JP2004002818A - インク噴射可能なインク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブリード及びスミア耐性並びに印刷されたイメージの光学濃度を改良するためのインクジェットインク組成物、方法、及びシステムを提供する。
【解決手段】水性のインク噴射可能なインク組成物は、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すものとして開示され、この組成物は、インクビヒクル(展色剤)、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、及び有効量の光開始型の酸生成剤を含有することができる。また印刷品質、水及びスミア堅牢性、並びに光学濃度を改善して、基体上に画像を印刷する方法は、当該組成物を調合し、当該インク組成物をインクジェットペンから基体上に噴射し、基体上のインク噴射されたインクを放射線に曝して、インクジェットインク組成物のpHの低下、続いて着色剤の析出を示すステップから成ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク組成物を放射線源に曝すことにより、pHの急速低下並びにインク着色剤の粘度の増加及び析出を示す水性インクジェットインク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータプリンタの技術は、紙を含む、様々なタイプの媒体に極めて高分解能の画像を転写できるところまで発達した。印刷方式(一般にはインクジェット印刷と呼ばれる)の内のある特定のタイプは、デジタル信号に応答して液体インクの小滴を媒体表面に配置することを伴う。典型的には、印刷装置と媒体表面との間の物理的な接触なしに、その表面上に液体インクを配置又は噴射する。アウトプットが低コストで高品質なことから、インクジェット印刷は、その他のコンピュータに関連する印刷形式に代わってポピュラーなものとなっている。
【0003】
しかし、インクジェット印刷において多数の改良が成されてはいるが、この改良に伴って、さらに高品質のインクジェット印刷システムへの要望も高まっている。これらの要求には、高速性、高分解能、フルカラーイメージの作成、カラー対カラーのブリード(にじみ)の低減、より精密なドット配置等が含まれる。こうした訳で、プリンタインクを評価するときに考慮すべき特性が幾つかある。そのような特性には、十分なエッジの鋭さと光学濃度で印刷できる能力、基体上のインクの乾燥時間、基体へのインクの付着性、飛行中のインク滴の逸れがないこと、乾燥後のインクの水及び他の溶媒に対する耐性、長期保管安定性、及びノズルの腐食又は詰まりのない長期信頼性が含まれる。特性についての上記のリストは、追求し又は努力する価値のある目標を与えるが、上記特性の全てを満足させるのは困難である。しばしば、あるインクジェットインクの調合物は、上記特性の1つの改善と他の特性の犠牲との均衡を象徴する。従って、インクジェット印刷に用いられるほとんどの市販インクは、上に挙げたインクの要件の全てを満たす上で少なくとも適切な応答を得ようとする試みの、一連の妥協の産物である。加えて、及び本発明にとって特に重要なことは、潜在状態(即ちインクを印刷媒体に適用する前の状態)におけるインクジェットインク(及び一般的にほとんどのインクの形)の最適な流動特性は、適用状態におけるインクジェットインクの最適な流動特性とは異なることである。これは、それらの潜在状態におけるインクジェットインクは、噴射工程中に課せられた極度の物理的な圧力下で十分に挙動しなければならないが、それらの適用された状態におけるインクジェットインクは、素早く付着しそして固定状態のままでなければならない為である。それ故、潜在状態及び適用状態の両方で所望の流動性を達成できるインクジェットインク組成物及び適用方法は、現在、多くの研究の焦点である。
【0004】
潜在及び適用したインク流動性を改善し且つ全般的に印刷産業における生産率と印刷品質を高めるという、上記に類する必要性によって、様々な印刷工程での放射線開始型光重合の利用についての最近のうねり(関心)が導かれている。これらの工程は、典型的には、不飽和アルキル鎖、エポキシ樹脂、エポキシモノマー等のようなプレポリマー、及び放射線に曝すとプレポリマーのカチオン重合を開始できるジアリールスルホニウム又はトリアリールスルホニウム塩の形の触媒を含んでいる、インク組成物を利用している。これらのインクに含まれたプレポリマーのカチオン重合は、放射線に曝すとジアリールスルホニウム又はトリアリールスルホニウム塩で生ずる不可逆の光フラグメンテーションによって開始され得る。この光フラグメンテーション工程により、オニウム塩の光開始型触媒は、その場で、カチオン重合を開始できるブレンステッド酸を生成させる。これらのインクに含まれたプレポリマーの重合の結果、実質的に、インク粘度(力が加えられたときに流体が流れるのを妨げる流体の質)を高めることによって適用インク流動性および印刷品質を改善し、これがスミア(こすり汚れ)及び水に対する堅牢性と共に基体への付着性を高める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明までは、オニウム塩のような光開始型の酸生成剤の使用は、インクジェットインクでの使用には実際的ではなかった。何故なら、プレポリマーを含有させることにより、典型的にインクジェットインク組成物の潜在状態の粘度が高められ、インクジェットペンから噴射することが実質的に困難になるためである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
インク組成物が効果的な潜在流動性と改善された適用流動性のインク特性を示すように、光開始型の酸生成剤を含有しているインク噴射可能なインク組成物の開発が有益であろうということが認識されてきた。これは、従来技術で使用されるプレポリマーが存在せず、本発明で使用される光開始型組成物が異なった機能をもたらすことによってある程度達成される。特に、本発明のインクジェットインクは、インクを容易にインク噴射できるように低い初期粘度を有することができ、そして放射線に曝されるとpHの急速な低下が生ずる。このpHの変化は、基体上のインク付着性と粘度を急速に高めることができ、これが印刷品質を改善できるようにする。従って、本発明は、上述のインクを、基体上に堆積するのに続いて放射線源に露出することにより改善された印刷品質を示す画像を印刷するための組成物、方法、及びシステムを提供するものである。
【0007】
特に、インク噴射可能なインク組成物は、有効量のインクビヒクル(展色剤)、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、及び有効量の光開始型の酸生成剤を含有することができ、当該組成物は、有効量の放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示す。
【0008】
さらに、印刷品質、水及びスミア堅牢性、並びに光学濃度を改善して基体上に画像を印刷する方法は、有効量のインクビヒクル、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、及び有効量の光開始型の酸生成剤を含有し、有効量の放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すインク噴射可能なインク組成物を調合し、当該インク組成物をインクジェットペンから基体上に噴射し、基体上のインク噴射されたインクを放射線に曝して、インクジェットインク組成物のpHの低下、続いて着色剤の析出を示すステップから成ることができる。
【0009】
加えて、高められたインク効率(有効性)で基体上に画像を印刷するためのシステムは、有効量のインクビヒクル、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、有効量の光開始型の酸生成剤を含有し、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すインク噴射可能なインク組成物を収容するインクジェットインクペン、インクジェットペンから印刷された画像を受けるように構成された基体、及びpHの低下が実現されることでインク着色剤を析出させる如く、印刷された画像を照射するように構成されたエネルギー源から成ることができる。
【0010】
本発明のさらなる特長及び利点は、以下の、本発明の諸特長と共に説明する例(実施の形態)に関する詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、有効な潜在流動性だけでなく、放射線源にインクを曝すことにより基体上のインク着色剤が高い析出及び粘度を示す、インク噴射可能なインクに具現化されている。
【0012】
本発明をより十分に開示及び記述する前に、本発明は、ここに開示された特定の処理ステップ並びに材料に限定されないことを理解すべきである。何故なら、前述のステップ及び材料は、多少、変えてもよいからである。また、ここに用いられる用語は、特定の実施態様を記述するだけの目的で用いられることも理解すべきである。本発明の範囲は、前出の特許請求の範囲及びそれと均等のものによってのみ限定されることから、当該用語は限定することを意図したものではない。
【0013】
本発明を記述し且つ請求するに当たり、以下の用語を用いる。
【0014】
単数及び指示語(例えば「その」や「該」)で示されているものは、その内容が別途明確に指示されない限り、その語の意味する複数のもの(同等のもの)を包含する。従って、例えば「染料」と記載したものは1つ以上の前記染料に関する言及を包含し、「インク」と記載したものは1つ以上の前記インクに関する言及を包含し、「その色」と記載したものは1つ以上の前記色に関する言及を包含する。
【0015】
本明細書で用いる限りでは、「有効量」の用語は、所望の効果を達成するのに十分な物質、化学品又はエネルギーの最少量を意味する。例えば、「インクビヒクル」の有効量とは、特定の性能と特性基準を満たすインクを作り出すのに必要な最少量のことである。さらに、「インク着色剤」の最少量とは、特定の性能と特性基準を達成しておくことのできる最少量のことである。
【0016】
本明細書で用いる限りでは、「インクビヒクル」の用語は、インクを形成するためにその中に染料が配合されるビヒクルを指す。インクビヒクルは当分野でよく知られており、そして本発明において有用なインク組成物を形成するのに様々なインクビヒクルを使用できる。前述のインクビヒクルは、制限されることなく、溶媒、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、粘度調節剤、表面活性剤、及び水などの種々の異なった化学種の混合物を含んでいてもよい。
【0017】
「調合物」及び「組成物」の用語は、ここでは、相互に互換性を有して用いることができる。
【0018】
「印刷媒体」、「印刷表面」、及び「基体」の用語は、ここでは、相互に互換性を有して用いることができ、そして画像を形成するためにインクが適用される表面を指す。
【0019】
「放射線」の用語は、有効量で適用した時、本発明の原理に従ってインクジェットインク(内部)のpH低下を生じさせる、何らかのエネルギーを包含する。
【0020】
濃度、量、及びその他の数値データは、ここでは、値域形式(range format)で表現又は提示することがある。そのような値域は、単に便宜上及び簡潔さのために使用されるものであって、従って、範囲の限定として明瞭に列挙された数値を含むだけではなく、その範囲(値域)内に包含される個々の数値又は部分範囲の全てを、あたかも各数値と部分的な範囲(下位概念の数値範囲)が明示されたと同様に含むものと柔軟に解釈すべきであることを理解すべきである。
【0021】
上記知見の下に、潜在状態においてインク噴射可能な粘度を有し、且つインク組成物を放射線に曝すことによりpHの低下、それに続く粘度の増加及び基体上へのインク着色剤の析出を示す、インク噴射可能なインクを開示する。その組成物は、有効量のインクビヒクル、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、有効量の光開始型の酸生成剤とを含有し、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示す。一実施態様において、インク組成物は、少なくとも22wt%の水を含有することができる。
【0022】
pHを低下させた後、即ち、酸性化の後、(着色剤の)析出に先立ち、粘度の一時的な増大が生じ得る。pHに関しては、一実施態様において、インクビヒクルは、約9.2の初期pHで、有効量の放射線への露出の直後に約2.9のpHを示す。しかし、より一般的な意味では、初期に約7〜13のpHは、放射線に曝した後に約2〜6のpHに変化することができ、これは使用されるインク着色剤と光開始型の酸生成剤の選択と量に依存する。例えば、光開始型の酸生成剤は、ブレンステッド酸生成剤又はルイス酸生成剤であってよい。それがブレンステッド酸生成剤なら、使用される組成物は、オニウム塩とヨードニウム塩からなる群から選択することができる。それがルイス酸生成剤なら、フェロセニウム塩を用いることができる。しかし、最も好ましくは、例えばトリアリールスルホニウム塩のようなアリーロニウム塩が使用される。一実施態様において、インクジェットインク組成物は、固体成分で0.05wt%〜4wt%のインク着色剤、及び0.1wt%〜13wt%の光開始型の酸生成剤を含有することができる。
【0023】
前述のように、インクジェットインクの調合物は、インクジェットインクが噴射工程に関わるより強烈な物理的力を受けなければならず、即ち、インク噴射可能でなければならず、そして更に適用されたインクの固定特性を想定しなければならないという事実に起因して、特有の一連の困難な問題を引き起こす。より詳細には、噴射の前及び噴射中、インク噴射可能なインクは、インクジェットペンのオリフィスを容易に通過するように十分に低い粘度を有するべきである。十分に低い粘度を示すインク噴射可能なインクの使用によって、ネッキング(necking)、スパッタリング、及びエーロゾル効果を含むインクジェット印刷に典型的に関連した幾つかの問題の発生を低減する。
【0024】
噴射に続いて、インク噴射可能なインクは、インクジェットプリントに頻繁に関連する問題、例えば、ブリード、こすり汚れ、光学濃度低下、並びに水及びその他の溶媒に対する耐性の欠如等の発生率を徒に高めることなく基体上のインクの適切な乾燥を可能にするのに、十分に高い粘度を有することができる。最適な潜在及び適用インクを取り巻く諸問題のため、他の印刷工程及びインクと比べたとき、最適な潜在流動性のインク噴射可能なインクの調合物はより困難な均衡プロセスであり、そこでは一定の適用インクの諸特性がほとんど確実に潜在流動性のために犠牲にされ、そしてその逆も起こる。
【0025】
従来技術における、潜在及び適用インク特性を釣り合わせ且つ改善して、それにより(インクジェットインク領域外の)印刷工程における印刷品質を高めるとの要求は、放射線開始型の光重合性インク組成物の利用に至った。これらの組成物及び工程は、典型的に、光開始型触媒としてジアリールスルホニウム又はトリアリールスルホニウム塩を含有するインクを必要とする。適用に続き、当該インクは放射線源に曝され、その結果として、光開始型触媒は、カチオン重合を開始させる強力なブレンステッド酸を作り出す。
【0026】
本発明によれば、本発明で使用されるインクビヒクルには典型的にプレポリマー材料が存在していないため、従来の技術において起こるようなカチオン重合は起こらない。詳細には、その溶解度がpH依存性であるインク着色剤を使用することにより、光開始型の酸生成剤を用いてインク噴射可能なインクの適用特性を改善することのできるインク噴射可能なインクが開示される。例えば、紫外光のような放射線に曝されたときに、その場所に強力なブレンステッド酸を作り出す為に、オニウム塩を用いることができる。インク溶液のpHの塩基性から酸への変更は、インク着色剤をより不溶性にし、それにより基体のインク粘度を高める。このエネルギーで誘導されたインク着色剤の不溶化により、当該インク組成物は、インク噴射可能なインクとして使用できる有効な潜在流動性を達成すると同時に、光開始型の酸生成剤を使用して適用インクの特性並びに最終的印刷品質を改善できる。
【0027】
一実施態様において、オニウム塩は、以下の反応体系に従って、水溶液中で超強酸に転換させることができる。
ArMF  + 紫外光 → HMF (超強酸)  化学式1
【0028】
上記化学式1において、Arはトリフェニルスルホニウムのようなアリールオニウム塩のカチオンであってよく、アニオンのMはリン又はアンチモンであってよく、そしてFはフッ素である。化学式1は、放射線、特に紫外光に曝されたときに超強酸に転換するオニウム塩についての例として示される。典型的には、超強酸に存在するHイオンは、水溶液であり得る溶媒から供給される。その他のオニウム塩は、紫外光又は他の形の放射線と同じように反応し、そしてまた許容できる結果をもたらす。
【0029】
本発明において使用することのできるオニウム塩含有組成物には、限定するものではないが、いずれもユニオンカーバイド社(米国ニュージャージー州リンデン)から入手できるCyracure UVI−6992、Cyracure UVI−6990、及びCyracure UVI−6974と、いずれもサートマー社(米国パロアルト・エクストン)から入手可能なSarCat CD1010及びSarCat CD1011等が含まれる。
【0030】
下記の化学式2及び3は、本発明の原理に従い光開始剤として作用し得る代表的なオニウム塩を説明するために、例として示したものである。
【0031】
【化1】
Figure 2004002818
【0032】
上記化学式2及び3において、仮にAnがSbF なら、化学式2及び3の混合物を含有する調合物は、商品名Cyracure UVI−6974のもとに入手できる。仮にAnがPF なら、化学式2及び3の混合物は、商品名Cyracure UVI−6990として入手できる。
【0033】
本発明において使用できるpH依存性を有する溶解度を有する効果的なインク着色剤の例には、限定するものではないが、アベシア(英国マンチェスター)から入手可能なPro−Jet Fast Black 2、アベシア(英国マンチェスター)から入手可能なPro−Jet Fast Cyan 2、アベシア(英国マンチェスター)から入手可能なPro−Jet Fast Magenta 2、アビシア(英国マンチェスター)から入手可能なPro−Jet Fast Yellow 2、及び米国マサチューセッツ州キャボット社から入手可能なCab−O−Jet 300が含まれる。
【0034】
印刷品質、水及びこすり汚れ堅牢性、及び光学濃度を改善して基体上に画像を印刷する方法は、有効量のインクビヒクル、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、及び有効量の光開始型の酸生成剤を含有し、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すインク噴射可能なインク組成物を調合し、当該組成物をインクジェットペンから基体上へ噴射し、そして基体上のインク噴射されたインクを放射線に曝して、インクジェットインク組成物のpHの低下、続いて着色剤の析出を示すステップから成ることができる。上述のインクジェットインク組成物の変形物はどれも本願の方法で用いることができる。一実施態様において、放射線源は紫外線光源であってよく、また別の実施態様では、その放射線源は電子ビームエミッタであってよい。
【0035】
高められたインク効率(有効性)で基体上に画像を印刷するためのシステムは、有効量のインクビヒクル、pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、有効量の光開始型の酸生成剤を含有し、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すインク噴射可能なインク組成物を収容するインクジェットインクペン、インクジェットペンから印刷された画像を受けるように構成された基体、及びpHの低下を実現することでインク着色剤を析出させる如く、印刷された画像を照射するように構成されたエネルギー源から成ることができる。また、ここに記載の変形物の組成物はどれも用いることができる。さらに、基体は、紙及び/又はインクジェットインク技術において知られている他の何らかの基体であってよい。
【0036】
本発明の特定の形態を例示し且つ説明してきたが、種々の変更や修正も本発明の精神と範囲から逸脱することなく実施し得ることは明らかであろう。
【0037】
【実施例】
以下の実施例は、現時点で最もよく分かっている本発明の実施態様を説明するものである。しかし、以下の組成物及び模範的な研究は、単に本発明の原理の妥当性を説明するに過ぎないことを理解すべきである。多数の修正及び代替的な組成物、方法、及びシステムは、本発明の精神から逸脱することなく当業者によって案出することができる。前出の特許請求の範囲は、そうした修正及び脚色を網羅することを意図する。本発明を詳細に記述してきたが、以下の実施例は、現在、本発明の最も実用的且つ好ましい実施態様であると思われていることに関連して更に詳細な説明を提供するものである。
【0038】
例1
以下の調合に従いインクジェットインクを作成した。
15wt%の2−ピロリドン、
40wt%のジエチレングリコール、
15wt%のジプロピレンングリコール、
0.15wt%の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
0.75wt%の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの3エトキシレート誘導体、
1wt%のヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、
6wt%のCyracure(登録商標) UVI−6974(ユニオンカーバイド社)、
4wt%のブラック顔料分散物、
溶液のpHを9.5に調整するのに十分な量の水酸化カリウム、及び
バランス量の脱イオン水。
【0039】
例2
以下の調合を用いて調整しインクジェットインクを作成した。
15wt%の2−ピロリドン、
40wt%のジエチレングリコール、
15wt%のジプロピレンングリコール、
0.15wt%の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、
0.75wt%の2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの3エトキシレート誘導体、
1wt%のヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、
4wt%のブラック顔料分散物、
溶液のpHを9.5に調整するのに十分な量の水酸化カリウム、及び
バランス量の脱イオン水。
【0040】
例3
放射線に曝した後に、オニウム塩の形で光開始剤を含有しているインクによって示されたpH低下を明らかにするために、以下の試験を実施した。例1に従って(約6wt%のCyracure 6974(オニウム塩)と約4wt%のブラック顔料分散物を含有している)インクジェットインクを作成した。例2に従って(Cyracure 6974が存在していない)第二のインクジェットインクを作成した。次いで、そのインクジェットインク組成物を、それぞれ、石英板カバーを有する4インチ径の円板上に載せ、そして(フュージョン・ユーブイ・インコーポレイテッドで製造されたModel No.F450T)紫外線光源に最大放射線照度で4秒間露光させた。以下の結果が得られた。
【0041】
【表1】
Figure 2004002818
【0042】
上の表から分かるように、オニウム塩の形で光開始型の酸生成剤を添加することで紫外線照射時にインク組成物のpHを著しく下げて、その組成物を塩基性から酸性に変化させた。
【0043】
例4
放射線に曝した後に、溶解度がpH依存性であるインク着色剤と、オニウム塩の形の光開始剤とを含有してインクによって示された、基体上へのインク着色剤の析出の増加を明らかにするために、以下の試験を実施した。例1に従って(約6wt%のCyracure 6974(オニウム塩)と約4wt%のブラック顔料分散物を含有している)インクジェットインクを作成した。例2に従って(Cyracure 6974が存在していない)第二のインクジェットインクを作成した。次いで、そのインクジェットインク組成物を、それぞれ、石英板カバーを有する4インチ径の円板上に載せ、そして(フュージョン・ユーブイ・インコーポレイテッドで製造されたModel No.F450T)紫外線光源に最大放射線照度で4秒間露光させた。以下の結果が得られた。
【0044】
【表2】
Figure 2004002818
【0045】
上表から分かるように、放射線源に露光後、オニウム塩の形で光開始型の酸生成剤を含んでいるインク組成物中の顔料粒子は、粒径の増大を示している。この増大は、インク着色剤のpH依存型の溶解性及び放射線源に露光後に溶液のpHが低下するにつれて生ずる顔料粒子の析出を示すものである。
【0046】
一定の好ましい実施態様を参照して本発明を記述してきたが、種々の修正、変更、省略、及び置換は、本発明の精神から逸脱することなく成し得ることは、当業者には明らかであろう。それ故、本発明は、前出の発明の特許請求範囲によってのみ限定されるものとする。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、効果的な潜在流動性と改善された適用流動性のインク特性を示すインク組成物が提供される。かかる本発明のインク組成物は、光開始型の酸生成剤を含有しているインク噴射可能なインク組成物であり、これは、本発明で使用される光開始型組成物が従来のものとは異なった機能をもたらし、従来技術で使用されるプレポリマーが存在しないことから達成されている。
特に、本発明のインクジェットインクは、インクを容易にインク噴射できるように低い初期粘度を有することができ、そして紫外光その他の放射線に曝されるとpHの急速な低下が生ずる。このpHの変化は、基体上のインク付着性と粘度を急速に高めることができ、これが印刷品質を改善できるようにする。従って、本発明により、上述のインクを基体上に堆積するのに続いて放射線源に露出することにより、改善された印刷品質を示す画像を印刷するための組成物、方法、及びシステムを提供することができる。

Claims (13)

  1. インク噴射可能なインク組成物であって、
    a) 有効量のインクビヒクル、
    b) pH依存性の溶解度特性を有する有効量のインク着色剤、及び
    c) 有効量の光開始型の酸生成剤を含有し、
    前記組成物は、放射線に曝されるとpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すインク噴射可能なインク組成物。
  2. 前記光開始型の酸生成剤は、オニウム塩とヨードニウム塩からなる群から選択されるブレンステッド酸生成剤である請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  3. 前記光開始型の酸生成剤は、フェロセニウム塩ルイス酸生成剤である請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  4. 前記のpHの低下後、析出に先立って粘度の瞬時の上昇が生ずる請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  5. 前記のインク噴射可能なインク組成物は、放射線に曝す前は約7〜13のpHで、そして放射線に曝した直後は約2〜6のpHを示す請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  6. オニウム塩はトリアリールスルホニウム塩である請求項2に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  7. オニウム塩のアニオンは、SbF 及びPF から成る群から選択される請求項2に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  8. 固体成分で0.05〜4wt%のインク着色剤、及び0.1〜13wt%の光開始型の酸生成剤を含有する請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  9. 放射線が紫外光である請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  10. 放射線が電子ビームエミッタによって供給される請求項1に記載のインク噴射可能なインク組成物。
  11. 高い印刷品質、水及びこすり汚れ堅牢性、及び光学濃度で基体上に画像を印刷する方法であって、
    a) 請求項1乃至10のいずれか1つに記載されたインク噴射可能なインク組成物を調合し、
    b) 前記インク組成物をインクジェットペンから基体上へ噴射し、そして
    c) 前記基体の前記インク噴射されたインクを放射線に曝して、前記組成物がpHの低下、続いてインク着色剤の析出を示すステップから成る方法。
  12. 高められたインク効率で基体上に画像を印刷するシステムであって、
    a) 請求項1乃至10のいずれか1つに記載されたインク噴射可能なインク組成物を収容するインクジェットインクペン、
    b) 前記インクジェットペンから印刷された画像を受けるように構成された基体、および
    c) pHの低下が実現されることでインク着色剤を析出させる如く、前記の印刷された画像を照射するように構成されたエネルギー源を包含するシステム。
  13. 基体が紙である請求項12に記載のシステム。
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