JP4481790B2 - 重合性化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重合性化合物、その製造方法および重合体に関する。
近年、LSI等の半導体集積回路はその集積度を益々高めており、半導体集積回路の製造においては超微細パターンの加工が必要となってきている。そのため、フォトリソグラフィーに使用される光源波長は益々短波長化し、従来のg線、i線に代わってエキシマレーザー光の使用が検討され、実用化に至っている。特にエキシマレーザー光を使用した場合は、高感度のフォトレジストとして、化学増幅型ポジ型フォトレジストが開発されている。化学増幅型ポジ型フォトレジストは、樹脂、および露光により酸を発生する物質(光酸発生剤)を含んでおり、以下の工程によりパターンを形成する。まず、フォトレジストをスピンコーター等で基板に塗布し、乾燥により塗膜を得る。次に、パターン露光により酸が発生し、露光後の加熱処理(PEB)により酸の拡散、および酸による触媒反応が起こり、溶解抑止剤が失活して、あるいは樹脂の酸性基の保護基が脱離して、露光部分がアルカリ現像液に可溶となる。
化学増幅型ポジ型フォトレジストに使用される樹脂としては、例えば、特許文献1に記載されるポリヒドロキシスチレン系の樹脂、特許文献2に記載されるアクリル系樹脂、特許文献3に記載されるフェノール性水酸基が酸で脱離する保護基で保護されたノボラック樹脂などが検討されている。フォトレジストの高感度化、高解像度化には、露光に対する光透過性、そしてなによりもアルカリ溶解性が必要とされる。しかしながら、これら樹脂は、光透過性、アルカリ溶解性を同時に、かつ十分に満足するものではなかった。
本発明者らは、特許文献4にて、フォトレジストのさらなる高感度化、高解像度化を目指すべく、光透過性、アルカリ溶解性がポリヒドロキシスチレンよりも優れるN−置換アクリルアミド単位を有する重合体を提案した。また、特許文献5には、フェノール性水酸基が酸で脱離する保護基で保護されたN−置換アクリルアミド単位を有する重合体が示されている。しかしながら、これら重合体は、構造中にアミド結合を有しているため、これが露光により発生した酸を消費する(クエンチャーとして作用する)ことにより、実質的にフォトレジストの高感度化、高解像度化が達成されない。
また、特許文献6には、フェノール性水酸基がエーテルで保護された重合性化合物、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸メチルからなる三元共重合体が示されている。これによると、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノールのフェノール性水酸基をt−ブチルブロモアセテートで保護し、次いで、これとメタクリロイルクロライドとを反応させて得られた重合性化合物を使用している。この製造方法では、大量のハロゲン化物の廃液が発生し工業的に有利な製造方法ではないばかりか、ポリマー中にフェノール性水酸基がないため、アルカリ溶解性、密着性の点で満足できる物ではない。
特開2004−109959号公報 特開2004−126605号公報 特開2004−115724号公報 特開2003−73424号公報 特開平6−214387号公報 特開平10−142801号公報
よって、本発明の目的は、フォトレジストの高感度化、高解像度化を可能にするため、良好な光透過性、アルカリ溶解性を同時に満たし、かつ露光により発生した酸を消費しないフォトレジスト用樹脂として有用な重合体、この重合体を得るための重合性化合物、およびハロゲン化物の廃液を発生させることなく重合性化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を加えた結果、下記式(I)で示される、フェノールのベンゼン核と(メタ)アクリロイル基とがエチレンで結合した重合性化合物に由来する構成単位を有する重合体が、良好な光透過性、アルカリ溶解性を同時に満たし、フォトレジスト用樹脂として有用であることを見出し、本発明を完成した。
発明の重合性化合物の製造方法は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸とエステル化反応させて下記式(II)で示される重合性化合物を得ることを特徴とする。(式中、R1 は、水素原子またはメチル基である。)
Figure 0004481790
本発明の重合性化合物によれば、良好な光透過性、アルカリ溶解性を同時に満たし、フォトレジスト用樹脂として有用である重合体を得ることができる。
また、本発明の重合体は、良好な光透過性、アルカリ溶解性を同時に満たし、かつ露光により発生した酸を消費しないため、フォトレジスト用樹脂として有用である。
また、本発明の重合性化合物の製造方法によれば、重合性化合物をハロゲン化物の廃液を発生させることなく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。ここで、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味する。
<重合性化合物>
上記式(I)で示される本発明の重合性化合物(以下、重合性化合物(I)と記す)は、上記式(I)に示すとおりフェノールのベンゼン核と(メタ)アクリロイル基とがエチレンで結合していることが必要である。これは、上記式(I)を構成単位として含む重合体が、フェノールのベンゼン核と(メタ)アクリロイル基とが直結した構造を有する重合性化合物に由来する構成単位を有する重合体、あるいはポリヒドロキシスチレンと比較して、紫外線領域、特に248nmでの光透過性が格段に優れ、かつアルカリ可溶性であるためである。また、原料のp−ヒドロキシエチルフェノールが工業的に入手しやすいことや、特定の反応条件下で容易に得られるためである。
本発明の重合性化合物(I)は、上記式(II)で示される重合性化合物(以下、重合性化合物(II)と記す)のフェノール性水酸基に保護基を導入することにより得ることができる。
フェノール性水酸基の保護基であるR2 は、酸で脱離する基であり、このような保護基としては、例えば、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロ−2−ピラニル基などが挙げられる。化学増幅ポジ型フォトレジストの場合は、酸で脱離する保護基でアルカリ可溶性基が保護された比較的低分子量の化合物を混合することも検討されており、アルカリ可溶性化合物のフェノール性水酸基またはカルボキシル基を、酸で脱離する保護基で保護した化合物が用いられる。
重合性化合物(II)のフェノール性水酸基に保護基を導入する方法としては、重合性化合物(II)とジ−tert−ブチルジカーボネートとを反応させる方法;重合性化合物(II)とエチルビニルエーテルとを反応させる方法;重合性化合物(II)と3,4−ジヒドロ−2H−ピランとを反応させる方法などが挙げられる。
重合性化合物(II)は、(i)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸無水物とを酸触媒で反応させる方法;(ii)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸エステルとをエステル交換反応させる方法;または(iii)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応する方法によって容易に得ることができる。
(i)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸無水物とを酸触媒で反応させる方法は、具体的には、p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸無水物を0.5〜1.2モル、好ましくは0.8〜1.1モルの範囲で反応させる方法である。 p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸無水物が0.5モル未満では、収率が低く好ましくない。また、 p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸無水物が1.2モルを超えると、アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基の両方が(メタ)アクリロイル化されたものが生成し、ヘキサン等の非極性溶媒での洗浄が必要となる。また、洗浄が不十分であると重合時にスポットゲルが発生するなどの問題を生じる。
反応の際には、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの溶媒を使用することが好ましい。溶媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸無水物との合計量100質量部に対して、0〜1000質量部の範囲で任意に使用できる。反応温度は、室温から150℃、好ましくは50〜100℃の範囲であり、反応時間は、1〜24時間である。
反応の際には、酸触媒を使用することが好ましい。具体的には、蓚酸、酢酸などの有機カルボン酸;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸;塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸が挙げられる。触媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸無水物との合計量100質量部に対して、0.01〜20質量であり、使用する溶媒量、反応温度を考慮して決定する。この反応を塩基性触媒の存在下で行うと、アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基の両方が(メタ)アクリロイル化された化合物が大量に生成し好ましくない。
(ii)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸エステルとをエステル交換反応させる方法は、具体的には、p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸エステルを1.0〜20.0モル、好ましくは1.1〜5.0モルの範囲で反応させる方法である。 p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸エステルが1.0モル未満、あるいは20.0モルを超えると、収率が低く、また副反応が起こるおそれがあり好ましくない。反応の際には、(メタ)アクリル酸エステルに対応するアルコールを系外に除去しながら反応を行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチルなどが使用できる。
反応の際には、ジオキサンなどのエーテル類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などの溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸エステルとの合計量100質量部に対して、0〜1000質量部の範囲で任意に使用できる。反応温度は70から160℃、好ましくは90〜130℃の範囲であり、反応時間は、1〜48時間である。
また、一般のエステル交換反応で使用する触媒を使用することができる。触媒としては、酸性触媒、塩基性触媒を使用することができる。具体的には、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸;塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸;錫化合物などが挙げられる。中でも、錫化合物触媒は副反応が少ないため好ましい。触媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸エステルとの合計量100質量部に対して、0.01〜50質量部であり、使用する溶媒量、反応温度を考慮して決定する。
(iii)p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応する方法は、具体的には、p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸を0.5〜10.0モル、好ましくは0.5〜2.0モルの範囲で反応させる方法である。 p−ヒドロキシエチルフェノール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸が0.5モル未満、あるいは10.0モルを超えると、収率が低く、また副反応が起こるおそれがあり好ましくない。反応の際は、水を系外に除去しながら反応することが好ましい。
反応の際には、ジオキサンなどのエーテル類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などの溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸との合計量100質量部に対して、0〜1000質量部の範囲で任意に使用できる。反応温度は70から160℃、好ましくは90〜130℃の範囲であり、反応時間は、1〜48時間である。
また、一般のエステル化反応で使用する触媒を使用することができる。触媒としては、酸性触媒、塩基性触媒を使用することができる。具体的には、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸;塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸;錫化合物などが挙げられる。触媒の使用量は、p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸との合計量100質量部に対して、0.01〜50質量部であり、使用する溶媒量、反応温度を考慮して決定する。
あるいは、無水酢酸、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水剤を使用する方法も有効である。
上記反応(i)〜(iii)においては、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどのヒドロキノン系化合物;2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンなどのヒンダートフェノール系化合物;フェノチアジンなどの重合禁止剤を適量使用することが好ましい。
得られた反応溶液を水で繰り返し洗浄し、析出した結晶を濾過、乾燥することで上記式(II)で示される重合性化合物(II)が得られる。充分に純度の高い結晶が得られるが、より純度を上げるため、水洗の他、有機溶剤を使用して再結晶してもよい。
<重合体>
本発明の重合体は、本発明の重合性化合物(I)に由来する構成単位、すなわち下記式(III)で示される構成単位を有する重合体である。(式中、R1 は、水素原子またはメチル基であり、R2 は、酸で脱離する保護基を表す。)
Figure 0004481790
本発明の重合体は、重合性化合物(I)を単独重合、または重合性化合物(I)と他の重合性化合物とを共重合する方法;重合性化合物(I)と重合性化合物(II)と、必要に応じて他の重合性化合物とを共重合する方法;重合性化合物(II)の重合体のフェノール性水酸基の一部または全部に保護基を導入する方法;重合性化合物(I)の重合体における保護基の一部を脱離する方法; などで製造することができる。
他の重合性化合物としては、例えば、スチレン、ヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール、メトキシスチレン、エトキシエトキシスチレン、t−ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、t−ブトキシカルボニロキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;N−ヒドロキシフェニルマレイミド、アクリロニトリル、インデンなどが挙げられる。また、珪素またはフッ素を含有する重合性化合物、スルホン基またはスルホン酸ナトリウムを含有する重合性化合物などが挙げられる。これらの重合性化合物は、重合体をフォトレジストとして使用する際における、アルカリ溶解性、光透過性、耐熱性、密着性、柔軟性、塗膜やパターンの強度などの調節の目的で、任意に使用できる。
また、他の重合性化合物として、酸解離性の(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−テトラヒドロピラニル、(メタ)アクリル酸2−テトラヒドロフラニル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキサシクロペンタ−2−オン−1−イルなどを用いることができる。
本発明の重合体は、常法の重合方法により得られる。具体的には、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位アニオン重合などが挙げられる。
本発明の重合体の質量平均分子量は、ポリスチレンを標準とするGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、1,000〜100,000であり、フォトレジスト用としてはアルカリ溶解性、耐熱性の点で、好ましくは、5,000〜50,000である。分子量を調節するために、連鎖移動剤を使用することもできる。
本発明の重合体と光酸発生剤および有機溶剤などを混合し、フォトレジスト組成物が得られる。
光酸発生剤は、使用する光源波長により適宜選択される。g線、i線では、ジアゾナフトキノン系光酸発生剤が用いられる。KrF、ArFエキシマレーザーでは、オニウム塩類、スルホン酸エステル類、ハロゲン系化合物類、シアノ基を有するオキシムスルホネートなどの光酸発生剤が用いられる。有機溶剤としては、一般に使用されているPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、乳酸エチルなどが使用できる。
フォトレジストの用途としては、半導体集積回路の製造等に使用される微細加工用フォトレジスト、半導体集積回路の周辺材料に使用されるバンプ形成用レジスト、再配線用レジスト等の厚膜レジスト、感光性絶縁膜、プリント基板やフラットパネルディスプレイの製造等に使用されるエッチングレジスト、メッキレジスト、ソルダーレジスト、カラーフィルターレジスト、写真製版やデジタル製版に用いられる印刷版(PS版、CTP版)の感光層などといった、各種フォトレジストが挙げられる。
また、本発明の重合体は、エポキシ硬化剤として用いることができる。エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂と反応して三次元橋かけ構造を形成し、エポキシ樹脂を硬化させるものである。本発明の重合体からなるエポキシ硬化剤は、特に、絶縁材料に使用されるエポキシ樹脂の硬化剤として好適である。
また、本発明の重合体と、顔料、各種添加剤、有機溶剤などとを混合し、塗料が得られる。この塗料は、各種コーティング剤、プライマー等に用いられる。
<作用>
以上説明した本発明の重合体は、フェノールのベンゼン核と(メタ)アクリロイル基とがエチレンで結合しているので、紫外線領域、特に248nmでの光透過性が格段に優れ、アルカリ溶解性も良好である。そして、露光により発生した酸を捕捉する基を有していない。よって、このような重合体を含有するフォトレジストは、高感度化、高解像度化が可能となる。
本発明の重合性化合物の製造方法によれば、ハロゲン化有機化合物を用いずに重合性化合物の製造を行っているので、ハロゲン化物の廃液が発生することがない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
本実施例における重合体の評価は、以下のようにして行った。
(質量平均分子量)
GPCを用い、ポリスチレン換算で質量平均分子量を求めた。
(アルカリ溶解速度)
アルカリ溶解速度は、2.38質量%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用い、現像前後の膜厚の差を現像時間で割った値として定義した。
(光透過率)
重合体をメタノールに溶解して、0.24g/Lのメタノール溶液を用意した。この溶液について光透過率を紫外可視分光光度計で測定した。
参考例1]
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレートの合成(酸無水物法):
フラスコにp−ヒドロキシエチルフェノール1380g(10モル)、メタクリル酸無水物1540g(10モル)およびテトラヒドロフラン2500gを入れ、窒素雰囲気下にて65℃まで昇温した。その溶液に、フェノチアジン10.0g、硫酸10.0gを添加し、65℃で15時間反応し、炭酸ナトリウムで中和した。イオン交換水で洗浄を繰り返し、析出した結晶を濾過、乾燥し、白色結晶1550gを得た。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minのDSC測定(示差走査熱量測定)から融点は86.8℃であった。p−ヒドロキシエチルフェノールおよび得られた結晶の 1H−NMRチャートを図1および図2に示す。
参考例2]
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレートの合成(エステル交換法):
フラスコにp−ヒドロキシエチルフェノール1380g(10モル)、メタクリル酸メチル2000g(20モル)およびジオキサン1500gを入れ、窒素雰囲気下にて100℃まで昇温した。その溶液に、フェノチアジン10.0g、p−トルエンスルホン酸50.0gを添加し、100℃で24時間、生成するメタノールを除去しながら反応した。イオン交換水で洗浄を繰り返し、析出した結晶を濾過、乾燥し、白色結晶1900gを得た。得られた結晶の融点は87.0℃であり、 1H−NMRチャートは、参考例1と同様であった。
[実施例
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレートの合成(エステル化法):
フラスコにp−ヒドロキシエチルフェノール1380g(10モル)、メタクリル酸946g(11モル)およびトルエン1500gを入れ、窒素雰囲気下にて100℃まで昇温した。その溶液に、フェノチアジン10.0g、p−トルエンスルホン酸20.0gを添加し、100℃で24時間、生成する水を除去しながら反応した。イオン交換水で洗浄を繰り返し、析出した結晶を濾過、乾燥し、白色結晶1910gを得た。得られた結晶の融点は86.9℃であり、 1H−NMRチャートは、参考例1と同様であった。
参考
2−(4−tert−ブトキシカルボニロキシフェニル)エチルメタクリレートの合成:
フラスコに参考例1で得られた化合物206g(1.0モル)、ジ−tert−ブチルジカーボネート218g(1.0モル)およびジオキサン150gを入れ、窒素雰囲気下にて70℃まで昇温した。その溶液に、ピリジン0.4gを添加し、70℃で12時間反応した。イオン交換水で洗浄を繰り返し、減圧下にて水を除去して、常温で液状の物質300gを得た。得られた液状物質の 1H−NMRチャートを図3に示す。
参考
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート60モル%および2−(4−tert−ブトキシカルボニロキシフェニル)エチルメタクリレート40モル%の共重合体の合成:
フラスコに参考例1で得られた化合物50.2g、参考で得られた化合物49.8g、N,N−ジメチルアセトアミド600g、アゾビスイソブチロニトリル4.0gを入れ、窒素雰囲気下にて80℃まで昇温し、80℃で8時間重合反応を行った。メタノール200gを添加し、これを、激しく攪拌した大量のイオン交換水へ2時間かけて滴下した。析出した重合体を濾過、乾燥して重合体99.0gを得た。GPCによる質量平均分子量はポリスチレン換算で16,000であった。248nmでの光透過率は85%であった。
フォトレジストの評価:
得られた重合体1.0g、SP−152(旭電化工業株式会社製、トリアリールスルホニウム塩系光酸発生剤)0.05gを乳酸エチル2.0gに溶解し、0.2μmのフィルターで濾過してフォトレジストを調製した。ブリキ板に塗布し、110℃で20分乾燥して厚さ約5μmの塗膜を得た。その塗膜にパターンマスクを被せ、超高圧水銀灯(波長領域:300〜450nm)を用いて積算光量500mJ/cm2 で露光し、130℃で20分加熱を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液にて現像したところ、マスクと同様のパターンが形成された。別途、露光部と未露光部のアルカリ溶解速度を測定した。その結果を表1に示す。
参考
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート60モル%、2−(4−tert−ブトキシカルボニロキシフェニル)エチルメタクリレート20モル%およびtert−ブチルアクリレート20モル%の共重合体の合成:
フラスコに参考例1で得られた化合物58.7g、参考で得られた化合物29.1g、tert−ブチルアクリレート12.2g、N,N−ジメチルアセトアミド500g、アゾビスイソブチロニトリル6.0gを入れ、窒素雰囲気下にて80℃まで昇温し、80℃で8時間重合反応を行った。メタノール200gを添加し、これを、激しく攪拌した大量のイオン交換水へ2時間かけて滴下した。析出した重合体を濾過、乾燥して重合体99.0gを得た。GPCによる質量平均分子量はポリスチレン換算で15,000であった。248nmでの光透過率は83%であった。
フォトレジストの評価:
得られた重合体1.0g、SP−152(旭電化工業株式会社製、トリアリールスルホニウム塩系光酸発生剤)0.05gを乳酸エチル2.0gに溶解し、0.2μmのフィルターで濾過してフォトレジストを調製した。ブリキ板に塗布し、110℃で20分乾燥して厚さ約5μmの塗膜を得た。その塗膜にパターンマスクを被せ、超高圧水銀灯を用いて積算光量500mJ/cm2 で露光し、130℃で20分加熱を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液にて現像したところ、マスクと同様のパターンが形成された。別途、露光部と未露光部のアルカリ溶解速度を測定した。その結果を表1に示す。
参考
ヒドロキシスチレン60モル%およびtert−ブチルアクリレート40モル%の共重合体について、248nmでの光透過率を測定したところ、50%であった。また、参考と同様にしてフォトレジストとしての評価(アルカリ溶解速度)を行った。結果を表1に示す。マスクと同様のパターンが形成されたが、248nmでの光透過性は本発明の重合体より劣っていた。したがって、KrFエキシマレーザー(248nm)を使用した場合は、本発明の重合体の方がより高感度になると考えられる。
参考
N−(4−tert−ブトキシカルボニロキシ−3,5−ジメチルベンジル)アクリルアミドの重合体の合成:
特許文献4(特開2003−73424号公報)の実施例5に示される方法により、淡褐色粉末の重合体を得た。248nmでの光透過率を測定したところ、65%であった。
また、参考と同様にしてフォトレジストとしての評価(アルカリ溶解速度)を行った。結果を表1に示す。露光、現像の結果、パターンは形成されなかった。露光部および未露光部で塗膜のIR測定を行ったところ、tert−ブトキシカルボニル基に由来する吸収に変化は見られなかった。
Figure 0004481790
本発明の重合性化合物により、紫外線領域、特に248nmでの光透過性に優れ、かつ光酸発生剤の存在下、露光部がアルカリ可溶となる重合体が得られた。これにより、フォトレジストの高感度化、高解像度化が可能となる。また、特定の反応条件にすることで容易に重合性化合物が得られた。
本発明は、微細加工用フォトレジスト、バンプ形成用レジスト、再配線用レジスト等の厚膜レジスト、感光性絶縁膜、エッチングレジスト、メッキレジスト、ソルダーレジスト、カラーフィルターレジスト、印刷版(PS版、CTP版)の感光層などといった各種フォトレジスト;エポキシ硬化剤;各種コーティング剤、プライマー等の塗料に有用である。
p−ヒドロキシエチルフェノールの 1H−NMRチャートである。 参考例1で得られた2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレートの 1H−NMRチャートである。 参考で得られた2−(4−tert−ブトキシカルボニロキシフェニル)エチルメタクリレートの 1H−NMRチャートである。

Claims (1)

  1. p−ヒドロキシエチルフェノールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させて下記式(II)で示される重合性化合物を得ることを特徴とする重合性化合物の製造方法。
    Figure 0004481790
    (式中、R1 は、水素原子またはメチル基である。)
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