JP2004002916A - 銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法 - Google Patents

銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、銅製錬の錬銅炉工程で発生する、組成がCu2〜10mass%、(以下%で示す。)、Fe:35〜50%、Fe3O4:20〜40%、SiO2:18〜30%、粒径が0.5〜50mmΦのカラミ処理に関して、現状の選鉱方式に対して銅回収費用が安価で、かつ、保管・輸送・利用が容易な粒径0.1〜5.0mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物とすることを課題とするものである。
【解決手段】銅製錬の錬銅炉工程で発生するカラミを固化・破砕により粒径を0.5〜50mmΦとし、該カラミと組成がFe:60mass%(以下%で示す。)以上、C:2〜5% 粒径が0.1〜50mmΦの銑鉄粒とを錬銅炉工程のカラミに対して重量比5〜25%で、1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に同時に散布し、錬銅炉工程のカラミを溶融・還元により銅を回収する銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、銅製錬の錬銅炉工程で発生する、組成がCu2〜10%、Fe35〜50%Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30% 粒径が0.5〜50mmΦのカラミの処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銅製錬の錬銅炉工程で発生する、組成がCu2〜10%、Fe35〜50%
Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30% のカラミは、1250〜1,350℃で錬銅炉から排出され、固化・破砕により粒径0.5〜50mmΦとした後、ボールミルで1〜1000μmに粉砕され、選鉱処理により銅回収されていた。
【0003】
この方式では、粉砕処理・選鉱処理に多大の費用を要する。また、カラミの60〜80%が粒径1〜300μm・水分9〜13%の粉状物として排出され、保管・輸送・利用の面で大きな欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粒径0.5〜50mmΦの錬銅炉のカラミに還元力のある銑鉄粒或いはコークスを加え同時に、溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に散布して錬銅炉工程のカラミを溶融・還元して銅回収することにより、費用を削減するとともに、水砕処理により粒径0.1〜5mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物として回収し、保管・輸送・利用を容易とする、銅製錬錬銅炉カラミの処理方法を提供するものである。
【0005】
従来、粒径0.5〜50mmΦに破砕された錬銅炉工程のカラミは、選鉱工程で銅回収される。まず、1次ボールミルで平均粒径200〜300μmに粉砕後、選鉱処理される。そのサイは、更に、2次ボールミルで平均粒径50〜100μmに粉砕後、選鉱処理されていた。最終的に、錬銅炉工程のカラミの20〜40%が銅含有物として回収され、前工程である溶錬炉に繰り返し処理され、錬銅炉工程のカラミの60〜80%は平均粒径20〜40μm・水分10〜13%の粉状物として排出されていた。
【0006】
従来の方式では、錬銅炉工程のカラミからの銅回収のために複雑な工程を必要とし、
また、多大な費用を要していた。一方、錬銅炉工程のカラミの60〜80%は平均粒径20〜40μm・水分10〜13%の粉状物として排出されていたが、この粉状物は粒径が小さいために建家内での保管が必要であり、また、水分のために輸送・利用にも大きな支障があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、以下の発明を提案する。
(1)銅製錬の錬銅炉工程で発生するカラミを固化・破砕により粒径を0.5〜50mmΦとし、該カラミと
組成がFe:60mass%(以下%で示す。)以上、C:2〜5% 粒径が0.1〜50mmΦの銑鉄粒とを
錬銅炉工程のカラミに対して重量比5〜25%で、
1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に同時に散布し、
錬銅炉工程のカラミを溶融・還元により銅を回収する銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
【0008】
(2)銅製錬の錬銅炉工程で発生する組成がCu2〜10%、Fe35〜50%Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30%のカラミを固化・破砕により粒径を0.5〜50mmΦとし、該カラミと
組成がFe:60%以上、C:2〜5% 粒径が0.1〜50mmΦの銑鉄粒とコークスとを
錬銅炉工程のカラミに対して重量比5〜25%で、1200〜1,350℃の溶融状態でFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35%
Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に同時に散布し、
錬銅炉工程のカラミを溶融・還元により銅回収するとともに、水砕された粒径0.1〜5.0mmΦの粒状物とする上記(1)記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
(3)銑鉄粒のCu品位が20%以下である上記(1)〜(2)記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
(4)固体の銑鉄粒が、一般廃棄物、産業廃棄物又は、産業廃棄物から産出したもの等を溶融還元した銅を含む銑鉄である上記(1)〜(3)記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
(5)組成がC(固定炭素)80〜92% 粒径が0.1〜50mmΦのコークスを、錬銅工程のカラミに対して重量比2〜20%で、錬銅工程のカラミと銑鉄粒と同時に散布する上記(1)〜(4)記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
(6)錬銅工程のカラミが1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%のスラグに対して重量比で15%以下である上記(1)〜(5)記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
【0009】
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
銅製錬の錬銅工程であるPS転炉から発生するカラミにはCuが2〜10%が含まれており、このCu回収をいかに効率的に行うかが重要課題である。本発明は、銅製錬炉で発生するカラミ層中のFe3O4をFeOに還元することで有価物の回収率の向上を向上させる操業方法(特願2001−189856)をベースに、錬銅工程のカラミを還元剤である銑鉄粒を利用して、効率的に、前工程である溶錬炉のカラミと同程度まで還元して銅回収を図り、また、保管・輸送・利用が容易な水砕処理による粒径0.1〜5mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物として排出しようとするものである。
【0010】
まず、銅製錬工程を説明する。一般的に、銅製錬工程は、鉱石を溶解しCu品位50〜70%のカワを産出する溶錬工程・自溶炉と、そのカワを吹錬しCu品位97〜99%の粗銅を産出する錬銅工程・PS転炉から構成されている。
PS転炉から排出されるカラミ組成は、Cu2〜10%、Fe35〜50% Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30%とCu品位が高く、銅回収が必要である。
銅回収工程として、選鉱処理工程が採用されている。前述のように、選鉱処理には多大の費用が必要であり、また、排出される粉状物は粒径、水分のために保管・輸送・利用で大きな支障があった。
一方、自溶炉から排出されるカラミ組成は、Fe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%である。平均Cu品位は0.7〜1.0%であり、このカラミからは銅回収が必要なく、また、水砕処理により粒径0.1〜5.0mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物とすることで、保管・輸送・利用が容易であった。
従来より、PS転炉から排出されるカラミを自溶炉から排出されるカラミと同じレベルに還元、すなわち、Fe3O4を低下できれば、銅回収が可能なことが知られていた。
【0011】
本発明者は、特許(出願番号2001−253795)で提唱した、組成がメタリック鉄を60mass%以上、C2〜5%を含有し、粒径が0.3〜15mmΦの「銑鉄粒」を、前記の錬銅炉カラミと同時に、1200〜1350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜2%のスラグ表面に散布すれば、効率的に錬銅炉カラミを還元できることを見出した。銑鉄粒の量が前記の錬銅炉カラミに対して重量比5〜25%であれば、錬銅炉カラミを溶錬炉スラグと同程度まで還元できることが、操業炉を使用した試験により判明した。
【0012】
また、銅製錬においては、この銑鉄粒にCuが含まれていれば有価物の回収につながり更に好適である。銑鉄粒中のCu品位は、本発明者が出願した特願2001−189856で述べたように、銑鉄粒中のCu品位が20mass%以下、鉄分が70mass%以上であると、還元反応時の発熱量が減少せず、銅製錬炉の操業に必要な熱量を確保できるため好適である。
更に、固体の銑鉄粒が、一般廃棄物、産業廃棄物又は、産業廃棄物から産出したもの等を溶融還元した銅を含む銑鉄であれば、安価であり、更に好適である。
【0013】
組成がC(固定炭素)80〜92% 粒径が0.1〜50mmΦのコークスを、錬銅工程のカラミに対して重量比2〜20%で、錬銅工程のカラミと銑鉄粒と同時に散布すれば、より効率的な還元が行われる。コークスは、比重が炉内の溶融状態のスラグより小さいことから、スラグ表面に浮遊し、スラグ表面の酸素ポテンシャルを低下させ、還元に効果がある。また、スラグ表面での燃焼により、凝固しがちなスラグ表面を常に溶融状態の滑らかな状態に保つ効果がある。炉内のスラグ表面を滑らかに保つことで、スラグの炉内流動がスムーズになり、緩やかな攪拌状況を起こすことが可能である。この攪拌状態が、スラグと銑鉄粒の反応を促進するとともに、スラグ中に懸垂状態となっている有価物の沈降分離を促す効果が得られる。
【0014】
錬銅工程のカラミが1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜2%のスラグに対して重量比で15%以下である必要がある。なぜなら、15%以上となると局所的にスラグ温度が大きく降下し、流動性悪化により、カラミと銑鉄粒の混合、還元反応が阻害される懸念があるからである。
【0015】
【作用】
本発明により、銅製錬の錬銅炉工程で発生する、組成がCu2〜10%、Fe35〜50% Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30%で、粒径が0.5〜50mmΦのカラミが、効率的に還元・銅回収される。更に、このカラミは、水砕された粒径0.1〜5mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物として排出され、保管・輸送・利用が容易となり、経済的に大きな効果が得られる。
【0016】
【実施例】
実施例(1)
ここでは、銅製錬工程の錬かん炉で実施した操業試験について述べる。
自溶炉と錬かん炉の側面図を図1に示す。
自溶炉では主に硫化物精鉱に溶剤としての珪酸鉱等を加えた微粉の乾燥銅原料を補助燃料、酸素富化空気とともに精鉱バーナ(1)から反応塔(2)に吹き込み、気−固相あるいは気−液−固相中で酸化反応させる。この酸化反応の生成物として銅等の有価金属を濃縮したカワと鉄分が酸素と反応したFeOとSiO2が造カン反応して生成するスラグが融体として得られ、保持容器としてのセットラ(3)でセットリングすることで、これらを比重差で分離する。この際、セットラ(3)では比重の小さいスラグが上に、カワは下に滞留する。また、酸化反応によって生じる亜硫酸ガスを含む排ガスは、排煙口(4)から後工程に導かれる。
【0017】
自溶炉で発生したスラグは樋(5)を経由して錬カン炉(6)に流入する。錬カン炉(6)は保持容器として機能し、スラグ中に懸垂している有価金属を沈降分離するために用いられる。この際、スラグはゼーダーベルグ式などの電極(7)からの電力などで熱補償し、溶融状態を維持する。
錬カン炉で一定時間保持したスラグは溶体のまま樋(8)を経由して水砕設備(9)に送られ急冷水砕して粒径0.1〜5mmφの粒状の固体とする。これを水砕スラグという。水砕スラグはピット(10)に流れ込み、バケット式コンベア(11)でホッパ(12)に搬上する。これを逐次ダンプカー(13)に抜き出し運搬して、コンクリート骨材などとして外販している。
【0018】
試験は図1の錬カン炉の投入部(14)から、自溶炉から産出されたカワを処理する工程である錬銅工程のPS転炉から発生したカラミと銑鉄粒およびコークスを予め混合したものを、自溶炉から錬カン炉へ流入した溶融状態のスラグ表面に投入して行った。試験は29日間に渡って実施した。錬銅工程カラミ+銑鉄粒+コークス混合物(以下、混合物と記す)は、自溶炉から錬カン炉にスラグを抜き出す時間帯のみ、錬カン炉内のスラグ落下点に投入した。試験に供した物質の量、組成および粒度について以下に示す。
【0019】
錬カン炉流入スラグ T−Fe:38〜42%、Fe3O4:4〜8%、Cu:0.8〜1.4%(試験期間中の平均値を、表―1に示す。)
錬カン炉流出スラグ T−Fe:38〜42%、Fe3O4:4〜8%、Cu:0.7〜0.9%(試験期間中の平均値を、表―1に示す。)
銑鉄粒 Fe:80%、C:3.5%、Si:3.0% 粒径 1〜5mm 98%以上
コークス(水分除き) 固定炭素:88%、粒径 −8mm 95%以上
錬銅工程カラミ T−Fe:45%、Fe3O4:29.5%、Cu:7.2% 粒径 −20mm 95%以上
錬銅工程カラミ:銑鉄粒:コークス混合比率=85:10:5
錬カン炉流入/流出スラグ量 合計42,200t (平均100t/h)
錬銅工程カラミ+銑鉄粒+コークス混合物投入量 464t (平均1.1t/h)(錬銅工程カラミ単独では 平均0.94t/h)
錬銅工程カラミ量 394t、銑鉄粒量 46t、コークス 24t
【0020】
図2に、混合物投入前 平成14年2月1日〜13日、混合物投入中 平成14年2月14日〜3月15日の錬カン炉流出スラグ中のFe3O4とCuの含有率の経時変化を示す。また表1に、錬カン炉流入/流出スラグ中のFe3O4、Cu含有率を示す。
【表1】
Figure 2004002916
【0021】
混合物投入期間中、混合物中の錬銅工程カラミが還元・銅回収されずに、錬カン炉流出スラグ中に混合して排出されるとすると、錬銅工程カラミから供給されるCuによって、計算上、錬カン炉流出スラグ中のCu含有率は表1に示す投入中:錬カン炉流入の欄に示す0.93%から下記式で得られる0.99%に上昇する。
Figure 2004002916
更に、表1に示した、混合物投入前の錬カン炉流入/流出スラグの差 (−)0.10%を適用すると、混合物投入期間中の錬カン炉流出スラグのCu含有率は0.99%−0.10%=0.89%と推定される。しかし、混合物投入期間中の錬カン炉流出スラグCu含有率は0.77%と推定値0.89%に対して、下記式のごとく(○)0.12%低下した。
0.89%−0.77%=0.12%
同様に、混合物中の錬銅工程カラミが還元・銅回収されずに、錬カン炉流出スラグ中に混合して排出されるとすると、錬銅工程カラミから供給されるFe3O4によって、計算上、錬カン炉流入スラグ中のFe3O4含有率は5.6%(表1Fe3O4含有率(%):投入中錬カン炉流入の欄に記載の値)から5.8%に上昇する。
Figure 2004002916
更に、表1に示した、混合物投入前の錬カン炉流入/流出スラグの差 (+)0.3%を適用すると、混合物投入期間中の錬カン炉流出スラグのFe3O4含有率は5.8%+0.3%=6.1%と推定される。しかし、混合物投入期間中の錬カン炉流出スラグFe3O4含有率は5.5%と推定値6.1%に対して、下記式のごとく(○)0.6%低下した。
6.1%−5.5%=0.6%
以上のように、推定値に対して、Cu含有率は(○)0.12%低下、Fe3O4含有率は(○)0.6%低下したことは、銑鉄粒およびコークスの還元作用により、錬銅工程カラミの還元・銅回収が効率的に行われたことを示している。
【0022】
更に、錬カン炉流入スラグと流出スラグの差を比較すると、Cu含有率は、混合物投入前(○)0.10%の低下から投入中は(○)0.16%の低下へ改善した。また、Fe3O4含有率は投入前(×)0.3%の増加から投入中(○)0.1%の低下へ改善した。すなわち、混合物中の銑鉄粒・コークスにより、自溶炉からの錬カン炉流入スラグも還元・銅回収されたものと推定され、本発明の有効性を示すものである。
また、投入された錬銅工程カラミは錬カン炉流出スラグに溶融・混合され、図―1に
示す設備(9)により水砕され、粒径0.1〜5mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物として回収された。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、
(1)銅製錬の錬銅炉工程で発生する組成がCu2〜10%、Fe35〜50%Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30%のカラミ中からの銅回収が、単に銅製錬の溶錬炉のスラグ上に散布する方法で可能となり、従来、行なわれていたカラミ選鉱処理法に比べて、銅回収が簡便・安価に行われる。
(2)錬銅炉工程で発生したCu含有率2〜10%のカラミを銅製錬の溶錬炉で処理することにより、Cu含有率0.7〜0.9%に低下することが可能となり、錬銅炉工程から発生したカラミからの銅回収が可能となった。
(3)かつ、従来のカラミ選鉱処理法では、錬銅炉工程で発生したカラミの60〜80%は、平均粒径20〜40μm、水分9〜13%の粉状物として排出されていた。これが、水砕された粒径0.1〜5.0mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物として排出されるため保管・輸送・利用が容易である。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である自溶炉、錬カン炉、水砕等一連の処理フローを示す。
【図2】錬カン炉カラミ中のCu%、Fe3O4%推移を示す。
【符号の説明】
3 自溶炉のセットラー部
4 自溶炉のアップテイク部
6 錬カン炉
9 水砕設備
10 水砕カラミ用ピット
14 錬カン炉への投入口

Claims (6)

  1. 銅製錬の錬銅炉工程で発生するカラミを固化・破砕により粒径を0.5〜50mmΦとし、該カラミと
    組成がFe:60mass%(以下%で示す。)以上、C:2〜5% 粒径が0.1〜50mmΦの銑鉄粒とを
    錬銅炉工程のカラミに対して重量比5〜25%で、
    1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に同時に散布し、
    錬銅炉工程のカラミを溶融・還元により銅を回収することを特徴とする銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
  2. 銅製錬の錬銅炉工程で発生する組成がCu2〜10%、Fe35〜50%Fe3O4 20〜40% SiO2 18〜30%のカラミを固化・破砕により粒径を0.5〜50mmΦとし、該カラミと
    組成がFe:60%以上、C:2〜5% 粒径が0.1〜50mmΦの銑鉄粒とコークスとを
    錬銅炉工程のカラミに対して重量比5〜25%で、1200〜1,350℃の溶融状態でFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35%
    Cu0.5〜3%の銅溶錬炉のスラグ表面に同時に散布し、
    錬銅炉工程のカラミを溶融・還元により銅回収するとともに、水砕された粒径0.1〜5.0mmΦ・水分0.5〜3%の粒状物とすること特徴とする銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
  3. 銑鉄粒のCu品位が20%以下であることを特徴とする請求項1〜2記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
  4. 固体の銑鉄粒が、一般廃棄物、産業廃棄物又は、産業廃棄物から産出したもの等を溶融還元した銅を含む銑鉄であることを特徴とする請求項1〜3記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
  5. 組成がC(固定炭素)80〜92% 粒径が0.1〜50mmΦのコークスを、錬銅工程のカラミに対して重量比2〜20%で、錬銅工程のカラミと銑鉄粒と同時に散布することを特徴とする請求項1〜4記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
  6. 錬銅工程のカラミが1200〜1,350℃の溶融状態のFe35〜45% Fe3O4 3〜15% SiO2 28〜35% Cu0.5〜3%のスラグに対して重量比で15%以下であることを特徴とする請求項1〜5記載の銅製錬における錬銅炉のカラミ処理方法。
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