JP2004002769A - 重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にポジ型レジスト材料として有用な重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子あるいは液晶素子の製造における微細加工の分野においてはリソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が用いられており、用いられる光源としては、具体的には従来のg線やi線に代表される紫外線からDUVへ変化してきている。これまでポジ型レジスト材料としては、KrFエキシマレーザー光(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレンやこれの水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが用いられてきた。しかしながら、今日では、半導体素子の微細化はますます進み、ArFエキシマレーザー光(193nm)を用いたプロセスの開発が精力的に進められている。
【0003】
ArFエキシマレーザー光(193nm)を用いるプロセスでは、ポリヒドロキシスチレンのようなベンゼン環を有する樹脂は、この光に対して透明性が不充分であるという欠点を有している。このような欠点を克服するため、ベンゼン環を有さず、かつ耐ドライエッチング性に優れる樹脂として、エステル部にアダマンタン骨格を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルから誘導される単位を主鎖に有する樹脂が提案されている。このような樹脂は、透明性を阻害するベンゼン環の代わりに脂環式構造を存在させることにより、透明性と耐ドライエッチング性とを両立させたものであるが、その脂環式構造がアダマンタン骨格であることから、疎水性が強く、アルカリ現像性に問題があるものであり、近年、さらに超微細のパターンが要求されている半導体素子分野におけるポジ型レジストとしては、もはや充分に満足する性能が得られなくなっているのが現状である。そこで、透明性および耐ドライエッチング性を兼ね備えると同時に、プロトンの作用によるアルカリ溶解性に優れたポジ型レジスト用樹脂組成物が要望されている。
【0004】
ところで、ArFエキシマレーザー光を用いたレジストに適した組成物として、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルに由来する構造をもった重合体を利用したものとしては、1)脱離後オレフィンとなる基を持つα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有する重合体を含むレジスト組成物(特許文献1参照)や、2)α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル(共)重合体を含むネガ型レジスト組成物(特許文献2参照)が報告されており、ラクトン環をもった重合体を利用したものとしては、3)(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル由来の構造単位と側鎖にラクトン環を持つ構造単位とを有する重合体を含むポジ型レジスト組成物(特許文献3参照)が報告されている。しかし、前記1)および3)の組成物は、ラクトン環を有さないか、あるいはラクトン環が存在する場合も側鎖に存在することとなるため、後述するように、本発明で期待しうる主鎖に存在するラクトン環による耐ドライエッチング性向上効果は得られないと考えられる。また、前記2)の組成物はネガ型レジスト組成物であり、プロトンの作用によるアルカリ溶解性の改良を目指した本発明とは、思想を異にするものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2000−131847号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平2000−206694号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平2001−215704号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料を提供することに鑑み、透明性を損なわず良好な耐ドライエッチング性を発現させうる主鎖ラクトン環構造を有するとともに、プロトンの存在によりアルカリ可溶性を速やかに著しく向上させることができる重合体を提供すること、さらに、該重合体を、これが有する前記アルカリ可溶性と前記ラクトン環構造による耐ドライエッチング性とを所望のバランスに調整して得ることができる重合体の製造方法を提供すること、を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有する重合体をラクトン環化させることにより主鎖に形成されるラクトン環構造が存在すると、主鎖が部分的に2本になり、耐ドライエッチング性を向上させることができること、プロトンによる脱離性を有する基をエステル部分にもつエステル基を存在させることにより、プロトンの作用によるアルカリ可溶性が向上すること、さらに、プロトンによる脱離性を有する基をもつ前記エステル基をα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとは異なる単量体によって導入することにより、耐ドライエッチング性を発現する前記主鎖ラクトン環の量と、アルカリ可溶性を発現する前記プロトンによる脱離性を有する基をもつ前記エステル基の量とをそれぞれ独立して設定することができること、を見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明にかかる重合体は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)がラクトン環化されてなる重合体(A)を必須とし、前記重合体(a)をも含有することがある重合体であって、前記重合体(A)が下記一般式(1)で示されるエステル基を有しており、前記重合体(A)の重量平均分子量が2000〜30000である、ことを特徴とする。なお、本発明の重合体は、重合体(A)とともに、重合体(a)をも含有することがあるので、便宜上、「重合体組成物」と称することがある。
【0011】
【化4】
【0012】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
本発明にかかる重合体の製造方法は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合し、得られる重合体(a)をラクトン環化する、重合体の製造方法において、前記単量体成分として、下記一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体をも用いる、ことを特徴とする。
【0013】
【化5】
【0014】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体組成物は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)がラクトン環化されてなる重合体(A)を必須とするものである。詳しくは、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)は、主鎖(重合体の主骨格)中にα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するものであり、本発明におけるラクトン環化とは、前記重合体(a)が有するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位の水酸基と該α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に隣接する構造単位のカルボキシル基もしくはエステル基とを環化縮合させて、重合体の主鎖(重合体の主骨格)中にラクトン環構造を形成することである。したがって、前記重合体(A)は、その主鎖(主骨格)中にラクトン環構造を有するものであり、該主鎖のラクトン環構造によって良好なドライエッチング耐性を発現することができるのである。なお、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位から形成される前記ラクトン環構造は、例えばα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとして後述する一般式(4)で示すものを用いた場合、下記一般式(3)で表される構造(R1で表されるプロトンによる脱離性を有する基については後述する。)となる。
【0016】
【化6】
【0017】
(式(3)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
本発明においては、前記重合体(A)が、下記一般式(1)で示されるエステル基を有していることが重要である。
【0018】
【化7】
【0019】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
すなわち、プロトンによる脱離性を有する基をエステル部分にもつエステル基が、重合体(A)に存在することが重要となるのである。これにより、本発明の重合体組成物は、プロトンを供与することによってアルカリ水溶液に対する溶解性が速やかに著しく向上するという特性を発揮するのである。
本発明において、前記プロトンによる脱離性を有する基(以下「脱離性基」と称することもある。)とは、通常の化学増幅型レジストの露光や露光後のベークの処理条件において発生するプロトンによって脱離して水素原子に交換されうる基を意味するものである。脱離性基としては、例えば、炭素原子数が3以上、好ましくは4〜30の有機基であって、2級もしくは3級の立体的に嵩高い置換基、例えば、分岐状アルキル基、環状シクロ残基またはテルペン環を有する置換基が挙げられる。具体的には、t−ブチル基等の分枝状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂環式骨格が一般式CnH2n(但し、nは3以上の整数)で表される環状シクロ環残基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、t−ブトキシカルボニル基等のヘテロ原子を有する官能基;イソボルニル基、メチルアダマンチル基(2−メチル−2−アダマンチル基)、エチルアダマンチル基(2−エチル−2−アダマンチル基)等のテルペン環を有する置換基;ステロイド骨格を有する基;等が挙げられる。これらは、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基等で置換されていてもよい。これらの中でも、特に、t−ブチル基、シクロヘキシルメチル基(メチルシクロヘキシル基)、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、イソボルニル基、アダマンチルメチル基(メチルアダマンチル基)、エチルアダマンチル基が好ましく、特に、t−ブチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基がより好ましい。
【0020】
前記重合体(A)を前記式(1)で示されるエステル基(以下「脱離性エステル基」と称することもある。)を有するものとするためには、前記重合体(a)として脱離性エステル基を有するものを用いればよい。このとき、脱離性エステル基は、重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に存在していてもよいし、前記重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位以外の構造単位に存在していてもよいし、両者に存在していてもよい。詳しくは、i)前記重合体(a)が、下記一般式(2)
【0021】
【化8】
【0022】
(式(2)中、R1は、前記プロトンによる脱離性を有する基である。)
で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有している形態、ii)前記重合体(a)が、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位とともに、前記脱離エステル性を有する構造単位をも有している形態、のいずれであってもよい。さらに詳しくは、前記ii)の形態の場合は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が脱離性エステル基をもつ構成単位(前記一般式(1)で示される構造単位)である形態(ii−1)と、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が脱離性エステル基をもたない構成単位である形態(ii−2)とに分けられる。前記i)の形態の場合は、重合体(a)を得る際に単量体成分の種類を少なく抑えることが可能であるので、安定した組成の重合体(a)を得やすいという利点がある。一方、前記ii)の形態の場合は、重合体(A)における脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量をそれぞれ独立して設定しやすく、所望の物性を発揮するよう得られる重合体組成物のアルカリ可溶性と耐ドライエッチング性とのバランスを調整できるという利点があり、特に(ii−2)の形態の場合は、脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量をそれぞれ単独で設定することが非常に容易である。
【0023】
前記重合体(a)を前記i)の形態とする場合、重合体(a)を得る際の単量体成分におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとして、下記一般式(4)
【0024】
【化9】
【0025】
(式(4)中、R1は、前記プロトンによる脱離性を有する基である。)
で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを用いるようにすればよい。前記一般式(4)で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとしては、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のカルボン酸部分に前記脱離性基がエステル化した化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、後述するA群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルが挙げられる。なお、この場合、単量体成分として、脱離性エステル基を有さないα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマー(例えば、後述するB群に属するモノマー)をも含んでいてもよい。
【0026】
前記重合体(a)を前記ii)の形態とする場合は、本発明の重合体の製造方法によればよい。すなわち、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合し、得られる重合体(a)をラクトン環化する、重合体の製造方法において、前記単量体成分として、下記一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体をも用いる方法である。
【0027】
【化10】
【0028】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
ここで、一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体としては、前記脱離性エステル基を有するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマー(例えば、後述するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマーのうちA群に属するモノマー)が挙げられる。
なお、前記ii)の形態とする場合、必須の単量体成分であるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルは、前記脱離性基をもつもの(例えば、後述するA群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル)であってもよいし、前記脱離性基をもたないもの(例えば、後述するB群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル)であってもよいが、前記脱離性基をもたないα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを用いて、前記(ii−2)の形態とすることが、前述した重合体中の主鎖ラクトン環の導入量と脱離性基の導入量の独立した調整が容易という理由から好ましい。
【0029】
前記重合体(A)の前駆体となる重合体(a)は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とし、必要に応じて、後述するα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルや他のモノマーを含む単量体成分を重合させることにより得られるのであり、単量体成分を構成する各モノマー由来の構造単位を有するものである。
前記α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸テトラヒドロピラニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸テトラヒドロフラニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブトキシカルボニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソボルニル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有するモノマーであり、以下これらをA群とする。);
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−プロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロヘプチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ベンジル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸トリシクロデシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メトキシメチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エトキシメチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−ブトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アダマンチル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有さないモノマーであり、以下これらをB群とする。);
が挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位の含有量は、10〜100重量%であることが好ましい。α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が少なすぎると、重合体(A)に存在するラクトン環の量が少なくなり、充分な耐ドライエッチング性を発現できなくなる傾向がある。また、重合体(a)をラクトン環化させて重合体(A)とする場合、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が多すぎると、ラクトン環化させる際に分子間反応による架橋反応が起こりやすく、ゲル化してしまう恐れがある。したがって、より好ましくは15〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%であるのがよい。
【0031】
前記重合体(a)は、ラクトン環導入量と脱離性基のバランスを調整する上で(特に、前記(ii−2)の形態とする上で)、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位をも含むことが好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位をも含むと、カルボキシル基もしくはエステル基が隣接するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルのヒドロキシメチル基と温和な条件でラクトン環を形成しうるという利点もある。α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシカルボニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有するモノマーであり、以下これらをA群とする。);
アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸シクロブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸1−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル、イタコン酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル、フマル酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有さないモノマーであり、以下これらをB群とする。);等が挙げられる。これらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0032】
前記重合体(a)がα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位を含む場合、重合体(a)におけるα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位の含有量は、α,β−不飽和カルボン酸由来の構造単位が0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるのがよく、α,β−不飽和カルボン酸エステル由来の構造単位が0〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%、さらに好ましくは50〜80重量%であるのがよい。α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位が多すぎると、耐ドライエッチング性が低下する恐れがあり、一方、少なすぎると、アルカリ溶解性が低下する傾向がある。
【0033】
前記重合体(a)は、前記α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル以外のモノマーであって、これらと共重合可能な他のモノマー由来の構造単位を含有していてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、芳香環を有しないモノマーが、ArFレーザーに対する透過性が高く透明性を損なわない点で好ましい。なお、これらは1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
【0034】
前記重合体(a)が前記他のモノマー由来の構造単位を含む場合、重合体(a)におけるこれらモノマー由来の構造単位の含有量は、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下であるのがよい。
なお、本発明においては、前記重合体(a)を構成する構造単位のうち、前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルのB群で構成される構造単位や、前記他のモノマーで構成される構造単位の量によって、重合体(A)における脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量を調整するようにしてもよい。
【0035】
本発明における重合体(A)は、前記単量体成分を重合させて前記重合体(a)を得、該重合体(a)をラクトン環化させることによって得ることができる。以下、重合体(A)を得るための方法について詳しく説明する。
まず、重合体(a)を得る際の重合反応について説明する。
重合に供する前記単量体成分を構成する各モノマーの使用割合は、重合体(a)における各モノマー由来の構造単位の含有量が前述した範囲となるように、適宜設定すればよい。
重合反応の方法としては、特に限定されないが、溶液重合または塊状重合が好ましく、溶液重合が特に好ましい。なお、重合温度、重合時間は、使用する単量体成分の種類、比率等によって異なるが、好ましくは、重合温度0〜150℃、重合時間0.5〜20時間であり、さらに好ましくは、重合温度80〜140℃、重合時間1〜10時間であるのがよい。
【0036】
前記溶液重合においては、得られる重合反応混合物には、得られた重合体(a)以外に溶剤が含まれるが、この溶剤を完全に除去して重合体を固体状態で取り出す必要はなく、該溶剤を含んだ状態で後述するラクトン環化工程に導入することが好ましい。また、必要な場合は固体状態で取り出した後に、続く工程に好適な溶剤を再添加してもよい。また、塊状重合においては、必要に応じて重合後に溶剤を添加してもよいし、重合方法によらず、必要であれば一度固体として取り出した後、溶剤を添加してもよい。また、塊状重合においては、未反応単量体により溶液状態になっていてもよい。
【0037】
前記溶液重合において用いることのできる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、通常のラジカル重合反応で使用されるものを用いることができ、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、DMSO、テトラヒドロフラン;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられる。特に、使用する溶剤の沸点が高すぎると、残存揮発分が多くなることから、処理温度で重合体(a)を溶解しうるもので、沸点が50〜200℃のものが好ましく、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類等がさらに好ましく挙げられる。溶剤の量は、反応混合物全量の5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%とするのがよい。5重量%より少ないと、重合体(a)の粘度が高くなって取り扱いにくくなり、一方、90重量%を超えると、揮発すべき溶剤が多すぎて生産性が低下してしまう。
【0038】
重合反応時には、必要に応じて、通常用いられる重合開始剤を添加してもよい。開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。これらは、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。なお、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
【0039】
前記重合体(a)の重量平均分子量は、特に制限されないが、2000〜30000であることが好ましい。より好ましくは2500〜15000、さらに好ましくは3000〜9000であるのがよい。重合体(a)の重量平均分子量が2000未満であると、ドライエッチング耐性やレジスト形状が悪化し、一方、30000を超えると、プロトンを存在させたときのアルカリに対する溶解性の向上効果が不充分となる。なお、本発明において、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量を意味する。
【0040】
次に、重合体(A)を得るための前記重合体(a)のラクトン環化について説明する。
前記ラクトン環化は、前述したように、前記重合体(a)のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が有する水酸基とα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に隣接する構造単位が有するカルボキシル基もしくはエステル基とを環化縮合させてラクトン環構造を形成する反応であり、該ラクトン環化によって水やアルコールが副生する。なお、重合体(A)は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位がほぼ定量的にラクトン環化していてもよいが、前記重合体(a)のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル構造単位は全てラクトン環化している必要はなく、好ましくは、ラクトン環構造の占める割合が10モル%以上であればよく、より好ましくは15モル%以上であるのがよい。ラクトン環構造の占める割合が高くなりすぎると、溶剤の種類等によっては溶け難くなる傾向があるので、この点からは、ラクトン環構造の占める割合の上限は、90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下であるのがよい。
【0041】
前記ラクトン環化は、例えば、前記重合体(a)を溶媒中で加熱することにより、もしくは、エステル化触媒を用いることにより、効率よく行うことができる。
前記重合体(a)をラクトン環化する際の温度は、50〜300℃とすることが好ましく、80〜200℃とすることがさらに好ましい。前記重合体(a)を溶媒中で加熱する場合、使用する溶媒の沸点以上の温度で加熱するときは、密閉系の適当な装置を用いて加圧条件下で反応させるようにすればよい。また、エステル化触媒を用いると、80〜150℃程度の温和な条件で反応を行うことができる。
【0042】
前記重合体(a)を溶媒中で加熱する場合、用いることのできる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、通常のラジカル重合反応で使用されるものを用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n―ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。特に、使用する溶剤の沸点が高すぎると、残存揮発分が多くなることから、処理温度で重合体(A)を溶解しうるもので、沸点が50〜200℃のものが好ましい。具体的には、ポリマーの溶解性の点からは、エーテル類、ケトン類、エステル類のうち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートが好ましい。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。溶媒の量は、特に制限されないが、例えば、反応混合物全量の5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%とするのがよい。
【0043】
前記エステル化触媒としては、通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いることができ、特に制限はないが、例えば、p−トルエンスルホン酸やフェニルスルホン酸等のスルホン酸類、トリエチルアミン等のアミン類、例えば特開2001−151814号公報等に記載の有機リン化合物等が挙げられる。好ましくは、効果的にラクトン環化を行うことができ、かつ前記プロトンによる脱離性を有する基を脱離させない程度の酸性を有する触媒がよく、具体的には、例えば、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸ジエステルまたはモノエステル、リン酸ジエステルまたはモノエステル、アルキルホスホン酸等が好適である。これら触媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、特に制限はなく、適宜設定すればよい。なお、前記重合体(a)を得る際の単量体成分として前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルを用い、前記重合体(a)がこれら由来の構造単位を含む場合には、該構造単位中のカルボキシル基もしくはエステル基が隣接するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルのヒドロキシメチル基とラクトン環を形成しやすいため、特に触媒を用いなくてもよい場合がある。
【0044】
前記ラクトン環化反応において、ラクトン環化率は必ずしも100モル%である必要はなく、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上であるのがよい。また、ラクトン環化率が高くなりすぎると、溶剤の種類等によっては溶け難くなる傾向があるので、この点からは、ラクトン環化率の上限は、90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下であるのがよい。ラクトン環化率は、例えば、ラクトン環化の際に発生するアルコールおよび/または水をガスクロマトグラフィーや水分計等で定量することにより求めることができる。また、得られた反応溶液から重合体(A)を再沈精製、減圧乾燥し、1H−NMR測定を行うことにより、ラクトン環のメチレン水素と該ラクトン環中のエステル結合に近接するメチレン水素の積分値から算出することも可能である。また、前記重合体(a)を得る際の単量体成分として前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルを用い、前述のように触媒を用いずにラクトン環を形成させた場合には、カルボン酸もしくはエステルとヒドロキシメチル基との反応のみが生じ、他のラクトン環形成反応を生じないので、重合体(a)の組成比(重合体(a)を得る際に用いた単量体成分における各モノマーの仕込み量と重合体(a)中の残存モノマー量とから算出すればよい)から理論酸価を求め、重合体(A)の実際の酸価を電位差滴定等により測定し、両者の値から算出することも可能である。
【0045】
前記重合体(A)の重量平均分子量は、2000〜30000であることが重要である。好ましくは2500〜15000、より好ましくは3000〜9000であるのがよい。重量平均分子量が2000未満であると、ドライエッチング耐性やレジスト形状が悪化し、一方、30000を超えると、プロトンを存在させたときのアルカリに対する溶解性の向上効果が不充分となる。なお、本発明において、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量を意味する。
本発明の重合体組成物は、前記重合体(A)を必須とするものであるが、前記重合体(a)をも含有していてもよい。前記重合体(a)をも含有する場合、本発明の重合体組成物は、前記重合体(a)と前記重合体(A)とをそれぞれ別々に製造した後混合することにより得るようにしてもよいし、前記重合体(a)の一部のみをラクトン環化する(言い換えると、ラクトン環化の際のラクトン環化率を100モル%未満とする)ことにより得るようにしてもよい。
【0046】
本発明の重合体組成物における前記重合体(A)および前記重合体(a)の合計含有量は、組成物中5〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%であるのがよい。また、本発明の重合体組成物が前記重合体(a)をも含有する場合は、両者の比率は、重合体(a)/重合体(A)=50/50〜0/100(重量比)であるのがよい。なお、該比率は、本発明の重合体組成物を前記重合体(a)の一部をラクトン環化することにより得る場合、ラクトン環化率により調整すればよい。
本発明の重合体組成物は、プロトンを供与することによってアルカリに対する溶解性が速やかに著しく向上するという特性を有するものであるが、プロトンを供与する手段は、特に限定されるものではない。例えば、プロトン供与体となる(潜在性)酸触媒を重合体組成物と共存させ、光、プラズマ、放射線等を照射したり、加熱したりすることにより、プロトンを発生させるようにすればよい。この場合、酸触媒としては、例えば、オニウム塩、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホン酸イミド化合物、ジアゾメタン化合物、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸等の有機スルホン酸;塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これら酸触媒の量は、適宜設定すればよく、特に限定されない。なお、本発明の重合体組成物を用いる場合、プロトンを発生させるための酸触媒は、予め本発明の重合体組成物に配合しておいてもよいし、アルカリに対する溶解性を向上させようとする際の直前に配合するようにしてもよい。
【0047】
本発明の重合体組成物を用いる場合、本発明の重合体組成物は、必要に応じて、希釈剤により希釈されていてもよい。希釈剤としては、特に制限はなく、公知の溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられる。希釈剤の使用量は、用途に応じて適宜設定すればよいが、例えば、重合体(A)および重合体(a)の合計量100重量部に対して5〜500重量部とすることが好ましい。
【0048】
本発明の重合体組成物を用いる場合、本発明の重合体組成物にさらに必要に応じて、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、ハレーション防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を添加してもよい。また、一般に、化学増幅型レジスト組成物に用いられるアクリル系共重合体等を配合してもよい。これらの添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜設定すればよい。
本発明の重合体組成物は、プロトンを存在させることにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を速やかに著しく向上させることができるので、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料として極めて有用なものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の各実施例および各比較例において、「部」の記載は、「重量部」を示し、「%」の記載は、「重量%」を示す。
〔実施例1〕
攪拌装置、窒素導入装置、温度計、冷却管を備えたフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)30部を仕込み、窒素置換しながら90℃まで昇温した。次いで、該フラスコ内に、t−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)24部、t−ブチルアクリレート(TBA)16部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO;日本油脂製「パーブチルO」)0.8部、および、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)30部を、2時間かけて等速で滴下し、重合反応を行った。滴下後、同温度で3時間熟成反応を行った。その後、リン酸メチル0.3部を投入し、130℃まで昇温して5時間攪拌を続けた。次に、得られた反応液にテトラヒドロキシフラン200部を加えて希釈し、該希釈液をメタノール/水混合液(2/1体積比)中に投入し、析出した析出物を濾過した後60℃で減圧乾燥して、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。
【0050】
得られた重合体組成物(重合体(a)および重合体(A))のゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量は9,000であり、ラクトン環化率は、1H−NMR測定におけるラクトン環のメチレン水素ピーク(4〜5ppm)とラクトン環化せずに残っているヒドロキシメチルのメチレン水素ピーク(3〜4ppm)との積分比から、95モル%であった。このときの1H−NMRチャートを図1に示す。
〔実施例2、3〕
実施例1で用いたt−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)の代わりに、実施例2では2−メチル−2−アダマンチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(AMHMA)を、実施例3では1−メチル−1−シクロヘキシル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(CMHMA)を、それぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。得られた重合体組成物について、実施例1と同様に重量平均分子量およびラクトン環化率を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
〔実施例4〕
攪拌装置、窒素導入装置、温度計、冷却管を備えたフラスコに、1,4−ジオキサン95部、t−ブチルアクリレート(TBA)1.7部、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(EMHA)8部、およびメタクリル酸35.2部を仕込み、窒素置換しながら80℃まで昇温した。次いで、該フラスコ内に、ジメチル−2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬製「V−601」)3部をジオキサン5部に溶解させた開始剤溶液を投入した。開始剤溶液を投入してから10分後に、t−ブチルアクリレート(TBA)9.9部、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(EMHA)45.2部、メタクリル酸29.2部、およびジメチル−2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬製「V−601」)17部からなる混合物を、2時間かけて等速で滴下し、重合反応を行った。滴下後、同温度で1.5時間熟成反応を行った。次に、得られた反応液にテトラヒドロキシフラン100部を加えて希釈し、該希釈液をメタノール/水混合液(2/1体積比)中に投入し、析出した析出物を濾過した後60℃で減圧乾燥して、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。得られた重合体組成物について、実施例1と同様に重量平均分子量およびラクトン環化率を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
〔比較例1〕
実施例1で用いたt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO)の量を0.05部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較用の重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の重量平均分子量およびラクトン環化率は表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1で用いたt−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)の代わりにメチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(MHMA)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較用の重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の重量平均分子量およびラクトン環化率は表1に示す。
【0053】
次に、上記実施例および比較例で得られた重合体組成物にプロトンを供与したときの供与前後のアルカリ水溶液に対する溶解性を下記の方法で測定し、フォトリソグラフィー性を評価した。
得られた重合体組成物20gをジオキサン50gに溶解し、トリフルオロメチルスルホン酸0.211gを添加して、100℃で1時間反応させることによりプロトンを供与した。反応前の重合体組成物および反応後の反応液をそれぞれスピンコートで乾燥膜厚が1μmの厚みになるように石英板にコートし、23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドの5%水溶液に10秒間浸漬した際の溶解膜厚を表面粗さ測定システム(日本真空技術社製「DEKTAK−II−A」)にて測定することにより、反応前および反応後のアルカリ水溶液溶解速度(m/秒)を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1の結果より、実施例1〜4の重合体組成物は、反応前の溶解速度が2×10−9〜5×10−9m/秒または0m/秒と非常に遅く、かつ反応後の溶解速度が10−7m/秒以上と非常に大きな値となり、酸触媒反応前後でのアルカリ溶解速度が大きく変化することが明らかであり、フォトリソグラフィー用重合体組成物として好適であることが判った。一方、比較例1、2の重合体組成物は、反応後の溶解速度があまり大きくなく、フォトリソグラフィー用重合体組成物として好ましいものではないことが明らかであった。
【0056】
【発明の効果】
本発明にかかる重合体組成物は、プロトンを存在させることにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を速やかに著しく向上させることができるので、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料として有用である。また、本発明の重合体組成物は、良好なドライエッチング耐性を発揮することが可能となるので、ArFエキシマレーザーによるリソグラフィにおいて好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において測定した1H−NMRチャートを表す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にポジ型レジスト材料として有用な重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子あるいは液晶素子の製造における微細加工の分野においてはリソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が用いられており、用いられる光源としては、具体的には従来のg線やi線に代表される紫外線からDUVへ変化してきている。これまでポジ型レジスト材料としては、KrFエキシマレーザー光(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレンやこれの水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが用いられてきた。しかしながら、今日では、半導体素子の微細化はますます進み、ArFエキシマレーザー光(193nm)を用いたプロセスの開発が精力的に進められている。
【0003】
ArFエキシマレーザー光(193nm)を用いるプロセスでは、ポリヒドロキシスチレンのようなベンゼン環を有する樹脂は、この光に対して透明性が不充分であるという欠点を有している。このような欠点を克服するため、ベンゼン環を有さず、かつ耐ドライエッチング性に優れる樹脂として、エステル部にアダマンタン骨格を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルから誘導される単位を主鎖に有する樹脂が提案されている。このような樹脂は、透明性を阻害するベンゼン環の代わりに脂環式構造を存在させることにより、透明性と耐ドライエッチング性とを両立させたものであるが、その脂環式構造がアダマンタン骨格であることから、疎水性が強く、アルカリ現像性に問題があるものであり、近年、さらに超微細のパターンが要求されている半導体素子分野におけるポジ型レジストとしては、もはや充分に満足する性能が得られなくなっているのが現状である。そこで、透明性および耐ドライエッチング性を兼ね備えると同時に、プロトンの作用によるアルカリ溶解性に優れたポジ型レジスト用樹脂組成物が要望されている。
【0004】
ところで、ArFエキシマレーザー光を用いたレジストに適した組成物として、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステルに由来する構造をもった重合体を利用したものとしては、1)脱離後オレフィンとなる基を持つα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有する重合体を含むレジスト組成物(特許文献1参照)や、2)α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル(共)重合体を含むネガ型レジスト組成物(特許文献2参照)が報告されており、ラクトン環をもった重合体を利用したものとしては、3)(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル由来の構造単位と側鎖にラクトン環を持つ構造単位とを有する重合体を含むポジ型レジスト組成物(特許文献3参照)が報告されている。しかし、前記1)および3)の組成物は、ラクトン環を有さないか、あるいはラクトン環が存在する場合も側鎖に存在することとなるため、後述するように、本発明で期待しうる主鎖に存在するラクトン環による耐ドライエッチング性向上効果は得られないと考えられる。また、前記2)の組成物はネガ型レジスト組成物であり、プロトンの作用によるアルカリ溶解性の改良を目指した本発明とは、思想を異にするものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2000−131847号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平2000−206694号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平2001−215704号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料を提供することに鑑み、透明性を損なわず良好な耐ドライエッチング性を発現させうる主鎖ラクトン環構造を有するとともに、プロトンの存在によりアルカリ可溶性を速やかに著しく向上させることができる重合体を提供すること、さらに、該重合体を、これが有する前記アルカリ可溶性と前記ラクトン環構造による耐ドライエッチング性とを所望のバランスに調整して得ることができる重合体の製造方法を提供すること、を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有する重合体をラクトン環化させることにより主鎖に形成されるラクトン環構造が存在すると、主鎖が部分的に2本になり、耐ドライエッチング性を向上させることができること、プロトンによる脱離性を有する基をエステル部分にもつエステル基を存在させることにより、プロトンの作用によるアルカリ可溶性が向上すること、さらに、プロトンによる脱離性を有する基をもつ前記エステル基をα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとは異なる単量体によって導入することにより、耐ドライエッチング性を発現する前記主鎖ラクトン環の量と、アルカリ可溶性を発現する前記プロトンによる脱離性を有する基をもつ前記エステル基の量とをそれぞれ独立して設定することができること、を見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明にかかる重合体は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)がラクトン環化されてなる重合体(A)を必須とし、前記重合体(a)をも含有することがある重合体であって、前記重合体(A)が下記一般式(1)で示されるエステル基を有しており、前記重合体(A)の重量平均分子量が2000〜30000である、ことを特徴とする。なお、本発明の重合体は、重合体(A)とともに、重合体(a)をも含有することがあるので、便宜上、「重合体組成物」と称することがある。
【0011】
【化4】
【0012】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
本発明にかかる重合体の製造方法は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合し、得られる重合体(a)をラクトン環化する、重合体の製造方法において、前記単量体成分として、下記一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体をも用いる、ことを特徴とする。
【0013】
【化5】
【0014】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体組成物は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)がラクトン環化されてなる重合体(A)を必須とするものである。詳しくは、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合してなる重合体(a)は、主鎖(重合体の主骨格)中にα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有するものであり、本発明におけるラクトン環化とは、前記重合体(a)が有するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位の水酸基と該α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に隣接する構造単位のカルボキシル基もしくはエステル基とを環化縮合させて、重合体の主鎖(重合体の主骨格)中にラクトン環構造を形成することである。したがって、前記重合体(A)は、その主鎖(主骨格)中にラクトン環構造を有するものであり、該主鎖のラクトン環構造によって良好なドライエッチング耐性を発現することができるのである。なお、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位から形成される前記ラクトン環構造は、例えばα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとして後述する一般式(4)で示すものを用いた場合、下記一般式(3)で表される構造(R1で表されるプロトンによる脱離性を有する基については後述する。)となる。
【0016】
【化6】
【0017】
(式(3)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
本発明においては、前記重合体(A)が、下記一般式(1)で示されるエステル基を有していることが重要である。
【0018】
【化7】
【0019】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
すなわち、プロトンによる脱離性を有する基をエステル部分にもつエステル基が、重合体(A)に存在することが重要となるのである。これにより、本発明の重合体組成物は、プロトンを供与することによってアルカリ水溶液に対する溶解性が速やかに著しく向上するという特性を発揮するのである。
本発明において、前記プロトンによる脱離性を有する基(以下「脱離性基」と称することもある。)とは、通常の化学増幅型レジストの露光や露光後のベークの処理条件において発生するプロトンによって脱離して水素原子に交換されうる基を意味するものである。脱離性基としては、例えば、炭素原子数が3以上、好ましくは4〜30の有機基であって、2級もしくは3級の立体的に嵩高い置換基、例えば、分岐状アルキル基、環状シクロ残基またはテルペン環を有する置換基が挙げられる。具体的には、t−ブチル基等の分枝状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の脂環式骨格が一般式CnH2n(但し、nは3以上の整数)で表される環状シクロ環残基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、t−ブトキシカルボニル基等のヘテロ原子を有する官能基;イソボルニル基、メチルアダマンチル基(2−メチル−2−アダマンチル基)、エチルアダマンチル基(2−エチル−2−アダマンチル基)等のテルペン環を有する置換基;ステロイド骨格を有する基;等が挙げられる。これらは、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基等で置換されていてもよい。これらの中でも、特に、t−ブチル基、シクロヘキシルメチル基(メチルシクロヘキシル基)、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、イソボルニル基、アダマンチルメチル基(メチルアダマンチル基)、エチルアダマンチル基が好ましく、特に、t−ブチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基がより好ましい。
【0020】
前記重合体(A)を前記式(1)で示されるエステル基(以下「脱離性エステル基」と称することもある。)を有するものとするためには、前記重合体(a)として脱離性エステル基を有するものを用いればよい。このとき、脱離性エステル基は、重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に存在していてもよいし、前記重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位以外の構造単位に存在していてもよいし、両者に存在していてもよい。詳しくは、i)前記重合体(a)が、下記一般式(2)
【0021】
【化8】
【0022】
(式(2)中、R1は、前記プロトンによる脱離性を有する基である。)
で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位を有している形態、ii)前記重合体(a)が、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位とともに、前記脱離エステル性を有する構造単位をも有している形態、のいずれであってもよい。さらに詳しくは、前記ii)の形態の場合は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が脱離性エステル基をもつ構成単位(前記一般式(1)で示される構造単位)である形態(ii−1)と、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が脱離性エステル基をもたない構成単位である形態(ii−2)とに分けられる。前記i)の形態の場合は、重合体(a)を得る際に単量体成分の種類を少なく抑えることが可能であるので、安定した組成の重合体(a)を得やすいという利点がある。一方、前記ii)の形態の場合は、重合体(A)における脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量をそれぞれ独立して設定しやすく、所望の物性を発揮するよう得られる重合体組成物のアルカリ可溶性と耐ドライエッチング性とのバランスを調整できるという利点があり、特に(ii−2)の形態の場合は、脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量をそれぞれ単独で設定することが非常に容易である。
【0023】
前記重合体(a)を前記i)の形態とする場合、重合体(a)を得る際の単量体成分におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとして、下記一般式(4)
【0024】
【化9】
【0025】
(式(4)中、R1は、前記プロトンによる脱離性を有する基である。)
で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを用いるようにすればよい。前記一般式(4)で示されるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとしては、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のカルボン酸部分に前記脱離性基がエステル化した化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、後述するA群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルが挙げられる。なお、この場合、単量体成分として、脱離性エステル基を有さないα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマー(例えば、後述するB群に属するモノマー)をも含んでいてもよい。
【0026】
前記重合体(a)を前記ii)の形態とする場合は、本発明の重合体の製造方法によればよい。すなわち、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とする単量体成分を重合し、得られる重合体(a)をラクトン環化する、重合体の製造方法において、前記単量体成分として、下記一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体をも用いる方法である。
【0027】
【化10】
【0028】
(式(1)中、R1は、プロトンによる脱離性を有する基である。)
ここで、一般式(1)で示されるエステル基を有する単量体としては、前記脱離性エステル基を有するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマー(例えば、後述するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル以外の他のモノマーのうちA群に属するモノマー)が挙げられる。
なお、前記ii)の形態とする場合、必須の単量体成分であるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルは、前記脱離性基をもつもの(例えば、後述するA群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル)であってもよいし、前記脱離性基をもたないもの(例えば、後述するB群のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル)であってもよいが、前記脱離性基をもたないα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを用いて、前記(ii−2)の形態とすることが、前述した重合体中の主鎖ラクトン環の導入量と脱離性基の導入量の独立した調整が容易という理由から好ましい。
【0029】
前記重合体(A)の前駆体となる重合体(a)は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを必須とし、必要に応じて、後述するα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルや他のモノマーを含む単量体成分を重合させることにより得られるのであり、単量体成分を構成する各モノマー由来の構造単位を有するものである。
前記α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸テトラヒドロピラニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸テトラヒドロフラニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブトキシカルボニル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソボルニル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有するモノマーであり、以下これらをA群とする。);
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−プロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロペンチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロヘプチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ベンジル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸トリシクロデシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロブチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メトキシメチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エトキシメチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−メトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−エトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸1−ブトキシエチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アダマンチル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有さないモノマーであり、以下これらをB群とする。);
が挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記重合体(a)におけるα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位の含有量は、10〜100重量%であることが好ましい。α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が少なすぎると、重合体(A)に存在するラクトン環の量が少なくなり、充分な耐ドライエッチング性を発現できなくなる傾向がある。また、重合体(a)をラクトン環化させて重合体(A)とする場合、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が多すぎると、ラクトン環化させる際に分子間反応による架橋反応が起こりやすく、ゲル化してしまう恐れがある。したがって、より好ましくは15〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%であるのがよい。
【0031】
前記重合体(a)は、ラクトン環導入量と脱離性基のバランスを調整する上で(特に、前記(ii−2)の形態とする上で)、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位をも含むことが好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位をも含むと、カルボキシル基もしくはエステル基が隣接するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルのヒドロキシメチル基と温和な条件でラクトン環を形成しうるという利点もある。α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−)シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−(または−2−、または−3−、または−4−)シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシカルボニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有するモノマーであり、以下これらをA群とする。);
アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシル、(メタ)アクリル酸シクロブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸1−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル、イタコン酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル、フマル酸の脱離性エステル基を有さないモノエステル等(以上に挙げたものは、脱離性エステル基を有さないモノマーであり、以下これらをB群とする。);等が挙げられる。これらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0032】
前記重合体(a)がα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位を含む場合、重合体(a)におけるα,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位の含有量は、α,β−不飽和カルボン酸由来の構造単位が0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であるのがよく、α,β−不飽和カルボン酸エステル由来の構造単位が0〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%、さらに好ましくは50〜80重量%であるのがよい。α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル由来の構造単位が多すぎると、耐ドライエッチング性が低下する恐れがあり、一方、少なすぎると、アルカリ溶解性が低下する傾向がある。
【0033】
前記重合体(a)は、前記α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステル以外のモノマーであって、これらと共重合可能な他のモノマー由来の構造単位を含有していてもよい。他のモノマーとしては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、芳香環を有しないモノマーが、ArFレーザーに対する透過性が高く透明性を損なわない点で好ましい。なお、これらは1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
【0034】
前記重合体(a)が前記他のモノマー由来の構造単位を含む場合、重合体(a)におけるこれらモノマー由来の構造単位の含有量は、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下であるのがよい。
なお、本発明においては、前記重合体(a)を構成する構造単位のうち、前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルのB群で構成される構造単位や、前記他のモノマーで構成される構造単位の量によって、重合体(A)における脱離性エステル基の量とラクトン環構造の量を調整するようにしてもよい。
【0035】
本発明における重合体(A)は、前記単量体成分を重合させて前記重合体(a)を得、該重合体(a)をラクトン環化させることによって得ることができる。以下、重合体(A)を得るための方法について詳しく説明する。
まず、重合体(a)を得る際の重合反応について説明する。
重合に供する前記単量体成分を構成する各モノマーの使用割合は、重合体(a)における各モノマー由来の構造単位の含有量が前述した範囲となるように、適宜設定すればよい。
重合反応の方法としては、特に限定されないが、溶液重合または塊状重合が好ましく、溶液重合が特に好ましい。なお、重合温度、重合時間は、使用する単量体成分の種類、比率等によって異なるが、好ましくは、重合温度0〜150℃、重合時間0.5〜20時間であり、さらに好ましくは、重合温度80〜140℃、重合時間1〜10時間であるのがよい。
【0036】
前記溶液重合においては、得られる重合反応混合物には、得られた重合体(a)以外に溶剤が含まれるが、この溶剤を完全に除去して重合体を固体状態で取り出す必要はなく、該溶剤を含んだ状態で後述するラクトン環化工程に導入することが好ましい。また、必要な場合は固体状態で取り出した後に、続く工程に好適な溶剤を再添加してもよい。また、塊状重合においては、必要に応じて重合後に溶剤を添加してもよいし、重合方法によらず、必要であれば一度固体として取り出した後、溶剤を添加してもよい。また、塊状重合においては、未反応単量体により溶液状態になっていてもよい。
【0037】
前記溶液重合において用いることのできる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、通常のラジカル重合反応で使用されるものを用いることができ、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、DMSO、テトラヒドロフラン;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられる。特に、使用する溶剤の沸点が高すぎると、残存揮発分が多くなることから、処理温度で重合体(a)を溶解しうるもので、沸点が50〜200℃のものが好ましく、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類等がさらに好ましく挙げられる。溶剤の量は、反応混合物全量の5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%とするのがよい。5重量%より少ないと、重合体(a)の粘度が高くなって取り扱いにくくなり、一方、90重量%を超えると、揮発すべき溶剤が多すぎて生産性が低下してしまう。
【0038】
重合反応時には、必要に応じて、通常用いられる重合開始剤を添加してもよい。開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。これらは、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。なお、開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
【0039】
前記重合体(a)の重量平均分子量は、特に制限されないが、2000〜30000であることが好ましい。より好ましくは2500〜15000、さらに好ましくは3000〜9000であるのがよい。重合体(a)の重量平均分子量が2000未満であると、ドライエッチング耐性やレジスト形状が悪化し、一方、30000を超えると、プロトンを存在させたときのアルカリに対する溶解性の向上効果が不充分となる。なお、本発明において、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量を意味する。
【0040】
次に、重合体(A)を得るための前記重合体(a)のラクトン環化について説明する。
前記ラクトン環化は、前述したように、前記重合体(a)のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位が有する水酸基とα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位に隣接する構造単位が有するカルボキシル基もしくはエステル基とを環化縮合させてラクトン環構造を形成する反応であり、該ラクトン環化によって水やアルコールが副生する。なお、重合体(A)は、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位がほぼ定量的にラクトン環化していてもよいが、前記重合体(a)のα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル構造単位は全てラクトン環化している必要はなく、好ましくは、ラクトン環構造の占める割合が10モル%以上であればよく、より好ましくは15モル%以上であるのがよい。ラクトン環構造の占める割合が高くなりすぎると、溶剤の種類等によっては溶け難くなる傾向があるので、この点からは、ラクトン環構造の占める割合の上限は、90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下であるのがよい。
【0041】
前記ラクトン環化は、例えば、前記重合体(a)を溶媒中で加熱することにより、もしくは、エステル化触媒を用いることにより、効率よく行うことができる。
前記重合体(a)をラクトン環化する際の温度は、50〜300℃とすることが好ましく、80〜200℃とすることがさらに好ましい。前記重合体(a)を溶媒中で加熱する場合、使用する溶媒の沸点以上の温度で加熱するときは、密閉系の適当な装置を用いて加圧条件下で反応させるようにすればよい。また、エステル化触媒を用いると、80〜150℃程度の温和な条件で反応を行うことができる。
【0042】
前記重合体(a)を溶媒中で加熱する場合、用いることのできる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、通常のラジカル重合反応で使用されるものを用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n―ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。特に、使用する溶剤の沸点が高すぎると、残存揮発分が多くなることから、処理温度で重合体(A)を溶解しうるもので、沸点が50〜200℃のものが好ましい。具体的には、ポリマーの溶解性の点からは、エーテル類、ケトン類、エステル類のうち、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートが好ましい。これら溶媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。溶媒の量は、特に制限されないが、例えば、反応混合物全量の5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%とするのがよい。
【0043】
前記エステル化触媒としては、通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いることができ、特に制限はないが、例えば、p−トルエンスルホン酸やフェニルスルホン酸等のスルホン酸類、トリエチルアミン等のアミン類、例えば特開2001−151814号公報等に記載の有機リン化合物等が挙げられる。好ましくは、効果的にラクトン環化を行うことができ、かつ前記プロトンによる脱離性を有する基を脱離させない程度の酸性を有する触媒がよく、具体的には、例えば、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸ジエステルまたはモノエステル、リン酸ジエステルまたはモノエステル、アルキルホスホン酸等が好適である。これら触媒は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、特に制限はなく、適宜設定すればよい。なお、前記重合体(a)を得る際の単量体成分として前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルを用い、前記重合体(a)がこれら由来の構造単位を含む場合には、該構造単位中のカルボキシル基もしくはエステル基が隣接するα−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルのヒドロキシメチル基とラクトン環を形成しやすいため、特に触媒を用いなくてもよい場合がある。
【0044】
前記ラクトン環化反応において、ラクトン環化率は必ずしも100モル%である必要はなく、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上であるのがよい。また、ラクトン環化率が高くなりすぎると、溶剤の種類等によっては溶け難くなる傾向があるので、この点からは、ラクトン環化率の上限は、90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下であるのがよい。ラクトン環化率は、例えば、ラクトン環化の際に発生するアルコールおよび/または水をガスクロマトグラフィーや水分計等で定量することにより求めることができる。また、得られた反応溶液から重合体(A)を再沈精製、減圧乾燥し、1H−NMR測定を行うことにより、ラクトン環のメチレン水素と該ラクトン環中のエステル結合に近接するメチレン水素の積分値から算出することも可能である。また、前記重合体(a)を得る際の単量体成分として前記α,β−不飽和カルボン酸もしくはこれらのエステルを用い、前述のように触媒を用いずにラクトン環を形成させた場合には、カルボン酸もしくはエステルとヒドロキシメチル基との反応のみが生じ、他のラクトン環形成反応を生じないので、重合体(a)の組成比(重合体(a)を得る際に用いた単量体成分における各モノマーの仕込み量と重合体(a)中の残存モノマー量とから算出すればよい)から理論酸価を求め、重合体(A)の実際の酸価を電位差滴定等により測定し、両者の値から算出することも可能である。
【0045】
前記重合体(A)の重量平均分子量は、2000〜30000であることが重要である。好ましくは2500〜15000、より好ましくは3000〜9000であるのがよい。重量平均分子量が2000未満であると、ドライエッチング耐性やレジスト形状が悪化し、一方、30000を超えると、プロトンを存在させたときのアルカリに対する溶解性の向上効果が不充分となる。なお、本発明において、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量を意味する。
本発明の重合体組成物は、前記重合体(A)を必須とするものであるが、前記重合体(a)をも含有していてもよい。前記重合体(a)をも含有する場合、本発明の重合体組成物は、前記重合体(a)と前記重合体(A)とをそれぞれ別々に製造した後混合することにより得るようにしてもよいし、前記重合体(a)の一部のみをラクトン環化する(言い換えると、ラクトン環化の際のラクトン環化率を100モル%未満とする)ことにより得るようにしてもよい。
【0046】
本発明の重合体組成物における前記重合体(A)および前記重合体(a)の合計含有量は、組成物中5〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%であるのがよい。また、本発明の重合体組成物が前記重合体(a)をも含有する場合は、両者の比率は、重合体(a)/重合体(A)=50/50〜0/100(重量比)であるのがよい。なお、該比率は、本発明の重合体組成物を前記重合体(a)の一部をラクトン環化することにより得る場合、ラクトン環化率により調整すればよい。
本発明の重合体組成物は、プロトンを供与することによってアルカリに対する溶解性が速やかに著しく向上するという特性を有するものであるが、プロトンを供与する手段は、特に限定されるものではない。例えば、プロトン供与体となる(潜在性)酸触媒を重合体組成物と共存させ、光、プラズマ、放射線等を照射したり、加熱したりすることにより、プロトンを発生させるようにすればよい。この場合、酸触媒としては、例えば、オニウム塩、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホン酸イミド化合物、ジアゾメタン化合物、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸等の有機スルホン酸;塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これら酸触媒の量は、適宜設定すればよく、特に限定されない。なお、本発明の重合体組成物を用いる場合、プロトンを発生させるための酸触媒は、予め本発明の重合体組成物に配合しておいてもよいし、アルカリに対する溶解性を向上させようとする際の直前に配合するようにしてもよい。
【0047】
本発明の重合体組成物を用いる場合、本発明の重合体組成物は、必要に応じて、希釈剤により希釈されていてもよい。希釈剤としては、特に制限はなく、公知の溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;等が挙げられる。希釈剤の使用量は、用途に応じて適宜設定すればよいが、例えば、重合体(A)および重合体(a)の合計量100重量部に対して5〜500重量部とすることが好ましい。
【0048】
本発明の重合体組成物を用いる場合、本発明の重合体組成物にさらに必要に応じて、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、ハレーション防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を添加してもよい。また、一般に、化学増幅型レジスト組成物に用いられるアクリル系共重合体等を配合してもよい。これらの添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜設定すればよい。
本発明の重合体組成物は、プロトンを存在させることにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を速やかに著しく向上させることができるので、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料として極めて有用なものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の各実施例および各比較例において、「部」の記載は、「重量部」を示し、「%」の記載は、「重量%」を示す。
〔実施例1〕
攪拌装置、窒素導入装置、温度計、冷却管を備えたフラスコに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)30部を仕込み、窒素置換しながら90℃まで昇温した。次いで、該フラスコ内に、t−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)24部、t−ブチルアクリレート(TBA)16部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO;日本油脂製「パーブチルO」)0.8部、および、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)30部を、2時間かけて等速で滴下し、重合反応を行った。滴下後、同温度で3時間熟成反応を行った。その後、リン酸メチル0.3部を投入し、130℃まで昇温して5時間攪拌を続けた。次に、得られた反応液にテトラヒドロキシフラン200部を加えて希釈し、該希釈液をメタノール/水混合液(2/1体積比)中に投入し、析出した析出物を濾過した後60℃で減圧乾燥して、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。
【0050】
得られた重合体組成物(重合体(a)および重合体(A))のゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算での重量平均分子量は9,000であり、ラクトン環化率は、1H−NMR測定におけるラクトン環のメチレン水素ピーク(4〜5ppm)とラクトン環化せずに残っているヒドロキシメチルのメチレン水素ピーク(3〜4ppm)との積分比から、95モル%であった。このときの1H−NMRチャートを図1に示す。
〔実施例2、3〕
実施例1で用いたt−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)の代わりに、実施例2では2−メチル−2−アダマンチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(AMHMA)を、実施例3では1−メチル−1−シクロヘキシル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(CMHMA)を、それぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。得られた重合体組成物について、実施例1と同様に重量平均分子量およびラクトン環化率を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
〔実施例4〕
攪拌装置、窒素導入装置、温度計、冷却管を備えたフラスコに、1,4−ジオキサン95部、t−ブチルアクリレート(TBA)1.7部、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(EMHA)8部、およびメタクリル酸35.2部を仕込み、窒素置換しながら80℃まで昇温した。次いで、該フラスコ内に、ジメチル−2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬製「V−601」)3部をジオキサン5部に溶解させた開始剤溶液を投入した。開始剤溶液を投入してから10分後に、t−ブチルアクリレート(TBA)9.9部、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(EMHA)45.2部、メタクリル酸29.2部、およびジメチル−2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル(和光純薬製「V−601」)17部からなる混合物を、2時間かけて等速で滴下し、重合反応を行った。滴下後、同温度で1.5時間熟成反応を行った。次に、得られた反応液にテトラヒドロキシフラン100部を加えて希釈し、該希釈液をメタノール/水混合液(2/1体積比)中に投入し、析出した析出物を濾過した後60℃で減圧乾燥して、本発明における重合体(a)とラクトン環含有重合体(A)とを含む重合体組成物を得た。得られた重合体組成物について、実施例1と同様に重量平均分子量およびラクトン環化率を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
〔比較例1〕
実施例1で用いたt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO)の量を0.05部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較用の重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の重量平均分子量およびラクトン環化率は表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1で用いたt−ブチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(TBMHA)の代わりにメチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレート(MHMA)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較用の重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の重量平均分子量およびラクトン環化率は表1に示す。
【0053】
次に、上記実施例および比較例で得られた重合体組成物にプロトンを供与したときの供与前後のアルカリ水溶液に対する溶解性を下記の方法で測定し、フォトリソグラフィー性を評価した。
得られた重合体組成物20gをジオキサン50gに溶解し、トリフルオロメチルスルホン酸0.211gを添加して、100℃で1時間反応させることによりプロトンを供与した。反応前の重合体組成物および反応後の反応液をそれぞれスピンコートで乾燥膜厚が1μmの厚みになるように石英板にコートし、23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドの5%水溶液に10秒間浸漬した際の溶解膜厚を表面粗さ測定システム(日本真空技術社製「DEKTAK−II−A」)にて測定することにより、反応前および反応後のアルカリ水溶液溶解速度(m/秒)を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1の結果より、実施例1〜4の重合体組成物は、反応前の溶解速度が2×10−9〜5×10−9m/秒または0m/秒と非常に遅く、かつ反応後の溶解速度が10−7m/秒以上と非常に大きな値となり、酸触媒反応前後でのアルカリ溶解速度が大きく変化することが明らかであり、フォトリソグラフィー用重合体組成物として好適であることが判った。一方、比較例1、2の重合体組成物は、反応後の溶解速度があまり大きくなく、フォトリソグラフィー用重合体組成物として好ましいものではないことが明らかであった。
【0056】
【発明の効果】
本発明にかかる重合体組成物は、プロトンを存在させることにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を速やかに著しく向上させることができるので、優れた性能を発揮しうるポジ型レジスト材料として有用である。また、本発明の重合体組成物は、良好なドライエッチング耐性を発揮することが可能となるので、ArFエキシマレーザーによるリソグラフィにおいて好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において測定した1H−NMRチャートを表す。
Claims (7)
- 前記重合体(a)が、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル由来の構造単位とともに、前記一般式(1)で示されるエステル基を有する構造単位をも有している、請求項1または2に記載の重合体。
- 前記プロトンによる脱離性を有する基が、t−ブチル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、シクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシル基、アダマンチルメチル基、エチルアダマンチル基、イソボルニル基からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の重合体。
- ポジ型レジスト材料である、請求項1から4までのいずれかに記載の重合体。
- 前記α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルがプロトンによる脱離性を有する基をもたないものである、請求項6に記載の重合体の製造方法。
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