JP2004002431A - クロマン系化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用タイヤ、コンベヤー用ベルト、ホースなどの工業用ゴム製品における補強材を被覆するためのゴム組成物を製造する際に好適に用いられる新規な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品は、スチールコードまたは、ポリエステル、ナイロン、レーヨンのような有機繊維コードからなる補強材で補強されることがしばしばある。そして、かかる補強材で補強するゴム製品においては、ゴムと補強材との良好な接着性が要求される。そこで、スチールコードを補強材とする場合には、その表面を真鍮(黄銅)や亜鉛でメッキ処理することが広く行われており、さらにはこうしたスチールコードと天然ゴムまたは合成ゴムからなる被覆用ゴムとの接着性を向上させるために、ナフテン酸コバルトのような有機酸コバルト塩および/またはレゾルシンやレゾルシン系樹脂のような接着剤をゴムに配合する方法が知られている。また、ポリエステル、ポリアミド、レーヨンなどの有機繊維を補強材とする場合には、これら有機繊維とゴムとの接着性を向上させるため、有機繊維をレゾルシンやレゾルシン系樹脂などの接着剤で前処理する方法や、ゴム加工時にこれらの接着剤を配合する方法などが知られている。
【0003】
これらのなかでも、ゴムの加工工程において接着剤を配合する方法は、初期接着性に優れることから、広く採用されている。この方法は練り込み型接着とも呼ばれ、一般にメチレン受容体および加熱によりホルムアルデヒドを発生するメチレン供与体を、加工段階にあるゴムに配合して、得られる未加硫ゴムと補強材とを加硫時に接着させるものである。そしてメチレン受容体として、レゾルシンやm−アミノフェノールのようなm−置換フェノールを用いる方法、m−置換フェノールとホルムアルデヒドやアセトアルデヒドのようなアルデヒドとの縮合物を用いる方法、m−置換フェノールとともに他のモノ置換フェノールをアルデヒドと反応させた縮合物を用いる方法などがある。
【0004】
これらのうち、メチレン受容体としてm−置換フェノール、特にレゾルシンを用いる方法は、ゴムの硬度を向上させ、動的変形時の弾性率を向上させ、ゴムを強靱(タフ)にすることが可能であるとともに、動的変形時の損失係数を小さくし、耐発熱性の向上にも有効であることから、広く使用されていた。しかしながらレゾルシンは、混練など、ゴムの加工時に著しく昇華・蒸散し、環境衛生上好ましくないことから、大きな社会問題となっていた。さらには、レゾルシンを配合した未加硫ゴムにおいては、レゾルシンがゴム表面にブルームし、したがって未加硫ゴム間の接着性の低下を招くという欠点も有していた。
【0005】
特開昭 58−147444号公報には、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンとともに、加熱時にメチレン基を供与しうる化合物を含有せしめたゴム組成物が開示されている。しかし、この公報に記載されるゴム組成物は、スチールコードなどの補強材との加硫接着性において必ずしも十分でなく、また硬度、動的弾性率および損失係数においても満足できる水準に達していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らはかかる事情に鑑み、公知のメチレン受容体が有していた欠点を解決すべく種々研究を重ねた結果、所定の原料ゴムに、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンおよび特定構造のクロマン系化合物を配合することによって、優れた性能が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
したがって、本発明の目的は、蒸散性の少ないメチレン受容体を配合して補強材との加硫接着性の向上を図ったゴム組成物に好適に添加される新規な化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴム(A)に、次の成分(B)と共に配合される下記(C)の化合物を提供するものである。
【0009】
(B)2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン
【0010】
(C)式(I)
【0011】
【0012】
(式中、mは、0または1である)
で示される化合物、および式(II)
【0013】
【0014】
(式中、nは、0、1または2である)
で示される化合物から選ばれるクロマン系化合物。このゴム組成物においては、ゴム(A)100重量部あたり、成分(B)を0.5〜10重量部、そして成分(C)を0.005〜1重量部含有させるのが好適である。
【0015】
本発明は、ゴム(A)に前記成分(B)と共に配合される(C)成分のうちの、前記式(I)または(II)で示されるクロマン系化合物を提供する。
【0016】
ゴム組成物において適用されるゴム(A)は、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれ、それぞれ単独のゴムからなるものであっても、また2種以上のゴムのブレンド物であってもよい。これらのなかでも、スチールコードを被覆する場合は、イソプレンゴムまたは天然ゴムが好ましく用いられる。
【0017】
成分(B)の2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンは、式
【0018】
【0019】
で示され、この化合物は、レゾルシンに比べてゴム加工工程における蒸散の問題を解消する。2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンは、特開昭 55−139375号公報、特開昭 61−27980号公報などに記載される公知の方法に従って製造することができる。例えば、レゾルシンと、アセトン、メシチルオキシドまたはジアセトンアルコールとを、酸触媒の存在下、不活性溶媒中で縮合反応させることにより、得ることができる。
【0020】
成分(B)の2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンは、ゴム100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲で添加される。以下、ゴム100重量部あたりの配合成分の重量部は phrの単位で表す。2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンの量が0.5 phr未満では改良効果が不十分であり、また10phrより多く用いても、増量に伴うさらなる改良効果が期待できないので、不経済となる。好ましくは、この化合物は0.5〜3phrの範囲で添加される。
【0021】
成分(C)のクロマン系化合物は、前記式(I)の化合物、前記式(II)の化合物および7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラメチル−2,2′−スピロビクロマンから選ばれる。これらのクロマン系化合物も、いずれもレゾルシンに比べてゴム加工工程における蒸散の問題を解消する。
【0022】
本発明の前記式(I)および(II)のクロマン系化合物も、レゾルシンと、アセトン、メシチルオキシドまたはジアセトンアルコールとを原料とし、酸触媒の存在下で縮合反応させることにより製造でき、その際の条件を適宜選択することにより、式(I)および/または式(II)のクロマン系化合物が生成する。例えば、レゾルシンおよびアセトンを原料とし、アセトンをレゾルシンに対して1〜20倍のモル比で仕込み、レゾルシンの量を基準として0.2〜2モル%の酸触媒の存在下、60〜80℃の温度で、4〜20時間縮合反応させることにより、かかるクロマン系化合物を得ることができる。この反応に用いる酸触媒としては、例えば硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸などが挙げられる。この反応は、無溶媒で行っても、また溶媒中で行ってもよい。溶媒を用いる場合、好ましいものとしては、メタノールやエタノールのような脂肪族アルコール類および、トルエンやキシレン、エチルベンゼン、シメン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンのような芳香族系炭化水素類が挙げられる。反応により通常、式(I)および式(II)に含まれる化合物が混合物として得られ、例えば液体クロマトグラフィーや再結晶法などによってそれぞれの化合物を分取することができるが、もちろん混合物のままゴムに適用してもよい。
【0023】
また、7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラメチル−2,2′−スピロビクロマンは、式
【0024】
【0025】
で示され、特開昭 62−111988号公報などに記載される公知の方法に従って製造することができる。例えば、レゾルシンと、アセトン、メシチルオキシドまたはジアセトンアルコールとを、1,2−ジクロロエタンのような脂肪族ハロゲン化物および硫酸水の共存下で縮合反応させることにより、得ることができる。
【0026】
成分(C)のクロマン系化合物は、0.005〜1phrの範囲でゴムに添加される。クロマン系化合物の量が0.005phr未満では改良効果が不十分であり、また1phrより多く用いても、増量に伴うさらなる改良効果が期待できないので、不経済となる。好ましくは、この化合物は0.05〜1phrの範囲で添加される。
【0027】
レゾルシンと、アセトン、メシチルオキシドまたはジアセトンアルコールとの縮合反応における条件を適切に選択すれば、本発明において成分(B)を構成する2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンと、成分(C)を構成する式(I)の化合物、式(II)の化合物および7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラメチル−2,2′−スピロビクロマンから選ばれるクロマン系化合物とを、混合物として得ることもできる。
【0028】
例えば、レゾルシンおよびアセトンを原料とし、レゾルシンをアセトンに対して0.5〜2倍のモル比で仕込み、酸触媒をレゾルシンに対して0.002〜2モル倍および水に混和しない有機溶媒をレゾルシンに対して1〜3重量倍存在させ、さらに水または種晶の存在下で縮合させることにより、かかる混合物を得ることができる。この反応に用いる酸触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸などが挙げられ、また水に混和しない有機溶媒としては、例えば、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、エチルベンゼン、p−シメン、m−シメンのような芳香族炭化水素類、クロロベンゼンやo−ジクロロベンゼンのような芳香族ハロゲン置換炭化水素類などが挙げられる。
【0029】
この反応において、水を存在させる場合、その量は酸触媒に対して0.1〜1重量倍の範囲が適当であり、また種晶を存在させる場合、その量は酸触媒に対して0.0001〜1重量倍の範囲が適当である。種晶としては、通常2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンが用いられる。縮合反応の温度には特別な制限はないが、通常30〜120℃程度の温度が採用される。この反応条件においては、反応温度が高くなるほど、成分(C)の成分(B)に対する比率が高くなり、例えば100℃以上の温度条件では、成分(C)を優先的に生成させることができる。
【0030】
こうして得られる混合物を、そのまま本発明によるゴム用添加剤として用いることもでき、また必要により適宜成分調整することもできる。本発明のゴム用添加剤は、成分(B)の2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンおよび成分(C)のクロマン系化合物を有効成分とするものであり、ゴムに配合する段階で適宜各成分の量を調整することができるので、ゴム用添加剤としての混合物の状態では、両成分の割合は必ずしも限定されるものでない。しかし、ゴムに配合した段階で、先に説明したゴム組成物中の割合となるよう、添加剤混合物の段階で成分調整しておくのが好ましく、例えば、成分(B)と成分(C)の割合を、重量比で(B):(C)=1:0.0005〜2の範囲としておくのが好ましい。さらには、重量比で(B):(C)=1:0.02〜2の範囲としておくのがより好ましい。前述したような、反応により直接混合物を製造する場合は、反応生成物がこのような組成になるようにすることができ、また反応後適宜不足する成分を追加して上記のような組成にすることもできる。
【0031】
以上に示した成分(B)および(C)をゴム(A)に配合してなる本発明のゴム組成物は、ゴム(A)に成分(B)を含有してなるゴム組成物に比べ、ゴムと補強材との接着性、特にスチールコードとの接着性能、さらには硬度や動的弾性率、損失係数の改良において相乗的な効果を発現する。
【0032】
このようなゴム(A)、成分(B)および(C)を含むゴム組成物は、特にスチールコードまたは有機繊維との加硫接着において有効である。接着されるスチールコードとしては、真鍮(黄銅)メッキしたスチールコード、亜鉛メッキしたスチールコードなどが例示される。また有機繊維としては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどが例示させる。これらのいずれかで補強されるゴムであればよいが、もちろん2種以上の補強材を用いてもよい。
【0033】
上記のゴム組成物は、必要に応じてさらに、メチレン供与体を含むことができ、とりわけ、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物またはヘキサメチレンテトラミンを含有するのが有効である。メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物は、通常ゴム工業において使用されているもの、すなわちヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ペンタキス(メトキシメチル)メチロールメラミン、テトラキス(メトキシメチル)ジメチロールメラミンなどである。これらのなかでも、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン単独または、それを多く含む混合物が好ましい。これらメチレン供与体は、それぞれ単独で、または組み合わせて用いることができ、その配合量は0.5〜6phrの範囲が好ましく、さらには1〜4phr程度の範囲がより好ましい。メチレン供与体の配合量が0.5phr未満では、接着性能およびゴムの硬度向上にあまり有効でなく、一方6phrより多くなると、ゴムの破断伸びを低下させ、さらには熱老化後の引張強さおよび引張応力の保持率が低下するため、好ましくない。
【0034】
上記のゴム組成物は、また、必要に応じてさらに有機コバルト化合物を含むことができる。有機コバルト化合物は例えば、有機酸コバルト塩、有機コバルト錯体などであることができる。有機酸コバルト塩の具体例としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、プロピオン酸コバルト、安息香酸コバルト、p−ヒドロキシ安息香酸コバルト、ロジン酸コバルト、脂肪酸コバルト・ホウ素化合物(例えば、商品名「マノボンド C CP420」、「マノボンド C 680C」:いずれもマンケム社製)などが挙げられる。また有機コバルト錯体の具体例としては、コバルトアセチルアセトネート、アセト酢酸アニリドコバルト錯体などが挙げられる。これらの有機コバルト化合物のなかでも、カルボン酸コバルト(II)塩が好ましく用いられる。有機コバルト化合物は、スチールコードを接着被覆するゴム配合において好ましく用いられ、その配合量は、コバルト量に換算して0.05〜1phrの範囲が好ましい。コバルト量として0.05phrより少ない場合は、スチールコードへの接着性改良効果が必ずしも十分でなく、また1phrより多い場合は、ゴムの耐熱性や耐屈曲亀裂性を低下させるので、好ましくない。
【0035】
また、前記のゴム組成物は、必要に応じてさらに補強剤および/または充填剤を含むことができる。補強剤または充填剤としては、通常ゴム工業で使用されている各種のもの、例えばカーボンブラックのような補強剤および、シリカ、クレー、炭酸カルシウムのような無機充填剤が挙げられる。なかでも、補強性、さらにはゴムの硬度、発熱性、動的耐久性などの観点、特にゴムの硬度の観点より、カーボンブラックを配合するのが好ましく、通常ゴム工業で使用されている種類のもの、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、SRF、GPF、MTなどが使用できる。補強剤および/または充填剤、特にカーボンブラックの配合量は、20〜150phrの範囲が好ましく、より好ましくは40〜80phrの範囲である。さらには、有機繊維との接着性向上の目的で、カーボンブラックとは別に、あるいはカーボンブラックとともに、含水シリカを配合するのも好ましい。含水シリカを用いる場合の配合量は、5〜40phrの範囲が好ましい。
【0036】
ゴム組成物は、また、ゴム工業で通常使用されている各種のゴム薬品、例えば酸化防止剤やオゾン劣化防止剤のような老化防止剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、しゃっ解剤、加工助剤、ワックス、オイル、ステアリン酸、粘着付与剤などの1種または2種以上を、必要に応じて併用してもよいことはいうまでもない。これらの薬品は、ゴム組成物の意図された用途次第で、それぞれがゴム工業において通常使用されている範囲の量を用いることができる。
【0037】
とりわけ、ベンゾチアゾール系加硫促進剤、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル ジスルフィド、N−アルキル置換ベンゾチアジルスルフェンアミドまたはN−アルキル置換ベンゾチアジルスルフェンイミドを配合して加硫することにより、接着性の向上が期待されるので、かかるベンゾチアゾール系加硫促進剤は好ましく用いられる。N−アルキル置換ベンゾチアジルスルフェンアミドにおいて、N−位に置換するアルキルは1個または2個であることができ、2個のアルキルがN−位に結合した場合は、窒素原子とともに環、例えばモルホリン環を形成してもよい。N−位に置換するアルキルは、直鎖状のほか、分枝状または環状であることができる。N−アルキル置換ベンゾチアジルスルフェンアミドの具体例は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−アミル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどである。また、N−アルキル置換ベンゾチアジルスルフェンイミドとしては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンイミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンイミドなどが挙げられる。なかでも、硬度および接着性向上の観点より、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドおよびN,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドが好ましく用いられる。加硫促進剤、特にベンゾチアゾール系加硫促進剤を用いる場合の配合量は、0.1〜4phrの範囲が好ましい。
【0038】
また、ゴム組成物は、補強材との接触下で加硫されることから、通常は加硫剤、好ましくはイオウが配合される。加硫剤としてのイオウは、通常ゴム工業で使用されている不溶性イオウや各種の可溶性イオウであることができ、またその配合量は、通常1〜10phr程度の範囲である。スチールコードを補強材として用いる場合は、スチールコードとの接着性向上の観点より、不溶性イオウを配合するのが好ましく、その配合量は4〜10phr程度が好ましい。
【0039】
さらには老化防止剤、例えば、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−ジアミノベンゼン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−ジアミノベンゼン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物、N,N′−ジアリール−p−ジアミノベンゼンなどを配合するのも有効である。2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物を用いる場合は、ダイマー成分が30重量%以上で、かつ1級アミン成分が1重量%以下のもの、例えばEP−A−610,070(=特開平 6−228374号公報+特開平 6−228375号公報)に記載されるものが好ましい。老化防止剤を配合する場合は、通常0.1〜4phrの範囲で用いられる。
【0040】
かくして配合されたゴム組成物は、タイヤの各種部材やその他のゴム製品、特にスチールコードや有機繊維などの補強材で補強される部材に適用した場合に、優れた効果を発揮する。例えばこのゴム組成物を、タイヤ、特にカーカス部やベルト部のような補強材で補強される部分に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法により、成形、加硫工程を経て、タイヤが製造される。
【0041】
補強材との接触下で加硫するにあたっては、ベースゴムの種類や各種配合剤の種類によって異なる適切な条件が採用される。また、補強材と接触しない状態で加硫しても、耐熱性、硬度および動的弾性率に優れる加硫ゴムが得られる。加硫条件自体は、従来から一般に採用されているものでよく、本発明において特に制限されるものではない。
【0042】
【実施例】
次に、本発明について実施例をもって詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す%および部は、特にことわりがないかぎり、それぞれ重量%および重量部である。まず、前記式(I)のクロマン系化合物および式(II)のクロマン系化合物を製造した例を示す。
【0043】
実施例1
温度計、撹拌機およびコンデンサーを備えた500ml四つ口フラスコに、レゾルシン199.9g(1.8モル)、アセトン210.9g(3.6モル)およびp−トルエンスルホン酸1水和物1.33g(0.008モル)を仕込み、加熱した。内温を78〜82℃に保ちながら4時間保温したあと、室温に冷却した。苛性ソーダ水溶液で中和後、20mmHgの減圧下、60℃でアセトンおよび水を留去した。得られた粘稠性液体をアセトニトリルで希釈し、高速液体クロマトグラフィーを用いて目的化合物を分取した。
【0044】
その結果、式(I)の化合物でm=1のもの、すなわち、4,6−ビス(7−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルクロマン−2−イル)−1,3−ベンゼンジオール(以下、化合物C1と称す)を33.8g(レゾルシン基準の収率11.5%)および、式(II)の化合物でn=1のもの、すなわち、2,4−ビス(7−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルクロマン−2−イル)−1,3−ベンゼンジオール(以下、化合物C2と称す)を9.7g(レゾルシン基準の収率3.3%)を得た。なお、化合物C1にはジアステレオマー(以下、それぞれ化合物C1aおよび化合物C1bと称す)が存在し、上記得量33.8gは両者の合計量である。
【0045】
化合物C1a、C1bおよびC2の各々について、質量分析および日本電子(株)製の GX−270を用いたプロトン核磁気共鳴の測定を行い、結果は以下のとおりであった。
【0046】
質量分析(FD−MS)
化合物C1a:分子量490
化合物C1b:分子量490
化合物C2:分子量490
【0047】
1H−NMRの化学シフト(アセトン−d6、TMS基準 ppm)
化合物C1a:
0.67 (一重線, 6H); 1.18 (一重線, 6H); 1.51 (一重線, 6H);
1.77 (二重線, 14 Hz, 2H); 2.80 (二重線, 14 Hz, 2H);
6.34 (一重線, 1H); 6.4−6.5 (多重線, 4H); 7.00 (二重線, 9 Hz, 2H);
7.15 (一重線, 1H); 8.20 (一重線, 2H); 8.39 (一重線, 2H)
化合物C1b:
0.92 (一重線, 6H); 1.26 (一重線, 6H); 1.49 (一重線, 6H);
1.92 (二重線, 14 Hz, 2H); 2.65 (二重線, 14 Hz, 2H);
6.32 (一重線, 1H); 6.4−6.5 (多重線, 4H); 7.03 (二重線, 8 Hz, 2H);
7.21 (一重線, 1H); 8.17 (一重線, 2H); 8.37 (一重線, 2H)
化合物C2:
0.63 (一重線, 3H); 0.75 (一重線, 3H); 1.10 (一重線, 3H);
1.21 (一重線, 3H); 1.48 (一重線, 3H); 1.52 (一重線, 3H);
1.73 (二重線, 14 Hz, 1H); 1.79 (二重線, 14 Hz, 1H);
2.75 (二重線, 14 Hz, 1H); 2.83 (二重線, 14 Hz, 1H);
6.4−6.5 (多重線, 5H); 6.89 (二重線, 8 Hz, 1H);
7.03 (二重線, 9 Hz, 1H); 7.07 (二重線, 8 Hz, 1H);
8.10 (一重線, 2H); 8.35 (一重線, 1H); 8.40 (一重線, 1H)
【0048】
実施例2
温度計、撹拌機およびコンデンサーを備えた300ml四つ口フラスコの内部を窒素置換したのち、そこへレゾルシン86.1g(0.78モル)、アセトン49.8g(0.86モル)およびキシレン100.9gを仕込み、35℃まで昇温してレゾルシンを完溶させた。その後同じ温度で、純度98%の2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン2.34gおよびp−トルエンスルホン酸1水和物1.48gを仕込み、2時間かけて90℃まで昇温後、さらに同温度で2時間保温した。このときのレゾルシンの反応率は98%であった。反応後、室温まで冷却し、30%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、さらに50mmHgの減圧下、100℃でキシレンや水などを留去して、淡黄色粉末状結晶117.5gを得た。この結晶の融点を測定したところ、溶け始め187℃、溶け終わり234℃であった。この粉末状結晶の組成は次のとおりであった。
【0049】
2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン 84.2%
化合物C1 4.5%
化合物C2 3.0%
7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラメチル−
2,2′−スピロビクロマン 3.8%
レゾルシン 0.9%
その他の樹脂成分 3.6%
【0050】
上記した化合物C1およびC2を含めて、参考例および比較例では、以下の化合物をメチレン供与体として供試した。
【0051】
B :2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン
C1:4,6−ビス(7−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルクロマン−2−イル)−1,3−ベンゼンジオール〔式(I)でm=1のもの〕
C2:2,4−ビス(7−ヒドロキシ−2,4,4−トリメチルクロマン−2−イル)−1,3−ベンゼンジオール〔式(II)でn=1のもの〕
C3:7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラメチル−2,2′−スピロビクロマン
X :レゾルシン
【0052】
参考例1〜6
〈配合処方〉
天然ゴム(RSS#3) 85 部
ポリイソプレンゴム(日本ゼオン(株)製 Nipol IR2200) 15 部
HAFカーボンブラック(N330) 60 部
ステアリン酸 1 部
亜 鉛 華 8 部
成分(B) 表1に記載
成分(C) 表1に記載
老化防止剤 3 部
(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−ジアミノベンゼン)
ナフテン酸コバルト(コバルト含量11%) 2 部
加硫促進剤 0.8部
(N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
不溶性イオウ 5 部
メトキシ化メチロールメラミン樹脂 1.5部
(アメリカン・サイアナミド社製の「サイレーツ 966」)
加硫遅延剤(モンサント社製の「サントガード PVI」) 0.2部
【0053】
1.8リットルのバンバリーミキサーを用い、初期の系内温度を80℃として、上記配合処方に基づき、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、カーボンブラック、ステアリン酸、亜鉛華、供試メチレン受容体(B)および(C)、老化防止剤ならびにナフテン酸コバルトを投入し、3分間混練してから排出した。排出時のゴム温度は145〜155℃であった。
【0054】
次にこの配合物を再度このバンバリーミキサーに入れ、上記配合処方に示した加硫促進剤、不溶性イオウ、メトキシ化メチロールメラミン樹脂および加硫遅延剤を添加し、ミキサー系内のゴム温度が100℃以下になるよう温度制御をしつつ、1.5分間混練した。
【0055】
混練後、バンバリーミキサーから排出した未加硫ゴム組成物をオープンミルに移し、ゴム温度80〜100℃でシート押出したあと、その一部に、真鍮メッキされたスチールコードを埋め込み、加硫プレスにより150℃で30分間加硫して、接着試験用の試験片を作成した。さらに残りの試料から、引張試験、硬度試験および動的粘弾性試験用の試験片を作成し、150℃で30分間加硫した。それぞれの加硫ゴム物性試験は以下の方法により行い、結果を表1に示した。
【0056】
接着試験
加硫前のゴム組成物を真鍮メッキされたスチールコードと接触させて加硫したときの接着性について、ASTM D 2229に記載の引き抜き試験法に準拠し、接着力を測定した。接着試験の結果は、12個の試験片の平均値で表示した。
【0057】
引張試験
JIS K 6301に準拠して、ダンベル状3号試験片を用い、引張強さおよび破断伸びを測定した。引張強さおよび破断伸びは、いずれも値が大きいほど引張物性に優れることを意味する。
【0058】
硬度試験
JIS K 6301に準拠して、厚さ12.7 mmの直円柱状試料を用い、スプリング式硬さ試験機(A型)にて硬度を測定した。硬度が大きいほど、強靱であることを意味する。
【0059】
動的粘弾性試験
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーター F−IIIを用い、初期(静的)歪2%、動的歪振幅0.5%、周波数10Hzで60℃における動的弾性率(E′)および損失係数(tanδ)を測定した。動的弾性率の値が大きいほど強靱であることを、また損失係数の値が小さいほど耐発熱性および耐ブローアウト性に優れることを意味する。
【0060】
【0061】
比較例1
成分(B)および(C)を省略した以外は、実施例1と同様の実験を行った。結果は表2に示した。
【0062】
比較例2
成分(C)のクロマン系化合物を省略した以外は、実施例1と同様の実験を行った。結果は表2に示した。
【0063】
比較例3
成分(B)として、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバンの代わりにレゾルシン(化合物X)を用い、成分(C)を省略した以外は、参考例1と同様の実験を行った。結果は表2に示した。
【0064】
【0065】
【発明の効果】
本発明のクロマン系化合物は、ゴム組成物としたときに、補強材との接着性に優れ、また加硫状態での硬度が高く、強靱化されるとともに、加硫ゴムが動的変形状態にあるとき、高い弾性率と低い損失係数を示し、動的にも優れた強靱効果を有する。したがって、このゴム組成物を補強材で補強される部材に適用して加硫接着を行うことにより、高品位の製品が得られる。そして、ゴム組成物におけるこのような優れた性質は、本発明のクロマン系化合物を用いることにより得られる。
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