帰機構42について、図3および図4を参照して説明する。図3には復帰機構42をVCM20側から見た図を示してあり、図4には復帰機構42をイナーシャアーム52の回転軸54側から見た図を示してある。
【0031】
復帰機構42は、ラッチアーム51の回転軸53から離間した位置で一方のピン51dに近接した位置に埋め込まれた略球形の磁性体44(例えば、鉄球)と、ボトムヨーク40を形状加工して磁性体44に向けて延出させた磁力発生部46と、を有する。磁性体44の形状、大きさ、材質、および埋設方法はいかなるものであっても良い。
【0032】
磁力発生部46は、ボトムヨーク40の漏れ磁束をラッチアーム51に埋め込まれた磁性体44に作用させてラッチアーム51を磁力により解除位置に復帰可能な形状に加工される。具体的には、本実施の形態の磁力発生部46は、ボトムヨーク40から磁性体44に向かう方向に延出され、且つこの延出片が磁性体44に近付くように(図4に示すように)折り曲げられる。より詳細には、磁力発生部46は、ボトムヨーク40が微小ギャップを介してボイスコイル36に対向する上面40aより上方に位置するように、磁性体44に近付けられている。
【0033】
本実施の形態の磁力発生部46は、ボトムヨーク40の一部を磁力発生部用に予め突出させておき、この突出片をプレス加工によって折り曲げるだけで形成可能となっている。つまり、ボトムヨーク40の加工し易さを考慮すると、磁力発生部46を上述したように形状に加工することが有利である。
【0034】
ボトムヨーク40を形状加工して磁性体44に漏れ磁束を作用させることのできる他の磁力発生部として、例えば、図5乃至図7に図示した磁力発生部47、48、49が考えられる。いずれの磁力発生部47、48、49もボトムヨーク40の一部がラッチアーム51の磁性体44に近付くように形状加工されている。
【0035】
図5に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片を途中で折り曲げて磁性体44に近付けている。また、図6に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片の肉厚を厚くして磁性体44に近付けている。さらに、図7に示す例では、ボトムヨーク40から突出させた突出片に別の板状片49aを重ねて張り合わせることで磁性体44に近付けている。
【0036】
以上のように、上述した実施の形態によると、ラッチ機構50のラッチアーム51に磁性体44を埋め込み、且つ、VCM20のボトムヨーク40が磁性体44に近付くように部分的に形状加工するといった簡単な構成により、ラッチアーム51の磁性体44にボトムヨーク40の漏れ磁束を作用させ、装置の非作動時にラッチアーム51を図2に示す解除位置に復帰させることができる。これにより、上述した従来のラッチ機構のようにラッチアームを復帰させるための構成を別に設ける必要がなく、装置の部品点数を少なくでき、装置の製造コストを低減でき、装置を小型軽量化でき、携帯時の利便性を向上させることができる。
【0037】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、ボトムヨーク40の一部をその厚さ方向に形状加工した場合について説明したが、これに限らず、ボトムヨーク40から突出した突出片を略90°上方に折り曲げてラッチアーム51の磁性体44に横方向から磁力を作用させ、ラッチアーム51を横方向から引くようにしても良い。
【0038】
また、上述した実施の形態では、ボトムヨーク40を部分的に形状加工する場合について説明したが、トップヨーク41を部分的に形状加工してラッチアーム51の磁性体44に磁力を作用させ、ラッチアーム51を解除位置に復帰させるようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のアクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置は、上記のような構成および作用を有しているので、装置構成を簡略化でき、小型軽量化が可能で、装置の製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の内部構造を示す外観斜視図。
【図2】図1の磁気ディスク装置に組み込まれたヘッドアクチュエータ、ボトムヨーク、およびイナーシャラッチ機構を示す平面図。
【図3】図2のイナーシャラッチ機構の復帰機構をVCM側から見た図。
【図4】図2のイナーシャラッチ機構の復帰機構をイナーシャアームの回転軸側から見た図。
【図5】図4の磁力発生部の変形例を示す図。
【図6】図4の磁力発生部の他の変形例を示す図。
【図7】図4の磁力発生部のさらに他の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…磁気ディスク装置、
12…スピンドルモータ、
16…磁気ディスク、
18…ヘッドアクチュエータ、
20…ボイスコイルモータ、
24…ランプロード機構、
32…磁気ヘッド、
36…ボイスコイル、
40…ボトムヨーク、
40a…上面、
41…トップヨーク、
42…復帰機構、
44…磁性体、
46…磁力発生部、
50…イナーシャラッチ機構、
51…ラッチアーム、
52…イナーシャアーム。
Claims (8)
- ディスク状の記録媒体に沿ってヘッドを移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータを、上記所定の退避位置へラッチするイナーシャラッチ機構であって、
上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、
このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、
外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、
上記復帰機構は、
上記ラッチアームに設けられた磁性体と、
上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記アクチュエータを動作させるボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、
を備えていることを特徴とするイナーシャラッチ機構。 - 上記磁力発生部は、上記磁性体に近付く方向に上記ヨークを部分的に長くした延出片を有することを特徴とする請求項1に記載のイナーシャラッチ機構。
- 上記磁力発生部は、上記延出片を上記磁性体に近付けるように上記ヨークの厚さ方向に加工した形状を有することを特徴とする請求項2に記載のイナーシャラッチ機構。
- 上記磁力発生部は、上記延出片を上記ヨークが上記ボイスコイルモータのボイスコイルに対向する面より上記磁性体に近付けるように上記ヨークの厚さ方向に加工した形状を有することを特徴とする請求項2に記載のイナーシャラッチ機構。
- ディスク状の記録媒体と、
この記録媒体を支持および回転駆動するステッピングモータと、
上記記録媒体に対して情報処理を行なうヘッドと、
このヘッドを上記記録媒体に沿って移動自在に支持しているとともに該ヘッドを上記記録媒体から退避させる所定の退避位置と上記記録媒体に対向させる情報処理位置へ移動可能なアクチュエータと、
このアクチュエータを動作させるボイスコイルモータと、
上記アクチュエータが上記退避位置に移動している状態で外力を受けた際に、該アクチュエータを上記退避位置へラッチするイナーシャラッチ機構と、を備え、
上記イナーシャラッチ機構は、
上記退避位置に移動されたアクチュエータと係合して該アクチュエータを退避位置にラッチするラッチ位置と、該アクチュエータから離間してラッチを解除する解除位置と、の間を移動可能に設けられたラッチアームと、
このラッチアームを付勢して上記解除位置に復帰させる復帰機構と、
外力を受けた際に移動して、上記復帰機構による付勢力に抗して上記ラッチアームを上記解除位置からラッチ位置へ移動させるイナーシャアームと、を備え、
上記復帰機構は、
上記ラッチアームに設けられた磁性体と、
上記ラッチアームを上記解除位置に復帰可能な程度の磁力を上記磁性体に作用可能なように、上記ボイスコイルモータのヨークを部分的に上記磁性体に近付けるように形状加工した磁力発生部と、
を備えていることを特徴とするディスク装置。 - 上記磁力発生部は、上記磁性体に近付く方向に上記ヨークを部分的に長くした延出片を有することを特徴とする請求項5に記載のディスク装置。
- 上記磁力発生部は、上記延出片を上記磁性体に近付けるように上記ヨークの厚さ方向に加工した形状を有することを特徴とする請求項6に記載のディスク装置。
- 上記磁力発生部は、上記延出片を上記ヨークが上記ボイスコイルモータのボイスコイルに対向する面より上記磁性体に近付けるように上記ヨークの厚さ方向に加工した形状を有することを特徴とする請求項6に記載のディスク装置。
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JP2002160235A JP2004005840A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | アクチュエータのイナーシャラッチ機構、およびこのイナーシャラッチ機構を備えたディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008129674A1 (ja) * | 2007-04-18 | 2008-10-30 | Fujitsu Limited | 記録ディスク駆動装置およびラッチ装置 |
JP2010140547A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv | ディスク・ドライブ |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002160235A patent/JP2004005840A/ja active Pending
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WO2008129674A1 (ja) * | 2007-04-18 | 2008-10-30 | Fujitsu Limited | 記録ディスク駆動装置およびラッチ装置 |
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US8320085B2 (en) | 2008-12-10 | 2012-11-27 | Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands B.V. | Disk drive including a latch configured to lock an actuator in response to an external force |
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