JP2004003185A - フレキシブルパイプとその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の鏡ロックボルトとして用いられる鋼製のフレキシブルパイプでは、地山に挿入して連結する際に溶接により増設していたが、施工箇所での溶接は施工性、安全性が課題であった。また、地山に挿入時、その挿入する先端に回収可能な鉄コーンを用いていたが、その回収性は良好ではない。
【解決手段】フレキシブルパイプ1の先端に切り込みを入れ、その切り込み部分をパイプ断面の中央方向に折り曲げ、切り込み箇所を溶接し、その先端に鉄モール6を接合して錐状部4を形成する。フレキシブルパイプ1を形成するパイプ1aとパイプ1bの連結部分には、雌螺子部7と、雄螺子部8を設けて螺合する。また、打込用アダプタ16を後端部に取り付け、この打込用アダプタ16を打撃して地山内に挿入する。その後にフレキシブルパイプ1内部にセメントミルクを注入して、注入孔2、切抜細孔3より地山内にセメントミルクを拡散させて鏡ロックボルトを形成する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削において、地山の補強に使用するパイプと、その施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル掘削において、切羽面の補強を目的とする鏡ロックボルトの形成にあたっては、グラスファイバーボルトが用いられていた。
【0003】
前記グラスファイバーボルトは、例えば、その直径が26mm、その長さが4mである。このグラスファイバーボルトを使用する施工方法の一例は、地山にボルト挿入孔を穿設し、次に前記ボルト挿入孔にモルタル充填パイプを、ボルト挿入孔の奥まで挿入する。そしてモルタル充填パイプでモルタルをボルト挿入孔に充填しながら、モルタル充填パイプを引き抜き、次にモルタルの充填されたボルト挿入孔に前記グラスファイバーボルトを挿入するものである。
【0004】
前記グラスファイバーボルトを用いた施工方法では、そのグラスファイバーボルトの強度が高くないこと、長尺のグラスファイバーボルトが形成しにくいこと、モルタルの充填性が確実ではないことなどの問題があった。よって本願出願人は特許公報第2823369号に記載のように、鋼製のパイプを用いて、この鋼製パイプの周壁にスリットを設け、このパイプを掘削すべき地山に挿入すると共にパイプ内部にセメントミルク注入パイプ及びエア抜きパイプを挿入してパイプ開口部を閉止し、セメントミルクを注入してパイプとパイプ周辺の地山を固める方法を提供した。
【0005】
この鋼製のパイプを用いる施工方法では、パイプを地山に挿入する際にパイプの先端部が抵抗とならないように、キャップか若しくは回収型の鉄コーンを設けていた。また、ある程度深い位置までパイプを挿入する際には、新たなパイプを連結しなければならないが、該パイプは薄肉のため螺旋加工が出来ず、切羽で挿入されたパイプに新たに溶接により延長用のパイプを接続する方法を採用していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記鋼製のパイプを用いる施工方法では、その挿入するパイプの先端にキャップ若しくは鉄コーンを設けている。しかしキャップを設けることにより先端の保護は可能となるが、このキャップが更に抵抗となる。また鉄コーンは本来回収するものであるが、実際には回収率が悪くコスト高になっている。
【0007】
前記パイプは、増設する際に溶接によって連結されて増設されるが、この溶接作業は切羽で行われるため、まだ崩落防止処理が行われていない切羽付近で溶接作業を行うことには問題があった。螺旋による接合も想定されたが、端部に螺旋加工して接合するにはある程度の管厚が必要になり、既存のパイプでは対応できていない。
【0008】
また、前記鋼製のパイプはその打設する地質によっては削岩機等の打撃により地山に挿入するものであるが、鋼製のパイプをそのまま打撃すると打撃箇所となるパイプの末端が変形して挿入できない場合が発生する。
【0009】
本発明は、更に鋭意研究し、改良を試みてなされたものであり、鋼製のパイプを切羽の鏡ボルトとして施工する際の、施工性の向上を図ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、一端が錐状に加工されると共に、他端が螺旋加工された錘状加工パイプと、一端が前記錘状加工パイプの他端、若しくは螺旋加工された他のパイプの他端に螺合すると共に、他端が螺旋加工された連結パイプと、パイプを地中に打設する際の打撃箇所となるべくパイプ端部に設置される打込治具と、一端が前記錘状加工パイプの他端若しくは連結パイプに螺合すると共に、他端が前記打設治具を取付可能に加工された打設治具取付パイプと、を適宜組み合わせて構成されるフレキシブルパイプとした。
【0011】
前記フレキシブルパイプは、予め穿設された挿入孔にフレキシブルパイプを挿入して鏡ボルトを形成する、一般に「挿入型」と称されるフレキシブルパイプの一種である。前記錘状加工パイプの一端は錐状に加工され、その錐状部の頂点には、鉄製等のモールが取り付けられて鋭尖加工されているため、錘状加工パイプを先端として地山に設けられた挿入孔に挿入する際に、先端部分が抵抗になることなく挿入することが可能となる。また、挿入孔内部が荒れている場合でも先端部分が鋭尖加工されていることにより該フレキシブルパイプを施工可能となる。錘状加工パイプの他端は螺旋加工されて、他のパイプと簡易に連結することを可能にしている。連結パイプの両端部も螺旋加工されて他のパイプと簡易に連結することを可能にしている。打設治具取付パイプの一端は螺旋加工されて、前記連結パイプと連結可能となっており、更にその他端はこれらのパイプを挿入する際の打撃面となる打込治具が取付可能となるように加工されている。
【0012】
同じく前記問題を解決するために、一端が開放されてその端部に穿孔治具が取り付けられると共に、他端が螺旋加工された穿孔パイプと、一端が前記穿孔パイプの他端、若しくは螺旋加工された他のパイプの他端に螺合すると共に、他端が螺旋加工された連結パイプと、一端が前記穿孔パイプの他端若しくは連結パイプに螺合すると共に、他端が開放された他端開放パイプと、を適宜組み合わせて構成されるフレキシブルパイプとした。
【0013】
前記フレキシブルパイプは、そのフレキシブルパイプ先端に設けられた穿孔治具により自ら穿設して挿入孔を形成し、鏡ボルトを形成する、一般に「引き込み型」と称されるフレキシブルパイプの形態である。前記穿孔パイプは一端が地山を掘削するように穿孔治具が取り付けられるようになっている。この穿孔治具はフレキシブルパイプ内部を貫通するロッドに接続されており、このロッドはフレキシブルパイプ後方に設置された削岩機に連動している。穿孔パイプの他端は螺旋加工されており、他のパイプと簡易に連結可能となっている。他端開放パイプは一端が螺旋加工されて前記連結パイプと連結可能となっており、更にその他端は開放されてこの他端よりロッドが挿入される。
【0014】
前記パイプは、他のパイプと螺合可能な螺旋加工箇所を有し、前記螺旋加工箇所は該パイプの他構成箇所に対して肉厚に成形されているフレキシブルパイプとした。
【0015】
前記錘状加工パイプ若しくは穿孔パイプを先頭として挿入孔に挿入するフレキシブルパイプは、施工箇所である切羽にて他のパイプと連結する際にはそれぞれのパイプの連結部に形成された螺旋により接合される。パイプに螺旋を形成するにはある程度の肉厚が必要となってくる。パイプ全体を厚肉にて形成すると、パイプの材料費が高騰するだけでなく、パイプにスリットを設けたり、端部を錐状に加工する際にその加工性能が劣ることになる。よって螺旋加工部のみ厚肉とし、他の部位はパイプを形成するに必要な薄さとする。
【0016】
前記パイプは他のパイプと接合されて延長すると共に、その接合は溶接にて行われ、前記溶接は該パイプを形成時に行われることとした。
【0017】
前記パイプは一般的には螺旋にて接合されてフレキシブルパイプを構成するが、予め地山に挿入する長さが解っており、その長さのパイプを坑内に持ち込むことが可能であるのならば、パイプを形成する工場等で予め接合部分を溶接で行い、一体のフレキシブルパイプとしたものを地山に挿入することが可能となる。
【0018】
前記挿入型のフレキシブルパイプを用いて鏡ロックボルトを形成する施工方法は、掘削すべきトンネルの地山に挿入孔を形成し、この挿入孔に、その先端が錐状に加工されて、その錐状部に空気孔が設けられたパイプが、このパイプの連結部に設けられた螺旋部により他のパイプと連結されて、これら連結されたパイプを一連として、前記一連となったパイプの後端部に設置された打設治具を打撃して挿入し、この挿入されたパイプの後端部の開口部より該パイプの先端部近くに開口するようにエア抜きパイプを挿入すると共に、前記後部開口部付近に開口するようにセメントミルクの注入パイプを挿入し、前記後部開口部を閉鎖した後にパイプ内部に前記注入パイプよりセメントミルクを注入してパイプ内に充填すると共に、該パイプ先端部付近に開口したエア抜きパイプ及び錐状部に設けられた空気孔から、パイプ内部及び地山にある空気を抜き、予めパイプに設けられたスリット状の切抜細孔よりセメントミルクを地山内に充填する方法とした。
【0019】
この挿入型のフレキシブルパイプ施工方法では、その先端を錐状として挿入孔の孔荒れに対する挿入性を増すと共に、前記先端をフレキシブルパイプ本体と一体にすることにより余剰部品を低減することが可能となる。また、接合部も螺旋による連結若しくは、挿入前に予め溶接を行うことにより、危険な切羽面での作業を減少することが可能となる。
【0020】
前記引き込み型のフレキシブルパイプを用いて鏡ロックボルトを形成する施工方法は、掘削すべきトンネルの地山に、予めパイプの先端に設けられた穿孔治具により挿入孔を穿設すると同時に、この穿設した挿入孔に前記穿孔治具に連なるパイプを挿入し、該パイプが地山に全て挿入される前に、該パイプの他端部に設けられた螺旋部に新たなパイプを螺合して延長し、更に穿設して延長したパイプを地山に挿入した後に穿孔治具の一部を外し、この挿入孔に挿入されたパイプの後端部の開口部より該パイプの先端部近くに開口するようにエア抜きパイプを挿入すると共に、前記後部開口部付近に開口するようにセメントミルクの注入パイプを挿入し、前記後部開口部を閉鎖した後にパイプ内部に前記注入パイプよりセメントミルクを注入してパイプ内に充填すると共に、該パイプ先端部付近に開口したエア抜きパイプから、パイプ内部及び地山にある空気を抜き、予めパイプに設けられたスリット状の切抜細孔よりセメントミルクを地山内に充填する方法とした。
【0021】
この引込み型のフレキシブルパイプ施工方法では掘進すると共にフレキシブルパイプも地山に挿入されるので、この時にフレキシブルパイプを延長する必要があるが、接合部に螺旋を用いて螺合することにより簡易且つ高精度にフレキシブルパイプを連結することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について示す。図1には本発明の実施の形態1に係る挿入型鏡ロックボルトに用いられるフレキシブルパイプ1を示す。このフレキシブルパイプ1は直径60.5mm、厚さ2.3mm、の鋼製のパイプである。
【0023】
前記フレキシブルパイプ1を構成して、このフレキシブルパイプ1の先頭となる錘状加工パイプであるパイプ1aの先端は、錐状部4に加工されている。この錐状部4は、パイプ1a本体の先端部に、軸方向に切り込みを入れて、その切り込みが入れられたパイプ1aの端部をパイプ1aの断面中心に向かって折り曲げ、各切り込み箇所を溶接し、錐状に加工したものである。パイプ1aの先端部を錐状に加工する際には、前記切り込み箇所を全て溶接せずに、その切り込みの一部分を空気を抜くための開口部5として使用する。また、錐状部4の先端には、30Kレール用の鉄モール6が、その球状部が錐状部4の先端となるように取り付けられて、該フレキシブルパイプ1が地山に挿入される時の先端となる。
【0024】
前記パイプ1aの他端は、他のパイプと接合可能となるように、パイプ1aの内面に螺旋加工が施された雌螺旋部7となっている。該フレキシブルパイプ1は厚さ2.3mmの鋼製から形成され、この厚さではパイプ内部に螺旋加工を行うことは困難である。よって、該螺旋加工部9のみを別に厚さ3.9mmの鋼製パイプにより作成し、この螺旋加工された厚さ3.9mmのパイプと厚さ2.3mmのパイプとを溶接して一体とし、当該パイプ1aを形成する。
【0025】
図2に示すように、前記パイプ1aの他端には、打設治具取付パイプであるパイプ1bが螺旋加工部9で螺合する。このパイプ1bはパイプ1aと同様に鋼製のパイプで形成されており、前記パイプ1a及び該パイプ1bから本実施の形態1にて用いられるフレキシブルパイプ1が形成される。前記パイプ1aに連なる該パイプ1bの接続箇所は、パイプ1bの外面に螺旋加工が施された雄螺旋部8となっており、パイプ1aの雌螺旋部7と螺合する。
【0026】
前記パイプ1bの螺旋加工されていない他方の端部、即ち、フレキシブルパイプ1の後端部となる箇所は、該フレキシブルパイプ1を地山40に設けられた挿入孔に挿入、打設する際の打撃箇所となる。当該フレキシブルパイプ1は、地山40挿入後にパイプ1bの後端部の開口部15よりその内部に硬化剤であるセメントミルクが注入される。よって開口部15を潰さないために、パイプ1bの後端部に打込用アダプタ止め金具10を溶接して、打込用アダプタ16を設置し、この打込用アダプタ16を打撃することにより該フレキシブルパイプ1を地山40内に挿入、打設する。
【0027】
また、当該フレキシブルパイプ1にはその周壁に所定の間隔で、開口部が設けられている。この開口部は、フレキシブルパイプ1の周方向に設けられたスリット状の切抜細孔3と共に、その切抜細孔3の周方向中央部に設けられた注入孔2から構成される。前記切抜細孔3はパイプ1a及びパイプ1bにそれぞれ設けられており、そのパイプ1a及びパイプ1bの周方向の半周に渡って、隣接する切抜細孔3とは、周方向反対の位置になるように設けられている。この注入孔2は、フレキシブルパイプ1内に注入されたセメントミルクを、フレキシブルパイプ1外の地山40内に注入するために設けられたものである。また切抜細孔3は、フレキシブルパイプ1を地山40に打設後、この地山40を掘削し、表面に露出する該フレキシブルパイプ1を除去する時の切断箇所となる。
【0028】
以下、本実施の形態1における、フレキシブルパイプ1を用いた鏡ロックボルトによる切羽崩落防止工事施工方法について、図3〜図7を参照しながら説明する。この施工方法は、トンネルの掘削すべき地山40の切羽面に、崩落防止用の鏡吹付コンクリート41を形成すると共に、フレキシブルパイプ1を地山40に挿入、固定し、切羽の崩落を防ぐ施工方法である。
【0029】
この鏡ロックボルトであるフレキシブルパイプ1を挿入する挿入孔11は、図3に示すように従来公知のNATM機械システム(図外)の穿孔具12で穿孔することができる。そして図4に示すように、この穿孔した挿入孔11にフレキシブルパイプ1を挿入する。このフレキシブルパイプ1は、挿入前にパイプ1aとパイプ1bを予め螺合して一体としたものである。そして、その後端部には、図2に示される打込用アダプタ16が取り付けられて、挿入時に打撃可能となっている。また、フレキシブルパイプ1を打設する際には、切抜細孔3が側面に位置するようにする。これにより、フレキシブルパイプ1の垂直方向に作用する荷重に対する抵抗力が大きくなる。
【0030】
フレキシブルパイプ1を挿入孔11内部に挿入した後に、打込用アダプタ16を取り外し、フレキシブルパイプ1の後端部の開口部15より、フレキシブルパイプ1の先端までエア抜きパイプ13を挿入する。このエア抜きパイプ13と共に、フレキシブルパイプ1の開口部15の周辺に、セメントミルクの注入パイプ14を挿入し、開口部15を急速セメント等で閉止し、開口部15からセメントミルクの漏洩がないようにする。
【0031】
フレキシブルパイプ1の開口部15及びパイプ周辺地山40を閉止した後に、図5に示すように注入パイプ14よりセメントミルクをフレキシブルパイプ1内に注入、充填する、この時フレキシブルパイプ1内の空気は、エア抜きパイプ13より排出される。また、セメントミルクは、注入孔2より地山40内に拡散し浸透する。この時に地山40内の余剰な空気は、フレキシブルパイプ1の注入孔2、及び先端の錐状部4に設けられた開口部5よりフレキシブルパイプ1内に取り込まれ、前記エア抜きパイプ13より排気される。
【0032】
エア抜きパイプ13よりセメントミルクが排出され始めた時点で、フレキシブルパイプ1及びその周辺の地山40にセメントミルクが充填されたものと推定し、セメントミルクの注入を停止し、エア抜きパイプ13及び注入パイプ14を閉止する。
【0033】
その後セメントミルクが硬化し、図6に示すように鏡ロックボルトが形成された状態で、トンネルの切羽面を掘削すると切羽面にフレキシブルパイプ1が表出する。そこで、図7に示すように、この表出したフレキシブルパイプ1を図2に示した切抜細孔3より折り曲げて切断し、切羽面を掘り進む。
【0034】
以上の本実施の形態1では、パイプ1aとパイプ1bとの接合に螺旋を用いて施工場所での接合とした。しかし、同実施の形態1で、トンネル入口からトンネル切羽面まで、フレキシブルパイプ1を輸送するのに障害がないのであれば、予め挿入孔11に合わせた長さにて繋ぎ目部分を溶接施工し、この溶接接合したフレキシブルパイプ1により、同様の施工を行うことも可能である。特に溶接による連結を坑道外部、望むべくは工場、で行うため、正確で確実な溶接が可能となり、フレキシブルパイプ1に螺旋を設ける際の厚肉箇所である螺旋加工部や、施工箇所での溶接に必要となる溶接箇所の補強板等を取り付けることなく、パイプ1aとパイプ1bを一体化することが可能となる。また、本実施の形態1では、錘状加工パイプであるパイプ1aと打設治具取付パイプであるパイプ1bのみを使用したが、この他にも前記パイプ1aとパイプ1bとの間に両端が螺旋加工された連結パイプを増設しても良い。
【0035】
(実施の形態2)
次に実施の形態2として引込み型鏡ロックボルトによる切羽崩落防止工事施工方法について述べる。引込み型鏡ロックボルトに用いられるフレキシブルパイプ21を図8に示す。
【0036】
フレキシブルパイプ21には、その先端に地山40を掘削する捨てビット25、及びこの捨てピット25を保持し、回転摺動可能とする筒先26が設けられる。この捨てビット25は、アダプタ24と嵌合する。このアダプタ24は、フレキシブルパイプ21の内部を貫通するロッド27と嵌合して、筒先26内に嵌入される。アダプタ24の後端は、その径が筒先26に設けられた孔より大きくなって、ロッド27との嵌合部になると共に、筒先26との抵触部となる。この抵触部により、ロッド27と共に筒先26に接合されたフレキシブルパイプ21が移動可能となる。よってフレキシブルパイプ21は、前記捨てビット25が地山40を掘削し、前進するのに合わせて前進し、地山40内に挿入される。
【0037】
前記フレキシブルパイプ21は、複数個のパイプを連結することにより形成される。穿孔パイプであるパイプ21aは、一端に前記捨てビット25を取付可能とするように筒先26が設けられており、他端は、雌螺旋加工が施されて他のパイプと連結可能となっている。このパイプ21aと連結される連結パイプであるパイプ21bは、一端を雄螺旋加工して前記パイプ21a、若しくは他の同形状のパイプの他端と連結される。そして、このパイプ21bに連結される他端開放パイプであるパイプ21cは一端がパイプ21bと連結されるように雄螺旋加工され、他端は内部をビットが貫入するように開放されている。即ち、本実施の形態2ではパイプ21bをパイプ21aとパイプ21cとの間に増設することにより、フレキシブルパイプ21の長さを延長することを可能とする。
【0038】
これらパイプ21a〜21cにより、本実施の形態2のフレキシブルパイプ21が形成される。該フレキシブルパイプ21にも、実施の形態1におけるフレキシブルパイプ1と同様な注入孔23及び切抜細孔22が設けられて、該フレキシブルパイプ1内部よりセメントミルクを地山40に注入、拡散可能となっている。
【0039】
以下、本実施の形態2における、フレキシブルパイプ21を用いた鏡ロックボルトによる切羽崩落防止工事施工方法について図7〜図9を参照しながら説明する。この施工方法は、トンネルの掘削すべき地山40の切羽面に、崩落防止用の鏡吹付コンクリート41を形成すると共に、フレキシブルパイプ21を地山40に挿入、固定し切羽の崩落を防ぐ施工方法である。
【0040】
この、挿入孔31を掘削すると同時にフレキシブルパイプ21を挿入する工法は、前記のNATM機械システム(図外)で行う。具体的には、図8に示すように、地山40を掘削する捨てビット25が設けられたアダプタ24と、このアダプタ24をNATM機械システムに接続して増設可能なロッド25を設ける。そして、図9に示すように、この捨てビット25を使用して、適度な深度まで掘削した時点でロッド27を増設し、更に深部まで掘削する。
【0041】
前記アダプタ24及びアダプタ24に連結するロッド27は、フレキシブルパイプ21内部を貫通して設けられる。そして、フレキシブルパイプ21先端に設けられた捨てビット25と前記アダプタ24が嵌合して、この嵌合して一体となった捨てビット25及びアダプタ24で、予め表面を鏡吹きつけコンクリート41によって覆われた地山40を掘削する。この掘削して穿設された挿入孔31に、フレキシブルパイプ21が、捨てビット25及びアダプタ24が掘進すると同時に、地山40内に挿入されていく。
【0042】
前記アダプタ24が連結されたロッド27aとパイプ21aとは、掘進して所定の深度まで進んだ時点で、新たなロッド27b及びパイプ21bを増設する。更に掘り進んだ時点で、第2の新たなロッド27c及びパイプ21cを増設する。そしてパイプ21cの後端部まで地山40に挿入した時点で掘削は停止される。その後ロッド27を引き抜くことにより、アダプタ24は回収される。またフレキシブルパイプ21先端に設けられた捨てビット25は、そのまま地山40内に残置される。
【0043】
フレキシブルパイプ21が地山40に挿入された後は、実施の形態1のフレキシブルパイプ1と同様に、フレキシブルパイプ21内にエア抜きパイプ13とセメントミルクの注入パイプ14をフレキシブルパイプ21後端部の開口部35より挿入して開口部35を閉止する。この閉止した状態でフレキシブルパイプ21内部にセメントミルクを注入する。その後セメントミルクによってフレキシブルパイプ21内部が満たされた状態でエア抜きパイプ13及び注入パイプ14を閉止する。そしてセメントミルクが硬化した状態、即ち鏡ロックボルトが形成された状態で切羽を掘削し、フレキシブルパイプ21を切抜細孔22位置で折り曲げて切断しながら地山40を掘削する。
【0044】
本実施の形態2では、フレキシブルパイプ21の挿入孔31を掘削すると共に、フレキシブルパイプ21を挿入孔に挿入した。この工法では本実施の形態1にて示したように、予め穿設された挿入孔11にフレキシブルパイプ1を挿入する工法を行う地山40に比べて、より脆弱な地山40においても鏡ロックボルトを形成することが可能となる。特に本実施の形態2では、フレキシブルパイプ1を形成するパイプを、掘進する毎に連結、延長する必要がある。この時に螺旋を用いて各パイプを螺合する方法であるならば、連結が簡易であるだけでなくその取付精度も簡易に確保することが可能となり、本実施の形態に適した連結方法である。
【0045】
また、本実施の形態1及び2では、トンネル掘削時の切羽の鏡面保持のために本発明のフレキシブルパイプを用いた。この他にも、トンネルの側壁及び天井部を補強する工法で、フレキシブルパイプを用いる工法であるパイプルーフ工法、AGF工法等にも本発明のフレキシブルパイプを用いることが可能である。つまりは鏡ロックボルトを用いる工法で本発明のフレキシブルパイプを使用することが可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、鋼製のパイプを切羽の鏡ボルトとして施工する際の施工性の向上を図ることが可能となる。
【0047】
また、挿入型フレキシブルパイプ、引込み型フレキシブルパイプ共に接合部である螺旋加工部のみを肉厚とすることにより、注入孔、切抜細孔等の加工が施されると共に切断箇所となるフレキシブルパイプの胴体部を、薄肉にて形成可能となり、フレキシブルパイプ自体の加工性、切断性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1に係るフレキシブルパイプの側面図である。
【図2】同実施の形態1に係るフレキシブルパイプの側面図である。
【図3】同実施の形態1に係るフレキシブルパイプの挿入孔を穿設する図である。
【図4】同実施の形態1に係る挿入孔に挿入されたフレキシブルパイプ内に設けられた注入パイプとエア抜きパイプを示す図である。
【図5】同実施の形態1に係るフレキシブルパイプ内にセメントミルクが注入された図である。
【図6】同実施の形態1に係る鏡ロックボルトが形成された図である。
【図7】同実施の形態1に係る鏡ロックボルトを掘削すると共に表出するフレキシブルパイプを折り曲げ排除する図である。
【図8】実施の形態2に係るフレキシブルパイプの断面図である。
【図9】同実施の形態2に係るフレキシブルパイプを用いて掘削すると共にフレキシブルパイプを挿入孔に挿入する図である。
【符号の説明】
1フレキシブルパイプ
1aパイプ
1bパイプ
2注入孔
3切抜細孔
3前記切抜細孔
4錐状部
5開口部
6鉄モール
7雌螺旋部
8雄螺旋部
9螺旋加工部
10打込用アダプタ止め金具
11挿入孔
12穿孔具
13エア抜きパイプ
14注入パイプ
15開口部
16打込用アダプタ
21フレキシブルパイプ
21aパイプ
21bパイプ
21cパイプ
22切抜細孔
23注入孔
24アダプタ
25捨てビット
26筒先
27ロッド
27aロッド
27bロッド
27cロッド
31挿入孔
35開口部
40地山
41鏡吹付コンクリート

Claims (7)

  1. 一端が錐状に加工されると共に、他端が螺旋加工された錘状加工パイプと、
    一端が前記錘状加工パイプの他端、若しくは螺旋加工された他のパイプの他端に螺合すると共に、他端が螺旋加工された連結パイプと、
    パイプを地中に打設する際の打撃箇所となるべくフレキシブルパイプ端部に設置される打込治具と、
    一端が前記錘状加工パイプの他端若しくは連結パイプに螺合すると共に、他端が前記打設治具を取付可能に加工された打設治具取付パイプと、を適宜組み合わせて構成されるフレキシブルパイプ。
  2. 一端が開放されてその一端部に穿孔治具が取り付けられると共に、他端が螺旋加工された穿孔パイプと、
    一端が前記穿孔パイプの他端、若しくは螺旋加工された他のパイプの他端に螺合すると共に、他端が螺旋加工された連結パイプと、
    一端が前記穿孔パイプの他端若しくは連結パイプに螺合すると共に、他端が開放された他端開放パイプと、を適宜組み合わせて構成されるフレキシブルパイプ。
  3. 前記パイプは、他のパイプと螺合可能な螺旋加工箇所を有し、前記螺旋加工箇所は該パイプの他構成箇所に対して肉厚に成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルパイプ。
  4. 前記パイプは他のパイプと接合されて延長すると共に、その接合は溶接にて行われ、前記溶接は該パイプを形成時に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルパイプ。
  5. 請求項1に記載のフレキシブルパイプの施工方法であって、掘削すべきトンネルの地山に挿入孔を形成し、この挿入孔に、その先端が錐状に加工されて、その錐状部に空気孔が設けられたパイプが、このパイプの連結部に設けられた螺旋部により他のパイプと連結されて、これら連結されたパイプを一連として、前記一連となったパイプの後端部に設置された打設治具を打撃して挿入し、この挿入されたパイプの後端部の開口部より該パイプの先端部近くに開口するようにエア抜きパイプを挿入すると共に、前記後部開口部付近に開口するようにセメントミルクの注入パイプを挿入し、前記後部開口部を閉鎖した後にパイプ内部に前記注入パイプよりセメントミルクを注入してパイプ内に充填すると共に、該パイプ先端部付近に開口したエア抜きパイプ及び錐状部に設けられた空気孔から、パイプ内部及び地山にある空気を抜き、予めパイプに設けられたスリット状の切抜細孔よりセメントミルクを地山内に充填する、フレキシブルパイプの施工方法。
  6. 請求項2に記載のフレキシブルパイプの施工方法であって、掘削すべきトンネルの地山に、予めパイプの先端に設けられた穿孔治具により挿入孔を穿設すると同時に、この穿設した挿入孔に前記穿孔治具に連なるパイプを挿入し、該パイプが地山に全て挿入される前に、該パイプの他端部に設けられた螺旋部に新たなパイプを螺合して延長し、更に穿設して延長したパイプを地山に挿入した後に穿孔治具の一部を外し、この挿入孔に挿入されたパイプの後端部の開口部より該パイプの先端部近くに開口するようにエア抜きパイプを挿入すると共に、前記後部開口部付近に開口するようにセメントミルクの注入パイプを挿入し、前記後部開口部を閉鎖した後にパイプ内部に前記注入パイプよりセメントミルクを注入してパイプ内に充填すると共に、該パイプ先端部付近に開口したエア抜きパイプから、パイプ内部及び地山にある空気を抜き、予めパイプに設けられたスリット状の切抜細孔よりセメントミルクを地山内に充填する、フレキシブルパイプの施工方法。
  7. 前記パイプは予め溶接により他のパイプと連結されて掘削すべきトンネルの地山に挿入される請求項5又は6に記載のフレキシブルパイプの施工方法。
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JP2017203332A (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 株式会社トライテック 削孔器具および削孔方法

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