JP2004003888A - 生体関連物質の検査装置とその反応ステージ - Google Patents

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Hidekazu Ishii
石井 秀和
Hiroyuki Imabayashi
今林 浩之
Takami Shibazaki
柴▲崎▼ 尊己
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Abstract

【課題】生体関連物質を短時間で高い精度で簡便に検査できる検査装置を提供する。
【解決手段】遺伝子検査装置は、DNAマイクロアレイを含む反応容器101を支持すると共に反応を促進するための反応ステージ103と、DNAマイクロアレイを光学的に観察するための顕微鏡102とを備えている。反応ステージ103は、反応容器101を支持するため、反応容器101が載置されるベース部120と、ベース部120に対して開閉し得るカバー部123とを有している。反応ステージ103は更に、反応容器101に対して流体を移送するためのシリンジピストンポンプ部125を有している。反応ステージ103は更に、反応容器101内のDNAマイクロアレイ110aの温度を調整するため、ベース部120とカバー部123に埋め込まれた板状ヒーター105を有している。
【選択図】  図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子の発現レベルおよび突然変異の有無を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、遺伝子解析技術が進み、ヒトを含む多くの生物における遺伝子配列が明らかにされつつある。また、解析された遺伝子産物と疾病の因果関係も少しずつ解明されつつある。
【0003】
現在用いられている遺伝子検査方法は、生体試料から核酸を抽出する工程、PCR、NASBA法などと呼ばれる核酸増幅方法を用いて検査対象となるターゲット遺伝子を増幅する工程、核酸を放射性同位元素や蛍光分子等によって標識する工程、標識されたターゲット遺伝子の塩基配列またはその濃度を測定する工程から構成されている。
【0004】
最近は、蛍光標識された核酸を複数のキャピラリーを用いることで高速に多数のサンプルを処理できるキャピラリ電気泳動装置が数多く用いられている。これにより、従来の電気泳動装置などを用いた方法に比べて三分の1から四分の1程度の時間で行えるようになった。
【0005】
更に近年になって同時に複数の遺伝子を検査するためのDNAチップを用いた検査方法が開発された。DNAチップは、ガラス基板の表面に多数のcDNAプローブを固定化するものや、半導体製造過程を応用してシリコン上の微小な領域に合成した多数のオリゴプローブを作製したものである。いずれもサンプル中のDNAの塩基配列や発現量を、複数、同時に決定出来る。
【0006】
DNAチップの応用によって、多くの遺伝子発現量や複数の突然変異の解析を行うことが可能となった。また、DNAチップを用いて得られたデータから、多くの遺伝子を複数のグループに分類したり(即ち、クラスタリング)、発生や分化に伴う遺伝子の変動に関する情報が得られている。こうして得られた遺伝子情報は、インターネットを通じて容易にアクセス出来るようなデータベースとして利用されている。
【0007】
遺伝子の発現量の検査や突然変異の解析には従来、電気泳動法やマイクロアレイ法が用いられてきた。しかし、電気泳動法は、検査に必要な時間が長く、また、一度に行える検査は少数に限られるという欠点を有している。
【0008】
DNAチップを用いた遺伝子解析方法は、一度に多数の検査を行うことが出来る。しかし、一部では長い検査時間を必要とし、多くの検査工程を含んでおり、煩雑な操作を必要としている。そのため、再現性のよい分析結果を得られないという欠点を有している。
【0009】
このような欠点を克服するために、DNAチップの担体に、微細加工プロセスを利用して作製された多孔性ガラスウエハーを用いる手法が開発された。このような多孔性ガラスウエハーをDNAチップの担体に用いる手法は、例えば特表平9−504864号公報に開示されており、DNAチップと同様の検査を再現性が良く短時間で行なえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多孔性ガラスウエハーをDNAチップの担体に用いる手法では、液体の移動と温度制御を行う反応部分と、蛍光検出を行う測定部分とが別々であり、各種の装置構成が必要である。このため、各種の装置間の搬送に時間と手間を要するだけでなく、搬送時に温度変化が生じたり、搬送によりゴミが付着したりするなどの問題がある。測定結果の再現性を確保するために注意が必要と考えられる。
【0011】
特に、臨床検査においては、遺伝子を短時間で高い精度で簡便に検査したいという要求が強く、これらのユーザーニーズに応えることが難しいと推測される。
【0012】
本発明は、このような現状を考慮して成されたものであり、その目的は、遺伝子等の生体関連物質を短時間で高い精度で簡便に検査できる検査装置を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、このような検査装置に好適に用いられる反応ステージを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ひとつには、流体を通し得る固相坦体を利用した生体関連物質の反応を検査するための生体関連物質の検査装置であり、固相坦体を含む反応容器を支持すると共に固相坦体の反応を促進するための反応ステージと、固相坦体を光学的に観察するための顕微鏡とを備えており、反応ステージは、反応容器に対して流体を移送するための流体移送機構と、反応容器内の固相坦体の温度を調整するための温度調整機構とを有している。
【0015】
本発明は、ひとつには、流体を通し得る固相坦体を利用した生体関連物質の反応を検査する装置の反応ステージであり、固相坦体を含む反応容器を支持する反応容器機構と、反応容器に対して流体を移送させるための流体移送機構と、反応容器内の固相坦体の温度を調整するための温度調整機構とを有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
第一実施形態
本発明の第一実施形態は、生体関連物質である遺伝子を検査するための装置、特にDNAマイクロアレイを利用した遺伝子検査装置に向けられている。
【0018】
本実施形態の遺伝子検査装置において実施される検出方法の基本的な原理は、配列が既知の固定化された核酸プローブを用いて、試料中に含まれる特定の配列をもった核酸鎖を検出するというものである。この方法では、例えば基板に一本鎖核酸の試料を固定化し、次に蛍光物質等で標識した試料中に含まれる核酸に接触させる。試料中の核酸が核酸プローブと相捕的な配列を有していれば、試料中の核酸は、核酸プローブとハイブリダイズして二本鎖を形成し、基板上に固定される。従って、プローブに付された標識(ローダミン、FITC、Cy3、Cy5など)を蛍光検出することにより、プローブに対して相捕的な配列を有する標的核酸が検出される。更に、洗浄により未反応の核酸鎖を除去する事で、蛍光検出のS/N比が良くなる。
【0019】
図1と図2に示すように、本実施形態における遺伝子検査装置100は、DNAマイクロアレイを含む反応容器101を支持すると共にDNAマイクロアレイの反応を促進するための反応ステージ103と、DNAマイクロアレイを光学的に観察するための顕微鏡102とを備えている。顕微鏡102はXYステージを有しており、反応ステージ103はXYステージの上に載置される。反応ステージ103は、例えば、顕微鏡102によって観察される視野を変更するために、XYステージによって移動される。
【0020】
制御コンピューター210は、遺伝子検査装置1000の動作を所定の検査ステップに沿って制御するとともに、検査結果の記憶、演算、表示等のデータ処理を行うためのものである。
【0021】
遺伝子検査装置100は更に、顕微鏡102によって得られるDNAマイクロアレイの蛍光画像を撮影するためのCCD(charge coupled device)カメラ104を備えている。CCDカメラ104は、検査精度向上のために、冷却型が好ましい。
【0022】
遺伝子検査装置100は更に、反応ステージ103を覆うためのフード106を有している。フード106は、顕微鏡的観察に不要な外乱光を遮断するため、温度環境の変動を防止するため、観察領域内へのゴミの侵入を防止するために設けられている。フード106は、反応ステージ103を出し入れするための出入口と、顕微鏡的観察を可能にする観察窓とを有している。
【0023】
反応ステージ103は、XYステージにより、図1に示されるように、反応容器101を設置する際にはフード106の外にせり出され、観察の際には、図2に示されるように、フード106の中に収容される。フード106の出入口は開閉扉を有しており、反応ステージ103の収容後、開閉扉が閉じられる。フード106の内部の環境は、その内部に設けられた温度調整器や湿度調整器によって一定に保たれてもよい。
【0024】
遺伝子検査装置100は更に、反応容器101内の固相坦体の温度を強制対流によって下げるための冷却機構を備えている。冷却機構は、フード106に形成された換気孔を介して、反応ステージ103に空気を送る送風機209を有している。送風機209は、より好ましくは、反応ステージ103に送られる空気を冷却するためのペルチェ素子を有している。図1には、二つの送風機209が図示されているが、送風機の個数と位置はこれに限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0025】
図3に示されるように、反応容器101は、四つのDNAマイクロアレイ110aを有する薄板形状のスライドチップ107と、これを上下から挟んで保持する上ハウジング108と下ハウジング109とを備えている。上ハウジング108と下ハウジング109は、好ましくは遮光性のある部材で構成され、より好ましくは暗黒色の部材で構成される。上ハウジング108と下ハウジング109は、ネジや接着剤などの締結手段によって互いに固定されることにより、スライドチップ107を保持する。
【0026】
スライドチップ107の上下面に、四つのDNAマイクロアレイ110aを取り囲むように(図示しない)Oリングを設け、後に供給される流体(核酸サンプルや洗浄液)が上ハウジング108と下ハウジング109の隙間から漏れるのを防止してもよい。流体の漏れを防止するための部材はOリングに限定されるものではなく、液体の漏れを防止できさえすれば、任意のシールが適用可能である。例えば、流体の漏れを防止するための部材は、四つのDNAマイクロアレイ110aを除いてスライドチップ107の上面あるは下面の全体を覆う一枚のゴムシートであってもよい。
【0027】
図3に示される反応容器101は、四つのDNAマイクロアレイ110aを有しているが、一つの反応容器101に含まれるDNAマイクロアレイ110aの個数は、これに限定されるものではなく、任意に変更されてもよい。
【0028】
図4と図5に示されるように、スライドチップ107は、例えば、セラミック製の多孔質部110と、多孔質部110を間に挟んで支持するための一対の支持板111とを備えている。一対の支持板111は、互いに対応する位置に、DNAマイクロアレイ110aを規定するための四つの開口部112を有している。つまり、一つのDNAマイクロアレイ110aは、多孔質部110の上下に位置する一対の開口部112を介して露出している多孔質部110の部分をいう。
【0029】
多孔質部110は、その厚み方向に延びている多数の微細な多孔を有している。多孔質部110の材質は、遺伝子反応の際に多孔質部110がさらされる温度と圧力において壊れなければ、どのような材質であってもよい。
【0030】
多孔質部110の構造は、液体が通過できる構造であれば、どのような構造であってもよい。
【0031】
多孔質部110は、一定の厚みに、しかも、全ての多孔が等しくなるように製造されば、全ての多孔はほぼ均等な容積を有する。また、多孔質部110の厚みを充分に薄くし、多孔の穴径も充分に小さくすれば、所要量のサンプルや試薬を多数の貫通質に分配して収容させることができる。従って、多孔質部110の表面の特定面積当たりに、所望量の液体を収容するのに必要な個数の多孔を作製し、その所定の面積に対してサンプルや試薬を供給すれば多孔質部110内で安定した分析を実行することができる。
【0032】
図6に示されるように、上ハウジング108は、スライドチップ107の四つのDNAマイクロアレイ110aを露出させるための四つのテーパー形状の開口部113を有している。開口部113の内側の空間には、DNAマイクロアレイ110aに供給される核酸サンプル114を含む流体が貯められ得る。
【0033】
下ハウジング109は、スライドチップ107の四つのDNAマイクロアレイ110aに対応する位置に、その底面が傾斜している四つの凹部115と、凹部115の最下部から下ハウジング109の下面まで延びている廃液のための廃液孔116と、廃液孔116の途中から下ハウジング109の側面まで延びている、DNAマイクロアレイ110aに供給される核酸サンプル114を含む流体を貯め得る貯液孔117とを有している。
【0034】
各DNAマイクロアレイ110aの多孔質部110には、例えば、インクジェット吐出原理を用いた液体分注装置により、核酸プローブ溶液の複数の液滴が吐出される。図7に示されるように、多孔質部110に吐出された核酸プローブ溶液の一つの液滴118は、微細な多孔の内部に瞬時に吸引され、微小径の核酸プローブスポット118が形成される。
【0035】
一つのDNAマイクロアレイ110aは、多孔質部110に形成された多数の核酸プローブスポット118を有する。通常、一つの核酸プローブスポット118は、そこに含まれる多孔質部110の部分の微細な多孔の内壁に一種類の核酸プローブ118が固定されている。言い換えれば、その内壁に一種類の核酸プローブ118が固定されている微細な多孔を含む領域が一つの核酸プローブスポット118である。
【0036】
通常、一つのDNAマイクロアレイ110a内の異なる核酸プローブスポット118には異なる種類の核酸プローブ118が固定されているが、必要に応じて、一つのDNAマイクロアレイ110a内の複数の核酸プローブスポット118に同じ核酸プローブ118が固定されていてもよい。また、多孔質部110の微細な多孔の内壁に表面処理を施し、流体への摩擦抵抗や核酸プローブ118等の試薬の吸着性が調節されてもよい。
【0037】
スライドチップ107の大きさは、例えば、通常のスライドガラスの半分の大きさであり、約37mm×約12mm×約1mmである。例えば、一つのDNAマイクロアレイ110aは約4mmの直径を有し、一つの核酸プローブスポット118は約100μmの直径を有し、一つのDNAマイクロアレイ110aの中に400個の核酸プローブスポット118が200μm間隔で配列されている。
【0038】
一つの核酸プローブスポット118は、100ないし1000個、好ましくは1000個の微細な多孔を有し、一つの多孔は0.05〜5μmの直径を有している。
【0039】
一つのDNAマイクロアレイ110aは、一種類の反応が実施される一つの反応単位に対応している。従来のDNAチップは、スライドガラス表面にプローブを固定化して形成され、二次元的な広がりを持つ反応領域を有している。このようなDNAチップとは異なり、DNAマイクロアレイ110aは、基板の表面における二次元的な広がりに加えて、基板のの厚み方向の広がりをも持つ三次元的な反応領域を有している。
【0040】
核酸プローブ118は、一般的に、約10ヌクレオチド以上約100ヌクレオチド以下の核酸からなるポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドであり、一般的にハイブリダイゼーションにより核酸を検出する際に使用される。
【0041】
DNAマイクロアレイ110aに含まれる一つの核酸プローブスポット118は、前述したように複数の微細な多孔、つまり、微量な液体を収容し得る三次元的な空間を有している。一つの核酸プローブスポット118は、DNAマイクロアレイ110aを上方から見たときの平面内で占める非常に狭いが、多孔質部110の厚さ方向に延びている三次元的な空間を有しているので、一つの核酸プローブスポット118が実際に占めている面積は見た目よりも遙かに大きい。
【0042】
例えば、核酸プローブスポット118毎に(固定する核酸プローブ118の種類を変更したり、表面処理を変更したりする等して)条件を変えることによって、小さな一つのDNAマイクロアレイ110aの中で非常に多くの情報を充分な感度で得ることができる。
【0043】
一枚のスライドチップ107に含まれる四つのDNAマイクロアレイ110aは、それぞれ異なる検体(核酸サンプル114)の検査に適用されてもよく、あるいは、一つの検体に関する異なる四種類の解析に適用されてもよい。
【0044】
DNAマイクロアレイ110aを用いた解析としては、例えば、被験者における癌遺伝子等の突然変異の有無の検出、被験者における遺伝子の発現解析、薬剤耐性遺伝子の発現解析、被験者における疾病関連または感受性遺伝子の遺伝子型決定、被験者における細胞内シグナル遺伝子の発現パターンの決定等、臨床的な治療学的および診断学的解析、並びに非臨床的な基礎研究においても種々の遺伝子解析等である。
【0045】
反応容器101を支持すると共に反応を促進するための反応ステージ103について図8〜図11を参照しながら説明する。
【0046】
図8と図9に示されるように、反応ステージ103は、反応容器101が載置されるベース部120と、ベース部120に対して開閉し得るカバー部123とを有している。ベース部120とカバー部123は、反応容器101を支持する反応容器支持機構を構成している。
【0047】
カバー部123は、顕微鏡102によるDNAマイクロアレイ110aの観察を可能にする顕微鏡観察孔122と、顕微鏡観察孔122を塞いでいる光学的に透明な二枚のカバーガラス121とを有している。二枚のカバーガラス121は、図10と図11に示されるように、間隔を置いて位置している。
【0048】
ベース部120は、反応容器101の廃液孔116の各々と流体的に連絡される四つの排出用流路119と、それらの排出用流路119の各々の途中に設けられた、それぞれ排出用流路119を開閉するための四つの電磁弁128とを有している。四つの排出用流路119は共に、廃液集合管134と流体的に連絡しており、廃液集合管134はベース部120の側面で終端している。
【0049】
排出用流路119は、反応容器101と対向する面で終端しており、その終端すなわち送液口の周りにはそれを取り囲む円形の溝が形成されており、その溝の中にはOリング130が配置されている。排出用流路119は、反応ステージ103に支持された反応容器101の廃液孔116と、Oリング130によって液密に保たれて、流体的に連絡される。
【0050】
反応ステージ103は更に、反応容器101に対して流体を移送するための流体移送機構であるシリンジピストンポンプ部125を有している。シリンジピストンポンプ部125すなわち流体移送機構は、例えば、反応容器101内に供給された核酸サンプルを反応容器101内において移動させたり、あるいは、洗浄水を反応容器101内に供給したりする。
【0051】
シリンジピストンポンプ部125は、反応容器101の貯液孔117の各々と流体的に連絡される四つの移送用流路124と、移送用流路124の各々と流体的に連絡した、反応容器101内の流体を移送するための四つの移送用ポンプであるシリンジピストンポンプ131とを有している。シリンジピストンポンプ部125は更に、移送用流路124の途中に設けられた、移送用流路124を開閉するための電磁弁127を有している。
【0052】
移送用流路124は、反応容器101と対向する面で終端しており、その終端すなわち送液口の周りにはそれを取り囲む円形の溝が形成されており、その溝の中にはOリング130が配置されている。移送用流路124は、反応ステージ103に支持された反応容器101の貯液孔117と、Oリング130によって液密に保たれて、流体的に連絡される。
【0053】
シリンジピストンポンプ131は、シリンジ138と、シリンジ138内を移動し得るピストン129と、シリンジ138とピストン129を液密に保つためのシール139とを有している。シール139は、例えば、シリンジ138に固定されたOリングである。しかしながら、シール139はOリングに限定されるものではなく、他の任意の適当なシール、例えばパッキンやテフロンシール等が適用されてもよい。
【0054】
シリンジピストンポンプ部125のピストン129は、例えば(図示しない)モーターユニットによって駆動される。言い換えれば、遺伝子検査装置100は、図示されていないが、シリンジピストンポンプ部125のピストン129を駆動するためのモーターユニットを有している。モーターユニットは、例えば、ステッピングモータと、ステッピングモータの回転軸の運動を直線運動に変換するラックピニオン機構とで構成される。
【0055】
遺伝子検査装置100は、シリンジピストンポンプ部125の四つのピストン129を一緒に駆動する一つのモーターユニットを有していてもよいが、より好ましくは、シリンジピストンポンプ部125の四つのピストン129を独立に駆動するために、四つのモーターユニットを有しているとよい。
【0056】
シリンジピストンポンプ部125は更に、それぞれのシリンジピストンポンプ131から延びている四つの流路と、それらの流路の各々の途中に設けられた、流路を開閉するための四つの電磁弁126とをを有している。四つの流路は共に集合配管132と流体的に連絡しており、集合配管132はシリンジピストンポンプ部125の側面で終端している。
【0057】
図12に模式的に示されるように、シリンジピストンポンプ部125の集合配管132は洗浄水タンク133と流体的に連絡され、ベース部120に設けられた廃液集合管134は、吸引ポンプ135を介して、廃液タンク136と流体的に連絡される。言い換えれば、遺伝子検査装置100は、反応ステージ103のシリンジピストンポンプ部125と流体的に連絡した洗浄水タンク133と、反応ステージ103の排出用流路119と流体的に連絡した廃液タンク136とを更に有している。
【0058】
図12において、例えば、DNAマイクロアレイ110a側の電磁弁127と廃液経路側の電磁弁128を閉じ、洗浄水タンク133側の電磁弁126を開放し、シリンジピストンポンプ131のピストン129を吸引側(紙面に対して右側)に移動させると、洗浄水タンク133の洗浄水137がシリンジ138内に吸引される。次に、洗浄水タンク133側の電磁弁126を閉じ、DNAマイクロアレイ110a側の電磁弁127を開放し、ピストン129を吐出側(紙面に対して左側)に移動すると、洗浄水137がDNAマイクロアレイ110aの各多孔質部110に送られる。
【0059】
また、別の動作として、洗浄水タンク133側の電磁弁126と廃液経路側の電磁弁128を閉じ、DNAマイクロアレイ110a側の電磁弁127を開放し、ピストン129を吸引側と吐出側に繰り返し移動させると、反応容器101内に収容された核酸サンプル114が攪拌されながらDNAマイクロアレイ110aを繰り返し通過させられる。
【0060】
また、別の動作として、廃液経路側の電磁弁128を開放し、洗浄水タンク133側の電磁弁126とDNAマイクロアレイ110a側の電磁弁127を閉じ、吸引ポンプ135を動作させると、各多孔質部110上の核酸サンプル114や洗浄水137が廃液タンク136に排出される。
【0061】
それぞれ四つある電磁弁126と電磁弁127と電磁弁128とを選択的に駆動することにより、四つのDNAマイクロアレイ110aの内の任意のDNAマイクロアレイ110aを選択的に検査に使用できる。
【0062】
また、シリンジピストンポンプ部125のピストン129の各々に設けられた四つのモーターユニットを選択的に駆動することによっても、四つのDNAマイクロアレイ110aの内の任意のDNAマイクロアレイ110aを選択的に検査に使用できる。
【0063】
反応容器101とシリンジピストンポンプ131を連絡する流路の途中や反応容器101と吸引ポンプ135を連絡する流路の途中に、その流路内を流れる流体の圧力を検知するための圧力センサーが設けられてもよい。言い換えれば、シリンジピストンポンプ部125は移送用流路124の途中に設けられた圧力センサーを有していてもよい。また、遺伝子検査装置100は反応容器101と吸引ポンプ135を連絡する流路の途中に圧力センサーを有していてもよい。
【0064】
例えば、圧力センサーにより流体の圧力をモニターすることにより、流体の圧力が所定圧力を越えないように、シリンジピストンポンプ131や吸引ポンプ135を制御してもよい。
【0065】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力以上の数値が圧力センサーにモニターされることで、多孔質部110がシリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始前から既に詰まっていたことを定量的に検出してもよい。
【0066】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力以上の数値が圧力センサーにモニターされることで、多孔質部110がシリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作中に異物により詰まったことを定量的に検出してもよい。
【0067】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力以下の数値が圧力センサーにてモニターされることで、多孔質部110がシリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始前から既に割れていたことを定量的に検出してもよい。
【0068】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力以下の数値が圧力センサーにてモニターされることで、ステージ103とDNAマイクロアレイ110aとの間にリークが発生していることを定量的に検出してもよい。
【0069】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力範囲内の数値が圧力センサーにてモニターされることで、シリンジピストンポンプ131の吸引動作と吐出動作、及び吸引ポンプ135の吸引動作が正常に行なわれていることの確認を定量的に検出してもよい。
【0070】
また、シリンジピストンポンプ131及び吸引ポンプ135の動作開始後、所定圧力範囲内の数値が圧力センサーにてモニターされることで、核酸サンプル114や洗浄水137が多孔質部110へ分注・供給されたことを定量的に検出してもよい。
【0071】
反応ステージ103は更に、反応容器101内のDNAマイクロアレイ110aの温度を調整するための温度調整機構を有している。温度調整機構は、反応容器101の温度を上げるための加熱手段を有している。加熱手段は、例えば、図8〜図11に示されるように、シリコンラバーヒーターやセラミックヒーターやペルチェ素子等の板状ヒーター105である。
【0072】
板状ヒーター105は、ベース部120とカバー部123に埋め込まれており、好ましくは、反応ステージ103に支持されている反応容器101と面接触する。具体的には、図10と図11に示されるように、ベース部120に埋め込まれた板状ヒーター105は、これに載せられた反応容器101の下ハウジング109と面接触する。
【0073】
図13に示されるように、板状ヒーター105は温度調整器211と電気的に接続されており、温度調整器211によって駆動制御される。温度調整器211は、フード106に設けられた送風機209と共に、制御コンピューター210と電気的に接続されており、制御コンピューター210によって制御される。言い換えれば、遺伝子検査装置100は、板状ヒーター105を駆動する温度調整器211と、温度調整器211と送風機209を制御する制御コンピューター210とを更に有している。
【0074】
温度調整機構は、好ましくは、図13に示されるように、板状ヒーター105の表面温度を測定する温度センサー212を更に有している。温度センサー212は、例えば、サーミスタや熱電対であり、これらは、図示されていないが、ベース部120とカバー部123に埋め込まれている。
【0075】
温度調整機構は、板状ヒーター105の過度の加熱を防止するサーモスタット等のヒーター制御機構を有しているとよい。このようなヒーター制御機構は、板状ヒーター105を駆動制御する温度調整器211(図13参照)の故障が原因で引き起こされる反応容器101の不所望な過度の加熱の防止に効果的である。
【0076】
温度調整機構は、さらに好ましくは、反応容器101の温度を下げるための冷却手段を更に有している。冷却手段は、例えば、ベース部120とカバー部123に設けられた(図示しない)ペルチェ素子である。ペルチェ素子は、好ましくは、反応ステージ103に支持されている反応容器101と面接触する。冷却用のペルチェ素子も温度調整器211と電気的に接続され、温度調整器211によって駆動制御される。
【0077】
反応容器101は、制御コンピューター210により制御される板状ヒーター105と温度センサー212と(図示しない)ペルチェ素子と送風機209とによって、例えば、ハイブリダイズ反応の際に、30度から90度の範囲で温度調整される。温度制御は、DNAマイクロアレイ110aで行なわせる反応に応じて決まり、反応容器101の温度を所定の一定温度に保つ制御や、予め設定された複数の温度値の間を所定の温度勾配で加熱したり冷却したりする制御を含んでいる。
【0078】
好適な反応ステージ103では、加熱のための板状ヒーター105が反応容器101に接触しており、このため反応容器101の温度を短時間で上昇させることができる。
【0079】
好適な検査装置100においては、検査装置自体が冷却のための送風機209を備えていると共に、反応ステージ103が冷却のためのペルチェ素子を備えている。このような検査装置100においては、送風機209とペルチェ素子を一緒に使用することにより、反応容器101の温度を短時間で下降させることができる。
【0080】
以下、遺伝子検査動作について説明する。
【0081】
図8に示されるように、カバー部123が開かれた状態で、反応容器101が反応ステージ103のベース部120に載置される。その後、反応容器101の開口部113の中に核酸サンプル114が供給される。つまり、核酸サンプル114がDNAマイクロアレイ110aに貯液される。その後、図9に示されるように、カバー部123が閉じられる。
【0082】
これにより、図10に示されるように、反応容器101の廃液孔116がベース部120に設けられた排出用流路119と流体的に連絡されると共に、反応容器101の貯液孔117がシリンジピストンポンプ部125に設けられた送液用流路と流体的に連絡される。なお、反応ステージ103のシリンジピストンポンプ部125のすべての配管内には予め洗浄水137が充填されている。
【0083】
カバー部123が閉じられた状態では、図10に示されるように、カバー部123に設けられた下側のカバーガラス121は、反応容器101の上ハウジング108と面接触する。これにより、反応容器101の上ハウジング108に形成された開口部113(核酸サンプル114をDNAマイクロアレイ110aに貯液する部分)が密閉される。
【0084】
これにより、フード106内の埃などの異物が、反応容器101の上ハウジング108の開口部113内に入り込むことが防止される。これにより、異物の混入による顕微鏡102によるDNAマイクロアレイ110aの誤検査を防止できる。
【0085】
その後、核酸サンプルを反応させるため、反応容器101内のDNAマイクロアレイ110aが温度制御される。
【0086】
ここで、DNAマイクロアレイ110aの温度制御について触れる。
【0087】
図13において、DNAマイクロアレイ110aの所定加熱温度情報213は制御コンピューター210に入力され、制御コンピューター210は入力された温度情報213の信号を温度調整器211に出力し、温度調整器211は温度センサー212が出力するヒーター105の表面温度の信号を受け取り、受け取ったヒーター105の表面温度情報が制御コンピューター210に入力された所定温度213の一定範囲内に達していないようであれば、温度調整器211がヒーター105に対して加熱する信号を出すという動作を、温度調整器211の設定済みの所定の温度勾配に基づいて所定の温度で一定に恒温されるまで繰り返す。
【0088】
一方、温度センサー212より温度調整器211が受け取ったヒーター105の表面温度情報が制御コンピューター210に入力した所定温度213の一定範囲を上回っているようであれば、温度調整器211はヒーター105に対して加熱を停止する信号を出力する。また、制御コンピューター210は必要に応じて送風機209を回転させる信号を出力し、ヒーター105の表面温度情報が所定の温度以下になるまでの冷却時間の短縮を図ってもよい。
【0089】
四つのヒーター105により、DNAマイクロアレイ110aと各液体が所定温度に加温される。
【0090】
反応容器101の開口部113はカバーガラス121によって密閉されているので、その内部は高湿度環境となり、核酸サンプル114は蒸発することがなく、核酸サンプル114の濃度は一定に保たれる。従って、不所望な核酸サンプル114の濃度変化は生じない。
【0091】
また、反応容器101の開口部113は、密閉された空気を間に挟んで配置されている二枚のカバーガラス121を介して、外部環境と遮断されているので、外部環境との温度勾配が低減されている。これにより、温度制御中にカバーガラス121の面に結露が生じることが防止される。
【0092】
次に、DNAマイクロアレイ110a側の電磁弁127のみが開放され、図11に示されるように、シリンジピストンポンプ131のピストン129が吸引側に紙面右側に移動される。これにより、核酸サンプル114は、DNAマイクロアレイ110aを通過し、下ハウジング109内の貯液孔117の中に移動する。次に、図10に示されるように、ピストン129が吐出側に紙面左側に移動される。これにより、核酸サンプル114は、DNAマイクロアレイ110aを通過し、再びDNAマイクロアレイ110aの上側すなわち開口部113の中に戻る。この動作が繰り返し行なわれる。これにより、核酸サンプル114は、短時間の内に、DNAマイクロアレイ110a内の核酸プローブスポット118とハイブリダイズ反応を起こす。その結果、所定の核酸プローブスポット118だけが蛍光を発し得る。
【0093】
その後、図11に示されるように、全量の核酸サンプル114が貯液孔117に留まっている状態で、顕微鏡102によって蛍光観察が行なわれ、ハイブリダイズした各核酸プローブスポット118の微弱蛍光が検査される。このとき、核酸サンプル114はDNAマイクロアレイ110aの上部の上ハウジング108のテーパー形状開口部113より除去されている。
【0094】
シリンジピストンポンプ部125の内部に核酸サンプル114が到達しないように、予め貯液孔117の容積が決められており、シリンジピストンポンプ131はピストン129の移動距離が貯液孔117の容積に応じて制限されて駆動される。これにより、シリンジピストンポンプ部125内部には核酸サンプル114が侵入せず、別のDNAマイクロアレイ110aをセットした際のキャリーオーバーは発生しない。
【0095】
反応ステージ103に設置されているDNAマイクロアレイ110aの全項目の検査の終了後、制御コンピューター210は送風機209に回転の信号を出力し、送風機209は反応ステージ103に風を送る。温度センサー212はヒーター105の表面温度の信号を温度調整器211を介して制御コンピューター210に送り、制御コンピューター210は、温度の信号が予め入力されている所定の温度(例えばユーザーがステージ103に接触しても火傷しない温度)以下になったら、反応ステージ103をフード106外にせり出させる。
【0096】
反応ステージ103をフード106外にせり出させる条件は、必ずしもDNAマイクロアレイ110aの検査が全項目終了した後であることに限定されない。例えば、各検査項目前後の間で、ユーザーがDNAマイクロアレイ110aの上ハウジング108のテーパー形状開口部113に新たな核酸サンプル114を分注するために、反応ステージ103がせり出されてもよい。
【0097】
その際、必ずしも送風機209により反応ステージ103を所定の温度以下に冷却する必要はなく、例えば、前検査項目のハイブリダイゼーションの所定温度より次検査項目の所定温度が高い場合などは、冷却することなくフード106外にステージ103がせり出されてもよい。
【0098】
また、核酸サンプル114は、貯液孔117に移送される代わりに、吸引ポンプ135によってDNAマイクロアレイ110aから除去されてもよい。この場合にもスポットの蛍光強度のS/N比が向上される。
【0099】
しかしながら、より好ましくは、ハイブリダイズ反応の終了後に、DNAマイクロアレイ110aが洗浄水で洗浄される。DNAマイクロアレイ110aに核酸サンプル114を数回通過させてハイブリダイズ反応を行なった後、シリンジピストンポンプ131により、洗浄水137をDNAマイクロアレイ110aの上まで送液する。その後、廃液用電磁弁128を開放し、他の電磁弁126と127を閉じ、吸引ポンプ135を動作させて、余剰の核酸サンプル114と洗浄水137を反応容器101から排除する。これにより、単に余剰の核酸サンプル114だけが除去されるだけでなく、洗浄水137によってDNAマイクロアレイ110aが洗浄される。
【0100】
このような洗浄動作と廃液吸引動作は繰り返し行なわれてもよく、これにより、より確実に余剰の核酸サンプル114が除去される。
【0101】
本実施形態の遺伝子検査装置100では、顕微鏡102のXYステージに載せられた反応ステージ103がヒーター105とシリンジピストンポンプ131を備えているので、反応容器101内のDNAマイクロアレイ110aを各種装置間で搬送させる必要がない。これにより、これまで搬送に要していた時間が短縮されるので、検査が高速に行なわれるようになる。搬送の際に発生していたDNAマイクロアレイの温度変化がなくなる。搬送の際に生じていたDNAマイクロアレイのゴミ付着がなくなるので、高精度な検査が行なわれるようになる。搬送の手間がなくなるので、検査が簡易になる。
【0102】
本実施形態では、DNAマイクロアレイを例にあげて説明しているが、DNAマイクロアレイは微弱な信号を精度良く検出しなければならないので、本発明はその精度向上において非常に有効である。しかし、多孔質の固相担体にプローブを固相化して検出を行なうものであれば、本発明を適用することが可能である。例えば、抗原抗体反応を利用した検査なども同様な効果が得られる。
【0103】
本実施形態の遺伝子検査装置100は、様々な変更や変形が成されてもよい。
【0104】
図10と図11に示されるシリンジピストンポンプ131に代替可能なシリンジピストンポンプの変形例を図14に示す。図14に示されるように、本変形例のシリンジピストンポンプ205は、シリンジ206内を移動し得るピストン207の送液吸引口側(紙面に対して左側)の先端部に溝208を形成されており、この溝208にOリング139を嵌合され、Oリング139がピストン207の移動と共にシリンジ206の内壁を摺動する構成であってもよい。
【0105】
第二実施形態
本実施形態は、第一実施形態において説明した洗浄水によるDNAマイクロアレイの洗浄効果を高めるために圧電素子を備えているベース部に向けられている。
【0106】
図15に示されるように、ベース部120は、その上に載置された反応容器101の下ハウジング109と面接触する二枚の圧電素子140を備えている。圧電素子140は、例えば、10mm×30mm×1mmの大きさを有している。圧電素子140は、例えば、厚み方向の分極処理が施されたチタン酸シリコン酸鉛(PZT)の板と、その厚み方向の二面に蒸着された銀電極とで構成されている。
【0107】
圧電素子140には、図示しない駆動回路からフレキシブルケーブルなどを用いて、100Vp−p程度の正弦波の交番電圧が印加される。圧電素子140に印加する交番電圧の周波数は、好ましくは、ステージ103の固有振動数に一致した周波数である。このような周波数の交番電圧の印加に対して、圧電素子140は強い超音波振動を発生する。
【0108】
図15に示されるように、ハイブリダイズ反応の終了後、シリンジピストンポンプ131により、洗浄水137がDNAマイクロアレイ110aの上まで送液される。このようにDNAマイクロアレイ110aの上まで洗浄水137が供給されている状態で、ベース部120に内蔵されている圧電素子140が正弦波の交番電圧で駆動され、圧電素子140は超音波振動を発生する。これにより、洗浄水が供給されている部分は超音波洗浄される。
【0109】
その後、廃液用電磁弁128を開放し、他の電磁弁126と127を閉じ、吸引ポンプ135を動作させることにより、余剰の核酸サンプル114と洗浄水137は反応容器101から排除される。
【0110】
このとき、洗浄水による洗浄の際に超音波振動を加えることにより、その洗浄効果が更に向上される。その結果、核酸サンプル114はハイブリダイズ反応を起こした適正な核酸プローブスポットにのみ存在し、余剰の核酸サンプル114は殆ど存在しなくなる。これにより、不所望な蛍光が更に軽減され、蛍光観察のS/N比が更に向上される。
【0111】
第三実施形態
本実施形態は、第一実施形態において説明したDNAマイクロアレイの洗浄の際に、洗浄水をDNAマイクロアレイに上方から供給する機能を有している検査装置に向けられている。
【0112】
図16と図17に示されるように、検査装置は、洗浄水をDNAマイクロアレイに上方からすなわち検査面側から供給する洗浄ノズル141を更に有している。洗浄ノズル141は、反応ステージ103のカバー部123が開かれた状態で、反応容器101の上ハウジング108と接触され、上ハウジング108に形成されたテーパー形状開口部113に洗浄液を供給する。図示しないが、洗浄ノズル141は別の搬送部材により支持されており、洗浄ノズル141には洗浄水タンク133の洗浄水137を送液するポンプが接続されている。
【0113】
ハイブリダイズ反応の終了後、図16に示されるように、カバー部123が開けられ、洗浄ノズル141が反応容器101の上ハウジング108と接触され、上ハウジング108に形成されたテーパー形状開口部113に洗浄液が供給される。
【0114】
洗浄ノズル141から洗浄液が供給されている間、廃液用電磁弁128だけが開かれ、吸引ポンプ135が動作される。これにより、洗浄水137が余剰の核酸サンプル114と共に反応容器101から排出される。
【0115】
第二実施形態と同様に、ベース部120は洗浄効果を高める圧電素子140を備えており、この洗浄動作の間、圧電素子140による超音波洗浄が併用されてもよい。
【0116】
また、図17に示されるように、シリンジピストンポンプ131より、洗浄水タンク133の洗浄水137をDNAマイクロアレイ110aに送液しながら、洗浄水が洗浄ノズル141で吸引され除去される。これにより余剰の核酸サンプルが除去される。
【0117】
本実施形態では、洗浄動作の間、洗浄水が一方向に流されるので、DNAマイクロアレイ110aは常に清浄な洗浄水で洗浄され続ける。これにより、洗浄時間が大幅に短縮される。また、DNAマイクロアレイ110aの上方に位置する洗浄ノズルによって洗浄液が吸引されて除去されることにより、DNAマイクロアレイ110aの上側すなわち検査面側に存在するゴミも一緒に除去される。
【0118】
その結果、核酸サンプル114はハイブリダイズ反応を起こした適正な核酸プローブスポットにのみ存在し、余剰の核酸サンプル114は殆ど存在しなくなる。これにより、不所望な蛍光が更に軽減され、蛍光観察のS/N比が更に向上される。
【0119】
DNAマイクロアレイを洗浄するための物質は液体に限定されるものではない。つまり、洗浄ノズル141から供給される物質は、温度制御された微小液滴であってもよい。温度制御された微小液滴も、余剰の核酸サンプル114を効率よく除去し得る。好ましくは、DNAマイクロアレイを通過する際の圧力負荷を抑えるために、蒸気の液滴の大きさは、数μm程度以下の大きさであるとよい。また、洗浄ノズル141から供給される物質は、空気であってもよい。
【0120】
第四実施形態
本実施形態は、空気によって核酸サンプルを移送する反応ステージに向けられている。
【0121】
図18と図19に示されるように、本実施形態の反応ステージ202は、反応容器101に対して流体を移送するための流体移送機構であるシリンジピストンポンプ部200を有している。
【0122】
シリンジピストンポンプ部200は、反応容器101の貯液孔117の各々と流体的に連絡される四つの移送用流路124と、移送用流路124の各々と流体的に連絡した、反応容器101の貯液孔117の各々と流体的に連絡される四つのシリンジピストンポンプ203を有している。
【0123】
各シリンジピストンポンプ203は、シリンジ204と、シリンジ204内を移動し得るピストン129と、シリンジ204とピストン129を気密に保つためのシールであるシール139とを有している。
【0124】
ピストン129の移動に伴う空気201の吸入・排出により、反応ステージ202に支持された反応容器101内の核酸サンプルが移送される。
【0125】
四つの電磁弁128を選択的に駆動することにより、四つのDNAマイクロアレイ110aの内の任意のDNAマイクロアレイ110aを選択的に検査に使用できる。
【0126】
ベース部120は第一実施形態と同様であり、図20に模式的に示されるように、ベース部120の廃液集合管134は吸引ポンプ135を介して廃液タンク136と連絡されている。
【0127】
カバー部123が開かれ、反応容器101が反応ステージ103のベース部120に載置され、反応容器101の開口部113の中に核酸サンプル114が供給された後、図18に示されるように、カバー部123が閉じられる。
【0128】
これにより、反応容器101の貯液孔117は、送液用流路124のみを介して、シリンジピストンポンプ203と流体的に連絡される。また、反応容器101の廃液孔116はベース部120に設けられた排出用流路119と流体的に連絡される。
【0129】
次に、DNAマイクロアレイ110a側の電磁弁128のみが開放され、図19に示されるように、シリンジピストンポンプ203のピストン129が吸引側に紙面右側に移動される。これにより、反応容器101の中の空気がシリンジピストンポンプ203の中に吸い込まれるため、核酸サンプル114は、DNAマイクロアレイ110aを通過し、下ハウジング109内の貯液孔117の中に移動する。次に、図18に示されるように、ピストン129が吐出側に紙面左側に移動される。これにより、シリンジピストンポンプ203の中の空気が反応容器101の中に排出されるため、核酸サンプル114は、DNAマイクロアレイ110aを通過し、開口部113の中に戻る。この動作が繰り返し行なわれることにより、核酸サンプル114は、短時間の内に、DNAマイクロアレイ110a内の核酸プローブスポット118とハイブリダイズ反応を起こす。その結果、所定の核酸プローブスポット118だけが蛍光を発し得る。
【0130】
ハイブリダイズ反応の後、第三実施形態と同様の手法によって、DNAマイクロアレイ110aの洗浄が行なわれる。つまり、洗浄ノズル141が反応容器101に検査面側から設置され、洗浄ノズル141から洗浄水137が供給されるとともに、供給される洗浄水137が吸引ポンプ135により廃液孔116を介して除去される。
【0131】
本実施形態では、シリンジピストンポンプ203と反応容器101とを連絡する移送用流路124は、その途中に電磁弁が設けられていないことにより、短く、屈曲箇所も有していない。このため、シリンジピストンポンプ203による核酸サンプル114の移動応答性が良い。
【0132】
シリンジピストンポンプ部200は、電磁弁を有していないため、そのぶん、小型化され、省電力化され、安価に構成される。
【0133】
また、シリンジピストンポンプ部200の配管内に洗浄水137に替わって気体(空気)201を使用する事で、ユーザーが反応容器101をベース部120から取り外した際に、貯液孔117が大気に触れて貯液孔117内に陰圧が働き、貯液孔117と接触していた送液口の洗浄水137がシリンジピストンポンプ部200から漏れ出し、洗浄水137の液量が減る事で、多孔質部110と貯液孔117を通過する核酸サンプル114の移動応答性が悪くなる可能性を防げる。
【0134】
また、シリンジピストンポンプ部200の配管内に洗浄水137に替わって気体(空気)201を使用する事で、洗浄水137を充填させる操作の手間と、充填するのを待つ時間が無くなる。
【0135】
また、シリンジピストンポンプ部200の配管内に洗浄水137に替わって気体(空気)201を使用する事で、例えば装置の点検の前に洗浄水137を全て抜き取るといったメンテナンスの際の手間が無くなり、メンテナンス性が良くなる。
【0136】
また、前述の実施形態では、シリンジピストンポンプ部200の配管内に洗浄水137を充填させる事で、空気が混入して配管内で空気層が出来る可能性があり、その空気層によって多孔質部110と貯液孔117を通過する核酸サンプル114のシリンジピストンポンプ203による移動応答性を悪くさせる可能性があるが、本実施形態では、配管内に全て気体(空気)201を充填させる為、空気層によって移動応答性が悪くなる要因を防ぐ事が出来る。
【0137】
第五実施形態
本実施形態は、洗浄水を供給する洗浄ノズルと、洗浄水を除去する廃液ノズルとを備えている遺伝子検査装置に向けられている。
【0138】
図21に示されるように、本実施形態の遺伝子検査装置は、反応容器101の上ハウジング108に形成されたテーパー形状開口部113に対して、上方から、洗浄水137を供給する洗浄ノズル214と、洗浄水137を除去する廃液ノズル215とを有している。
【0139】
洗浄ノズル214は洗浄水タンク133の洗浄水137を送液するための図示しないポンプに接続されている。また、廃液ノズル215は上ハウジング108のテーパー形状開口部113から洗浄水137を廃液タンク136へ排出するための図示しないポンプに接続されている。廃液ノズル215の端部すなわち吸引口は、好ましくは、DNAマイクロアレイの近くに配置される。これにより、洗浄水137の検査表面の液残り量が少なくなる。更に、洗浄ノズル214は、好ましくは、上ハウジング108のテーパー形状開口部113に貯液された洗浄水137に一切触れない位置に配置される。これにより、核酸サンプル114とのコンタミネーションが防止される。
【0140】
図21には図示されていないが、反応容器101は、第一実施形態で説明した反応ステージ103に支持される。すなわち、反応容器101の貯液孔117はシリンジピストンポンプ131と連絡される。
【0141】
例えば、洗浄ノズル214から上ハウジング108のテーパー形状開口部113の中に洗浄水137が供給される。シリンジピストンポンプ131の吸引動作により、開口部113の中の洗浄水137はDNAマイクロアレイを通過して貯液孔117の中に移動する。その後、シリンジピストンポンプ131の排出動作により、貯液孔117の中の洗浄水137はDNAマイクロアレイを通過して開口部113の中に移動する。
【0142】
シリンジピストンポンプ131の吸引動作と排出動作が適当に繰り返された後、開口部113の中の洗浄水137は、廃液ノズル215により吸引されて除去される。これにより、洗浄水137と一緒に、DNAマイクロアレイの上に存在する異物が取り除かれる。
【0143】
廃液ノズル215による吸引後、DNAマイクロアレイの上に残る洗浄水137が検査結果に影響を及ぼすようであれば、吸引ポンプ135により廃液孔116を介して洗浄水137が排出されるとよい。
【0144】
洗浄水137は、洗浄ノズル214から供給されるだけでなく、シリンジピストンポンプ131からも供給されてもよい。
【0145】
例えば、ハイブリダイズ反応の後、シリンジピストンポンプ131により洗浄水137がDNAマイクロアレイの上まで供給される。その後、廃液ノズル215により洗浄水137が吸引される。これにより、洗浄水137と一緒に、DNAマイクロアレイの上に存在する異物が取り除かれる。その後、洗浄ノズル214から洗浄水137が供給され、洗浄水137が吸引ポンプ135により吸引される。これにより、洗浄水137はDNAマイクロアレイを通過し、廃液孔116を通って反応容器101から除去される。
【0146】
前述の洗浄水137の供給の順番は逆にされてもよい。すなわち、先に洗浄ノズル214から洗浄水137が供給され、吸引ポンプ135により洗浄水137が反応容器101から排出された後、シリンジピストンポンプ131によりDNAマイクロアレイの上まで洗浄水137が供給され、DNAマイクロアレイの上の洗浄水137が廃液ノズル215により吸引されてもよい。
【0147】
本実施形態では、DNAマイクロアレイの上側に配置された廃液ノズル215によって洗浄水137が吸引されるので、DNAマイクロアレイの上側に存在する異物が洗浄水と一緒に取り除かれる。
【0148】
また、吸引ポンプ135による洗浄水137の排出と廃液ノズル215による洗浄水137の排出とを併用することにより、洗浄水137の排出時間の短縮を図ることができる。
【0149】
また、シリンジピストンポンプ131による洗浄水137の供給と洗浄ノズル214による洗浄水137の供給とを併用することにより、洗浄水137の供給時間の短縮を図ることができる。
【0150】
第六実施形態
本実施形態は、流体移送機構を備えた反応容器101に向けられている。
【0151】
図22に示されるように、本実施形態の反応容器101では、下ハウジング109の貯液孔117は、円柱形状あるいは多角柱形状を有しており、シリンジピストンポンプのシリンジを兼ねている。貯液孔117の中を移動し得るピストン207が設けられている。ピストン207は、その端部に形成された溝208を有しており、溝208にはシール139が嵌め込まれている。シール139は、ピストン207と、貯液孔117すなわちシリンジとを気密に保っている。
【0152】
本実施形態の反応容器101を支持する反応ステージは、第一実施形態の反応ステージ103からシリンジピストンポンプ部125が省かれた構成であってよい。ピストン207は、反応容器101が反応ステージに設置される前に、反応容器101の貯液孔117にピストン207が挿入され、反応容器101が反応ステージに設置された後、図示しないモーターユニットに連結され、モーターユニットによって図22の左右に移動され得る。
【0153】
核酸サンプル114の分注後、核酸サンプルは、ピストン207に接触しても、接触しなくてもよい。
【0154】
本実施形態では、シリンジピストンポンプが反応容器101に設けられているので、核酸サンプル114とピストン207との間の空気層が少なく、酸サンプル114の移動応答性が良い。
【0155】
また、本実施形態の反応容器101はシリンジピストンポンプを備えているので、これを支持する反応ステージの小型化の小型化、従って遺伝子検査装置の小型化が図れる。
【0156】
第七実施形態
本実施形態は、複数の反応容器101を支持し得る円形反応ステージを有する遺伝子検査装置に向けられている。
【0157】
図23に示されるように、本実施形態の遺伝子検査装置は、上述したように制御コンピューター210によって全体が制御されていて、その中心を軸として回転され得る円形反応ステージ217と、これを覆うフード106と、円形反応ステージ217に支持され回転されている反応容器101内のDNAマイクロアレイを蛍光観察するためのCCDカメラ104とを有している。
【0158】
円形反応ステージ217は、複数の反応容器101を放射状に支持し得る。つまり、円形反応ステージ217は、反応容器101を支持するための支持機構を複数箇所設けている。さらに、円形反応ステージ217は、図示されていないが、支持された反応容器101に対して流体を移送するための流体移送機構と、支持された反応容器101内のDNAマイクロアレイの温度を調整するための温度調整機構とを有している。支持機構と流体移送機構と温度調整機構には、これまでに説明した実施形態の構成が適用され得る。
【0159】
好ましくは、遺伝子検査装置は更に、円形反応ステージ217に支持され回転されている反応容器101に核酸サンプルを分注するための核酸サンプル分注ノズル216を有している。より好ましくは、遺伝子検査装置は更に、円形反応ステージ217に支持され回転されている反応容器101内のDNAマイクロアレイを洗浄するための洗浄ノズル141を有している。核酸サンプル分注ノズル216と洗浄ノズル141とCCDカメラ104は、円形反応ステージ217の周囲に、その回転方向に沿って配置されている。
【0160】
例えば、反応容器101を円形反応ステージ217に設置する際、設置を容易にするために、支持機構が図示しないYステージによりフード106の外にせり出される。支持機構は、反応容器101が設置された後、再びYステージによりフード106の中に収納される。
【0161】
円形反応ステージ217に支持された反応容器101は、円形反応ステージ217の回転によって、核酸サンプル分注ノズル216による作業領域に搬送される。ここにおいて、核酸サンプル分注ノズル216により反応容器101に核酸サンプルが分注される。
【0162】
円形反応ステージ217に支持された反応容器101は、核酸サンプルの分注後、円形反応ステージ217の回転によって搬送されながら、ハイブリダイズ反応が行なわれる。ハイブリダイズ反応の終了後、円形反応ステージ217に支持された反応容器101は、円形反応ステージ217の回転によって、洗浄ノズル141による作業領域に搬送される。ここにおいて、反応容器101内のDNAマイクロアレイが洗浄される。
【0163】
円形反応ステージ217に支持された反応容器101は、洗浄後、円形反応ステージ217の回転によって、CCDカメラ104による撮像領域に搬送される。ここにおいて、反応容器101内のDNAマイクロアレイの蛍光画像が撮像される。撮像が終了した反応容器101は、反応容器交換手段218によって新たな反応容器101と交換される。
【0164】
本実施形態の遺伝子検査装置は、複数のDNAマイクロアレイの検査を連続的に行なえる。
【0165】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0166】
【発明の効果】
本発明によれば、生体関連物質を短時間で高い精度で簡便に検査できる検査装置が提供される。本発明の検査装置によれば、反応部分の検体液の状態(濃度など)や、温度条件を変化させながら対象生体関連物質の反応程度を測定することができる。従って、対象生体関連物質の発現の有無やその発現量を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における遺伝子検査装置の概略的な斜視図であり、反応ステージがせり出された状態が示されている。
【図2】図1と同じく本発明の第一実施形態における遺伝子検査装置の概略的な斜視図であり、フード内に収容された反応ステージを示すために、フードを透かして描かれている。
【図3】図1と図2に示された反応容器の斜視図であり、組み立てられた状態と分解された状態が描かれている。
【図4】図3に示されたスライドチップの拡大斜視図である。
【図5】図4に示されたスライドチップの分解斜視図である。
【図6】図3に示された反応容器の上面と縦断面と横断面とを示している。
【図7】DNAマイクロアレイに配列された多数の核酸プローブスポットを示している。
【図8】図1と図2に示された反応ステージの斜視図であり、反応容器が設置される前の状態を示している。
【図9】図1と図2に示された反応ステージの斜視図であり、反応容器が設置された後の状態を示している。
【図10】図9に示された反応ステージと反応容器の断面図であり、反応容器が設置された直後の、核酸サンプルがDNAマイクロアレイの上に位置している状態を示している。
【図11】図9に示された反応ステージと反応容器の断面図であり、核酸サンプルが貯液孔に移送された状態を示している。
【図12】本発明の第一実施形態における遺伝子検査装置の流路を概略的に示している。
【図13】本発明の第一実施形態における遺伝子検査装置の温度調整機構とその制御系とを概略的に示している。
【図14】図10と図11に示されたシリンジピストンに代えて適用可能な別のシリンジピストンの構成を概略的に示している。
【図15】本発明の第二実施形態における反応ステージと反応容器の断面図であり、ベース部に設けられた圧電素子によりDNAマイクロアレイが超音波洗浄されている状態を示している。
【図16】本発明の第三実施形態における遺伝子検査装置における反応ステージと反応容器と洗浄ノズルの断面図であり、洗浄ノズルから洗浄水が供給されている状態を示している。
【図17】本発明の第三実施形態における遺伝子検査装置における反応ステージと反応容器と洗浄ノズルの断面図であり、洗浄ノズルにより洗浄水が吸引されている状態を示している。
【図18】本発明の第四実施形態における遺伝子検査装置における反応ステージと反応容器の断面図であり、核酸サンプルがDNAマイクロアレイの上に位置している状態を示している。
【図19】本発明の第四実施形態における遺伝子検査装置における反応ステージと反応容器の断面図であり、核酸サンプルが貯液孔に移送された状態を示している。
【図20】本発明の第四実施形態における遺伝子検査装置の流路を概略的に示している。
【図21】本発明の第五実施形態における遺伝子検査装置の反応容器と洗浄ノズルと廃液ノズルの断面図である。
【図22】本発明の第六実施形態における反応容器の断面図である。
【図23】本発明の第七実施形態における遺伝子検査装置の概略的な斜視図である。
【符号の説明】
100 遺伝子検査装置
101 反応容器
102 顕微鏡
103 反応ステージ
104 CCDカメラ
105 板状ヒーター
107 スライドチップ
108 上ハウジング
109 下ハウジング
110 多孔質部
110a DNAマイクロアレイ
111 支持板
116 廃液孔
117 貯液孔
119 排出用流路
120 ベース部
123 カバー部
124 移送用流路
125 シリンジピストンポンプ部
131 シリンジピストンポンプ
133 洗浄水タンク
135 吸引ポンプ
136 廃液タンク

Claims (18)

  1. 流体を通し得る固相坦体を利用した生体関連物質の反応を検査するための生体関連物質の検査装置であり、
    固相坦体を含む反応容器を支持すると共に固相坦体の反応を促進するための反応ステージと、
    固相坦体を光学的に観察するための顕微鏡とを備えており、
    反応ステージは、反応容器に対して流体を移送するための流体移送機構と、反応容器内の固相坦体の温度を調整するための温度調整機構とを有している、生体関連物質の検査装置。
  2. 温度調整機構は、固相坦体の温度を上げるための加熱手段を有している、請求項1に記載の生体関連物質の検査装置。
  3. 温度調整機構は、固相坦体の温度を下げるための冷却手段を更に有している、請求項2に記載の生体関連物質の検査装置。
  4. 固相坦体の温度を強制対流によって下げるための冷却機構を更に備えており、冷却機構は反応ステージに空気を送る送風機を有している、請求項2または請求項3に記載の生体関連物質の検査装置。
  5. 冷却機構は、反応ステージに送られる空気を冷却するためのペルチェ素子を更に有している、請求項4に記載の生体関連物質の検査装置。
  6. 反応容器は、固相坦体と流体的に連絡した、反応容器内の流体を収容し得る貯液孔と、固相坦体と流体的に連絡した、反応容器内の流体を外に排出させるための廃液孔とを有しており、
    流体移送機構は、反応容器の貯液孔と流体的に連絡される移送用流路と、この移送用流路と流体的に連絡した、反応容器内の流体を移送するための移送用ポンプとを有しており、
    反応ステージは、反応容器の廃液孔と流体的に連絡される排出用流路を更に有しており、
    検査装置は、反応ステージの排出用流路を介して、反応容器内の流体を外に排出するための流体排出機構を更に備えている、請求項1に記載の生体関連物質の検査装置。
  7. 移送用ポンプは、シリンジピストンポンプである、請求項6に記載の生体関連物質の検査装置。
  8. 移送用ポンプは、その内部に気体を吸引し、また、その内部の気体を排出することにより、反応容器内の流体を移送する、請求項6に記載の生体関連物質の検査装置。
  9. 流体移送機構は、移送用流路内の流体の圧力を検知するための圧力センサーを更に有している、請求項6に記載の生体関連物質の検査装置。
  10. 反応容器内の流体を固相坦体の検査面側から吸引するためのノズルを更に備えている、請求項1に記載の生体関連物質の検査装置。
  11. 反応容器内に流体を固相坦体の検査面側から吐出するためのノズルを更に備えている、請求項1に記載の生体関連物質の検査装置。
  12. 流体を通し得る固相坦体を利用した生体関連物質の反応を検査する装置の反応ステージであり、
    固相坦体を含む反応容器を支持する反応容器機構と、
    反応容器に対して流体を移送させるための流体移送機構と、
    反応容器内の固相坦体の温度を調整するための温度調整機構とを有している、生体関連物質の検査装置の反応ステージ。
  13. 温度調整機構は、固相坦体の温度を上げるための加熱手段を有している、請求項12に記載の反応ステージ。
  14. 温度調整機構は、固相坦体の温度を下げるための冷却手段を更に有している、請求項13に記載の反応ステージ。
  15. 反応容器は、固相坦体と流体的に連絡した、反応容器内の流体を収容し得る貯液孔と、固相坦体と流体的に連絡した、反応容器内の流体を外に排出させるための廃液孔とを有しており、
    流体移送機構は、反応容器の貯液孔と流体的に連絡される移送用流路と、この移送用流路と流体的に連絡した、反応容器内の流体を移送するための移送用ポンプとを有しており、
    反応ステージは、反応容器の廃液孔と流体的に連絡される排出用流路を更に有している、請求項12に記載の反応ステージ。
  16. 移送用ポンプは、シリンジピストンポンプである、請求項15に記載の反応ステージ。
  17. 移送用ポンプは、その内部に気体を吸引し、また、その内部の気体を排出することにより、反応容器内の流体を移送する、請求項15に記載の反応ステージ。
  18. 流体移送機構は、移送用流路内の流体の圧力を検知するための圧力センサーを更に有している、請求項15に記載の反応ステージ。
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