JP2004003212A - 面状遮蔽体吊下構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数枚の面状遮蔽体10を、主レール51に主ランナー61を介して吊り下げる。それら複数枚の各面状遮蔽体10の上縁70には副レール20を取り付ける。主レール51に吊り下げられて隣合う一方の面状遮蔽体(12)の副レール(22)を、その隣合う他方の面状遮蔽体(11)の副レール(21)に、直接又は副レール(21)を走行する副ランナー(32)を介して係合し、その副ランナー(32)を介して隣合う副レール(21)と副レール(22)が互いに他方に対し副レールの長さ方向に移動可能にする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロアーやホール等の建物の大広間を拡縮自在に間仕切るために、或いは、窓や出入口等の建物の開口部を開閉するために、移動可能に吊り下げて使用される吊下式面状遮蔽体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の面状遮蔽体は、大広間の天井や開口部の上枠に取り付けたガイドレールを走行するランナーに上縁を連結し、開閉移動して使用される。大広間や広い開口部に複数枚の面状遮蔽体を並べて吊り下げる場合、大広間や開口部を広く開放することが出来るようにするため、その面状遮蔽体の枚数に応じた複数本のガイドレールを平行に並べて取り付け、その各ガイドレール毎に1枚の面状遮蔽体を吊るし、それらを移動して大広間や開口部を開放するときは、ガイドレールの片端に重ね合わせになって片付けるられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのように複数枚の面状遮蔽体を並べて大広間や開口部に設置する場合、それらを移動して大広間を仕切り、或いは、開口部を閉じるとき、その閉じ合わされて重なり合う面状遮蔽体の側縁と側縁の間に隙間が出来ないようにするには、平行に並べるガイドレールとガイドレールの間隔が重なり合う面状遮蔽体の側縁と側縁の厚みの合計寸法の半分になるように、ガイドレールの位置合わせを正確に行わなければならない。しかし、面状遮蔽体には、カーテンのようにガイドレールの太さに比して著しく薄手のものもある。そのように薄手の面状遮蔽体を複数枚並べて吊るす場合には、ガイドレールの太さと面状遮蔽体の厚みとの差に応じた隙間が、閉じ合わされて重なり合う面状遮蔽体の側縁と側縁の間に必然的に生じ、その間に隙間なく大広間を間仕切り、或いは、開口部を閉じることは出来ず、又、複数枚の面状遮蔽体を面一に揃えることは出来ない。
【0004】
【発明の目的】
そこで本発明は、カーテンのようにガイドレールの太さに比して著しく薄手の面状遮蔽体を複数枚並べて吊るす場合でも、隣合う面状遮蔽体と面状遮蔽体の間に隙間が出来ないようにし、又、その複数枚の面状遮蔽体の間が同一面上(面一)に揃い、建物の開口部や大広間を広く開放可能に遮蔽し、或いは、間仕切ることが出来るようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る面状遮蔽体吊下構造は、(a) 複数枚の面状遮蔽体10・11・12・13が、主レール51に、その主レール51の長さ方向に並べられ、その主レール51を走行する主ランナー60・61・62・63を介して吊り下げられており、(b) それら複数枚の各面状遮蔽体10・11・12・13の上縁70には、それぞれ副レール20・21・22・23が取り付けられており、(c) その主レール51に吊り下げられて隣合う一方の面状遮蔽体(12)の副レール(22)が、その隣合う他方の面状遮蔽体(11)の副レール(21)に、直接又は副レール(21)を走行する副ランナー(32)を介して係合し、その副ランナー(32)を介して隣合う副レール(21)と副レール(22)が互いに他方に対し副レールの長さ方向に移動可能になっており、(d) それら複数枚の面状遮蔽体の配列の片端の面状遮蔽体10の上縁70の主ランナー60との連結箇所から離れた他の箇所が、直接又は主ランナーその他の部材を介して主レール51に係止されており、(e) その係止箇所が、その片端の面状遮蔽体10に隣合う面状遮蔽体11から離れる方向に向けて、その片端の面状遮蔽体10の主ランナー60との連結箇所から離れた箇所に位置していることを第1の特徴とする。
【0006】
本発明に係る面状遮蔽体吊下構造の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、(f) 上記複数枚の面状遮蔽体の配列の片端の面状遮蔽体10の上縁70が、主レール51に交る方向に続く補助レール53を走行する補助ランナー30に連結されており、(g) その補助ランナー30との連結箇所が、その片端の面状遮蔽体10に隣合う面状遮蔽体11から離れる方向に向けて、その片端の面状遮蔽体10の主ランナー60との連結箇所から離れた箇所に位置し、(h) その片端の面状遮蔽体10が主レール51と補助レール53に股がって吊り下げられている点にある。
【0007】
本発明に係る面状遮蔽体は、ランナー31・32・33が摺動自在に係合して走行する副レール20・21・22・23が上縁70に沿って取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
主レール51と副レール20と補助レール53には、輪奈状を成すランナーが嵌合して走行するパイプ型レール、丸みを帯びたC形断面或いは角張ったC形断面をなす溝の向き合う溝縁にランナーが引っ掛かって走行するチャネル型レール、H形鋼やT形鋼の如くウエブにフランジが交叉してH形或いはT形断面を成し、そのフランジの両縁にU字形を成すランナーが引っ掛かって走行するH型レールやT型レール等が使用される。
【0009】
図1は、チャネル型レールを主レール51に使用し、パイプ型レールを副レール20(21・22・23)に使用した実施例を示す。副レール20(21・22・23)の先端と後端は、面状遮蔽体の上縁70の先端部と後端部に連結されている。面状遮蔽体の上縁70と副レール20(21・22・23)の間には輪奈状ランナー31(32・33)の走行を可能にするスペース71が設けられている。
【0010】
図2は、主レール51と副レール20(21・22・23)にチャネル型レールを使用した実施例を示す。それらのランナー走行溝25・55は下方に向けられている。主ランナー61(62・63)と副ランナー31(32・33)は、副レール21(22・23)の先端部と後端部に、それぞれ水平方向に回転可能に連結されている。
【0011】
図3は、主レール51と副レール20(21・22)にチャネル型レールを使用した実施例を示す。主レール51のランナー走行溝55は下方に向けられている。主ランナー60(61・62)は、面状遮蔽体10(11・12)の重心を通る鉛直線上に位置する副レール20(21・22)の中央部に、水平方向に回転可能に連結されている。面状遮蔽体10(11・12)は、均衡のとれた吊り天秤のように、主ランナー60(61・62)を介して主レール51に吊り下げられている。副レール20(21・22)は、そのランナー走行溝25が面状遮蔽体10(11・12)の正面(表裏方向)に現れるように取り付けられている。副ランナー31(32)は、隣合う面状遮蔽体21(22)の上縁70の片端(先端)に水平方向に回転可能にピン接合されている。
【0012】
図4は、主レール51と副レール20(21・22・23)にチャネル型レールを使用した実施例を示す。主レール51は、2本のチャネル型レール41・42の溝底側(背面)同士が密着した上下二重構造になっている。主ランナー60(61・62・63)は、ランナー走行溝55を下方に向けた下側のチャネル型レール42に装着されている。上側のチャネル型レール41は、建物の開口部の上枠や天井に取り付けるためのブラケットと下側のチャネル型レール42に対する補強材を兼ねている。副レール20(21・22・23)は、ランナー走行溝25が面状遮蔽体の正面(表裏方向)に現れるように取り付けられている。隣合う面状遮蔽体(12・13)の一方の下向きの溝縁26と他方の上向きの溝縁27は、鉛直方向において係合しており、それらの隣合う面状遮蔽体(12・13)の下向きの溝縁26と上向きの溝縁17とは、互に一方が他方をランナー走行溝25の長さ方向に導く副ランナー(30・31・32・33)を構成している。
【0013】
面状遮蔽体10(11・12・13)は、平板な硬板体の表裏を表装して扉や襖のように、又は、格子状に組み立てられた枠体の表裏を表装して障子のように、或いは、布帛やフイルム等の可撓性面状体72の上縁70を硬質支桿40に固定して垂れ幕やカーテンのように、或いは又、硬質支桿(40)から吊り降ろした連結紐に多数のスラット(羽根板)を取り付けてブラインドや簾のように構成することも出来る。垂れ幕、カーテン、ブラインド、簾のように可撓な面状遮蔽体(10)では、ローマンシエードカーテンやベネシァンブラインドのように昇降コードによってたくし上げて開閉し得るように構成することも出来る。
【0014】
主レール51の長さ方向に順次並べて吊り下げられる複数枚の面状遮蔽体10(11・12・13)の中で、副ランナー30を係合させるための隣合う副レールが存在しない片端の端部面状遮蔽体60は、主レール51に沿って移動しないように固定、又は、副ランナー30を補助ランナーとして主レール51に交叉する方向に続く補助レール53に係合させる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によると、複数枚の面状遮蔽体を主レールの片側に押し寄せるとき、各面状遮蔽体の副ランナーが隣合う面状遮蔽体の副レールの片端に突き当たるまで移動可能になり、又、主ランナーも隣合う面状遮蔽体の主ランナーに突き当たるまで移動可能になる。このため、隣合う面状遮蔽体が表裏方向において重なり合うまで各面状遮蔽体を移動させることが出来、その結果、複数枚の面状遮蔽体を主レールの片側に押し寄せて建物の開口部や大広間を広く開放することが出来る。そのように、従来の吊下構造とは異なり、広く開放するために複数枚の面状遮蔽体の枚数に応じた複数本のサイドレールを必要とせず、1本のガイドレールで済む。このため、ガイドレールの取付施工が簡便に出来、その1本のガイドレールに導かれて複数枚の全ての面状遮蔽体が開閉されるので、閉じた状態における複数枚の面状遮蔽体が同一垂直面上(面一)に揃い、隣合う一方の面状遮蔽体の表面に他方の面状遮蔽体の側縁を密着させることが出来る。
【0016】
その複数枚の中の片端側の面状遮蔽体の副ランナー30を、主レール51に交わる補助レール53に係合させるときは、その補助レール53に導かれて片端側の面状遮蔽体10の向きを直角に変えることが出来、その片端側の副レール20に従って隣合う面状遮蔽体11の向きも順次変わる。このため、全ての面状遮蔽体を移動して建物の開口部や大広間を開放した状態において、主レール51の正面側には、その重なった複数枚の面状遮蔽体10(11・12・13)の側面、つまり、複数枚の面状遮蔽体10(11・12・13)の合計厚み分だけが現れることになる。その状態では、面状遮蔽体10(11・12・13)を、主レール51に直交する壁面を重ねて立てかけたときと同じ状態になるので、建物の開口部や大広間が一層広く開放されることになる。
【0017】
このように本発明は、建物の開口部や大広間を広く開放可能に遮蔽し、或いは、間仕切る上で頗る好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吊下式面状遮蔽体装置の要部斜視図である。
【図2】本発明に係る吊下式面状遮蔽体装置の要部斜視図である。
【図3】本発明に係る吊下式面状遮蔽体装置の要部斜視図である。
【図4】本発明に係る吊下式面状遮蔽体装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
10・11・12・13 面状遮蔽体
20・21・22・23 副レール
25 ランナー走行溝
26・27 溝縁
30・31・32・33 副ランナー
40 支桿
41・42 チャネル型レール
51 主レール
53 補助レール
55 ランナー走行溝
60・61・62・63 主ランナー
70 上縁
71 スペース
72 可撓性面状体
Claims (3)
- (a) 複数枚の面状遮蔽体(10・11・12・13)が、主レール(51)に、その主レール(51)の長さ方向に並べられ、その主レール(51)を走行する主ランナー(60・61・62・63)を介して吊り下げられており、(b) それら複数枚の各面状遮蔽体(10・11・12・13)の上縁(70)には、それぞれ副レール(20・21・22・23)が取り付けられており、(c) その主レール(51)に吊り下げられて隣合う一方の面状遮蔽体(12)の副レール(22)が、その隣合う他方の面状遮蔽体(11)の副レール(21)に、直接又は副レール(21)を走行する副ランナー(32)を介して係合し、その副ランナー(32)を介して隣合う副レール(21)と副レール(22)が互いに他方に対し副レールの長さ方向に移動可能になっており、(d) それら複数枚の面状遮蔽体の配列の片端の面状遮蔽体(10)の上縁(70)の主ランナー(60)との連結箇所から離れた他の箇所が、直接又は主ランナーその他の部材を介して主レール(51)に係止されており、(e) その係止箇所が、その片端の面状遮蔽体(10)に隣合う面状遮蔽体(11)から離れる方向に向けて、その片端の面状遮蔽体(10)の主ランナー(60)との連結箇所から離れた箇所に位置している面状遮蔽体吊下構造。
- (f) 前掲請求項1に記載の複数枚の面状遮蔽体の配列の片端の面状遮蔽体(10)の上縁(70)が、主レール(51)に交る方向に続く補助レール(53)を走行する補助ランナー(30)に連結されており、(g)その補助ランナー(30)との連結箇所が、その片端の面状遮蔽体(10)に隣合う面状遮蔽体(11)から離れる方向に向けて、その片端の面状遮蔽体(10)の主ランナー(60)との連結箇所から離れた箇所に位置し、(h) その片端の面状遮蔽体(10)が主レール(51)と補助レール(53)に股がって吊り下げられている前掲請求項1に記載の面状遮蔽体吊下構造。
- ランナー(31・32・33)が摺動自在に係合して走行する副レール(20・21・22・23)が上縁(70)に沿って取り付けられている面状遮蔽体。
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